JP3801145B2 - 高温鋼板の冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧延機周辺などの比較的限られたスペースにおいて、高温の鋼板を高い冷却速度で、且つ鋼板の面内を均一に冷却するための冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年例えば厚鋼板の製造プロセスにおいて、途中及び最終のパスにおける鋼板温度を制御しながら圧延を行う制御圧延(TMCP:Thermo Mechanical Control Process)技術の進歩とその適用拡大により、製品の強度・靭性などを向上させるとともに、添加合金元素を削減し、製造コストの削減と製品の溶接性の改善を可能にするなど、製品の特性と生産コストの大幅な向上が図られてきている。特に圧延途中で温度製御するものはCR(Controlled Rolling)と呼ばれ、低温側で強く圧延することにより、フェライト結晶粒の細粒化を図って、強度と耐衝撃性とを向上させる目的で行われている。
【0003】
しかしながら制御圧延を行う場合、途中及び最終のいくつかのパスにおいて、圧下を開始するときの鋼板温度が所定の範囲に指定されているために、その直前のパス終了直後の鋼板温度が指定の範囲より高い場合は、鋼板が自然に冷却されて温度が低下し、その範囲に入るまで圧延を中断する、いわゆる「温度待ち」をする必要が生じる。
【0004】
この温度待ち時間が増加するほど、圧延機の生産性が低下し、年間を通じて多額の損失が生じることになる。そこでこの温度待ち時間を極力低減するため、圧延機の前後において鋼板の上下面に冷却水を噴射し、積極的に鋼板を冷却して冷却速度を高める工夫がなされている。
【0005】
この圧延機の前後で冷却を行う手段としては、鋼板表面に生じる酸化物層(スケール)を除去するために通常圧延機の前後に設置されているデスケーリング装置を用いる方法がある。これは高い水圧でスケールを剥離させるのが目的であるため、通常10〜15MPa程度の高圧水を噴射するが、冷却能を更に向上させる必要がある場合、デスケーリングの流量を更に増大させるのは、高圧水を使用するため設備費や電力コストが高く得策ではない。
【0006】
そこで更に冷却速度を高めるためには、特に鋼板の冷却を行うことを目的として、デスケーリング装置とは別に、新たに冷却装置を設置する必要がある。このような目的で設置される冷却装置では、通常、ポンプなどの設備費や電力などのランニングコストが比較的安価である0.5〜1.5MPa程度の水圧を採用し、他方なるべく流量を増やして冷却能力を高めようとしている。
【0007】
冷却能力を高める最も簡単な方法としては、設置する冷却装置(ヘッダー)の数を増やすことが考えられる。例えば特許文献1には高圧用デスケーリングヘッダーとは別に、低圧用の複数のヘッダーを使用し、制御冷却鋼板の「温度待ち」時間を低減し、圧延機能力を向上させる技術が開示されている。
【0008】
一般に圧延機周辺に冷却用のヘッダーを設ける場合、鋼板の先後端が途中で反り上がった場合に衝突することを避けるため、鋼板のパスラインから離隔して設ける必要があり、特に上面側に設置する場合は、パスラインから2〜3m以上離して設置する必要がある。例えば特許文献2にはデスケーリングのガイド内に、デスケーリングとは別個に水冷用のヘッダーを設置し、鋼板を冷却して「温度待ち」時間を低減させる方法が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−225837号公報
【特許文献2】
特開平6−246332号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示されている方法によれば、冷却時に十分な冷却能を得るためには複数ヘッダーを使用する必要があるが、通常はスペース的に圧延機入り側のデスケーリング兼用ヘッダーと、圧延機出側の冷却専用ヘッダーとの併せて2ヘッダーを設置するのが限界である。したがって、更なる生産効率の改善を図る場合には、ヘッダーの流量や圧力を上げざるを得ず、大掛かりな設備改造が必要となる。更に圧延機入り側のデスケーリング兼用ヘッダーはスケールの圧延機ヘの噛み込み防止のため、圧延機の反対側に向けて噴射する必要がある一方で、冷却専用ヘッダーは冷却水が鋼板上を圧延機出側へ向けて流れ出るのを防ぐため圧延機側に噴射するのが望ましく、冷却のため同時に使用すると、一方のヘッダーの冷却水がもう一方のヘッダー側に流れ込み衝突力が低下して、冷却効率が低下するという問題があった。
【0011】
また特許文献2に開示されている方法において、デスケーリングヘッダーのガイド内にデスケーリングと冷却専用のヘッダーを併設させる場合、設置できるヘッダー数は圧延機の片側で上下各1〜2個に限られている。したがって圧延機周りに冷却装置を設置する場合は、設置可能なヘッダーの数が限られており、冷却能力を向上させるには限界があった。また特許文献2に開示されている方法においては、冷却時でも高い冷却能を得るために3MPa以上の高圧水を用いているが、2MPaを超える圧力を使用するためには、ポンプ、配管や流量計などがそれ以下の圧力用と規格の異なる高価なものを使用する必要があり、且つメンテナンス費用も増大するという問題もあった。
【0012】
図10に従来装置の場合の鋼板面上での噴流衝突域(ノズルから噴射した冷媒が直接鋼板に衝突している領域)の模式図を示す。また図11は、スプレーノズルのノズル高さ、及び広がり角を定義する説明図であり、(a)は冷媒を鉛直方向に、(b)は冷媒を斜め方向に噴射する場合の図である。
【0013】
通常は、冷却水を扇型(広がり角α)の水膜状に噴射して、鋼板面で帯状の噴流衝突域を形成し、特に衝突域近傍で高い冷却能力を得ることができるフラットスプレーノズルを板幅方向に並べて使用する場合が多い。この場合、隣同士のノズルの噴流が衝突することを避けるため、板幅方向に対して10〜15°程度の角度(ねじり角β)をつけるとともに、噴流の端部において10〜20mm程度、隣同士のノズルの噴流衝突域が搬送方向に重なり合うように設置する。このようなノズル配置をするのは、以下の理由による。すなわち、噴流衝突域が重なりあう部分を無くして、噴流衝突域の端部同志が接するようにノズルを配置すると、ノズル取り付け角度の僅かな誤差やノズル噴流形状のばらつきにより噴流衝突域の間に隙間が発生する場合がある。このために冷却を行いながら鋼板を搬送したとき、鋼板面に全く噴流が衝突しない長手方向の筋状の領域が生じて、冷却後にその部分が高温となって顕著な温度むらが生じてしまうという危険を避けるためである。
【0014】
また特に、鋼板上面側を冷却する場合は、鋼板に衝突した後の冷却水の飛散方向を一方向にするため、ノズル全体を10〜30°程度ライン方向(圧延機側又は圧延機と反対側)に傾ける(向かい角γ(≠0))ことが多い。
【0015】
図12に従来装置で冷却を行った場合の、板幅方向及び長手方向の冷却能分布のイメージ図を示す。板幅方向の分布は、鋼板が冷却装置の中を搬送されるとき、噴流衝突域の重なり合う部分では衝突域の一部を2回通過することになり、その部分での冷却能がその他の部分の約2倍となって、大きなむらが生じる。一方、長手方向の分布は、噴流衝突域近傍では非常に高い冷却能が得られるが、衝突域から離れるに従い、急激に熱伝達率は減衰する。
【0016】
板厚3mm(300×300mm)の鋼板の上表面に単体のフラットスプレーノズルを噴射して冷却を行った場合の、鋼板裏面温度の時間変化を測定して求めた噴流厚み方向(図11(a)参照)の冷却速度分布(850〜700℃間の平均冷却速度)の測定結果を図13に示す。ここで温度変化の測定は2次元分布の時間変化が測定可能な赤外線放射温度計を用いて行った。またノズル先端(出口)から鋼板上面までの距離は300mmとし、ノズルヘの給水圧は1MPaで、スプレーの広がり角は33°で一定とし、ノズルのサイズを変更することにより流量を55、110、183L/分の3通りに変更した。
【0017】
鋼板は図より例えば流量が55L/分の場合、噴流衝突域の中心から約25mm(噴流衝突域の長軸方向と直角方向(短軸方向))までの範囲で冷却速度は急激に減衰し、その位置で衝突域中心のピーク値の約1/10以下となり、それ以降は緩やかに減衰していくことがわかる。このことから、高い冷却能が得られるのは、噴流衝突域のごく近傍に限られることがわかる。
【0018】
水圧を1MPaで一定として、ノズルのサイズを変更することによりノズル流量を変えた場合の噴流衝突域近傍の平均冷却速度測定結果を図14に示す。ここで、ノズル流量以外の実験条件は図13の場合と同じとし、また平均冷却速度は噴流衝突域の厚み方向(図11(a)でいうx軸方向)に中心線から±25mm、長手方向(図11(a)でいう長軸方向)に中心点0から±25mmの範囲の冷却速度分布測定結果を平均して求めた。
【0019】
図より冷却速度は流量の0.5乗にほぼ比例して変化することがわかり、流量を例えば2倍にしても冷却能としては1.4倍にしかならず、流量のみ増加して冷却能力の増強を図ることは、それに伴う設備の改造費用も考慮すると、あまり効率が良くないことがわかる。また前述した噴流衝突域の重複部の過冷による冷却むらの大きさも、流量を増加した場合更に拡大することになる。
【0020】
以上のように従来技術の冷却装置は、冷却能を増加しようとすると水量を大幅に増加するしかなく、多大な設備投資が必要となるだけでなく、鋼板の長手方向に筋状の冷却むらも更に拡大してしまうという問題点があった。
【0021】
そこで、本発明は、設備的にコンパクトで圧延機周辺などの比較的限られたスペースに設置可能であり、且つ鋼板の幅方向に均一に冷却することが可能で、更に冷媒の供給量や供給圧力が限られた中で最大限の冷却能力を得ることが可能な冷却装置を提供することを課題とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0023】
本発明の第1の態様は、被冷却面に帯状又は長円状の冷媒噴流衝突域を形成するノズルを複数具備し、搬送される鋼板表裏の少なくとも一面の、幅方向の全ての点が前記冷媒噴流衝突域を2回以上通過するように前記ノズルを配し、前記ノズルが前記鋼板の幅方向に一定の間隔で配置され、かつ前記冷媒噴流衝突域の長軸が前記鋼板の幅方向に対して一定の角度をなしており、前記一定の間隔をPw(m)、前記一定の角度をβ(rad)、前記各ノズルに供給可能な冷媒の流量の最大値をQm(m 3 /s)、前記ノズル先端から前記鋼板の搬送面までの距離をH(m)、前記ノズル先端と前記冷媒噴流衝突域の長軸の両端部で形成される三角形のノズル先端を頂点としたときの頂角をα(rad)、ノズル先端から鋼板面に下した垂線と、冷媒噴流の中心線とがなす角をγ(rad)、冷媒の圧力の最大値をPm(Pa)、冷媒の密度をρ(kg/m 3 )とするとき、下記(2)式を満たすようにPw及びβを設定した、高温鋼板の冷却装置である。
Pw ・ Sin( β ) ≦ 0.1 ・[ Qm/{2 ・ H ・ tan( α / 2 )/cos( γ )} ・ (Pm/ ρ ) 1 / 2 ] 1 / 3 ( 2 )
【0024】
この第1の態様にかかる高温鋼板の冷却装置によれば、鋼板の表裏いずれかの面が、又は表裏いずれの面も、幅方向の全ての点が少なくとも2回冷媒噴流衝突域を通過するように構成されているので、鋼板表面の冷却による温度むらの発生を抑制することができる。さらに、冷媒噴流衝突域を形成するノズルを規則的に配列することができるので、鋼板表面の幅方向の全ての点を少なくとも2回冷媒噴流衝突域を通過させることが容易となる。加えて、与えられた冷媒の流量の最大値Qm(m 3 /s)、冷媒の圧力の最大値Pm(Pa)、冷媒の密度ρ(kg/m 3 )に対して、鋼板表面の幅方向の全ての点を少なくとも2回冷媒噴流衝突域を確実に通過させるための各ノズルの配置を最適化して最大の冷却効果を得ることが可能となる。
【0027】
上記のように構成した場合にはさらに、下記(1)式を満たすようにPw及びβを設定することが好ましい。
Pw/cos(β)≦H・tan(α/2)/cos(γ) (1)
【0028】
このように構成した場合には、鋼板表面の幅方向の全ての点を少なくとも2回冷媒噴流衝突域を確実に通過させるように各ノズルを配置することができる。
【0031】
また、上記各構成の冷却装置において、鋼板の表裏両面に前記各ノズルを配しても良い。
【0032】
このようにすれば、搬送される鋼板の表裏両面いずれにも、均一な冷却を与えることが容易となる。
【0033】
またさらに、前記搬送される鋼板の幅方向の点が前記冷媒噴流衝突域を通過する回数が2回以上4回以下であることとしても良い。
【0034】
このように構成した場合には、実現することが容易な冷却装置を構成することが可能となる。
【0035】
本発明の第2の態様は、圧延途中の鋼板を上記第1の態様にかかる高温鋼板の冷却装置(各変形例を含む。)を用いて冷却することを特徴とする鋼板の製造方法である。
【0036】
本発明の第3の態様は、圧延終了後の鋼板を、上記第1の態様にかかる高温鋼板の冷却装置(各変形例を含む。)を用いて冷却した後、更に加速冷却することを特徴とする鋼板の製造方法である。
【0037】
この第2、及び第3の態様の鋼板の製造方法によれば、均一かつ目標の温度に鋼板表面を冷却することができるので、高い強度と靭性とを兼ね備えた鋼板を製造することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1に本発明による冷却装置の場合の鋼板面上での噴流衝突域の模式図を示す。本発明による装置では、鋼板表面で帯状又は長円状の噴流衝突域を形成可能なノズルを、幅方向に所定の間隔Pw(m)で並べ、鋼板が冷却装置中を搬送されながら冷却される際に、鋼板表面における幅方向の全ての位置にわたって噴流衝突域の一部を少なくとも2回以上通過できるように、ノズルピッチ及び噴流衝突域の長軸が鋼板の幅方向(搬送方向に直角な方向)となす角度(ねじり角)β(rad)を設定する。
【0039】
図1の場合は、鋼板表面の幅方向全ての位置が丁度3回噴流衝突域の一部を通過できるように設定した場合である。この鋼板の各位置が1パスで通過する噴流衝突域の数を重なり密度Snと定義すると、図1に示す幾何学的な関係からSnは下記(1´)式により求めることができる。
Sn=2・H・tan(α/2)/cos(γ)・cos(β)/Pw (1´)
【0040】
ここで上記(1´)式における各記号については図11に示すように、
H[m]:冷却ノズルの冷媒噴出口から鋼板を搬送するローラテーブルのパスライン面までの距離、
α[rad]:冷却ノズルの冷媒噴出口とローラテーブルのパスライン面上における冷媒噴流衝突域の長軸の両端部で形成される三角形の冷媒噴出口を頂点としたときの頂角、
γ[rad]:冷却ノズルの冷媒噴出口から鋼板面に下した垂線と冷媒噴流の中心線とがなす角
とし、さらにノズルピッチPwの単位も(m)とする。
【0041】
式(1´)中の「2・H・tan(α/2) /cos(γ)」は、図11(b)に示す幾何学的関係からわかるように、噴流衝突域の長軸の長さ(長軸径)に相当する。噴流の広がり角αを求めるためにはこの長軸の両端を定義する必要がある。前述のように衝突域は「ノズルから噴射した冷媒が直接鋼板に衝突している領域」で定義されるが、実際には衝突域の境界近傍では冷媒の液滴の衝突頻度は外側になるほどなだらかに減少しており、冷媒の衝突している領域と衝突していない領域の境界はあまり明確ではない。
【0042】
本願発明者らは図2に示すような多数の計量枡を連結した流量分布測定装置を用い、フラットスプレーノズルの流量分布測定実験を行った。ここで測定に用いた計量枡の幅は300mm、間隔は10mmである。ノズル高さを500mmとして鉛直下向きに20秒間噴射した場合の各計量枡に堆積した水の高さを計測した。
【0043】
図3に、給水圧1MPa、流量55L/分とした場合の噴流衝突域長軸方向の流量分布測定結果の例を示す。図3では長軸の端部近傍以外でほぼ一定の分布が得られている一方、端部近傍では外側に向けてほぼ直線状に分布が減少している。
【0044】
本発明の冷却装置のように噴流衝突域を搬送方向に重なり合わせて冷却を行う際に、幅方向の均一性確保の面からノズル同士の端部が搬送方向に重なる部分でもノズル中央と同等の冷却能を保つ必要があること、及び前述のように冷却能が流量の0.5乗に比例することを考慮すると、図3に示すように堆積高さが端部近傍を除く部分の平均堆積高さhmの0.25倍になる位置を衝突域端部と定義するのが望ましい。
【0045】
なお以上の衝突域長軸端部定義方法と図3の測定結果から、図3の噴霧条件での噴流の広がり角を求めると約33°となる。ノズルの広がり角設計仕様は水圧0.3MPaで30°であるが、今回の測定では水圧が1.0MPaのため、広がり角は仕様よりもやや大きめとなる。
【0046】
ところで本発明による冷却装置のPwとβが満たすべき関係は、Sn≧2であることから、(1´)式より下記(1)式で表すことができる。
Pw/cos(β)≦H・tan(α/2)/cos(γ) (1)
【0047】
従来の装置の場合、Sn≒1であるが、前述のように、Snが正確に1となるように隣同士のノズル衝突域の重なり代を0とすると、噴流が全く衝突しない部分が生じる危険があるため、故意に重なり代を設ける必要があった(Sn>1)。本発明による装置の場合は、Sn≧2となるように設定するので、例えば設置の誤差により、重なり密度が設定値より小さくなる(例えば重なり密度を3に設定している場合に重なり密度が2となる)部分が僅かに生じても、冷却水が全く衝突しないわけではないので、それほど大きな冷却むらは生じない。そこで例えば重なり密度を3に設定するのであれば、故意に重なり密度が4となる部分が一部できるようにする必要はなく、幅方向全体に重なり密度が概ね3になるように設定してもかまわない。従って板幅方向に重なり密度Snをほぼ均一に設定することができ、均一な冷却能分布を得ることが可能である。
【0048】
ここで均一性を向上させるためには重なり密度Snはなるべく大きくすることが望ましい。これはノズルの取り付け精度などにより局所的に重なり密度が設定値のSnに対して±1増減する部分が存在する場合でも、Snが大きいほど板幅方向の相対的な冷却能変動割合(≒(Sn±1)/Sn)が小さくなるためである。ただし、あまりSnを大きくしようとすると、ノズル個数を増やす必要があるため個々のノズルの孔径が小さくなり、ノズル詰りが多発するなどのメンテナンス上の問題点が発生する可能性がある。そこで本発明による冷却装置を厚板ミルでの水冷に適用する場合は、実用面を考慮して2≦Sn≦4とすることが望ましい。
【0049】
また局所的に重なり密度が設定値のSnに対して±1増減する領域の割合は極力小さくすることが望ましいが、実用上は個々のノズルの加工精度の微妙なバラツキや、取り付け角度の微妙なズレにより、鋼板面上での噴流衝突域の大きさやねじり角βが変動するため、Snが完全に正確な整数となる状態を実現する(重なり密度の増減する領域を無くす)ことは実際には不可能である。本願発明者らの検討によれば、少なくともその領域の幅をノズルピッチPwの10%以下となるような精度で装置を製作すれば、実用上問題とならない範囲に板幅方向冷却能の変動を抑えることができ、したがってSn(≧2)の許容設定範囲は(3)式で与えられる範囲に抑えることが望ましい。
n−0.1<Sn<n+0.1 〔nは2以上の整数〕 (3)
【0050】
また図10に示すように向い角を設けて噴射する場合(γ≠0)、ねじり角β=0の場合は図11(b)に示すように長軸径DLは、
DL=2・H・tan(α/2) /cos(γ) (4)
で正確に計算できるが、図10に示す場合のように、ねじり角も同時に設けた場合(β≠0)、正確な長軸径は(4)式で計算される値よりもやや長くなる。即ち
γ≠0 且つ
β≠0
の場合には、(1)式、(1´)式、(2)式、及び(4)式のノズル高さHを、詳細な幾何学的関係から求めた以下の(5)式で与えられる補正ノズル高さH´で置き換える必要がある(γ=0またはβ=0の場合はH´=Hとなるので置き換えは不要)。
H´= H・cos2(α/2)・[ 1−{sin(γ)・sin(β)}2 ]1/2
/ [ cos2(α/2)−{sin(γ)・sin(β)}2 ] (5)
【0051】
γ≠0且つβ≠0の場合において、(4)式のHを(5)式で与えられるH´で置き換えて求められる噴流衝突域長軸径DLの正確な値と式(4)のみで求めた概算値の比の計算例を図4に示す。図より、広がり角α、ねじり角β、向い角βのそれぞれが大きくなるほど正確な長軸径は概算長軸径よりも長くなることがわかる。
【0052】
図1の右端側及び下端側に本発明による冷却装置で冷却を行った場合に形成される噴流衝突域の、板幅方向及び搬送方向の冷却能分布のイメージ図を示す。搬送方向には、1回のパスで鋼板の全幅方向位置が3回噴流衝突域の一部を通過するため、冷却能が3回ピークとなる。従来装置の場合は、噴流衝突域の一部の重複部を除いて、ピークとなるのは1回のみで、高い冷却能が得られるのは、噴流衝突域のごく近傍に限られている。本発明による冷却装置の場合は、スプレーピッチを適切に設定することにより、なるべく高い冷却能が得られる領域を連続させながら冷却できるようにすることで、より効率の良い冷却を行うことが可能となる。
【0053】
例えば、本発明による装置のヘッダー流量・水圧を従来の装置と同じとすると、本発明による装置(Sn=3)のノズルピッチを従来の装置(Sn≒1)の1/3と狭く(ノズル数を従来の3倍にする)した場合、ノズル1個当りの流量も1/3となる。従って前述のように冷却能が流量の0.5乗に比例するため、衝突域近傍の冷却能も約6割に減少する。しかしながら、本発明による装置の場合、比較的高冷却能が得られる衝突域の一部を全幅にわたって3回通過するため、冷却量も1回しか通過しない場合の3倍近くとなり、1パスでのトータルの冷却能としては、同流量・水圧条件下であるにもかかわらず、従来装置の場合に比べて大幅に向上することができる。
【0054】
また前述のように、板幅方向全体にわたり、噴流衝突域の重なり密度Snを一定にできるので、(実際にはノズル取り付け精度の誤差やスプレーノズルの水膜方向の冷却能偏差により多少の分布が生じる可能性があるが)理論上は板幅方向の冷却能を完全に均一とすることが可能であり、従来装置の場合に比べて大幅に板幅方向の冷却能均一性を改善することができる。
【0055】
また圧延機周りのように設置スペースが限られていて、ヘッダーの増設が困難な場合でも、冷却能向上のために、給水量・給水圧の増強必要量を抑制する(場合により全く増強を必要としない)ことができ、また、本発明による冷却装置を適用した場合、ヘッダ(及びノズル)を交換するだけなので、従来装置を利用して給水量・給水圧を大幅に増大する場合に比べて、必要となる設備改造費も大幅に低減することができる。
【0056】
前述のように設備制約等により流量などの限られた条件の中で最大限の冷却能を得るためには、ノズル配置を最適化する必要がある。即ち、ノズル同士の間隔が空き過ぎると、噴流衝突域から離れて冷却能が大きく減衰している領域での冷却割合が増加し、十分な冷却能向上効果を引き出すことができない。
【0057】
図13の測定結果から、噴流衝突域の中心から離れるに従い、冷却速度は衝突域中心のピーク値の約1/10以下まで急激に減衰し、それ以降は緩やかに減衰していくことがわかる。このことから、冷却能が噴流衝突域中心のピーク値の約1/10まで減衰する位置が、少なくとも隣り合うノズルの噴流衝突域間の中央にくるようにノズルピッチを十分小さく設定することが、最も効率良く冷却できる条件であると考えられる。
【0058】
以上の条件を成立するためのPwとβが満たすべき関係として、発明者らが行った実験結果を基に、以下の式が導き出された。
Pw・Sin(β)≦0.1・[Qm/{2・H・tan(α/2)/cos(γ)}・(Pm/ρ)1 / 2]1 / 3 (2)
【0059】
ここで、
Qm[m3/s]:各冷却ノズルに供給可能な冷媒の流量の最大値
Pm[Pa]:冷媒の圧力の最大値
ρ[kg/m3]:冷媒(水)の密度
とする。流量及び圧力を設備への供給能力の最大値で定義したのは、少なくとも設備の最大能力条件下では十分に効率の良い冷却を実現する必要があるからである。
【0060】
図5に図13の実験結果からノズル流量Qと噴流衝突域厚み方向の有効冷却幅Weの関係を求めた結果を示す。ここで有効冷却幅Weは、衝突域中心の両側にある、冷却速度がピーク値の1/10まで減衰する位置の間の距離と定義する。また図には(2)式の右辺(Qm、Pmはそれぞれ実験条件のQ、Pで置き換える。また、向い角γ=0のため、cos(γ)=1とする。)で計算される値を一点鎖線で示している。図より、(2)式の右辺で有効冷却幅Weを精度よく計算できることがわかる。
【0061】
一方(2)式の左辺は隣り合う衝突域中心線の間隔であり、したがってこの値が有効冷却幅We以下となるように(即ち(2)式を満たすように)Pwとβを設定すれば、上述のようにノズル噴流間が有効冷却域で覆われ効率の良い冷却を行うことが可能とあることがわかる。
【0062】
図6は、噴流衝突域の形状の例を示す図である。幅方向の冷却均一性を高める上では、噴流の衝突域の形状としては、図6(a)に示すようなほぼ均等な厚みを有する帯状の形状が最も望ましい。また図6(b)に示すような比較的厚みの変化が小さい長円状(楕円状)に近い形状でも良い。しかしながら本発明に用いるノズルの噴流衝突域形状は、必ずしもこれらの形状に限られる訳ではなく、例えば図6(c)に示すような中央付近の厚みが部分的に大きいノズルを用いることもできる。このように厚みの分布があるノズルを用いた場合でも、本発明では搬送方向に衝突域を重ね合わせることにより、冷却能を大幅に高めながら、板幅方向の冷却均一性も従来装置より改善することができる。
【0063】
【実施例】
(実施例1)
図9に示す圧延機入り側の位置に従来の冷却装置、及び本発明による冷却装置を設置し、鋼板の冷却を行った場合の温度降下量の比較を行った。ここで従来の装置の場合
ノズルタイプ:フラットスプレー
ノズル1個当りの流量:(上面)140L/分
ノズル1個当りの流量:(下面)210L/分
ヘッダー給水圧:1.0MPa
ノズルピッチ:160mm
ねじり角:15°
広がり角:(上面側)15°
広がり角:(下面側)33°
向い角:(圧延ミル側に)15°
ノズル先端からパスラインまでの距離:(上面側)680mm
ノズル先端からパスラインまでの距離:(下面側)300mm
である。また本発明による装置の場合は、
ノズル1個当りの流量:(上面)70L/分
ノズル1個当りの流量:(下面)105L/分
ノズルピッチ:80mm
ねじり角:30°
とし、その他の条件は従来装置と同じとした。従来装置のノズル数は29個、本発明の場合58個である。ヘッダー長は4600mmである。従来装置、本発明の装置共に、鋼板の上下面を均等に冷却するために、「上面のノズル1個当たりの流量」:「下面のノズル1個当たりの流量」を、2:3としている。
【0064】
本発明による装置では、従来の装置に比べ、ノズル流量を1/2倍、ノズルピッチを半分と狭くしたので、1ヘッダー当りの流量は従来の装置と同じである。また本発明による装置では、ヘッダー給水圧1.0MPaにおいて、ノズル噴流衝突部の重なり密度Sn≒2に設定されている。
【0065】
図7に2パス続けて冷却を行った場合の温度降下量をシミュレーション比較した結果を示す。ここで温度降下量としては、冷却を開始する前の上表面の板内平均温度から、終了後約30秒経過して板厚方向の温度分布がほぼ均一となった状態での上表面の板内平均温度を引いた値とした。また板の搬送速度は150mpmで一定とし、圧延は空通しで圧下は行っていない、との前提でシミュレーションを実施した。図より本発明による装置の場合、従来の装置とヘッダー流量及び給水圧が全く同じでもあるにもかかわらず、温度降下量が約30%増加していることがわかる。
【0066】
(実施例2)
また図8に板厚15mm、板幅3200mmの鋼板を、圧延は空通しで2パス続けて冷却を行った場合の、冷却終了直後の上表面の板幅方向温度分布(長手方向中央部)を放射温度計で幅方向にスキャンして温度測定を行った結果を示す。従来装置による場合は、鋼板の長手方向に筋状の過冷域が発生している。その過冷域の幅方向の発生ピッチが冷却ノズルの幅方向ピッチと一致することから、隣同士のノズルの重複部(約20mm幅)がその他の部分よりも強冷されるために過冷域が生成されていることがわかる。一方、本発明による装置の場合は、温度分布の不均一は全く生じていない。これは、ノズル噴流衝突部の重なり密度が幅方向全体にわたって均一に設定されているためである。
【0067】
(実施例3)
待ち時間削減効果につき、上記実施例1に示す従来の冷却装置、及び本発明の冷却装置を使用する前提のもとで、下記の条件で、シミュレーションを実施した。
C:0.08%、
Si:0.25%
Mn:1.50%
P:0.010%、
S:0.008%
の組成をもつYP36鋼を以下の条件で圧延を行ったものとした。
スラブサイズ:300(厚)×2300(幅)×3200(長) 単位(mm)
圧延サイズ :50(厚)×3500(幅)×12600(長) 単位(mm)
加熱温度:1140℃
【0068】
なお、途中の水冷条件としては、75mm厚で900℃から830℃まで水冷し、その後圧延して仕上げ圧延温度は770℃とした。途中の水冷では、従来装置では900℃から830℃まで冷却するのに、130秒時間がかかるが、本発明装置では900℃から830℃まで冷却するのに90秒の時間であり、30%強の温度待ち時間を削減することが可能である。さらにこの鋼材を、圧延終了後に加速冷却することにより、靭性のよい鋼材が製造できる。
【0069】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う高温鋼板の冷却装置もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【0070】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の冷却装置によれば、圧延機周辺などの限られた設置スペース及び冷媒の供給能力の中で、従来に比べて大幅に冷却能力を向上させることができ、且つ鋼板全体にわたって均一に冷却することができるので、圧延能率を大幅に向上させつつ、鋼板の面内での特性ばらつきを大幅に低減できる。このため、高性能で均質な鋼板を効率良く製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷却装置で冷却を行った場合の、板幅方向及び長手方向の冷却能分布のイメージ図である。
【図2】ノズル流量分布測定方法の説明図である。
【図3】ノズル流量分布の測定結果を示す図である。
【図4】ノズル流量と有効冷却幅の関係の測定結果を示す図である。
【図5】衝突域の詳細計算長軸径と概算長軸径(2H・tan(α/2)/cosγ)の比の計算結果を示す図である。
【図6】噴流衝突域の形状の例を示す図である。
【図7】従来の冷却装置と本発明による冷却装置との、温度降下量を測定した結果を比較して示す図である。
【図8】従来の冷却装置と本発明による冷却装置との、板幅方向温度分布を測定した結果を比較して示す図である。
【図9】圧延機の直近に冷却装置を配置した場合の実施例を示す正面図である。
【図10】従来の冷却装置における、鋼板面上での噴流衝突域の模式図である。
【図11】スプレーノズルのノズル高さ、及び広がり角を定義する説明図であり、(a)は冷媒を鉛直方向に、(b)は冷媒を斜め方向に噴射する場合の図である。
【図12】従来の冷却装置で冷却を行った場合の、板幅方向及び長手方向の冷却能分布のイメージ図である。
【図13】スプレーノズルを噴射して冷却を行った場合、水膜厚み方向の冷却速度分布を測定した結果を示す図である。
【図14】スプレーノズル流量を変えた場合の、噴流衝突域近傍の平均冷却速度を測定した結果を示す図である。
Claims (6)
- 被冷却面に帯状又は長円状の冷媒噴流衝突域を形成するノズルを複数具備し、搬送される鋼板表裏の少なくとも一面の、幅方向の全ての点が前記冷媒噴流衝突域を2回以上通過するように前記ノズルを配し、
前記ノズルが前記鋼板の幅方向に一定の間隔で配置され、かつ前記冷媒噴流衝突域の長軸が前記鋼板の幅方向に対して一定の角度をなしており、
前記一定の間隔をPw(m)、前記一定の角度をβ(rad)、前記各ノズルに供給可能な冷媒の流量の最大値をQm(m 3 /s)、前記ノズル先端から前記鋼板の搬送面までの距離をH(m)、前記ノズル先端と前記冷媒噴流衝突域の長軸の両端部で形成される三角形のノズル先端を頂点としたときの頂角をα(rad)、ノズル先端から鋼板面に下した垂線と、冷媒噴流の中心線とがなす角をγ(rad)、冷媒の圧力の最大値をPm(Pa)、冷媒の密度をρ(kg/m 3 )とするとき、下記(2)式を満たすようにPw及びβを設定したことを特徴とする、高温鋼板の冷却装置。
Pw ・ Sin( β ) ≦ 0.1 ・[ Qm/{2 ・ H ・ tan( α / 2 )/cos( γ )} ・ (Pm/ ρ ) 1 / 2 ] 1 / 3 ( 2 ) - 下記(1)式を満たすようにPw及びβを設定したことを特徴とする請求項1に記載の高温鋼板の冷却装置。
Pw/cos( β ) ≦ H ・ tan( α / 2 )/cos( γ ) (1) - 鋼板の表裏両面に前記各ノズルが配された請求項1又は2に記載の高温鋼板の冷却装置。
- 前記搬送される鋼板の幅方向の点が前記冷媒噴流衝突域を通過する回数が2回以上4回以下である請求項1〜3のいずれかに記載の高温鋼板の冷却装置。
- 圧延途中の鋼板を、請求項1〜4のいずれかに記載の高温鋼板の冷却装置を用いて冷却することを特徴とする鋼板の製造方法。
- 圧延終了後の鋼板を、請求項1〜4のいずれかに記載の高温鋼板の冷却装置を用いて冷却した後、更に加速冷却することを特徴とする鋼板の製造方法。
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