JP7049944B2 - インパクト工具 - Google Patents
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Description
先端部には、装着したソケットの抜け止めに用いる貫通孔が、アンビルの軸線方向と直交方向に形成され、孔は、貫通孔を挟んでアンビルの軸心を中心とした点対称位置に一対設けられて、各孔にピンがそれぞれ挿入されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、基端部側で孔とピンとの間には、ピンの抜け止め手段が設けられていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、モータと、モータにより回転するハンマと、ハンマにより回転方向に打撃される軸状のアンビルと、を含んでなり、アンビルは、外形円筒状の基端部と、基端部と連続する外形角筒状の先端部と、基端部からその径方向外側へ突出する一対のアームとを有すると共に、基端部と先端部とに跨がってアンビル内の軸心で軸線方向に形成される孔を有し、
孔に、先端部の面取部分の幅に対して25%以下の直径となるピンが挿入されて、孔及びピンの基端部側の端部は、アームにおける先端部側の面の位置まで延びており、
基端部側で孔とピンとの間には、ピンの抜け止め手段が設けられていると共に、抜け止め手段は、ピンに外装されて孔の内面を押圧するリングスプリングであることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、モータと、モータにより回転するハンマと、ハンマにより回転方向に打撃される軸状のアンビルと、を含んでなり、アンビルは、外形円筒状の基端部と、基端部と連続する外形角筒状の先端部と、基端部からその径方向外側へ突出する一対のアームとを有すると共に、基端部と先端部とに跨がってアンビル内の軸心で軸線方向に形成される孔を有し、
孔に、先端部の面取部分の幅に対して25%以下の直径となるピンが挿入されて、孔及びピンの基端部側の端部は、アームにおける先端部側の面の位置まで延びており、
基端部側で孔とピンとの間には、ピンの抜け止め手段が設けられていると共に、抜け止め手段は、孔に対するピンの少なくとも一部の圧入であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、ピンは、アンビルよりも強度の高い材料で形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、ピンに、先端部の端面に係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、モータと、モータにより回転するハンマと、ハンマにより回転方向に打撃される軸状のアンビルと、を含んでなり、アンビルは、外形円筒状の基端部と、基端部と連続する外形角筒状の先端部とを有すると共に、基端部と先端部とに跨がってアンビル内で軸線方向に形成される孔を有し、孔の内部に、基端部と先端部とに跨がって軸線方向に延びる連結部材が設けられていると共に、連結部材における基端部側の端部と先端部側の端部とに、孔の直径よりも大きい拡径部がそれぞれ一体的に設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7の構成において、先端部には、装着したソケットの抜け止めに用いる貫通孔が、アンビルの軸線方向と直交方向に形成され、先端部側に設けられる拡径部は、貫通孔内で同軸のリング状に形成されて、貫通孔の内径とリング状の拡径部の内径とは同径となっていることを特徴とする。なお、ここでの「同径」は多少の誤差も含む。
請求項9に記載の発明は、請求項8の構成において、ソケットの抜け止めのために貫通孔に挿通される抜け止めピンは、リング状の拡径部を貫通することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9の構成において、連結部材はワイヤであり、リング状の拡径部は、ワイヤの端部が係止するOリングであることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項8又は9の構成において、連結部材はワイヤであり、リング状の拡径部は、ワイヤの端部を折り曲げて形成されることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項7乃至11の何れかの構成において、基端部には、孔と同軸で連通する有底孔が形成され、基端部側に設けられる拡径部は、有底孔内で連結部材に連結されるスチールボールであることを特徴とする。
図1は、インパクト工具の一例であるインパクトレンチの斜視図、図2は正面図、図3は中央縦断面図である。このインパクトレンチ1は、前後方向に延びる本体部2に、ハンドル3を下向きに形成した側面視T字状の工具本体を有し、本体部2の先端からはアンビル4が前方へ突出している。ハンドル3の下端に設けたバッテリー装着部5には、電源となる複数の充電池を収容したバッテリーパック6が装着されている。
本体部2のハウジングは、下部にハンドル3を延設した合成樹脂製の本体ハウジング7と、本体ハウジング7の前方に組み付けられて打撃機構14を収容する金属製のハンマケース8とからなる。本体ハウジング7は、左右一対の半割ハウジング7a,7bを左右方向のネジ9,9・・によって組み付けて形成される。本体ハウジング7内でハンマケース8の後方には、ハンマケース8の後端を閉塞するギヤハウジング10が、各半割ハウジング7a,7bの内面に突設された保持リブ11によって保持されている。
まず、ブラシレスモータ12は、ステータ15とその内側のロータ16とからなるインナロータ型で、ステータ15は、複数の積層鋼板から形成される筒状の固定子鉄心17と、固定子鉄心17の軸方向前後の端面にそれぞれ設けられる前絶縁部材18及び後絶縁部材19と、前後絶縁部材18,19を介して固定子鉄心17に巻回されるコイル20,20・・と、を有する。前絶縁部材18には、ロータ16に設けた永久磁石24の位置を検出して回転検出信号を出力する回転検出素子(図示略)を搭載したセンサ回路基板21が取り付けられている。
打撃機構14は、スピンドル13の前部に外装されたハンマ37と、そのハンマ37を前方へ付勢するコイルバネ38とを含んで構成される。ハンマ37は、前面に図示しない一対の爪を備え、内周面に設けた外側カム溝39と、スピンドル13の外周面に設けた内側カム溝40とに跨がって嵌合するボール41,41を介してスピンドル13と回転方向で係合している。コイルバネ38は、スピンドル13に外装されて前端をハンマ37の後面に設けたリング溝42に挿入させる一方、後端をキャリア部31の前面に当接させて、常態ではハンマ37を前進位置に付勢している。
アンビル4は鉄製の軸状で、軸受部43に軸受メタル45によってスピンドル13と同軸で軸支される外形円筒状の基端部46と、基端部46に同軸で連続して前方へ突出し、外周四面を面取して後述するソケット60を装着する外形角筒状(ここでは正方形筒状)の先端部47とを有する。基端部46の後端には、ハンマ37の爪と回転方向で係合する一対のアーム48,48が形成されると共に、後端軸心には、スピンドル13の凹部36に嵌合する凸部49が形成されている。軸受メタル45は、軸受部43の後端内面より後方へ突出して保持されており、その後端には、アーム48,48の前側を受けるワッシャ50が外装されている。
さらに、アンビル4の軸心には、先端部47の前面から先端部47を越えて後方へ延びる本発明の孔としての横断面円形の軸心孔53が、前面側の開口部54を大径として形成されており、この軸心孔53に、開口部54に嵌合する係合部としての大径の頭部56を有する分離防止手段としての横断面円形のピン55が、略全長に亘って遊挿されている。ピン55の後端部には、抜け止め手段(弾性体)としてのリングスプリング57が外装されて、リングスプリング57が軸心孔53の内面と当接することにより、ピン55の抜けを防止している。このピン55は、アンビル4と同じ鉄製である。
バッテリー装着部5には、ブラシレスモータ12の制御用のスイッチング素子やマイコン等を搭載した制御回路基板77を備えるコントローラ76と、装着されたバッテリーパック6の端子と電気的に接続される端子台78とが収容されている。また、バッテリー装着部5には、打撃力の切替ボタンと表示ランプ等を有して制御回路基板77へ電気的に接続されるスイッチパネル79が設けられている。さらに、バッテリー装着部5の左側面には、正面視がU字状の吊り下げフック80の一端がネジ固定されている。
特にここでは、軸心孔53を、アンビル4の軸心に形成しているので、ねじり応力が加わりにくい位置にピン55を配置でき、ピン55が折損するおそれが低減される。
さらに、抜け止め手段を、ピン55に外装されて軸心孔53の内面を押圧するリングスプリング57としているので、ピン55の抜け止めが簡単に行える。
そして、ピン55に、先端部47の端面に係合する頭部56が設けられているので、抜け止めされたピン55による先端部47の分離防止が効果的に行える。
但し、ピン55の抜け止め手段は、リングスプリング57に限らず、図6に示すように、軸心孔53の後端部分53aのみをピン55の外径と略同径として、ピン55の後端を後端部分53aに圧入させる構造としてもよい。
また、抜け止め手段として、図7に示すように、軸心孔53の全長をピン55の外径と略同径として、ピン55全体を軸心孔53に圧入させる構造としてもよい。この場合、ピン55全体で抜け止めが行われるため、大径の開口部54や頭部56は不要となる。但し、全体でねじり応力を受けることになるため、先端部47と同時に折損しないように、同じ鉄製でもピン55の方の強度を高くしている。
また、ピン55をアンビル4よりも強度の高い材料で形成すれば、アンビル4と共にピン55が折損するおそれが一層少なくなる。但し、ピンはアンビルと同じ鉄製に限らず、靱性のある樹脂や合金等の他の材料で作製することもできる。
また、この構造の場合も、図9に示すように、軸心孔53の後端部分53aをピン55と略同径として部分的に圧入したり、図10に示すように、軸心孔53の全体をピン55と略同径として全体を圧入したりして抜け止め手段を構成しても差し支えない。
そして、上記形態や各変更例において、ピン55の径は、先端部47の面取部分の幅(図4に示す幅H)に対して25%以下とするのが望ましい。これを越えると先端部47の欠損部分が大きくなりすぎて先端部47の有効断面積が小さくなり、強度低下に繋がるからである。また、トルクが大きくなるとピン55に加わるねじり応力も大きくなるため、25%以下であってもトルクが大きくなるに従ってピン55の径の割合を小さく設定するのが望ましい。
ここでのアンビル4は、図8と同様に、後端軸心に、スピンドル13の先端に設けた凸部81が挿入される前有底孔58が形成されている。アンビル4の先端部47には、図13にも示すように、軸線を中心とした上下の点対称位置に、一対の孔82,82が、後端が前有底孔58の前端よりやや前方となる位置まで形成されている。孔82,82の間で先端部47には、装着されたソケット60の直交孔66に跨がって抜け止め用ピンを貫通させるための貫通孔83が貫通形成されている。そして、各孔82には、孔82の内径と略同径で、アンビル4よりも強度が高い鉄製のピン55がそれぞれ全体を圧入させることで固定されている。
この場合、ピン55,55はアンビル4よりも強度を高くするのが望ましい。
また、図15に示すように、ピン55の全体を孔82に遊挿させて後端に外装したリングスプリング57を孔82の内面に押圧させて抜け止めを図ってもよい。
さらに、ピン55の長さも、アンビル4の後端に前有底孔58がなければさらに長くしてもよいし、孔82及びピン55の数を3つ以上として同心円上に配置することもできる。
ここではアンビル4の軸心に軸心孔53を設けて、その軸心孔53に、連結部材としてのワイヤ90を挿入している。ワイヤ90の後端は、前有底孔58に設けられた軸心孔53の直径よりもよりも大径の拡径部としてのスチールボール91にかしめ固定されている。一方、軸心孔53の前方で貫通孔83内には、軸心孔53の直径よりも大径に形成された拡径部としてのOリング92が同軸で配置されて、ワイヤ90の前端は、貫通孔83内でOリング92を貫通係止している。Oリング92を貫通係止したワイヤ90の前端は、軸心孔53内へ折り返されて、ワイヤ90の中間部に沿って挿入される折り返し部93となっている。貫通孔83内には、図17に示すように、軸心孔53の前方でOリング92を保持する保持溝94がリング状に形成されており、ここに保持されるOリング92の内径は、貫通孔83の内径と等しくなっている。このOリング92の内径は、後述する抜け止めピン67が貫通できればよいため、貫通孔83の内径とは多少の相違があってもよい。
また、抜け止めピン67はOリング92を貫通するので、抜け止めピン67を利用したワイヤ90の抜け止め(ソケット60の分離及び落下防止)が行える。
さらに、連結部材をワイヤ90とし、リング状の拡径部を、ワイヤ90の端部が係止するOリング92としたことで、先端部47の分離及び落下の防止が簡単に行える。
そして、基端部46側に設けられる拡径部を、前有底孔58内でワイヤ90に連結されるスチールボール91としたことで、前有底孔58を利用したワイヤ90の抜け止めが簡単に行える。
このようにリング状の拡径部95をワイヤ90の端部を折り曲げて形成すれば、抜け止めが簡単に行える。
一方、基端部側の拡径部もスチールボール以外にピン等の他の部材を採用してもよいし、他の部材を用いずにワイヤの後端をリング状やフック状に折り曲げて拡径部としてもよい。
但し、連結部材としてはワイヤに限らず、金属製や樹脂製のピン等も採用できる。この場合の拡径部も別体の部材で形成したり、一体に形成したりすればよい。
Claims (12)
- モータと、
前記モータにより回転するハンマと、
前記ハンマにより回転方向に打撃される軸状のアンビルと、を含んでなり、
前記アンビルは、外形円筒状の基端部と、前記基端部と連続する外形角筒状の先端部とを有すると共に、前記基端部と前記先端部とに跨がって前記アンビル内で軸線方向に形成される孔を有し、
前記先端部には、装着したソケットの抜け止めに用いる貫通孔が、前記アンビルの軸線方向と直交方向に形成され、前記孔は、前記貫通孔を挟んで前記アンビルの軸心を中心とした点対称位置に一対設けられて、各前記孔にピンがそれぞれ挿入されていることを特徴とするインパクト工具。 - 前記基端部側で前記孔と前記ピンとの間には、前記ピンの抜け止め手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインパクト工具。
- モータと、
前記モータにより回転するハンマと、
前記ハンマにより回転方向に打撃される軸状のアンビルと、を含んでなり、
前記アンビルは、外形円筒状の基端部と、前記基端部と連続する外形角筒状の先端部と、前記基端部からその径方向外側へ突出する一対のアームとを有すると共に、前記基端部と前記先端部とに跨がって前記アンビル内の軸心で軸線方向に形成される孔を有し、
前記孔に、前記先端部の面取部分の幅に対して25%以下の直径となるピンが挿入されて、前記孔及び前記ピンの前記基端部側の端部は、前記アームにおける前記先端部側の面の位置まで延びており、
前記基端部側で前記孔と前記ピンとの間には、前記ピンの抜け止め手段が設けられていると共に、前記抜け止め手段は、前記ピンに外装されて前記孔の内面を押圧するリングスプリングであることを特徴とするインパクト工具。 - モータと、
前記モータにより回転するハンマと、
前記ハンマにより回転方向に打撃される軸状のアンビルと、を含んでなり、
前記アンビルは、外形円筒状の基端部と、前記基端部と連続する外形角筒状の先端部と、前記基端部からその径方向外側へ突出する一対のアームとを有すると共に、前記基端部と前記先端部とに跨がって前記アンビル内の軸心で軸線方向に形成される孔を有し、
前記孔に、前記先端部の面取部分の幅に対して25%以下の直径となるピンが挿入されて、前記孔及び前記ピンの前記基端部側の端部は、前記アームにおける前記先端部側の面の位置まで延びており、
前記基端部側で前記孔と前記ピンとの間には、前記ピンの抜け止め手段が設けられていると共に、前記抜け止め手段は、前記孔に対する前記ピンの少なくとも一部の圧入であることを特徴とするインパクト工具。 - 前記ピンは、前記アンビルよりも強度の高い材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のインパクト工具。
- 前記ピンに、前記先端部の端面に係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のインパクト工具。
- モータと、
前記モータにより回転するハンマと、
前記ハンマにより回転方向に打撃される軸状のアンビルと、を含んでなり、
前記アンビルは、外形円筒状の基端部と、前記基端部と連続する外形角筒状の先端部とを有すると共に、前記基端部と前記先端部とに跨がって前記アンビル内で軸線方向に形成される孔を有し、
前記孔の内部に、前記基端部と前記先端部とに跨がって前記軸線方向に延びる連結部材が設けられていると共に、前記連結部材における前記基端部側の端部と前記先端部側の端部とに、前記孔の直径よりも大きい拡径部がそれぞれ一体的に設けられていることを特徴とするインパクト工具。 - 前記先端部には、装着したソケットの抜け止めに用いる貫通孔が、前記アンビルの軸線方向と直交方向に形成され、前記先端部側に設けられる前記拡径部は、前記貫通孔内で同軸のリング状に形成されて、前記貫通孔の内径と前記リング状の拡径部の内径とは同径となっていることを特徴とする請求項7に記載のインパクト工具。
- 前記ソケットの抜け止めのために前記貫通孔に挿通される抜け止めピンは、前記リング状の拡径部を貫通することを特徴とする請求項8に記載のインパクト工具。
- 前記連結部材はワイヤであり、前記リング状の拡径部は、前記ワイヤの端部が係止するOリングであることを特徴とする請求項8又は9に記載のインパクト工具。
- 前記連結部材はワイヤであり、前記リング状の拡径部は、前記ワイヤの端部を折り曲げて形成されることを特徴とする請求項8又は9に記載のインパクト工具。
- 前記基端部には、前記孔と同軸で連通する有底孔が形成され、前記基端部側に設けられる前記拡径部は、前記有底孔内で前記連結部材に連結されるスチールボールであることを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載のインパクト工具。
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