JP7387529B2 - 走行制御装置 - Google Patents

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本発明は、推進装置に対してアクセルペダルの踏込み位置に応じた推進力を出力させる推進力調整部と、制動装置に対してブレーキペダルの踏込み位置に応じた制動力を出力させる制動力調整部とを備えた走行制御装置に関するものである。
近年、アクセルペダルおよびブレーキペダルの踏間違えに起因する事故(ブレーキペダルを踏み込んで減速・停車すべきときに誤ってアクセルペダルを踏み込むことで車両が加速して生じる事故)が社会問題化している。また、そのような事故を回避すべく、カメラやレーダーを搭載して車両の進行方向に障害物が存在するときに車両を自動的に停止させる自動ブレーキ装置の搭載車両も普及しつつある。しかしながら、非搭載車両に自動ブレーキ装置を追加することが非常に困難であり、新規登録車両についても全車が自動ブレーキ装置の搭載車両ではない。また、自動ブレーキ装置の搭載車両であっても、正常に機能する条件(動作が保証される速度域や天候など)に制限があり、踏間違えが生じたときに事故の発生を確実に回避することは困難となっている。
一方、下記の特許文献には、踏間違え事故の発生を抑止する重大事故発生抑止補助具(以下、単に「補助具」ともいう)の考案が開示されている。具体的には、下記特許文献に開示の補助具は、ブレーキペダルに取り付けるためのブレーキペダル固定部と、アクセルペダルが踏み込まれた際にアクセルペダルに対するペダル操作に連動してブレーキペダルを操作させるためのアクセルペダル踏込み受け部と、ブレーキペダル固定部およびアクセルペダル踏込み受け部を連結する連結部とを備えて構成されている。
この補助具の使用に際しては、まず、ブレーキペダル固定部をブレーキペダルに固定する。次いで、連結部を介してアクセルペダル踏込み受け部をブレーキペダル固定部に連結する。この際には、通常の運転中に安全運転の範囲を超えてアクセルペダルが踏み込まれたときにアクセルペダルがアクセルペダル踏込み受け部に当接するようにブレーキペダル固定部(ブレーキペダル固定部が固定されているブレーキペダル)に対するアクセルペダル踏込み受け部の位置を調整する。これにより、上記の安全運転の範囲内でアクセルペダルが操作されているときには、補助具を取り付けていない通常の車両同様にアクセルペダルの踏込み量に応じた加速やブレーキペダルの踏込み量に応じた減速が行われ、安全運転の範囲を超えてアクセルペダルが操作されたときには、アクセルペダルが補助具(アクセルペダル踏込み受け部)に当接してアクセルペダルの踏込み量に応じてブレーキペダルが操作される状態となる。
したがって、踏間違えが生じて誤ってアクセルペダルが大きく踏み込まれたときには、アクセルペダルと共に操作されるブレーキペダルの踏込み量に応じて制動力が働くため、車両の急加速を回避することが可能となる。
実用新案登録第3224601号公報(第4-10頁、第1-4図)
ところが、上記の特許文献に開示の補助具には、以下のような解決すべき課題が存在する。具体的には、上記の補助具は、アクセルペダルが大きく踏み込まれたときにアクセルペダルの踏み込み操作に連動してブレーキペダルが操作されるようにブレーキペダルに取り付けておくことができるように構成されている。
この場合、上記の特許文献には、「ブレーキとアクセルとを踏み間違えてもわずかな間だけ加速した後、急ブレーキが作動して自動車が急に加速しなくなるので、運転者が慣性の法則により前のめりになってこの自動車の異常な挙動にびっくりしてブレーキとアクセルの踏み間違いに気が付くことができる。」と記載されている。しかしながら、上記の補助具によって発生を抑止しようとしている事故は、ブレーキペダルを踏み込むべきときに誤ってアクセルペダルを踏み込む踏間違えに起因する事故である。つまり、踏間違えをした運転者は、減速・停車を希望してペダル操作を行っているため、急ブレーキが作動して自動車が急に加速しなくなる挙動は、踏間違えをしている運転者が想定している挙動そのものである。このため、上記の補助具では、踏間違えを自覚できず、事故の発生を回避できないおそれがある。
また、仮に踏間違えを自覚できたとしても、本来操作すべきブレーキペダルを踏み込むためにアクセルペダルを踏み戻した際(アクセルペダルの踏込み量を減少させた際)に、補助具によってアクセルペダルに対するペダル操作に連動して操作されているブレーキペダルの踏込み量が徐々に減少して制動力が徐々に低下し、アクセルペダル踏込み受け部からアクセルペダルが離間する位置まで踏み戻されたときには、ブレーキペダルが全く踏み込まれていない状態において安全運転の範囲内における最大の加速が生じることとなる。この結果、踏間違えを自覚した運転者が事故の発生を回避するには、例えば、右足でアクセルペダルを踏み込んだ状態(アクセルペダルに対するペダル操作に連動してブレーキペダルが操作されている状態)を維持しつつ左足でブレーキペダルを踏み込み、その後に右足によるアクセルペダルの踏み込みを終了するといったイレギュラーな操作が必要とされる。このような操作は、踏間違えをした状態の運転者にとって非常に困難である。
さらに、上記の補助具では、アクセルペダルが大きく踏み込まれたときにアクセルペダルに対するペダル操作に連動してブレーキペダルが操作されることで車両が急加速するのを回避する構成であるが、アクセルペダルに対するペダル操作に連動してブレーキペダルが操作されている状態は、ブレーキペダルの踏込み量に応じた制動力と共に、アクセルペダルの踏込み量に応じた推進力が働いた状態となっている。このため、特に、高出力の推進装置を搭載した車両や、制動装置の制動力が小さい車両においては、上記の補助具の取付けによって踏間違え時の車両の急加速を回避することができるものの、事故の発生を回避できる程度の十分な減速や停車を行うことができないおそれがある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、踏間違えが生じたときに事故の発生を確実に回避し得る走行制御装置を提供することを主目的とする。
請求項1記載の走行制御装置は、アクセルペダルを有して推進装置に対して当該アクセルペダルの踏込み位置に応じた推進力を出力させる推進力調整部と、ブレーキペダルを有して制動装置に対して当該ブレーキペダルの踏込み位置に応じた制動力を出力させる制動力調整部とを備えた走行制御装置であって、前記推進力調整部は、前記アクセルペダルが踏み込まれていない第1のアクセル踏込み位置と当該アクセルペダルが最も踏み込まれた第2のアクセル踏込み位置との間に規定された第3のアクセル踏込み位置において前記推進装置に最大の推進力を出力させると共に当該第1のアクセル踏込み位置および当該第2のアクセル踏込み位置の両位置において当該推進装置に最小の推進力をそれぞれ出力させ、前記第1のアクセル踏込み位置および前記第3のアクセル踏込み位置の間において前記アクセルペダルの踏込み量が増加したときに前記推進装置に出力させる推進力を増加させると共に当該第3のアクセル踏込み位置と当該第3のアクセル踏込み位置および前記第2のアクセル踏込み位置の間に規定された第4のアクセル踏込み位置との間において当該アクセルペダルの踏込み量が増加したときに当該推進装置に出力させる推進力を減少させて当該第4のアクセル踏込み位置において当該推進装置に前記最小の推進力を出力させ、当該第4のアクセル踏込み位置および当該第2のアクセル踏込み位置の間において当該アクセルペダルの踏込み量が増加したとき、並びに当該第2のアクセル踏込み位置および当該第4のアクセル踏込み位置の間において当該アクセルペダルの踏込み量が減少したときに当該推進装置に当該最小の推進力を出力する状態を維持させ、かつ前記第4のアクセル踏込み位置および前記第3のアクセル踏込み位置の間において前記アクセルペダルの踏込み量が減少したときに前記推進装置に出力させる推進力を増加させると共に当該第3のアクセル踏込み位置および前記第1のアクセル踏込み位置の間において当該アクセルペダルの踏込み量が減少したときに当該推進装置に出力させる推進力を減少させ、前記ブレーキペダルおよび前記アクセルペダルのいずれかは、前記第4のアクセル踏込み位置と当該第2のアクセル踏込み位置との間において当該アクセルペダルの踏込み量が増加したときに当該アクセルペダルに対するペダル操作に連動して当該ブレーキペダルの踏込み量が増加するように構成され、前記制動力調整部は、前記ブレーキペダルが踏み込まれていない第1のブレーキ踏込み位置と当該ブレーキペダルが最も踏み込まれた第2のブレーキ踏込み位置との間において当該ブレーキペダルの踏込み量が増加したときに前記制動装置に出力させる制動力を増加させ、かつ前記第2のブレーキ踏込み位置および前記第1のブレーキ踏込み位置の間において前記ブレーキペダルの踏込み量が減少したときに前記制動装置に出力させる制動力を減少させる。
請求項2記載の走行制御装置は、請求項1記載の走行制御装置において、前記ブレーキペダルには、前記アクセルペダルを前記第4のアクセル踏込み位置および前記第2のアクセル踏込み位置の間に踏み込んでいる足によって当該アクセルペダルと共に当該ブレーキペダルを踏み込み可能な第1のペダル面と、当該ブレーキペダルを前記アクセルペダルとは別個に単体で踏み込み可能な第2のペダル面とが設けられている。
請求項記載の走行制御装置は、請求項1または2記載の走行制御装置において、前記推進力調整部は、前記第1のアクセル踏込み位置から前記第3のアクセル踏込み位置までの前記アクセルペダルの踏込み量、および当該第3のアクセル踏込み位置から前記第4のアクセル踏込み位置までの当該アクセルペダルの踏込み量が互いに等しくなるように当該第3のアクセル踏込み位置および当該第4のアクセル踏込み位置がそれぞれ規定されている。
請求項記載の走行制御装置は、請求項1からのいずれかに記載の走行制御装置において、前記推進力調整部は、前記アクセルペダルの踏込み位置を検出するセンサ、当該センサから出力されるセンサ信号に基づいて前記アクセルペダルの踏込み位置を特定すると共に特定した当該踏込み位置に対応する推進力を前記推進装置に出力させる処理部、および当該処理部によって特定される前記踏込み位置に対応して前記推進装置に出力させる推進力を特定可能な推進力調整用データを記憶する記憶部を備えている。
請求項1記載の走行制御装置では、推進力調整部が、第3のアクセル踏込み位置において推進装置に最大の推進力を出力させると共に第1のアクセル踏込み位置および第2のアクセル踏込み位置の両位置において推進装置に最小の推進力をそれぞれ出力させ、第1のアクセル踏込み位置および第3のアクセル踏込み位置の間においてアクセルペダルの踏込み量が増加したときに推進装置に出力させる推進力を増加させると共に第3のアクセル踏込み位置および第4のアクセル踏込み位置の間においてアクセルペダルの踏込み量が増加したときに推進装置に出力させる推進力を減少させて第4のアクセル踏込み位置において推進装置に最小の推進力を出力させると共に第4のアクセル踏込み位置および第2のアクセル踏込み位置の間においてアクセルペダルの踏込み量が増加したとき、並びに第2のアクセル踏込み位置および第4のアクセル踏込み位置の間においてアクセルペダルの踏込み量が減少したときに推進装置に最小の推進力を出力する状態を維持させ、かつ第4のアクセル踏込み位置および第3のアクセル踏込み位置の間においてアクセルペダルの踏込み量が減少したときに推進装置に出力させる推進力を増加させると共に第3のアクセル踏込み位置および第1のアクセル踏込み位置の間においてアクセルペダルの踏込み量が減少したときに推進装置に出力させる推進力を減少させ、ブレーキペダルおよびアクセルペダルの少なくとも一方が、第4のアクセル踏込み位置と第2のアクセル踏込み位置との間においてアクセルペダルの踏込み量が増加したときにアクセルペダルに対するペダル操作に連動してブレーキペダルの踏込み量が増加するように構成され、制動力調整部が、第1のブレーキ踏込み位置および第2のブレーキ踏込み位置の間においてブレーキペダルの踏込み量が増加したときに制動装置に出力させる制動力を増加させ、かつ第2のブレーキ踏込み位置および第1のブレーキ踏込み位置の間においてブレーキペダルの踏込み量が減少したときに制動装置に出力させる制動力を減少させる。
したがって、請求項1記載の走行制御装置によれば、ブレーキペダルの操作と間違えてアクセルペダルを踏み込む操作を行ったとしても、第3のアクセル踏込み位置および第4のアクセル踏込み位置の間においてアクセルペダルの踏込み量が増加したときに、推進装置から出力される推進力が十分に小さくなると共に、アクセルペダルに対するペダル操作に連動してブレーキペダルが操作されて、第1のブレーキ踏込み位置および第2のブレーキ踏込み位置の間においてブレーキペダルの踏込み量が増加したときに、制動装置から出力される制動力が増加するために、自動車を確実かつ容易に減速・停車させることができる。これにより、ブレーキペダルおよびアクセルペダルの踏み間違えに起因する事故の発生を確実に回避することができる。また、踏み間違えに起因してアクセルペダルが大きく踏み込まれたときに、推進装置から最小の推進力が出力される状態が維持されて、アクセルペダルに対するペダル操作に連動して踏み込まれているブレーキペダルの踏込み位置に応じて制動装置から出力される制動力を無駄なく発揮させることができるため、自動車を一層確実に減速・停車させることができる。
また、請求項2記載の走行制御装置によれば、アクセルペダルを第4のアクセル踏込み位置および第2のアクセル踏込み位置の間に踏み込んでいる足によってアクセルペダルと共にブレーキペダルを踏み込み可能な第1のペダル面と、ブレーキペダルをアクセルペダルとは別個に単体で踏み込み可能な第2のペダル面とをブレーキペダルに設けたことにより、極めて簡易な構成でありながら、踏み間違えに起因してアクセルペダルを大きく踏み込んだときに、アクセルペダルと共にブレーキペダルを確実に踏み込むことができる。これにより、走行制御装置の製造コストを十分に低減しつつ、踏み間違えに起因する事故の発生を回避可能な走行制御装置を安価に提供することができる。
さらに、請求項記載の走行制御装置によれば、第1のアクセル踏込み位置から第3のアクセル踏込み位置までのアクセルペダルの踏込み量、および第3のアクセル踏込み位置から第4のアクセル踏込み位置までのアクセルペダルの踏込み量が互いに等しくなるように第3のアクセル踏込み位置および第4のアクセル踏込み位置をそれぞれ規定したことにより、第1のアクセル踏込み位置および第3のアクセル踏込み位置の間におけるアクセルペダルの操作によって推進装置から出力される推進力の変化の度合いと、第3のアクセル踏込み位置および第4のアクセル踏込み位置の間におけるアクセルペダルの操作によって推進装置から出力される推進力の変化の度合いとが等しくなるため、第1のアクセル踏込み位置および第3のアクセル踏込み位置の間と、第3のアクセル踏込み位置および第4のアクセル踏込み位置の間とのいずれでアクセルペダルを操作したとしても、違和感を覚えずに自動車を任意の速度で走行させることができる。
また、請求項記載の走行制御装置では、推進力調整部が、アクセルペダルの踏込み位置を検出するセンサ、センサから出力されるセンサ信号に基づいてアクセルペダルの踏込み位置を特定すると共に特定した踏込み位置に対応する推進力を推進装置に出力させる処理部、および処理部によって特定される踏込み位置に対応して推進装置に出力させる推進力を特定可能な推進力調整用データを記憶する記憶部を備えている。
したがって、請求項記載の走行制御装置によれば、フライバイワイヤー方式の推進力調整装置を搭載した自動車に走行制御装置を容易に搭載することができる。
自動車10(10A)および走行制御装置1(1A)の各構成要素を示す構成図である。 走行制御装置1の構成の一例について説明するための構成図である。 走行制御装置1における推進力調整部2(アクセルペダル21)および制動力調整部3(ブレーキペダル31)の正面図である。 走行制御装置1の動作について説明するための説明図である。 アクセルペダル21の踏込み位置、推進装置12から出力される推進力、ブレーキペダル31の踏込み位置、および制動装置13から出力される制動力の関係の一例について説明するための説明図である。 走行制御装置1Aにおける推進力調整部2Aの構成の一例について説明するための構成図である。 アクセルペダル41の踏込み位置、推進装置12Aから出力される推進力、ブレーキペダル31の踏込み位置、および制動装置13から出力される制動力の関係の一例について説明するための説明図である。
以下、走行制御装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1~3に示す走行制御装置1は、「走行制御装置」の一例であって、自動車10等に搭載(装着)することによってアクセルペダルおよびブレーキペダルの踏間違えに起因する事故の発生を回避することができるように構成されている。
この場合、自動車10は、自動ブレーキ装置等が搭載されていない車両であって、一例として、フライバイワイヤー方式の推進力調整装置によって操作される電子スロットル12a(図2参照)を備えた推進装置12(内燃機関やモータなど)と、油圧制御方式の制動力調整装置によって操作されるピストン13a(図2参照)を備えた制動装置13(キャリパーやドラムなど)とを備えて構成されている。
なお、「アクセルペダル」、「ブレーキペダル」および「クラッチペダル」の操作によって走行可能なマニュアルトランスミッションの搭載車両に走行制御装置1を搭載して使用することもできるが、走行制御装置1の構成および動作についての理解を容易とするために、本例の自動車10には、「アクセルペダル」および「ブレーキペダル」の操作によって走行可能な2ペダル方式のオートマチックトランスミッションが搭載されているものとする。また、自動車10における推進装置12および制動装置13以外の構成要素に関する図示および詳細な説明を省略する。
一方、走行制御装置1は、自動車10における推進装置12の動作状態(電子スロットル12aの開度)を調整するための推進力調整部2と、自動車10における制動装置13の動作状態(ピストン13aのスライド位置)を調整するための制動力調整部3とを備えている。なお、本例の走行制御装置1における推進力調整部2や制動力調整部3を「自動車」等の初期装備として搭載しておくこともできるが、以下の説明においては、自動車10に搭載されている推進力調整装置の一部を改変して推進力調整部2を構成すると共に、自動車10に搭載されている制動力調整装置の一部を改変して制動力調整部3を構成する例について説明する。
推進力調整部2は、「推進力調整部」の一例であって、図2に示すように、アーム21aおよび踏込み部21bを有するアクセルペダル21と、アクセルペダル21の踏込み位置を検出するセンサ22と、センサ22から出力されるセンサ信号に基づいてアクセルペダル21の踏込み位置を特定して踏込み位置に対応する推進力DF0~DF1の範囲内の推進力(図5参照)を推進装置12に出力させる処理部23と、処理部23によって特定される踏込み位置に対応して推進装置12に出力させる推進力を特定可能な推進力調整用データDを記憶する記憶部24と、処理部23から出力された制御信号Sを推進装置12(電子スロットル12a)に伝送するための信号ケーブル25とを備え、自動車10の推進装置12に対してアクセルペダル21の踏込み位置に応じた推進力を出力させることができるように構成されている。
この場合、本例の走行制御装置1では、一例として、自動車10に搭載されている推進力調整装置(初期装備の推進力調整装置)における「アクセルペダル」、「センサ」および「信号ケーブル」を上記のアクセルペダル21、センサ22および信号ケーブル25として利用すると共に、センサ22と初期装備の推進力調整装置における「処理部」との間に処理部23および記憶部24を介在させて、センサ22からのセンサ信号を処理部23において改変した後に初期装備の推進力調整装置における「処理部」に出力する構成が採用されているものとする。つまり、本例では、処理部23と推進装置12の電子スロットル12aとの間に初期装備の推進力調整装置における「処理部」が存在するが、推進力調整部2の構成および動作についての理解を容易とするために、この「処理部」についての図示および説明を省略する。また、推進力調整部2(処理部23)による推進装置12の制御に関する具体的な内容については、後に詳細に説明する。
制動力調整部3は、「制動力調整部」の一例であって、アーム31aおよび踏込み部31bを有するブレーキペダル31と、マスターシリンダ32と、圧力配管33とを備え、自動車10の制動装置13に対してブレーキペダル31の踏込み位置に応じた制動力BP0~BP1の範囲内の制動力(図5参照)を出力させることができるように構成されている。この場合、本例の走行制御装置1では、一例として、自動車10に搭載されている制動力調整装置(初期装備の制動力調整装置)における「マスターシリンダ」および「圧力配管」を上記のマスターシリンダ32および圧力配管33として利用すると共に、初期装備の制動力調整装置における「ブレーキペダル」に代えて専用のブレーキペダル31をマスターシリンダ32に連結する構成が採用されているものとする。
また、本例の制動力調整部3におけるブレーキペダル31の踏込み部31bは、図3に示すように、ブレーキペダル31をアクセルペダル21の踏込み部21bとは別個に単体で踏み込み可能なペダル面F3a(「第2のペダル面」の一例)と、後述するようにアクセルペダル21の踏込み部21b(ペダル面F2)を踏み込んでいる足(右足)によってアクセルペダル21と共にブレーキペダル31を踏み込み可能なペダル面F3b(「第1のペダル面」の一例)とが設けられている。この場合、本例の制動力調整部3におけるブレーキペダル31は、一例として、正面視(ペダルの踏込み方向に沿って見たとき)において、アクセルペダル21の踏込み部21bにおけるペダル面F2の左方、右方および上方にペダル面F3が位置するように構成されている。
また、図2に示すように、ブレーキペダル31は、ペダル操作が行われていない状態(ブレーキペダル31が踏み込まれていない状態)において、そのペダル面F3a,F3bが、ペダル操作が行われていない状態(踏み込まれていない状態)におけるアクセルペダル21のペダル面F2よりも踏み込み方向の奥側に位置するように取付け位置が調整されている(「アクセルペダルを第4のアクセル踏込み位置および第2のアクセル踏込み位置の間に踏み込んでいる足によってアクセルペダルと共にブレーキペダルを踏み込み可能」との構成の一例)。なお、制動力調整部3による制動装置13の制御に関する具体的な内容については、後に詳細に説明する。
この場合、本例の走行制御装置1における推進力調整部2では、処理部23が、センサ22からのセンサ信号および推進力調整用データDに基づいてアクセル踏込み位置を特定し、図5に示すように、アクセルペダル21が踏み込まれていない位置Pa1(「第1のアクセル踏込み位置」の一例)とアクセルペダル21が最も踏み込まれた位置Pa4(「第2のアクセル踏込み位置」の一例)との間に規定された位置Pa2(「第3のアクセル踏込み位置」の一例)において推進装置12に最大の推進力DF1を出力させると共に、位置Pa1,Pa4の両位置において推進装置12に最小の推進力推進力DF0をそれぞれ出力させる構成が採用されている。
また、本例の推進力調整部2では、処理部23が、位置Pa1,Pa2の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときに推進装置12に出力させる推進力を増加させると共に、位置Pa2,Pa4の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときに推進装置12に出力させる推進力を減少させ、かつ位置Pa4,Pa2の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに推進装置12に出力させる推進力を増加させると共に、位置Pa2,Pa1の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに推進装置12に出力させる推進力を減少させる構成が採用されている。
具体的には、処理部23は、位置Pa2と、位置Pa2,Pa4の間に規定された位置Pa3(「第4のアクセル踏込み位置」の一例)との間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときに推進装置12に出力させる推進力を減少させて位置Pa3において推進装置12に最小の推進力DF0を出力させると共に、位置Pa3,Pa4の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したとき、並びに位置Pa4,Pa3の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに推進装置12に最小の推進力DF0を出力する状態を維持させ、かつ位置Pa3,Pa2の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに推進装置12に出力させる推進力を増加させる構成が採用されている。
また、本例の推進力調整部2では、上記の位置Pa1から位置Pa2までのアクセルペダル21の踏込み量、および位置Pa2から位置Pa3までのアクセルペダル21の踏込み量(位置Pa3から位置Pa2までのアクセルペダル21の踏み戻し量、および位置Pa2から位置Pa1までのアクセルペダル21の踏み戻し量)が互いに等しくなるように位置Pa1~Pa3がそれぞれ規定されている。さらに、本例の推進力調整部2では、位置Pa1から位置Pa2に向かってアクセルペダル21の踏込み量が増加したときの「推進装置12から出力される推進力」の変化の態様と、位置Pa3から位置Pa2に向かってアクセルペダル21の踏込み量が減少したときの「推進装置12から出力される推進力」の変化の態様とが互いに等しくなり、位置Pa2から位置Pa1に向かってアクセルペダル21の踏込み量が減少したときの「推進装置12から出力される推進力」の変化の態様と、位置Pa2から位置Pa3に向かってアクセルペダル21の踏込み量が増加したときの「推進装置12から出力される推進力」の変化の態様とが互いに等しくなるように構成されている。
この場合、センサ22のセンサ信号に基づいて特定されるアクセルペダル21の踏込み位置、および推進力調整用データDに基づいて処理部23が電子スロットル12aを制御する本例の推進力調整部2では、アクセルペダル21の踏込み位置に応じて上記のように推進装置12に対して推進力を出力させるようにアクセルペダル21の踏込み位置と推進装置12に対して出力させる推進力とが対応付けられて推進力調整用データDが生成されている。
また、本例の走行制御装置1における制動力調整部3では、ブレーキペダル31が踏み込まれていない位置Pb1(「第1のブレーキ踏込み位置」の一例)と、ブレーキペダル31が最も踏み込まれた位置Pb2(「第2のブレーキ踏込み位置」の一例)との間においてブレーキペダル31の踏込み量が増加したときに制動装置13に出力させる制動力を増加させ、位置Pb2,Pb1の間においてブレーキペダル31の踏込み量が減少したときに制動装置13に出力させる制動力を減少させる構成が採用されている。
さらに、本例の制動力調整部3では、前述したようにブレーキペダル31がペダル面F3bを備えると共に、ブレーキペダル31の取付け位置が調整されることにより、位置Pa3,Pa4の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときにアクセルペダル21に対するペダル操作に連動してブレーキペダル31の踏込み量が増加するように構成されている。具体的には、本例の走行制御装置1では、アクセルペダル21を位置Pa3まで踏み込んだときにアクセルペダル21のペダル面F2がブレーキペダル31のペダル面F3a,F3bとほぼ面一となるように両ペダル21,31が取り付けられており、これにより、アクセルペダル21を位置Pa3まで踏み込んでいる足(右足)がブレーキペダル31のペダル面F3bに当接し、その状態でアクセルペダル21が踏み込まれて位置Pa4に位置したときに、ペダル面F3bを踏み込まれたブレーキペダル31が位置Pb2まで踏み込まれるように構成されている。
この走行制御装置1を搭載した自動車10の走行に際しては、上記のように、推進装置12に対してアクセルペダル21の踏込み位置に応じた推進力を出力させる制御が推進力調整部2によって実行されると共に、制動装置13に対してブレーキペダル31の踏込み位置に応じた制動力を出力させる制御が制動力調整部3によって実行される。なお、2ペダル方式のオートマチックトランスミッションが搭載されている自動車10の運転に際しては、右足でアクセルペダル21を操作すると共に左足でブレーキペダル31を操作する操作方法を採用することもできるが、以下、右足でアクセルペダル21およびブレーキペダル31を操作する操作方法(極く一般的な操作方法であるが、踏間違えが生じ易い操作方法)による運転の例について説明する。
また、自動車10の走行に際しては、停車位置から後退させた後に前進させることもあるが、走行制御装置1の動作に関する理解を容易とするために、以下、停車位置から直ちに前進させる運転の例について説明する。具体的には、まず、ブレーキペダル31におけるペダル面F3aを十分な力で踏み込んだ状態で自動車10を前進走行状態に移行させる。この際には、ブレーキペダル31が位置Pb1から位置Pb2寄りの位置に踏み込まれてマスターシリンダ32から圧力配管33を介して伝達される油圧によってピストン13aがスライドさせられることにより、制動装置13から十分な制動力(停車状態を維持しようとする力)が出力され、自動車10が停車した状態に維持される。
次いで、ブレーキペダル31から足を離す。この際には、ブレーキペダル31が位置Pb1に位置させられて圧力配管33を介して伝達される油圧が十分に小さくなり、ピストン13aが初期位置(非制動位置)にスライドさせられることによって制動装置13から出力される制動力が十分に小さくなって自動車10を走行させることが可能な状態となる。続いて、アクセルペダル21を徐々に踏み込む。この際には、アクセルペダル21の踏込み位置が位置Pa1から位置Pa2に向かって変化するのに伴い、センサ22からのセンサ信号に基づいてアクセルペダル21の踏込み位置を特定した処理部23が、特定した踏込み位置、および記憶部24に記憶されている推進力調整用データDに基づいて推進装置12に対して踏込み位置に対応する制御信号Sを出力する。
具体的には、前述したように、処理部23は、位置Pa1,Pa2の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときに推進装置12に出力させる推進力を増加させる。これにより、推進装置12から出力される推進力が徐々に増加して自動車10が徐々に加速する。また、自動車10の速度が所望の速度に達した際には、アクセルペダル21の踏込み量を減少させて(アクセルペダル21を位置Pa1寄りに位置させる操作:踏戻しの操作)、一定速度での走行が維持させる踏込み位置を維持する。これにより、推進装置12から出力される推進力が一定となって自動車10が一定速度で走行させられる。
一方、自動車10を減速させたり停車させたりするときには、以下の2種類の操作方法のいずれかを実行する。1つ目の操作方法は、一般的な操作方法と同様にして、アクセルペダル21をさらに位置Pa1寄りに位置させる操作(アクセルペダル21を踏み戻す操作:位置Pa1,Pa2の間においてアクセルペダル21の踏込み量を減少させる操作)を行う。この際に、処理部23は、位置Pa2,Pa1の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに推進装置12に出力させる推進力を減少させる。これにより、推進装置12から出力される推進力が徐々に減少して自動車10が徐々に減速する。なお、減速後の速度で一定走行させるときや、自動車10を再び加速させるときの操作方法は前述の操作方法と同様のため、詳細な説明を省略する。
また、1つ目の操作方法において自動車10を停車させるときには、アクセルペダル21を位置Pa1まで踏み戻すことで推進装置12から出力される推進力を十分に減少させた後に、アクセルペダル21から離した足によってブレーキペダル31のペダル面F3aを踏み込む。これにより、制動装置13から出力される制動力によって自動車10が停車する。なお、この1つ目の操作方法によって停車させた自動車10を再び走行させるときの操作方法についても前述の操作方法と同様のため、詳細な説明を省略する。
2つ目の操作方法は、アクセルペダル21を位置Pa2よりもPa3寄りの踏込み位置まで踏込む操作(位置Pa2,Pa3の間においてアクセルペダル21の踏込み量を増加させる操作)を行う。この際に、前述したように、処理部23は、位置Pa2,Pa3の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときに推進装置12に出力させる推進力を減少させる。これにより、推進装置12から出力される推進力が徐々に減少して自動車10が徐々に減速する。
また、2つ目の操作方法によって減速させた自動車10を一定の速度で走行させるときには、一定速度での走行が維持させる踏込み位置を維持する。これにより、推進装置12から出力される推進力が一定となって自動車10が一定速度で走行させられる。さらに、2つ目の操作方法によって減速させた自動車10を再び加速させるときには、アクセルペダル21の踏込み量を減少させる(アクセルペダル21を位置Pa2寄りに位置させる操作)。この際に、処理部23は、位置Pa3,Pa2の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに推進装置12に出力させる推進力を増加させる。これにより、推進装置12から出力される推進力が徐々に増加して自動車10が徐々に加速する。
また、2つ目の操作方法によって減速させた自動車10を停車させるときには、アクセルペダル21を位置Pa3まで踏み込むことで推進装置12から出力される推進力を十分に減少させた後に、図4に示すように、アクセルペダル21と共にブレーキペダル31のペダル面F3bを踏み込んで、アクセルペダル21を位置Pa3,Pa4の間に位置させ、かつブレーキペダル31を位置Pb1,Pb2の間に位置させる。
この際に、本例の走行制御装置1では、処理部23が、アクセルペダル21の踏込み量が増加したときに推進装置12に出力させる推進力を減少させて位置Pa3において最小の推進力DF0を出力させると共に、位置Pa3,Pa4の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときに、推進装置12に対して最小の推進力DF0を出力する状態を維持させる構成が採用されている。また、前述したようにブレーキペダル31の踏み込み位置が位置Pb1,Pb2の間において増加したときには、制動装置13から出力される制動力が増加する。これにより、推進装置12から出力される推進力が十分に小さい状態において制動装置13から出力される制動力によって自動車10が停車させられる。
また、2つ目の操作方法によって停車させた自動車10を発進させるときには、アクセルペダル21およびブレーキペダル31の踏込み量を徐々に減少させる。この際に、本例の走行制御装置1では、処理部23が、位置Pa4,Pa3の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに、推進装置12に対して最小の推進力DF0を出力する状態を維持させると共に、位置Pa3,Pa2の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに、推進装置12に出力させる推進力を増加させる構成が採用されている。したがって、アクセルペダル21と共に踏み戻された(踏込み量を減少させられた)ブレーキペダル31が位置Pb1に近付いて制動装置13から出力される制動力が十分に小さくなり、かつアクセルペダル21の踏込み量が十分に小さくなることで推進装置12から出力される推進力が十分に大きくなることにより、自動車10が再び加速される。
一方、本例の走行制御装置1では、アクセルペダル21が位置Pa1,Pa3の間のいずれの踏込み位置に踏み込まれているかを問わず、急減速や急停車を意図してブレーキペダル31を踏み込む操作を行う際に、誤ってアクセルペダル21を踏み込んだとき(踏間違えが生じたとき)に、自動車10を十分に減速させて停車させることが可能となっている。
具体的には、一例として、アクセルペダル21を位置Pa2,Pa3の間の任意の踏込み位置に位置させて自動車10を一定速度で走行させているときに、車両前方への歩行者の飛び出し等が発生して自動車10を緊急制動(減速・停車)させる際に、正しくは、アクセルペダル21から離した足によってブレーキペダル31のペダル面F3aを踏み込む操作を行う。しかしながら、飛び出し等に驚いた運転者が正常な操作を行えず、ブレーキペダル31と間違えてアクセルペダル21を踏み込んでしまうことがある。
この際に、緊急制動を目的としてブレーキペダル31を位置Pb2寄りの位置まで大きく踏み込もうとしている運転者は、アクセルペダル21を位置Pa4寄りの位置まで大きく踏み込む操作を行う。この際には、自動車10を減速・停車させる際の2つ目の操作方法として説明した例のときと同様にして、アクセルペダル21が位置Pa3まで踏み込まれたときに推進装置12から出力される推進力が十分に小さくなり、図4に一点鎖線で示すように位置Pa3から位置Pa4に向かって踏み込まれるアクセルペダル21と共に、ブレーキペダル31(ペダル面F3b)が位置Pb1から位置Pb2に向かって踏み込まれることで制動装置13から出力される制動力が十分に大きくなる。これにより、推進装置12から離した足によってブレーキペダル31のペダル面F3aを正しく踏み込んだときと同様にして、制動装置13から出力される十分な大きさの制動力によって自動車10が停車させられる。
このように、この走行制御装置1では、推進力調整部2が、位置Pa2において推進装置12に最大の推進力DF1を出力させると共に位置Pa1,Pa4において推進装置12に最小の推進力DF0をそれぞれ出力させ、位置Pa1,Pa2の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときに推進装置12に出力させる推進力を増加させると共に位置Pa2,Pa4の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときに推進装置12に出力させる推進力を減少させ、かつ位置Pa4,Pa2の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに推進装置12に出力させる推進力を増加させると共に位置Pa2,Pa1の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに推進装置12に出力させる推進力を減少させ、ブレーキペダル31が、位置Pa2,Pa4の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときにアクセルペダル21の動作に連動してブレーキペダル31の踏込み量が増加するように構成され、制動力調整部3が、位置Pb1,Pb2の間においてブレーキペダル31の踏込み量が増加したときに制動装置13に出力させる制動力を増加させ、かつ位置Pb2,Pb1の間においてブレーキペダル31の踏込み量が減少したときに制動装置13に出力させる制動力を減少させる。
したがって、この走行制御装置1によれば、ブレーキペダル31の操作と間違えてアクセルペダル21を踏み込む操作を行ったとしても、位置Pa2,Pa4の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときに、推進装置12から出力される推進力が十分に小さくなると共に、アクセルペダル21に対するペダル操作に連動してブレーキペダル31が操作されて、位置Pb1,Pb2の間においてブレーキペダル31の踏込み量が増加したときに、制動装置13から出力される制動力が増加するために、自動車10を確実かつ容易に減速・停車させることができる。これにより、ブレーキペダル31およびアクセルペダル21の踏み間違えに起因する事故の発生を確実に回避することができる。
また、この走行制御装置1によれば、アクセルペダル21を位置Pa3,Pa4の間に踏み込んでいる足によってアクセルペダル21と共にブレーキペダル31を踏み込み可能なペダル面F3bと、ブレーキペダル31をアクセルペダル21とは別個に単体で踏み込み可能なペダル面F3aとをブレーキペダル31に設けたことにより、極めて簡易な構成でありながら、踏み間違えに起因してアクセルペダル21を大きく踏み込んだときに、アクセルペダル21と共にブレーキペダル31を確実に踏み込むことができる。これにより、走行制御装置1の製造コストを十分に低減しつつ、踏み間違えに起因する事故の発生を回避可能な走行制御装置1を安価に提供することができる。
また、この走行制御装置1では、推進力調整部2が、位置Pa2,Pa3の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したときに推進装置12に出力させる推進力を減少させて位置Pa3において推進装置12に最小の推進力DF0を出力させると共に位置Pa3,Pa4の間においてアクセルペダル21の踏込み量が増加したとき、並びに位置Pa4,Pa3の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに推進装置12に最小の推進力DF0を出力する状態を維持させ、かつ位置Pa3,Pa2の間においてアクセルペダル21の踏込み量が減少したときに推進装置12に出力させる推進力を増加させる。
したがって、この走行制御装置1によれば、踏み間違えに起因してアクセルペダル21が大きく踏み込まれたときに、推進装置12から最小の推進力DF0が出力される状態が維持されて、アクセルペダル21に対するペダル操作に連動して踏み込まれているブレーキペダル31の踏込み位置に応じて制動装置13から出力される制動力を無駄なく発揮させることができるため、自動車10を一層確実に減速・停車させることができる。
さらに、この走行制御装置1によれば、位置Pa1から位置Pa2までのアクセルペダル21の踏込み量、および位置Pa2から位置Pa3までのアクセルペダル21の踏込み量が互いに等しくなるように位置Pa2,Pa3をそれぞれ規定したことにより、位置Pa1,Pa2の間におけるアクセルペダル21の操作によって推進装置12から出力される推進力の変化の度合いと、位置Pa2,Pa3の間におけるアクセルペダル21の操作によって推進装置12から出力される推進力の変化の度合いとが等しくなるため、位置Pa1,Pa2の間、および位置Pa2,Pa3の間のいずれでアクセルペダル21を操作したとしても、違和感を覚えずに自動車10を任意の速度で走行させることができる。
また、この走行制御装置1によれば、推進力調整部2が、アクセルペダル21の踏込み位置を検出するセンサ22、センサ22から出力されるセンサ信号に基づいてアクセルペダル21の踏込み位置を特定すると共に特定した踏込み位置に対応する推進力を推進装置12に出力させる処理部23、および処理部23によって特定される踏込み位置に対応して推進装置12に出力させる推進力を特定可能な推進力調整用データDを記憶する記憶部24を備えたことにより、フライバイワイヤー方式の推進力調整装置を搭載した自動車10に走行制御装置1を容易に搭載することができる。
次に、「走行制御装置」の他の実施の形態について説明する。
上記の走行制御装置1は、フライバイワイヤー方式の推進装置12を制御可能な推進力調整部2を備えて構成されているが、このような構成に代えて、ワイヤーコントロール方式の推進装置を制御可能に「推進力調整部」を構成することもできる。具体的には、図6に示す走行制御装置1Aは、「走行制御装置」の他の一例であって、前述の走行制御装置1における推進力調整部2に代えて推進力調整部2Aを備え、ワイヤーコントロール方式の推進装置12Aを搭載した自動車10Aに搭載(装着)して使用可能に構成されている。なお、「制動力調整部」の一例である制動力調整部3については走行制御装置1の制動力調整部3と同様のため、図示および重複する説明を省略する。
推進力調整部2Aは、「推進力調整部」の他の一例であって、主アーム41aおよび踏込み部41bを有するアクセルペダル41と、主アーム41aに配設された回動用アーム42と、アクセルペダル41の踏み込みによって回動用アーム42によって回動させられる回動体43と、一端部が回動体43に連結された連結部44と、連結部44の他端部に連結されたアクセルワイヤー45とを備え、自動車10Aの推進装置12Aに対してアクセルペダル41の踏込み位置に応じた推進力を出力させることができるように構成されている。
なお、本例の走行制御装置1Aでは、一例として、自動車10Aに搭載されている推進力調整装置(初期装備の推進力調整装置)における「アクセルワイヤー」を上記のアクセルワイヤー45として使用すると共に、自動車10Aの初期装備の「アクセルペダル」に代えてアクセルペダル41、回動用アーム42、回動体43および連結部44を取り付けることができるように構成されている。なお、アクセルペダル41における主アーム41aおよび踏込み部41bは、前述のアクセルペダル21におけるアーム21aおよび踏込み部21bと同様に構成されているため、詳細な説明を省略する。
また、本例の走行制御装置1Aにおける推進力調整部2Aでは、回動用アーム42、回動体43および連結部44が相俟って「操作方向変更機構」を構成している。具体的には、本例の推進力調整部2Aでは、アクセルペダル41が踏み込まれていない状態において、回動体43における連結部44の連結部位が位置Pc1に位置させられている。また、アクセルペダル41の踏込み(踏込み量を増加させる操作)に伴って主アーム41aと共に回動用アーム42が回動中心O41を中心として矢印A1の向きに回動させられることにより、回動用アーム42によって回動体43が回動中心O43を中心として矢印B1の向きに回動させられる。この際には、回動体43における連結部44の連結部位が位置Pc1から位置Pc2を経て位置Pc3に位置させられる。これに伴い、連結部44におけるアクセルワイヤー45の連結部位が矢印C1の向き、矢印C2の向き、および矢印C1の向きにこの順で変位させられる。これにより、連結部44に連結されているアクセルワイヤー45が、矢印C1の向き(「第1の向き」の一例)、矢印C2の向き(「第2の向き」の一例)、および矢印C1の向きにこの順でスライドさせられる。
さらに、アクセルペダル21の踏戻し(踏込み量を減少させる操作)に伴って主アーム41aと共に回動用アーム42が回動中心O41を中心として矢印A2の向きに回動させられたときには、回動用アーム42によって回動体43が回動中心O43を中心として矢印B2の向きに回動させられる。この際には、回動体43における連結部44の連結部位が位置Pc3から位置Pc2を経て位置Pc1に位置させられる。これに伴い、連結部44におけるアクセルワイヤー45の連結部位が矢印C1の向き、矢印C2の向き、および矢印C1の向きにこの順で変位させられる。これにより、連結部44に連結されているアクセルワイヤー45が、矢印C1の向き、矢印C2の向き、および矢印C1の向きにこの順でスライドさせられる。
この場合、上記のような「操作方向変更機構」を備えた本例の走行制御装置1Aにおける推進力調整部2Aでは、図7に示すように、アクセルペダル41が踏み込まれていない位置Pa1(「第1のアクセル踏込み位置」の一例)とアクセルペダル41が最も踏み込まれた位置Pa3(「第2のアクセル踏込み位置」の一例)との間に規定された位置Pa2(「第3のアクセル踏込み位置」の一例)において推進装置12Aに最大の推進力DF1を出力させると共に、位置Pa1,Pa3の両位置において推進装置12Aに最小の推進力推進力DF0をそれぞれ出力させる構成が採用されている。
また、本例の推進力調整部2Aでは、位置Pa1,Pa2の間においてアクセルペダル41の踏込み量が増加したときに推進装置12Aに出力させる推進力を増加させると共に、位置Pa2,Pa3の間においてアクセルペダル41の踏込み量が増加したときに推進装置12Aに出力させる推進力を減少させ、かつ位置Pa3,Pa2の間においてアクセルペダル41の踏込み量が減少したときに推進装置12Aに出力させる推進力を増加させると共に、位置Pa2,Pa1の間においてアクセルペダル41の踏込み量が減少したときに推進装置12Aに出力させる推進力を減少させる構成が採用されている。
さらに、本例の推進力調整部2Aでは、上記の位置Pa1から位置Pa2までのアクセルペダル41の踏込み量、および位置Pa2から位置Pa3までのアクセルペダル41の踏込み量(位置Pa3から位置Pa2までのアクセルペダル41の踏み戻し量、および位置Pa2から位置Pa1までのアクセルペダル41の踏み戻し量)が互いに等しくなるように位置Pa1~Pa3がそれぞれ規定されている。さらに、本例の推進力調整部2Aでは、位置Pa1から位置Pa2に向かってアクセルペダル41の踏込み量が増加したときの「推進装置12Aから出力される推進力」の変化の態様と、位置Pa3から位置Pa2に向かってアクセルペダル41の踏込み量が減少したときの「推進装置12Aから出力される推進力」の変化の態様とが互いに等しくなり、位置Pa2から位置Pa1に向かってアクセルペダル41の踏込み量が減少したときの「推進装置12Aから出力される推進力」の変化の態様と、位置Pa2から位置Pa3に向かってアクセルペダル41の踏込み量が増加したときの「推進装置12Aから出力される推進力」の変化の態様とが互いに等しくなるように構成されている。
また、本例の走行制御装置1Aにおける制動力調整部3では、前述の走行制御装置1における制動力調整部3とは異なり、アクセルペダル41を位置Pa3まで踏み込む前に、アクセルペダル41を踏み込んでいる足(右足)がブレーキペダル31のペダル面F3bに当接し、その状態でアクセルペダル41が踏み込まれて位置Pa3に位置したときに、ペダル面F3bを踏み込まれたブレーキペダル31が位置Pb1から位置Pb2まで踏み込まれるように位置決めされている。
この走行制御装置1Aを搭載した自動車10Aの走行に際しては、上記のように、推進装置12Aに対してアクセルペダル41の踏込み位置に応じた推進力を出力させる制御が推進力調整部2Aによって実行されると共に、制動装置13に対してブレーキペダル31の踏込み位置に応じた制動力を出力させる制御が制動力調整部3によって実行される。具体的には、まず、ブレーキペダル31におけるペダル面F3aを十分な力で踏み込んだ状態で自動車10Aを前進走行状態に移行させる。この際には、前述の走行制御装置1を搭載した走行制御装置1(制動力調整部3)に対する操作時と同様にして、制動装置13から十分な制動力(停車状態を維持しようとする力)が出力され、自動車10Aが停車した状態に維持される。
次いで、ブレーキペダル31から足を離す。この際には、制動装置13から出力される制動力が十分に小さくなり、自動車10Aを走行させることが可能な状態となる。続いて、アクセルペダル41を徐々に踏み込む。この際には、アクセルペダル41の踏込み位置が位置Pa1から位置Pa2に向かって変化させられるのに伴い、連結部44の一端部が位置Pc1から位置Pc2に向かって変位させられてアクセルワイヤー45が矢印C1の向きにスライドさせられる。これにより、推進装置12Aから出力される推進力が徐々に増加して自動車10Aが徐々に加速する。また、自動車10Aの速度が所望の速度に達した際には、アクセルペダル41の踏込み量を減少させて(アクセルペダル41を位置Pa1寄りに位置させる操作:踏戻しの操作)、一定速度での走行が維持させる踏込み位置を維持する。これにより、推進装置12Aから出力される推進力が一定となって自動車10Aが一定速度で走行させられる。
一方、自動車10Aを減速させたり停車させたりするときには、以下の2種類の操作方法のいずれかを実行する。1つ目の操作方法は、一般的な操作方法と同様にして、アクセルペダル41をさらに位置Pa1寄りに位置させる操作(アクセルペダル41を踏み戻す操作:位置Pa1,Pa2の間においてアクセルペダル41の踏込み量を減少させる操作)を行う。この際には、アクセルペダル41の踏込み位置が位置Pa2から位置Pa1に向かって変化させられるのに伴い、連結部44の一端部が位置Pc2から位置Pc1に向かって変位させられてアクセルワイヤー45が矢印C2の向きにスライドさせられる。これにより、推進装置12Aから出力される推進力が徐々に減少して自動車10Aが徐々に減速する。なお、減速後の速度で一定走行させるときや、自動車10Aを再び加速させるときの操作方法は前述の操作方法と同様のため、詳細な説明を省略する。
また、1つ目の操作方法において自動車10Aを停車させるときには、アクセルペダル41を位置Pa1まで踏み戻すことで推進装置12Aから出力される推進力を十分に減少させた後に、アクセルペダル41から離した足によってブレーキペダル31のペダル面F3aを踏み込む。これにより、制動装置13から出力される制動力によって自動車10Aが停車する。なお、この1つ目の操作方法によって停車させた自動車10Aを再び走行させるときの操作方法についても前述の操作方法と同様のため、詳細な説明を省略する。
2つ目の操作方法は、アクセルペダル41を位置Pa2よりもPa3寄りの踏込み位置まで踏込む操作(位置Pa2,Pa3の間においてアクセルペダル41の踏込み量を増加させる操作)を行う。この際には、アクセルペダル41の踏込み位置が位置Pa2から位置Pa3に向かって変化させられるのに伴い、連結部44の一端部が位置Pc2から位置Pc3に向かって変位させられてアクセルワイヤー45が矢印C1の向きにスライドさせられる。これにより、推進装置12Aから出力される推進力が徐々に減少する。これにより、推進装置12Aから出力される推進力が徐々に減少して自動車10Aが徐々に減速する。
また、2つ目の操作方法よって減速させた自動車10Aを一定の速度で走行させるときには、アクセルペダル41の踏込み量を増加させ(アクセルペダル41を位置Pa3寄りに位置させる操作)、一定速度での走行が維持させる踏込み位置を維持する。これにより、推進装置12Aから出力される推進力が一定となって自動車10Aが一定速度で走行させられる。さらに、2つ目の操作方法によって減速させた自動車10Aを再び加速させるときには、アクセルペダル41の踏込み量を減少させる(アクセルペダル41を位置Pa2寄りに位置させる操作)。これにより、推進装置12Aから出力される推進力が徐々に増加して自動車10Aが徐々に加速する。
また、2つ目の操作方法によって減速させた自動車10Aを停車させるときには、アクセルペダル41を位置Pa2と位置Pa3との間に規定された位置Pa5まで踏み込む。この際には、アクセルペダル41(踏込み部41bのペダル面F4)を踏み込んでいる足がブレーキペダル31(踏込み部31bのペダル面F3b)に当接し、アクセルペダル41を位置Pa5からさらに位置Pa3に向けて踏み込むことでアクセルペダル41と共にブレーキペダル31のペダル面F3bが踏み込まれる。
この際に、本例の走行制御装置1Aでは、位置Pa2,Pa3の間においてアクセルペダル41の踏込み量が増加したときに推進装置12Aに出力させる推進力を減少させて位置Pa3において推進装置12Aに最小の推進力DF0を出力させる構成が採用されている。また、本例の走行制御装置1Aでは、ブレーキペダル31の踏み込み位置が位置Pb1,Pb2の間において増加したときには、制動装置13から出力される制動力が増加する。これにより、推進装置12Aから出力される推進力が十分に小さい状態において制動装置13から出力される制動力によって自動車10Aが停車させられる。
また、2つ目の操作方法によって停車させた自動車10Aを発進させるときには、アクセルペダル41およびブレーキペダル31の踏込み量を徐々に減少させる。この際には、ブレーキペダル31の踏込み量の減少に伴って制動装置13から出力される制動力が徐々に減少すると共に、アクセルペダル41の踏込み量の減少に伴って推進装置12Aから出力される推進力が徐々に増加する結果、自動車10Aが再び加速される。
一方、本例の走行制御装置1Aでは、アクセルペダル41が位置Pa1,Pa3の間のいずれの踏込み位置に踏み込まれているかを問わず、急減速や急停車を意図してブレーキペダル31を踏み込む操作を行う際に、誤ってアクセルペダル41を踏み込んだとき(踏間違えが生じたとき)に、自動車10Aを十分に減速させて停車させることが可能となっている。
具体的には、一例として、アクセルペダル41を位置Pa2,Pa3の間の任意の踏込み位置に位置させて自動車10Aを一定速度で走行させているときに、車両前方への歩行者の飛び出し等が発生して自動車10Aを緊急制動(減速・停車)させる際に、正しくは、アクセルペダル41から離した足によってブレーキペダル31のペダル面F3aを踏み込む操作を行う。しかしながら、飛び出し等に驚いた運転者が正常な操作を行えず、ブレーキペダル31と間違えてアクセルペダル41を踏み込んでしまうことがある。
この際に、緊急制動を目的としてブレーキペダル31を位置Pb2寄りの位置まで大きく踏み込もうとしている運転者は、アクセルペダル41を位置Pa3寄りの位置まで大きく踏み込む操作を行う。この際には、自動車10Aを減速・停車させる際の2つ目の操作方法として説明した例のときと同様にして、アクセルペダル41が位置Pa2から位置Pa3に向かって踏み込まれるアクセルペダル41と共に、ブレーキペダル31(ペダル面F3b)が位置Pb1から位置Pb2に向かって踏み込まれることで制動装置13から出力される制動力が十分に大きくなる。これにより、推進装置12Aから離した足によってブレーキペダル31のペダル面F3aを正しく踏み込んだときと同様にして、制動装置13から出力される十分な大きさの制動力によって自動車10Aが停車させられる。
このように、この走行制御装置1Aでは、推進力調整部2Aが、位置Pa2において推進装置12Aに最大の推進力DF1を出力させると共に位置Pa1,Pa3において推進装置12Aに最小の推進力DF0をそれぞれ出力させ、位置Pa1,Pa2の間においてアクセルペダル41の踏込み量が増加したときに推進装置12Aに出力させる推進力を増加させると共に位置Pa2,Pa3の間においてアクセルペダル41の踏込み量が増加したときに推進装置12Aに出力させる推進力を減少させ、かつ位置Pa3,Pa2の間においてアクセルペダル41の踏込み量が減少したときに推進装置12Aに出力させる推進力を増加させると共に位置Pa2,Pa1の間においてアクセルペダル41の踏込み量が減少したときに推進装置12Aに出力させる推進力を減少させ、ブレーキペダル31が、位置Pa2,Pa3の間においてアクセルペダル41の踏込み量が増加したときにアクセルペダル41に対するペダル操作に連動してブレーキペダル31の踏込み量が増加するように構成され、制動力調整部3が、位置Pb1,Pb2の間においてブレーキペダル31の踏込み量が増加したときに制動装置13に出力させる制動力を増加させ、かつ位置Pb2,Pb1の間においてブレーキペダル31の踏込み量が減少したときに制動装置13に出力させる制動力を減少させる。
したがって、この走行制御装置1Aによれば、前述した走行制御装置1と同様にして、ブレーキペダル31の操作と間違えてアクセルペダル41を踏み込む操作を行ったとしても、位置Pa2,Pa3の間においてアクセルペダル41の踏込み量が増加したときに、推進装置12Aから出力される推進力が十分に小さくなると共に、アクセルペダル41に対するペダル操作に連動してブレーキペダル31が操作されて、位置Pb1,Pb2の間においてブレーキペダル31の踏込み量が増加したときに、制動装置13から出力される制動力が増加するために、自動車10Aを確実かつ容易に減速・停車させることができる。これにより、ブレーキペダル31およびアクセルペダル41の踏み間違えに起因する事故の発生を確実に回避することができる。
また、この走行制御装置1Aによれば、推進力調整部2Aが、アクセルペダル41に対する踏込み操作に応じてスライドさせられるアクセルワイヤー45と、位置Pa1,Pa2の間でアクセルペダル41の踏込み量が増加したとき、および位置Pa3,Pa2の間でアクセルペダル41の踏込み量が減少したときにアクセルワイヤー45を「第1の向き(本例では、図6における矢印C1の向き)」にスライドさせると共に、位置Pa2,Pa1の間でアクセルペダル41の踏込み量が減少したとき、および位置Pa3,Pa2の間でアクセルペダル41の踏込み量が増加したときにアクセルワイヤー45を「第2の向き(本例では、図6における矢印C2の向き)」にスライドさせる「操作方向変更機構(本例では、アクセルペダル41の回動用アーム42、回動体43および連結部44)」とを備えたことにより、ワイヤーコントロール方式の推進力調整装置を搭載した自動車10Aに走行制御装置1Aを容易に搭載することができる。
なお、「走行制御装置」の構成は、上記の走行制御装置1,1Aの構成の例に限定されない。例えば、アクセルペダル21,41を踏み込んでいる足によってアクセルペダル21,41と共にブレーキペダル31を踏み込み可能なペダル面F3bと、ブレーキペダル31をアクセルペダル21,41とは別個に単体で踏み込み可能なペダル面F3aとが踏込み部31bに設けられた構成を例に挙げて説明したが、このような構成に代えて、例えば、前述の特許文献に開示されているブレーキペダルに装着された補助具と同様にアクセルペダル21,41に対するペダル操作時にアーム21a,41aに当接する当接部をブレーキペダル31に設け、アクセルペダル21,41を踏み込んだ足をブレーキペダル31の踏込み部31bに当接させることなくブレーキペダル31をアクセルペダル21,41と共に踏込み可能に構成することもできる(図示せず)。また、アクセルペダル21,41に対するペダル操作時にブレーキペダル31のアーム31aに当接する当接部をアクセルペダル21,41に設け、アクセルペダル21,41を踏み込んだ足をブレーキペダル31の踏込み部31bに当接させることなくブレーキペダル31をアクセルペダル21,41と共に踏込み可能に構成することもできる(図示せず)。
また、アクセルペダル21が位置Pa3,Pa4の間に踏み込まれた状態において推進装置12から出力させる推進力を最小の推進力DF0に維持する構成の推進力調整部2を備えた走行制御装置1を例に挙げて説明したが、「第3のアクセル踏込み位置」から「アクセルペダル」の踏み込み量を増加させたときに「推進装置」から出力させる推進力が最小となる「第4のアクセル踏込み位置(推進力調整部2の構成例における位置Pa3)」については、「第3のアクセル踏込み位置」と「第2のアクセル踏込み位置」との間の任意の位置に規定することができ、一例として、「第4のアクセル踏込み位置」を「第3のアクセル踏込み位置」と同じ位置に規定する(アクセル踏込み位置を変更しても推進力最小の状態が維持されない構成を採用する)こともできる。
さらに、油圧制御方式の制動装置13に出力させる制動力を調整可能な制動力調整部3を備えた構成を例に挙げて説明したが、ワイヤーコントロール方式の「制動装置」、リンク制御方式の「制動装置」、およびフライバイワイヤー方式の「制動装置」などの各種の「制動装置」から出力される制動力を調整可能に「制動力調整部」を構成することができる。この場合、「制動力調整部」における「制動装置」の制御原理については、既存の「制動力調整装置」における「制動装置」の制御原理と同様の原理を採用できるため、詳細な説明を省略する。
1,1A 走行制御装置
2,2A 推進力調整部
3 制動力調整部
10 自動車
12,12A 推進装置
12a 電子スロットル
13 制動装置
13a ピストン
21,41 アクセルペダル
21a,31a アーム
21b,31b,41b 踏込み部
22 センサ
23 処理部
24 記憶部
25 信号ケーブル
31 ブレーキペダル
32 マスターシリンダ
33 圧力配管
41 アクセルペダル
41a 主アーム
42 回動用アーム
43 回動体
44 連結部
BP0,BP1 制動力
DF0,DF1 推進力
D 推進力調整用データ
F2,F3a,F3b,F4 ペダル面
O41,O43 回動中心
Pa1~Pa5,Pb1,Pb2,Pc1~Pc3 位置
S 制御信号

Claims (4)

  1. アクセルペダルを有して推進装置に対して当該アクセルペダルの踏込み位置に応じた推進力を出力させる推進力調整部と、ブレーキペダルを有して制動装置に対して当該ブレーキペダルの踏込み位置に応じた制動力を出力させる制動力調整部とを備えた走行制御装置であって、
    前記推進力調整部は、前記アクセルペダルが踏み込まれていない第1のアクセル踏込み位置と当該アクセルペダルが最も踏み込まれた第2のアクセル踏込み位置との間に規定された第3のアクセル踏込み位置において前記推進装置に最大の推進力を出力させると共に当該第1のアクセル踏込み位置および当該第2のアクセル踏込み位置の両位置において当該推進装置に最小の推進力をそれぞれ出力させ、前記第1のアクセル踏込み位置および前記第3のアクセル踏込み位置の間において前記アクセルペダルの踏込み量が増加したときに前記推進装置に出力させる推進力を増加させると共に当該第3のアクセル踏込み位置と当該第3のアクセル踏込み位置および前記第2のアクセル踏込み位置の間に規定された第4のアクセル踏込み位置との間において当該アクセルペダルの踏込み量が増加したときに当該推進装置に出力させる推進力を減少させて当該第4のアクセル踏込み位置において当該推進装置に前記最小の推進力を出力させ、当該第4のアクセル踏込み位置および当該第2のアクセル踏込み位置の間において当該アクセルペダルの踏込み量が増加したとき、並びに当該第2のアクセル踏込み位置および当該第4のアクセル踏込み位置の間において当該アクセルペダルの踏込み量が減少したときに当該推進装置に当該最小の推進力を出力する状態を維持させ、かつ前記第4のアクセル踏込み位置および前記第3のアクセル踏込み位置の間において前記アクセルペダルの踏込み量が減少したときに前記推進装置に出力させる推進力を増加させると共に当該第3のアクセル踏込み位置および前記第1のアクセル踏込み位置の間において当該アクセルペダルの踏込み量が減少したときに当該推進装置に出力させる推進力を減少させ、
    前記ブレーキペダルおよび前記アクセルペダルのいずれかは、前記第4のアクセル踏込み位置と前記第2のアクセル踏込み位置との間において当該アクセルペダルの踏込み量が増加したときに当該アクセルペダルに対するペダル操作に連動して当該ブレーキペダルの踏込み量が増加するように構成され、
    前記制動力調整部は、前記ブレーキペダルが踏み込まれていない第1のブレーキ踏込み位置と当該ブレーキペダルが最も踏み込まれた第2のブレーキ踏込み位置との間において当該ブレーキペダルの踏込み量が増加したときに前記制動装置に出力させる制動力を増加させ、かつ前記第2のブレーキ踏込み位置および前記第1のブレーキ踏込み位置の間において前記ブレーキペダルの踏込み量が減少したときに前記制動装置に出力させる制動力を減少させる走行制御装置。
  2. 前記ブレーキペダルには、前記アクセルペダルを前記第4のアクセル踏込み位置および前記第2のアクセル踏込み位置の間に踏み込んでいる足によって当該アクセルペダルと共に当該ブレーキペダルを踏み込み可能な第1のペダル面と、当該ブレーキペダルを前記アクセルペダルとは別個に単体で踏み込み可能な第2のペダル面とが設けられている請求項1記載の走行制御装置。
  3. 前記推進力調整部は、前記第1のアクセル踏込み位置から前記第3のアクセル踏込み位置までの前記アクセルペダルの踏込み量、および当該第3のアクセル踏込み位置から前記第4のアクセル踏込み位置までの当該アクセルペダルの踏込み量が互いに等しくなるように当該第3のアクセル踏込み位置および当該第4のアクセル踏込み位置がそれぞれ規定されている請求項1または2記載の走行制御装置。
  4. 前記推進力調整部は、前記アクセルペダルの踏込み位置を検出するセンサ、当該センサから出力されるセンサ信号に基づいて前記アクセルペダルの踏込み位置を特定すると共に特定した当該踏込み位置に対応する推進力を前記推進装置に出力させる処理部、および当該処理部によって特定される前記踏込み位置に対応して前記推進装置に出力させる推進力を特定可能な推進力調整用データを記憶する記憶部を備えている請求項1からのいずれかに記載の走行制御装置。
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