JP7379963B2 - 粘接着バリアフィルム及びバリアフィルム付被着体 - Google Patents

粘接着バリアフィルム及びバリアフィルム付被着体 Download PDF

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本発明は、粘接着バリアフィルム及びバリアフィルム付被着体に関する。
従来、様々な形態からなる容器が開発されており、インク、化粧品、飲食品、医薬品等が容器内に充填包装されて販売されている。これらの容器に要求される特性として、酸素や水蒸気等の透過や内容物の揮発による内容物の劣化を防ぐべくガスバリア性を有することが挙げられる。
例えば、特許文献1には、樹脂により構成される円筒状の樹脂層と、該樹脂層の外周表面に配された蒸着層と、を有し、該蒸着層が、酸化珪素、酸化アルミニウム、及びダイアモンドライクカーボンからなる群より選ばれる少なくとも1種により構成されるものであり、総厚みが100μm以上である、筒状成形体に関する技術が記載されている。
特許文献1によれば、この筒状成形体は、酸素バリア性のほか臭い物質の保香性にも優れ、切断した時には切断面の美観性にも優れる筒状成形体である。
また、特許文献2には、樹脂製チューブの外周面全面に、基材片面に蒸着層が積層されたガスバリアフィルムを貼着したバリアチューブに関する技術が記載されている。
特許文献2によれば、このバリアチューブは、チューブを通過するインキが変質することなく、インキの流動性や色を視認することが可能である。
特許文献3には、PETフィルムの表面に酸化アルミニウム蒸着膜を形成し、更に蒸着膜の上にバリア性被覆層を積層したバリア性積層フィルムが開示されている。しかし、プラズマ前処理装置に関する発明であり、蒸着時の酸素量などの規定がなく、高いバリア性と適度な透明性の両立については開示されていない。
特開2019-31078号公報 WO2004/028829 WO2013/100073
本発明は、高いバリア性と透明性を有し、細いチューブに対して張り付きが可能である粘接着バリアフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、粘接着バリアフィルムの酸化アルミニウム蒸着層に含まれるAl 構造部の強度に対するAl構造部の最大強度の比率である、Al 最大強度比率(Al /Al ×100)を制御することにより高いバリア性と透明性が両立することを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)少なくともバリアフィルムと粘接着層とが積層されている粘接着バリアフィルムであって、前記バリアフィルムは、基材層と、酸化アルミニウム蒸着層と、有機被覆層と、がこの順に積層されており、前記有機被覆層は、金属アルコキシドと、水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物から形成されており、前記酸化アルミニウム蒸着層は、Al 構造部と、Al 構造部と、で表される元素結合構造部を有しており、前記バリアフィルムは、前記有機被覆層側から、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)により測定される、前記Al 構造部の強度に対する前記Al構造部の最大強度の比率である、Al 最大強度比率(Al /Al ×100)が、1以上20以下である、粘接着バリアフィルム。
(2)前記Al 構造部の最大強度は、前記酸化アルミニウム蒸着層の膜厚方向における、前記有機被覆層側の表面から4%以上45%以下の深さ位置に存在する(1)に記載の粘接着バリアフィルム。
(3)前記Al 構造部の最大強度は、前記酸化アルミニウム蒸着層の膜厚方向における、前記有機被覆層側の表面から10%以上25%以下の深さ位置に存在する(1)に記載の粘接着バリアフィルム。
(4)前記粘接着層は、アクリル系粘着剤、又は、水酸基を有する主剤樹脂とイソシアネート基を有する硬化剤との硬化物を含有してなる接着剤である(1)から(3)のいずれかに記載の粘接着バリアフィルム。
(5)前記粘接着層の厚さは0.5μm以上50μm以下である(1)から(4)のいずれかに記載の粘接着バリアフィルム。
(6)前記酸化アルミニウム蒸着層の厚さは8nm以上30nm以下であり、かつ、前記有機被覆層の厚さが250nm以上600nm以下である(1)から(5)のいずれかに記載の粘接着バリアフィルム。
(7)(1)から(6)のいずれかに記載の粘接着バリアフィルムが、前記粘接着層を介して、曲面を有する被着体に接合されており、前記曲面の曲率半径Rが1mm以上100mm以下であるバリアフィルム付被着体。
(8)前記バリアフィルム付被着体から剥離された前記粘接着バリアフィルムのJIS K 7126 B法による酸素透過度が0.5cc/m/day/atm以下であり、かつ、水蒸気透過度が0.5g/m/day以下である(7)に記載のバリアフィルム付被着体。
本発明のバリアフィルムは、高いバリア性と透明性を両立し、細いチューブに対して張り付きが可能である。
本実施の形態に係るバリアフィルムの一例を示す断面図である。 バリアフィルム1をチューブ状の被着体に貼り付けたバリアフィルム付被着体10に関する図面である。 酸化アルミニウム蒸着層を形成する蒸着装置の一例を示す平面図である。 実施例1におけるバリアフィルムのTOF-SIMSによる測定結果を示すグラフ解析図である。 ループスティフネス測定器の一例を示す平面図である。 図5のループスティフネス測定器の線V-Vに沿った断面図である。 ループスティフネス測定器に試験片を取り付ける工程を説明するための図である。 試験片にループ部を形成する工程を説明するための図である。 試験片のループ部に荷重を加える工程を説明するための図である。 試験片のループ部に荷重を加える工程を説明するための図である。 他の例におけるバリアフィルムのTOF-SIMSによる測定結果を示すグラフ解析図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。また、本明細書において、「X~Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」を意味する。
<粘接着バリアフィルム>
本実施の形態に係る粘接着バリアフィルム1は、少なくともバリアフィルムと粘接着層とが積層されており、被着体の曲面に前記粘接着層を介して張り付き可能な粘接着バリアフィルムである。この粘接着バリアフィルム1は、図1に示すように、基材層2と、酸化アルミニウム蒸着層3と、有機被覆層4と、がこの順に積層されている。そして、このバリアフィルム1の有機被覆層4の表面にはさらに被着体に張り付き可能な粘接着層5が積層されている。この粘接着層5により、被着体に貼り付けることが可能となり、被着体にバリア性を付与することができる。この粘接着層は、基材層側の表面に積層されていてもよいが、基材層が最外にくるように有機被覆層4の表面に粘接着層が積層されることにより、バリア層が傷つくことを防止することができる。
なお、本明細書において「この順に積層」とは、基材層と、酸化アルミニウム蒸着層と、有機被覆層と、がこの順番に並ぶように積層されていればよく、これらの層の間に他の層が積層されていてもよい。
そして、酸化アルミニウム蒸着層3は、Al 構造部(元素結合Al)と、Al 構造部(元素結合Al)と、で表される元素結合構造部を有しており、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)により測定される、前記Al 構造部の強度に対する前記Al構造部の最大強度の比率である、「Al 最大強度比率(Al /Al ×100)」(以下、単に最大強度比率ともいう)が、1以上20以下であることを特徴とする。
本発明者らの見解によれば、Al 構造部の最大強度比率を制御することによりバリアフィルムのバリア性を向上させることができる。これにより、有機被覆層の膜厚を大きくしなくとも十分にバリアフィルムにバリア性を付与することが可能となることから、細いチューブに対しても張り付けることが可能となる。
TOF-SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法、Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)は、一次イオン銃から一次イオンビームを被分析固体試料表面に照射して、試料表面からスパッタリングされて放出される二次イオンを、その飛行時間差(飛行時間は重さの平方根に比例)を利用して質量分離して、質量分析する方法である。
ここで、スパッタリングを進行させつつ二次イオン強度を検出することによって、二次イオン、即ち被検出元素イオン又は被検出元素と結合した分子イオンのイオン強度の時間推移のデータに対して、推移時間を深さに換算することで、該試料表面の深さ方向の被検出元素の濃度分布を知ることができる。
そして、予め、一次イオンの照射により試料表面に形成された窪みの深さを表面粗さ計を用いて測定して、この窪みの深さと推移時間とから平均スパッタ速度を算出しておき、スパッタ速度が一定であるとの仮定の下に、照射時間(即ち、推移時間)又は照射サイクル数から、深さ(スパッタ量)を算出することが可能である。
バリアフィルムの酸化アルミニウム蒸着層に対し、好ましくは、深い領域まで測定する為にCs(セシウム)イオン銃を用いて、上記のように一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、酸化アルミニウム蒸着層由来のAl (元素結合Al)、Al (元素結合Al)のイオンと、基材層や有機被覆層に由来するCイオンを測定することにより、各イオンの強度比率を算出できる。
例えば、質量数27のAlイオンであると、Al 構造部及びAl 構造部いずれからも検出されてしまうことから、Al 構造部とAl 構造部との比率を定量する指針としては相応しくない。本発明では、質量数80.94のAl のイオンと、質量数101.94Al のイオンと、の強度比率を算出することにより、Al 構造部とAl 構造部との比率を定量することを可能としている。
また、酸化アルミニウム蒸着層、基材層の界面を特定することで、検出されるイオンの最大値が界面からどの深さの位置に存在するか知ることができる。即ち、Cのイオンの強度が最大値の半分になる位置を、基材層と酸化アルミニウム蒸着層との界面であると定義することで、検出されるイオンの強度の最大値が、酸化アルミニウム蒸着層のどの深さの位置にあるかを知ることができる。
測定結果は、例えば、図4に示したようなグラフとして得ることが出来る。図4のグラフにおいて、縦軸の単位(intensity)は、測定されたイオンの強度であり、横軸の単位(cycle)はエッチングの回数である。
そして、各サイクルにおける酸化アルミニウム蒸着層内の深さと、Al 強度、Al 強度が得られ、最大Al 強度を示した時の、Al 最大強度比率Al /Al ×100と、深さのアルミニウム層厚に対する割合を算出することができる。
最大強度比率が1未満であると、酸化アルミニウム蒸着層中のAl 構造部が少なすぎて、バリア性が低下する傾向がある。最大強度比率が20超であると、酸化アルミニウム蒸着層の透明性が低下する傾向があり、包装材料としての印刷性が損なわれ、また、包装材料として包装した内容物の視認性が悪くなるという問題が生じやすい。なお、最大強度比率は、2以上であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。
最大強度比率(Al /Al ×100)が1以上20以下であることにより、バリア樹脂フィルムがバリア性有機被覆層を含む場合には、酸素透過度が、0.02cc/m/day/atm以上、0.2cc/m/day/atm以下であり、水蒸気透過度が、0.02g/m/day以上、0.2g/m/day以下のバリア性を発揮することができる。
なお、被着体の曲面に粘接着バリアフィルムを張り付けた場合には、酸化アルミニウム蒸着層が屈曲することにより、酸化アルミニウム蒸着層中のAl 構造部に多少割れが生じることでバリア性が若干低下することがある。しかしながら、最大強度比率(Al /Al ×100)が1以上であればAl 構造部によってAl 構造部に発生する割れを抑制することができる。これにより、酸化アルミニウム蒸着層が屈曲することによるバリア性の低下を抑制することが可能となる。
例えば、曲率半径Rが1mm以上100mm以下の曲面に粘接着バリアフィルムを張り付けた場合には、バリアフィルム付被着体から剥離された粘接着バリアフィルムのJIS K 7126 B法による酸素透過度が0.5cc/m/day/atm以下であり、かつ、水蒸気透過度が0.5g/m/day以下である。このように、本実施の形態に係る粘接着バリアフィルムは、耐屈曲性が高く、被着体の曲面に貼り付けた場合にバリア性の低下を抑制することが可能となる。
以下、バリアフィルム1を構成する各層について説明する。
[基材層]
基材層2は主に樹脂を含む層である。樹脂は特に制限されるものではなく、公知の樹脂フィルム又はシートを使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂などを含むポリエステル系樹脂や、ポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα-オレフィンの重合体や共重合体などを含むポリオレフィン系樹脂等、を含む樹脂フィルムを用いることができる。
これらの樹脂の中でも、ポリエステル系樹脂が好適に用いられ、更には、ポリエステル系樹脂の中でも、ポリエチレンテレフタレート系樹脂やポリブチレンテレフタレート系樹脂を用いることが好ましい。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)としては、従来公知のPETフィルム以外に、バイオマスPETフィルム、リサイクルPETフィルム、高スティッフネスPETフィルム(強靭PETフィルム)を基材層2として用いてもよい。
<バイオマスPETフィルム>
バイオマスPETフィルムは、バイオマス由来のポリエステルを含む樹脂フィルムであり、バイオマス由来のポリエステルは、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールで、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸である。
バイオマス由来のエチレングリコールは、従来の化石燃料由来のエチレングリコールと化学構造が同じであるため、バイオマス由来のエチレングリコールを用いて合成されたポリエステルのフィルムは、従来の化石燃料由来のポリエステルフィルムと機械的特性等の物性面で遜色がない。したがって、バイオマス由来のポリエステルフィルムを使用した基材層は、カーボンニュートラルな材料からなる層を有するため、従来の化石燃料から得られる原料から製造された基材層に比べて、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
バイオマス由来のエチレングリコールは、サトウキビ、トウモロコシ等のバイオマスを原料として製造されたエタノール(バイオマスエタノール)を原料としたものである。例えば、バイオマスエタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法等により、バイオマス由来のエチレングリコールを得ることができる。また、市販のバイオマスエチレングリコールを使用してもよく、例えば、インディアグライコール社から市販されているバイオマスエチレングリコールを好適に使用することができる。
ポリエステルのジカルボン酸単位は、化石燃料由来のジカルボン酸を使用する。ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、及びそれらの誘導体を使用することができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸及びイソフタル酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等が挙げられる。これらの中でも、テレフタル酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、ジメチルテレフタレートが好ましい。
バイオマス由来のポリエステルは、ジオール単位とジカルボン酸単位とを重縮合させる従来公知の方法により得ることができる。具体的には、上記のジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によって製造することができる。
バイオマス由来のポリエステルを含む樹脂フィルムを構成する樹脂組成物は、バイオマス由来のポリエステルのみで構成されていてもよいし、バイオマス由来のポリエステルに加えて、化石燃料由来のポリエステルを含んでいてもよい。化石燃料由来のポリエステルは、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなり、ジオール単位として化石燃料由来のジオールのエチレングリコールを用い、ジカルボン酸単位として化石燃料由来のジカルボン酸を用いて重縮合反応により得られたものである。
バイオマス由来のポリエステルを含む樹脂フィルムを構成する樹脂組成物中の樹脂は、バイオマス由来のポリエステルに加えて、リサイクルポリエステルを含んでいてもよい。リサイクルポリエステルは、バイオマス由来のポリエステルをリサイクルしたものであってもよいし、化石燃料由来のポリエステルをリサイクルしたものであってもよい。
バイオマス由来のポリエステルを含む樹脂フィルムを構成する樹脂組成物は、各種の添加剤を含有することができる。添加剤として、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、着色顔料などが挙げられる。添加剤は、PETを含む樹脂組成物全体中に、5質量%以上50質量%以下、好ましくは5質量%以上20質量%以下の範囲で含有されることが好ましい。
バイオマス由来のポリエステルを含む樹脂フィルムは、例えば、Tダイ法によってフィルム化することにより形成することができる。具体的には、上記したPETを乾燥させた後、PETの融点以上の温度(Tm)~Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融し、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することによりフィルムを成形することができる。溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。なお、本明細書上では、Tmとは融点を意味する。
大気中の二酸化炭素には、14Cが一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばトウモロコシ中の14C含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中には14Cが殆ど含まれていないことも知られている。したがって、ポリエステル中の全炭素原子中に含まれる14Cの割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。本発明において、「バイオマス度」とは、バイオマス由来成分の質量比率を示すものである。PET(ポリエチレンテレフタレート)を例にとると、PETは、2炭素原子を含むエチレングリコールと8炭素原子を含むテレフタル酸とがモル比1:1で重合したものであり、エチレングリコールとしてバイオマス由来のもののみを使用した場合、PET中のバイオマス由来成分の質量比率は31.25%であるため、バイオマス度は31.25%となる(バイオマス由来のエチレングリコール由来の分子量/ポリエステルの重合1単位の分子量=60÷192)。また、化石燃料由来のポリエステルのバイオマス由来成分の質量比率は0%であり、化石燃料由来のポリエステルのバイオマス度は0%となる。本発明において、バイオマス由来のポリエステルを含む樹脂フィルム中のバイオマス度は、5.0%以上であることが好ましく、さらに好ましくは10.0%以上であり、好ましくは30.0%以下である。
バイオマス由来のポリエステルを含む樹脂フィルムは2軸延伸されていることが好ましい。二軸延伸は従来公知の方法で行うことができる。例えば、上記のようにして冷却ドラム上に押し出されたフィルムを、続いて、ロール加熱、赤外線加熱などで加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムとする。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。縦延伸は、通常、50~100℃の温度範囲で行われる。また、縦延伸の倍率は、フィルム用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上4.2倍以下とするのが好ましい。延伸倍率が2.5倍未満の場合は、ポリエステルフィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムを得ることが難しい。
縦延伸されたフィルムは、続いて横延伸、熱固定、熱弛緩の各処理工程を順次施して二軸延伸フィルムとなる。横延伸は、通常、50~100℃の温度範囲で行われる。横延伸の倍率は、この用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上5.0倍以下が好ましい。2.5倍未満の場合はフィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムが得られにくく、5.0倍を超える場合は製膜中に破断が発生し易くなる。
横延伸のあと、続いて熱固定処理を行うが、好ましい熱固定の温度範囲は、ポリエステルのTg+70~Tm-10℃である。また、熱固定時間は1~60秒が好ましい。さらに熱収縮率の低滅が必要な用途については、必要に応じて熱弛緩処理を行ってもよい。なお、本明細書上では、Tgとはガラス転移点を意味する。
バイオマス由来のポリエステルを含む樹脂フィルムの厚さは、その用途に応じて任意であるが、通常、5~500μm程度である。バイオマス由来のポリエステルを含む樹脂フィルムの破断強度は、MD方向で5~40kgf/mm、TD方向で5~35kgf/mmであり、また、破断伸度は、MD方向で50~350%、TD方向で50~300%である。また、150℃の温度環境下に30分放置した時の収縮率は、0.1~5%である。
バイオマス由来のポリエステルを含む樹脂フィルムは、本件の粘接着バリアフィルム用途以外にも、袋、蓋材、ラミチューブなどの包装製品、各種ラベル材料、シート成型品等の用途に好適に使用することができる。なお、リサイクルPETを含む樹脂フィルムを包装製品の用途に使用する場合、延伸フィルムの厚さは、5~30μmであることが好ましい。
<リサイクルPETフィルム>
リサイクルPETフィルムは、リサイクルPETを含む樹脂フィルムであり、メカニカルリサイクルによりリサイクルされたPETを含む。具体的には、PETボトルをメカニカルリサイクルによりリサイクルしたPETを含み、このPETは、ジオール成分がエチレングリコールであり、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸及びイソフタル酸を含む。
ここで、メカニカルリサイクルとは、一般に、回収されたPETボトル等のポリエチレンテレフタレート樹脂製品を粉砕、アルカリ洗浄してPET樹脂製品の表面の汚れ、異物を除去した後、高温・減圧下で一定時間乾燥してPET樹脂の内部に留まっている汚染物質を拡散させ除染を行い、PET樹脂からなる樹脂製品の汚れを取り除き、再びPET樹脂に戻す方法である。
以下、PETボトルをリサイクルしたポリエチレンテレフタレートを「リサイクルポリエチレンテレフタレート(以下、リサイクルPETとも記す)」といい、リサイクルされていないポリエチレンテレフタレートを「ヴァージンポリエチレンテレフタレート(以下、ヴァージンPETとも記す)」というものとする。
基材層に含まれるPETのうち、イソフタル酸成分の含有量は、PETを構成する全ジカルボン酸成分中に、0.5モル%以上5モル%以下であることが好ましく、1.0モル%以上2.5モル%以下であることがより好ましい。イソフタル酸成分の含有量が0.5モル%未満であると柔軟性が向上しない場合があり、一方、5モル%を超えるとPETの融点が下がり耐熱性が不十分となる場合がある。
なお、PETは、通常の化石燃料由来のPETの他、バイオマス由来のPETであってもよい。このバイオマス由来のPETは、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール成分とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸成分とするPETである。
PETボトルに用いられるPETは、上記したジオール成分とジカルボン酸成分とを重縮合させる従来公知の方法により得ることができる。具体的には、上記のジオール成分とジカルボン酸成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法、又は有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法などによって製造することができる。上記PETを製造する際に用いるジオール成分の使用量は、ジカルボン酸又はその誘導体100モルに対し、実質的に等モルであるが、一般には、エステル化及び/又はエステル交換反応及び/又は縮重合反応中の留出があることから、0.1モル%以上20モル%以下過剰に用いられる。また、重縮合反応は、重合触媒の存在下で行うことが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
PETボトルをリサイクルしたPETは、上記のようにして重合して固化させた後、さらに重合度を高めたり、環状三量体などのオリゴマーを除去したりするため、必要に応じて固相重合を行ってもよい。具体的には、固相重合は、PETをチップ化して乾燥させた後、100℃以上180℃以下の温度で1時間から8時間程度加熱してPETを予備結晶化させ、続いて、190℃以上230℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気下又は減圧下において一時間~数十時間加熱することにより行われる。
リサイクルPETに含まれるPETの極限粘度は、0.58dl/g以上0.80dl/g以下であることが好ましい。極限粘度が0.58dl/g未満の場合は、樹脂基材としてPETフィルムに要求される機械特性が不足する可能性がある。他方、極限粘度が0.80dl/gを超えると、フィルム製膜工程における生産性が損なわれる場合がある。なお、極限粘度は、オルトクロロフェノール溶液で、35℃において測定される。
リサイクルPETは、リサイクルPETを50質量%以上95質量%以下の割合で含むことが好ましく、リサイクルPETの他、ヴァージンPETを含んでいてもよい。ヴァージンPETとしては、上記したようなジオール成分がエチレングリコールであり、ジカルボン酸成分がテレフタル酸及びイソフタル酸を含むPETであってもよく、また、ジカルボン酸成分がイソフタル酸を含まないPETであってもよい。例えば、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及びイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸以外にも、脂肪族ジカルボン酸等が含まれていてもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸並びにシクロヘキサンジカルボン酸などの、通常炭素数が2以上40以下の鎖状又は脂環式ジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸の誘導体としては、上記脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステルなどの低級アルキルエステル、無水コハク酸などの上記脂肪族ジカルボン酸の環状酸無水物が挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、ダイマー酸又はこれらの混合物が好ましく、コハク酸を主成分とするものが特に好ましい。脂肪族ジカルボン酸の誘導体としては、アジピン酸及びコハク酸のメチルエステル、又はこれらの混合物がより好ましい。
リサイクルPETを含む樹脂フィルムを構成する樹脂組成物中の樹脂は、リサイクルPETのみで構成されていてもよいし、リサイクルPETに加えて、ヴァージンPETを含んでいてもよい。また、リサイクルPETフィルムは、単層であってもよく、多層であってもよい。リサイクルPETを含む樹脂フィルムを最内層/中間層/最外層の3層とする場合、中間層をリサイクルPETのみから構成される層又はリサイクルPETとヴァージンPETとの混合層とし、両側の最内層及び最外層は、ヴァージンPETのみから構成される層とすることが好ましい。このように、最内層及び最外層にヴァージンPETのみを用いることにより、リサイクルPETが樹脂フィルムの表面又は裏面から表出することを防止することができる。このため、積層体の衛生性を確保することができる。また、リサイクルPETを含む樹脂フィルムを2層とする場合、一方の層をリサイクルPETのみから構成される層又はリサイクルPETとヴァージンPETとの混合層とし、他方の層は、ヴァージンPETのみから構成される層とすることが好ましい。リサイクルPETとヴァージンPETとを混合してリサイクルPETを含む樹脂フィルムを単層で成形する場合には、別々に成形機に供給する方法、ドライブレンド等で混合した後に供給する方法などがある。中でも、操作が簡便であるという観点から、ドライブレンドで混合する方法が好ましい。
リサイクルポリエチレンPETを含む樹脂フィルムを構成する樹脂組成物は、その製造工程において、又はその製造後に、その特性が損なわれない範囲において各種の添加剤を含有することができる。添加剤として、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、着色顔料などが挙げられる。添加剤は、PETを含む樹脂組成物全体中に、5質量%以上50質量%以下、好ましくは5質量%以上20質量%以下の範囲で含有されることが好ましい。
リサイクルPETを含む樹脂フィルムは、例えば、Tダイ法によってフィルム化することにより形成することができる。具体的には、上記したPETを乾燥させた後、PETの融点以上の温度(Tm)~Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融し、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することによりフィルムを成形することができる。溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
リサイクルPETを含む樹脂フィルムは二軸延伸されていることが好ましい。二軸延伸は従来公知の方法で行うことができる。例えば、上記のようにして冷却ドラム上に押し出されたフィルムを、続いて、ロール加熱、赤外線加熱などで加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムとする。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。縦延伸は、通常、50℃以上100℃以下の温度範囲で行われる。また、縦延伸の倍率は、フィルム用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上4.2倍以下とするのが好ましい。延伸倍率が2.5倍未満の場合は、PETフィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムを得ることが難しい。縦延伸されたフィルムは、続いて横延伸、熱固定、熱弛緩の各処理工程を順次施して2軸延伸フィルムとなる。横延伸は、通常、50℃以上100℃以下の温度範囲で行われる。横延伸の倍率は、この用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上5.0倍以下が好ましい。2.5倍未満の場合はフィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムが得られにくく、5.0倍を超える場合は製膜中に破断が発生し易くなる。横延伸のあと、続いて熱固定処理を行うが、好ましい熱固定の温度範囲は、PETのTg+70~Tm-10℃である。また、熱固定時間は1秒以上60秒以下が好ましい。さらに熱収縮率の低滅が必要な用途については、必要に応じて熱弛緩処理を行ってもよい。
リサイクルPETを含む樹脂フィルムの厚さは、その用途に応じて任意であるが、通常、5~500μm程度である。リサイクルPETを含む樹脂フィルムの破断強度は、MD方向で5kgf/mm以上40kgf/mm以下、TD方向で5kgf/mm以上35kgf/mm以下であり、また、破断伸度は、MD方向で50%以上350%以下、TD方向で50%以上300%以下である。また、150℃の温度環境下に30分放置した時の収縮率は、0.1%以上5%以下である。
なお、ヴァージンPETは、化石燃料ポリエチレンテレフタレート(以下化石燃料PETとも記す)であってもよく、バイオマスPETであってもよい。ここで、「化石燃料PET」とは、化石燃料由来のジオールをジオール成分とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸成分とするものである。また、リサイクルPETは、化石燃料PETを用いて形成されたPET樹脂製品をリサイクルして得られるものであってもよく、バイオマスPETを用いて形成されたPET樹脂製品をリサイクルして得られるものであってもよい。
リサイクルPETを含む樹脂フィルムは、本件の粘接着バリアフィルム用途以外にも、袋、蓋材、ラミチューブなどの包装製品、各種ラベル材料、シート成型品等の用途に好適に使用することができる。なお、リサイクルPETを含む樹脂フィルムを包装製品の用途に使用する場合、延伸フィルムの厚さは、5~30μmであることが好ましい。
<高スティッフネスPETフィルム(強靭PETフィルム)>
高スティフネスPETフィルムは、ポリエステルを主成分として含み、少なくとも1つの方向において、試験片15mm巾において0.0017N以上のループスティフネスを有する。高スティフネスフィルムは、例えば流れ方向(MD)又は垂直方向(TD)の少なくとも一方において0.0017N以上のループスティフネスを有する。高スティフネスフィルムは、例えば流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)の両方において0.0017N以上のループスティフネスを有していてもよい。
ループスティフネスとは、フィルムのこしの強さを表すパラメータである。以下、図5~図10を参照して、ループスティフネスの測定方法を説明する。なお、以下に説明する測定方法は、延伸プラスチックフィルムなどの単層のフィルムだけでなく、蒸着フィルム、積層フィルムなどの、複数の層を含むフィルムに関しても使用可能である。蒸着フィルムとは、延伸プラスチックフィルムなどの単層のフィルムと、単層のフィルム上に形成されている蒸着層と、を含むフィルムである。積層フィルムとは、積層された複数のフィルムを含むフィルムである。
図5は、試験片40及びループスティフネス測定器45を示す平面図であり、図6は、図5の試験片40及びループスティフネス測定器45の線IV-IVに沿った断面図である。試験片40は、長辺及び短辺を有する矩形状のフィルムである。本願においては、試験片40の長辺の長さL1を150mmとし、短辺の長さL2を15mmとした。ループスティフネス測定器45としては、例えば、東洋精機社製のNo.581ループステフネステスタ(登録商標)LOOP STIFFNESS TESTER DA型を用いることができる。なお、試験片40の長辺の長さL1は、後述する一対のチャック部46によって試験片40を把持することができる限りにおいて、調整可能である。
ループスティフネス測定器45は、試験片40の長辺方向の一対の端部を把持するための一対のチャック部46と、チャック部46を支持する支持部材47と、を有する。チャック部46は、第1チャック461及び第2チャック462を含む。図5及び図6に示す状態において、試験片40は、一対の第1チャック461の上に配置されており、第2チャック462は、第1チャック461との間で試験片40を未だ把持していない。後述するように、測定時、試験片40は、チャック部46の第1チャック461と第2チャック462との間に把持される。第2チャック462は、ヒンジ機構を介して第1チャック461に連結されていてもよい。
延伸プラスチックフィルム、蒸着フィルム、積層フィルムなどの測定対象のフィルムを、フィルムが包装製品に加工される前の状態で入手可能な場合、試験片40は、測定対象のフィルムを切断することによって作製されてもよい。また、試験片40は、包装袋などの、包装材料から作製された包装製品を切断し、測定対象のフィルムを取り出すことによって作製されてもよい。
ループスティフネス測定器45を用いて試験片40のループスティフネスを測定する方法について説明する。まず、図5及び図6に示すように、間隔L3を空けて配置されている一対のチャック部46の第1チャック461上に試験片40を載置する。本願においては、後述するループ部41の長さ(以下、ループ長とも称する)が60mmになるよう、間隔L3を設定した。試験片40は、第1チャック461側に位置する内面40xと、内面40xの反対側に位置する外面40yと、を含む。試験片40が包装材料からなる場合、試験片40の内面40x及び外面40yは、包装材料の内面及び外面に一致する。後述するループ部41を試験片40に形成する際、内面40xがループ部41の内側に位置し、外面40yがループ部41の外側に位置する。続いて、図7に示すように、第1チャック461との間で試験片40の長辺方向の端部を把持するよう、第2チャック462を試験片40の上に配置する。
続いて、図8に示すように、一対のチャック部46の間の間隔が縮まる方向において、一対のチャック部46の少なくとも一方を支持部材47上でスライドさせる。これにより、試験片40にループ部41を形成することができる。図8に示す試験片40は、ループ部41と、一対の中間部42及び一対の固定部43とを有する。一対の固定部43は、試験片40のうち一対のチャック部46によって把持されている部分である。一対の中間部42は、試験片40のうちループ部41と一対の中間部42との間に位置している部分である。図8に示すように、チャック部46は、一対の中間部42の内面40x同士が接触するまで支持部材47上でスライドされる。これにより、60mmのループ長を有するループ部41を形成することができる。ループ部41のループ長は、一方の第2チャック462のループ部41側の面と試験片40とが交わる位置P1と、他方の第2チャック462のループ部41側の面と試験片40とが交わる位置P2との間における、試験片40の長さである。上述の間隔L3は、試験片40の厚みを無視する場合、ループ部41の長さに2×tを加えた値になる。tは、チャック部46の第2チャック462の厚みである。
その後、図9に示すように、チャック部46に対するループ部41の突出方向Yが水平方向になるよう、チャック部46の姿勢を調整する。例えば、支持部材47の法線方向が水平方向を向くように支持部材47を動かすことにより、支持部材47によって支持されているチャック部46の姿勢を調整する。図9に示す例において、ループ部41の突出方向Yは、チャック部の厚み方向に一致している。また、ループ部41の突出方向Yにおいて第2チャック462から距離Z1だけ離れた位置にロードセル48を準備する。本願においては、距離Z1を50mmとした。続いて、ロードセル48を、試験片40のループ部41に向けて、図9に示す距離Z2だけ速度Vで移動させる。距離Z2は、図9及び図10に示すように、ロードセル48がループ部61に接触し、その後、ロードセル48がループ部41をチャック部46側に押し込むよう、設定される。本願においては、距離Z2を40mmとした。この場合、ロードセル48がループ部41をチャック部46側に押し込んでいる状態におけるロードセル48とチャック部46の第2チャック462との間の距離Z3は、10mmになる。ロードセル48を移動させる速度Vは、3.3mm/秒とした。
続いて、図10に示す、ロードセル48をチャック部46側に距離Z2だけ移動させ、ロードセル48が試験片40のループ部41を押し込んでいる状態において、ループ部41からロードセル48に加えられている荷重の値が安定した後、荷重の値を記録する。このようにして得られた荷重の値を、試験片40を構成するフィルムのループスティフネスとして採用する。本願において、特に断らない限り、ループスティフネスの測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%である。
少なくとも1つの方向において0.0017N以上のループスティフネスを有する高スティフネスフィルムを延伸プラスチックフィルムとして用いることにより、延伸プラスチックフィルムの突き刺し強度を高めることができる。これにより、高スティフネスフィルムを備える積層フィルムにおいて、積層フィルムの突き刺し強度を例えば13N以上にすることができ、より好ましくは14N以上にすることができ、さらに好ましくは15N以上又は16N以上にすることができる。
高スティフネスフィルムの例としては、51質量%以上のPETを含む高スティフネスPETフィルムを挙げることができる。高スティフネスPETフィルムにおけるPETの含有率は、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよい。高スティフネスフィルムの厚みは、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは7μm以上である。高スティフネスフィルムの厚みは、10μm以上であってもよく、14μm以上であってもよい。また、高スティフネスフィルムの厚みは、好ましくは30μm以下であり、25μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。
高スティフネスフィルムの好ましい機械特性について更に説明する。高スティフネスフィルムの突き刺し強度は、好ましくは10N以上であり、より好ましくは11N以上である。少なくとも1つの方向における高スティフネスフィルムの引張強度は、好ましくは250MPa以上であり、より好ましくは280MPa以上である。例えば、流れ方向における高スティフネスフィルムの引張強度は、好ましくは250MPa以上であり、より好ましくは280MPa以上である。垂直方向における高スティフネスフィルムの引張強度は、好ましくは250MPa以上であり、より好ましくは280MPa以上である。少なくとも1つの方向における高スティフネスフィルムの引張伸度は、好ましくは130%以下であり、より好ましくは120%以下である。例えば、流れ方向における高スティフネスフィルムの引張伸度は、好ましくは130%以下であり、より好ましくは120%以下である。垂直方向における高スティフネスフィルムの引張伸度は、好ましくは120%以下であり、より好ましくは110%以下である。好ましくは、少なくとも1つの方向において、高スティフネスフィルムの引張強度を引張伸度で割った値が2.0〔MPa/%〕以上である。例えば、垂直方向(TD)における高スティフネスフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は、好ましくは2.0〔MPa/%〕以上であり、より好ましくは2.2〔MPa/%〕以上である。流れ方向(MD)における高スティフネスフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は、好ましくは1.8〔MPa/%〕以上であり、より好ましくは2.0〔MPa/%〕以上である。
少なくとも1つの方向における高スティフネスフィルムの熱収縮率は、0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。例えば、流れ方向における高スティフネスフィルムの熱収縮率は、0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。垂直方向における高スティフネスフィルムの熱収縮率は、0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。熱収縮率を測定する際の加熱温度は100℃であり、加熱時間は40分である。
少なくとも1つの方向における高スティフネスフィルムのヤング率は、好ましくは4.0GPa以上であり、より好ましくは4.5GPa以上である。例えば、流れ方向における高スティフネスフィルムのヤング率は、好ましくは4.0GPa以上であり、より好ましくは4.5GPa以上である。垂直方向における高スティフネスフィルムのヤング率は、好ましくは4.0GPa以上であり、より好ましくは4.5GPa以上である。
ヤング率は、引張強度及び引張伸度と同様に、JIS K7127に準拠して測定され得る。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 STA-1150を用いることができる。試験片としては、高スティフネスフィルムを幅15mm、長さ150mmの矩形状のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は100mmであり、引張速度は300mm/分である。なお、試験片の長さは、一対のチャックによって試験片を把持することができる限りにおいて、調整可能である。本願において、特に断らない限り、ヤング率の測定時の環境は、温度25℃、相対湿度50%である。
高スティフネスフィルムは、蒸着層が設けられた場合であっても、単体の高スティフネスフィルムと同等の機械特性を有している。例えば、酸化アルミニウム蒸着層3が設けられている高スティフネスフィルムは、少なくとも1つの方向において0.0017N以上のループスティフネスを有している。また、更に蒸着層の上に有機被覆層が設けられた場合であっても、単体の高スティフネスフィルムと同等の機械特性を有している。例えば、酸化アルミニウム蒸着層3及び有機被覆層4が設けられている高スティフネスフィルムは、少なくとも1つの方向において0.0017N以上のループスティフネスを有している。
高スティフネスフィルムの製造工程においては、例えば、まず、ポリエステルを溶融及び成形することによって得られたプラスチックフィルムを、流れ方向及び垂直方向において、それぞれ90~145℃で3~4.5倍に延伸する第1延伸工程を実施する。続いて、プラスチックフィルムを、流れ方向及び垂直方向において、それぞれ100~145℃で1.1~3.0倍に延伸する第2延伸工程を実施する。その後、190~220℃の温度で熱固定を行う。続いて、流れ方向及び垂直方向において、100~190℃の温度で0.2~2.5%程度の弛緩処理(フィルム幅を縮める処理)を実施する。これらの工程において、延伸倍率、延伸温度、熱固定温度、弛緩処理率を調整することにより、上述の機械特性を備える高スティフネスフィルムを得ることができる。
高スティフネスフィルムの具体例としては、東レ株式会社製のXP-55を用いることができる。この高スティフネスフィルムは二軸延伸されており、90質量%以上のPETを含み、厚みは16μmである。この高スティフネスPETフィルムのループスティフネスの測定値は、流れ方向及び垂直方向のいずれにおいても0.0021Nであった。また、流れ方向における高スティフネスPETフィルムのヤング率は4.8GPaであり、垂直方向における高スティフネスPETフィルムのヤング率は4.7GPaであった。また、流れ方向における高スティフネスPETフィルムの引張強度は292MPaであり、垂直方向における高スティフネスPETフィルムの引張強度は257MPaであった。また、流れ方向における高スティフネスPETフィルムの引張伸度は107%であり、垂直方向における高スティフネスPETフィルムの引張伸度は102%であった。この場合、流れ方向における高スティフネスPETフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は2.73〔MPa/%〕であり、垂直方向における高スティフネスPETフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は2.52〔MPa/%〕である。また、流れ方向及び垂直方向における高スティフネスPETフィルムの熱収縮率はいずれも0.4%であった。
基材層2は、1層であっても、2層以上の多層構成であってもよく、多層構成の場合には、同一組成の層であっても、異なる組成の層であってもよい。また、多層構成の場合に、各層間は、接着剤層等が介在して接着されていてもよい。
基材層2の厚さは、特に限定されるものではないが、粘接着バリアフィルムとして曲面を有する被着体に接合する場合には5μm以上25μm以下であることが好ましく、8μm以上15μm以下であることがより好ましい。5μm以上であることにより、バリアフィルムの強度を好ましいものにすることができる。25μm以下であることにより、バリアフィルム全体の厚さを小さくすることができることから、細いチューブに対して張り付けることが可能となる。
[酸化アルミニウム蒸着層]
酸化アルミニウム蒸着層3は、主成分として酸化アルミニウムを含む無機酸化物の薄膜である。そして、この酸化アルミニウム蒸着層3には、Al 構造部と、Al 構造部と、で表される元素結合構造部を有しており、Al 構造部と前記Al 構造部との最大強度比率(Al /Al ×100)が、1以上20以下であることを特徴としている。
このように、単にAl 構造部のみからなる酸化アルミニウムではなく、Al 構造部とAl 構造部との最大強度比率を制御することによりバリアフィルムのバリア性を向上させることができる。
具体的には、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)によって検出されるAl の強度と、Al の強度との比である、強度比率Al /Al によって表現することができる。本発明における、Al 構造部、Al 構造部とは、それぞれ、TOF-SIMSにおけるAl の強度(元素結合Al由来の強度)、Al の強度(元素結合Al由来の強度)を意味する。Al の強度はアルミニウムに由来し、Al の強度は酸化アルミニウムに由来する。
ここで飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)とは、固体試料にイオンビーム(一次イオン)を照射し、表面を構成する分子の一部がイオン化され放出されるイオン(二次イオン)を、その飛行時間差(飛行時間は重さの平方根に比例)を利用して質量分離する手法である。本明細書において、この強度比率Al /Al は、バリアフィルムの有機被覆層(粘接着層)側からイオンビームを照射し、酸化アルミニウム蒸着層に由来するAl 構造部と、Al 構造部と、の二次イオンにより特定される。
TOF-SIMSの測定結果における酸化アルミニウム蒸着層の判断は、有機被覆層の構成元素であるSiOの強度が、最大強度の半分になる位置をバリア性有機被覆層と酸化アルミニウム蒸着層の界面として、次いで、基材層の構成材料であるC6の強度が、最大強度の半分になる位置を、フィルム基材と酸化アルミニウム蒸着層の界面として、最初の界面から2番目の界面までを酸化アルミニウム蒸着層とする。
そして、酸化アルミニウム蒸着層内でAl の強度が最も高いピーク位置(最大強度)を求め、その位置でのAl の強度とAl との強度比率であるAl 最大強度比率(Al /Al ×100)と、Al の最大強度の酸化アルミニウム蒸着層厚に対する割合(酸化アルミニウム蒸着層における、有機被覆層側からの深さ)を算出する。
また、このAl 構造部の最大強度は、酸化アルミニウム蒸着層における有機被覆層側(イオンビームを照射側)の表面から酸化アルミニウム蒸着層の膜厚の4%以上45%以下の深さ位置に存在することが好ましく、10%以上25%以下の深さ位置に存在することがより好ましい。このことを、図11を用いて説明する。図11は、基材/蒸着層の構成のバリアフィルムにおける、TOF-SIMSによる測定結果を示すグラフ解析図である。後述する図4は、実施例1のTOF-SIMSによる測定結果(基材/蒸着層/有機被覆層)であり、図11では有機被覆層が存在しないという層構成の相違があるものの、図11の蒸着膜付近の拡大図として疑似的に理解することができる。図11において、Al 構造部の最大強度は横軸0サイクルと10サイクルの間にピークが存在しており、一方、Al 構造部は0サイクルから100サイクル弱にかけて広く存在している。このことは、酸化アルミニウム蒸着層において、Al 構造部が有機被覆層側に偏在していることを意味し、具体的には、膜厚の4%以上45%以下の深さ位置に存在している。逆にいうと、蒸着膜における基材界面付近にはAl 構造部の最大強度が存在せず、Al 構造部が主に存在していることを意味する。このように、単一の蒸着膜であるにもかかわらず、蒸着膜の有機被覆層側にはAl 構造部の領域に加えてAl 構造部の主領域が存在し、蒸着膜の基材層側には、Al 構造部の領域が主として存在するという構成をとることにより、Al 構造部に由来する高いバリア性と、Al 構造部に由来する透明性と基材層への密着性という、従来相反する物性の両立を図ることに成功したものである。
なお、Al 構造部の最大強度を、酸化アルミニウム蒸着層における有機被覆層側(イオンビームを照射側)の表面から酸化アルミニウム蒸着層の膜厚の4%以上45%以下とするには、酸化アルミニウム蒸着層の形成時における蒸着時の酸素濃度を制御することで調整でき、より好ましい10%以上25%以下とするには、前処理、特に酸素プラズマ処理の条件と、酸化アルミニウム蒸着層の形成時における蒸着時の酸素濃度との組み合わせを制御することで調整することができる。適切な酸素プラズマによる前処理によって、蒸着膜の基材層側では、有機被覆層側に比べてAlの酸化が促進される結果、Al 構造部が生じ難くなるものと推定され、蒸着膜全体として透明性を維持することに成功している。
なお、酸化アルミニウム蒸着層には、微量の、アルミニウムの窒化物、炭化物、水酸化物の単独又はその混合物などのアルミニウム化合物や、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸化窒化物、ケイ素炭化物、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、又はこれらの金属窒化物、炭化物及びその混合物などを含んでいてもよい。
酸化アルミニウム蒸着層の厚さは特に限定されるものではないが、5nm以上100nm以下であることが好ましく、8nm以上30nm以下であることがより好ましい。酸化アルミニウム蒸着層の厚さが5nm以上であることにより、粘接着バリアフィルムのバリア性が向上する。酸化アルミニウム蒸着層の厚さが100nm以下であることにより、粘接着バリアフィルムの可撓性をより向上させることができる。
また、Al 構造部は、Al 構造部と比べて透明性を有していない。このため、上記の最大強度比率の他に、全光線透過率(全光線透過率)やヘイズや、色差(Lab表色系のL値)によってもAl 構造部を定量することができる。具体的には、基材層と、酸化アルミニウム蒸着層と、有機被覆層と、が積層されたバリアフィルムの全光線透過率は、85%以上89.0%以下が好ましく、86%以上88.5%以下がより好ましい。基材層と、酸化アルミニウム蒸着層と、有機被覆層と、が積層されたバリアフィルムのヘイズは、2.15%以上3.0%以下が好ましく、2.2%以上2.5%以下がより好ましい。色差(L表色系)は、Lが98以上100未満であることが好ましい。bは0.50以上1.00以下であることが好ましく、0.80以上1.00以下であることがより好ましく、0.90以上1.00以下であることが特に好ましい。なお、全光線透過率は、JIS K7361に基づいて測定され、ヘイズは、JIS K7136に基づいて測定される。また、色差(L表色系)は、JIS Z8722に基づいて測定される。
[有機被覆層]
有機被覆層4は、酸化アルミニウム蒸着層を機械的・化学的に保護するとともに、粘接着バリアフィルムのバリア性を向上させるものである。
有機被覆層4は金属アルコキシドと、好ましくはケン化度が90%以上、100%以下の水酸基含有水溶性樹脂とを含む有機被覆層用コート剤から形成される。有機被覆層内で、金属アルコキシドは、縮合反応生成物を生成しているが、水酸基含有水溶性樹脂との間で共縮合物を生成していてもよい。
質量比水酸基含有水溶性樹脂/金属アルコキシドは、5/95以上、20/80以下が好ましく、8/92以上、15/85以下がより好ましい。上記範囲よりも小さいと、有機被覆層のバリア効果が不十分になり易い傾向になり、上記範囲よりも大きいと、有機被覆層の剛性と脆性とが大きくなり易くなる。
金属アルコキシドは、一般式R1nM(OR(ただし、式中、R、Rは、水素原子又は炭素数1~8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表す。1分子中の複数のR、Rのそれぞれは、同一であっても、異なっていてもよい。)で表される。
金属アルコキシドのMで表される具体的な金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、スズ、鉛、ボラン、その他等を例示することができ、例えば、MがSi(ケイ素)であるアルコキシシランを使用することが好ましい。
アルコキシシランは、一般式R1nSi(OR(ただし、n+m=4)で表される。このため、アルコキシシランを使用する場合、有機被覆層には、SiO構造部で表される元素結合構造部を有することとなる。
上記において、ORの具体例としては、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、i-プロポキシ基、ブトキシ基、3-メタクリロキシ基。3-アクリロキシ基、フェノキシ基、等のアルコキシ基又はフェノキシ基等が挙げられる。
上記において、Rの具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、p-スチリル基、3-クロロプロピル基、トリフルオロメチル基、ビニル基、γ-グリシドキシプロピル基、メタクリル基、γ-アミノプロピル基等が挙げられる。
アルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、フェニルフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、1,6-ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン等の各種アルコキシシランやフェノキシシラン等が挙げられる。
アルコキシシランにおいて、Rがビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基等の官能基を有する有機基の場合には、一般的にシランカップリング剤と呼ばれる。
シランカップリング剤の具体例としては、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられ、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好適である。
上記の金属アルコキシドは、1種を用いても、2種以上を混合して用いてもよく、特に、シランカップリング剤を併用することが好適である。シランカップリング剤を併用する場合には、全金属アルコキシド中の2質量%以上、15質量%以下をシランカップリング剤にすることが好ましい。
(水酸基含有水溶性樹脂)
水酸基含有水溶性樹脂は、金属アルコキシドと脱水共縮合し得るものであり、ケン化度は、90%以上、100%以下が好ましく、95%以上、100%以下がより好ましく、99%以上、100%以下が更に好ましい。ケン化度が上記範囲よりも小さいと、バリア性有機被覆層の硬度が低下し易くなる。
水酸基含有水溶性樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコ一ル共重合体、2官能フェノール化合物と2官能エポキシ化合物との重合体、等が挙げられ、各々を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよく、共重合させて用いてもよい。これらの中で、特に、柔軟性と親和性に優れることから、ポリビニルアルコールが好ましく、ポリビニルアルコール系樹脂が好適である。
具体的には、例えば、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコ一ル系樹脂や、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得られたエチレン・ビニルアルコール共重合体を使用することができる。
このようなポリビニルアルコール系樹脂としては、株式会社クラレ製のRS樹脂である「RS-110(ケン化度=99%、重合度=1000)」、日本合成化学工業株式会社製の「ゴーセノールNM-14(ケン化度=99%、重合度=1400)」等を挙げることができる。
有機被覆層の厚さは、特に限定されるものではないが150nm以上800nm以下が好ましく、250nm以上600nm以下であることがより好ましい。有機被覆層の厚さが150nm以上であることによりバリア性をより効果的に付与することができる。有機被覆層の厚さが800nm以下であることにより粘接着バリアフィルムの可撓性をより向上させることができる。
なお、バリアフィルムを構成する各層の厚さは特に限定されるものではないが、バリアフィルムを構成する酸化アルミニウム蒸着層は有機被覆層の膜厚を大きくしなくとも十分にバリアフィルムにバリア性を付与することが可能となる。例えば、基材層の膜厚が5μm以上25μm以下、かつ酸化アルミニウム蒸着層の厚さが5nm以上100nm以下、かつ有機被覆層の厚さが150nm以上800nm以下程度の厚さであっても最大強度比率(Al /Al ×100)が、1以上20以下であることにより十分にバリア性を向上させることができる。さらにバリアフィルムを構成する各層の厚さを薄くすることでバリアフィルム自体が薄膜軽量となり、バリアフィルムの可撓性をより向上させることができ、バリアフィルムの透明性をも向上させることができる。
[粘接着層]
粘接着層5は、粘接着バリアフィルムの最外層に配置され、被着体に張り付かせるための層である。粘接着層としては、粘着剤及び/又は接着剤を主成分として含む層である。
粘着剤としては、例えばアクリル系粘着剤を挙げることができる。好ましいアクリル系粘着剤としては、例えば、アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、アクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、この粘着剤には硬化剤を添加してもよい。粘着剤に添加する硬化剤としては、例えばエポキシ系、金属キレート系、イソシアネート基を有する硬化剤が挙げられる。ガス発生が懸念される用途では、エポキシ系や金属キレート系が好適に用いられる。また基材との密着性向上を目的としてシランカップリング剤を更に添加することもできる。
接着剤としては、水酸基を有する主剤樹脂と、イソシアネート基を有する硬化剤との硬化物を含む2液タイプの接着剤を挙げることができる。水酸基を有する主剤樹脂としては、具体的には、ポリウレタンジオールと、脂肪族ポリカーボネートジオール、との混合物を含むものであることが好ましい。
イソシアネート基を有する硬化剤としては、ポリウレタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシアヌレート変性のイソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。
粘接着層の厚さは、特に限定されるものではないが、0.5μm以上50μm以下であることが好ましく、0.5μm以上30μm以下であることがより好ましい。粘接着層の厚さがこのような厚さであれば、粘接着バリアフィルムの厚さを十分薄くすることが可能となり、バリアフィルムの可撓性及び透明性を向上させることができる。
次に、粘接着バリアフィルムに貼り付けることができる被着体について説明する。
[被着体]
被着体は特に制限されず、所定形状の容器や他の積層体であってもよい。また、本実施の形態に係る粘接着バリアフィルムは、極めてバリア性の高い酸化アルミニウム蒸着層が積層されていることから極めて薄く形成が可能である。このため、粘接着バリアフィルムの厚さを薄くして可撓性を有するように形成することも可能であることから、曲面を有するような被着体に貼り付けることも可能である。
より具体的には、曲率半径Rが1mm以上100mm以下の曲面に貼り付けることが可能である。
また、細いチューブに対して張り付きが可能である。図2は、本実施の形態に係る粘接着バリアフィルムの使用の一態様を具体的に示した図であり粘接着バリアフィルム1をチューブ状の被着体に貼り付けたバリアフィルム付被着体10に関する図面である。
例えばインキが充填されるようなインクチューブに貼り付けることも可能であり、そのバリアフィルムによってインキの変質や溶媒の揮発を効果的に抑制することができる。
細いチューブに貼り付ける場合、この細いチューブの外径は例えば2mm以上10mm以下である。
このような曲率半径Rが1mm以上100mm以下の曲面や2mm以上10mm以下のチューブに粘接着バリアフィルムを張り付けた場合でも、バリアフィルム付被着体から剥離された粘接着バリアフィルムのJIS K 7126 B法による酸素透過度が0.5cc/m/day/atm以下であり、かつ、水蒸気透過度が0.5g/m/day以下である。このように、本実施の形態に係る粘接着バリアフィルムは、耐屈曲性が高く、被着体の曲面に貼り付けた場合にバリア性の低下を抑制することが可能となる。
次に、粘接着バリアフィルムの製造方法について説明する。
<粘接着バリアフィルムの製造方法>
粘接着バリアフィルムを製造する方法は、例えば、樹脂フィルム(基材層)に酸素プラズマ処理し、プラズマ処理された樹脂フィルムの面に酸素雰囲気下でアルミニウムを蒸着して酸化アルミニウム蒸着層を形成し、酸化アルミニウム蒸着層の表面に有機被覆層用コート剤組成物を塗布し、乾燥して有機被覆層を形成し、有機被覆層の表面に接着剤及び/又は粘着剤を塗布して粘接着層を形成する方法を挙げることができる。
[プラズマ処理]
本実施の形態に係る粘接着バリアフィルムでは、酸化アルミニウム蒸着層中のAl 構造部を増やしたことにより酸化アルミニウム蒸着層と基材との密着性は低下し易くなる傾向がある。そこで、樹脂フィルム(基材層)に酸素プラズマ処理することにより、基材表面の酸化アルミニウム蒸着層の酸化度を上げて、酸化アルミニウム蒸着層と基材との密着性を上昇することができる。
プラズマ処理において、供給されるプラズマ原料ガスは、酸素単体あるいは酸素分圧が高い不活性ガスとの混合ガスが使用されることが好ましい。
図3に、プラズマ処理及び酸化アルミニウム蒸着層を成膜する装置の一例(平面図)を示す。プラズマ前処理室12B内には、前処理が行われる樹脂基材Sを搬送し、かつプラズマ処理を可能にするプラズマ前処理ローラー20の一部が樹脂基材搬送室12Aに露出するように設けられており、樹脂基材Sは巻き取られながらプラズマ前処理室12Bに移動するようになっている。
前記プラズマ前処理室12Bは、プラズマが生成する空間を他の領域と区分し、対向空間を効率よく真空排気できるように構成されることで、プラズマガス濃度の制御が容易となり、生産性が向上する。その減圧して形成する前処理圧力は、0.1Pa以上100Pa以下程度に設定、維持することができ、特に、1Pa以上20Pa以下が好ましい。
樹脂基材Sの搬送速度は、特に限定されないが、生産効率の観点から、200m/min以上1000m/min以下にすることができ、特に、300m/min以上800m/min以下が好ましい。
プラズマ処理は、プラズマ供給手段及び磁気形成手段を含むものである。プラズマ処理はプラズマ前処理ローラー20と協働し、樹脂基材S表面近傍に酸素プラズマPを閉じ込める。具体的には、前処理ローラー20の外周近傍の表面に沿ってプラズマ前処理手段を構成するプラズマ供給手段と磁気形成手段を配置して、前処理ローラー20とプラズマ原料ガスを供給するとともにプラズマPを発生させる電極ともなるプラズマ供給ノズル22a~22cとプラズマPの発生を促進するためマグネット21等を有する磁気形成手段とにより挟まれた空隙を形成するように設置する。
前処理ローラー20とプラズマ供給ノズル22a~22cとの間の電圧としては、周波数が10Hzから2.5GHzであり、電圧が50ボルト以上1000ボルト以下の交流電圧であり、投入電力制御又は、インピーダンス制御等によって、任意の安定した印加状態の電圧である。
プラズマ処理におけるプラズマ供給手段は、減圧チャンバ12の外部に設けたプラズマ供給ノズルに接続された原料揮発供給装置18と、該装置から原料ガス供給を供給する原料ガス供給ラインを含むものである。供給されるプラズマ原料ガスは、酸素単独又は酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスが、ガス貯留部から流量制御器を介することでガスの流量を計測しつつ供給される。不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、窒素なる群から選ばれる、1種又は2種以上の混合ガスが挙げられる。
プラズマ処理としては、酸素ガスと前記不活性ガスとの混合比率、酸素ガス/不活性ガスは、6/1~1/1が好ましく、5/2~3/2.5がより好ましい。
混合比率を6/1~1/1とすることで、樹脂基材上での蒸着アルミニウムの膜形成エネルギーが増加し、更に5/2~3/2とすることで、酸化アルミニウム蒸着層の酸化度を上げて酸化アルミニウム蒸着層と基材との密着性を確保することができる。
プラズマ処理における単位面積あたりのプラズマ強度として50W・sec/m以上8000W・sec/m以下であり、50W・sec/m以下では、プラズマ前処理の効果がみられず、また、8000W・sec/m以上では、樹脂基材の消耗、破損着色、焼成などプラズマによる樹脂基材の劣化が起きる傾向にある。特に、酸化アルミウム層とするためプラズマ前処理のプラズマ強度としては、100W・sec/m以上1000W・sec/m以下が好ましい。
[酸化アルミニウム蒸着層の形成]
酸化アルミニウム蒸着層を形成する蒸着法としては、物理蒸着法、化学蒸着の中から種々の蒸着法が適用できる。物理蒸着法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、クラスターイオンビーム法からなる群から選ぶことができ、化学蒸着法としては、プラズマCVD法、プラズマ重合法、熱CVD法、触媒反応型CVD法からなる群から選ぶことができる。本実施の形態に係る粘接着バリアフィルムでは、物理蒸着法の蒸着法が好適である。
蒸着膜成膜装置は、減圧された成膜室12C内に配置され、プラズマ前処理装置で前処理された樹脂基材Sの処理面を外側にして樹脂基材Sを巻きかけて搬送し、成膜処理する成膜ローラー23と、該成膜ローラーに対向して配置された蒸着膜成膜手段24のターゲットを蒸発させて樹脂基材表面に蒸着膜(酸化アルミニウム蒸着層)を形成する。
蒸着膜成膜手段24は抵抗加熱方式であり、アルミニウムを蒸発源としてアルミニウムの金属線材を用い、酸素を供給ししてアルミニウム蒸気を酸化しつつ、樹脂基材Sの表面に酸化アルミニウム蒸着層を形成する。
酸素は、酸素単体でも、アルゴンのような不活性ガスとの混合ガスでの供給でもよいが、Al 構造部の最大強度比率(Al /Al ×100)が、1以上20以下となるように酸素量を制御する。実施例における一例でいえば、酸素供給量として7000sccm以上12000sccm以下が好ましく、8000sccm以上10000sccm以下がより好ましい。この範囲にすることにより、バリア性、透明性を両立できる。
また、アルミニウムの蒸発は、例えば、舟形(「ボートタイプ」という)蒸着容器に、ローラー23の軸方向にアルミニウムの金属線材を複数配置し、抵抗加熱式により加熱することで行うことができる。
このような方法で、供給される熱、熱量を調節しながらアルミニウムを蒸発させ、かつ供給する酸素量を調整することにより、アルミニウムと酸素との反応を制御して、酸化アルミニウム蒸着層を形成することができる。
[有機被覆層の形成]
まず、金属アルコキシド、水酸基含有水溶性樹脂、反応促進剤(ゾルゲル法触媒、酸等)、及び溶媒としての水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等のアルコール等の有機溶媒を混合し、有機被覆層用コート剤組成物を調製する。
次いで、酸化アルミニウム蒸着層の表面に、常法により、有機被覆層用コート剤組成物を塗布し、乾燥する。この乾燥工程によって、縮合又は共縮合反応が更に進行し、塗膜が形成される。第一の塗膜の表面に、更に塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗膜を形成してもよい。
さらに、20℃以上200℃以下、好ましくは50℃以上180℃以下の範囲の温度、かつ樹脂基材の融点以下の温度で、3秒以上10分以下加熱処理する。これによって、酸化アルミニウム蒸着層の表面に、有機被覆層コート組成物による有機被覆層を形成することができる。
尚、有機被覆層を形成は、酸化アルミニウム蒸着層形成後に、外気に触れることなく、インラインで行われることが好ましい。
[粘接着層の形成]
粘接着層は、有機被覆層の表面に粘着剤及び/又は接着剤を塗布することにより形成することができる。粘着剤を塗布する方法は、特に制限されるものではないが、アプリケータ、グラビアロールコーター、ロールコーター、バーコーター、コンマコーター、エアナイフコーター、ダイコーター等の公知の方法で塗工することができる。接着剤を塗布する方法は、特に制限されるものではないが、グラビアコーター法、ロールコーター法、はけ塗り法等を挙げることができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<酸化アルミニウム蒸着層形成>
まず、樹脂基材である厚さ12μmのポリエステルフィルム(以下、PETフィルム)を巻き取ったロールを準備した。
次に、このPETフィルムの蒸着膜を設ける面に、プラズマ前処理装置を配置した前処理区画と成膜区画を隔離した連続蒸着膜成膜装置を用いて、前処理区画において下記プラズマ条件下でプラズマ供給ノズルからプラズマを導入し、搬送速度400m/minでプラズマ前処理を施し、連続搬送した成膜区画内で、プラズマ処理面上に下記条件において真空蒸着法の加熱手段として反応性抵抗加熱方式により、厚さ12nmの酸化アルミニウム蒸着層をPETフィルムに形成して、バリア樹脂フィルムのロール巻きを得て、各種評価を実施した。
(プラズマ前処理条件)
・プラズマ強度:150W・sec/m2
・プラズマ形成ガス比:酸素/アルゴン=2/1
・前処理ドラム-プラズマ供給ノズル間印加電圧:340V
・前処理圧力:3.8Pa
(酸化アルミニウム成膜条件)
・真空度:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・酸素のガス供給量:8000sccm
<有機被覆層用コート剤組成物の調製>
水226g、イソプロピルアルコール39g及び0.5N塩酸5.3gを混合し、pH2.2に調整した溶液に、テトラエトキシシラン167gとグリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.2gを10℃となるよう冷却しながら混合させて溶液Aを調製した。
ケン価度99%以上の重合度2400のポリビニルアルコール23.3g、水513g、イソプロピルアルコール27gを混合した溶液Bを調製した。
A液とB液を質量比4.4:5.6となるよう混合して得られた溶液を有機被覆層用コート剤組成物とした。
上記のPETフィルムの酸化アルミニウム蒸着層の表面に、上記で調製した有機被覆層コート組成物をスピンコート法によりコーティングした。その後、180℃で60秒間、オーブンにて加熱処理して、厚さ約400nmのバリア性有機被覆層を酸化アルミニウム蒸着層上に形成して、有機被覆層付きバリアフィルムを得た。
[TOF-SIMSにおける強度比率Al /Al ×100]
有機被覆層付きフィルムに対して、飛行時間型二次イオン質量分析計(ION TOF社製、TOF.SIMS5)を用いて、下記測定条件で、バリア樹脂フィルムの有機被覆層側から、Cs(セシウム)イオン銃により一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、樹脂基材由来のC(質量数72.00)、酸化アルミニウム蒸着層由来のAl (質量数80.94)、Al (質量数101.94)、有機被覆層由来のSiO(質量数59.96)イオンの質量分析を行った。測定結果のグラフ解析図を図4に示す。
有機被覆層の構成元素であるSiOの強度が、最大強度の半分になる位置をバリア性有機被覆層と酸化アルミニウム蒸着層の界面として、次いで、プラスチック基材の構成材料であるC6の強度が、最大強度の半分になる位置を、フィルム基材と酸化アルミニウム蒸着層の界面として、最初の界面から2番目の界面までを酸化アルミニウム蒸着層とした。
そして、酸化アルミニウム蒸着層内でAl の強度が最も高い位置(最大強度)を求め、その位置でのAl の強度とAl との強度比率であるAl 最大強度比率(Al /Al ×100)と、Al の最大強度の酸化アルミニウム蒸着層厚に対する割合(酸化アルミニウム蒸着層における、有機被覆層側からの深さ、単位%)を算出した。
TOF-SIMS測定条件
・一次イオン種類:Bi3++(0.2pA,100μs)
・測定面積:150×150μm
・エッチング銃種類:Cs(1keV、60nA)
・エッチング面積:600×600μm
・エッチングレート:10sec/Cycle
酸化アルミニウム蒸着層のAl 最大強度比率(Al /Al ×100)は、5.1であった。
<粘接着バリアフィルムの製造>
[実施例1]
上記により製造した有機被覆層付きフィルムの有機被覆層の表面に粘着剤を塗布して厚さ10μmの粘着層(粘接着層)を形成して、総厚さ22μmの実施例1の粘接着バリアフィルムを製造した。
粘着剤としては、アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2980)80質量部、イソシアネート硬化剤(綜研化学株式会社製、Y-75)0.32質量部、シランカップリング剤(綜研化学株式会社製、A-50)0.032質量部、の混合物を使用した。
[実施例2]
実施例1の有機被覆層付きバリアフィルムの製造において、酸素のガス供給量を10000sccmにした以外同様に製造し、実施例2の粘接着バリアフィルムを得た。有機被覆層付きバリアフィルムにおける、酸化アルミニウム蒸着層のAl 最大強度比率(Al /Al ×100)を上記同様に測定したところ、3.7であった。
[実施例3]
実施例1の有機被覆層付きバリアフィルムの製造において、前処理(プラズマ処理)を行わなかった以外同様に製造し、実施例3の粘接着バリアフィルムを得た。有機被覆層付きバリアフィルムにおける、酸化アルミニウム蒸着層のAl 最大強度比率(Al /Al ×100)を上記同様に測定したところ、4.5であった。
[実施例4]
実施例1における基材を、下記のバイオマス由来の二軸延伸ポリエステルフィルム(バイオマスPETフィルム)とし、前処理のプラズマ強度を、250W・sec/mとした以外同様に製造し、実施例4の粘接着バリアフィルムを得た。有機被覆層付きバリアフィルムにおける、酸化アルミニウム蒸着層のAl 最大強度比率(Al /Al ×100)を上記同様に測定したところ、4.9であった。
<バイオマス由来のポリエステルの合成>
テレフタル酸83質量部とバイオマスエチレングリコール(インディアグライコール社製)62質量部とを、常法の直重方法でエステル化反応を行った後、減圧下において縮重合反応を行い、バイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを得た。
<樹脂フィルムの作製>
上記のバイオマス由来のポリエチレンテレフタレートを60質量部と、化石燃料由来のポリエチレンテレフタレート30質量部と、化石燃料由来のポリエチレンテレフタレートを含むマスターバッチ10質量部とを押出機に供給し、Tダイよりシート状に押し出し、冷却ロールにて冷却固化させて未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを、縦方向に延伸した後、横方向に延伸して厚みが12mμである二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリエステルフィルムのバイオマス度を測定したところ、18.8%であった。
[比較例1]
実施例1おいて製造した有機被覆層付きバリアフィルムの有機被覆層の表面に接着剤を介して厚さ25μmの低密度ポリエチレン(LDPE)を積層することにより、接着剤を塗布してwet厚さ10μmの接着層(dry厚さ3μm)を形成して、総厚さ40μmの比較例1のLDPE積層バリアフィルムを製造した。
[比較例2]
比較例1の粘接着バリアフィルムにおいて、低密度ポリエチレンの代わりに厚さ30μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)を積層することにより総厚さ45μmの比較例1のCPP積層バリアフィルムを製造した。
[比較例3]
実施例1の有機被覆層付バリアフィルムにおいて、酸素のガス供給量を20000sccmにした以外同様に製造し、比較例3の粘接着バリアフィルムを得た。有機被覆層付バリアフィルムにおける、酸化アルミニウム蒸着層のAl 最大強度比率(Al /Al ×100)を上記同様に測定したところ、0.8であった。
[比較例4]
実施例1の有機被覆層付きバリアフィルムにおいて、酸素のガス供給量を6000sccmにした以外同様に製造し、比較例4の粘接着バリアフィルムを得た。
比較例4の有機被覆層付きバリアフィルムにおける、酸化アルミニウム蒸着層のAl 最大強度比率(Al /Al ×100)を上記同様に測定したところ、25であった。目視で着色しており印刷適性にも劣るために、以後の評価に供さなかった。
実施例1から4、及び比較例3、4における、粘接着層を積層する前の有機被覆層付きバリアフィルムについて、蒸着前処理条件、蒸着条件、TOF-SIMS分析値、評価結果(酸素・水蒸気バリア、全光線透過率、ヘイズ、色差)をまとめて表1に示す。
Figure 0007379963000001
[酸素透過度]
酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX-TRAN2/21)を用いて、有機被覆層付きバリアフィルムの樹脂基材側が酸素供給側になるようにセットして、JIS K 7126 B法に準拠して、23℃、90%RH雰囲気下における酸素透過度を測定した。
[水蒸気透過度]
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、PERMATRAN3/33)を用いて、有機被覆層付きバリアフィルムの樹脂基材層側がセンサー側になるようにセットして、JIS K 7126 B法に準拠して、40℃、100%RH雰囲気下における水蒸気透過度を測定した。
[光学特性]
全光線透過率は、ヘイズは、ヘイズメーターを用いて、JIS K7136に基づいて測定した。 色差(L表色系)は、分光測色計CM-700dを用いて、JIS Z8722に基づいて測定した。なお、有機被覆層付きバリアフィルムを白色板上に置いて測定した。なお、「目視着色」については、有機被覆層付きバリアフィルムを白色板上に置いて目視し、着色が認められないものを〇、着色が認められるものを×とした。
<張り付き性試験>
実施例1の粘接着バリアフィルム、比較例1のLDPE積層バリアフィルム、比較例2のCPP積層バリアフィルムについて密着性試験を行った。具体的には表1に示す被着体について各粘接着バリアフィルムの粘接着層、低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン側と張り合わせて、その密着性を確認した。
[評価基準]
〇:貼り付けることができた。
×:貼り付けることができなかった。
Figure 0007379963000002
表2からわかるように、実施例1の粘接着バリアフィルムは、ポリプロピレン板、ポリプロピレンチューブ、ETFE板いずれにおいても密着性が高いことが確認された。
<張り付き性試験>
(試験例1から6)
実施例1、実施例3及び比較例3の粘接着バリアフィルムについて外径がφ3mm及びφ6mmのポリプロピレンチューブに貼り付けて、その張り付き性並びに酸素透過度、水蒸気透過度を測定した。なお、有機被覆層を外側にしたものは、基材層の表面に粘着剤を塗布し、粘着層を介してチューブを張り合わせた。
そして、粘接着バリアフィルムをチューブに張り付けた後に、バリアフィルム付被着体から粘接着バリアフィルムを剥離して、この粘接着バリアフィルムについて上記同様に酸素透過度及び水蒸気透過度を確認した。
Figure 0007379963000003
表3の試験例1~4より、実施例1の粘接着バリアフィルムは、チューブのような曲面を有する被着体であっても良好な密着性を有し、かつ、被着体にバリア性を付与することができることが確認された。
一方、表3の試験例5,6より、比較例3の粘接着バリアフィルムは、実施例1の粘接着バリアフィルムと同様に、チューブのような曲面を有する被着体であっても良好な密着性を有していたものの、実施例1の粘接着バリアフィルムと比較すると、チューブ外径がφ3mmのポリプロピレンチューブに貼り付けることで水蒸気透過度が悪化していた。これにより酸化アルミニウム蒸着層のAl 最大強度比率(Al /Al ×100)が1以上であることにより、粘接着バリアフィルムのバリア性が向上していることが確認された。
さらに、表3の試験例1~4より、実施例1の粘接着バリアフィルムは、バリアフィルム付被着体から剥離された粘接着バリアフィルムの酸素透過度及び水蒸気透過度はいずれも貼り付け前と同等の値であった。このことから、酸化アルミニウム蒸着層のAl 最大強度比率(Al /Al ×100)が1以上である酸化アルミニウム蒸着層を備えた本発明の粘接着バリアフィルムは耐屈曲性を有し、被着体の曲面に貼り付けた場合であってもバリア性の低下を抑制できることがわかる。
一方、表3の試験例5,6より、比較例3の粘接着バリアフィルムは、φ3mmのポリプロピレンチューブに貼り付けることで水蒸気透過度が悪化した。このことから、酸化アルミニウム蒸着層のAl 最大強度比率(Al /Al ×100)が1未満の酸化アルミニウム蒸着層を備えた粘接着バリアフィルムは耐屈曲性が低下していることが確認された。
なお、実施例3の粘接着バリアフィルムにおいて試験例5、6と同様の外径φ3mmのポリプロピレンチューブへの張り付け試験を行ったところ、保存初期は水蒸気透過度が0.1g/m/dayと良好であったが、60℃、90%RH、500時間の高温多湿下の耐久試験後においては、試験例5、6と同様に耐屈曲性が低下しており、水蒸気透過度が0.5g/m/dayと悪化していた。
1 粘接着バリアフィルム
2 基材層
3 酸化アルミニウム蒸着層
4 有機被覆層
5 粘接着層
6 被着体
7 被着体付バリアフィルム
10 ローラー式連続蒸着膜成膜装置
S 樹脂基材
P プラズマ
12 減圧チャンバ
12A 樹脂基材搬送室
12B プラズマ前処理室
12C 成膜室
14a~d ガイドロール
18 原料ガス揮発供給装置
20 前処理ローラー
21 マグネット
22 プラズマ供給ノズル
23 成膜ローラー
24 蒸着膜成膜手段
31 電力供給配線
32 電源
35a~35c 隔壁

Claims (6)

  1. 少なくともバリアフィルムと粘接着層とが積層されている透明な粘接着バリアフィルムであって、
    前記バリアフィルムは、基材層と、酸化アルミニウム蒸着層と、有機被覆層と、がこの順に積層されており、
    前記バリアフィルムは、JIS K7361に基づいて測定される全光線透過率が、85%以上であり、
    前記有機被覆層は、金属アルコキシドと、水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物から形成されており、
    前記酸化アルミニウム蒸着層は、Al 構造部と、Al 構造部と、で表される元素結合構造部を有しており、
    前記バリアフィルムは、前記有機被覆層側から、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)により測定される、前記Al 構造部の強度に対する前記Al構造部の最大強度の比率である、Al 最大強度比率(Al /Al ×100)が、1以上20以下であり、
    前記Al 構造部の最大強度は、前記酸化アルミニウム蒸着層の膜厚方向における、前記有機被覆層側の表面から4%以上25%以下の深さ位置に存在し、
    前記粘接着層は、アクリル系粘着剤、又は、水酸基を有する主剤樹脂とイソシアネート基を有する硬化剤との硬化物を含有してなる接着剤である、粘接着バリアフィルム。
  2. 前記Al 構造部の最大強度は、前記酸化アルミニウム蒸着層の膜厚方向における、前記有機被覆層側の表面から10%以上25%以下の深さ位置に存在する請求項1に記載の粘接着バリアフィルム。
  3. 前記粘接着層の厚さは0.5μm以上50μm以下である請求項1又は2に記載の粘接着バリアフィルム。
  4. 前記酸化アルミニウム蒸着層の厚さは8nm以上30nm以下であり、かつ、前記有機被覆層の厚さが250nm以上600nm以下である請求項1からのいずれかに記載の粘接着バリアフィルム。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の粘接着バリアフィルムが、前記粘接着層を介して、曲面を有する被着体に接合されており、前記曲面の曲率半径Rが1mm以上100mm以下であるバリアフィルム付被着体。
  6. 前記バリアフィルム付被着体から剥離された前記粘接着バリアフィルムのJIS K 7126 B法による酸素透過度が0.5cc/m/day/atm以下であり、かつ、水蒸気透過度が0.5g/m/day以下である請求項に記載のバリアフィルム付被着体。
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