JP4438942B2 - インパクト工具 - Google Patents

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本発明は、ねじ締め回転方向に打撃或いは衝撃を与えて回転させることによりねじを強固に締め付けることができるドライバまたはレンチとして機能するインパクト工具に関し、特に、インパクト工具に使用されるソケット着脱構造に関する。
一般にインパクト工具は、電動モータを駆動源として、この駆動源は、例えば、電動モータの回転軸に設けられたギヤ歯と噛合う複数の遊星ギヤと該遊星ギヤと噛合うリングギヤとから構成された動力伝達機構によって減速され、スピンドルに回転力を与える。そのスピンドルの先端側外周には、アンビルに対して回転打撃を与えるためのハンマーを具備する。アンビルはその先端にボルトの締め付け工具であるソケット本体を装着するものであって、スピンドルと同一軸線上に自由に回転可能に配置されている。スピンドルとハンマーとは、該スピンドルとハンマーにそれぞれ設けられたカム溝と、そのカム溝に嵌合するボールとから成るカム機構を介して連結され、スピンドルの回転がハンマーに伝達される。また、ハンマーとスピンドルとは、相互の対向面に設けられた爪を介して係合し、ハンマーに一定値を超える負荷が作用したときには、該ハンマーがスピンドルと共に回転しつつアンビルから離れる方向に後退移動して爪が解離される構成とされている。そして、爪が解離されることに伴いハンマーに対する負荷が消去されると、該ハンマーはスプリングの押圧力でアンビルに接近する方向へ回転しつつ前進移動し、爪相互が衝撃的に係合する。従って、ハンマーがアンビルを回転打撃し、このことによって、アンビルからソケットを経てボルトに回転打撃を与えてねじ締めが行われる構成となっている。このようなインパクト工具の構成は、例えば、下記特許文献1に開示されている。このインパクト工具において、インパクト工具の出力軸となるアンビルには、その先端部の断面形状が四角形や六角形などの角形形状を有し、締付または解除すべきボルトやナットの大きさに対応して選択されたソケット本体の一端部に、嵌合或いは係止装着するソケット着脱構造を持っている。
従来の代表的なソケット着脱構造を備えるインパクト工具の第1の例として、図23乃至図27に示すものがある。図26及び図27に示すように、レンチとして機能するソケット本体1(以下の説明では、「ソケット本体」を単に「ソケット」と称する場合がある)の後端部にはアンビル出力軸が嵌合される四角形穴部1bが、先端部にはナットなどが嵌合される締結用六角形穴部1dが設けられる。一方、図23及び図25に示すように、従来のインパクト工具本体4に装着されたアンビル5の先端部には四角形などの角形出力軸5bとピン6を挿通させるための係止用穴部(貫通穴)5aとが設けられる。アンビルの出力軸5bはソケット1の四角形などの角形穴部1bに嵌合或いは係止するように挿入される。更に、図23及び図24に示されるように、アンビルの角形出力軸5b及びソケットの角形穴部1bは嵌合され、アンビル係止用穴部5a及びソケット係止用穴部1aに連通して円筒形ピン6を挿入することにより、ソケット1がアンビル5からの離脱するのを防止する。更にソケット1の係止用穴部1aが位置する外周には溝1cが設けられ、溝1c内を弾性体リング2で覆うことにより円筒形ピン6が係止用穴部1a、5aから離脱するのを防止する構造となっている。
従来のソケット着脱構造を備えるインパクト工具の第2の例として、下記特許文献1の図2に示されるような構造がある。この特許文献1に開示された技術では、ソケットのがたつきを無くしてトルク伝達の効率を向上させるために、出力軸を軸と垂直方向すなわち径方向に押圧する弾性体をソケットに設けることが提案されている。
特開平8−229835号公報
しかし、上記従来のインパクト工具の第1の例では、実際の締結作業では多様な締結部材を使用するために、その都度頻繁にソケット本体1の交換が必要となり、また、締結作業時のソケット本体1の破損等による交換も必要となり、従って、ソケット本体1を頻繁に交換することが要求される。しかしながら、ソケット本体1の交換には、マイナスドライバ等の工具を使用して溝1cから弾性体リング2を取外し、ソケット本体1の係止用穴部1a及びインパクト工具本体4の四角形出力軸5の係止用穴部5aに連通された挿入ピン6を取外さなければならないため、着脱に手間がかかり作業能率が上がらないと共に、マイナスドライバ等の工具を常に携帯しなくてはならないという問題がある。また、アンビルの四角形出力軸5bとソケット本体の四角形穴部1bとの嵌合部にがたつきがあるため、がたつきの影響による伝達打撃エネルギーの低下が生じるという問題がある。更に、アンビルの四角形出力軸5bには貫通穴部5aが存在し、長時間の使用により貫通穴部5a部より疲労破壊が生じ、締結作業自体の中断が余儀なくされるという問題もあった。
また、特許文献1に記載された上記従来のインパクト工具の第2の例では、ソケットにがたつきを防止する手段を設けているために、既に市販されているソケットが利用できないという問題がある。
従って、本発明の主目的は、互いに嵌合するアンビルとソケットとの間に存在するがたつきによる打撃エネルギーの伝達効率の低下を防止したソケット着脱構造を備えるインパクト工具を提供することにある。
本発明の他の目的は、アンビルの疲労破壊による破損を防止し、他の工具などを使用することなしにソケットの着脱が比較的簡単に実施できるソケット着脱構造を備えるインパクト工具を提供することにある。
本発明の前記及びその他の目的ならびに新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から更に明らかにされるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を説明すれば、以下の通りである。
本発明の一つの特徴は、駆動源となるモータと、前記モータにより回転するハンマーと、前記ハンマーにより回転打撃され、回転軸を横切る断面形状が角形である角形出力軸を有するアンビルと、前記角形出力軸を嵌合装着するための角穴を有するソケット本体と、を備えるインパクト工具であって、前記角形出力軸の軸方向に形成された溝内に設けられた弾性体部材であって、前記アンビルの角形出力軸に固定され、前記ソケット本体と前記角形出力軸との間に配置された弾性体部材を有し、前記角形出力軸に前記ソケット本体を嵌合装着したとき、前記弾性体部材により、前記ソケット本体を前記角形出力軸の回転方向と逆方向に付勢するように構成したことにある。
本発明の他の特徴は、前記弾性体部材の一端が前記アンビルの前端に固定され、中間部は前記アンビルと前記ソケット本体との間を延在し、他端は、前記アンビルの径方向外側に折り曲げて構成したことにある。
本発明の他の特徴は、前記弾性体部材に突起を設け、前記ソケット本体に前記突起と係合する穴を設けたことにある。
本発明の他の特徴は、駆動源となるモータと、前記モータにより回転力が伝達されるスピンドルと、前記スピンドルの回転軸方向に移動可能に取り付けられたハンマーと、前記ハンマーにより回転打撃され、回転軸を横切る断面形状が角形である角形出力軸を有するアンビルと、前記角形出力軸を嵌合装着するための角穴を有するソケット本体とを備えたインパクト工具であって、前記アンビルの前記角形出力軸に固定され、前記ソケット本体と角形出力軸との間に配置された弾性体部材を有し、該弾性体部材は、角形出力軸に前記ソケット本体を嵌合装着したとき、前記角形出力軸と回転方向と逆方向に前記ソケット本体を付勢する付勢用弾性体部と、前記ソケット本体に設けられた穴部と係合する突起部を有し、前記ソケット本体を前記角形出力軸に係止する係止用弾性体部とを備えたことにある。
本発明の他の特徴は、駆動源となるモータと、前記モータにより動力伝達機構を介して回転力が与えられるスピンドルと、前記スピンドルに取り付けられ、前記スピンドルの回転軸方向に移動可能に係合し、回転打撃力を与えるハンマーと、前記ハンマーによる回転打撃力で回転し、回転軸を横切る断面形状が角形である角形出力軸を有するアンビルと、前記アンビルの角形出力軸を嵌合装着するための角穴を有するソケット本体と、を備えるインパクト工具であって、前記ソケット本体に、該ソケット本体の前記角穴からその外周面に向かって係止用穴を形成し、前記角形出力軸の複数角面の少なくとも一面に、前記角形出力軸の回転軸方向に沿って溝を形成すると共に、一端が前記角形出力軸に固着され、前記溝に沿って配設された弾性体部材を設け、該弾性体部は、前記係止用穴に係合する突起部を有し、前記角形出力軸に前記ソケット本体を嵌合装着するとき前記係止用穴に前記係止用弾性体部の突起部を係合させ、前記弾性体部の他端側に、前記角形出力軸の回転軸方向に対し垂直方向に延びる操作用接続体部を設け、該操作用接続体部の押圧により前記弾性体部を弾性変形させて前記係止用穴と前記弾性体部の突起部との係合を解除させるようにしたことにある。
本発明の他の特徴は、前記アンビルの角形出力軸の複数角面の対向する二つの面に、それぞれ前記弾性体部を設けると共に、前記ソケット本体の対向する二つの内周面にそれぞれ係止用穴を形成したことにある。
本発明の他の特徴は、前記複数角面に設けられた弾性体部を、板状弾性部材により一体形成したことにある。
本発明の上記(1)項に示したようなインパクト工具によれば、ソケット着脱機構は、ホールドスプリングなどの付勢用弾性体部をアンビルの角形出力軸の溝内に沿って配設し、且つその付勢用弾性体部を角形出力軸に固着するので、付勢用弾性体部の押圧作用によりアンビルの出力軸の回転方向と逆方向の付勢を簡単に与えることができる。その結果、嵌合するアンビルとソケットとの間に存在するがたつきによる打撃エネルギーの伝達効率の低下を防止できる。
本発明の上記(2)項または(3)項に示したようなインパクト工具によれば、ソケット着脱機構は、係止用弾性体部を弾性変形させることにより、該係止用弾性体部の一部に設けられた突起部をソケット本体の係止用穴に係合或いは解除してソケットを着脱させるものである。その結果、ソケットの着脱が比較的簡単に実施でき、また、従来のような係止用貫通穴をアンビルに使用する必要がないので、アンビルの疲労破壊による破損を防止できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1乃至図11は本発明の第1の実施形態に係るインパクト工具を示す図面で、図1はインパクト工具全体を示す一部破断側面図、図2はソケット着脱機構の要部を示す拡大部分断面図、図3はアンビルの側面図、図4はアンビルの部分断面図、図5は付勢用弾性体部と係止用弾性体部が一体形成された弾性体部材の平面図、図6及び図7は該弾性体部材の側面図及びその破断側面図、図8は該弾性体部材の立面図、図9及び図10は該弾性体部材をアンビルに固着したときの構造断面図、図11は図10におけるDD線に沿った弾性体部材とアンビルの部分断面図をそれぞれ示す。
最初に、図1を参照してインパクト工具本体の構成について説明する。インパクト工具11は、本体のハウジング12内に駆動源となるモータ13と、モータ13により動力伝達機構14を介して回転力が与えられるスピンドル15と、スピンドル15に取り付けられ、スピンドル15の回転軸方向に移動可能に係合し、回転打撃力を与えるハンマー16と、ハンマー16による回転打撃力で回転し、回転軸を横切る断面形状が四角形などの角形出力軸17を有するアンビル18とを備える。また、ハウジング12のハンドル部(グリップ部)19内には、トリガスイッチ20を備え、ハンドル部19の下部からは、図示されていないが、商用電源のコンセントに接続するための電源コードが延び、トリガスイッチ20を介して、モータ13を駆動するように電気的配線されている。なお、モータ13は蓄電池電源で駆動させるものとし、ハンドル部19内にその蓄電池を内蔵させる構成としてもよい。
モータ13の回転軸22の回転力は、回転軸22端に設けられたギヤ歯に係合された動力伝達機構(遊星ギヤ列)14を介してスピンドル15に伝達される。動力伝達機構14は、前記回転軸22に設けられたピニオンギヤ(サンギヤ)23と、そのピニオンギヤ23に噛合う複数の遊星ギヤ24と、該遊星ギヤに噛合うインターナルギヤ(リングギヤ)25とによって構成され、これらはインナーカバー21に組み込まれている。スピンドル15は、その先端をアンビル18の中心に設けた穴部に結合して支持し、その後端(図示右端側)を、動力伝達機構14の遊星ギヤ24と一体化して軸受28により支持する。スピンドル15は、これら遊星ギヤ24とリングギヤ25で構成される動力伝達機構14によって、モータ13の回転に対し減速された回転力が与えられる。
アンビル18は、ハンマーケース26に固着された軸受27により支持され、後述するソケット着脱機構を介して、着脱自在のソケット本体1を保持する。
上記ハンマー16は、スピンドル15を囲むリング域、スピンドル15に対して軸方向にスライド自在にされていると共に、ばね29によって軸方向前方へと付勢されている。
ハンマー16の内周面には、断面形状が逆V字型(略三角形)の溝30が設けられており、ハンマー16の先端面にはアンビル18と係合して回転動力をアンビル18に伝えると共に衝撃トルクをアンビル18に付与する打撃部(爪部)32が突設されている。一方、スピンドル15の外周面には軸方向に、V字型のカム溝31が設けられており、このカム溝31とハンマー16内の溝30間に挿入された鋼球33を介してハンマー16を回転する。この時、被締付物のボルト、ナットを回転させるための負荷トルクよりもハンマー16の回転トルクの方が小さいと、ハンマー16は、カム溝31に沿ってばね29を圧縮しつつ後退し、打撃部32がアンビル18との結合から離れた時点から、ハンマー16はアンビル18を乗り越え、更にハンマー16はばね29による付勢とカム溝31によるガイドを受けて、回転しつつ前進し、打撃部32で回転前方のアンビル18に衝撃トルクを与える。この衝撃トルクはソケット本体1へ伝わり、更にソケット本体1からボルト、ナットなどの締結部材に衝撃トルクを伝えて締付或いは締付解除を行う。
次に、本発明に従うソケット着脱機構について説明する。図1及び図2に示すように、ソケット本体1自体は、先に図26及び図27を参照して説明したような構造と同一なものが使用できる。従って、以下の本発明の説明では、ソケット本体1は図26及び図27と同一の部分は、同一符号を参照して説明する。ソケット本体1の先端側には、図示されない締結部材を締付けるためのボルト、ナットの種類に対応した断面形状が六角形などの角形状を持つ締付用角穴部1dが設けられている。また、その後端側には上記アンビル18の角形出力軸17が嵌合する四角形などの出力軸用角穴部1bを有する。アンビル18の出力軸17には、図3及び図4に示すように、弾性体部材(ホールドスプリング)50を配設するための溝部17cが設けられている。
弾性体部材50は、図5乃至図8に示されるように、付勢用弾性体部50bと係止用弾性体部50aとを備える。両者は、プレス成形によって加工され、単一の板状弾性体部材50により一体形成される。弾性体部材50はスリット(分離用溝)50cによって付勢用弾性体部50bと係止用弾性体部50aとに機械的に分離されており、係止用弾性体部50aには突起部50dが設けられている。付勢用弾性体部50bと係止用弾性体部50aの一端部は、共有部(固着部)50fを有し、この共有部50fは、ねじ51によってねじ穴50eを介して出力軸17のねじ穴17dに固定された固着部(ホールド部)を形成する。
図9に示されるように、付勢用弾性体部50bと係止用弾性体部50aとは共有部50fの面を基準にして90度以上の角度をもって折り曲げられている。即ち、アンビル18の回転軸方向を基準にした角度は、係止用弾性体部50aはθ1の角度をもち、付勢用弾性体部50bは角度θ1より大きな角度θ2をもつ。これら両者は、ねじ51によってアンビル18の先端に固着され、その溝17c内に配設される。そして、図2に示すように、出力軸17にソケット本体1が嵌合されたとき、付勢用弾性体部50bと係止用弾性体部50aの両者は弾性変形されて、ソケット本体1の角形穴部1bの内周面を押圧するように機能する。
図10及び図11に示されるように、ソケット本体1の角形穴部1bがアンビルの出力軸17に挿入されると、付勢用弾性体部50bは、弾性変形可能に出力軸17の溝17c内に配設されるので、ソケット本体1に矢印の方向の押圧力Fを与える。この押圧力Fは、角形出力軸17の回転方向と逆方向に付勢する。このとき、ホールドスプリング50の係止用弾性体部50aはその突起部50dがソケット本体1の係止用穴部1aに係合するので、弾性変形が解除されて、ソケット本体1を上方向に押圧することはない。
従って、上記のように、ホールスプリング50の付勢用弾性体部50bにて、ソケット本体1を図11に示す矢印の方向に押し上げ、且つ、ホールドスプリング50の係止用弾性体部50aはソケット1を上方向に押し上げない構造となるので、アンビル18の右回転方向に対して左回転方向にソケット1が付勢される。即ち、右回転締付用ボルトを使用した時、ソケット1は、逆方向の左回転方向に付勢される。その結果、アンビル18の四角形の角形出力軸17とソケット本体1の四角形穴部1bとの間に、がたつき、即ち、隙間が存在していても、四角形穴部1bは、その内周面において、予め出力軸17に圧接されることになり、打撃エネルギーをアンビル18からソケット1に効率良く伝えることができる。
図22は、インパクト工具により、ボルト、ナット締め付け打撃時にナットに印加されるトルクの時間変化を表す特性図である。(a)は上述した第1の従来例に従うインパクト工具を用いた特性図、(b)は本発明によるインパクト工具の特性図をそれぞれ示す。本発明によれば、従来は比較的長い時間でトルクの最大値が二分された特性を示したが、(b)に示す本発明によれば、比較的短時間で従来のトルクより大きな単発のトルクとなり、安定した締め付けトルクを得ることができた。従来のものに比べ、約2乃至3割のパワー損失が防止できた。
本発明によれば、ホールドスプリング50の係止用弾性体部50aに設けられた突起部50dがソケット1の係止用穴部(貫通穴)1aに係合しているために、インパクト工具の使用中に、ソケット1はアンビル18から脱落或いは離脱することはない。また、ホールドスプリング50の係止用弾性体部50aの端部に操作用接続体部50gが設けられており、操作用接続体部50gを図1に示す矢印52の方向に押し下げることによりホールドスプリング50の係止用弾性体部50aに設けられた突起部50dとソケット本体1の係止用穴部(貫通穴)1aとの係合が解除され、ソケット1の着脱が容易に行える。
次に、本発明の第2の実施形態に従うソケット着脱機構について、図12乃至図16を参照して説明する。上述したホールドスプリング50の付勢用弾性体部50bと係止用弾性体部50aを対とする二対(二組)を、ねじ穴50eを中心として180度の回転位置、即ち点対称位置に、一体形式に配設できる。即ち、図12乃至図14に示すように、単一の弾性体部材(ホールドスプリング)50に、スリット50cを2箇所、突起部50dを持った係止用弾性体部50aを2箇所、付勢用弾性体部50bを2箇所に設ける。そして、図16に示すように、角形出力軸17の対向する二つの外周面に溝部17cを2箇所設け、ホールドスプリング50をねじ51によって角形出力軸17の先端面に固定することによって係止用弾性体部50a及び付勢用弾性体部50bを各面の溝部17cに配設させる。これによって、アンビル18に対してソケット1の左回転方向への付勢をより強い確実なものとし、一方、ソケット1がアンビル18から抜け落ちることが防止される。
図17乃至図21は本発明の第3の実施形態を示す。付勢用弾性体部50bとして作用するホールドスプリング50を線状弾性体部材とし、付勢用弾性体部50bを端部に行くに従い外側に広がるように形成し、付勢用弾性体部50bの端部には角形出力軸17に固定するための係止用突起部50hを内側に突出するように設ける。更に角形出力軸17にホールドスプリング50の付勢用弾性体部50bを配設する溝部17cと、突起部50hが係止される係止用溝部17eとを設けることにより、アンビル18に対して左回転方向にソケット1の付勢を行うものである。また、右回転ボルトの緩め作業及び左回転ボルトの締付作業については、アンビル18に対してソケット1の右回転方向への付勢により、打撃エネルギーの伝達損失を防止できる。付勢を左右逆にするには、ホールドスプリング50の形状を左右逆にすることによって変更できる。
以上説明したように本発明によれば、ソケットとアンビルとのがたつきがなくなるために打撃エネルギーの伝達低下を防止でき、また、簡単な操作でソケットの着脱が可能となる。
本発明の第1の実施形態に係るインパクト工具の部分断面図。 本発明の第1の実施形態に係るソケット着脱機構の要部拡大部分断面図。 本発明の第1の実施形態に係るアンビルの側面図。 図3のBB線に沿うアンビルの部分断面図。 本発明の第1の実施形態に係る付勢用弾性体部と係止用弾性体部とを備える弾性体部材の平面図。 図5に示された弾性体部材の側面図。 図5に示された弾性体部材の破断側面図。 図5に示された弾性体部材の立面図。 図5に示された弾性体部材をアンビルに固着したときの構造断面図。 本発明の第1の実施形態に係るソケット着脱機構の要部拡大断面図。 図10のDD線に沿う断面図。 本発明の第2の実施形態に係る弾性体部材の側面図。 本発明の第2の実施形態に係る平面図。 図13のDD線に沿う断面図。 本発明の第2の実施形態に係るソケット着脱機構の要部断面図。 図15の断面図。 本発明の第3の実施形態に係る弾性体部材の平面図。 図17に示される弾性体部材の立面図。 本発明の第3の実施形態に係るソケット着脱機構の要部断面図。 図19の断面図。 本発明の第3の実施形態に係るソケット着脱機構の要部断面図。 トルクの時間変化を表す特性図で、(a)は従来例の特性図、(b)は本発明の特性図。 従来例に係るインパクト工具のソケット着脱機構の断面図。 図23のAA線に沿う断面図。 従来例に係るインパクト工具のアンビルの側面図。 従来例に係るインパクト工具のソケット本体の断面図。 従来例に係るインパクト工具のソケット本体の側面図。
符号の説明
1 ソケット本体(ソケット) 1a 係止用穴部(貫通穴) 1b 角形穴部
1c リング用周辺溝 1d 締結用角形穴部 2 弾性体リング
4 従来のインパクト工具本体 5 従来のアンビル
5a 係止用穴部(貫通穴) 5b 従来の角形出力軸 6 円筒形ピン
11 本発明のインパクト工具 12 インパクト工具本体(ハウジング)
13 モータ 14 動力伝達機構 15 スピンドル 16 ハンマー
17 アンビルの角形出力軸 17c 配設用溝部 17d ねじ穴
17e 係止穴部 18 アンビル 19 ハンドル部
20 トリガスイッチ 21 インナーカバー 22 モータの回転軸
23 ピニオンギヤ(サンギヤ) 24 遊星ギヤ
25 インターナルギヤ(リングギヤ) 26 ハンマーケース
27 ハンマーケース軸受 28 遊星ギヤ軸受 29 ばね
30 逆V字型溝 31 カム溝 32 打撃部(爪部) 33 鋼球
50 弾性体部材(ホールドスプリング) 50a 係止用弾性体部
50b 付勢用弾性体部 50c スリット(分離用溝) 50d 突起部
50e ねじ穴 50f 共有部(固着部) 50g 操作用接続体部
50h 係止用突起部 51 ねじ 52 矢印 F 押圧力

Claims (8)

  1. 駆動源となるモータと、
    前記モータにより回転するハンマーと、
    前記ハンマーにより回転打撃され、回転軸を横切る断面形状が角形である角形出力軸を有するアンビルと、
    前記角形出力軸を嵌合装着するための角穴を有するソケット本体と、を備えるインパクト工具であって、
    前記角形出力軸の軸方向に形成された溝内に設けられた弾性体部材であって、前記アンビルの角形出力軸に固定され、前記ソケット本体と前記角形出力軸との間に配置された弾性体部材を有し、
    前記角形出力軸に前記ソケット本体を嵌合装着したとき、前記弾性体部材により、前記ソケット本体を前記角形出力軸の回転方向と逆方向に付勢するように構成したことを特徴とするインパクト工具。
  2. 駆動源となるモータと、
    前記モータにより回転するハンマーと、
    前記ハンマーにより回転打撃され、回転軸を横切る断面形状が角形である角形出力軸を有するアンビルと、
    前記角形出力軸を嵌合装着するための角穴を有するソケット本体と、を備えるインパクト工具であって、
    前記アンビルの角形出力軸に固定され、前記ソケット本体と前記角形出力軸との間に配置された弾性体部材を有し、
    前記角形出力軸に前記ソケット本体を嵌合装着したとき、前記弾性体部材により、前記ソケット本体を前記角形出力軸の回転方向と逆方向に付勢するように構成すると共に、
    前記弾性体部材は、一端が前記アンビルの前端に固定され、中間部は前記アンビルと前記ソケット本体との間を延在し、他端は、前記アンビルの径方向外側に折り曲げて構成されることを特徴とするインパクト工具。
  3. 駆動源となるモータと、
    前記モータにより回転するハンマーと、
    前記ハンマーにより回転打撃され、回転軸を横切る断面形状が角形である角形出力軸を有するアンビルと、
    前記角形出力軸を嵌合装着するための角穴を有するソケット本体と、を備えるインパクト工具であって、
    前記アンビルの角形出力軸に固定され、前記ソケット本体と前記角形出力軸との間に配置された弾性体部材を有し、
    前記角形出力軸に前記ソケット本体を嵌合装着したとき、前記弾性体部材により、前記ソケット本体を前記角形出力軸の回転方向と逆方向に付勢するように構成すると共に、
    前記弾性体部材に突起を設け、前記ソケット本体に前記突起と係合する穴を設けたことを特徴とするインパクト工具。
  4. 駆動源となるモータと、
    前記モータにより回転力が伝達されるスピンドルと、
    前記スピンドルの回転軸方向に移動可能に取り付けられたハンマーと、
    前記ハンマーにより回転打撃され、回転軸を横切る断面形状が角形である角形出力軸を有するアンビルと、
    前記角形出力軸を嵌合装着するための角穴を有するソケット本体と、を備えたインパクト工具であって、
    前記アンビルの前記角形出力軸に固定され、前記ソケット本体と角形出力軸との間に配置された弾性体部材を有し、
    該弾性体部材は、角形出力軸に前記ソケット本体を嵌合装着したとき、前記角形出力軸と回転方向と逆方向に前記ソケット本体を付勢する付勢用弾性体部と、
    前記ソケット本体に設けられた穴部と係合する突起部を有し、前記ソケット本体を前記角形出力軸に係止する係止用弾性体部と、
    を備えたことを特徴とするインパクト工具。
  5. 請求項において、前記係止用弾性体部は、一端が前記角形出力軸に固着され、中間部は前記ソケット本体と前記角形出力軸との間を延在し、他端は前記アンビルの径方向外側に折り曲げられて構成され、前記他端を操作することにより、前記突起部と前記穴部との係合を解除できるようにしたことを特徴とするインパクト工具。
  6. 駆動源となるモータと、
    前記モータにより動力伝達機構を介して回転力が与えられるスピンドルと、
    前記スピンドルに取り付けられ、前記スピンドルの回転軸方向に移動可能に係合し、回転打撃力を与えるハンマーと、
    前記ハンマーによる回転打撃力で回転し、回転軸を横切る断面形状が角形である角形出力軸を有するアンビルと、
    前記アンビルの角形出力軸を嵌合装着するための角穴を有するソケット本体と、を備えるインパクト工具であって、
    前記ソケット本体に、該ソケット本体の前記角穴からその外周面に向かって係止用穴を形成し、
    前記角形出力軸の複数角面の少なくとも一面に、前記角形出力軸の回転軸方向に沿って溝を形成すると共に、
    一端が前記角形出力軸に固着され、前記溝に沿って配設された弾性体部材を設け、
    該弾性体部は、前記係止用穴に係合する突起部を有し、前記角形出力軸に前記ソケット本体を嵌合装着するとき前記係止用穴に前記係止用弾性体部の突起部を係合させ、
    前記弾性体部の他端側に、前記角形出力軸の回転軸方向に対し垂直方向に延びる操作用接続体部を設け、該操作用接続体部の押圧により前記弾性体部を弾性変形させて前記係止用穴と前記弾性体部の突起部との係合を解除させることを特徴とするインパクト工具。
  7. 前記アンビルの角形出力軸の複数角面の対向する二つの面に、それぞれ前記弾性体部を設けると共に、前記ソケット本体の対向する二つの内周面にそれぞれ係止用穴を形成したことを特徴とする請求項記載のインパクト工具。
  8. 前記複数角面に設けられた弾性体部は、板状弾性部材により一体形成されていることを特徴とする請求項記載のインパクト工具。
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