JP7388370B2 - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物及びタイヤに関する。
タイヤ用ゴム組成物は、種々の性能が求められるが、近年は特に環境対応の観点から長期、安全に使用できるための耐摩耗性、耐オゾン性、耐破壊性能といった耐久性にかかわる性能が重要となっている。さらにタイヤを効率的に生産するための加工性や安全運航のための操縦安定性といった性能も同時に求められる。
例えば耐破壊性能や操縦安定性を向上するためには、カーボンブラックやシリカのような補強材を大量に配合することが考えられるが、加工性が著しく低下するという問題があった。耐オゾン性を向上させるためにはワックスや老化防止剤を配合することが一般的に行われているが、これら薬品も経時的に劣化や脱離し、効果がすぐになくなるという問題があった。
特表2014-506277号公報
一方、従来の一般的なジエン系ゴムではなく、所謂熱可塑性エラストマー(TPE)をタイヤ用に利用することも近年検討されている(例えば、特許文献1)。しかしこれらTPEを用いたタイヤは、操縦安定性や耐破壊性能に劣る傾向があり、まだ改善の必要がある。また、TPEとジエン系ゴムを配合し、TPEをフィラーや可塑剤代替とする技術もあるが、ジエン系ゴムとTPEが非相溶となり、耐破壊性能、耐摩耗性が大幅に低下するという問題があった。
本発明は、前記課題を解決し、加工性、耐オゾン性、操縦安定性、耐摩耗性、耐破壊性能の総合性能が改善されたゴム組成物及びタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、芳香族ビニル量が1~45質量%、ジエン量が0.1~50質量%、オレフィン量が30~90質量%の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと、
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bとを含むゴム組成物に関する。
上記共重合体Aが、芳香族ビニル量が1~45質量%、ブタジエン量が0.1~50質量%、エチレン及びブチレンの合計量が30~90質量%の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体であり、
上記共重合体Bが、スチレン-ブタジエンブロック共重合体であり、
上記共重合体A100質量部に対して、上記共重合体Bを5~100質量部含有し、
ゴム成分100質量%中の上記共重合体A及び上記共重合体Bの合計含有量が40~100質量%であることが好ましい。
上記スチレン-ブタジエンブロック共重合体のブタジエン部分の水添率が50~99質量%であることが好ましい。
上記スチレン-ブタジエンブロック共重合体の主鎖及び/又は末端が変性されていることが好ましい。
上記スチレン-ブタジエンブロック共重合体が、スチレン-ブタジエンのジブロック共重合体を縮合した4量体であることが好ましい。
上記共重合体Aの主鎖及び/又は末端が変性されていることが好ましい。
有機過酸化物、下記式(1)で表される化合物、及びアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の架橋剤を含むことが好ましい。
Figure 0007388370000001
(式(1)において、Aは炭素数2~10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
カルボン酸金属塩を含むことが好ましい。
上記カルボン酸金属塩において、
カルボン酸が、メタクリル酸、エタクリン酸、アクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、
金属が、ナトリウム、カリウム、鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、錫、ジルコニウム、リチウム、カドミウム及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記共重合体Aと共重合体Bのブタジエンユニットの合計100質量%中のビニル基ユニット量が30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
ゴム成分100質量%中の上記共重合体A及び上記共重合体Bの合計含有量が80~100質量%であることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、無機充填剤を0.5~500質量部含有することが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを0.5~100質量部含有することが好ましい。
白色充填剤を実質含まないことが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、可塑剤を0.5~200質量部含有することが好ましい。
ゴム成分100質量部に対する可塑剤の含有量が0~10質量部であることが好ましい。
上記共重合体Bの芳香族ビニル量が10~70質量%であることが好ましい。
上記ゴム組成物は、タイヤ用ゴム組成物であることが好ましい。
本発明はまた、ゴム組成物を用いたタイヤ部材を有するタイヤに関する。
上記タイヤ部材がトレッドであることが好ましい。
本発明によれば、芳香族ビニル量が1~45質量%、ジエン量が0.1~50質量%、オレフィン量が30~90質量%の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと、芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bとを含むゴム組成物であるので、加工性、耐オゾン性、操縦安定性、耐摩耗性、耐破壊性能の総合性能を改善できる。
本発明のゴム組成物は、芳香族ビニル量が1~45質量%、ジエン量が0.1~50質量%、オレフィン量が30~90質量%の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと、芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bとを含む。これにより、加工性、耐オゾン性、操縦安定性、耐摩耗性、耐破壊性能の総合性能を改善できる。
上記ゴム組成物は前述の効果が得られるが、このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aは、不飽和結合の数が少ないため、良好な耐オゾン性、耐破壊性能が得られる。更に、芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aは、オレフィンに基づく構成単位を有するため、ブロック構造を有する芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bと併用することにより、双方のポリマーの親和性が高く、ポリマー界面が強固となり、共重合体Bの高弾性率及び高硬度と、共重合体Aの適度なゴム弾性を損なうことなく両者の特性を引き出し、加工性、耐オゾン性、操縦安定性、耐摩耗性、耐破壊性能の総合性能を改善できると考えられる。そのため、芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと、芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bとを併用することにより、加工性、耐オゾン性、操縦安定性、耐摩耗性、耐破壊性能の総合性能を相乗的に改善できる。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aは、芳香族ビニル量が1~45質量%、ジエン量が0.1~50質量%、オレフィン量が30~90質量%である。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体A(好ましくはランダム共重合体)は、それぞれの成分を共重合して製造してもよく、また、芳香族ビニル-ジエン共重合体のジエン部分の一部を水添してオレフィン構造としてもよい。本発明の一形態としては、芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aは、芳香族ビニルモノマー、ジエンモノマー(共役ジエンモノマー)及びオレフィンモノマーを共重合することで得られる共重合体(好ましくはランダム共重合体)である。また、芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aは、芳香族ビニルモノマー、ジエンモノマー(共役ジエンモノマー)を共重合することで得られる共重合体(好ましくはランダム共重合体)を一部水素添加した重合体であってもよい。芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aは、上記モノマー以外の構成単位を含んでいてもよい。芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aの製造方法は特に限定されないが、例えば、特許第4088258号に記載の方法で製造することができる。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aに使用する芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、スチレンが好ましい。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aに使用するジエンモノマー(共役ジエンモノマー)としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタンジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、1,3-ブタジエンが好ましい。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aに使用するオレフィンモノマーとしては、例えば、エチレン、プロプレン、1-ブチレン、2-ブチレン、イソブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ヘプテン、1-デセンなどのオレフィン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、1-ブチレン、2-ブチレン、エチレンが好ましく、エチレンがより好ましい。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aとしては、スチレン-ブタジエン-エチレン共重合体であることが好ましい。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aの芳香族ビニル量(好ましくはスチレン量)は、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上、最も好ましくは25質量%以上であり、また、45質量%以下、好ましくは40質量%以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aのジエン量(好ましくは共役ジエン量、より好ましくはブタジエン量)は、0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、特に好ましくは3質量%以上であり、また、50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下、特に好ましくは30質量%以下、最も好ましくは25質量%以下、より最も好ましくは20質量%以下、より最も好ましくは15質量%以下、より最も好ましくは10質量%以下、より最も好ましくは8質量%以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aのオレフィン量(好ましくはエチレン及びブチレンの合計量、より好ましくはエチレン量)は、30質量%以上、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、特に好ましくは50質量%以上であり、また、90質量%以下、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体A100質量%中の芳香族ビニル量(好ましくはスチレン量)、ジエン量(好ましくは共役ジエン量、より好ましくはブタジエン量)及びオレフィン量(好ましくはエチレン及びブチレンの合計量、より好ましくはエチレン量)の合計量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aにおいて、共役ジエンモノマーに由来する成分100質量%中、ビニル構造を有するものの含有量は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは3質量%以下であり、0質量%であってもよい。上記範囲内であれば、効果(特に、耐オゾン性、耐破壊性能)がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aの重量平均分子量(Mw)は、4000以上が好ましく、より好ましくは1万以上、更に好ましくは5万以上、特に好ましくは10万以上、最も好ましくは15万以上であり、Mwの上限は特に限定されないが、好ましくは100万以下、より好ましくは80万以下、更に好ましくは30万以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aの主鎖及び/又は末端は、変性されていてもよい。
変性共重合体としては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基(極性基)を有する共重合体であればよく、例えば、共重合体の少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性共重合体(末端に上記官能基を有する末端変性共重合体)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性共重合体や、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性共重合体(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性共重合体)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)、アミド基が好ましい。
ゴム成分100質量%中の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上、最も好ましくは40質量%以上、より最も好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下、特に好ましくは85質量%以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bは、芳香族ビニルモノマーユニットのブロックセグメント及びジエンモノマー(共役ジエンモノマー)ユニットのブロックセグメントを含むブロック共重合体である。芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bは、上記モノマー以外の構成単位を含んでいてもよい。芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ビニルモノマー、ジエンモノマー(共役ジエンモノマー)としては、芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと同様のものを同様の好適な態様で使用できる。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bの具体例としては、スチレンとブタジエン及び/又はイソプレン(好ましくはブタジエン)とのブロック共重合体が挙げられ、スチレン-ブタジエンブロック共重合体が好ましい。なかでも、スチレン-ブタジエンのジブロック共重合体(SB)、スチレン-ブタジエン-スチレンのトリブロック共重合体(SBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン-ブタジエンのテトラブロック共重合体(SBSB)や、これらの水素添加物が特に好適である。共重合体は、水素添加(水添)されると、ブタジエンユニットの不飽和結合量が減少し、ブタジエンユニットの一部又は全部がエチレンユニットとなる。例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンのトリブロック共重合体(SBS)を水添すると、スチレン-水添ブタジエン-スチレンのトリブロック共重合体(SEBS)となる。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bの製造方法は特に限定されないが、例えば、特開2014-105293号公報、特開2014-105238号公報、特開2014-133845号公報に記載の方法で製造することができる。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bは、平均3個以上つながったスチレンブロック構造を有していることが好ましい。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bの芳香族ビニル量(好ましくはスチレン量)は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、特に好ましくは40質量%以下、最も好ましくは35質量%以下である。上記範囲内であれば、効果(特に、操縦安定性、耐摩耗性の改善効果)がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bのジエン量(好ましくは共役ジエン量、より好ましくはブタジエン量)は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上、最も好ましくは60質量%以上、より最も好ましくは65質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下、特に好ましくは80質量%以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
ここで、芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bのジエン量には、水添されたジエン量も含まれる。すなわち、芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bが水添されている場合は、水添前のジエン量を意味する。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体B100質量%中の芳香族ビニル量(好ましくはスチレン量)及びジエン量(好ましくは共役ジエン量、より好ましくはブタジエン量)の合計量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体B100質量%中のブロック構造単位の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内であれば、効果(特に、加工性、操縦安定性の改善効果)がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bにおいて、共役ジエンモノマーに由来する成分100質量%中、ビニル構造を有するものの含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下であり、0質量%であってもよい。上記範囲内であれば、効果(特に、耐オゾン性の改善効果)がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bの共役ジエンモノマーに由来する成分(好ましくはブタジエンユニット)の合計100質量%中のビニル構造を有するものの含有量(ビニル基ユニット量)は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下であり、最も好ましくは5質量%以下であり、0質量%であってもよい。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bの重量平均分子量(Mw)は、4000以上が好ましく、より好ましくは1万以上、更に好ましくは5万以上、特に好ましくは10万以上、最も好ましくは15万以上であり、Mwの上限は特に限定されないが、好ましくは100万以下、より好ましくは80万以下、更に好ましくは30万以下である。上記範囲内であれば、効果(特に、加工性の改善効果)がより好適に得られる。
上記の通り、芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体B(好ましくはスチレン-ブタジエンブロック共重合体)は水添されていてもよい。
すなわち、上記ゴム組成物は、共重合体B中のジエンユニット(好ましくはブタジエンユニット)の一部が水素添加された水素添加共重合体B(水添共重合体B)を含有してもよい。水添共重合体Bは、水素添加によって二重結合量が減少することで可塑剤との親和性が向上し、また、架橋剤との反応部分が減少することで架橋構造が均一になるという作用があり、これらにより、耐摩耗性、耐破壊性能、耐オゾン性をより改善できる。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体B(好ましくはスチレン-ブタジエンブロック共重合体)のジエン部分(好ましくはブタジエン部分)の水素添加率は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
なお、上記水素添加率は、ジエンユニット(好ましくはブタジエンユニット)100質量%中における、水素が添加されたユニットの量であり、H-NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から算出することができる。
水素添加の方法、反応条件については特に限定はなく、公知の方法、公知の条件で水素添加すればよい。具体的な例として、例えば、特開平1-275605号公報、特開平5-271326号公報、特開平5-271325号公報、特開平5-222115号公報、特開平11-292924号公報、特開2000-37632号公報、特開昭59-133203号公報、特開昭63-5401号公報、特開昭62-218403号公報、特開平7-90017号公報、特公昭43-19960号公報、特公昭47-40473号公報に記載の水添触媒を挙げることができる。なお、これらの水添触媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bのヨウ素価は、3以上が好ましく、より好ましくは7以上、更に好ましくは15以上、特に好ましくは25以上であり、好ましくは150以下、より好ましくは120以下、更に好ましくは100以下、特に好ましくは80以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
本明細書において、ヨウ素価は、JIS K0070:1992に準じて測定される値である。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体B(好ましくはスチレン-ブタジエンブロック共重合体)の主鎖及び/又は末端は、変性されていてもよい。変性された芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bを使用することにより、効果(特に、耐摩耗性、耐破壊性能)がより好適に得られる。
変性共重合体としては、前述の官能基が導入された変性共重合体が挙げられる。好ましい態様は芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aの場合と同様である。
また、芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体B(好ましくはスチレン-ブタジエンブロック共重合体、より好ましくはSB)は、カップリング剤によってカップリング(縮合)されたカップリング体であることも好ましい。カップリング体として使用した場合、共重合体Aとの相溶性が向上し、効果がより好適に得られる。該カップリング体としては、2量体、3量体、4量体などが挙げられ、4量体が好ましい。特に、スチレン-ブタジエンのジブロック共重合体を縮合した4量体が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、該カップリング体は、ジエンブロック(好ましくはブタジエンブロック)の部分がカップリングされていることが好ましい。
カップリング剤としては、例えば、金属ハロゲン化物、アルコキシシラン、ハロゲン化シランなどを使用できる。反応が定量的に進むという理由から、ハロゲン化シランが好ましく、四塩化ケイ素がより好ましい。
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体B(好ましくはスチレン-ブタジエンブロック共重合体、より好ましくはSB)のカップリング率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上、最も好ましくは60%以上であり、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは85%以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
なお、カップリング率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した分子量分布曲線から求めることができ、具体的には、分子量分布曲線の全ピーク面積を100%として、そこから低分子成分(カップリングしていないポリマー)のピーク面積を引くことで求めることができる。
ゴム成分100質量%中の芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bの含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、特に好ましくは70質量%以下、最も好ましくは60質量%以下、より最も好ましくは50質量%以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体A100質量部に対して、芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bの含有量は、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは25質量部以上であり、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、特に好ましくは75質量部以下である。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
ゴム成分100質量%中の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体A及び芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bの合計含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内であれば、効果がより好適に得られる。
また、上記合計含有量は、5~40質量%であってもよい。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
また、本明細書において、芳香族ビニル量(スチレン量)、ジエン量(共役ジエン量、ブタジエン量)、オレフィン量(エチレン及びブチレンの合計量、エチレン量)、「共役ジエンモノマーに由来する成分100質量%中、ビニル構造を有するものの含有量」は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、各成分に帰属するピークの積分比により算出することができる。
また、加硫後のゴム組成物で、NMRによる測定が困難な場合は、赤外分光法(IR)を用いて、各成分に帰属するピーク強度により算出することができる。
上記ゴム組成物は、芳香族ビニル量が1~45質量%、ジエン量が0.1~50質量%、オレフィン量が30~90質量%の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと、
芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bとを含むが、芳香族ビニル量が25~40質量%、ジエン量が0.1~20質量%、オレフィン量が50~75質量%の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと、ヨウ素価10~120の芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bとを含むことが好ましい。また、前記共重合体Aが、芳香族ビニル量が25~40質量%、ブタジエン量が0.1~20質量%、エチレン及びブチレンの合計量が50~75質量%の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体であり、前記共重合体Bが、スチレン-ブタジエンブロック共重合体であることが好ましく、前記共重合体A100質量部に対して、前記共重合体Bを5~100質量部含有し、ゴム成分100質量%中の前記共重合体A及び前記共重合体Bの合計含有量が40~100質量%であることがより好ましい。
芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体A及び芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体B以外に使用可能なゴム成分としては、例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物は、有機過酸化物、下記式(1)で表される化合物、及びアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の架橋剤を含むことが好ましい。これにより、効果(特に、耐オゾン性、耐破壊性能、耐摩耗性、操縦安定性)がより好適に得られる。そのメカニズムは明らかではないが、以下のように考えられる。芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aは、通常のジエン系ゴムと比較して、架橋点(二重結合)が少ないため、それゆえ耐劣化性を向上させることができるものの、逆に架橋点が少ないことによるゴム弾性の低下が懸念される。一方、通常ジエン系ゴムで用いられる硫黄架橋では、二重結合に反応する硫黄の数が一定でなく、またゴム分子全体での架橋位置・形態も均一とはならずに架橋の粗密ができる可能性が大きい。一方、上記架橋剤であれば、架橋点距離が一定、かつ硫黄架橋よりも架橋鎖が大きいため、少ない架橋点を有効に生かすことができ、ゴム弾性にすぐれ、また硫黄架橋よりも劣化特性が優れているため、効果(特に、耐オゾン性、耐破壊性能、、耐摩耗性、操縦安定性)がより好適に得られるものと考えられる。
なお、これら架橋剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0007388370000002
(式(1)において、Aは炭素数2~10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
Aのアルキレン基(炭素数2~10)としては、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のものがあげられるが、なかでも、直鎖状のアルキレン基が好ましい。炭素数は4~8が好ましい。アルキレン基の炭素数が1以上では、熱的な安定性が良好で、アルキレン基を有することによる効果が得られる傾向があり、炭素数が11未満では、-S-S-A-S-S-で表される架橋鎖の形成が容易になる傾向がある。
上記条件を満たすアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などがあげられる。なかでも、ポリマー間に-S-S-A-S-S-で表される架橋がスムーズに形成され、熱的にも安定であるという理由から、ヘキサメチレン基が好ましい。
及びRとしては、チッ素原子を含む1価の有機基であれば特に限定されないが、芳香環を少なくとも1つ含むものが好ましく、炭素原子がジチオ基に結合したN-C(=S)-で表される結合基を含むものがより好ましい。R及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよいが、製造の容易さなどの理由から同一であることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物としては、例えば、1,2-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン、1,3-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン、1,4-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン、1,5-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン、1,8-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン、1,9-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、熱的に安定であり、分極性に優れるという理由から、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド等のアシルパーオキサイド類、1-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシフタレートなどのパーオキシエステル類、メチルエチルケトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、ジ-t-ブチルパーオキシベンゾエート、1,3-ビス(1-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどのアルキルパーオキサイド類、t-ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、アリールパーオキサイド、ジアリールパーオキサイド、ジアセチルパーオキサイド、ジt-ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
上記アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物としては特に限定されないが、上記効果が良好に得られ、リバージョンを抑制できるという点から、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007388370000003
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数5~12のアルキル基を表す。x及びyは、同一若しくは異なって、1~3の整数を表す。tは0~250の整数を表す。)
tは、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物のゴム成分中への分散性が良い点から、0以上の整数が好ましく、10以上の整数がより好ましく、20以上の整数が更に好ましく、250以下の整数が好ましく、100以下の整数がより好ましく、50以下の整数が更に好ましい。x及びyは、高硬度が効率良く発現できる点から、ともに2が好ましい。R~Rは、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物のゴム成分中への分散性が良い点から、炭素数6~9のアルキル基が好ましい。
上記アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物は、公知の方法で調製でき、例えば、アルキルフェノールと塩化硫黄とを、モル比1:0.9~1.25などで反応させる方法などが挙げられる。アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の具体例として、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200(下記式(2))などが挙げられる。
Figure 0007388370000004
(式中、tは0~100の整数を表す。)
上記架橋剤の配合量(有機過酸化物、上記式(1)で表される化合物、及びアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を併用する場合はこれらの合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは8質量部以上であり、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、(好ましくは上記架橋剤と共に)硫黄を含有してもよい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、特に好ましくは1質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、上記架橋剤(特に、有機過酸化物)と共に、カルボン酸金属塩を含有することが好ましい。カルボン酸金属塩は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カルボン酸金属塩において、カルボン酸としては特に限定されないが、メタクリル酸、エタクリン酸、アクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、メタクリル酸、アクリル酸がより好ましく、メタクリル酸が更に好ましい。
カルボン酸金属塩において、金属としては特に限定されないが、ナトリウム、カリウム、鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、錫、ジルコニウム、リチウム、カドミウム及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、亜鉛、マグネシウムがより好ましく、亜鉛が更に好ましい。
カルボン酸金属塩としては、モノカルボン酸金属塩、ジカルボン酸金属塩、トリカルボン酸金属塩、テトラカルボン酸金属塩等が挙げられるが、カルボン酸を2個有するジカルボン酸金属塩が好ましい。
カルボン酸金属塩の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、無機充填剤を含有することが好ましい。
無機充填剤としては、シリカ、クレー、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタンなどの白色充填剤、カーボンブラック等が挙げられる。無機充填剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シリカ、カーボンブラックが好ましい。
無機充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上、最も好ましくは40質量部以上であり、また、好ましくは500質量部以下、より好ましくは200質量部以下、更に好ましくは180質量部以下、特に好ましくは120質量部以下、最も好ましくは100質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
本発明の一形態では、ブロック共重合体の剛性、硬度を利用して無機充填剤を配合しない(ゴム成分100質量部に対する無機充填剤の含有量が好ましくは5質量部以下、より好ましくは0質量部の)ゴム組成物とすることもできる。このことにより、耐摩耗性の低下を最小限に抑えながら、加工性、耐オゾン性を向上させることができる。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは120m/g以上であり、また、好ましくは200m/g以下、より好ましくは180m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217-2:2001に準拠して測定される値である。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上、最も好ましくは40質量部以上であり、また、好ましくは200質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下、特に好ましくは80質量部以下、最も好ましくは60質量部以下、より最も好ましくは50質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上、好ましくは60m/g以上、より好ましくは80m/g以上、更に好ましくは160m/g以上、特に好ましくは200m/g以上、最も好ましくは220m/g以上である。また、上記NSAは、好ましくは600m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは250m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは40質量部以上、特に好ましくは60質量部以上、最も好ましくは80質量部以上であり、また、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
また、白色充填剤を実質含まないことも好ましい。この場合の白色充填剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以下、より好ましくは0.01質量部以下、更に好ましくは0質量部である。
上記ゴム組成物がシリカを含有する場合、更にシランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系等があげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフィド系、メルカプト系が好ましく、メルカプト系がより好ましい。
メルカプト系シランカップリング剤としては、下記式(I)で表される化合物を用いることが好ましい。これにより、効果がより良好に得られる傾向がある。
Figure 0007388370000005
(式中、R101~R103は、分岐若しくは非分岐の炭素数1~12のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数1~12のアルコキシ基、又は-O-(R111-O)-R112(b個のR111は、分岐若しくは非分岐の炭素数1~30の2価の炭化水素基を表す。b個のR111はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R112は、分岐若しくは非分岐の炭素数1~30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2~30のアルケニル基、炭素数6~30のアリール基、又は炭素数7~30のアラルキル基を表す。bは1~30の整数を表す。)で表される基を表す。R101~R103はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R104は、分岐若しくは非分岐の炭素数1~6のアルキレン基を表す。)
101~R103は、分岐若しくは非分岐の炭素数1~12(好ましくは炭素数1~5)のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数1~12(好ましくは炭素数1~5)のアルコキシ基、又は-O-(R111-O)-R112で表される基を表す。効果が良好に得られるという点から、R101~R103は、少なくとも1つが-O-(R111-O)-R112で表される基であることが好ましく、2つが-O-(R111-O)-R112で表される基であり、かつ、1つが分岐若しくは非分岐の炭素数1~12のアルコキシ基であることがより好ましい。
101~R103の-O-(R111-O)-R112において、R111は、分岐若しくは非分岐の炭素数1~30(好ましくは炭素数1~15、より好ましくは炭素数1~3)の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等が挙げられる。なかでも、アルキレン基が好ましい。
bは1~30(好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上であり、好ましくは20以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下)の整数を表す。
112は、分岐若しくは非分岐の炭素数1~30(好ましくは炭素数1~15、より好ましくは炭素数1~3)の1価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニレン基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。なかでも、アルキル基が好ましい。
-O-(R111-O)-R112で表される基の具体例としては、例えば、-O-(C-O)-C1123、-O-(C-O)-C1225、-O-(C-O)-C1327、-O-(C-O)-C1429、-O-(C-O)-C1531、-O-(C-O)-C1327、-O-(C-O)-C1327、-O-(C-O)-C1327、-O-(C-O)-C1327等が挙げられる。なかでも、-O-(C-O)-C1123、-O-(C-O)-C1327、-O-(C-O)-C1531、-O-(C-O)-C1327が好ましい。
104の分岐若しくは非分岐の炭素数1~6(好ましくは炭素数1~5)のアルキレン基については、R111と同様である。
式(I)で表されるメルカプト系シランカップリング剤としては、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシランや、下記式で表される化合物(エボニック社製のSi363)等が挙げられ、下記式で表される化合物を好適に使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0007388370000006
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、液体可塑剤(25℃で液体(液状)の可塑剤)及び固体可塑剤(25℃で固体の可塑剤)を含む概念である。具体的には、ゴム組成物からアセトンを用いて抽出されるような成分である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可塑剤(液体可塑剤及び固体可塑剤の合計含有量)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、特に好ましくは50質量部以下である。
また、ゴム成分100質量部に対する可塑剤(液体可塑剤及び固体可塑剤の合計含有量)の含有量を0~10質量部としてもよい。これにより、効果がより好適に得られる。
液体可塑剤としては、プロセスオイル、伸展オイル、植物油、動物油等の油脂類、液状ポリマー(ジエン系、オレフィン系、エステル系等)、液状樹脂、テレビン油等の天然物由来の精油、エステル系可塑剤、等が挙げられる。固形可塑剤としては、25℃で固形(固体)のタイヤ業界で通常用いられるような固体樹脂類、等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、プロセスオイルが好ましい。また、液状ポリマーを使用することも好ましく、液状ジエン系ポリマーを使用することもより好ましい。
液状樹脂としては、例えば、25℃で液状のテルペン系樹脂(テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂を含む)、ロジン樹脂、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C5C9系樹脂、クマロンインデン系樹脂(クマロン、インデン単体樹脂を含む)、オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
液状ジエン系ポリマーとしては、例えば、25℃で液状の液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)等が挙げられる。これらは、末端や主鎖が極性基で変性されていても構わない。なかでも、液状SBR、液状BRが好ましく、液状BRがより好ましい。
固体可塑剤としては、タイヤ配合物として、通常用いられる固体樹脂類、ワックス類全般を使用できる。具体的には、テルペン系樹脂、ロジン樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、クマロン系樹脂、インデン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらは、1種でも2種以上の混合物でもよく、また、樹脂自体が複数の由来のモノマー成分を共重合したものでもよい。なかでも、効果がより良好に得られる点から、スチレン系樹脂が好ましく、α-メチルスチレン系樹脂がより好ましく、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体が更に好ましい。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤を含有することが好ましい。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤がより好ましい。スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤を併用することも好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、川口化学(株)、大内新興化学(株)、ラインケミー社製等の製品を使用できる。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ワックスを含んでもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、老化防止剤を含んでもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤が好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ステアリン酸を含有してもよい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含有してもよい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている有機繊維等の添加剤を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1~200質量部が好ましい。
上記ゴム組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100~180℃、好ましくは120~170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは80~110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫等の加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140~190℃、好ましくは150~185℃である。加硫時間は、通常5~20分である。
上記ゴム組成物は、例えば、トレッド(キャップトレッド)、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチ、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層などのタイヤ部材に(タイヤ用ゴム組成物として)用いることができる。なかでも、トレッドに好適に用いられる。
本発明のタイヤ(空気入りタイヤ、ソリッドタイヤ、エアレスタイヤ等)は、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、トレッド(キャップトレッド))の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
上記タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、スノータイヤ、スタッドタイヤ)、オールシーズンタイヤ、ランフラットタイヤ、航空機用タイヤ、鉱山用タイヤ等として好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
なお、使用するゴム成分のミクロ構造、重量平均分子量(Mw)は、下記により評価した。
<ミクロ構造>
BRUKER社製AV400のNMR装置、データ解析ソフトTOP SPIN2.1により、(共)重合体中の各構成単位の含有量を測定した。
<重量平均分子量(Mw)>
下記の条件(1)~(8)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)を求めた。
(1)装置:東ソー社製HLC-8220
(2)分離カラム:東ソー社製HM-H(2本直列)
(3)測定温度:40℃
(4)キャリア:テトラヒドロフラン
(5)流量:0.6mL/分
(6)注入量:5μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準:標準ポリスチレン
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
<エチレン共重合体1>:特許第4088258号公報(特開2005-220313号公報)の製造例1の方法において、スチレン投入量等を変更して重合したスチレン-ブタジエン-エチレン共重合体(ランダム共重合体、スチレン量:25質量%、ビニルブタジエン量:5質量%、シスorトランスブタジエン量:30質量%、エチレン量:40質量%、Mw:25万)
<エチレン共重合体2>:特許第4088258号公報(特開2005-220313号公報)の製造例1の方法において、スチレン投入量等を変更して重合したスチレン-ブタジエン-エチレン共重合体(ランダム共重合体、スチレン量:30質量%、ビニルブタジエン量:3質量%、シスorトランスブタジエン量:17質量%、エチレン量:50質量%、Mw:25万)
<エチレン共重合体3>:特許第4088258号公報(特開2005-220313号公報)の製造例1の方法において、スチレン投入量等を変更して重合したスチレン-ブタジエン-エチレン共重合体(ランダム共重合体、スチレン量:30質量%、ビニルブタジエン量:2質量%、シスorトランスブタジエン量:8質量%、エチレン量:60質量%、Mw:25万)
<エチレン共重合体4>:特許第4088258号公報(特開2005-220313号公報)の製造例1の方法において、スチレン投入量等を変更して重合したスチレン-ブタジエン-エチレン共重合体(ランダム共重合体、スチレン量:25質量%、ビニルブタジエン量:1質量%、シスorトランスブタジエン量:4質量%、エチレン量:70質量%、Mw:25万)
<水添SBR>:下記合成例1で合成した水素添加スチレンブタジエンゴム(水添SBR)(スチレン量:34質量%、ビニルブタジエン量:0質量%、シスorトランスブタジエン量:5質量%、エチレン量:61質量%、Mw:25万、ブタジエンユニットの水素添加率:93質量%)
<ブロック共重合体1>:特許第6267419号公報(特開2014-105293号公報)の製造例3の方法で、スチレン投入量等を変更して製造した変性共重合体(末端変性SBSブロック共重合体)について、Ti触媒による水素添加を行って得られた、末端にアルコキシシリル基を有する変性スチレン-水添ブタジエン-スチレンブロック共重合体(変性SEBS)(スチレン量:25質量%、ブタジエンユニットの水素添加率:90質量%、水素添加後のブタジエンユニット100質量%中のビニルブタジエンユニット:0質量%、水素添加後のブタジエンユニット100質量%中のシスブタジエンユニット:5質量%、Mw:15万、ヨウ素価:10)
<ブロック共重合体2>:特許第6208422号公報(特開2014-105238号公報)に記載のブロック共重合体1の合成例において、スチレン、ブタジエンの投入量、投入タイミングを変更することにより得られたブロック共重合体(スチレン-ブタジエンのジブロック共重合体を縮合した4量体、Mw:20万、スチレン量:25質量%、カップリング率:85%、共役ジエンモノマーに由来する成分100質量%中、ビニル構造を有するものの含有量:38質量%、ヨウ素価:63、GPCで得られた分子量分布曲線では、多峰性を示していた。)
<ブロック共重合体3>:特許第6208428号公報(特開2014-133845号公報)に記載のブロック共重合体1の合成例において、スチレン、ブタジエンの投入量、投入タイミングを変更することにより得られたスチレン-ブタジエン-スチレン-ブタジエンテトラブロック共重合体(SBSB)(Mw:25万、スチレン量:32質量%、共役ジエンモノマーに由来する成分100質量%中、ビニル構造を有するものの含有量:25質量%、ヨウ素価:75、ブロックセグメント数は4つであった。
<ブロック共重合体4>:ブロック共重合体1と水素添加の条件を変更した以外は同様にして調製した、末端にアルコキシシリル基を有する変性スチレン-水添ブタジエン-スチレンブロック共重合体(変性SEBS)(スチレン量:25質量%、ブタジエンユニットの水素添加率:95質量%、水素添加後のブタジエンユニット100質量%中のビニルブタジエンユニット:1質量%、水素添加後のブタジエンユニット100質量%中のシスブタジエンユニット:7質量%、Mw:15万、ヨウ素価:5)
<ブロック共重合体5>:ブロック共重合体1と水素添加の条件を変更した以外は同様にして調製した、末端にアルコキシシリル基を有する変性スチレン-水添ブタジエン-スチレンブロック共重合体(変性SEBS)(スチレン量:25質量%、ブタジエンユニットの水素添加率:70質量%、水素添加後のブタジエンユニット100質量%中のビニルブタジエンユニット:8質量%、水素添加後のブタジエンユニット100質量%中のシスブタジエンユニット:16質量%、Mw:15万、ヨウ素価:45)
<SBR>:末端にアルコキシシリル基を有する変性S-SBR(スチレン量:25質量%、Mw:60万)
<シリカ>:エボニック社製のウルトラシル9000GR(NSA:240m/g、CTAB:200m/g)
<カーボンブラック>:三菱化学(株)製のダイアブラックSA(NSA:137m/g)
<シランカップリング剤>:エボニック社製のSi363
<レジン>:KRATON社製のSYLVARES SA85(α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃)
<液状樹脂>:CRAY VALLEY社製のRicon340(液状BR)
<液体可塑剤>:H&R社製のvivatec 500(TDAEオイル)
<過酸化物架橋剤>:日油(株)製のパークミルD(ジクミルパーオキサイド)
<ジメタクリル酸亜鉛>:三新化学(株)製のサンエステル SK-30(ジメタクリル酸亜鉛)
<有機架橋剤1>:ランクセス社製のVulcuren VP KA9188(1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
<有機架橋剤2>:田岡化学工業(株)製のタッキロールV200(式(2)で表される化合物(アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物)、硫黄含有率:24質量%)
<ステアリン酸>:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
<酸化亜鉛>:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
<老化防止剤>:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(6PPD))
<硫黄>:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
<加硫促進剤1>:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’-ジフェニルグアニジン)
<加硫促進剤2>:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
十分に窒素置換した耐熱反応容器にn-ヘキサン、スチレン、ブタジエン、TMEDA、n-ブチルリチウムを加えて、50℃で5時間攪拌し、重合反応を行った。
次いで、水素ガスを0.4MPa-Gaugeの圧力で供給しながら撹拌し、未反応のポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。水素ガス供給圧力を0.7MPa-Gauge、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を用いて水素添加を行った。水素の吸収が目的の水素添加率となる積算量に達した時点で、反応温度を常温とし、水素圧を常圧に戻して反応容器より抜き出し、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、水素添加スチレンブタジエンゴムを得た。
(実施例及び比較例)
表1、2に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄、有機架橋剤、過酸化物架橋剤、ジメタクリル亜鉛及び加硫促進剤以外の薬品を150℃の条件下で4分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、有機架橋剤、過酸化物架橋剤、ジメタクリル亜鉛及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に押出し成形し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で10分間加硫し、試験用タイヤ(サイズ:215/55R16、乗用車用タイヤ)を得た。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物、試験用タイヤを用いて以下の評価を行った。結果を表1、2に示す。
なお、表1中、各エリアにおける基準比較例を、左側から順に、それぞれ、比較例1、2、5とした。表2の基準比較例を比較例6とした。
<加工性>
JIS K 6300-1「未加硫ゴム-物理特性-第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に準じて、ムーニー粘度試験機を用いて、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点での上記未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4/130℃)を測定した。測定結果を基準比較例の結果を100とし、下記計算式により、各配合のムーニー粘度を指数表示した。指数が大きいほど粘度が低く、未加硫時の加工性に優れることを示す。指数が80以上の場合に良好であると判断した。
(加工性指数)=(基準比較例のムーニー粘度)/(各配合のムーニー粘度)×100
<耐オゾン性試験>
上記加硫ゴム組成物を用いて、JIS K 6259「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-耐オゾン性の求め方」に基づき、オゾン濃度50±5pphm、温度50℃、伸張歪20±2%の条件下で、48時間試験した後の亀裂の状態を観察することで、耐オゾン性を評価した。
なお評価方法は、基準比較例を100とし、以下の基準で評価し、基準の中間の場合は、間の数値を示した。
140:クラックがほとんど見当たらない
120:大きなクラックがなく、数もほとんどない
110:クラックの大きさ、数とも少し少ない
80:クラックの大きさは基準比較例同等だが、数が多い
60:クラックの大きいものも多く、数も多い
<耐摩耗性>
各試験用タイヤを国産FF2000cc車に装着し、22~27℃の気温下、湿潤路面や急カーブを含む各タイヤ同一路面を走行して、速度60~150km/時での走行距離5000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し下記の式により指数化した。指数が大きいほど、耐摩耗性が良好である。
耐摩耗性指数=(1mm溝深さが減るときの走行距離)/(基準比較例のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)×100
<操縦安定性>
上記耐摩耗試験の初期走行時にドライバーが操縦安定性を基準比較例を100とし、基準比較例より良いものがより大きな数値となるような下記評価基準で下記基準値の間の数値も含めて評価した。
140:非常に優れている
120:かなり優れている
110:優れている
80:少し劣る
70:劣る
60:かなり劣る
<耐破壊性能>
各試験用タイヤを国産2000ccのFF車に装着し、主に砕石場等の悪路で約10,000km走行後のトレッド表面の単位面積あたりのカット傷の数及びチッピング数を計数し、基準比較例の計数値を100として指数で表した。指数が大きいほど、耐破壊特性に優れていることを示す。
Figure 0007388370000007
Figure 0007388370000008
表1、2より、芳香族ビニル量が1~45質量%、ジエン量が0.1~50質量%、オレフィン量が30~90質量%の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと、芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bとを含む実施例は、加工性、耐オゾン性、操縦安定性、耐摩耗性、耐破壊性能の総合性能(加工性、耐オゾン性、操縦安定性、耐摩耗性、耐破壊性能の5つの指数の総和で表す)を改善できることが分かった。
実施例4、比較例2~4の比較により、芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと、芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bとを併用することにより、加工性、耐オゾン性、操縦安定性、耐摩耗性、耐破壊性能の総合性能を相乗的に改善できることが分かった。

Claims (19)

  1. 芳香族ビニル量が1~45質量%、ジエン量が0.1~50質量%、オレフィン量が30~90質量%の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体Aと、
    芳香族ビニル-ジエンブロック共重合体Bとを含み、
    前記共重合体A100質量部に対して、前記共重合体Bを5質量部以上含有し、
    ゴム成分100質量%中の前記共重合体A及び前記共重合体Bの合計含有量が40質量%以上であるゴム組成物を用いたタイヤ部材を有するタイヤ。
  2. 前記共重合体Aが、芳香族ビニル量が1~45質量%、ブタジエン量が0.1~50質量%、エチレン及びブチレンの合計量が30~90質量%の芳香族ビニル-ジエン-オレフィン共重合体であり、
    前記共重合体Bが、スチレン-ブタジエンブロック共重合体であり、
    前記共重合体A100質量部に対して、前記共重合体Bを5~100質量部含有し、
    ゴム成分100質量%中の前記共重合体A及び前記共重合体Bの合計含有量が40~100質量%である請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記スチレン-ブタジエンブロック共重合体のブタジエン部分の水添率が50~99質量%である請求項2記載のタイヤ。
  4. 前記スチレン-ブタジエンブロック共重合体の主鎖及び/又は末端が変性されている請求項2又は3記載のタイヤ。
  5. 前記スチレン-ブタジエンブロック共重合体が、スチレン-ブタジエンのジブロック共重合体を縮合した4量体である請求項2~4のいずれかに記載のタイヤ。
  6. 前記共重合体Aの主鎖及び/又は末端が変性されている請求項1~5のいずれかに記載のタイヤ。
  7. 有機過酸化物、下記式(1)で表される化合物、及びアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物からなる群より選択される少なくとも1種の架橋剤を含む請求項1~6のいずれかに記載のタイヤ。
    Figure 0007388370000009
    (式(1)において、Aは炭素数2~10のアルキレン基、R及びRは、同一若しくは異なって、チッ素原子を含む1価の有機基を表す。)
  8. カルボン酸金属塩を含む請求項7記載のタイヤ。
  9. 前記カルボン酸金属塩において、
    カルボン酸が、メタクリル酸、エタクリン酸、アクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    金属が、ナトリウム、カリウム、鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、錫、ジルコニウム、リチウム、カドミウム及びコバルトからなる群より選択される少なくとも1種である請求項8記載のタイヤ。
  10. 前記共重合体Aと共重合体Bのブタジエンユニットの合計100質量%中のビニル基ユニット量が30質量%以下である請求項1~9のいずれかに記載のタイヤ。
  11. 前記共重合体Aと共重合体Bのブタジエンユニットの合計100質量%中のビニル基ユニット量が20質量%以下である請求項1~9のいずれかに記載のタイヤ。
  12. ゴム成分100質量%中の前記共重合体A及び前記共重合体Bの合計含有量が80~100質量%である請求項1~11のいずれかに記載のタイヤ。
  13. ゴム成分100質量部に対して、無機充填剤を0.5~500質量部含有する請求項1~12のいずれかに記載のタイヤ。
  14. ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを0.5~100質量部含有する請求項1~12のいずれかに記載のタイヤ。
  15. 白色充填剤を実質含まない請求項1~12のいずれかに記載のタイヤ。
  16. ゴム成分100質量部に対して、可塑剤を0.5~200質量部含有する請求項1~15のいずれかに記載のタイヤ。
  17. ゴム成分100質量部に対する可塑剤の含有量が0~10質量部である請求項1~15のいずれかに記載のタイヤ。
  18. 前記共重合体Bの芳香族ビニル量が10~70質量%である請求項1~17のいずれかに記載のタイヤ。
  19. 前記タイヤ部材がトレッドである請求項1~18のいずれかに記載のタイヤ。
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