JP2024039789A - 封着材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温で封着可能であり、封着時や封着後に破損し難い封着材料を提供する。【解決手段】本発明の封着材料は、ガラス粉末 40~99.8体積%、Zr2WO4(PO4)2粉末 0.1~59.9体積%、SiO2粉末 0.1~10体積%を含有し、ガラス粉末が、ガラス組成として、モル%で、TeO215~80%、MoO3+Ag2O 0.1~30%、V2O55~40%、CuO 0.1~35%、PbO 0~10%を含有することを特徴とする封着材料。【選択図】図1

Description

本発明は、封着材料に関する。
半導体集積回路、水晶振動子、金属部材、真空断熱ガラス、平面表示装置やLED用ガラス端子等には、封着材料が使用される。封着材料には、化学的耐久性や耐熱性が要求されるため、樹脂系の接着剤ではなくガラス系の封着材料が用いられている。封着材料には、更に機械的強度、流動性、耐候性等の特性が要求される。特に、熱に弱い素子を搭載する電子部品の封着には、封着温度をできる限り低くすることが要求される。具体的には、400℃以下の温度で封着可能であることが要求される。この特性を満足するガラスとして、軟化点を下げる効果が大きいPbOを多量に含む鉛硼酸系ガラスが広く用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。
特開昭63-315536号公報 特開2019-202921号公報
環境負荷を低減するために、鉛硼酸系ガラスからPbOを含まない無鉛ガラスに置き換えることが望まれており、様々な低軟化点の無鉛ガラスが開発されるに到っている。
しかし、ガラスは、一般的に、軟化点が低くなると、耐候性が低下する傾向がある。よって、低軟化点と高耐候性の両立は容易ではない。特許文献2に記載のCuO-TeO-MoO系ガラスは、鉛硼酸系ガラスの代替候補として有望であり、良好な耐候性を有するものの、軟化点が十分に低いとは言えない。また、封着時や封着後に封着部が破損し易くなるという問題があった。
以上に鑑み、本発明は、低温で封着可能であり、封着時や封着後に破損し難い封着材料を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討の結果、封着時や封着後の破損の原因は、高い熱膨張係数を有するガラスと低膨張化のために添加するフィラーとの界面に大きな応力が発生しクラックが発生するためであることを突き止めた。さらに、熱膨張係数がガラスより低く、且つフィラーより高いSiO粉末を添加することにより、ガラスとフィラーとの界面に発生する応力を低減できクラックが発生し難くなることを見出した。以下、上記課題を解決する封着材料の各態様について説明する。
態様1の封着材料は、ガラス粉末 40~99.8体積%、ZrWO(PO粉末 0.1~59.9体積%、SiO粉末 0.1~10体積%を含有し、ガラス粉末が、ガラス組成として、モル%で、TeO 15~80%、MoO+AgO 0.1~30%、V 5~40%、CuO 0.1~35%、PbO 0~10%を含有することを特徴とする。本発明において、「A+B」とは、成分A及び成分Bの合量を指す。例えば、「MoO+AgO」は、MoO及びAgOの合量を指す。
態様2の封着材料は、態様1において、SiO粉末の平均粒子径D50が15μm以下であることが好ましい。なお、「平均粒子径D50」は、体積基準で測定した値であり、レーザー回折法で測定した値を指す。
態様3の封着材料は、態様1又は2において、SiO粉末が石英粉末、石英ガラス粉末、又はフュームドシリカ粉末であることが好ましい。
態様4の封着材料ペーストは、態様1から態様3のいずれか一つの態様の封着材料とビークルとを含有することを特徴とする。
本発明によれば、低温で封着可能であり、封着時や封着後に破損し難い封着材料を提供することができる。
マクロ型示差熱分析装置により得られる測定曲線を示す模式図である。
本発明の封着材料は、ガラス粉末、ZrWO(PO粉末、及びSiO粉末を含有する。
ガラス粉末、ZrWO(PO粉末、及びSiO粉末について以下に説明する。
[ガラス粉末]
ガラス粉末は、ガラス組成として、モル%で、TeO 15~80%、MoO+AgO 0.1~30%、V 5~40%、CuO 0.1~35%、PbO 0~10%を含有する。上記のようにガラス組成範囲を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量に関する説明において、特に断りのない限り、「%」は「モル%」を意味する。
TeOは、ガラスネットワークを形成すると共に、耐候性を高める成分である。TeOの含有量は15~80%であり、20~70%、特に25~65%であることが好ましい。TeOの含有量が少な過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。一方、TeOの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
MoO、AgOは、ガラスネットワークを形成すると共に、ガラスの耐候性を維持しながらガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。MoO+AgOの含有量は0.1~30%であり、1~29%、3~28%、5~28%、7~27%、10~25%、12~22%、特に15~20%であることが好ましい。MoO+AgOの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になると共に、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。一方、MoO+AgOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
MoOの含有量は、0~30%、0.1~29%、1~29%、5~28%、7~27%、10~25%、12~22%、特に15~20%であることが好ましい。
AgOの含有量は、0~30%、0.1~29%、1~29%、5~28%、7~27%、10~25%、12~22%、特に15~20%であることが好ましい。
は、ガラスネットワークを形成すると共にガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。また、熱膨張係数を低下させる成分である。Vの含有量は5~40%であり、7~35%、8~30%、10~25%、特に12~20%であることが好ましい。Vの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になると共に、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。また、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。一方、Vの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
CuOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させると共に、熱膨張係数を低下させる成分である。また金属を封着する場合、ガラスと金属の接着強度を高める成分である。接着強度を高めるメカニズムは、現時点で詳細不明であるが、Cu原子は拡散性が高いため、金属の表層から内部に向かってCu原子が拡散することで、ガラスと金属が一体化し易くなるものと考えられる。なお、被封着物である金属の種類に特に制限はないが、例として、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。CuOの含有量は、0.1~35%であり、0.2~30%、0.3~25%、0.4~20%、0.5~15%、1~12%、特に3~11%であることが好ましい。CuOの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になると共に、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。また、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。CuOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、封着工程において、ガラス表面から金属Cuが析出し、封着強度や電気特性に悪影響を与える虞がある。また溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
PbOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分であるが、環境面を考慮すると、PbOの含有量は、0~10%であり、0~5%、0~3%、0~1%、特に実質的に含有しない(0.1%未満)ことが好ましい。
上記成分以外にも、以下の成分を導入してもよい。
LiO、NaO及びKOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。LiO+NaO+KOの含有量は、0~30%、1~30%、5~25%、特に10~20%であることが好ましい。LiO+NaO+KOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなって、低温での封着が困難になることがある。またガラス化し難くなる場合がある。一方、LiO+NaO+KOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐候性が低下し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
LiOは、NaO及びKOに比べ、ガラスの粘性(軟化点等)を顕著に低下させる成分である。LiOの含有量は、0~30%、1~20%、3~15%、特に5~13%であることが好ましい。LiOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなって、低温での封着が困難になることがある。またガラス化し難くなる場合がある。一方、LiOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐候性が低下し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
Oは、NaOに比べ、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる効果が大きい成分である。KOの含有量は、0~30%、1~20%、3~15%、特に5~13%であることが好ましい。KOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなって、低温での封着が困難になることがある。またガラス化し難くなる場合がある。一方、KOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐候性が低下し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
NaOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。NaOの含有量は、0~30%、0.1~20%、1~15%、特に3~13%であることが好ましい。NaOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなって、低温での封着が困難になることがある。またガラス化し難くなる場合がある。一方、NaOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐候性が低下し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
モル比LiO/KOは、アルカリ混合効果により軟化点を低下させるために、0.3~5、0.4~4、0.5~3、0.6~2、特に0.7~1.5であることが好ましい。モル比LiO/KOが上記範囲外になると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなることがある。なお、「LiO/KO」は、LiOの含有量をKOの含有量で除した値を指す。
モル比NaO/KOは、アルカリ混合効果により軟化点を低下させるために、0.3~5、0.4~4、0.5~3、0.6~2、特に0.7~1.5であることが好ましい。モル比NaO/KOが上記範囲外になると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなることがある。なお、「NaO/KO」は、NaOの含有量をKOの含有量で除した値を指す。
MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOは、ガラス化範囲を広げると共に、耐候性を改善する成分である。MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOは、0~30%、1~30%、3~20%、特に5~15%であることが好ましい。MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなって、低温での封着が困難になることがある。またガラス化し難くなる場合がある。一方、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐候性が低下し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
MgOは、ガラス化範囲を広げると共に、耐候性を改善する成分である。MgOの含有量は、0~25%、0~20%、0~10%、特に1~7%であることが好ましい。MgOの含有量が少ないと、ガラス化が困難になることがある。またガラスの粘性(軟化点等)が高くなって、低温での封着が困難になる場合がある。一方、MgOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐候性が低下し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
CaOは、ガラス化範囲を広げると共に、耐候性を改善する成分である。CaOの含有量は、0~25%、0~20%、0~10%、特に1~7%であることが好ましい。CaOの含有量が少ないと、ガラス化が困難になることがある。またガラスの粘性(軟化点等)が高くなって、低温での封着が困難になる場合がある。一方、CaOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐候性が低下し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
SrOは、ガラス化範囲を広げると共に、耐候性を改善する成分である。SrOの含有量は、0~25%、0~20%、0~10%、特に1~7%であることが好ましい。SrOの含有量が少ないと、ガラス化が困難になることがある。またガラスの粘性(軟化点等)が高くなって、低温での封着が困難になる場合がある。一方、SrOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐候性が低下し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
BaOは、ガラス化範囲を広げると共に、耐候性を改善する成分である。BaOの含有量は、0~25%、0.1~20%、0.5~10%、特に1~7%であることが好ましい。BaOの含有量が少ないと、ガラス化が困難になることがある。またガラスの粘性(軟化点等)が高くなって、低温での封着が困難になる場合がある。一方、BaOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐候性が低下し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
ZnOは、ガラス化範囲を広げると共に、耐候性を改善する成分である。ZnOの含有量は、0~25%、0.1~22%、1~20%、特に2~15%であることが好ましい。ZnOの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になる。またガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。一方、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐候性が低下し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
AgIは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。AgIの含有量は、0~3%、0~2%、特に0~1%であることが好ましい。AgIの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が高くなり過ぎる傾向にある。
SeOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分であるが、環境面を考慮すると、SeOの含有量は、0~10%、0~5%、0~3%、0~1%、特に実質的に含有しない(0.1%未満)ことが好ましい。なお、「実質的にSeOを含有しない」とは、SeOの含有量が0.1モル%未満であることを意味する。
Feは、被封着物との反応性を高める成分である。Feの含有量は、0~10%、0~8%、0.1~10%、特に1~7%であることが好ましい。Feの含有量が多過ぎると、ガラス化が困難になると共に、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。
Alは、耐候性を向上させる成分である。Alの含有量は、0~10%、0~8%、0~6%、特に0.1~5%であることが好ましい。Alの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。
は、ガラスネットワークを形成する成分である。Bの含有量は0~20%、0~10%、特に0.1~5%であることが好ましい。Bの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になると共に、ガラスが分相し易くなる。またガラス化し難くなる。
WOは、熱膨張係数を低下させる成分である。WOの含有量は0~20%、0~10%、0~5%、特に0.1~3%であることが好ましい。WOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなると共に、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。
は、ガラスネットワークを形成すると共に、ガラスを熱的に安定化させる成分である。Pの含有量は、0~10%、0~5%、0~2%、特に0~1%であることが好ましい。Pの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になると共に、耐候性が低下し易くなる。
Nbは、ガラスを熱的に安定化させると共に、耐候性を高める成分である。Nbの含有量は、0~10%、0~5%、0.1~4%、0.5~3.5%、1~3%、特に1~2.5%であることが好ましい。Nbの含有量が少な過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。一方、Nbの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になり易い。
Laはガラスを熱的に安定化させて、失透を抑制する成分である。Laの含有量は、0~10%、0~5%、0~2%、特に0.1~1%であることが好ましい。Laの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になり易い。
Gaは、ガラスを熱的に安定化させると共に、耐候性を高める成分であるが、非常に高価であるため、その含有量は0.01%未満であることが好ましい。
TiO、GeO、CeO、Sbはガラスを熱的に安定化させて、失透を抑制する成分であり、各々5%未満まで添加可能である。これらの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
[ZrWO(PO粉末]
ZrWO(PO粉末は、本発明に係るガラス粉末と反応し難く、更に封着材料の熱膨張係数を大幅に低下させる性質を有している。
ZrWO(PO粉末は、略球状であることが好ましい。このようにすれば、ガラス粉末が軟化する際に、ガラス粉末の流動性がZrWO(PO粉末によって阻害され難くなり、結果として、封着材料の流動性が向上する。また平滑なグレーズ層を得易くなる。更に、仮にグレーズ層の表面にZrWO(PO粉末の一部が露出しても、ZrWO(PO粉末が略球状であるため、この部分の応力が分散される。これにより、封着に際し、被封着物をグレーズ層に当接しても、被封着物に不当な応力がかかり難く、気密性を確保し易くなる。
ZrWO(PO粉末の平均粒子径D50は0.2~20μm、特に2~15μmであることが好ましい。平均粒子径D50が大き過ぎると、封着層が厚くなり易い。一方、平均粒子径D50が小さすぎると、封着時にZrWO(PO粉末がガラス中に溶出して、ガラスが失透し易くなる。
[SiO粉末]
上述した通り、SiO粉末は、ガラスとZrWO(POとの界面に発生する応力を低減できるため、封着時や封着後において封着部のクラックを発生し難くする性質を有している。また、ZrWO(PO粉末よりもガラス粉末と反応し難いため、平均粒子径D50を小さくしても、ガラス中に溶出し難くガラスが失透しにくい。
SiO粉末の平均粒子径D50は15μm以下、10μm以下、特に8μm以下であることが好ましい。SiO粉末の平均粒子径D50が大きすぎると、ガラスとZrWO(POとの界面に発生する応力を低減する効果が低くなる。また、封着層が厚くなり易くなる。SiO粉末の平均粒子径D50の下限は特に限定されないが、現実的には0.001μm以上である。
SiO粉末は、熱膨張係数が30×10-7/℃以下であることが好ましく、石英粉末、石英ガラス粉末、又はフュームドシリカ粉末を使用することができる。これらのSiO粉末は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
本発明の封着材料は、ガラス粉末 40~99.8体積%、ZrWO(PO粉末 0.1~59.9体積%、SiO粉末 0.1~10体積%を含有し、好ましくはガラス粉末 45~89体積%、ZrWO(PO粉末 10~50体積%、SiO粉末 0.5~7体積%を含有し、特に好ましくはガラス粉末 50~79体積%、ZrWO(PO粉末 20~45体積%、SiO粉末 1~5体積%を含有する。ガラス粉末の含有量が少なすぎると、軟化点が高くなり易い。一方、ガラス粉末の含有量が多すぎると、熱膨張係数が高くなり易い。ZrWO(PO粉末の含有量が少なすぎると、熱膨張係数が高くなり易い。一方、ZrWO(PO粉末の含有量が多すぎると、軟化点が高くなり易い。SiO粉末の含有量が少なすぎると、封着時や封着後において封着部のクラックが発生し易くなる。一方、SiO粉末の含有量が多すぎると、軟化点が高くなり易い。
本発明の封着材料において、軟化点は、360℃以下、350℃以下、特に340℃以下であることが好ましい。軟化点が高過ぎると、ガラスの粘性が高くなるため、封着温度が上昇して、封着時の熱により素子を劣化させる虞がある。なお、軟化点の下限は特に限定されないが、現実的には180℃以上である。ここで、「軟化点」とは、平均粒子径D50が0.5~20μmの封着材料を測定試料として、マクロ型示差熱分析装置で測定した値を指す。測定条件としては、室温から測定を開始し、昇温速度は10℃/分とする。なお、マクロ型示差熱分析装置で測定した軟化点は、図1に示す測定曲線における第四屈曲点の温度(Ts)を指す。
本発明の封着材料において、30~150℃の温度範囲での熱膨張係数は、好ましくは20×10-7/℃~200×10-7/℃、より好ましくは30×10-7/℃~160×10-7/℃、更に好ましくは40×10-7/℃~140×10-7/℃、特に好ましくは50×10-7/℃~120×10-7/℃である。熱膨張係数が上記範囲外になると、被封着材料との熱膨張差により、封着時や封着後に封着部が破損し易くなる。
次に、本発明に係る封着材料の製造方法、使用方法の一例を説明する。
まず、所望のガラス組成となるように調合した原料粉末を700~1000℃で1~2時間、均質なガラスが得られるまで溶融する。次いで、得られた溶融ガラスをフィルム状等に成形した後、粉砕し、分級することにより、ガラス粉末を作製する。なお、ガラス粉末の平均粒子径D50は1~20μm程度であることが好ましい。次いで、ガラス粉末にZrWO(PO粉末、SiO粉末を添加、混合して、封着材料とする。
次いで、封着材料にビークルを添加して混練することにより封着材料ペーストを調製する。ビークルは、主に有機溶剤と樹脂とからなり、樹脂はペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。
有機溶剤は、沸点が低く(例えば、沸点が300℃以下)、且つ焼成後の残渣が少ないことに加えて、ガラスを変質させないものが好ましく、その含有量は10~40質量%であることが好ましい。有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、トルエン、N,N’-ジメチルホルムアミド(DMF)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、炭酸ジメチル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、酢酸イソアミル、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン等を使用することが好ましい。また、有機溶剤として、高級アルコールを使用することが更に好ましい。高級アルコールは、それ自身が粘性を有しているために、ビークルに樹脂を添加しなくても、ペースト化することができる。また、ペンタンジオールとその誘導体、具体的にはジエチルペンタンジオール(C20)も粘性に優れるため、溶剤に使用することができる。
樹脂は、分解温度が低く、焼成後の残渣が少ないことに加えて、ガラスを変質させ難いものが好ましく、その含有量は0.1~20質量%であることが好ましい。樹脂として、ニトロセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ポリエチレンカーボネート、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)等を使用することが好ましい。
続いて、封着材料ペーストを金属、セラミック、または、ガラスからなる被封着物の封着箇所にディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いて塗布し、乾燥させ、280~320℃でグレーズ処理する。その後、別の被封着物を接触させて、300~400℃で熱処理することにより、ガラス粉末が軟化流動して両者が封着される。
本発明に係るガラス粉末は、封着用途以外にも被覆、充填等の目的で使用できる。また、ペースト以外の形態、具体的には粉末、グリーンシート、タブレット(粉末材料を所定形状の焼結させたもの)等の状態で使用することもできる。
実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。表1は、本発明の実施例(試料No.1~5)及び比較例(試料No.6、7)を示している。
まず、表中に示したガラス組成となるように調合した原料粉末を白金坩堝に入れ、大気中にて700~1000℃で1~2時間溶融した。その後、溶融ガラスを水冷ローラーでフィルム状に成形し、フィルム状のガラスをボールミルで粉砕した後、目開き75μmの篩を通過させて、平均粒子径D50が約10μmのガラス粉末を得た。
その後、表中に示した通りに、得られたガラス粉末とZrWO(PO(表中ではZWPと表記)、SiO粉末を混合し、混合粉末を得た。なお、ZrWO(PO粉末の平均粒子径D50は約10μmであった。
試料No.1~7について、ガラス転移点、熱膨張係数、軟化点、流動性、クラックを評価した。
ガラス転移点及び温度範囲30~150℃での熱膨張係数は、次のようにして評価したものである。まず混合粉末を棒状の金型に入れて、プレス成型した後に、離型剤を塗ったアルミナ基板上で280~350℃にて10分間焼成した。その後、焼成体を所定の形状に加工し、TMA装置により測定した。
軟化点は、マクロ型示差熱分析装置により測定し、第四屈曲点を以て軟化点とした。なお、測定雰囲気は大気中、昇温速度は10℃/分とし、室温から測定を開始した。
流動性は次のようにして評価したものである。混合粉末の合成密度分の質量を、直径20mmの金型に入れプレス成型した。その後、ガラス基板上で表中の条件にて焼成した。焼成体の流動径が19mm以上であるものを「○」、19mm未満のものを「×」とした。
クラックは次のようにして評価したものである。混合粉末の合成密度分の質量を、直径20mmの金型に入れプレス成型した。その後、ガラス基板上で表中の条件にて焼成した。焼成体を顕微鏡にて観察し、焼結体の表面にクラックがなかったものを「○」、クラックがあったものを「×」とした。
表から明らかなように、試料No.1~5の試料は、流動性とクラックの評価が良好であった。一方、試料No.6は、SiO粉末を含んでいないため、焼結体の表面にクラックが生じた。試料No.7は、SiO粉末の含有量が多いため、軟化点が高く流動性に劣っていた。
本発明の封着材料は、水晶振動子パッケージの封着に好適であり、それ以外にも、半導体集積回路、平面表示装置、LED用ガラス端子、窒化アルミニウム基板等の気密パッケージの封着に好適である。また金属、真空断熱ガラスの封着材料としても使用可能である。

Claims (4)

  1. ガラス粉末 40~99.8体積%、ZrWO(PO粉末 0.1~59.9体積%、SiO粉末 0.1~10体積%を含有し、
    ガラス粉末が、ガラス組成として、モル%で、TeO 15~80%、MoO+AgO 0.1~30%、V 5~40%、CuO 0.1~35%、PbO 0~10%を含有することを特徴とする封着材料。
  2. SiO粉末の平均粒子径D50が15μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の封着材料。
  3. SiO粉末が石英粉末、石英ガラス粉末、又はフュームドシリカ粉末であることを特徴とする請求項1又は2に記載の封着材料。
  4. 請求項1又は2に記載の封着材料とビークルとを含有することを特徴とする封着材料ペースト。
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