JP7382197B2 - 電動工具 - Google Patents

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Description

本発明は、インパクトドライバやインパクトレンチ等の電動工具に関する。
インパクトドライバやインパクトレンチ等の電動工具は、モータと、スピンドルやアンビル等の出力軸とを備え、モータの駆動に伴って回転する出力軸によってネジ締めやナット締め等の作業が可能となっている。
また、電動工具では、特許文献1に開示されるインパクトドライバのように、ケース内に収容されるスピンドルの後部に、複数の遊星歯車を軸支するキャリア部が設けられているものが知られている。この場合、モータの回転が伝達される遊星歯車が、その外側に配置されたインターナルギヤ内で遊星運動することで、スピンドルを減速して回転させるようになっている。
特開2016-97498号公報
このような電動工具において、異常打撃時のようにスピンドルに衝撃が加わると、その衝撃が遊星歯車やインターナルギヤに伝わり、遊星歯車やインターナルギヤが損傷するおそれが生じる。
そこで、本発明は、減速機構の耐久性を向上させることができる電動工具を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ステータと、ステータに対して回転可能なロータとを有するモータと、ロータにより回転するサンギヤと、サンギヤと噛合するプラネタリギヤと、プラネタリギヤと噛合するインターナルギヤと、インターナルギヤ及びロータ回転可能に保持するギヤケースと、プラネタリギヤを保持するスピンドルと、を含み、
インターナルギヤの外周に少なくとも1つの第1の凹部が設けられ、ギヤケースの内周に少なくとも1つの第2の凹部が設けられて、第1の凹部と第2の凹部とに跨がって嵌合し、ギヤケースに対してインターナルギヤの回転規制を行う少なくとも1つのピンが配置されると共に、全てのピンは、弾性体からなり、スピンドルへ加わる衝撃がインターナルギヤに伝わると、弾性変形することでギヤケースに対するインターナルギヤの回転を許容することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項に記載の発明は、ステータと、ステータに対して回転可能なロータとを有するモータと、ロータにより回転するサンギヤと、サンギヤと噛合するプラネタリギヤと、プラネタリギヤと噛合するインターナルギヤと、インターナルギヤ及びロータ回転可能に保持するギヤケースと、プラネタリギヤを保持するスピンドルと、を含み、
インターナルギヤの外周に複数の第1の凹部が設けられ、ギヤケースの内周に複数の第2の凹部が設けられて、第1の凹部と第2の凹部とにそれぞれ跨がって嵌合し、ギヤケースに対してインターナルギヤの回転規制を行う複数のピンが配置されると共に、
ピンは、弾性体からなる弾性変形可能なものと、弾性変形不能なものとが混在しており、弾性変形不能なピンが嵌合する第1の凹部は、当該ピンの嵌合部分よりも広く形成されて、インターナルギヤに周方向へ移動可能な遊びを付与している一方、弾性変形可能なピンは、スピンドルへ加わる衝撃がインターナルギヤに伝わると、弾性変形することでギヤケースに対するインターナルギヤの回転を許容することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、上記構成において、弾性変形可能なゴム製のピンと、弾性変形不能な鉄製のピンとがインターナルギヤの周方向へ交互に配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、上記構成において、第1の凹部と第2の凹部とピンとは、インターナルギヤの周方向に8本配置されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、上記構成において、ピンは、円柱状であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、上記構成において、第1の凹部と第2の凹部とは、横断面半円状であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項に記載の発明は、ステータと、ステータに対して回転可能なロータとを有するモータと、ロータにより回転するサンギヤと、サンギヤと噛合するプラネタリギヤと、プラネタリギヤと噛合するインターナルギヤと、インターナルギヤ及びロータ回転可能に保持するギヤケースと、プラネタリギヤを保持するスピンドルと、を含み、
インターナルギヤとギヤケースとの一方側に少なくとも1つの突部が設けられ、他方側に、突部が挿入される少なくとも1つの受け部が設けられると共に、突部と受け部との間でインターナルギヤの回転方向に隙間が設けられ、インターナルギヤとギヤケースとの間に跨がって少なくとも1つの弾性体が配置されて、
スピンドルへ加わる衝撃がインターナルギヤに伝わると、インターナルギヤの回転方向で弾性体が弾性変形して、突部と受け部とが接触するまでギヤケースに対するインターナルギヤの回転を許容することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、上記構成において、インターナルギヤに突部が設けられ、ギヤケースに受け部が設けられることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、上記構成において、突部は、インターナルギヤにおける軸方向の端面に設けられることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、上記構成において、突部及び受け部は、インターナルギヤの周方向に沿った円弧状であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、上記構成において、突部及び受け部は、インターナルギヤの周方向に4つ配置されることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、上記構成において、弾性体は、横断面正方形のピンであることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、上記構成において、インターナルギヤの外周に第1の凹部が設けられ、ギヤケースの内周に第2の凹部が設けられて、ピンは、第1の凹部と第2の凹部とに跨がって嵌合していることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、上記構成において、ピンは、インターナルギヤの周方向に4本配置されることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、上記構成において、ピンと、突部及び受け部とは、インターナルギヤの周方向へ交互に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、異常打撃時のようにスピンドルに衝撃が加わっても、その衝撃をピンや弾性体によって緩和できる。よって、プラネタリギヤ及びインターナルギヤが損傷するおそれが低減され、減速機構の耐久性を向上させることができる。
インパクトレンチ及びカバー、サイドハンドルの分解斜視図である。 インパクトレンチの中央縦断面図である。 図2の本体部分の拡大断面図である。 インパクトレンチの本体の部分背面図である。 (A)は図3のA-A線断面、(B)は同じ断面から見たプラネタリギヤの矢視図である。 (A)は図3のB-B線断面、(B)はC部拡大図である。 スピンドルの説明図で、(A)は背面、(B)はD-D線断面、(C)はE-E線断面、(D)はF-F線部分断面をそれぞれ示す。 変更例のインパクトレンチの本体部分の拡大断面図である。 図8のG-G線断面図である。 図8のH-H線断面図である。 変更例のスピンドルの説明図で、(A)は背面、(B)はI-I線断面、(C)はJ-J線断面、(D)はK-K線部分断面をそれぞれ示す。 他の変更例のインパクトレンチの本体部分の拡大断面図である。 ギヤケース及びインターナルギヤの分解斜視図である。 (A)は図12のL-L線断面、(B)はM-M線断面をそれぞれ示す。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電動工具の一例であるインパクトレンチとカバーとサイドハンドルとの分解斜視図、図2はインパクトレンチの中央縦断面図である。
このインパクトレンチ1は、前後方向に延びる本体2に、ハンドル3を下向きに形成した側面視T字状を有し、本体2の先端からは出力軸となるアンビル4が突出し、ハンドル3の下端に設けたバッテリー装着部5には、電源となるバッテリーパック6が装着されている。
本体2のハウジングは、ブラシレスモータ8を収容する後方部分にハンドル3を延設した合成樹脂製の本体ハウジング7と、本体ハウジング7の前方に組み付けられてスピンドル10及び打撃機構11を収容する金属製のハンマーケース9とからなる。本体ハウジング7は、左右一対の半割ハウジング7a,7bを左右方向のネジ12,12・・によって組み付けて形成される。
本体ハウジング7内でハンマーケース9の後方には、ハンマーケース9の後端に嵌合する金属製で後方へ凸状となるギヤケース13が配置されている。このギヤケース13の外周で上下左右の4箇所には、ギヤケース13の周方向に沿ってリブ14,14・・が突設されている。このリブ14の後方で本体ハウジング7の前端外周には、後ボス15,15・・が形成されており、リブ14の前方でハンマーケース9の後端外周には、前ボス16,16・・が形成されている。ここでは図1及び図4に示すように、後方から各後ボス15とリブ14とを貫通させたボルト17,17・・を前ボス16にねじ込むことで、本体ハウジング7とギヤケース13とハンマーケース9とが一体化される。このように金属製のハンマーケース9に対してボルト17をねじ込むことで、本体ハウジング7とハンマーケース9とが強固に結合され、耐久性も向上する。
ハンマーケース9は、後端から前方へ行くに従って徐々に小径となる胴体部20と、胴体部20の前側に連設され、胴体部20よりもさらに大きい傾斜で徐々に小径となる先細りのテーパ部21と、テーパ部21の前側に連設され、前後に等径となる小径の前筒部22とからなる筒状体となっている。テーパ部21の外周には、リング状の2つの後ストッパ23A,23Bが、同心円上で突設されると共に、正面視でテーパ部21の半径方向に延びる4つの縦リブ24,24・・が、後ストッパ23A,23Bよりも大きい高さで周方向に等間隔で突設されている。
さらに、前筒部22の外周で前後方向の中央部には、リング状の前ストッパ25が突設されている。
このハンマーケース9には、カバー26が前方から外装されている。このカバー26は、後側の第1カバー27と前側の第2カバー28とに2分割されている。
まず、第1カバー27は、胴体部20の前端からテーパ部21の後半部分にかけて外装されるゴム製で、図3にも示すように、前端内周には、後ストッパ23Aに係合するリング状の係合溝29が形成されている。また、第1カバー27の内周には、係合溝29と前端が連通し、テーパ部21の各縦リブ24に係合する4つの後縦溝30,30・・が形成されている。第1カバー27の下面には、ハンドル3に設けた後述する延設部48との干渉を防ぐための切欠31が形成されている。
第2カバー28は、左右に分割される一対の半割リング28a,28bを後述するリングスプリング38で組み合わせて、テーパ部21の前半部分から前筒部22にかけて外装される樹脂製で、後端内周には、後ストッパ23Bに係合するリング状の後位置決め溝32が形成されている。また、その前方には、前筒部22の前ストッパ25に係合するリング状の前位置決め溝33が形成されている。第2カバー28の内周には、両位置決め溝32,33と連通し、テーパ部21の各縦リブ24に係合する4つの前縦溝34,34・・が形成されている。さらに、第2カバー28の外周には、サイドハンドル40の取付部となる嵌合溝35が凹設されると共に、嵌合溝35には、リング状の凹溝36と、周方向に等間隔で4つの凹み部37,37・・とが形成されて、凹溝36にリングスプリング38が外装されている。
このカバー26は、第1カバー27を、切欠31を下側にして後縦溝30をテーパ部21の縦リブ24に合わせて、胴体部20とテーパ部21の後半部分とに外装すると、係合溝29が後ストッパ23Aに係合して位置決めされる。
次に、第2カバー28を、リングスプリング38の付勢に抗して半割リング28a,28bを左右に広げた状態で、テーパ部21の前半部分と前筒部22とに外装し、再びリングスプリング38によって半割リング28a,28bを組み付け状態とする。そして、前縦溝34を縦リブ24に合わせると、後位置決め溝32が後ストッパ23Bに、前位置決め溝33が前ストッパ25にそれぞれ係合して位置決めされ、第2カバー28は前筒部22に固定される。この状態で第1カバー27の前端は、第2カバー28の後端に当接して前方への抜け止めがなされる。
ここでは、前筒部22にサイドハンドル40が着脱可能となっているが、第2カバー28を装着した状態でサイドハンドル40は装着される。このサイドハンドル40は、直線状のグリップ部41と、グリップ部41の延長上に突出して拡縮操作可能なリング状の帯板からなるクランプ部42とを備えている。クランプ部42の内面には、第2カバー28の凹み部37に対応して内側へ突出する凸部43,43が形成されている。
よって、拡開させたクランプ部42を第2カバー28の嵌合溝35に外装させ、凸部43を凹み部37に合わせてクランプ部42を収縮させると、クランプ部42が第2カバー28越しに前筒部22をクランプし、グリップ部41が前筒部22から側方へ突出した状態で装着される。
このように第2カバー28を装着したままサイドハンドル40が装着できるので、第2カバー28を取り外す手間が不要となる。
一方、ハンドル3の上部では、トリガ46を前方へ突出させたスイッチ45が設けられると共に、ブラシレスモータ8の回転の正逆切替ボタン47が設けられている。トリガ46の上方で本体ハウジング7には、ハンマーケース9の下面を覆ってトリガ46よりも前方へ突出する延設部48が形成されて、延設部48の先端に、アンビル4の前方を照射するLEDを備えたライト49が設けられている。
また、バッテリー装着部5には、ブラシレスモータ8の制御用のスイッチング素子やマイコン等を搭載した制御回路基板51を備えたコントローラ50が収容されている。制御回路基板51には、打撃力の切替ボタンやバッテリの残容量表示ランプ等を有するスイッチパネル52が設けられて、バッテリー装着部5の前部上面に露出している。スイッチパネル52の前方でバッテリー装着部5の前端には、LEDを備えた第2のライト53を上向きに収容する突起部54が設けられている。
ハンドル3の下部とバッテリー装着部5とは、ハンドル3の下端に突設した連結部55にバッテリー装着部5を形成する左右の半割部5a,5bを組み付けてネジ固定することで連結される。連結部55とバッテリー装着部5との間には弾性材56が介在されて、ハンドル3からバッテリー装着部5へ伝わる衝撃や振動を緩和可能としている。
バッテリーパック6は、バッテリー装着部5に対して前方からスライドさせることでレール同士の嵌合とフック57の係合とで結合される構造で、結合と共にコントローラ50の下方でバッテリー装着部5に設けた端子台58の端子がバッテリーパック6側の端子と電気的に接続される。バッテリーパック6の取り外し時にフック57を解除するための解除ボタン59は、突起部54の下方に配置される。
そして、本体2では、後方からブラシレスモータ8、スピンドル10、打撃機構11、アンビル4の順に配置されている。
まず、ブラシレスモータ8は、ステータ60とその内側のロータ61とからなるインナロータ型である。ステータ60は、複数の積層鋼板から形成される筒状のステータコア62と、ステータコア62の軸方向前後の端面にそれぞれ設けられる前インシュレータ63及び後インシュレータ64と、前後インシュレータ63,64を介してステータコア62に巻回される6つのコイル65,65・・とを有する。後インシュレータ64には、ロータ61に設けた永久磁石72の位置を検出して回転検出信号を出力する3つの回転検出素子(図示略)を搭載したセンサ回路基板66と、コイル65,65間の巻線にヒュージングされるヒュージング端子を対角同士で短絡する3つの板金部材68,68・・をインサート成形した短絡部材67とが取り付けられている。この短絡部材67によって6つのコイル65はパラ巻きでデルタ結線される。
ここでのステータ60は、本体ハウジング7の半割ハウジング7a,7bの内面へそれぞれ周方向に突設した支持リブ69,69によって外周が保持されると共に、半割ハウジング7a,7bの内面に突設された図示しない突起が、後インシュレータ64の側面に形成した図示しない凹部にそれぞれ嵌合する。
一方、ロータ61は、軸心に位置する回転軸70と、回転軸70の周囲に配置され、複数の鋼板を積層してなる略円筒状のロータコア71と、ロータコア71の内部に固定される4つの板状の永久磁石72,72・・とを有する。回転軸70の後端は、本体ハウジング7の後部に保持された軸受73に軸支され、前端は、ギヤケース13の軸受保持部74に保持された軸受75に軸支されて、サンギヤ76が形成された前端をギヤケース13の前方へ突出している。回転軸70における軸受75の後方部位には、遠心ファン77が取り付けられて、遠心ファン77の位置で本体ハウジング7の左右の側面には排気口78,78・・が形成されている。また、図4に示すように、本体ハウジング7の後面には吸気口79,79・・が形成されている。
そして、ハンマーケース9とギヤケース13とで囲まれる空間内には、スピンドル10及び打撃機構11が収容されている。スピンドル10は、後部に後述する4つのプラネタリギヤ82,83・・を支持ピン84を介してそれぞれ保持するキャリア部81を一体に有し、後端軸心には有底孔85が形成され、先端には小径部86が形成されている。
キャリア部81は、図7に示すように、円盤状の前板87と、前板87の後方で平行に配置される後板88と、前板87と後板88とを接続する4つの接続部89,89・・とを有し、前板87と後板88との間に前後両端が支持された支持ピン84によってプラネタリギヤ82,83を保持している。ここで、後板88の外周には、ギヤケース13の軸受保持部74の外周よりも大径の外側支持部90が後向きに突設されて、スピンドル10の径方向で軸受保持部74とオーバーラップしている。この外側支持部90と軸受保持部74との間に軸受91が配置されて、スピンドル10の後端が内側から軸支されている。この状態で軸受91は軸受75の外側に位置して軸受91,75同士が径方向でオーバーラップしている。
こうしてスピンドル10の後端が軸受91によって支持される状態で、回転軸70のサンギヤ76は有底孔85に後方から挿入している。一方、スピンドル10の前端は、小径部86がアンビル4の軸心に設けた挿入孔108に同軸で挿入されることで支持される。
また、ここでのプラネタリギヤ82,83は、図5,6に示すように、スピンドル10の軸心を中心とする大小2つの同心円のうち、内側の同心円上に位置する2つのプラネタリギヤ82,82と、外側の同心円上に位置する2つのプラネタリギヤ83,83とに分かれている。このうち内側のプラネタリギヤ82は、回転軸70のサンギヤ76と噛合している。
外側のプラネタリギヤ83は、内側のプラネタリギヤ82と噛合する前側の大径部83aと、大径部83aと同軸でその後側に形成され、大径部83aより小径の小径部83bとを有する二段形状となっている。ここでは大径部83aがプラネタリギヤ82よりも大径且つ多い歯数となってプラネタリギヤ82と噛合し、小径部83bが、プラネタリギヤ82よりも小径且つ少ない歯数となって、ギヤケース13内に保持されたインターナルギヤ92に噛合している。このようにサンギヤ76と噛合するプラネタリギヤ82と、インターナルギヤ92と噛合するプラネタリギヤ83とに分けたことで、1つのインターナルギヤ92内で二段階に減速が可能となり、インターナルギヤ92が同じサイズでもギヤ比を大きく設定することができる。
インターナルギヤ92は、ギヤケース13との間で周方向へ等間隔に介在された前後方向の8本のピン93A,93B・・を介して回転規制されている。このうち4本のピン93Aはゴム製の円柱状、残りの4本のピン93Bは鉄製(例えばSUJ(高炭素クロム軸受鋼鋼材)の円柱状で、図6に示すように、ピン93Aとピン93Bとが周方向へ交互に配置されて、インターナルギヤ92の外面に形成した横断面半円状の第1の凹部94と、ギヤケース13の内面に形成した横断面半円状の第2の凹部95とに跨がって嵌合している。
但し、各ピン93Bの嵌合部分では、第1の凹部94の横断面は半円よりも小さい円弧で形成され、第2の凹部95の横断面は半円よりも大きい円弧で形成されて、ピン93Bは第2の凹部95によって保持されている。また、各ピン93Bが嵌合する4つの第1の凹部94は、ピン93Bの外径よりも大径の円弧で形成されて、第2の凹部95に保持されるピン93Bとの間に隙間Sを設定している。
よって、インターナルギヤ92は、4本のゴム製のピン93Aが弾性変形することで、4本の鉄製のピン93Bが第1の凹部94に当接する範囲で周方向に微動可能となっている。また、ピン93Aが剪断(破損)しても、ピン93Bが第1の凹部94に当接することで、インターナルギヤ92の回り止めは維持されるようになっている。
打撃機構11は、スピンドル10の前部に外装されたハンマー100と、そのハンマー100とスピンドル10との間に設けたボール101,101と、ハンマー100を前方へ付勢するコイルバネ102とから構成される。ハンマー100は、前面に一対の爪(図示略)を備えてアンビル4の後端に設けた一対のアーム103,103に回転方向で係合可能となっており、ボール101,101は、スピンドル10の外周面とハンマー100の内周面とに設けたカム溝104,104の間に跨がって嵌合されて、スピンドル10とハンマー100とを回転方向で一体化させる。コイルバネ102は、スピンドル10に外装されて前端をハンマー100の後面に設けたリング溝105に挿入させる一方、後端をキャリア部81の前面に当接させて、常態ではハンマー100を、爪がアーム103と係合する前進位置に付勢している。
アンビル4は、前筒部22に保持される軸受メタル106によってスピンドル10と同軸で軸支されて、前筒部22とアーム103との間に設けた規制リング107によって前方への位置決めがなされている。アンビル4の後端軸心には、スピンドル10の小径部86が挿入される挿入孔108が形成されている。
また、軸受メタル106の前方で前筒部22とアンビル4との間にはシールリング109が設けられ、アンビル4の先端には、図示しないソケットが嵌着される横断面四角形状の取付部110が形成されている。
以上の如く構成されたインパクトレンチ1においては、前述のように第2カバー28越しに前筒部22にサイドハンドル40を装着すると、作業者は一方の手でハンドル3を把持し、他方の手でサイドハンドル40のグリップ部41を把持することでインパクトレンチ1が支持可能となる。なお、グリップ部41の向きは左右逆であっても同じで、グリップ部41を側方でなく上方や下方へ傾けた向きでも凸部43と凹み部37との嵌合で位置決めできる。
この状態でハンドル3を把持した手でトリガ46を押し込み操作すると、スイッチ45がONしてバッテリーパック6の電源によってブラシレスモータ8が駆動する。すなわち、制御回路基板51のマイコンが、センサ回路基板66の回転検出素子から出力されるロータ61の永久磁石72の位置を示す回転検出信号を得てロータ61の回転状態を取得し、取得した回転状態に応じて各スイッチング素子のON/OFFを制御し、ステータ60の各コイル65に対し順番に電流を流すことでロータ61を回転させる。
よって、回転軸70が回転してキャリア部81のプラネタリギヤ82,82をサンギヤ76回りで遊星運動させると共に、これと噛合するプラネタリギヤ83,83をインターナルギヤ92内で遊星運動させる。これによりスピンドル10が減速回転し、ボール101を介してハンマー100を回転させるため、ハンマー100が係合するアンビル4が回転してソケットによるボルト等の締付が可能となる。また、スイッチ45のONによって制御回路基板51がライト49を点灯させてソケットの前方を照射すると共に、第2のライト53を点灯させてソケットを下方からも照射する。
締付が進んでアンビル4のトルクが高まると、ハンマー100がコイルバネ102の付勢に抗してボール101をカム溝104に沿って後方へ転動させながら後退し、爪がアーム103から外れると、コイルバネ102の付勢によってボール101をカム溝104に沿って前方へ転動させることでハンマー100は回転しながら前進し、爪をアーム103に再係合させてアンビル4に回転打撃力(インパクト)を発生させる。このインパクトを間欠的に繰り返すことでさらなる締付が行われる。
ここで、異常打撃が発生してアンビル4に衝撃が加わり、ハンマー100がアンビル4からの反発力により、スピンドル10のカム溝104の後端へ衝撃的に後退すると、その衝撃がスピンドル10のプラネタリギヤ82,83やインターナルギヤ92に伝わることがあっても、インターナルギヤ92はゴム製のピン93Aによって保持されているため、ピン93Aが弾性変形することでインターナルギヤ92を周方向へ回転させて衝撃を吸収できる。よって、プラネタリギヤ82,83、インターナルギヤ92への衝撃を緩和することができる。
(第1、第2カバーとに係る発明の効果)
上記形態のインパクトレンチ1によれば、ブラシレスモータ8(モータ)と、ブラシレスモータ8により駆動するアンビル4(出力軸)と、アンビル4の一部を収容するハンマーケース9(ケース)と、ハンマーケース9の一部を覆う第1カバー27と、ハンマーケース9の他の一部を覆う第2カバー28と、を含み、第2カバー28に、サイドハンドル40を取付可能としたことで、サイドハンドル40の着脱の際に第2カバー28を前筒部22に着脱する必要がなくなる。よって、サイドハンドル40の組立性が良好となると共に、第2カバー28を紛失するおそれもなくなる。
特にここでは、第1カバー27をゴム製とし、第2カバー28を、第1カバー27の前側に配置される樹脂製としているので、ハンマーケース9に当接した被加工材の保護を第1カバー27及び第2カバー28によって確保しつつ、第2カバー28に取り付けられるサイドハンドル40のがたつきをなくして耐久性も得られる。
また、第1カバー27は、ハンマーケース9の外面に突設した後ストッパ23A(位置決め部)に係合して位置決めされ、第2カバー28は、ハンマーケース9の外面に突設した後ストッパ23B及び前ストッパ25(位置決め部)に係合して位置決めされるので、第1カバー27及び第2カバー28の組み付けが容易に行え、組み付け後のがたつきや位置ずれも抑えられる。
なお、第1、第2カバーに係る発明において、上記形態では第1カバーをゴム製、第2カバーを樹脂製としているが、両カバーをゴム製としたり、両カバーを樹脂製としたりしても差し支えない。
また、ハンマーケースに対する係合構造も、第1カバー側で位置決め部を増やしたり、第2カバー側で位置決め部を減らしたり等、適宜変更可能である。分割構造も上記形態に限らず、第1カバーを長くしたり、第2カバーを長くしたり、両カバーの端面同士を部分的に重合させたり等の設計変更が可能である。第1カバーでハンマーケースの後方側全体を覆うこともできる。
(樹脂製の第2カバーを弾性部材で固定する発明に係る効果)
上記形態のインパクトレンチ1によれば、ブラシレスモータ8(モータ)と、ブラシレスモータ8により駆動するアンビル4(出力軸)と、アンビル4の一部を収容するハンマーケース9(ケース)と、ハンマーケース9の一部を覆い、樹脂により構成されてリングスプリング38(弾性部材)によって固定される第2カバー28(カバー)と、を含み、第2カバー28に、サイドハンドル40を取付可能としたことで、サイドハンドル40の着脱の際に第2カバー28を前筒部22に着脱する必要がなくなる。よって、サイドハンドル40の組立性が良好となると共に、第2カバー28を紛失するおそれもなくなる。また、リングスプリング38で第2カバー28を固定するので、装着したサイドハンドル40のがたつきも抑えられる。
特にここでは、ハンマーケース9及び第2カバー28を筒状とし、弾性部材を、第2カバー28に外側から巻回されるリングスプリング38としているので、第2カバー28を樹脂製としてもリングスプリング38で確実に固定できる。
また、第2カバー28の後方でハンマーケース9の一部を、第1カバー27(ゴム製カバー)で覆うようにしているので、ハンマーケース9に当接した被加工材を第1カバー27及び第2カバー28によって保護できる。
なお、樹脂製の第2カバーを弾性部材で固定する発明において、リングスプリングの数を増やしたり、形状(前後幅や厚み)を変えたりしても差し支えない。第2カバーの中央でなく前後端にリングスプリングを配置することもできる。また、弾性部材としてはリングスプリングに限らず、コイルスプリングやサークリップ等も採用できる。
(ギヤケースとスピンドルとを軸支する軸受に係る発明の効果)
上記形態のインパクトレンチ1によれば、ブラシレスモータ8(モータ)と、ブラシレスモータ8により回転するサンギヤ76と、サンギヤ76と噛合するプラネタリギヤ82,83と、プラネタリギヤ83と噛合するインターナルギヤ92と、インターナルギヤ92を保持するギヤケース13と、プラネタリギヤ82,83を保持するスピンドル10と、ギヤケース13とスピンドル10との間に配置される軸受91と、を含み、軸受91は、外周側でスピンドル10を、内周側でギヤケース13をそれぞれ支持しているので、スピンドル10の後端を外周側から保持させずに済み、軸受91のサイズを小さくできる。よって、径方向でのコンパクト化を達成することができる。
特にここでは、ギヤケース13には、軸受91の内周側に支持される軸受保持部74(内側支持部)が形成され、スピンドル10には、軸受91の外周側に支持される外側支持部90が形成されて、軸受保持部74と外側支持部90とがスピンドル10の径方向でオーバーラップしているので、スピンドル10に外側支持部90を設けてもスピンドル10が前方へ長く延びることがなく、軸方向でのコンパクト化も維持できる。
また、ギヤケース13は、サンギヤ76を備えた回転軸70を軸支する軸受75(第2の軸受)を保持しており、軸受91は、軸受75よりも径方向外側に配置されて当該径方向で軸受75とオーバーラップしているので、インターナルギヤ92の後方に軸受91を配置してもスピンドル10の軸方向のサイズを抑えることができる。
なお、ギヤケースとスピンドルとを軸支する軸受に係る発明において、軸受は上記形態のボールベアリングに限らず、ニードルベアリングや軸受メタル等の他の種類も採用できる。軸方向に軸受を複数配置することもできる。
また、スピンドルの外側支持部も上記形態に限らず、キャリア部よりも小径としたり、リング状でなく円弧状の壁を同心円上に配置したりする等、適宜変更可能である。
図8は、ギヤケースとスピンドルとを軸受で軸支する他の構造を示すものであるが、上記形態と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明を省略し、異なる部分について説明する。
ここに示すインパクトレンチ1において、スピンドル10Aのキャリア部81には、後板及び接続部が設けられておらず、図9~11に示すように、前板87から後方へ突出する一対の突出部96,96が、同心円上且つスピンドル10Aの軸心を中心とした点対称位置で一体に設けられている。軸受91は、突出部96,96の後端内側に形成された保持凹部97,97によって保持されている。よって、ここでの支持ピン84は、前板87によって前端のみが片持ち支持されている。
(突出部の内側へ軸受を配置する発明に係る効果)
このインパクトレンチ1によれば、ブラシレスモータ8(モータ)と、ブラシレスモータ8により回転するサンギヤ76と、サンギヤ76と噛合するプラネタリギヤ82,83と、プラネタリギヤ83と噛合するインターナルギヤ92と、インターナルギヤ92を保持するギヤケース13と、プラネタリギヤ82,83を保持するスピンドル10Aと、ギヤケース13とスピンドル10Aとの間に配置される軸受91と、を含み、スピンドル10Aは、軸受91側へ突出する一対の突出部96,96を有して、軸受91は突出部96,96の内側に配置されているので、スピンドル10Aの後端を外周側から保持させずに済み、軸受91のサイズを小さくできる。よって、径方向でのコンパクト化を達成することができる。
なお、突出部の数や形状は上記形態に限らず、適宜変更可能である。ギヤの仕様によっては突出部を3箇所以上設けることもできる。
(インターナルギヤとギヤケースとの凹部間に嵌合するピンに係る発明の効果)
上記形態のインパクトレンチ1によれば、ブラシレスモータ8(モータ)と、ブラシレスモータ8により回転するサンギヤ76と、サンギヤ76と噛合するプラネタリギヤ82,83と、プラネタリギヤ83と噛合するインターナルギヤ92と、インターナルギヤ92を保持するギヤケース13と、プラネタリギヤ82,83を保持するスピンドル10と、を含み、インターナルギヤ92の外周に第1の凹部94が設けられ、ギヤケース13の内周に第2の凹部95が設けられて、第1の凹部94と第2の凹部95とに跨がって嵌合するピン93Aが配置されることで、異常打撃時のようにスピンドル10に衝撃が加わっても、その衝撃をピン93Aによって緩和できる。よって、プラネタリギヤ82,83及びインターナルギヤ92が損傷するおそれが低減され、減速機構の耐久性を向上させることができる。
特にここでは、鉄製のピン93Bが嵌合する4つの第1の凹部94は、ピン93Bの嵌合部分よりも広く形成されて、インターナルギヤ92に周方向へ移動可能な遊びを付与しているので、衝撃をインターナルギヤ92の周方向へ逃がすことができ、効果的な緩和が可能となる。
また、ピン93Aは弾性変形可能であるので、周方向の衝撃を効果的に緩和可能となる。
さらに、弾性変形可能なピン93Aと弾性変形不能なピン93Bとが混在しているので、ピン93Aが破損してもピン93Bによってインターナルギヤ92の回り止めは維持可能となる。
なお、ピンの数(第1、第2の凹部の数)は上記形態に限らず、適宜増減可能で、ピンの形状も円柱状以外が採用できる。また、上記形態では鉄製のピンをギヤケース側の第2の凹部に保持させているが、これと逆に、ピンをインターナルギヤ側の第1の凹部に保持させてもよい。この場合、隙間は第2の凹部側に設けられる。隙間もピンの一部(4本)でなく全部に設定してもよいが、鉄製のピンよりも先にゴム製のピンが凹部に当接する設定とする必要がある。但し、隙間は省略可能である。
さらに、ピンや凹部の形状によって衝撃の緩和が可能であれば、ピンはゴム等の弾性材料以外で形成することもできる。すなわち、全てのピンを鉄製等の弾性変形不能なピンとしたり、全てのピンを弾性変形可能なピンとしたりしてもよい。
図12~図14は、インターナルギヤ92の回り止めに別体のピンを用いない例を示す。
この変更例では、インターナルギヤ92の後側の端面に、後方へ突出する4つの突部98,98・・が一体に設けられている。各突部98は、インターナルギヤ92の軸線を中心とした円に沿った円弧板状に形成されている。各突部98は、同心円上でインターナルギヤ92の周方向へ等間隔に配置されている。
一方、ギヤケース13の後部内周面には、インターナルギヤ92の各突部98が前方から挿入される4つの受け部99,99・・が設けられている。この受け部99は、突部98と同じ円に沿った円弧状に形成されている。各受け部99は、同心円上でギヤケース13の周方向へ等間隔に配置されている。但し、各受け部99は、周方向で突部98よりも長く形成されている。よって、突部98が受け部99に挿入された状態で、突部98と受け部99との間には、回転方向に隙間(遊び)が生じるようになっている。
そして、インターナルギヤ92の弾性保持は、ゴム製の4つのピン93A,93A・・により行われる。各ピン93Aは、横断面が正方形で前後方向に延びている。各ピン93Aは、インターナルギヤ92の外周面に設けた4つの第1の凹部94,94・・と、ギヤケース13の内周面に設けた第2の凹部95,95・・とに跨がって嵌合している。よって、第1の凹部94と第2の凹部95とは、ピン93Aが半分ずつ嵌合する四角形状に切欠き形成されている。各ピン93Aと、各突部98及び受け部99とは、インターナルギヤ92の周方向へ交互に配置されている。
なお、この変更例では、キャリア部81の後板88を支持する軸受91は、軸受保持部74と外側支持部90との間ではなく、外側支持部90とギヤケース13の後部内周面との間に配置されている。軸受75と軸受91とが径方向でオーバーラップする関係は同じである。また、図14(B)に示すように、プラネタリギヤ82,83を支持する各支持ピン84は、軽量化を図るために中空形状となっている。
よって、インターナルギヤ92は、ギヤケース13内で4つのピン93Aによって弾性保持される。この状態で各突部98と各受け部99同士はインターナルギヤ92の回転方向で互いに接触しておらず、回転方向に隙間を保っている。
ここで、異常打撃が発生してアンビル4に衝撃が加わると、ハンマー100がアンビル4からの反発力により、スピンドル10のカム溝104の後端へ衝撃的に後退する。すると、その衝撃がスピンドル10のプラネタリギヤ82,83やインターナルギヤ92に伝わる。しかし、インターナルギヤ92は、ゴム製のピン93Aによって保持されているため、ピン93Aが弾性変形することでインターナルギヤ92を周方向へ回転させて衝撃を吸収できる。よって、プラネタリギヤ82,83、インターナルギヤ92への衝撃を緩和することができる。ピン93Aの弾性変形が大きくなると、突部98が受け部99に当接してそれ以上のインターナルギヤ92の回転が規制される。
この変更例によれば、インターナルギヤ92に突部98が設けられ、ギヤケース13に、突部98が挿入される受け部99が設けられている。そして、インターナルギヤ92とギヤケース13との間に跨がってピン93A(弾性体)が配置されて、インターナルギヤ92の回転方向でピン93Aが弾性変形すると、突部98と受け部99とが接触可能となっている。
この構成により、プラネタリギヤ82,83及びインターナルギヤ92が損傷するおそれが低減され、減速機構の耐久性を向上させることができる。
また、ピン93Aの弾性変形により突部98と受け部99とが接触するため、ピン93Aの破断も防止できる。また、インターナルギヤ92の回り止めに鉄製のピンを用いないため、先の形態よりも部品点数が削減される。
なお、上記変更例では、インターナルギヤに突部が、ギヤケースに受け部が設けられているが、突部と受け部とを逆にして、インターナルギヤに受け部を、ギヤケースに突部を設けても差し支えない。突部と受け部との数や形状も適宜変更可能である。
弾性体についても、横断面正方形でなく横断面円形のピンを採用したり、ピンの数や配置を変更したりすることができる。
その他、カバーに係る発明では、電動工具はインパクトレンチに限らず、インパクトドライバやハンマ、ハンマドリル等にも採用可能である。
また、スピンドルの軸受に係る発明でも、電動工具はインパクトレンチに限らず、インパクトドライバやスクリュードライバ等にも採用可能である。
さらに、インターナルギヤのピンに係る発明でも、電動工具はインパクトレンチに限らず、プラネタリギヤを用いた減速機構を有するものであれば、インパクトドライバやスクリュードライバ等にも採用できる。減速機構は複数段でも各インターナルギヤに適用できる。
そして、各発明に共通して、プラネタリギヤは上記形態のように二段減速でなく、1つのキャリア部に支持されるプラネタリギヤを全てインターナルギヤに噛合させてもよい。また、モータがブラシレスでない電動工具や、交流電源を使用する電動工具でもよい。
1・・インパクトレンチ、2・・本体、3・・ハンドル、4・・アンビル、5・・バッテリー装着部、6・・バッテリーパック、7・・本体ハウジング、8・・ブラシレスモータ、9・・ハンマーケース、10,10A・・スピンドル、11・・打撃機構、13・・ギヤケース、20・・胴体部、21・・テーパ部、22・・前筒部、23A,23B・・後ストッパ、25・・前ストッパ、26・・カバー、27・・第1カバー、28・・第2カバー、29・・係合溝、32・・後位置決め溝、33・・前位置決め溝、35・・嵌合溝、38・・リングスプリング、40・・サイドハンドル、41・・グリップ部、42・・クランプ部、45・・スイッチ、50・・コントローラ、60・・ステータ、61・・ロータ、70・・回転軸、74・・軸受保持部、73,75,91・・軸受、76・・サンギヤ、81・・キャリア部、82,83・・プラネタリギヤ、84・・支持ピン、90・・外側支持部、92・・インターナルギヤ、93A,93B・・ピン、94・・第1の凹部、95・・第2の凹部、96・・突出部、97・・保持凹部、98・・突部、99・・受け部、100・・ハンマー、S・・隙間。

Claims (15)

  1. ステータと、前記ステータに対して回転可能なロータとを有するモータと、
    前記ロータにより回転するサンギヤと、
    前記サンギヤと噛合するプラネタリギヤと、
    前記プラネタリギヤと噛合するインターナルギヤと、
    前記インターナルギヤ及び前記ロータ回転可能に保持するギヤケースと、
    前記プラネタリギヤを保持するスピンドルと、を含み、
    前記インターナルギヤの外周に少なくとも1つの第1の凹部が設けられ、
    前記ギヤケースの内周に少なくとも1つの第2の凹部が設けられて、
    前記第1の凹部と前記第2の凹部とに跨がって嵌合し、前記ギヤケースに対して前記インターナルギヤの回転規制を行う少なくとも1つのピンが配置されると共に、
    全ての前記ピンは、弾性体からなり、前記スピンドルへ加わる衝撃が前記インターナルギヤに伝わると、弾性変形することで前記ギヤケースに対する前記インターナルギヤの回転を許容する電動工具。
  2. ステータと、前記ステータに対して回転可能なロータとを有するモータと、
    前記ロータにより回転するサンギヤと、
    前記サンギヤと噛合するプラネタリギヤと、
    前記プラネタリギヤと噛合するインターナルギヤと、
    前記インターナルギヤ及び前記ロータ回転可能に保持するギヤケースと、
    前記プラネタリギヤを保持するスピンドルと、を含み、
    前記インターナルギヤの外周に複数の第1の凹部が設けられ、
    前記ギヤケースの内周に複数の第2の凹部が設けられて、
    前記第1の凹部と前記第2の凹部とにそれぞれ跨がって嵌合し、前記ギヤケースに対して前記インターナルギヤの回転規制を行う複数のピンが配置されると共に、
    前記ピンは、弾性体からなる弾性変形可能なものと、弾性変形不能なものとが混在しており、弾性変形不能な前記ピンが嵌合する前記第1の凹部は、当該ピンの嵌合部分よりも広く形成されて、前記インターナルギヤに周方向へ移動可能な遊びを付与している一方、 弾性変形可能な前記ピンは、前記スピンドルへ加わる衝撃が前記インターナルギヤに伝わると、弾性変形することで前記ギヤケースに対する前記インターナルギヤの回転を許容する電動工具。
  3. 弾性変形可能なゴム製の前記ピンと、弾性変形不能な鉄製の前記ピンとが前記インターナルギヤの周方向へ交互に配置されている請求項に記載の電動工具。
  4. 前記第1の凹部と前記第2の凹部と前記ピンとは、前記インターナルギヤの周方向に8本配置される請求項2又は3に記載の電動工具。
  5. 前記ピンは、円柱状である請求項1乃至の何れかに記載の電動工具。
  6. 前記第1の凹部と前記第2の凹部とは、横断面半円状である請求項に記載の電動工具。
  7. ステータと、前記ステータに対して回転可能なロータとを有するモータと、
    前記ロータにより回転するサンギヤと、
    前記サンギヤと噛合するプラネタリギヤと、
    前記プラネタリギヤと噛合するインターナルギヤと、
    前記インターナルギヤ及び前記ロータ回転可能に保持するギヤケースと、
    前記プラネタリギヤを保持するスピンドルと、を含み、
    前記インターナルギヤと前記ギヤケースとの一方側に少なくとも1つの突部が設けられ、他方側に、前記突部が挿入される少なくとも1つの受け部が設けられると共に、前記突部と前記受け部との間で前記インターナルギヤの回転方向に隙間が設けられ、
    前記インターナルギヤと前記ギヤケースとの間に跨がって少なくとも1つの弾性体が配置されて、
    前記スピンドルへ加わる衝撃が前記インターナルギヤに伝わると、前記インターナルギヤの回転方向で前記弾性体が弾性変形して、前記突部と前記受け部とが接触するまで前記ギヤケースに対する前記インターナルギヤの回転を許容する電動工具。
  8. 前記インターナルギヤに前記突部が設けられ、前記ギヤケースに前記受け部が設けられる請求項に記載の電動工具。
  9. 前記突部は、前記インターナルギヤにおける軸方向の端面に設けられる請求項に記載の電動工具。
  10. 前記突部及び前記受け部は、前記インターナルギヤの周方向に沿った円弧状である請求項7乃至9の何れかに記載の電動工具。
  11. 前記突部及び前記受け部は、前記インターナルギヤの周方向に4つ配置される請求項10に記載の電動工具。
  12. 前記弾性体は、横断面正方形のピンである請求項7乃至11の何れかに記載の電動工具。
  13. 前記インターナルギヤの外周に第1の凹部が設けられ、前記ギヤケースの内周に第2の凹部が設けられて、前記ピンは、前記第1の凹部と前記第2の凹部とに跨がって嵌合している請求項12に記載の電動工具。
  14. 前記ピンは、前記インターナルギヤの周方向に4本配置される請求項12又は13に記載の電動工具。
  15. 前記ピンと、前記突部及び前記受け部とは、前記インターナルギヤの周方向へ交互に配置されている請求項12乃至14の何れかに記載の電動工具。
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