JP7380334B2 - 電動パーキングブレーキ用軸受部材 - Google Patents

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Description

本発明は、電動パーキングブレーキ用軸受部材に関する。
電動パーキングブレーキには、モータの出力軸の回転を減速してシャフトに伝達する減速機構が設けられている。シャフトの回転は、変換機構によりピストンの直線運動に変換される。ピストンの前進によりブレーキパッドはブレーキディスクに押し当てられる。これにより、車輪に制動力が付与される。ここで、例えば特開2015-44424号公報に記載されているように、減速機構を収容するギヤボディには、シャフト(ギヤシャフト)の回転を支持する軸受部材が設けられている。軸受部材は、焼結軸受けであってインサート成形によってギヤボディの樹脂部分に埋め込まれている。
特開2015-44424号公報 特開2019-103363号公報
ここで、摺動抵抗を下げることができる軸受部材として、含浸焼結軸受が一般的に知られている。しかしながら、上記ギヤボディにおいて、軸受部材として含浸焼結軸受が採用されたとしても、インサート成形時に高温になるため、インサート成形後には当該軸受部材がドライ状態(露出面のグリスが少ない状態)となりやすい。ドライ状態では、シャフトの回転に対して軸受部材の摺動抵抗が高くなり、動力伝達効率が低下してしまう。
一方、例えば特開2019-103363号公報に記載の排水ポンプ用モータでは、ステータモールドに埋め込まれた筒状隔離壁に含油軸受が圧入されている。これによれば、インサート成形後に含油軸受が圧入されるため、結果として製造時の含油軸受のドライ化が防止される。
しかしながら、上記排水ポンプ用モータの軸受構造では、含油軸受を筒状隔離壁に圧入した際に、筒状隔離壁が空間(応力逃がし部)に向けて変形するおそれがある。また、金属と樹脂との硬度の違いから、当該圧入により筒状隔離壁がステータ側に変形し、ステータが割れる可能性もある。さらに、インサート成形後の冷却において、樹脂製ステータの収縮が筒状隔離壁を内側に変形させるおそれもある。
本発明の目的は、動力伝達効率の向上と、強度又は耐久性の向上との両立が可能な電動パーキングブレーキ用軸受部材を提供することである。
本発明の電動パーキングブレーキ用軸受部材は、モータの出力軸の回転を減速させてシャフトに伝達する減速機構と、前記減速機構を収容するギヤボディと、前記シャフトの回転運動をピストンの直線運動に変換する変換機構と、前記ピストンの軸方向一方への直線運動によりブレーキディスクに向けて押圧されるブレーキパッドと、を備える電動パーキングブレーキに用いられる電動パーキングブレーキ用軸受部材であって、前記ギヤボディに設けられ、前記シャフトが挿通される貫通孔を有する樹脂製の軸受固定部と、前記貫通孔の一部を形成するように前記軸受固定部に埋め込まれた金属製の環状部材と、前記環状部材の内周面に押圧力を加えた状態で前記環状部材に固定され、前記シャフトを回転可能に支持するベアリングと、を備え、前記環状部材の径方向の厚みは、前記環状部材の内周側に位置する前記ベアリングの径方向の厚みよりも大きい。
本発明によれば、金属製の環状部材が樹脂製の軸受固定部にインサート成形された後にベアリングを環状部材に圧入することで、軸受部材を形成することができる。これにより、例えばベアリングが含浸焼結軸受であっても、軸受部材の製造によるベアリングのドライ化は防止される。また、ベアリングの固定はインサート成形後の圧入にて実現可能となるため、ベアリングの選択肢が広がり、例えば内周面(摺動面)の摺動抵抗が小さいベアリングを用いることができる。このように、本発明によれば、ベアリングのドライ化の防止又は摺動抵抗が小さいベアリングの採用により、動力伝達効率を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、環状部材の径方向の厚みがベアリングの径方向の厚みよりも大きくなっているため、ベアリングの圧入による環状部材の変形が抑制される。また、同様に、インサート成形後の冷却における樹脂(軸受固定部)の収縮による環状部材の変形も抑制される。また、電動パーキングブレーキでは、構成上、動力が減速機構を介して伝達される。このため、軸受部材には、シャフトの軸方向に交差する方向(及び/又はシャフトの軸方向)に負荷が加わりやすい。しかしながら、本発明によれば、環状部材の径方向の厚みが相対的に大きいため、減速機構によりシャフトに加わる負荷に対しても環状部材の変形を抑制することができる。このように、本発明によれば、動力伝達効率の向上と、強度又は耐久性の向上との両立が可能となる。
本実施形態の電動パーキングブレーキの構成図である。 本実施形態の減速機構及びギヤボディの構成を示す断面図である。 本実施形態の軸受部材の構成を示す断面図である。 軸方向に見た本実施形態の環状部材を示す平面図である。 本実施形態の環状部材を示す斜視図である。 本実施形態の軸受部材(ベアリング圧入前)及びロアボディを示す斜視図である。 本実施形態の軸受部材(ベアリング圧入後)及びロアボディを示す斜視図である。 軸方向に見た本実施形態の圧入前のベアリングを示す平面図である。 軸方向に見た本実施形態の圧入後のベアリングを示す平面図である。 本実施形態のベアリングの断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。説明に用いる各図は概念図である。また、説明において、ギヤシャフト31の軸方向(ピストン61の軸方向と同じ)を「軸方向」と称する。本実施形態の軸受部材1は、図1に示すように、電動パーキングブレーキ(EPB)9で用いられる電動パーキングブレーキ用軸受部材である。
電動パーキングブレーキ9は、モータ2と、減速機構3と、ギヤボディ4と、変換機構5と、ピストン61と、シリンダ62と、ブレーキパッド7と、を備えている。電動パーキングブレーキ9のうち軸受部材1以外の構成については、公知の構成を利用できるため、以下に簡単に説明する。
モータ2は、電動モータであって、出力軸21を有している。減速機構3は、モータ2の出力軸21の回転を減速させてギヤシャフト(「シャフト」に相当する)31に伝達するギヤ機構である。ギヤシャフト31は、減速機構3のうち出力側に配置されたシャフト、すなわち変換機構5に接続されたシャフトである。
ギヤボディ4は、減速機構3を収容する樹脂製ケースである。図2に示すように、ギヤボディ4は、アッパボディ41と、アッパボディ41に固定されたロアボディ42と、を備えている。アッパボディ41は、ロアボディ42の開口部を被覆している。ロアボディ42には、モータ2が収容される収容部421が形成されている。
変換機構5は、ギヤシャフト31の回転運動をピストン61の直線運動に変換する機構である。図1に示すように、変換機構5は、雄ねじ溝が形成された回転軸部材51と、雌ねじ溝が形成された直動部材52と、を備えている。回転軸部材51は、ギヤシャフト31に同軸に接続されている。直動部材52の雌ねじ溝は、回転軸部材51の雄ねじ溝と噛み合っている。
直動部材52は、ピストン61に対して周方向に係合しており、ピストン61に対して回転しないように構成されている。つまり、直動部材52は、回転軸部材51が回転しても回転軸部材51と共に回転しない。また、ピストン61は、ピストンシール6aの摩擦力、又は、ブレーキパッド7の裏板に設けられた突起部(図示略)とピストン61の押圧面に設けられた溝部(図示略)との係合により、シリンダ62に対して回転しないように構成されている。
上記のねじ機構及び回り止め機構により、回転軸部材51が回転すると、直動部材52がピストン61の内側で軸方向に移動する。直動部材52は、回転軸部材51の回転に応じて軸方向に往復移動する。直動部材52は、モータ2の正回転により軸方向一方側に移動し、モータ2の逆回転により軸方向他方側に移動する。モータ2が停止されると、ねじ機構の摩擦力により直動部材52の移動が規制され、直動部材52は同位置で保持される。制動中にモータ2が停止されると、制動力は保持される。
ピストン61は、軸方向一方側に底面を有し軸方向他方側に開口した有底円筒状の部材である。ピストン61の内側には、直動部材52が配置されている。ピストン61は、直動部材52の軸方向一方側への移動により軸方向一方側に移動し、ブレーキパッド7をブレーキディスク8に向けて押圧する。これにより、車輪に制動力が発生する。制動力は、直動部材52の軸方向他方側への移動によりピストン61の押圧力が減少することで減少する。
シリンダ62は、車両のナックルアームに支持されたいわゆる浮動型キャリパのシリンダであって、軸方向一方側に開口している。シリンダ62の内側には、ピストン61が摺動可能に配置されている。ブレーキパッド7は、ピストン61の軸方向一方への直線運動によりブレーキディスク8に向けて押圧される。電動パーキングブレーキ9は、対向配置された2つのブレーキパッド7でブレーキディスク8を挟み込み、車輪に制動力を付与する。
(減速機構の構成例)
減速機構3の一例について図2を参照して簡単に説明する。各ギヤは、適宜、平歯又は斜歯に形成されている。モータ2の出力軸21には、ピニオンギヤ32が固定されている。ピニオンギヤ32には、第1ホイルギヤ33が噛み合っている。第1ホイルギヤ33は、ギヤメンバ34とともに、ピン341に回転可能に支持されている。
ギヤメンバ34は、第1ホイルギヤ33に同軸に固定されている。ピン341は、ギヤメンバ34及び第1ホイルギヤ33を回転可能に支持している。ピン341の一端はアッパボディ41に固定され、ピン341の他端はロアボディ42に固定されている。
ギヤメンバ34の一部にはギヤ部342が形成されている。ギヤメンバ34のギヤ部342には、第2ホイルギヤ(「ギヤ部材」に相当する)35が噛み合っている。第2ホイルギヤ35は、ギヤシャフト31に同軸で固定されている。つまり、第2ホイルギヤ35は、ギヤシャフト31に固定され、モータ2の出力軸21の回転をギヤシャフト31に伝達する部材である。第2ホイルギヤ35には、位置決めのために、軸受部材1(後述するベアリング13)に当接する突出部351が設けられている(図3参照)。
ギヤシャフト31は、軸受部材1に回転可能に支持され、第2ホイルギヤ35の回転と一体に回転する。ギヤシャフト31は、軸受部材1よりも軸方向一方側の端部にサンギヤ部311を有している。サンギヤ部311は、複数のギヤとともに遊星歯車機構36を形成している。
ギヤシャフト31の軸方向一端には、回転軸部材51が回転可能に支持されている。回転軸部材51は、遊星歯車機構36の出力軸として配置されている。本例の減速機構3によれば、モータ2の出力軸21の回転は、ピニオンギヤ32と第1ホイルギヤ33との噛み合いで減速され、さらにギヤメンバ34のギヤ部342と第2ホイルギヤ35との噛み合いで減速されてギヤシャフト31に伝達される。最後に、ギヤシャフト31の回転は、遊星歯車機構36により減速されて回転軸部材51に伝達される。このように本例では、モータ2の出力軸21の回転は、3段階減速される。
(軸受部材)
軸受部材1は、ギヤシャフト31を回転可能に支持するためにギヤボディ4(ロアボディ42)に設けられた部材である。具体的に、軸受部材1は、図3に示すように、軸受固定部11と、環状部材12と、ベアリング13と、を備えている。図3は、軸受部材1の構成を説明するために軸受部材1の断面を模式的に表した模式断面図である。
軸受固定部11は、ギヤボディ4に設けられ、ギヤシャフト31が挿通される貫通孔11aを有する樹脂製のステータ部材である。貫通孔11aの径は、ギヤシャフト31の径より大きい。軸受固定部11は、ロアボディ42と一体に形成されている。つまり、軸受固定部11は、ギヤボディ4の一部であって、ロアボディ42に保持されている。
環状部材12は、貫通孔11aの一部を形成するように軸受固定部11に埋め込まれた金属製のインサート部材である。つまり、環状部材12は、インサート成形により軸受固定部11に固定されている。環状部材12は、貫通孔11aの軸方向他端部を形成している。環状部材12の外周面は、全周にわたって軸受固定部11に当接している。環状部材12は、ベアリング13の位置決め用部材といえる。
より詳細に、図4及び図5に示すように、環状部材12は、中央に貫通孔を有する多角柱状(本実施形態では八角柱状)に形成された本体部121と、本体部121の軸方向他端側に形成された円筒状の円筒部122と、を備えている。本体部121と円筒部122とは、同軸的に一体に形成されている。環状部材12を軸方向に見た場合、円筒部122の外縁(円形状)は、本体部121の外縁(八角形状)の内側に収まっている。環状部材12の外周面には、本体部121と円筒部122とにより、軸方向他方側ほど中心軸側に位置する段差123(又は傾斜面)が形成されている。
環状部材12は、インサート成形により軸受固定部11と一体に形成される。インサート成形後は、図6に示すように、円筒部122の軸方向他端面と環状部材12の内周面のみが外部に露出している。段差123を含み、本体部121の外周面及び円筒部122の外周面は、樹脂に覆われている。段差123は、軸受固定部11の樹脂で埋められているともいえる。したがって、インサート成形後の環状部材12を軸方向他方側から見た場合、本体部121の外周部は樹脂に覆われて見えず、円筒部122の端面のみが見える。
本体部121が多角筒状であるため、環状部材12と軸受固定部11とが周方向に係合している。これにより、環状部材12が軸受固定部11に対して回転することは抑制される。また、段差123(本体部121の軸方向他端面)が樹脂で覆われるため、環状部材12と軸受固定部11とが軸方向に係合している。これにより、環状部材12が軸受固定部11から抜けることは抑制される。このように、本体部121により軸受固定部11に対する回転防止機能が発揮され、段差123(又は傾斜面)により軸受固定部11からの抜け落ち防止機能が発揮される。なお、環状部材12の各角部は適宜面取りされている。
ベアリング13は、図3に示すように、環状部材12の内周面に押圧力を加えた状態で環状部材12に固定され、ギヤシャフト31を回転可能に支持する部材である。ベアリング13は、環状部材12に圧入されている。ベアリング13は、環状部材12に圧入により変形した状態で固定されている。ベアリング13は、環状部材12に対して径方向外側に向けて押圧力(復元力)を加えることで、環状部材12に固定されている。圧入後のベアリング13の内径は、ギヤシャフト31の挿通部分の外径よりも大きい。
ここで、環状部材12の径方向の厚みW1は、環状部材12の内側に位置するベアリング13(後述する軸受部131)の径方向の厚みW2よりも大きい。換言すると、環状部材12及びベアリング13を環状部材12の中心軸を含む平面で切断した断面(図3参照)において、環状部材12の径方向の幅W1は、環状部材12の内側に位置するベアリング13の径方向の幅W2よりも大きい。
(上記構成による効果)
上記軸受部材1の構成によれば、金属製の環状部材12が樹脂製の軸受固定部11にインサート成形された後にベアリング13を環状部材12に圧入することで、軸受部材1を形成することができる。これにより、例えばベアリング13が含浸焼結軸受であっても、軸受部材1の製造によるベアリング13のドライ化は抑制される。また、ベアリング13の固定はインサート成形後の圧入にて実現可能となるため、ベアリング13の選択肢が広がり、例えば内周面(摺動面)の摺動抵抗が小さいベアリングを用いることができる。このように、本実施形態によれば、ベアリング13のドライ化の抑制又は摺動抵抗が小さいベアリングの採用により、動力伝達効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、環状部材12の径方向の厚みW1がベアリング13の径方向の厚みW2よりも大きくなっているため、ベアリング13の圧入による環状部材12の変形が抑制される。また、同様に、インサート成形後の冷却における樹脂(軸受固定部11)の収縮による環状部材12の変形も抑制される。
また、電動パーキングブレーキ9では、構成上、動力が減速機構3を介して伝達される。このため、ギヤシャフト31を支持する軸受部材1には、ギヤシャフト31の軸方向に交差する方向(及び/又はギヤシャフト31の軸方向)に負荷が加わりやすい。例えば本実施形態のように、モータ2の出力軸21とギヤシャフト31とが同軸的に接続されていない場合、減速機構3の平歯車や斜歯などにより、動力伝達時にギヤシャフト31に軸方向に交差する方向の負荷に加わる。軸受部材1は、少なくともギヤシャフト31回転時に、この負荷を受けることになる。
しかしながら、本実施形態によれば、環状部材12の径方向の厚みW1が相対的に大きいため、減速機構3により加わる負荷に対しても、環状部材12の変形が抑制される。このように、本実施形態によれば、動力伝達効率の向上と、強度又は耐久性の向上との両立が可能となる。本実施形態の軸受部材1は、動力伝達のための2つの軸(21、31)が直接でなく減速機構3を介して接続される電動パーキングブレーキ9に適した構造であるといえる。
(ベアリングの詳細構成1)
本実施形態のベアリング13は、図3、図6、及び図7に示すように、軸受部131と、フランジ部132と、を備えている。軸受部131は、ベアリング13のうち、環状部材12の内周側に位置し、ギヤシャフト31の外周面に対向配置される円筒状の部分である。ギヤシャフト31は、軸受部131に対して摺動且つ回転する。
フランジ部132は、ベアリング13のうち、環状部材12の軸方向他方側に位置し、第2ホイルギヤ35に対向配置される部分である。フランジ部132は、軸受部131の軸方向他端部から径方向外側に向けて突出している。第2ホイルギヤ35の突出部351は、回転時にフランジ部132に対して摺動する。
ベアリング13がフランジ部132を有することにより、軸受部材1と第2ホイルギヤ35との摺動抵抗を小さくすることができる。つまり、動力伝達効率をさらに向上させることができる。
(ベアリングの詳細構成2)
ベアリング13は、図8及び図9に示すように、対向する周方向一端面13aと周方向他端面13bとの距離が、環状部材12に固定されていない状態よりも環状部材12に固定されている状態のほうが小さくなるように形成されている。つまり、両端面13a、13bの距離は、ベアリング13の環状部材12への圧入により小さくなる。
この構成により、圧入時にベアリング13が変形し、圧入しやすくなる上、適切な押圧力でベアリング13が環状部材12に固定される。また、この構成によれば、ベアリング13と環状部材12との固定度合いを容易に設計することができる。ベアリング13は、環状部材12に固定されていない状態(初期状態)において、両端面13a、13b間に僅かなクリアランスを有するC字状(Cリング状)に形成されている。
本実施形態において、ベアリング13は、周方向一端面13aと周方向他端面13bとが当接した状態で、環状部材12に固定されている。つまり、ベアリング13は、環状部材12に固定されている状態で、両端面13a、13bの距離が0となるように形成されている。ベアリング13は、環状部材12の内周面全周に押圧力を加えた状態で、環状部材12に固定される。これにより、ベアリング13の押圧力を環状部材12の内周面に均等に分散させることができ、且つ内周面全周に押圧力を加えることで環状部材12に対する固定を強固にすることができる。
(ベアリングの詳細構成3)
ベアリング13は、図10に示すように、ギヤシャフト31に対向する第1層13cと、環状部材12に当接する第2層13dと、を備える複層系ベアリングである。第1層13cの摩擦係数は、第2層13dの摩擦係数よりも小さい。一例として、第2層13dは金属板で形成された金属層であり、第1層13cは金属板にフッ素コーティングして形成されたコーティング層(表面処理層)である。
この構成によれば、ベアリング13のギヤシャフト31に対する摺動抵抗を小さくしつつ、ベアリング13の環状部材12に対する摺動抵抗を大きくすることができる。つまり、動力伝達効率を向上しつつ、ベアリング13と環状部材12との間の固定力(すなわち軸受部材1の耐久性)を向上させることができる。層の数は3層以上であってもよい。
また、フランジ部132において、第1層13cは第2ホイルギヤ35に対向し、第2層13dは環状部材12の軸方向他端面に対向している。これにより、ベアリング13の第2ホイルギヤ35に対する摺動抵抗を小さくしつつ、ベアリング13の環状部材12に対する摺動抵抗を大きくすることができる。したがって、ベアリング13はさらに有効に機能する。上記軸受部131及びフランジ部132の構成は、両層13c、13dを有する複層系板状部材を折り曲げることで、容易に形成することができる。本実施形態の軸受部材1は、上記ベアリング13の詳細構成1~3をすべて備えている。
(その他)
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、ベアリング13は、含浸焼結軸受であってもよい。また、減速機構3は、1段以上の減速であればよい。例えば、減速機構3は、単純に、モータ2の出力軸21に固定される第1ギヤと、第1ギヤと噛み合い且つ第1ギヤよりも歯数が多い第2ギヤと、第2ギヤに固定され且つ回転軸部材51に固定されたシャフトと、を備える構成でもよい。これによっても、減速機構3は、モータ2の出力軸21の回転を減速させてシャフトに伝達する。例えばサンギヤ部311や遊星歯車機構36は無くてもよい。
また、環状部材12の本体部121は、八角柱状に限られず、例えば六角柱状等でもよい。応力分散の観点では、n角柱状のnは6以上であることが好ましい。また、ベアリング13の両端面13a、13bの距離は、環状部材12に固定された状態で0でなくてもよい。また、ベアリング13は、初期状態において、C字状でなく切れ目のないリング状(O字状)であってもよい。ベアリング13は、詳細構成1~3のうちの1つ又は2つを備えてもよい。また、ベアリング13は、詳細構成1~3を備えなくてもよい。また、環状部材12は、本体部121を備えず、全体が円筒状であってもよい。
また、電動パーキングブレーキ9は、モータ2の駆動力とブレーキ液の液圧による押圧力とを併用してピストン61を駆動させる構成であってもよい。また、環状部材12は、軸方向の両端面が軸受固定部11から露出するように軸受固定部11に埋め込まれてもよい。この場合、環状部材12の軸方向への移動を規制するために、例えば段差123が環状部材12の軸方向の両端部に設けられてもよい。
1…軸受部材、11…軸受固定部、11a…貫通孔、12…環状部材、13…ベアリング、131…軸受部、132…フランジ部、13a…周方向一端面、13b…周方向他端面、13c…第1層、13d…第2層、2…モータ、21…出力軸、3…減速機構、31…ギヤシャフト(シャフト)、35…第2ホイルギヤ(ギヤ部材)、4…ギヤボディ、5…変換機構、61…ピストン、7…ブレーキパッド、8…ブレーキディスク、9…電動パーキングブレーキ。

Claims (5)

  1. モータの出力軸の回転を減速させてシャフトに伝達する減速機構と、
    前記減速機構を収容するギヤボディと、
    前記シャフトの回転運動をピストンの直線運動に変換する変換機構と、
    前記ピストンの軸方向一方への直線運動によりブレーキディスクに向けて押圧されるブレーキパッドと、
    を備える電動パーキングブレーキに用いられる電動パーキングブレーキ用軸受部材であって、
    前記ギヤボディに設けられ、前記シャフトが挿通される貫通孔を有する樹脂製の軸受固定部と、
    前記貫通孔の一部を形成するように前記軸受固定部に埋め込まれた金属製の環状部材と、
    前記環状部材の内周面に押圧力を加えた状態で前記環状部材に固定され、前記シャフトを回転可能に支持するベアリングと、
    を備え、
    前記環状部材の径方向の厚みは、前記環状部材の内周側に位置する前記ベアリングの径方向の厚みよりも大きい電動パーキングブレーキ用軸受部材。
  2. 前記減速機構は、前記シャフトに固定され、前記出力軸の回転を前記シャフトに伝達するギヤ部材を備え、
    前記ベアリングは、
    前記環状部材の内周側に位置し前記シャフトの外周面に対向配置される軸受部と、
    前記環状部材の軸方向他方側に位置し前記ギヤ部材に対向配置されるフランジ部と、
    を備える請求項1に記載の電動パーキングブレーキ用軸受部材。
  3. 前記ベアリングは、対向する周方向一端面と周方向他端面との距離が、前記環状部材に固定されていない状態よりも前記環状部材に固定されている状態のほうが小さくなるように形成されている請求項1又は2に記載の電動パーキングブレーキ用軸受部材。
  4. 前記ベアリングは、前記周方向一端面と前記周方向他端面とが当接した状態で、前記環状部材に固定されている請求項3に記載の電動パーキングブレーキ用軸受部材。
  5. 前記ベアリングは、前記シャフトに対向する第1層と、前記環状部材に当接する第2層と、を備える複層系ベアリングであり、
    前記第1層の摩擦係数は、前記第2層の摩擦係数よりも小さい請求項1~4の何れか一項に記載の電動パーキングブレーキ用軸受部材。
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