JP7385169B2 - ガラス組成物及び封着材料 - Google Patents

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Description

本発明は、有害な鉛を含有することなく、低温で気密封着することが可能なガラス組成物と、それを用いた封着材料に関するものである。
半導体集積回路、水晶振動子、平面表示装置やLD用ガラス端子等には、封着材料が使用される。
上記の封着材料には、化学的耐久性および耐熱性が要求されるため、樹脂系の接着剤ではなくガラス系封着材料が用いられている。封着材料には、さらに機械的強度、流動性、耐候性等の特性が要求されるが、熱に弱い素子を搭載する電子部品の封着には、封着温度をできる限り低くすることが要求される。具体的には、450℃未満での封着が要求される。それゆえ、上記特性を満足するガラスとして、融点を下げる効果が極めて大きいPbOを多量に含有する鉛硼酸系ガラスが広く用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63-315536号公報 特開平6-24797号公報
近年、鉛硼酸系ガラスに含まれるPbOに対して環境上の問題が指摘されており、鉛硼酸系ガラスからPbOを含まないガラスに置き換えることが望まれている。そのため、鉛硼酸系ガラスの代替品として、様々な低融点ガラスが開発されている。中でも特許文献2に記載されているBi-B系ガラスは、鉛硼酸系ガラスの代替候補として期待されているが、封止温度が450℃以上と高く、より低温での封止が必要な用途には用いることが出来ない。
以上に鑑み、本発明は、環境に有害な鉛を含有させることなく、低温で封着可能なガラス組成物と、それを用いた封着材料を提供することを目的とする。
本発明のガラス組成物は、モル%で、LiO+KO 1~30%、TeO 30~80%、MoO 5~30%を含有することを特徴とする。ここで、「LiO+KO」とは、LiO及びKOの合量を意味する。
本発明のガラス組成物は、LiO及びKOの合量を1%以上とすることにより、低軟化点を達成している。なお、一般に、ガラスの融点を低くすると、ガラス化しなかったり、分相が生じて均質なガラスが得られにくい傾向にあるが、本発明では、TeOの含有量を30%以上、MoOの含有量を5%以上と規定しているため、ガラスが安定化し、均質なガラスを得ることが出来る。
本発明のガラス組成物は、モル%で、LiO+NaO+KO 1~30%、TeO 30~80%、MoO 5~30%を含有することを特徴とする。ここで、「LiO+NaO+KO」とは、LiO、NaO及びKOの合量を意味する。
本発明のガラス組成物は、モル%で、LiO 1~30%を含有することが好ましい。
本発明のガラス組成物は、モル比で、LiO/KOが0.3~5であることが好ましい。ここで、「LiO/KO」とは、LiOの含有量をKOの含有量で除した値である。
本発明のガラス組成物は、さらに、モル%で、TiO+Al 0~10%を含有することが好ましい。ここで、「TiO+Al」とは、TiO及びAlの合量を意味する。
本発明のガラス組成物は、さらに、モル%で、CuO 0~30%、WO 0~20%、P 0~10%を含有することが好ましい。
本発明の封着材料は、上記のガラス組成物からなるガラス粉末 40~100体積%と、耐火性フィラー粉末 0~60体積%とを含有することを特徴とする。
本発明の封着材料は、耐火性フィラー粉末が略球状であることが好ましい。
本発明の封着材料は、耐火性フィラー粉末がZrWO(POを含有することが好ましい。
本発明の封着材料は、水晶振動子用途に使用されることが好ましい。
本発明の封着材料ペーストは、上記の封着材料とビークルとを含有することを特徴とする。
環境に有害な鉛を含有させることなく、低温で封着可能なガラス組成物と、それを用いた封着材料を提供することができる。
マクロ型示差熱分析装置により得られる測定曲線を示す模式図である。
本発明のガラス組成物は、モル%で、LiO+KO 1~30%、TeO 30~80%、MoO 5~30%を含有することが好ましい。また、本発明のガラス組成物は、モル%で、LiO+NaO+KO 1~30%、TeO 30~80%、MoO 5~30%を含有することが好ましい。ガラス組成を上記のように限定した理由を以下に示す。なお、以下の各成分の含有量に関する説明において、特に断りのない限り、「%」は「モル%」を意味する。
LiO及びKOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。LiO+KOは1~30%、2~30%、5~28%、特に7~26%であることが好ましい。LiO+KOが少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になると共に、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。一方、LiO+KOが多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
モル比で、LiO/KOは0.3~5、0.5~4、0.7~3、特に0.8~2であることが好ましい。LiO/KOが小さ過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になると共に、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。一方、LiO/KOが大き過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
NaOも、LiO及びKOと同様にガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。LiO+NaO+KOは1~30%、2~30%、5~28%、特に7~26%であることが好ましい。LiO+NaO+KOが少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になると共に、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。一方、LiO+NaO+KOが多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
なお、LiO、NaO及びKOの含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
LiOは、NaO及びKOに比べガラスの失透性を強めずにガラスの粘性(軟化点等)を低下させ易いため、LiOはNaO及びKOよりも多く含有することが好ましい。具体的には、LiOの含有量は1~30%、2~25%、3~20%、特に5~18%であることが好ましく、NaOの含有量は0~20%、1~15%、2~14%、特に3~13%であることが好ましく、KOの含有量は0~20%、1~15%、2~14%、特に3~13%であることが好ましい。
TeOは、ガラスネットワークを形成すると共に、耐候性を向上させる成分である。TeOの含有量は30~80%であり、40~70%、特に50~65%であることが好ましい。TeOの含有量が少な過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなると共に、耐候性が低下し易くなる。一方、TeOの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になると共に、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また、ガラスの熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
MoOは、ガラスネットワークを形成すると共に、耐候性を向上させる成分である。MoOの含有量は5~30%であり、7~27%、特に10~25%であることが好ましい。MoOの含有量が少な過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなると共に、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。一方、MoOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなると共に、ガラスの熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
本発明のガラス組成物は、上記成分以外にも、ガラス組成中に下記の成分を含有してもよい。
TiO及びAlは、耐候性を向上させる成分である。TiO+Alは0~10%、0.1~8%、特に1~6%であることが好ましい。TiO+Alが多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になると共に、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
なお、TiO及びAlの含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
TiOの含有量は0~8%、0.1~6%、1~5%であることが好ましく、Alの含有量は0~5%、0~3%、0.1~2%であることが好ましい。
CuOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させると共に、ガラスの熱膨張係数を低下させる成分である。CuOの含有量は0~30%、0~10%、0~6%、特に0.1~2%であることが好ましい。CuOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
WOは、ガラスの熱膨張係数を低下させる成分である。WOの含有量は0~20%、0~10%、特に0.1~5%であることが好ましい。WOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなると共に、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。
は、ガラスネットワークを形成すると共に、ガラスを熱的に安定化させる成分である。Pの含有量は0~10%、0~5%、0~2%、特に0.1~1%であることが好ましい。Pの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になると共に耐候性が低下し易くなる。
AgOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。AgOの含有量は0~10%、0~5%、特に0~2%であることが好ましい。AgOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
AgIは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。AgIの含有量は0~10%、0~5%、特に0~2%であることが好ましい。AgIの含有量が多過ぎると、ガラスの熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
MgO、CaO、SrO、BaOは、ガラスを熱的に安定化させると共に、耐候性を向上させる効果があり、それらの含有量は合量で、0~20%、特に0~10%であることが好ましい。MgO、CaO、SrO、BaOの合量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり溶融時または焼成時にガラスが失透し易くなる。なお、MgO、CaO、SrO、BaOの含有量はそれぞれ、0~10%、特に0~5%であることが好ましい。
ZnOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させると共に、耐候性を向上させる成分である。ZnOの含有量は0~10%、特に0~5%であることが好ましい。ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり溶融時または焼成時にガラスが失透し易くなる。
Nbは、ガラスを熱的に安定化させると共に、耐候性を向上させる成分である。Nbの含有量は0~10%、特に0~5%であることが好ましい。Nbの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になり易い。
は、ガラスネットワークを形成すると共に、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。Vの含有量は0~10%、特に0~5%であることが好ましい。Vの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなると共に、耐候性が低下し易くなる。
Gaは、ガラスを熱的に安定化させると共に、耐候性を向上させる成分であるが、非常に高価であることから、その含有量は0.01%未満、特に含有しないことが好ましい。
SiO、GeO、Fe、NiO、CeO、B、Sb、ZrOはガラスを熱的に安定化させて、失透を抑制する成分であり、各々2%未満まで添加可能である。これらの含有量が多すぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
本発明のガラス組成物は、環境上の理由から、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm以下の場合を指す。
本発明の封着材料は、上記のガラス組成物からなるガラス粉末を含有する。本発明の封着材料は、機械的強度を向上、或いは熱膨張係数を調整するために、耐火性フィラー粉末を含有してもよい。その混合割合は、ガラス粉末40~100体積%、耐火性フィラー粉末0~60体積%であり、ガラス粉末50~99体積%、耐火性フィラー粉末1~50体積%、特にガラス粉末60~95体積%、耐火性フィラー粉末5~40体積%であることが好ましい。耐火性フィラー粉末の含有量が多過ぎると、相対的にガラス粉末の割合が少なくなるため、所望の流動性を確保し難くなる。
耐火性フィラー粉末は、略球状であることが好ましい。このようにすれば、ガラス粉末が軟化する際に、ガラス粉末の流動性が耐火性フィラー粉末によって阻害され難くなり、結果として、封着材料の流動性が向上する。また、平滑なグレーズ層を得やすくなる。さらに、仮にグレーズ層の表面に耐火性フィラー粉末の一部が露出しても、耐火性フィラー粉末が略球状であるため、この部分の応力が分散され、更には封着に際し、被封着物をグレーズ層に当接しても、被封着物に不当な応力がかかり難く、結果として気密性を確保し易くなる。なお、本発明でいう「略球状」とは、真球のみに限定されるものではなく、耐火性フィラー粉末において、耐火性フィラー粉末の重心を通る最も短い径を最も長い径で割った値が0.5以上、好ましくは0.7以上のものを指す。
耐火性フィラー粉末は、ZrWO(POを含有することが好ましい。ZrWO(POは上記のガラス粉末と反応し難く、効率的に封着材料の熱膨張係数を低下することが可能である。
また本発明の封着材料は、耐火性フィラー粉末として、ZrWO(PO以外の耐火性フィラー粉末を使用することもできる。その他の耐火性フィラー粉末としては、NbZr(PO、ZrMoO(PO、HfWO(PO、HfMoO(PO、リン酸ジルコニウム、ジルコン、ジルコニア、酸化錫、チタン酸アルミニウム、石英、β-スポジュメン、ムライト、チタニア、石英ガラス、β-ユークリプタイト、β-石英、ウィレマイト、コーディエライト、Sr0.5Zr(PO等からなる粉末を、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。なお、耐火性フィラー粉末の粒径は平均粒子径D50が0.2~20μm程度のものを使用することが好ましい。
本発明の封着材料の軟化点は380℃以下、370℃以下、360℃以下、特に350℃以下であることが好ましい。軟化点が高過ぎると、ガラスの粘性が高くなるため、封着温度が上昇して、封着時に素子を劣化させるおそれがある。なお、軟化点の下限は特に限定されないが、現実的には180℃以上である。ここで、「軟化点」とは、平均粒子径D50が0.5~20μmの封着材料を測定試料として、マクロ型示差熱分析装置で測定した値を指す。測定条件としては、室温から測定を開始し、昇温速度は10℃/分とする。なお、マクロ型示差熱分析装置で測定した軟化点は、図1に示す測定曲線における第四屈曲点の温度(Ts)を指す。
本発明の封着材料の熱膨張係数(30~150℃)は20×10-7/℃~200×10-7/℃、30×10-7/℃~160×10-7/℃、特に40×10-7/℃~140×10-7/℃であることが好ましい。熱膨張係数が低すぎても高すぎても、被封着材料との膨張差により封着時や封着後に封着部が破損し易くなる。
上記の特性を有する本発明の封着材料は、特に低温での封着が要求される水晶振動子用途に好適である。
次に本発明のガラス組成物を用いたガラス粉末の製造方法、及び本発明のガラス組成物を封着材料として使用する方法の一例について説明する。
まず、上記組成となるように調合した原料粉末を800~1000℃で1~2時間、均質なガラスが得られるまで溶融する。次いで、溶融ガラスをフィルム状等に成形した後、粉砕し、分級することにより、本発明のガラス組成物からなるガラス粉末を作製する。なお、ガラス粉末の平均粒子径D50は2~20μm程度であることが好ましい。必要に応じて、ガラス粉末に各種耐火性フィラー粉末を添加した封着材料とする。
次いでガラス粉末(あるいは封着材料)にビークルを添加して混練することによりガラスペースト(あるいは封着材料ペースト)を調製する。ビークルは、主に有機溶剤と樹脂とからなり、樹脂はペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。
有機溶剤は、沸点が低く(例えば、沸点が300℃以下)、且つ焼成後の残渣が少ないことに加えて、ガラスを変質させないものが好ましく、その含有量は10~40質量%であることが好ましい。有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、トルエン、N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、炭酸ジメチル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、酢酸イソアミル、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン等を使用することが好ましい。また、有機溶剤として、高級アルコールを使用することがさらに好ましい。高級アルコールは、それ自身が粘性を有しているために、ビークルに樹脂を添加しなくても、ペースト化することができる。また、ペンタンジオールとその誘導体、具体的にはジエチルペンタンジオール(C20)も粘性に優れるため、溶剤に使用することができる。
樹脂は、分解温度が低く、焼成後の残渣が少ないことに加えて、ガラスを変質させ難いものが好ましく、その含有量は0.1~20質量%であることが好ましい。樹脂として、ニトロセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ポリエチレンカーボネート、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)等を使用することが好ましい。
次いで、ペーストを金属、セラミック、または、ガラスからなる第一の部材と、金属、セラミック、または、ガラスからなる第二の部材との封着箇所にディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いて塗布し、乾燥させ、300~440℃で熱処理する。この熱処理により、ガラス粉末が軟化流動して第一と第二の部材を封着する。
本発明のガラス組成物は、封着用途以外にも被覆、充填等の目的で使用できる。また、ペースト以外の形態、具体的には粉末、グリーンシート、タブレット等の状態で使用することもできる。
実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。表1及び2は、本発明の実施例(試料No.1~12)及び比較例(試料No.13、14)を示している。
まず、表中に示したガラス組成となるように各種酸化物、炭酸塩等のガラス原料を調合し、ガラスバッチを準備した後、このガラスバッチを白金坩堝に入れ、800~1000℃で1~2時間溶融した。次に、溶融ガラスの一部をTMA(押棒式熱膨張係数測定)用サンプルとしてステンレス製の金型に流し出し、その他の溶融ガラスを水冷ローラーでフィルム状に成形した。なお、耐火性フィラー粉末を含有しないNo.2については、成形後に所定の徐冷処理(アニール)を行うことによりTMA用サンプルを得た。最後に、フィルム状のガラスをボールミルで粉砕した後、目開き75μmの篩を通過させて、平均粒子径D50が約10μmのガラス粉末を得た。
その後、耐火性フィラー粉末を混合するNo.1、3~13の試料については、表中に示した通りに、得られたガラス粉末と耐火性フィラー粉末を混合し、混合粉末を得た。
耐火性フィラー粉末には、略球状のZrWO(PO(表中ではZWPと表記)、NbZr(PO(表中ではNZPと表記)を用いた。また、耐火性フィラー粉末の平均粒子径D50は約10μmであった。
得られた混合粉末を380℃にて10分間焼成し、焼成体を得た。得られた焼成体をTMA用サンプルとした。
No.1~12の試料について、ガラス転移点、熱膨張係数、軟化点、流動性を評価した。
ガラス転移点及び熱膨張係数(30~150℃)は、TMA用サンプルをTMA装置により測定した。
軟化点はマクロ型示差熱分析装置により測定した。測定雰囲気は大気中、昇温速度は10℃/分とし、室温から測定を開始した。
流動性は次のようにして評価した。粉末試料5gを、直径20mmの金型に入れプレス成型した後に、ガラス基板上で380℃にて10分間焼成した。焼成体の流動径が19mm以上であるものを「○」、19mm未満のものを「×」とした。
表から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1~12の試料は、流動性に優れていた。一方、比較例であるNo.13の試料はKOを過剰に含有、且つTeOの含有量が少ないため、焼成時に失透した。No.14の試料は、MoOを過剰に含有し、且つTeOの含有量が少ないためガラス化しなかった。
本発明のガラス組成物及び封着材料は、半導体集積回路、水晶振動子、平面表示装置、LD用ガラス端子や窒化アルミニウム基板の封着に好適である。

Claims (11)

  1. モル%で、LiO+KO 1~30%、TeO 30~80%、MoO 5~30%を含有し、モル比で、Li O/K Oが0.3~5であることを特徴とするガラス組成物。
  2. モル%で、LiO 1~30%を含有することを特徴とする請求項1に記載のガラス組成物。
  3. さらに、モル%で、TiO+Al 0~10%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス組成物。
  4. さらに、モル%で、CuO 0~30%、WO 0~20%、P 0~10%を含有することを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のガラス組成物。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載のガラス組成物からなるガラス粉末 40~100体積%と、耐火性フィラー粉末 0~60体積%とを含有することを特徴とする封着材料。
  6. モル%で、Li O+K O 1~30%、TeO 30~80%、MoO 5~30%を含有するガラス組成物からなるガラス粉末 40~100体積%と、耐火性フィラー粉末 0~60体積%とを含有することを特徴とする封着材料。
  7. モル%で、Li O+Na O+K O 1~30%、TeO 30~80%、MoO 5~30%を含有するガラス組成物からなるガラス粉末 40~100体積%と、耐火性フィラー粉末 0~60体積%とを含有することを特徴とする封着材料。
  8. 耐火性フィラー粉末が略球状であることを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の封着材料。
  9. 耐火性フィラー粉末がZrWO(POを含有することを特徴とする請求項5~8のいずれかに記載の封着材料。
  10. 水晶振動子用途に使用されることを特徴とする請求項~9のいずれかに記載の封着材料。
  11. 請求項~10のいずれかに記載の封着材料とビークルとを含有することを特徴とする封着材料ペースト。
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