JPH05255741A - 薄肉ウエブを備えたh形鋼の製造方法 - Google Patents
薄肉ウエブを備えたh形鋼の製造方法Info
- Publication number
- JPH05255741A JPH05255741A JP5533392A JP5533392A JPH05255741A JP H05255741 A JPH05255741 A JP H05255741A JP 5533392 A JP5533392 A JP 5533392A JP 5533392 A JP5533392 A JP 5533392A JP H05255741 A JPH05255741 A JP H05255741A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 H形鋼の製造過程のとくに冷却過程で生じる
ウエブ波の発生を防止する。 【構成】 熱間圧延機と冷却手段とを組み合わせた製造
設備を使用して、薄肉ウエブを備えたH形鋼を製造する
に当たり、Sの含有量が0.008 wt%以下の素材を用いる
ものとする。
ウエブ波の発生を防止する。 【構成】 熱間圧延機と冷却手段とを組み合わせた製造
設備を使用して、薄肉ウエブを備えたH形鋼を製造する
に当たり、Sの含有量が0.008 wt%以下の素材を用いる
ものとする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】近年来H形鋼製品について、ウエ
ブの薄肉化の要望が主として建築構造物用材の分野で強
まっている。この発明は、薄肉ウエブを備えたH形鋼の
製造方法に関し、とくに該H形鋼の最終圧延後の冷却過
程でしばしはウエブに発生する波状の凹凸、いわゆるウ
エブ波を効果的に回避しようとするものである。
ブの薄肉化の要望が主として建築構造物用材の分野で強
まっている。この発明は、薄肉ウエブを備えたH形鋼の
製造方法に関し、とくに該H形鋼の最終圧延後の冷却過
程でしばしはウエブに発生する波状の凹凸、いわゆるウ
エブ波を効果的に回避しようとするものである。
【0002】ここで、上記の薄肉ウエブを備えたH形鋼
とは、フランジ厚さ/ウエブ厚さ比(以下単に「TF /
TW 」で示す。)が2以上で、ウエブ高さ/ウエブ厚さ
比(以下単に「HW /TW 」で示す。)が65以上になる
H形鋼が該当する。
とは、フランジ厚さ/ウエブ厚さ比(以下単に「TF /
TW 」で示す。)が2以上で、ウエブ高さ/ウエブ厚さ
比(以下単に「HW /TW 」で示す。)が65以上になる
H形鋼が該当する。
【0003】
【従来の技術】薄肉ウエブを備えたH形鋼は、ウエブ厚
さとフランジの厚さの違いから同一の条件で冷却しても
冷却速度が大きく異なるため、最終圧延後の冷却過程で
ウエブ波が生じやすい。このため、通常は冷却開始前温
度と目標とする冷却終了温度に応じて冷却水量や圧延材
の搬送速度を調整してウエブ温度とフランジ温度との差
を特定の温度範囲に収める温度調整を行っていた。しか
しながら、かかる冷却手法は圧延材の成分によっては冷
却速度が大きく変化するため、鋼種に応じた目標冷却終
了温度に制御するのは困難であって、従来技術のもとで
はウエブ波の発生が回避できないのが現状であった。
さとフランジの厚さの違いから同一の条件で冷却しても
冷却速度が大きく異なるため、最終圧延後の冷却過程で
ウエブ波が生じやすい。このため、通常は冷却開始前温
度と目標とする冷却終了温度に応じて冷却水量や圧延材
の搬送速度を調整してウエブ温度とフランジ温度との差
を特定の温度範囲に収める温度調整を行っていた。しか
しながら、かかる冷却手法は圧延材の成分によっては冷
却速度が大きく変化するため、鋼種に応じた目標冷却終
了温度に制御するのは困難であって、従来技術のもとで
はウエブ波の発生が回避できないのが現状であった。
【0004】この点に関する文献としは例えば特開平3
-271320 号公報が参照される。
-271320 号公報が参照される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、H
形鋼の圧延後の冷却過程で生じるウエブ波を効果的に回
避できる方法を提案するところにある。
形鋼の圧延後の冷却過程で生じるウエブ波を効果的に回
避できる方法を提案するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、とくに、圧
延に供する素材の成分のとくにSをコスト上昇を招かな
い範囲で低減して該素材に生成する熱間スケールの厚さ
を薄くし、これによって冷却過程での冷却水の噴霧供給
による冷却効率、とくにフランジ表面での冷却効率を高
め素材の全域にわって均一な冷却を実現しようとするも
のである。
延に供する素材の成分のとくにSをコスト上昇を招かな
い範囲で低減して該素材に生成する熱間スケールの厚さ
を薄くし、これによって冷却過程での冷却水の噴霧供給
による冷却効率、とくにフランジ表面での冷却効率を高
め素材の全域にわって均一な冷却を実現しようとするも
のである。
【0007】すなわちこの発明は、熱間圧延機と冷却手
段とを組み合わせた製造設備を使用して、薄肉ウエブを
備えたH形鋼を製造するに当たり、Sの含有量が0.008
wt%以下の素材を用いることを特徴とする薄肉ウエブを
備えたH形鋼の製造方法である。
段とを組み合わせた製造設備を使用して、薄肉ウエブを
備えたH形鋼を製造するに当たり、Sの含有量が0.008
wt%以下の素材を用いることを特徴とする薄肉ウエブを
備えたH形鋼の製造方法である。
【0008】さて、図1にこの発明を実施するのに用い
て好適な製造設備の構成をその平面で示し、図における
番号1は粗圧延機 (ユニバーサルミル) 、2は粗圧延機
1の出側に配置されたエッジングミル、3は仕上げ圧延
機 (ユニバーサルミル) であって、この仕上げ圧延機3
の入側及び出側には圧延素材のフランジに冷却水を噴霧
供給して強制冷却する冷却ゾーンCi , Co が配置され
る。
て好適な製造設備の構成をその平面で示し、図における
番号1は粗圧延機 (ユニバーサルミル) 、2は粗圧延機
1の出側に配置されたエッジングミル、3は仕上げ圧延
機 (ユニバーサルミル) であって、この仕上げ圧延機3
の入側及び出側には圧延素材のフランジに冷却水を噴霧
供給して強制冷却する冷却ゾーンCi , Co が配置され
る。
【0009】
【作用】転炉で溶製した表1に示す如き組成になる鋼を
連続鋳造によってビームブランクに鋳造し、その後上掲
図1に示したような設備にてウエブ高さ500 mm,フラン
ジ幅150 mm, フランジ厚さ16mm, ウエブ厚さ6mmのH形
鋼に仕上げた場合における素材中のS含有量の影響につ
き、冷却水量及び搬送速度を同一にして調査した結果を
図2に示す。
連続鋳造によってビームブランクに鋳造し、その後上掲
図1に示したような設備にてウエブ高さ500 mm,フラン
ジ幅150 mm, フランジ厚さ16mm, ウエブ厚さ6mmのH形
鋼に仕上げた場合における素材中のS含有量の影響につ
き、冷却水量及び搬送速度を同一にして調査した結果を
図2に示す。
【0010】
【表1】
【0011】図2より明らかな如く、素材に含有される
Sの含有量0.008 %を境界にしてフランジの温度効果指
数、フランジのスケール厚が顕著に相違することが明ら
かである。
Sの含有量0.008 %を境界にしてフランジの温度効果指
数、フランジのスケール厚が顕著に相違することが明ら
かである。
【0012】この発明で使用する素材のとくにSの含有
量を0.008 wt% (以下単に%で示す。) 以下に規制する
こととしたが、これによって、素材の地鉄−スケール
(組成FeO)界面に形成されるFeS (FeSは熱間ではスケ
ール・地鉄界面に溶融相を形成するためスケールの剥離
性を低下させる。) の生成量を低減して熱間圧延中に生
成される断熱作用のあるスケールの厚さを薄することが
可能で、フランジ表面における冷却効率を高めることが
でき、しかもウエブとの温度差はスケール厚さが薄くな
った分だけ小さくなり、目標とする温度域への制御性も
改善される。なお、素材中のSは製鋼段階で低減する
が、Sの含有量が5ppm 以下では脱Sコストがかさむた
めこの発明で目指したような効果が得られたとしても経
済的に見合わないこととなるので、その下限については
5ppm 程度としておくのが好ましい。
量を0.008 wt% (以下単に%で示す。) 以下に規制する
こととしたが、これによって、素材の地鉄−スケール
(組成FeO)界面に形成されるFeS (FeSは熱間ではスケ
ール・地鉄界面に溶融相を形成するためスケールの剥離
性を低下させる。) の生成量を低減して熱間圧延中に生
成される断熱作用のあるスケールの厚さを薄することが
可能で、フランジ表面における冷却効率を高めることが
でき、しかもウエブとの温度差はスケール厚さが薄くな
った分だけ小さくなり、目標とする温度域への制御性も
改善される。なお、素材中のSは製鋼段階で低減する
が、Sの含有量が5ppm 以下では脱Sコストがかさむた
めこの発明で目指したような効果が得られたとしても経
済的に見合わないこととなるので、その下限については
5ppm 程度としておくのが好ましい。
【0013】この発明では、使用する素材の成分組成と
して、C:0.03〜0.25%, Si:0.50%以下, Mn:0.40〜
1.60%, P:0.35%以下, S:0.008 以下, Al:0.001
〜0.050 %の範囲で含有するものが有利に適合する。
して、C:0.03〜0.25%, Si:0.50%以下, Mn:0.40〜
1.60%, P:0.35%以下, S:0.008 以下, Al:0.001
〜0.050 %の範囲で含有するものが有利に適合する。
【0014】また、この発明では、H形鋼に要求される
材質特性、例えば強度保証、靭性保証、あるいは耐候性
等の観点から必要に応じて、 Nb :0.005 〜0.050 %,
Ti:0.005 〜0.050 %, Ni:0.10〜0.50%, Mo:0.6 %
以下, V:0.010 〜0.100 %, Cu:0.10〜0.50%, Cr:
0.6 %以下, N:0.0100以下の少なくとも一種を添加す
るこができ、これらの添加がこの発明の効果に何ら悪影
響を与えるものではない。
材質特性、例えば強度保証、靭性保証、あるいは耐候性
等の観点から必要に応じて、 Nb :0.005 〜0.050 %,
Ti:0.005 〜0.050 %, Ni:0.10〜0.50%, Mo:0.6 %
以下, V:0.010 〜0.100 %, Cu:0.10〜0.50%, Cr:
0.6 %以下, N:0.0100以下の少なくとも一種を添加す
るこができ、これらの添加がこの発明の効果に何ら悪影
響を与えるものではない。
【0015】
【実施例】表2に示すごとき成分組成になる各種の素材
を用い、上掲図1に示した設備を適用して圧延条件:粗
圧延機での圧延開始温度1000℃,圧延終了温度940 ℃,
各パス平均圧下率15%,冷却条件:冷却開始温度(Ci入
側)930 ℃,冷却終了温度(Co 出側)600℃,平均冷却速
度4℃/sのもとサイズH550 ×200 ×6×16mmになる薄
肉ウエブを備えたH形鋼を製造し、得られた製品につい
てのウエブ波の発生状況について調査した。その結果、
この発明に従えばフランジ表面での冷却効率が極めて良
好であって、精度の高い制御が可能であって、製品品質
に悪影響を与えるような変形は全く見られなかった。
を用い、上掲図1に示した設備を適用して圧延条件:粗
圧延機での圧延開始温度1000℃,圧延終了温度940 ℃,
各パス平均圧下率15%,冷却条件:冷却開始温度(Ci入
側)930 ℃,冷却終了温度(Co 出側)600℃,平均冷却速
度4℃/sのもとサイズH550 ×200 ×6×16mmになる薄
肉ウエブを備えたH形鋼を製造し、得られた製品につい
てのウエブ波の発生状況について調査した。その結果、
この発明に従えばフランジ表面での冷却効率が極めて良
好であって、精度の高い制御が可能であって、製品品質
に悪影響を与えるような変形は全く見られなかった。
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、H形鋼の製
造過程のとくに冷却で避けられなかったウエブ波を効果
的に軽減することができる。
造過程のとくに冷却で避けられなかったウエブ波を効果
的に軽減することができる。
【図1】H形鋼の製造設備の構成を示した図である。
【図2】素材に含まれるSの影響を調査した結果を示し
た図である。
た図である。
1 粗圧延機 2 エッジャ圧延機 3 仕上げ圧延機 Ci 冷却ゾーン Co 冷却ゾーン
Claims (1)
- 【請求項1】 熱間圧延機と冷却手段とを組み合わせた
製造設備を使用して、薄肉ウエブを備えたH形鋼を製造
するに当たり、 Sの含有量が0.008 wt%以下の素材を用いることを特徴
とする薄肉ウエブを備えたH形鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5533392A JPH05255741A (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | 薄肉ウエブを備えたh形鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5533392A JPH05255741A (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | 薄肉ウエブを備えたh形鋼の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05255741A true JPH05255741A (ja) | 1993-10-05 |
Family
ID=12995613
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5533392A Pending JPH05255741A (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | 薄肉ウエブを備えたh形鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05255741A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021010924A (ja) * | 2019-07-05 | 2021-02-04 | 日本製鉄株式会社 | H形鋼の冷却装置 |
-
1992
- 1992-03-13 JP JP5533392A patent/JPH05255741A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021010924A (ja) * | 2019-07-05 | 2021-02-04 | 日本製鉄株式会社 | H形鋼の冷却装置 |
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