JP7381840B2 - H形鋼の冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、H形鋼を製造する際、仕上げ圧延後などにH形鋼を冷却する冷却装置に関するものである。
小梁などに使用されるH形鋼には、ウェブ厚が薄く、ウェブ厚に対するフランジ厚の比(以下、「フランジ厚/ウェブ厚比」という。)が1.5以上であるものがある。このようなH形鋼では、製造過程において、ウェブ厚とフランジ厚の差に起因する冷却速度差により、ウェブとフランジとの間で冷却時における変態膨張や熱収縮のタイミングにずれが生じ、ウェブに波状の形状不良が発生することがある。
このような形状不良を抑制するためには、フランジとウェブが交差するフィレット部の冷却方法が重要である。フィレット部は最も冷却速度が遅いためである。
特許文献1には、H形鋼の製造ラインでH形鋼を冷却する冷却装置であって、フランジのフィレット部付近に冷却水を噴きつけるためのフィレット部用ノズルと、フランジ全幅に冷却水を噴きつけるためのフランジ全幅用ノズルと、が交互に配設された装置が開示されている。なお、特許文献1の冷却装置では、フィレット部用ノズルから噴射された冷却水のフランジへの衝突領域と、フランジ全幅用ノズルから噴射された冷却水のフランジへの衝突領域とが重ならないように、これらのノズルが交互に配設されている。
また、特許文献2に開示のH形鋼の冷却装置は、H形鋼を搬送するローラテーブル上の両側端部近傍に配置されたサイドガイドと直交して所定のピッチで複数のスプレーノズルが設けられている。また、この冷却装置は、スプレーノズルから噴射された冷却水をサイドガイドに設けられたスリット状の貫通穴を通してローラテーブル上のH形鋼のフランジ部に供給して当該フランジ部を冷却する。そして、この冷却装置では、サイドガイドに設けられた貫通穴のH形鋼のフィレット部に対応する位置に水透過性を有する水分散板が設けられており、当該水分散板が上下に移動可能に構成されている。
特開昭62-174326号公報 特開平8-174039号公報
しかし、特許文献1の冷却装置では、フィレット部用ノズルからの冷却水の衝突領域と、フランジ全幅用ノズルからの冷却水の衝突領域とが重なっていないため、フィレット部用ノズルからの冷却水で冷却されたフィレット部が、フランジ全幅用ノズルから噴射された冷却水での冷却時に、復熱してしまう。したがって、フィレット部を所望の温度まで冷却するために冷却長を長くする必要があり、冷却装置が大型化してしまう。さらに、冷却長が長いと、ウェブの冷却がフランジの冷却より先に終了してしまい、形状不良を防ぐことができない。
また、特許文献2の冷却装置は、水分散板を有するサイドガイドが設けられているため、装置構成が複雑であり、メンテナンス面で改善の余地がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ウェブが薄く且つフランジ圧/ウェブ厚比が1.5以上のH形鋼であっても、形状不良が発生しないように冷却することが可能な冷却装置であって、冷却長が短くメンテナンスが容易な装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、7mm以下のウェブ厚に対するフランジ厚の比が1.5以上であり搬送されるH形鋼を冷却する冷却装置であって、前記H形鋼のフランジの外面へ冷却水を噴射する冷却水ノズルを前記H形鋼の搬送方向に連なるように有し、前記冷却水ノズルそれぞれは、冷却水の噴射角が小さいフィレット用噴出孔と前記噴射角が大きい広域用噴出孔とを有する多孔スプレーノズルであり、前記フィレット用噴出孔は、冷却水の衝突領域を、前記H形鋼のフランジのフィレット部に形成、前記広域用噴出孔は、前記フィレット用噴出孔が形成している冷却水の衝突領域全体を含み且つ当該衝突領域より広い冷却水の衝突領域を、前記H形鋼のフランジに形成し、前記冷却水ノズルそれぞれにおける前記フィレット用噴出孔と前記広域用噴出孔とは、当該フィレット用噴出孔からの冷却水によって前記フィレット部を冷却した時に当該広域用噴出孔からの冷却水によって前記フィレット部の周囲が冷却されるよう、設けられていることを特徴とする。
冷却装置は、前記フィレット用ノズルと前記広域用ノズルとは一体化されていてもよい。
冷却装置は、前記一対の冷却水ノズルを上下に移動させる移動機構を有していてもよい。
冷却装置は、前記一対の冷却水ノズルからの冷却水の噴射角度を調整する噴射角調整機構を有していてもよい。
冷却装置は、前記一対の冷却水ノズルを、噴射軸を中心に回動させる回動機構を有していてもよい。
冷却装置は、前記広域用ノズルから噴射された冷却水から、前記H形鋼のフランジ外面の上部を遮蔽する遮蔽板を有していてもよい。
本発明によれば、冷却長が短くメンテナンスが容易な冷却装置で、ウェブが薄く且つフランジ圧/ウェブ厚比が1.5以上のH形鋼を、形状不良が発生しないように冷却することができる。
本発明の第1実施形態に係る冷却装置を備えた熱間圧延設備の構成の概略を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る冷却装置の概略を示す側面図である。 図2のA-A線から見た水冷帯の断面図である。 図3のB-B線から見たノズルヘッダの側面図である。 図3の冷却水ノズルの先端の平面図である。 図3の冷却水ノズルがH形鋼のフランジ外面に形成する冷却水の衝突領域を説明するための図である。 仕上圧延後のH形鋼の温度の時間変化を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る冷却装置の水冷機構2を示す断面図である。 冷却水ノズルの他の例を示す図である。 比較例1での冷却に用いた冷却水ノズルの配置を説明するための図である。 比較例2での冷却に用いた冷却水ノズルの配置を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を、図を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、H形鋼の圧延設備1の構成の概略を示す説明図である。圧延設備1は、搬送方向順に、スラブを加熱する加熱炉2、加熱炉2で加熱されたスラブを略H形状に圧延する粗圧延機3、さらに製品形状に近いH形状に圧延する中間圧延機4、製品形状に仕上げ圧延する仕上圧延機5、仕上圧延機5により仕上げ圧延されたH形鋼10を所定の温度まで冷却する冷却装置6を備えている。H形鋼10は、冷却装置6で冷却された後、放冷される。圧延設備1は、さらに、放冷されたH形鋼10を所定の長さに鋸断する鋸断装置7を備えている。なお、上記の圧延設備1は一般的な設備構成であって、本発明が適用されるH形鋼の圧延設備はこれに限るものではない。本発明の冷却装置6が適用されるH形鋼は、例えばフランジ幅が概ね200mm程度、ウェブ高さが概ね500mm程度、鋼材長さが60~90m程度のH形鋼であり、特に、ウェブ厚が5mm以上9mm以下、フランジ厚/ウェブ厚比が1.5以上であるH形鋼を主な対象とする。
(第1実施形態)
図2は、本発明の第1実施形態に係る冷却装置6を示す側面図であり、図3は、図2のA-A線から見た断面図である。図4は、図3のB-B線から見た側面図である。図5は、後述の冷却水ノズル41の先端の平面図である。図6は、後述の冷却水ノズル41がH形鋼10のフランジ外面に形成する冷却水の衝突領域を説明するための図である。
冷却装置6は、図2および図3に示すように、搬送ローラ8により搬送されるH形鋼10が水冷帯20を通過する間、フランジ11を水冷する水冷機構21を備えている。なお、水冷帯20は、後述するノズル41から供給された冷却水がフランジ11に衝突する際の、当該フランジ11における冷却水の衝突領域の搬送方向最前部から最後部までの領域である。水冷帯20の長さは、例えば15~25mである。また、冷却装置6では、H形鋼10のウェブ12については冷却水を用いた冷却は行わない。
水冷機構21は、H形鋼10のフランジ11の外側となる位置に、搬送方向に延びるノズルヘッダ31を有する。ノズルヘッダ31には冷却水が供給される。また、ノズルヘッダ31には、図4に示すように、複数の冷却水ノズル41が設けられ、ノズルヘッダ31に供給された冷却水は、各冷却水ノズル41から、H形鋼10のフランジ11の外面へ噴射される。
冷却水ノズル41は、搬送方向に連なるように設けられている。各冷却水ノズル41は、図5に示すように、冷却水の噴射角が互いに異なる2つの噴出孔42、43を有する多孔スプレーノズルである。以下では、噴出孔42、43のうち、噴射角が小さい噴出孔42をフィレット用噴出孔42、噴射角が大きい噴出孔43を広域用噴出孔43ということがある。
噴射角が小さいフィレット用噴出孔42からの冷却水は、H形鋼10のフランジ11のフィレット部13に吹き付けられる。つまり、フィレット用噴出孔42は、図6に示すように、冷却水の衝突領域R1をフィレット部13に形成する。
一方、噴射角が大きい広域用噴出孔43からの冷却水は、フランジ11の略全幅に吹き付けられる。広域用噴出孔43からの冷却水が吹き付けられる領域には、当該噴出孔43と同じ冷却水ノズル41に設けられているフィレット用噴出孔42からの冷却水が衝突する領域が含まれる。つまり、広域用噴出孔43は、当該噴出孔43と対になるフィレット用噴出孔42が形成している冷却水の衝突領域R1全体を含み且つ当該衝突領域R1より広い冷却水の衝突領域R2を、フランジ11に形成する。本例では、広域用噴出孔43がフランジ11に形成する冷却水の衝突領域R2は、フランジ11の略全幅に広がっており、フィレット用噴出孔42がフランジ11に形成する冷却水の衝突領域R1と同心である。また、フィレット用噴出孔42からは、例えばストレートノズルやフルコーンノズルからと同様に冷却水が噴射され、広域用噴出孔43からは、例えばフラットスプレーノズルからと同様に冷却水が噴射される。
なお、ノズルヘッダ31から冷却水ノズル41に供給される冷却水の単位時間当たりの量は、例えば、十分なフィレット部13の冷却効果が得られると共にフランジ11に噴き付けられた冷却水がフランジ11を超えてウェブ12に流れ込むことがない量とされる。
フィレット用噴出孔42及び広域用噴出孔43に供給される冷却水の単位時間当たりの量は、ノズルヘッダ31が共通であるため、同じである。したがって、噴射角が小さいフィレット用噴出孔42がフランジ11に形成する冷却水の衝突領域R1は、噴射角が大きい広域用噴出孔43がフランジ11に形成する冷却水の衝突領域R2に比べ、冷却水の水量密度(水冷面における単位面積あたりの冷却水量;m/min/m)が大きく、すなわち、冷却能力が高い。
水冷機構21は、さらに、図3に示すように、冷却水ノズル41を、その噴射軸Pを中心に回動させるノズル回動機構51を有する。このノズル回動機構51により、冷却水ノズル41の捻り角θ1すなわち衝突領域R2(及び衝突領域R1)の角度θ1(図6参照)を変更することができる。ノズル回動機構51は例えばモータなどから構成される。また、例えばこのノズル回動機構51を介して冷却水ノズル41がノズルヘッダ31に取り付けられている。
さらにまた、水冷機構21は、図2に示すように、移動機構としてのヘッダ移動機構52を有する。ヘッダ移動機構52は、例えば、モータなどから構成される駆動部53と、一端部がノズルヘッダ31に接続され他端部が駆動部53に接続された支持部材54とを、それぞれ複数有する。駆動部53の駆動により、ノズルヘッダ31が上下動し、それに伴い、冷却水ノズル41も上下動する。
また、水冷機構21は、噴射方向調整機構としてのヘッダ回動機構55を有する。ヘッダ回動機構55は例えばモータなどから構成される。このヘッダ回動機構55は、搬送方向に延びるノズルヘッダ31の軸を中心に当該ノズルヘッダ31を回動させ、これにより、冷却水ノズル41からの冷却水の噴射方向、すなわち、冷却水ノズル41の傾き角θ2(図3参照)を調整するものである。
以上のように、冷却装置6では、冷却水ノズル41が、冷却水の衝突領域R1をH形鋼10のフランジ11のフィレット部13に形成すると共に、当該衝突領域R1全体を含み且つ当該衝突領域R1より広い冷却水の衝突領域R2をフランジ11に形成する。そのため、冷却水ノズル41によってフランジ11のフィレット部13を冷却した時にフランジ11における当該フィレット部13の周囲も冷却される。
ところで、冷却水ノズル41によってフランジ11のフィレット部13を冷却した後、当該冷却水ノズル41に隣接する別の冷却水ノズル41によってフィレット部13が冷却されるまでの間に、当該フィレット部13は復熱する。上述のように、冷却装置6では、冷却水ノズル41によってフランジ11のフィレット部13を冷却した時にフランジ11における当該フィレット部13の周囲も冷却されるため、復熱時のフィレット部13の温度変化が小さい。そのため、水冷帯20の長さが短くても、すなわち、冷却長が短くても、フィレット部13を所望の温度まで冷却することができる。よって、冷却装置6によれば、形状不良のないようにH形鋼10を冷却することができ、高品質なH形鋼10を製造することができる。
図7は、本発明の作用効果を、より具体的に説明するための図であり、仕上圧延後のH形鋼10の温度の時間変化を模式的に示す図である。図7では、縦軸がH形鋼10の温度、横軸が時間を示している。
冷却装置6によれば、前述のように、H形鋼10のフランジ11のフィレット部13を所望の温度まで冷却することができる。そのため、図7に示すように、冷却装置6による冷却後の(より具体的には冷却装置6の冷却が完了し、その後に復熱した後の)、フィレット部13の温度が、ウェブ12の温度と略同じになる。したがって、冷却装置6による冷却されたH形鋼10を放冷する際に、ウェブ12とフィレット部13とは略同じタイミングで冷却が終了するため、ウェブ12に波状の形状不良が発生するのを防ぐことができる。よって、冷却装置6によれば、形状不良のない、高品質なH形鋼10を製造することができる。
なお、冷却装置6によるH形鋼10の冷却時間は、例えば5秒程度である。
さらに、冷却装置6では、特許文献2の冷却装置のような、水分散板を有するサイドガイドなどが不要であるため、装置構成が簡易である。したがって、冷却装置6の製造コストを低下させ、冷却装置6のメンテナンス性を向上させることができる。
なお、冷却装置6において、冷却水ノズル41の配置は、各冷却水ノズル41からの冷却水が干渉し合わない程度において、広域用噴出孔43がフランジ11に形成する冷却水の衝突領域R2が、搬送方向に関し、隙間なく並ぶ配置とすることが好ましい。これにより、フィレット用噴出孔42が形成する冷却水の衝突領域R1の間隔が狭くなり、冷却長が短くても、フィレット部13を所望の温度までより確実に冷却することができる。
また、冷却装置6では、1本の冷却水ノズル41に、フィレット用噴出孔42及び広域用噴出孔43の両方が設けられている。冷却装置6の冷却水ノズル41は、言い換えると、フィレット用噴出孔42を有する冷却水ノズルであるフィレット用ノズルと、広域用噴出孔43を有する冷却水ノズルである広域用ノズルと、を含む一対の冷却水ノズルが、一体化されたものである。したがって、冷却装置6によれば、冷却水ノズルの本数の増加を防ぐことができ、装置構成の複雑化を防ぐことができる。よって、冷却装置6の製造コストの増加や冷却装置6のメンテナンス性の低下を防ぐことができる。
さらに、冷却装置6は、上述のようにノズル回動機構51を有しており、H形鋼10のフランジ幅に合わせて、冷却水ノズル41をその噴射軸を中心に回動させることができ、広域用噴出孔43が形成する冷却水の衝突領域R2の角度θ1を調整することができる。したがって、冷却水がフランジ11を超えてウェブ12に流れ込むことを防ぎつつH形鋼10のフランジ11の略全幅を冷却することを、フランジ幅によらず行うことができる。また、前述のように、冷却水ノズル41の配置は、広域用噴出孔43により形成される冷却水の衝突領域R2が、搬送方向に関し、隙間なく並ぶ配置とすることが好ましいところ、この冷却水ノズル41の配置を採用した場合に、冷却水の衝突領域R2の角度θ1を調整することで、冷却水ノズル41の本数を減らすことができる。したがって、冷却装置6の製造コストを削減し冷却装置6のメンテナンス性を向上させることができる。
冷却装置6は、上述のように、ヘッダ移動機構52を有しており、冷却水ノズル41を上下動させることができる。また、冷却装置6は、上述のように、ヘッダ回動機構55を有しており、冷却水ノズル41からの冷却水の噴射方向を調整することができる。このように、冷却水ノズル41を上下動させたり、冷却水ノズル41からの冷却水の噴射方向を調整したりすることができるため、H形鋼10の寸法に合わせて、冷却水のフランジ11への噴き付け位置を調整することで、H形鋼10の寸法によらず当該H形鋼10の冷却を適切に行うことができる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係る冷却装置6の水冷機構21aを示す断面図である。
図の水冷機構21aは、図3の水冷機構21の構成に加えて、冷却水ノズル41の広域用噴出孔43から噴射された冷却水から、H形鋼10のフランジ11の外面の上部を遮蔽する遮蔽板60を有する。したがって、本実施形態によれば、冷却水ノズル41からの冷却水がフランジ11を超えてウェブ12に流れ込むことを確実に防ぐことができ、ウェブ12の過冷却を確実に防ぐことができる。また、冷却水ノズル41からの冷却水の水量密度を増加させても、遮蔽板60によって、上記冷却水のウェブ12への流れ込みを確実に防ぐことができる。したがって、冷却長が短くても、フィレット部13を所望の温度までより確実に冷却することができる。
図9は、冷却水ノズルの他の例を示す図である。
前述の例では、フィレット用噴出孔42を有する冷却水ノズルであるフィレット用ノズルと、広域用噴出孔43を有する冷却水ノズルである広域用ノズルと、を含む一対の冷却水ノズルが、一体化されていた。
これに替えて、図に示すように、上記フィレット用ノズル71と上記広域用ノズル72とを独立して設け、これらを近接配置してもよい。なお、この場合、フィレット用ノズル71と広域用ノズル72とを含む一対の冷却水ノズル70が搬送方向に沿って連なるように設けられる。
この場合、フィレット用ノズル71と広域用ノズル72とで、図に示すように共通のノズルヘッダ31を用いてもよいし、別々のノズルヘッダを用いるようにしてもよい。
ただし、共通のノズルヘッダ31を用いることで装置構成の複雑化を防ぐことができる。
なお、以上の例の冷却装置6は、仕上圧延後にH形鋼10のフランジ11を冷却していたが、本発明にかかる冷却装置は、仕上圧延中のH形鋼10の冷却にも用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
実施例1及び実施例2では、本発明の第1実施形態にかかる冷却装置6を用いてH形鋼を冷却し、その後放冷し、そして、放冷後のH形鋼について、ウェブ波を測定した。その結果を表1に示す。なお、表1におけるウェブ波高さとは、当該H形鋼内における最も大きい凸部の頂面と最も小さい凹部の底面との高低差をいう。また、表1における放冷時のウェブ波高さとは、各例のH形鋼を水冷せずに放冷のみで冷却したときのウェブ波高さである。
Figure 0007381840000001
実施例1で用いられたH形鋼は、ウェブ厚が7mm、フランジ厚/ウェブ厚比が1.5である。実施例2で用いられたH形鋼は、ウェブ厚が6mm、フランジ厚/ウェブ厚比が1.5である。また、水量密度は、実施例1が2m/min/mであり、実施例2が1m/min/mである。なお、実施例1、2における水量密度は、冷却水の総水量(フィレット用ノズル71からの水量と広域用ノズル72からの水量との和)を衝突領域R2の面積で割った値である。さらに、実施例1及び実施例2では、以下の共通の条件を採用した。
鋼材幅方向のノズル先端間距離:800mm
冷却水ノズル41の本数:12本
冷却水ノズル41の捻り角θ1(図6参照):30°
冷却水ノズル41の傾き角θ2(図3参照):19°
なお、比較例1として、図10に示すように、フランジ11の外面の略全体が円形の冷却水の衝突領域R11で覆われるように、冷却水ノズルを70本配置し、冷却を行い、同様にウェブ波を測定した。
また、比較例2では、図11に示すように、フランジ11のフィレット部13に対し円形の冷却水の衝突領域R12が形成され、フィレット部13のみが集中的に冷却されるように、冷却水ノズルを19本配置し、冷却を行い、同様にウェブ波を測定した。
なお、比較例1で用いられたH形鋼は、ウェブ厚が7mm、フランジ厚/ウェブ厚比が1.5である。比較例2で用いられたH形鋼は、ウェブ厚が5mm、フランジ厚/ウェブ厚比が1.5である。また、水量密度は、比較例1が1m/min/mであり、比較例2が2m/min/mである。さらに、比較例1及び比較例2では、ノズル先端からH形鋼のフランジ外面までの距離は300mmで共通した。
また、実施例1、2、比較例1、2の全てにおいて、H形鋼のウェブ高さは500mm、フランジ幅は200mm、鋼材長さは2000mmであった。
表1に示すように、比較例1のようにフランジ全体を略均一に冷却する方法では、ウェブ波高さを十分に低くすることはできなかった。それに対し、比較例2と実施例1、2ではウェブ波高さを十分に低くすることができていた。特に、実施例1、2では、比較例2に比べて、冷却水ノズルの本数が略半数であっても、ウェブ波高さを十分に低くすることができた。
本発明は、小梁などに使用されるH形鋼であって、ウェブ厚が小さくフランジ厚/ウェブ厚比が1.5以上であるものを冷却する技術に適用できる。
1 圧延設備
2 加熱炉
3 粗圧延機
4 中間圧延機
5 仕上圧延機
6 冷却装置
7 鋸断装置
8 搬送ローラ
10 H形鋼
11 フランジ
12 ウェブ
13 フィレット部
20 水冷帯
21、21a 水冷機構
31 ノズルヘッダ
41 冷却水ノズル
42 フィレット用噴出孔
43 広域用噴出孔
51 ノズル回動機構
52 ヘッド移動機構
53 駆動部
54 支持部材
55 ヘッド回動機構
60 遮蔽板
70 一対の冷却水ノズル
71 フィレット用ノズル
72 広域用ノズル
R1、R2 冷却水の衝突領域

Claims (5)

  1. 7mm以下のウェブ厚に対するフランジ厚の比が1.5以上であり搬送されるH形鋼を冷却する冷却装置であって、
    前記H形鋼のフランジの外面へ冷却水を噴射する冷却水ノズルを前記H形鋼の搬送方向に連なるように有し、
    記冷却水ノズルそれぞれは、冷却水の噴射角が小さいフィレット用噴出孔と前記噴射角が大きい広域用噴出孔とを有する多孔スプレーノズルであり、
    前記フィレット用噴出孔は、冷却水の衝突領域を、前記H形鋼のフランジのフィレット部に形成
    前記広域用噴出孔は、前記フィレット用噴出孔が形成している冷却水の衝突領域全体を含み且つ当該衝突領域より広い冷却水の衝突領域を、前記H形鋼のフランジに形成し、
    前記冷却水ノズルそれぞれにおける前記フィレット用噴出孔と前記広域用噴出孔とは、当該フィレット用噴出孔からの冷却水によって前記フィレット部を冷却した時に当該広域用噴出孔からの冷却水によって前記フィレット部の周囲が冷却されるよう、設けられていることを特徴とする、H形鋼の冷却装置。
  2. 記冷却水ノズルを上下に移動させる移動機構を有することを特徴とする、請求項1に記載のH形鋼の冷却装置。
  3. 記冷却水ノズルからの冷却水の噴射角度を調整する噴射角調整機構を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のH形鋼の冷却装置。
  4. 記冷却水ノズルを、噴射軸を中心に回動させる回動機構を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のH形鋼の冷却装置。
  5. 前記広域用噴出孔から噴射された冷却水から、前記H形鋼のフランジ外面の上部を遮蔽する遮蔽板を有する、請求項1~のいずれか1項に記載のH形鋼の冷却装置。
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