JP2020049941A - ガスバリア性蒸着フィルム、ガスバリア性積層体、ガスバリア性包装材料及びガスバリア性包装体。 - Google Patents

ガスバリア性蒸着フィルム、ガスバリア性積層体、ガスバリア性包装材料及びガスバリア性包装体。 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたガスバリア性とハイレトルト性を有するガスバリア性蒸着フィルム及びそれをを用いた、積層体、包装材料を提供するこ。【解決手段】樹脂フィルムからなる基材層2と、酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜層3と、バリア性被覆層4とを含む、ガスバリア性蒸着フィルム1であって、無機酸化物蒸着膜層は、Al2O4Hで表される物質が分布し、バリア性被覆層と無機酸化物蒸着膜層とをTOF−SIMSを用いてエッチングを行うことで得られる無機酸化物蒸着膜層の、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)における最大強度比Al2O4H/Al2O3が、0.20以上、0.65以下であり、バリア性被覆層は、無機酸化物蒸着膜層の、基材層とは反対側の表面上に、隣接して積層されており、金属アルコキシドと、水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物から形成されたものである、ガスバリア性蒸着フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、電子ペーパーなどの電子デバイス、食品、医薬品、ペットフードなどの包装材料として好適に使用できる、酸素および水蒸気に対するバリア性やレトルト性に優れガスバリア性蒸着フィルム、及び該ガスバリア性蒸着フィルムを用いた、積層体、包装材料、及び包装体に関する。
電子ペーパーなどの電子デバイスや、食品、医薬品等の分野では、内容物の変質を防止し、かつ機能や性質を維持できるように、温度、湿度などの影響を受けない、より高いバリア性を、安定して発揮し得るガスバリア性蒸着フィルムが求められ、樹脂基材上に、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の蒸着膜の薄膜からなるバリア層とバリア性の塗膜層を積層した多層構造のガスバリア性蒸着フィルムも開発されている。
例えば、特許文献1には、プラスチック材料からなる基材と、該基材上に設けられた第1の蒸着薄膜層と、該第1の蒸着薄膜層上に設けられ、少なくとも水溶性高分子を含むコーティング剤を塗布して形成されたガスバリア性中間層と、該中間層上に設けられた第2の蒸着薄膜層とからなる積層体、さらには、前記基材と第1の蒸着薄膜層との間にポリオールとイソシアネート化合物とシランカップリング剤とからなるプライマー層を設けた、ガスバリア性積層体が開示されている。
特許文献2には、合成樹脂製の基材フィルムと、基材フィルムの少なくとも一方の面に積層される一の平坦化層と、この一の平坦化層の外面に積層される無機酸化物又は無機窒化物から形成されているガスバリア層と、このガスバリア層の外面に積層される他の金属アルコキシド及び/又はその加水分解物を含む組成物を用いたゾル・ゲル法により形成されている平坦化層とを備える高バリア性にシートが開示されている。
特許文献3には、樹脂フィルムの表面に金属酸化物層と、樹脂層と、金属層とをこの順に、又は逆順に積層して、前記金属酸化物層が、SiOx(1.0≦x≦2.0)で示される酸化珪素であるガスバリア性の積層フィルムが開示されている。
しかしながら、上記のような多層構造のガスバリア性蒸着フィルムは、製造法として工程が増えるための、原料費、装置稼働費などの単なるコストアップだけでなく、各層ごとでの品質のチェック、それに基づく品質管理修正、履歴管理など複雑な作業が要求される。
そのため、上記のような製造上の問題を解決し、生産性の低下を招かない、バリア性に優れたバリアフィルムが望まれている。
WO2002/083408号公報 特開2005−324469号公報 特開2008−6762号公報
本発明は、前述のような問題点を解決するためになされたものであり、従来技術のよう
な多層構造をとらずに、優れたガスバリア性と共に、ハイレトルト性を有するガスバリア性蒸着フィルム及び該ガスバリア性蒸着フィルムを用いた、積層体、包装材料、及び包装体を提供することである。
上記課題を達成する為に、本発明のガスバリア性蒸着フィルムは、樹脂フィルムからなる基材層と、該基材層上に、Al24Hで表される物質が特定の割合で局在的に分布した酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜層とバリア性被覆層とを有している。
前記、Al24Hで表される物質の割合は、ガスバリア性蒸着フィルムの前記バリア性被覆層と前記無機酸化物蒸着膜層とを飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いたエッチングを行うことで検出されるものであり、最大強度比Al24H/Al2O3が、0.20以上、0.65以下とすることが好ましい。
また、本発明の積層フィルムは、プラスチック基材の表面に酸化アルミニウムを主成分とする酸化アルミニウム蒸着膜を形成したバリア性を備える積層フィルムにおいて、基材フィルム表面と形成された酸化アルミニウム蒸着膜を主体する蒸着膜との密着強度を規定する該蒸着膜の遷移領域が形成されており、該遷移領域は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いてエッチングを行うことで検出される水酸化アルミニウムに変成する元素結合Al2O4Hを含み、TOF−SIMSを用いてエッチングを行うことで規定される酸化アルミニウム蒸着膜に対する、TOF−SIMSを用いて規定される該変成される遷移領域の割合により定義される遷移領域の変成率が、5%以上、60%以下とするものである。
二次イオン質量分析(SIMS:secondary Ion Mass Spectrometry)は、一次イオンビームを被分析試料表面に照射して、試料表面からスパッタリングされて放出される二次イオンを質量分析する元素濃度分布の分析方法である。この二次イオン質量分析法では、スパッタリングを進行させつつ二次イオン強度を検出する。従って、二次イオン、即ち被検出元素イオン又は被検出元素と結合した分子イオンのイオン強度の時間推移のデータに対して、推移時間を深さに換算することで、試料表面の深さ方向の被検出元素の濃度分布を知ることができる。
本発明において、推移時間の深さへの換算は、一次イオンの照射により試料表面に形成された窪みの深さを表面粗さ計を用いて測定し、この窪みの深さと推移時間とから平均スパッタ速度を算出し、スパッタ速度が一定であるとの仮定の下に、照射時間(即ち、推移時間)を深さ(スパッタ量)に換算することでなされている。
本発明では、積層フィルムの酸化アルミニウム蒸着膜に対し、Cs(セシウム)イオン銃により上記した一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて、酸化アルミニウム蒸着膜由来のイオンと、プラスチック基材に由来するイオンを測定することにより、基材フィルム表面と形成された酸化アルミニウム蒸着膜を主体する蒸着膜との間に密着強度を規定する遷移領域が形成されている。該遷移領域は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いてエッチングを行うことで検出される水酸化アルミニウムに変成する元素結合Al2O4Hを含み、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いてエッチングを行うことで規定される酸化アルミニウム蒸着膜に対する、飛行時間型二次イオン質量分析法を用いて規定される該変成される遷移領域の割合により定義される水酸化アルミニウムに変成する遷移領域の変成率を規定することで密着強度が改善されたバリア性を備える積層フィルムを特定できるとの知見に基づくものである。
本発明は、具体的には、飛行時間型二次イオン質量分析計を用いてCsにより、酸化ア
ルミニウム蒸着膜の最表面からエッチングを行い、酸化アルミニウム蒸着膜とプラスチック基材との界面の元素結合及び蒸着膜の元素結合を測定し、測定された元素および元素結合について、それぞれの実測グラフを得(図4:グラフ解析図)、酸化アルミニウム蒸着膜における水酸化アルミニウムが形成するプラスチック基材と蒸着膜の界面の遷移領域を極力狭くするために、元素結合Al2O4Hに注目し、1)元素C6のグラフの強度が半分になる位置を、プラスチック基材と酸化アルミニウムの界面として、表面から界面までを酸化アルミニウム蒸着膜として求め、2)元素結合Al24Hを表すグラフにおけるピークを求め、そのピークから界面までを遷移領域とし、求め、3)(元素結合Al2O4Hのピークから界面までの遷移領域/酸化アルミニウム蒸着膜)×100(%)として遷移領域の水酸化アルミニウムへの変成率を求めるものである。
本発明は、酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率を、5%以上、60%以下としたことにより、積層フィルムに更にバリア性被覆層を形成し、ガスバリア性蒸着フィルムのプラスチック基材と酸化アルミニウム蒸着膜との界面における密着強度が、135℃、40分間の熱水処理(ハイレトルト処理)後、又は121℃、40分間の熱水処理(セミレトルト処理)後においても、2.1N/15mm以上とすることができ、レトルトパウチを成形時またレトルト加工時においてデラミネーションが発生せず、密着性が改善され、耐レトルト性を有するガスバリア性蒸着フィルムを製造することができる。
本発明は、酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率を、5%以上、60%以下としたことにより、ハイレトルト処理、セミレトルト後の酸素透過度、水蒸気透過度が、それぞれ、0.2cc/m2・24hr以下、0.9g/m2・24hr以下で、レトルト処理後の内容分の品質劣化や保存寿命の劣化を起こしたりすることのない程度に十分なバリア性を示すガスバリア性蒸着フィルムを製造することができる。
したがって、本発明の酸化アルミニウム蒸着膜は、プラスチック基材との界面における密着性を改善できるだけでなく、バリア性能においてもレトルト処理後の耐湿熱性、耐熱水性に優れており耐レトルト性を改善できるものである。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.樹脂フィルムからなる基材層と、酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜層と、バリア性被覆層とを含む、ガスバリア性蒸着フィルムであって、
前記無機酸化物蒸着膜層は、前記基材層上に形成されており、
前記無機酸化物蒸着膜層中には、Al24Hで表される物質が分布し、
前記バリア性被覆層と前記無機酸化物蒸着膜層とをTOF−SIMSを用いてエッチングを行うことで得られる前記無機酸化物蒸着膜層の、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)における最大強度比Al24H/Al23が、0.20以上、0.65以下であり、
前記バリア性被覆層は、前記無機酸化物蒸着膜層の、基材層とは反対側の表面上に、隣接して積層されており、金属アルコキシドと、水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物から形成されたものである、ガスバリア性蒸着フィルム。
2.前記最大強度比Al24H/Al23が、前記無機酸化物蒸着膜層と前記樹脂フィルムとの界面中心から、前記無機酸化物蒸着膜層側の0nm以上、6nm以下の深さ位置で示される上記1に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
3.前記酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜中には、前記樹脂フィルムからなる基材の表面と前記酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜との密着強度を規定する遷移領域が形成されており、
該遷移領域は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いてエッチングを行うことで検出される、水酸化アルミニウムに変成する元素結合Al24Hを含み、
前記バリア性被覆層と前記酸化アルミニウム蒸着膜とをTOF−SIMSを用いてエッ
チングを行うことで規定される前記酸化アルミニウム蒸着膜に対する、TOF−SIMSを用いて規定される該変成される前記遷移領域の割合により定義される遷移領域の変成率が、5%以上、60%以下である上記1又は2に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
4.前記樹脂フィルムの表面が、酸素プラズマ処理面である上記1〜3のいずれかに記載のバリア性積層フィルム。
5.酸素プラズマ処理面にインラインで酸化アルミニウム蒸着膜が積層された、上記1〜4の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
6.前記樹脂フィルムが、含水率を0.1質量%以上、0.33質量%以下とした樹脂フィルムである上記1〜5の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
7.前記樹脂フィルムが、含水率を0.1質量%以上、0.22質量%未満とした樹脂フィルムである上記1〜5の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
8.前記樹脂フィルムが、含水率を0.22質量%以上、0.33質量%以下とした樹脂フィルムである上記1〜5の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
9.前記樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである上記1〜8の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
10.前記樹脂フィルムが、リサイクルポリエチレンテレフタレートフィルムを含む上記1〜8の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
11.前記樹脂フィルムが、ポリブチレンテレフタレートフィルムである上記1〜8の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
12.前記樹脂フィルムが、バイオマス由来のポリエステルフィルムである上記1〜8の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
13.前記樹脂フィルムが、高スティフネスPETフィルムである上記1〜8の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
14.上記1〜13の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルムと、シーラント層とを含むガスバリア性積層体。
15.上記14に記載のガスバリア性積層体から作製されたガスバリア性包装材料。
16.上記15に記載のガスバリア性包装材料から作製されたガスバリア性包装体。
17.レトルト殺菌用包装に用いられる上記16に記載のガスバリア性包装体。
18.上記1〜13の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルムの品質管理方法であって、加熱処理を行うことによって、該最大強度比Al24H/Al23を0.20以上、0.65以下に調節することを特徴とするガスバリア性蒸着フィルムの品質管理方法。
19.前記加熱処理は、酸素濃度が18%以上、25%以下の雰囲気下で行われることを特徴とする上記18に記載の品質管理方法。
20.上記18または19に記載の品質管理方法を適用して、上記1〜13の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルムを製造することを特徴とするガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
21.前記バリア性被覆層を、塗布、乾燥、硬化によって形成することを特徴とする上記1〜13の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
22.上記1〜13の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルムの製造方法であって、 樹脂フィルムからなる基材層の表面に、物理蒸着法により無機酸化物蒸着膜層を形成し、
該無機酸化物蒸着膜層の上に、金属アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物を塗布および乾燥することによって、塗布膜を硬化してバリア性被覆層を、形成および積層し、
該物理蒸着法は、該バリア性被覆層と該無機酸化物蒸着膜層とをTOF−SIMSを用いてエッチングを行うことで得られる、該無機酸化物蒸着膜層の飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)における最大強度比Al24H/Al23が、0.20以上、0.65以下であるAl24Hで表される物質が分布する該無機酸化物蒸着膜層を形成する物理蒸着法であることを特徴とするガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
23.さらに、前記バリア性被覆層の積層後に、前記ガスバリア性蒸着フィルムに加熱処理を行うことを特徴とする上記1〜13の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルムの製
造方法。
本発明によれば、多層構造を採らずに、優れたガスバリア性と共に、ハイレトルト性やハイバリア性有するガスバリア性蒸着フィルム、ガスバリア性蒸着フィルム及び該ガスバリア性蒸着フィルムを用いた、積層体、ガスバリア性蒸着フィルム、包装材料、及び包装体が得られる。
また、本発明では、酸化アルミニウム蒸着膜における水酸化アルミニウムが形成されるプラスチック基材との界面の遷移領域を極力狭くし、水酸化アルミニウムに変性する割合を適正化するために、元素結合Al24Hに注目し、積層フィルムにおける酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率を60%以下として、相対的に水酸化アルミニウムが少ない、酸化アルミニウム膜の比率を上げることにより、レトルト処理による水分子による微視的な蒸着膜破壊、プラスチック基材との界面破壊を大きく抑制するものである。
それにより、密着性が改善され、従来にないレトルト耐性を有する積層フィルム及び該性層フィルムを含むガスバリア性蒸着フィルムを提供することができる。
一方で、プラスチック基材界面近傍に水酸化アルミニウムがほとんど無い場合は、緻密な酸化アルミニウム膜が形成されず水蒸気バリアの悪い膜が形成されてしまうため変成率を5%以上としている。
本発明のガスバリア性蒸着フィルムは、プラスチック基材と酸化アルミニウム蒸着膜との界面における密着強度が、ハイレトルト処理、セミレトルト処理後においても、2.1N/15mm以上で、かつ、ハイレトルト処理、セミレトルト後の酸素透過度、水蒸気透過度が、それぞれ、0.2cc/m2・24hr以下、0.9g/m2・24hr以下のバリア性能を有し、耐レトルト性に優れている。
さらに、本発明によれば、多層構造を採らずにバリア性に優れたガスバリア性蒸着フィルムが得られるので、製造上有利なガスバリアフィルムを提供できる。
本発明のガスバリア性蒸着フィルムの一例を示す断面図である。 本発明のガスバリア性積層体の一例を示す断面図である。 本発明の無機酸化蒸着膜の製造法の一例を示す図である。 本発明におけるバリア性被覆層が積層された酸化アルミニウム蒸着膜積 層フィルムの飛行時間型二次イオン質量分析法による分析結果のグラフ解析図の一例。 本発明における酸化アルミニウム蒸着膜を成膜する装置の一例を示す図である。 本発明における、ガスバリア性蒸着フィルムのTOF−SIMSによる測定結果の1例を示すグラフ解析図である。 剥離強度を測定する試験片を示す図である。 剥離強度を測定する方法を示す図である。 剥離強度を測定の際の引張強度の変化を示す図である。
以下、本発明について図面を用いながら説明する。但し、本発明はこれら具体的に例示された形態や各種具体的に記載された構造に限定されるものではない。
なお、各図においては、解り易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見易さの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
また、ポリエチレンテレフタレートはPET、ポリブチレンテレフタレートはPBTとも表記する。
[ガスバリア性蒸着フィルム]
本発明のガスバリア性蒸着フィルム1は、図1に示したように、樹脂フィルムからなる基材層2と、基材層2上に形成された酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜層3と、無機酸化物蒸着膜層を機械的・化学的に保護するとともに、ガスバリア性蒸着フィルムのバリア性能を向上させるバリア性被覆層4を含む。
また更には、図示はされていないが、必要に応じて、種々の機能層を積層することもできる。
本発明における無機酸化物蒸着膜層は、純粋な無機酸化物蒸着膜では無く、該無機酸化物蒸着膜層中にAl24Hや、Al(OH)3で表される物質などが分布している。
無機酸化物蒸着膜における上記物質の分布は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)によって無機酸化物蒸着膜層を分析することにより、それらの存在が検出され、その濃度は検出の強度として得られる。
本発明におけるガスバリア性蒸着フィルムは、前記最大強度比Al24H/Al23が、0.20以上、0.65以下であり、該最大強度比Al24H/Al23が、前記無機酸化物蒸着膜層と前記樹脂フィルムとの界面中心から、前記無機酸化物蒸着膜層側の0nm以上、6nm以下の深さ位置で示されることを特徴とする。
前記最大強度比Al24H/Al23と前記深さ位置が上記範囲内にあることによって、優れたガスバリア性を発現することができる。
[基材層]
基材層には、特に制限なく、公知の樹脂フィルム又はシートを使用することができる。(以下、樹脂フィルムに統一して記載する。)例えば、ポリエチレンテレフタレート、バイオマス由来のポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、リサイクルポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンフラノエートなどのポリエステル系樹脂;ポリアミド樹脂6、ポリアミド樹脂66、ポリアミド樹脂610、ポリアミド樹脂612、ポリアミド樹脂11、ポリアミド樹脂12などのポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィンの重合体などのポリオレフィン系樹脂等からなるフィルムを使用することができる。
上記の樹脂の中でも、ポリエステル系樹脂は好ましく用いられ、ポリエステル系樹脂の中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリブチレンテレフタレートフィルムが特に好ましく用いられる。
(ポリブチレンテレフタレートフィルム(PBT))
ポリブチレンテレフタレートフィルムは、熱変形温度が高く、機械的強度、電気的特性にすぐれ、成型加工性も良いことなどから、食品などの内容物を収容する包装袋に用いると、レトルト処理を施す際に包装袋が変形したり、その強度が低下したりすることを抑制することができる。
ポリブチレンテレフタレートフィルムは、高い強度を有する。このため、ポリブチレンテレフタレートフィルムを用いると、包装袋を構成する包装用材料がナイロンフィルムを含む場合と同様に、包装袋に耐突き刺し性を持たせることができる。
また、ポリブチレンテレフタレートフィルムは、高温高湿度環境下で加水分解するためレトルト処理後の密着強度、バリア性の低下がみられるが、ナイロンに比べて水分を吸収しにくいという特性を有する。このため、ポリブチレンテレフタレートフィルムを包装用材料の外面に配置した場合であっても、包装袋の包装用材料間のラミネート強度が低下してしまうことを抑制することができる。このような性質を持つので、ポリブチレンテレフタレートフィルムをレトルト包装袋に用いると、従来のポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロンフィルムの貼り合せ包装材に置き換えることができることから、好ましく用いられる。
ポリブチレンテレフタレートフィルムは、主成分としてポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとも記す)を含むフィルムであり、好ましく、60質量%以上のPBTを含む樹脂フィルムである。そして、ポリブチレンテレフタレートフィルムはその構造から2つの態様に分けられる。
第1の態様に係るポリブチレンテレフタレートフィルムフィルムにおけるPBTの含有率は、60質量%以上が好ましく、さらには70質量%以上、特には75質量%以上が好ましく、最も好ましくは80質量%以上である。
主たる構成成分として用いるPBTは、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸が90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは98モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。
グリコール成分として1,4−ブタンジオールが90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは97モル%以上である。
ポリブチレンテレフタレートフィルムは、PBT以外のポリエステル樹脂を含んでいてもよい。
PBT以外のポリエステル樹脂としては、PET、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリプロピレンテレフタレート(PP T)などのポリエステル樹脂のほか、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのジカルボン酸が共重合されたPBT樹脂や、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカーボネートジオール等のジオール成分が共重合されたPBT樹脂を挙げることができる。
これらPBT以外のポリエステル樹脂の添加量は、40質量%以下が好ましい。PBT以外のポリエステル樹脂の添加量が40質量%を超えると、PBTとしての力学特性が損なわれ、インパクト強度や耐ピンホール性、絞り成形性が不十分となることが考えられる。
第1の態様に係るポリブチレンテレフタレートフィルムの層構成は、キャスト法によって、樹脂を多層化してキャストすることによって作製されたもので、複数の単位層を含む多層構造部からなる。
複数の単位層はそれぞれ、主成分としてPBTを含む。例えば、複数の単位層は、それぞれ、60質量%以上のPBTを含む。なお、複数の単位層においては、n番目の単位層の上にn+1番目の単位層が直接積層されている。
すなわち、複数の単位層の間には、接着剤層や接着層が介在されていない。このようなポリブチレンテレフタレートフィルムは、少なくとも10層以上、好ましくは60層以上、より好ましくは250層以上、更に好ましくは1000層以上の単位層を含む多層構造部からなる。
第2の態様に係るポリブチレンテレフタレートフィルムは、PBTを主たる繰返し単位とするポリエステルを含む単一の層によって構成されている。PBTを主たる繰返し単位とするポリエステルは、例えば、グリコール成分としての1,4−ブタンジオール、又はそのエステル形成性誘導体と、二塩基酸成分としてのテレフタル酸、又はそのエステル形成性誘導体を主成分とし、それらを縮合して得られるホモ、またはコポリマータイプのポリエステルを含む。
第2の構成に係るPBTの含有率は、70質量%以上が好ましく、さらには80質量%以上が好ましく、最も好ましくは90質量%以上である。
第2の態様に係るポリブチレンテレフタレートフィルムは、PBT以外のポリエステル樹脂を30質量%以下の範囲で含んでいてもよい。ポリエステル樹脂を含むことにより、PBT結晶化を抑制することができ、ポリブチレンテレフタレートフィルムの延伸加工性を向上させることができる。
PBTと配合するポリエステル樹脂としては、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルを用いることができる。例えば、グリコール成分としてのエチレングリコール、二塩基酸成分としてのテレフタル酸を主成分としたホモタイプを好ましく用いることができる。
第2の構成に係るポリブチレンテレフタレートフィルムは、チューブラー法又はテンター法により製造することができる。チューブラー法又はテンター法により、未延伸原反を縦方向及び横方向を同時に延伸してもよく、若しくは、縦方向及び横方向を逐次延伸してもよい。このうち、チューブラー法は、周方向の物性バランスが良好な延伸フィルムを得ることができ、特に好ましく採用される。
(バイオマス由来のポリエステルフィルム)
バイオマス由来のポリエステルフィルムは、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50〜95質量%、
好ましくは50〜90質量%含んでなるものである。
バイオマス由来のエチレングリコールは、従来の化石燃料由来のエチレングリコールと化学構造が同じであるため、バイオマス由来のエチレングリコールを用いて合成されたポリエステルのフィルムは、従来の化石燃料由来のポリエステルフィルムと機械的特性等の物性面で遜色がない。
したがって、本発明の積層フィルムおよびそれを用いたガスバリア性蒸着フィルムは、カーボンニュートラルな材料からなる層を有するため、従来の化石燃料から得られる原料から製造された積層フィルムおよびそれを用いたガスバリア性蒸着フィルムに比べて、化石燃料の使用量を大幅に削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
バイオマス由来のエチレングリコールは、サトウキビ、トウモロコシ等のバイオマスを原料として製造されたエタノール(バイオマスエタノール)を原料としたものである。
例えば、バイオマスエタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法等により、バイオマス由来のエチレングリコールを得ることができる。また、市販のバイオマスエチレングリコールを使用してもよく、例えば、インディアグライコール社から市販されているバイオマスエチレングリコールを好適に使用することができる。
ポリエステルのジカルボン酸単位は、化石燃料由来のジカルボン酸を使用する。ジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体を使用することができる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸及びイソフタル酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等が挙げられる。
これらの中でも、テレフタル酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、ジメチルテレフタレートが好ましい。
バイオマス由来のポリエステルフィルムを形成する樹脂組成物中に5〜45質量%の割
合で含まれてもよいポリエステルは、化石燃料由来のポリエステル、化石燃料由来のポリエステル製品のリサイクルポリエステル、バイオマス由来のポリエステル製品のリサイクルポリエステルである。
上記のようにして得られるポリエステルを含む樹脂組成物は、放射性炭素(14C)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量が、ポリエステル中の全炭素に対して10〜19%含まれることが好ましい。大気中の二酸化炭素には、14Cが一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばトウモロコシ中の14C含有量も105.5pMC程度であることが知られている。
また、化石燃料中には14Cが殆ど含まれていないことも知られている。したがって、ポリエステル中の全炭素原子中に含まれる14Cの割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。
本発明においては、ポリエステル中の14Cの含有量をP14Cとした場合の、バイオマス由来の炭素の含有量Pbioを、以下のように定義する。
Pbio(%)=P14C/105.5×100
ポリエチレンテレフタレートを例にとると、ポリエチレンテレフタレートは、2炭素原子を含むエチレングリコールと8炭素原子を含むテレフタル酸とがモル比1:1で重合したものであるため、エチレングリコールとしてバイオマス由来のもののみを使用した場合、ポリエステル中のバイオマス由来の炭素の含有量Pbioは20%となる。
本発明においては、樹脂組成物中の全炭素に対して、放射性炭素(14C)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量が、10〜19%であることが好ましい。
樹脂組成物中のバイオマス由来の炭素含有量が10%未満であると、カーボンオフセット材料としての効果が乏しくなる。一方、上記したように、樹脂組成物中のバイオマス由来の炭素含有量は20%に近いほど好ましいが、フィルムの製造工程上の問題や物性面から、樹脂中には上記したようなリサイクルポリエステルや添加剤を含む方が好ましいため、実際の上限は18%となる。
(リサイクルポリエチレンテレフタレート)
本発明の樹脂基材として、メカニカルリサイクルによりリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(以下、ポリエチレンテレフタレートをPETとも記す)を含むものを使用できる。
具体的には、樹脂基材は、PETボトルをメカニカルリサイクルによりリサイクルしたPETを含み、このPETは、ジオール成分がエチレングリコールであり、ジカルボン酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸を含む。
ここで、メカニカルリサイクルとは、一般に、回収されたPETボトル等のポリエチレンテレフタレート樹脂製品を粉砕、アルカリ洗浄してPET樹脂製品の表面の汚れ、異物を除去した後、高温・減圧下で一定時間乾燥してPET樹脂の内部に留まっている汚染物質を拡散させ除染を行い、PET樹脂からなる樹脂製品の汚れを取り除き、再びPET樹脂に戻す方法である。
以下、本明細書においては、PETボトルをリサイクルしたポリエチレンテレフタレートを「リサイクルポリエチレンテレフタレート(以下、リサイクルPETとも記す)」といい、リサイクルされていないポリエチレンテレフタレートを「ヴァージンポリエチレンテレフタレート(以下、ヴァージンPETとも記す)」というものとする。
樹脂基材に含まれるPETのうち、イソフタル酸成分の含有量は、PETを構成する全ジカルボン酸成分中に、0.5モル%以上5モル%以下であることが好ましく、1.0モル%以上2.5モル%以下であることがより好ましい。
イソフタル酸成分の含有量が0.5モル%未満であると柔軟性が向上しない場合があり、一方、5モル%を超えるとPETの融点が下がり耐熱性が不十分となる場合がある。
なお、PETは、通常の化石燃料由来のPETの他、バイオマスPETであっても良い。「バイオマスPET」とは、ジオール成分としてバイオマス由来のエチレングリコールを含み、ジカルボン酸成分として化石燃料由来のジカルボン酸を含むものである。このバイオマスPETは、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール成分とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸成分とするPETのみで形成されていてもよいし、バイオマス由来のエチレングリコールおよび化石燃料由来のジオールをジオール成分とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸成分とするPETで形成されていてもよい。
PETボトルに用いられるPETは、上記したジオール成分とジカルボン酸成分とを重縮合させる従来公知の方法により得ることができる。
具体的には、上記のジオール成分とジカルボン酸成分とのエステル化反応および/またはエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法、または有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法などによって製造することができる。
上記PETを製造する際に用いるジオール成分の使用量は、ジカルボン酸またはその誘導体100モルに対し、実質的に等モルであるが、一般には、エステル化および/またはエステル交換反応および/または縮重合反応中の留出があることから、0.1モル%以上20モル%以下過剰に用いられる。
また、重縮合反応は、重合触媒の存在下で行うことが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
PETボトルをリサイクルしたPETは、上記のようにして重合して固化させた後、さらに重合度を高めたり、環状三量体などのオリゴマーを除去したりするため、必要に応じて固相重合を行ってもよい。
具体的には、固相重合は、PETをチップ化して乾燥させた後、100℃以上180℃以下の温度で1時間から8時間程度加熱してPETを予備結晶化させ、続いて、190℃以上230℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気下または減圧下において1時間〜数十時間加熱することにより行われる。
リサイクルPETに含まれるPETの極限粘度は、0.58dl/g以上0.80dl/g以下であることが好ましい。極限粘度が0.58dl/g未満の場合は、樹脂基材としてPETフィルムに要求される機械特性が不足する可能性がある。他方、極限粘度が0.80dl/gを超えると、フィルム製膜工程における生産性が損なわれる場合がある。なお、極限粘度は、オルトクロロフェノール溶液で、35℃において測定される。
リサイクルPETは、リサイクルPETを50重量%以上95重量%以下の割合で含むことが好ましく、リサイクルPETの他、ヴァージンPETを含んでいてもよい。
ヴァージンPETとしては、上記したようなジオール成分がエチレングリコールであり、ジカルボン酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸を含むPETであってもよく、また、ジカルボン酸成分がイソフタル酸を含まないPETであってもよい。また、樹脂基材層は、PET以外のポリエステルを含んでいてもよい。例えば、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸およびイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸以外にも、脂肪族ジカルボン酸等が含まれていてもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸ならびにシクロヘキサンジカルボン酸などの、通常炭素数が2以上40以下の鎖状または脂環式ジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸の誘導体としては、上記脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルおよびブチルエステルなどの低級アルキルエステル、無水コハク酸などの上記脂肪族ジカルボン酸の環状酸無水物が挙げられる。
これらの中でも、脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、ダイマー酸またはこれらの混合物が好ましく、コハク酸を主成分とするものが特に好ましい。脂肪族ジカルボン酸の誘導体としては、アジピン酸およびコハク酸のメチルエステル、またはこれらの混合物がより好ましい。
このようなPETから構成される樹脂基材は、単層であってもよく、多層であってもよい。
樹脂基材に上記したようなリサイクルPETを用いる場合は、最外層である上層、中層、シーラント層に近い下層の3層を備えた樹脂基材としてもよい。
この場合、中層をリサイクルPETのみから構成される層またはリサイクルPETとヴァージンPETとの混合層とし、上層および下層は、ヴァージンPETのみから構成される層とすることが好ましい。
このように、上層および下層にヴァージンPETのみを用いることにより、リサイクルPETが樹脂基材層の表面または裏面から表出することを防止することができる。このため、積層体の衛生性を確保することができる。
また、樹脂基材層は、上記における上層を設けることなく、中層および下層の2層を備えた樹脂基材層としてもよい。さらに、樹脂基材層は、下層を設けることなく、上層および中層の2層を備えた樹脂基材層としてもよい。これらの場合においても、中層をリサイクルPETのみから構成される層またはリサイクルPETとヴァージンPETとの混合層とし、上層および下層は、ヴァージンPETのみから構成される層とすることが好ましい。
リサイクルPETとヴァージンPETとを混合して一つの層を成形する場合には、別々に成形機に供給する方法、ドライブレンド等で混合した後に供給する方法などがある。中でも、操作が簡便であるという観点から、ドライブレンドで混合する方法が好ましい。
樹脂基材を構成するPETは、その製造工程において、またはその製造後に、その特性が損なわれない範囲において各種の添加剤を含有することができる。添加剤として、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、着色顔料などが挙げられる。
添加剤は、PETを含む樹脂組成物全体中に、5質量%以上50質量%以下、好ましくは5質量%以上20質量%以下の範囲で含有されることが好ましい。
樹脂基材は、上記したPETを用いて、例えば、Tダイ法によってフィルム化することにより形成することができる。具体的には、上記したPETを乾燥させた後、PETの融点以上の温度(Tm)〜Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融し、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することによりフィルムを成形することができる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
上記のようにして得られたフィルムは2軸延伸されていることが好ましい。2軸延伸は
従来公知の方法で行うことができる。例えば、上記のようにして冷却ドラム上に押し出されたフィルムを、続いて、ロール加熱、赤外線加熱などで加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムとする。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。
縦延伸は、通常、50℃以上100℃以下の温度範囲で行われる。また、縦延伸の倍率は、フィルム用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上4.2倍以下とするのが好ましい。延伸倍率が2.5倍未満の場合は、PETフィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムを得ることが難しい。
縦延伸されたフィルムは、続いて横延伸、熱固定、熱弛緩の各処理工程を順次施して2軸延伸フィルムとなる。横延伸は、通常、50℃以上100℃以下の温度範囲で行われる。横延伸の倍率は、この用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上5.0倍以下が好ましい。2.5倍未満の場合はフィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムが得られにくく、5.0倍を超える場合は製膜中に破断が発生しやすくなる。
横延伸のあと、続いて熱固定処理を行うが、好ましい熱固定の温度範囲は、PETのTg+70〜Tm−10℃である。また、熱固定時間は1秒以上60秒以下が好ましい。さらに熱収縮率の低滅が必要な用途については、必要に応じて熱弛緩処理を行ってもよい。
上記のようにして得られるPETフィルムの厚さは、その用途に応じて任意であるが、通常、5μm以上100μm以下程度であり、好ましくは5μm以上25μm以下である。また、PETフィルムの破断強度は、MD方向で5kg/mm2以上40kg/mm2以下、TD方向で5kg/mm2以上35kg/mm2以下であり、また、破断伸度は、MD方向で50%以上350%以下、TD方向で50%以上300%以下である。また、150℃の温度環境下に30分放置した時の収縮率は、0.1%以上5%以下である。
なお、ヴァージンPETは、化石燃料ポリエチレンテレフタレート(以下化石燃料PETとも記す)であってもよく、バイオマスPETであってもよい。ここで、「化石燃料PET」とは、化石燃料由来のジオールをジオール成分とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸成分とするものである。また、リサイクルPETは、化石燃料PETを用いて形成されたPET樹脂製品をリサイクルして得られるものであってもよく、バイオマスPETを用いて形成されたPET樹脂製品をリサイクルして得られるものであってもよい。
高スティフネスPETフィルムとは、流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)において0.0017N/15mm以上のループスティフネスを有し、且つ51質量%以上のPETを含む延伸プラスチックフィルムである。高スティフネスPETフィルムの厚みは、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは7μm以上である。また、高スティフネスPETフィルムの厚みは、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは20μm以下である。
[無機酸化物蒸着膜層]
本発明に係る無機酸化物蒸着膜層は、主成分として酸化アルミニウムを含む無機酸化物の薄膜であり、微量の、アルミニウムの窒化物、炭化物、水酸化物の単独又はその混合物などのアルミニウム化合物や、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸化窒化物、ケイ素炭化物、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、またはこれらの金属窒化物、炭化物及びその混合物などを含むことができる。
本発明に係る無機酸化物蒸着膜中には、Al24Hで表される物質が分布しており、その存在率は、該無機酸化物蒸着膜の深さ位置によって異なっている。
Al24Hで表される物質の存在率は、Al23(酸化アルミニウム)との存在比で表現することができ、具体的には、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)によって検出されるAl24Hの強度と、Al23の強度との比である、強度比Al24H/Al23によって表現することができる。
本発明に係る無機酸化物蒸着膜には、バリア性被覆層と無機酸化物蒸着膜層とをTOF−SIMSを用いてエッチングを行うことで得られる、同一エッチングサイクルにおけるAl24HとAl23との強度の比の最大値が0.25以上、0.65以下である部分が存在する。本発明では、この部分を最大強度比部分といい、この部分でのAl24H/Al23の強度比の最大値を最大強度比Al24H/Al23という。このような組成構造があるために、本発明に係る無機酸化物蒸着膜は蒸着膜の緻密性が向上して、ガスバリア性が高くなる。
最大強度比Al24H/Al23が上記範囲よりも小さい場合は、該蒸着膜中にAl24Hで表される元素結合構造部が少な過ぎることによって、充分なガスバリア性を発現
し難くなり易い。また、上記範囲よりも大きい場合には、Al(OH)3の存在量も多く
なり過ぎることによって、無機酸化物蒸着膜の組成が水蒸気で劣化しやすいものになり、水蒸気バリア性が劣り易い。
さらに、前記最大強度比部分が、前記無機酸化物蒸着膜の、基材層樹脂との界面近傍に存在することが好ましい。
前記最大強度比部分が、該界面中心から、前記無機酸化物蒸着膜層側の0nm以上、6nm以下の深さ位置に存在することがより好ましい。
上記深さ位置に存在することによって、蒸着膜の緻密性を向上させるとともに、基材層との接着がさらに良くなる。
またさらに、上記の最大強度比部分を得る為には、無機酸化物蒸着膜層が形成される際の基材層は、含水率を0.1質量%以上、0.33質量%以下としたものが好ましい。
本発明における含水率は、カールフィッシャー水分測定装置によって測定されるものである。詳細な測定方法は、実施例に記載した通りであるが、要は、含水率は(試料から出てきた水分量[g])/(試料重量[g])から算出されるものである。試験片はフィル
ム状であっても、粒状であっても測定できる。
ガスバリア性蒸着フィルムは、用いる基材層としての樹脂フィルムの含水率によって、ガスバリア性が左右され、含水率が低い(0.1質量%以上0.22質量%未満)と良好なバリア性が発現されないが、本発明の無機酸化物蒸着膜とすることで、良好なバリア性を発現することができる。
また、含水率が高い(0.22質量%以上0.33質量%以下)樹脂フィルムを用いたガスバリア性蒸着フィルムの無機酸化物蒸着膜を本発明のものとすることで、更に、バリア性能を上げることができる。
無機酸化物蒸着膜層の厚みは、5nm以上、100nm以下が好ましい。上記範囲よりも小さいとバリア性が不十分になり易く、上記範囲よりも大きいと無機酸化物蒸着膜層の剛性が強くなり過ぎて剥離等が発生し易い傾向になる。
(酸素プラズマ前処理)
本発明の密着性が改善されたバリア性を備える酸化アルミニウム蒸着膜を有する積層フィルムの製造に好適に用いられるローラー式連続蒸着膜成膜装置10は、図5に示すように、減圧チャンバ12内に隔壁35a〜35cが形成されている。該隔壁35a〜35cにより、基材搬送室12A、プラズマ前処理室12B、成膜室12Cが形成され、特に、隔壁と隔壁35a〜35cで囲まれた空間としてプラズマ前処理室12B及び成膜室12Cが形成され、各室は、必要に応じて、さらに内部に排気室が形成される。
プラズマ前処理室12B内には、前処理が行われるプラスチック基材Sを搬送し、かつプラズマ処理を可能にするプラズマ前処理ローラー20の一部が基材搬送室12Aに露出するように設けられており、プラスチック基材Sは巻き取られながらプラズマ前処理室12Bに移動するようになっている。
プラズマ前処理室12B及び成膜室12Cは、基材搬送室12Aと接して設けられており、プラスチック基材Sを大気に触れさせないままに移動可能である。また、前処理室12Bと基材搬送室12Aの間は、矩形の穴により接続されており、その矩形の穴を通じてプラズマ前処理ローラー20の一部が基材搬送室12A側に飛び出しており、該搬送室の壁と該前処理ローラー20の間に隙間が開いており、その隙間を通じて基材Sが基材搬送室12Aから成膜室12Cへ移動可能である。基材搬送室12Aと成膜室12Cとの間も同様の構造となっており、プラスチック基材Sを大気に触れさせずに移動可能である。
基材搬送室12Aは、成膜ローラー23により再度基材搬送室12Aに移動させられた、片面に蒸着膜が成膜されたプラスチック基材Sをロール状に巻き取るため、巻取り手段としての巻き取りローラーが設けられ、蒸着膜を成膜されたプラスチック基材Sを巻き取り可能とするようになっている。
本発明の密着性が改善されたバリア性を備える酸化アルミニウム蒸着膜を有する積層フィルムを製造する際、前記プラズマ前処理室12Bは、プラズマが生成する空間を他の領域と区分し、対向空間を効率よく真空排気できるように構成されることで、プラズマガス濃度の制御が容易となり、生産性が向上する。その減圧して形成する前処理圧力は、0.1Pa〜100Pa程度に設定、維持することができ、特に、本発明の酸化アルミニウム蒸着膜の好ましい遷移領域の変成率とするため酸素プラズマ前処理の処理圧力としては、1〜20Paが好ましい。
プラスチック基材Sの搬送速度は、特に限定されないが、生産効率の観点から、少なくとも200〜1000m/minにすることができ、特に、本発明の酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率とするため酸素プラズマ前処理の搬送速度としては、300〜800m/minが好ましい。
プラズマ前処理装置を構成するプラズマ前処理ローラー20は、プラスチック基材Sがプラズマ前処理手段によるプラズマ処理時の熱による基材の収縮や破損を防ぐこと、酸素プラズマPをプラスチック基材Sに対して均一にかつ広範囲に適用することを目的とするものである。
前処理ローラー20は、前処理ローラー内を循環させる温度調節媒体の温度を調整することにより、−20℃から100℃の間で、一定温度に調節することが可能であることが好ましい。
プラズマ前処理手段は、プラズマ供給手段及び磁気形成手段を含むものである。プラズマ前処理手段はプラズマ前処理ローラー20と協働し、プラスチック基材S表面近傍に酸素プラズマPを閉じ込める。
プラズマ前処理手段は、前処理ローラー20の一部を覆うように設けられている。具体的には、前処理ローラー20の外周近傍の表面に沿ってプラズマ前処理手段を構成するプラズマ供給手段と磁気形成手段を配置して、前処理ローラー20とプラズマ原料ガスを供給するとともにプラズマPを発生させる電極ともなるプラズマ供給ノズル22a〜22cとプラズマPの発生を促進するためマグネット21等を有する磁気形成手段とにより挟まれた空隙を形成するように設置する。
それにより、該空隙の空間にプラズマ供給ノズル22a〜22cを開口させてプラズマを基材表面に向かって噴射し、該空隙内をプラズマ形成領域とし、さらに、前処理ローラー20とプラスチック基材Sの表面近傍にプラズマ密度の高い領域を形成することで、プラスチック基材Sの片面にプラズマ処理面を形成する本発明の酸素プラズマ前処理が行えるように構成されている。
プラズマ前処理手段のプラズマ供給手段は、減圧チャンバ12の外部に設けたプラズマ供給ノズルに接続された原料揮発供給装置18と、該装置から原料ガス供給を供給する原料ガス供給ラインを含むものである。供給されるプラズマ原料ガスは、酸素単独又は酸素ガスと不活性ガスとの混合ガスが、ガス貯留部から流量制御器を介することでガスの流量を計測しつつ供給される。不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、窒素なる群から選ばれる、1種または2種以上の混合ガスが挙げられる。
これら供給されるガスは、必要に応じて所定の比率で混合されて、プラズマ原料ガス単独又はプラズマ形成用混合ガスに形成され、プラズマ供給手段に供給される。その単独又は混合ガスは、プラズマ供給手段のプラズマ供給ノズル22a〜22cに供給され、プラズマ供給ノズル22a〜22cの供給口が開口する前処理ローラー20の外周近傍に供給される。
そのノズル開口は前処理ローラー20上のプラスチック基材Sに向けられ、プラスチック基材Sの表面全体に均一に酸素プラズマPを拡散、供給させることが可能となるように配置、構成され、プラスチック基材Sの大面積の部分に均一なプラズマ前処理が可能となる。
本発明の酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率とするため酸素プラズマ前処理としては、酸素ガスと前記不活性ガスとの混合比率、酸素ガス/不活性ガスは、6/1〜1/1が好ましく、3/2.5〜3/1がより好ましく、3/2〜3/1がさらに好ましい。
混合比率を6/1〜1/1とすることで、プラスチックフィルム基材上での蒸着アルミニウムの膜形成エネルギーが増加し、更に3/2.5〜3/1とすることで、水酸化アルミニウムの形成が基材の界面近傍で形成される、すなわち該遷移領域の変成率が低下する。
前記プラズマ供給ノズル22a〜22cは、前処理ローラー20の対向電極として機能するもので、電極機能を有するようにできているものであり、前処理ローラー20との間に供給される高周波電圧、低周波電圧等による電位差によって供給されたプラズマ原料ガスが励起状態になり、プラズマPが発生し、供給される。
具体的には、プラズマ前処理手段のプラズマ供給手段は、プラズマ電源としてプラズマ前処理ローラーを設置し、対向電極との間に周波数が10Hzから2.5GHzの交流電圧を印加し、投入電力制御または、インピーダンス制御等を行い、プラズマ前処理ローラー20との間に任意の電圧を印加した状態にすることができるものであり、基材の表面物性を物理的ないしは化学的に改質する処理ができる酸素プラズマPを正電位にするバイアス電圧を印加できる電源32を備えている。
本発明で採用する単位面積あたりのプラズマ強度として50〜8000W・sec/m2であり、50W・sec/m2以下では、プラズマ前処理の効果がみられず、また、8000W・sec/m2以上では、基材の消耗、破損着色、焼成などプラズマによる基材の劣化が起きる傾向にある。特に、本発明の酸化アルミウム蒸着膜の遷移領域の変成率とするため酸素プラズマ前処理のプラズマ強度としては、100〜1000W・sec/m2が好ましく、さらに好ましくは100〜500W・sec/m2である。
プラスチック基材に垂直にバイアス電圧を持ち上記プラズマ強度を与えることにより、
安定的に酸化アルミニウム蒸着膜との密着性等を従来法より強化される。
プラズマ前処理手段は、磁気形成手段を有している。磁気形成手段として、マグネットケース内に絶縁性スペーサ、ベースプレートが設けられ、このベースプレートにマグネット21が設けられる。マグネットケースに絶縁性シールド板が設けられ、この絶縁性シールド板に電極が取り付けられる。
したがって、マグネットケースと電極は電気的に絶縁されており、マグネットケースを減圧チャンバ12内に設置、固定しても電極は電気的にフローティングレベルとすることが可能である。
電極には電力供給配線31が接続され、電力供給配線31は電源32に接続される。また、電極内部には電極及びマグネット21の冷却のための温度調節媒体配管が設けられる。
マグネット21は、電極兼プラズマ供給手段であるプラズマ供給ノズル22a〜22cからの酸素プラズマPが基材Sに集中して適用するために設けられる。マグネット21を設けることにより、基材表面近傍での反応性が高くなり、良好なプラズマ前処理面を高速で形成することが可能となる。
マグネット21は、プラスチック基材Sの表面位置での磁束密度が10ガウスから10000ガウスである。プラスチック基材S表面での磁束密度が10ガウス以上であれば、基材表面近傍での反応性を十分高めることが可能となり、良好な前処理面を高速で形成することができる。
電極のマグネット21の配置構造によりプラズマ前処理時に形成されるイオン、電子がその配置構造に従って運動するため、例えば、1m2以上の大面積のプラスチック基材Sに対してプラズマ前処理をする場合においても電極表面全体にわたり、電子やイオン、基材の分解物が均一に拡散され、プラスチック基材Sが大面積の場合にも所望のプラズマ強度で、均一かつ安定した目的の前処理が可能となるものである。
[無機酸化物蒸着膜の形成方法]
酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜を形成する蒸着法としては、物理蒸着法、化学蒸着の中から種々の蒸着法が適用できる。物理蒸着法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、クラスターイオンビーム法からなる群から選ぶことができ、化学蒸着法としては、プラズマCVD法、プラズマ重合法、熱CVD法、触媒反応型CVD法からなる群から選ぶことができる。
本発明においては、物理蒸着法が好適であり、蒸着膜成膜手段は抵抗加熱方式が好ましい。
図3を用いて、本発明の無機酸化物蒸着膜層の形成について説明する。
蒸着膜成膜装置12内の減圧された蒸着膜成膜室12Cに、被蒸着基材搬送室12Aの搬送ローラー14で樹脂フィルムを搬送する。
搬送された樹脂フィルムは、蒸着成膜処理する成膜ローラー23に巻きかけられる。
そして、成膜ローラー23に対向して配置された蒸着成膜源24のターゲットを蒸発させて樹脂フィルムの表面に蒸着膜を形成し、順次巻き取りローラー15で巻き取られロールになる。
蒸着膜成膜手段24は抵抗加熱方式であり、蒸発源としてアルミニウム金属からなる線材を用い、 酸素を供給ししてアルミニウム蒸気を酸化しつつ、樹脂フィルムの表面に酸化アルミニウム蒸着膜を形成する。
酸素は、酸素単体でも、アルゴンのような不活性ガスとの混合ガスでの供給でも良いが
、酸素量を調整できることが好ましい。
また、アルミニウムの蒸発は、例えば、舟形(「ボートタイプ」という)蒸着容器に、ローラー23の軸方向にアルミニウム金属からなる線材を複数配置し、抵抗加熱式により加熱することで行うことができる。
このような方法で、供給される熱、熱量を調節しながらアルミニウム金属を蒸発させ、かつ供給する酸素量を調整することにより、アルミニウムと酸素との反応を制御して、酸化アルミニウム蒸着膜を形成することができる。
本発明においては、必要に応じて、無機酸化蒸着膜に対して加熱処理を施すことができる。
加熱処理条件は、酸素濃度が18%〜25%で、50℃以上、100℃以下の温度で、72時間以上、350時間以下が好ましい。
上記温度範囲よりも低温だと加熱処理効果が発現し難く、充分な効果を得る為には長時間の処理を要する為に生産性が悪化する。上記温度範囲よりも高温だと、樹脂層部分が劣化し易くなる。
上記時間範囲よりも短時間だと、加熱処理効果が発現し難く、上記時間範囲よりも長時間だと、樹脂層部分が劣化し易く、生産性が悪化する。
加熱処理を施すことによって、無機酸化物蒸着膜形成後に、膜の構成化合物の反応が起こり、本発明の最大強度比部分が存在する組成とすることができる。
加熱処理は、無機酸化物蒸着膜の構成化合物の反応によって、本発明の最大強度比部分が存在する無機酸化物蒸着膜の組成とする為に行うことであって、必要に応じて、何度繰り返してもよい。
上述のように、この加熱処理は、無機酸化物蒸着膜の組成を変化させるものであり、従来行われている蒸着時の不完全なストイキオメトリーの酸化アルミニウムを、完全なストイキオメトリーの酸化アルミニウムにする為に行う加熱処理とは異なる。
また、加熱処理条件は、ガスバリア性蒸着フィルムの基材層である樹脂フィルムの含水率、ガスバリア性蒸着フィルムの形態(ロール状態か、枚葉か)によって、加熱温度、加熱時間が異なる。
そして、含水率の低い樹脂フィルムを基材としたバリア性が良好でないガスバリア性蒸着フィルムでも、加熱処理を施して、本発明の最大強度比部分が存在する組成とすることで、バリア性能を向上させることができる。
以上の各事項を総合的に判断すると、遷移領域の変成率が5%以上60%以下の範囲内になるように蒸着フィルムを作製するためには、以下の製造条件1〜4を全て満たすことが好ましい。
製造条件1
透明蒸着層の厚さが8nm以上である。
製造条件2
酸素プラズマ処理における酸素ガスと不活性ガスとの混合比率が3/2.5以上3/1以下である。
製造条件3
酸素プラズマ処理における前処理圧力が1Pa以上20Pa以下である。
製造条件4
酸素プラズマ処理におけるプラズマ強度が100W・sec/m2以上500W・sec/m2以下である。
[最大強度比Al24H/Al23と深さ位置の求め方]
本発明において、無機酸化物蒸着膜中の、Al24H強度とAl23強度、更には、それぞれの深さ位置は、TOF−SIMSを用いて測定され、最大強度比Al24H/Al23の値が算出されて、深さ位置も特定される。
TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法、Time−of−Flight
Secondary Ion Mass Spectrometry)は、一次イオン銃から一次イオンビームを被分析固体試料表面に照射して、該試料表面からスパッタリングされて放出される二次イオンを、その飛行時間差(飛行時間は重さの平方根に比例)を利用して質量分離して、質量分析する方法である。
ここで、スパッタリングを進行させつつ二次イオン強度を検出することによって、二次イオン、即ち被検出元素イオン又は被検出元素と結合した分子イオンのイオン強度の時間推移のデータに対して、推移時間を深さに換算することで、該試料表面の深さ方向の被検出元素の濃度分布を知ることができる。
そして、予め、一次イオンの照射により試料表面に形成された窪みの深さを表面粗さ計を用いて測定して、この窪みの深さと推移時間とから平均スパッタ速度を算出しておき、スパッタ速度が一定であるとの仮定の下に、照射時間(即ち、推移時間)または照射サイクル数から、深さ(スパッタ量)を算出することが可能である。
本発明では、ガスバリア性樹脂フィルムのバリア性被覆層および無機酸化物蒸着膜に対し、好ましくは、深い領域まで測定する為にCs(セシウム)イオン銃を用いて、上記のように一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、無機酸化物蒸着膜層由来のAl24H、Al23のイオンと、樹脂フィルム基材層に由来するC6イオンを測定すること
により、各イオンの強度比を算出できる。
酸化アルミニウムに対して充分な強度を有し、且つ酸化アルミニウム由来の複数のイオン種の中から本発明が測定対象とするイオン種を切り分けて、Al24Hの濃度分布に近似計算できる深さ分布を得る為には、Csイオンが適している。
Csを用いて、バリア性被覆層の最表面からエッチングを行い、バリア性被覆層と酸化アルミウム蒸着膜と樹脂フィルム基材との界面の元素結合及び蒸着膜の元素結合の分析を実施し、測定された元素および元素結合の図4の各グラフを得る。
グラフにおいて、バリア性被覆層の構成元素であるSiO2(質量数59.96)の強度が、先ず、バリア性被 覆層の半分になる位置をバリア性被覆層と酸化アルミニウム蒸着膜の界面として、次いで、樹脂フィルム基材の構成材料であるC6(質量数72.00)の層部分の半分になる位置を、樹脂フィルム基材と酸化アルミニウム蒸着膜の界面として、最初の界面から2番目の界面までを酸化アルミニウム蒸着膜とする。
次に、測定された元素結合Al24H(質量数118.93)を表すグラフを求めるが、バリア性被覆層の成分がAl24H(質量数118.93)と同じ質量数の材料で構成される場合、118.93の波形を分離する必要がある。
本発明のケースでは、バリア性被覆層と酸化アルミ層の界面に、Al24H(質量数118.93)と同一質量の反応物AlSiO4が生じるため、AlSiO4とAl24Hの波形を分離する。このような波形分離は、バリア性被覆層の材料によって適宜対象化合物を設定して行う。
波形分離の一方法は、TOF−SIMSで得られた、質量数118.93のプロファイルを、Gaussian関数を用いて非線形のカーブフィッティングを行い最小二乗法Levenberg Marquardtアルゴリズムを使用して重複波形を分離する方法である。
以上の重複波形の分離操作を行い、各サイクルにおける無機酸化物蒸着膜内の深さと、Al24H強度、Al23強度が得られ、強度比Al24H/Al23を求めることで、最大強度比の値と、無機酸化物蒸着膜層中の界面からの深さ距離を知ることができる。
[バリア性被覆層]
バリア性被覆層は、無機酸化物蒸着膜層を機械的・化学的に保護するとともに、ガスバリア性蒸着フィルムのバリア性能を向上させるものであり、無機酸化物蒸着膜層上に隣接して積層される。
バリア性被覆層は、金属アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物からなるバリア性被覆層用コート剤から形成される。バリア性被覆層内で、金属アルコキシドは、縮合反応生成物を生成しているが、水酸基含有水溶性樹脂との間で共縮合物を生成していてもよい。
前記樹脂組成物中の水酸基含有水溶性樹脂/金属アルコキシドの質量比は、5/95以上、20/80以下が好ましく、6/94以上、15/85以下がより好ましい。上記範囲よりも小さいと、バリア性被覆層のバリア効果が不十分になり易い傾向になり、上記範囲よりも大きいと、バリア性被覆層の剛性と脆性とが大きくなり易くなる。
バリア性被覆層の厚みは、100nm以上、800nm以下が好ましく、150nm以上、800nm以下がより好ましい。上記範囲よりも薄いと、バリア性被覆層のバリア効果が不十分になり易くなり、上記範囲よりも厚いと、剛性と脆性とが大きくなり易くなる。
本発明において、バリア性被覆層は、以下の方法で形成することができる。
まず、上記金属アルコキシド、水酸基含有水溶性樹脂、反応促進剤(ゾルゲル法触媒、酸等)、及び溶媒としての水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等のアルコール等の有機溶媒を混合して、樹脂組成物からなるバリア性被覆層用コート剤を調製する。
次いで、無機酸化物蒸着膜層の上に、常法により、上記のバリア性被覆層用コート剤を塗布し、乾燥する。この乾燥工程によって、前記縮合または共縮合反応が更に進行し、塗膜が形成される。第一の塗膜の上に、更に上記塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗膜を形成してもよい。
さらに、20〜200℃、好ましくは50〜180℃の範囲の温度、かつ基材層を構成する樹脂の軟化点以下の温度で、3秒〜10分間加熱する。これによって、無機酸化物蒸着膜層の上に、上記バリア性被覆層用コート剤によるバリア性被覆層を形成することができる。
また、本発明においては、必要に応じて、バリア性被覆層形成後に加熱処理を施すことができる。
加熱処理条件は、酸素濃度が18%〜25%で、50℃以上、100℃以下の温度で、72時間以上、350時間以下が好ましい。
上記温度範囲よりも低温だと加熱処理効果が発現し難く、充分な効果を得る為には長時間の処理を要する為に生産性が悪化する。上記温度範囲よりも高温だと、樹脂層部分が劣化し易くなる。
上記時間範囲よりも短時間だと、加熱処理効果が発現し難く、上記時間範囲よりも長時間だと、樹脂層部分が劣化し易く、生産性が悪化する。
加熱処理を施すことによって、バリア性被覆層形成後に無機酸化物蒸着膜の構成化合物の反応が起こり、本発明の最大強度比部分が存在する組成とすることができる。すなわち、該加熱処理によって、最大強度比Al24H/Al23が、0.20未満、または、0.65を越えたガスバリア性蒸着フィルムであっても、0.20以上、0.65以下に調節することができる。
加熱処理は、無機酸化物蒸着膜の構成化合物の反応によって、本発明の最大強度比部分が存在する無機酸化物蒸着膜の組成とする為に行うことであって、バリア性被覆層形成時に本発明の最大強度比部分が存在する組成であれば、行う必要はない。また、加熱処理は、必要に応じて、何度繰り返してもよい。
上述のように、本発明の加熱処理は、無機酸化物蒸着膜の組成を変化させるものであり、従来行われている蒸着時の不完全なストイキオメトリーの酸化アルミニウムを、完全なストイキオメトリーの酸化アルミニウムにする為に行う加熱処理とは異なる。
また、加熱処理条件は、ガスバリア性蒸着フィルムの基材層である樹脂フィルムの含水率、ガスバリア性蒸着フィルムの形態(ロール状態か、枚葉か)によって、加熱温度、加熱時間が異なる。
[金属アルコキシド]
金属アルコキシドは、一般式R1nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、水素原子または炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。1分子中の複数のR1、 R2のそれぞれは、同一であっても、異なっていてもよい。)で表される。
金属アルコキシドのMで表される具体的な金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、スズ、鉛、ボラン、その他等を例示することができ、例えば、MがSi(ケイ素)であるアルコキシシランを使用することが好ましい。
アルコキシシランは、一般式R1nSi(OR2)m(ただし、n+m=4。)で表される。
上記において、OR2の具体例としては、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロ ポキシ基、n−ブトキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基、3−メタクリロキシ基、3−アクリロキシ基、フェノキシ基、等のアルコキシ基またはフェノキシ基等が挙げられる。
上記において、R1の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ ロピル基、フェニル基、3−クロロプロピル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
また、アルコキシシランにおいて、R1に官能基を有する有機基が含まれている場合に は、一般的にシランカップリング剤と呼ばれる。
官能基を有する有機基であるR1としては、例えば、γ−グリシドキシプロピル基、脂 環式エポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、ウレイド基、ビニル基、p−スチリル基、γ−アミノプロピル基、イソシアヌレート基またはイソシアネート基を有する官能基が挙げられる。
具体的には、2つまたは3つ存在するR1の少なくとも一つは、エポキシ基を有する官 能基であることが好ましく、γ−グリシドキシプロピル基または2−(3,4エポキシシクロヘキシル)基であることがより好ましい。なお、複数のR1は、それぞれ同一であっ ても、異なっていてもよい。
R2としては、例えば、炭素数1〜8の有機官能基であり、好ましくは分岐を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基または炭素数3〜7のアルコキシアルキル基である。例えば、炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。
また、炭素数3〜7のアルコキシアルキル基としては、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルブチルエーテル、メチルsec−ブチルエーテル、エチルsec−ブチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル等の直鎖又は分岐鎖状エーテルから1個の
水素原子を除いた基等が挙げられる。なお、複数の(OR2)は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
アルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルフェノキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン等の各種アルコキシシランやフェノキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジメチルメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジメチルエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)メチルジメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)メチルジエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエト キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、等が挙げられ、これらの中でも、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好適である。
上記の金属アルコキシドは、1種を用いても、2種以上を混合して用いてもよく、特に、シランカップリング剤を併用することが好適である。シランカップリング剤を併用する場合には、全金属アルコキシド中の2質量%以上、15質量%以下をシランカップリング剤にすることが好ましい。さらに、シランカップリング剤は1種だけでなく、2種以上を混合して用いることができる。
[水酸基含有水溶性樹脂]
本発明において、水酸基含有水溶性樹脂は、金属アルコキシドと脱水共縮合し得るものであり、ケン化度は、90%以上、100%以下が好ましく、95%以上、100%以下がより好ましく、99%以上、100%以下が更に好ましい。ケン化度が上記範囲よりも小さいと。バリア性被覆層の硬度が低下し易くなる。
水酸基含有水溶性樹脂の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコ一ル共重合体、2官能フェノール化合物と2官能エポキシ化合物との重合体、等が挙げられ、各々を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよく、共重合させて用いてもよい。これらの中で、特に、柔軟性と親和性に優れることから、ポリビニルアルコールが好適である。
具体的には、例えば、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコ一ルや、
エチレンと酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得られたエチレン・ビニルアルコール共重合体を使用することができる。
このようなポリビニルアルコールとしては、株式会社クラレ製のPVA−124(ケン化度=99%、重合度=2,400)」、日本合成化学工業株式会社製の「ゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)」等を挙げることができる。
[ガスバリア積層体]
本発明のガスバリア性積層体5は、図2に示されたように、本発明のガスバリア性蒸着フィルム1に、更に、少なくとも、ヒートシール可能なシーラント層6を、接着剤を介して、あるいは介することなく、ガスバリア性蒸着フィルムの最表面に積層したものである。
また、シーラント層は、ガスバリア性蒸着フィルムの、バリア性被覆層側に積層されていることが好ましい。
更に必要に応じて、包装材料に用いた場合に付与したい機能、例えば、遮光性を付与するための遮光性層、装飾性、印字を付与するための印刷層、絵柄層、レーザー印刷層、臭気を吸収又は吸着する吸収性・吸着性層など各種機能層を層構成として含むことも出来る。
[シーラント層]
シーラント層は、1種または2種以上のヒートシール性樹脂を含む層であり、加熱によって接着することができる層であり、樹脂フィルムあるいは樹脂塗布膜等から形成される。
シーラント層は、単層であっても、2層以上の多層構成であってもよい。多層構成の場合には、それぞれの層の組成が同一であってもよく、異なっていてもよく、ヒートシール性樹脂のみからなる層や、ヒートシール性樹脂を含まない層を含むこともできる。更には、種々の機能を備えた機能層や、接着剤層を含むこともできる。しかし、包装材料の片面最表層を構成する層は、ヒートシール性に優れた樹脂を含むことが好ましい。
また、シーラント層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、架橋剤、着色剤、顔料、滑剤、充填剤、補強剤、改質用樹脂等の種々の無機又は有機添加剤等の1種ないし2種以上を、適宜含有することができる。その含有率としては、極微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に含有することができる。
[ガスバリア性包装材料]
本発明のバリア性包装材料は、本発明のガスバリア性積層体から作製される包装材料であり、該ガスバリア性積層体に、用途に応じた機能フィルムを更に積層させて作製することができる。
例えば、レトルト用の包装材料であれば、耐ピンホール構造として、ナイロンフィルムを、また耐熱構造として耐熱シーラントCPPなどを積層した多層フィルムの包装材料、或いは、液体紙容器用の包装材料であれば、紙を積層した積層体の包装材料である。
[ガスバリア性包装体]
本発明のガスバリア性包装体は、本発明のガスバリア性包装材料から作製される包装体である。
例えば、多層フィルムからなるガスバリア性包装材料のシーラント層を熱融着させるようなヒートシール加工によって、ピロー包装袋、三方シール、四方シール、ガセットタイプ等の形態のガスバリア性包装体を作製できる。また、紙を積層した積層体の包装材料であれば、酒、ジュース等のゲーベルトップ型の液体紙容器包装体を作成できる。
<<実験1>>
[実施例1]
(無機酸化物蒸着膜形成)
まず、含水率0.228%のPETフィルムを巻き取ったロール巻きを準備した。
次に、加熱手段として反応性抵抗加熱方式を用いた下記条件の真空蒸着法により、このPETフィルムの片面上に、厚さ12nmの酸化アルミニウム蒸着膜を形成して、無機酸化物蒸着膜が積層されたロール巻きを得た。
得られたロール巻きから一部を切り取り、55℃、168時間の加熱処理を施した。
(酸化アルミニウム成膜条件)
・圧力:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・酸素のガス供給量:8000sccm
(バリア性被覆層形成)
上記の樹脂フィルムの酸化アルミニウム蒸着膜上に、下記で調製したバリアコート剤を用いて、スピンコート法によりコーティング膜を形成した。その後、180℃で60秒間、オーブンにて加熱処理して、厚さ約400nmのバリア性被覆層を無機酸化物蒸着膜上に形成して、さらに55℃で72時間の加熱処理をして、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。そして、TOF−SIMSによる最大強度比Al24H/Al23と位置、酸素透過度、水蒸気透過度を測定した。
(バリア性被覆層用バリアコート剤の調製)
水300g、イソプロピルアルコール146g及び0.5N塩酸7.3gを混合し、pH2.2に調整した溶液に、テトラエトキシシラン175gとグリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.2gを10℃となるよう冷却しながら混合させて溶液Aを調製した。
ケン価度99%以上の重合度2400のポリビニルアルコール14.7g、水324g、イソプロピルアルコール17gを混合した溶液Bを調製した。
A液とB液を重量比3.5:6.5となるよう混合して得られた溶液をバリアコート剤とした。
[実施例2]
含水率0.204%のPETフィルムを用いたことと、バリア性被覆層を形成後、55℃で72時間の加熱処理の後に、さらに135℃、40分の加熱処理をしたこと以外は、実施例1と同様に操作して、ガスバリア性蒸着フィルムを得て、同様に測定した。
[比較例1]
バリア性被覆層を形成後、135℃、40分の加熱処理をしなかったこと以外は、実施例2と同様にしてガスバリア性蒸着フィルムを得て、同様に測定した。
<測定方法>
[樹脂フィルムの含水率]
カールフィッシャー水分測定装置(三菱ケミカルアナリテック(株)社製、CA−200,VA−236S)を用いて、樹脂フィルムの含水率を測定した。
約1gの樹脂フィルムを23℃、相対湿度40%RHの環境下で3日間以上保管した後に、短冊状に折り畳んで、測定セルの半分以下の高さになるようにセットし、下記の条件及び環境下で含水率を測定した。各サンプルをn=3で測定し、その平均値を含水率として採用した。
滴定継続時間:10分
終点感度:0.1μg/秒
加熱温度:120℃
窒素ガス流量:250ml/分
測定環境:室温23℃相対湿度40%RH
カールフィッシャー試薬:三菱ケミカル(株)社製「アクアミクロンAX/CXU
[TOF−SIMSによる最大強度比Al24H/Al23と位置]
ガスバリア性蒸着フィルムに対して、飛行時間型二次イオン質量分析計(ION TOF社製、TOF.SIMS5)を用いて、下記測定条件で、ガスバリア性蒸着フィルムのバリア性被覆層側から、Cs(セシウム)イオン銃により一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、基材層の樹脂フィルム由来のC6(質量数72.06)、ガスバリア性被覆由来のSiO2(質量数59.96)、酸化アルミニウム蒸着膜由来のAl24H(質量数118.93)、Al23(質量数101.96)イオンの質量分析を行った。
まず、バリア性被覆層の構成元素であるSiO2(質量数59.96)の強度が、バリア性被覆層(SiO2のグラフが一定の位置)の半分になる位置をバリア性被覆層と酸化アルミニウム蒸着膜の界面とした。
次に、プラスチック基材の構成材料であるC6(質量数72.00)の層(C6のグラフが一定の位置)の半分になる位置を、フィルム基材と酸化アルミニウム蒸着膜の界面として、最初の界面から2番目の界面までを酸化アルミニウム蒸着膜とした。
次に、測定された元素結合Al24H(質量数118.93)を表すグラフを求める為に、バリア性被覆層のAl24H(質量数118.93)と同じ質量数のAlSiO4(質量数118.93)とが重なった波形の分離を行った。分離は、OF−SIMSで得られた質量数118.93のプロファイルを、Gaussian関数を用いて非線形のカーブフィッティングを行い最小二乗法Levenberg Marquardtアルゴリズムを使用して行った。
以上の重複波形分離操作を行い、無機酸化物蒸着膜の表面から6nm以下の深さまでの間で、Al24Hの強度と深さ位置を求めて、最大強度比Al24H/Al23と深さ位置を算出した。
(TOF−SIMS測定条件)
・一次イオン種類:Bi3++(0.2pA,100μs)
・測定面積:150×150μm2
・エッチング銃種類:Cs(1keV、60nA)
・エッチング面積:600×600μm2
・エッチングレート:3sec/Cycle
・真空引き時間:1×10-6mbar以下で15h以上
・真空引き開始後、30h以内に測定
[酸素透過度]
酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX−TRAN2/22)を用いて、ガスバリア性蒸着フィルムの基材層側が酸素供給側になるようにセットして、JIS K 7126に準拠して、23℃、相対湿度90%RH環境下における酸素透過度を測定した。
[水蒸気透過度]
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、PERMATRAN―W3−34G)を用いて、ガスバリア性蒸着フィルムの基材層側がセンサー側になるようにセットして、JIS
K 7129に準拠して、40℃、相対湿度100%RH環境下における水蒸気透過度を測定した。
[評価結果]
実施例、比較例の測定結果を表1にまとめた。
強度比Al24H/Al23が本願規定の0.20〜0.65を満たす全実施例は良好な酸素バリア性と水蒸気バリア性を示した。
比較例1では、元素結合Al2O4Hピークが小さすぎてPETフィルム界面側に隠れ、分離できなかった為に、強度比が計算できない結果(0%以下の数値)となった。
含水率0.204質量%の同じ樹脂フィルムを基材層に用いたガスバリア性蒸着フィルムであっても、該規定を満たす実施例2は良好な水蒸気バリア性を示したが、該規定を満たさない比較例1は、劣った水蒸気バリア性を示した。
Figure 2020049941
<<実験2>>
[実施例1]
<酸化アルミニウム蒸着膜の形成>
まず、プラスチック基材である厚さ12μmの石油由来のポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム)を巻き取ったロールを準備した。
次に、このPETフィルムの蒸着膜を設ける面に、酸素プラズマ前処理装置を配置した前処理区画と成膜区画を隔離した連続蒸着膜成膜装置を用いて、前処理区画において下記条件下でプラズマ供給ノズルからプラズマを導入し、搬送速度400m/minで酸素プラズマ前処理を施し、連続搬送した成膜区画内で、酸素プラズマ処理面上に、下記条件において真空蒸着法の加熱手段として反応性抵抗加熱方式により、厚さ12nmの酸化アルミニウム蒸着膜をPETフィルム上に形成した。

(酸素プラズマ前処理条件)
・プラズマ強度:200W・sec/m2
・プラズマ形成ガス比:酸素/アルゴン=2/1
・前処理ドラム−プラズマ供給ノズル間印加電圧:340V
・前処理区画の圧力:3.8Pa

(酸化アルミニウム成膜条件)
・圧力:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・酸素ガス供給量:20000sccm
<バリア性被覆層の形成>
水307g、イソプロピルアルコール147gおよび0.5N塩酸7.3gを混合し、pH2.2に調整した溶液に、金属アルコキシドとしてテトラエトキシシラン175gと、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン8.7gを
10℃となるよう冷却しながら混合させて溶液Aを調製した。
水溶性高分子として、ケン価度99%以上の重合度2400のポリビニルアルコール14.7g、水324g、イソプロピルアルコール17gを混合した溶液Bを調製した。
A液とB液を重量比6.5:3.5となるよう混合して得られた溶液をバリアコート組成物とした。
上記のPETフィルムの酸化アルミニウム蒸着膜上に、上記で調製したバリアコート組成物をスピンコート法によりコーティングした。
その後、180℃で60秒間、オーブンにて加熱処理して、厚さ約400nmのバリアコート層を酸化アルミニウム蒸着膜上に形成して、バリアフィルムを得た。
Figure 2020049941
[実施例2]
酸素プラズマ前処理条件を100W・sec/m2に変更したこと以外は、実施例1と同じにして、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。
[実施例3]
プラスチック基材として厚さ12μmのバイオマス由来のPETフィルムを使用したこと、プラズマ前処理条件を150W・sec/m2に変更したこと以外は、実施例1と同じにして、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。
[実施例4]
プラスチック基材として厚さ12μmの石油由来のポリブチレンテレフタレートフィルム(以下、PBTフィルム)を使用したことと、酸化アルミニウム蒸着膜の厚さを10nmに変更したこと、酸素プラズマ前処理条件を150W・sec/m2に変更したこと以外は、実施例1と同じにして、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。
但し、レトルト条件はセミレト条件で行った。
[実施例5]
高湿度下で長期保管することで含水率の高まった、厚さ12μmの石油由来のPETフィルムを用いたことと、酸化アルミニウム蒸着膜の厚さを14nm変更したこと以外は、実施例1と同じにして、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。
[実施例6]
酸化アルミニウム蒸着膜の厚さを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同じにして、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。
[実施例7]
酸化アルミニウム蒸着膜の厚さを14nmに変更したこと以外は、実施例1と同じにし
て、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。
[実施例8]
プラスチック基材として厚さ12μmのバイオマス由来のPETフィルムを使用し、プラズマ前処理条件を150W・sec/m2に変更し、酸化アルミニウム蒸着膜の厚さを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同じにして、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。
[実施例9]
プラスチック基材として厚さ12μmのバイオマス由来のPETフィルムを使用し、プラズマ前処理条件を150W・sec/m2に変更し、酸化アルミニウム蒸着膜の厚さを14nmに変更したこと以外は、実施例1と同じにして、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。
[実施例10]
前処理を行わないこと以外は、実施例1と同じにして、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。
[比較例1]
酸素ガス/Arガスの比率を、4/1にした以外は、実施例1と同じにしてガスバリア性蒸着フィルムを得た。
[比較例2]
酸素プラズマ前処理の真空度圧力を50Paにした以外は、実施例1と同じにしてガスバリア性蒸着フィルムを得た。
[参考例1]
プラズマ強度を、1200W・sec/m2にした以外は、実施例1と同じにしてガスバリア性蒸着フィルムを得た。
測定結果を表3に示す。各実施例に示されているように、本発明の酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率が5%以上、60%以下のガスバリア性蒸着フィルムは、良好なレトルト処理後も酸素透過度と水蒸気透過度を示し、良好な密着性を示した。
比較例1,2では、元素結合Al24Hのピークが小さすぎて基材界面側に隠れ、分離できなかった為に、該遷移領域の変成率が計算できない結果(0%以下の数値)となった。
そして、比較例1と2ではレトルト処理後の水蒸気バリア性が悪かったり、急激な剥離強度の劣化によりデラミネーションの発生が見られたりした。
(評価項目の測定方法)
上記各実施例又は比較例に示した条件下で製造したガスバリア性蒸着フィルムを測定用のサンプルとし、蒸着膜の遷移領域の変成率、酸素透過度、水蒸気透過度、及び密着強度について、下記の方法を用いて測定した。
(遷移領域の変成率)
本発明において、蒸着膜の遷移領域の変成率は、ガスバリア性蒸着フィルムのバリア性被覆層表面にCs(セシウム)イオン銃により一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて、バリア性被覆層由来のイオンと、酸化アルミウム蒸着膜由来のイオンと、プラスチック基材に由来するイオンを測定することにより図4のグラフ解析図が得られる。ここで、グラフの縦軸の単
位(intensity)は、測定されたイオンの強度、横軸の単位(cycle)は、エッチングの回数である。
上記TOF−SIMSに用いられる飛行時間型二次イオン質量分析計としてはION TOF社製、TOF.SIMS5を用い、下記測定条件で測定を行なった。
(TOF−SIMS測定条件)
・一次イオン種類:Bi3++(0.2pA,100μs)、測定面積:150×150μm2
・Et銃種類:Cs(1keV、60nA)、Et面積:600×600μm2、Etレート:3sec/Cycle
なお、測定対象となる酸化アルミニウム由来のイオンを測定するためにイオン銃としては、通常、複数ある酸化アルミニウム由来のイオンの中から他の成分由来のイオンとの切り分けが必要であり、且つ十分な強度を有するものを選択する必要があること及び、特に元素結合Al24Hの濃度分布に近似換算できる深さ分布を得る目的から、本発明においては、Csイオンを選択することとした。
Csを用いて、バリア性被覆層の最表面からエッチングを行い、バリア性被覆層と酸化アルミウム蒸着膜とポリエステルフィルム等のフィルム基材との界面の元素結合及び蒸着膜の元素結合の分析を実施し、測定された元素および元素結合のグラフ1の各グラフを得た。グラフにおいて、バリア性被覆層の構成元素であるSiO2(質量数59.96)の強度が、先ず、バリア性被覆層の半分になる位置をバリア性被覆層と酸化アルミニウム蒸着膜の界面として、次いで、プラスチック基材の構成材料であるC6(質量数72.00)の層部分の半分になる位置を、フィルム基材と酸化アルミニウム蒸着膜の界面として、最初の界面から2番目の界面までを酸化アルミニウム蒸着膜とした。
次に、測定された元素結合Al24H(質量数118.93)を表すグラフにおけるピークを求め、そのピークから界面までを遷移領域とし、求めることができる。
ただし、バリア性被覆層の成分がAl24H(質量数118.93)と同じ質量数の材料で構成させる場合、118.93の波形を分離する必要がある。
今回のケースでは、バリア性被覆層と酸化アルミ層の界面に、被覆層との界面に生じる反応物AlSiO4と、水酸化物Al24Hが生じるため、それらとフィルム界面に存在するAl24Hを分離する。これはバリア性被覆層の材料によって適宜対応する。
波形分離の方法例を以下に示す。
TOF−SIMSで得られた、質量数118.93のプロファイルを、Gaussian関数を用いて非線形のカーブフィッティングを行い最小二乗法Levenberg Marquardt アルゴリズムを使用して重複ピークの分離を行う。
以上の操作を行い、酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率を
(元素結合Al24Hのピークから界面までの遷移領域厚/酸化アルミニウム蒸着膜厚)×100(%)として求めた。
(酸素透過度)
酸素透過度測定装置(モダンコントロール(MOCON)社製〔機種名:オクストラン(OX−TRAN)2/21〕)を用いて、測定のために作製したバリアフィルム/接着剤/ナイロンフィルム15μm/接着剤/CPP70μmの包装材料とし、酸素供給側がバリアフィルムの基材層面となるように上記試験用サンプルをセットし、23℃、90%RH雰囲気下の測定条件で、JIS K7126 B法に準拠して測定した。
測定サンプルとして、
1)レトルト処理前の複合積層フィルム
2)ハイレトルト処理条件:135℃、40分間の処理をした袋の状態にした包装材料の袋片面の包装材料
3)セミレトルト処理条件:121℃、40分間の処理をした袋の状態にした包装材料の袋片面の包装材料
を用いた。
(水蒸気透過度)
水蒸気透過度測定装置(モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パーマトラン(PERMATRAN)3/33〕)を用いて、センサー側がバリアフィルムの基材層面となるように上記試験用サンプルをセットし、40℃、100%RH雰囲気下の測定条件で、JIS K7126 B法に準拠し、測定した。
測定サンプルとして、
1)レトルト処理前の包装材料
2)ハイレトルト処理条件:135℃、40分間の処理をした袋の状態にした包装材料の袋片面の包装材料
3)セミレトルト処理条件:121℃、40分間の処理をした袋の状態にした包装材料の袋片面の包装材料
を用いた。"
(レトルト処理後の常態剥離強度)
バリアフィルムのバリアコート層側に2液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗工し、乾燥処理したものと、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムに2液硬化型ポリウレタン系接着剤と厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムと貼り合わせたフィルムとをドライラミネートし、包装材料を作製した。
上記包装材料を用いてB5サイズに作製した四方パウチに水100mLを注入し、135℃、40分間で熱水式レトルト処理(ハイレトルト処理)を行った。
該レトルト処理後、中身の水を抜いた四方パウチから15mm幅の短冊状にカットしたサンプルを作成した。このサンプルについて、引張試験機(株式会社オリエンテック社製[機種名:テンシロン万能材料試験機])を用いてJIS K6854−2に準拠し、バリアフィルムの基材層と酸化アルミウム蒸着膜との剥離強度を測定した。
なお、実施例4については、121℃、40分間で熱水式レトルト処理(セミレトルト処理)を行った。
測定は、まず、図7に示すように、基材層(PETフィルムまたはPBTフィルム)52と、無機酸化物蒸着層(酸化アルミニウム蒸着膜)53、バリアコート層54、中間層(延伸ナイロンフィルム)55およびヒートシール層(無延伸ポリプロピレンフィルム)56(以下、無機酸化物蒸着層53側とも称する)とを長辺方向において15mm剥離させた状態の矩形状の試験片60を準備した。
その後、図8に示すように、基材層52および無機酸化物蒸着層53側のうち既に剥離されている部分をそれぞれ、測定器のつかみ具61およびつかみ具62で把持した。また、つかみ具61,62をそれぞれ、基材層52と無機酸化物蒸着膜53とがまだ積層されている部分の面方向に対して直交する方向において互いに逆向きに(180°剥離:T字剥離法)、50mm/分の速度で引っ張り、安定領域(図9参照)における引張応力の平均値を測定した。
引っ張りを開始する際の、つかみ具61,62間の間隔Sは30mmとし、引っ張りを終了する際の、つかみ具61,62間の間隔Sは60mmとした。
図9は、つかみ具61,62間の間隔Sに対する引張応力の変化を示す図である。図9に示すように、間隔Sに対する引張応力の変化は、第1領域を経て、第1領域よりも変化率の小さい第2領域(安定領域)に入る。安定領域における引張応力の平均値を測定し、その値をバリアフィルムの基材層と酸化アルミウム蒸着膜との剥離強度とした。
(レトルト処理後の水付け剥離強度)
水付け剥離強度は、以下に記載する点を除き、常態剥離強度を測定する方法と同様の方法によって測定した。水付け剥離強度の測定においては、試験片の基材層と無機酸化物蒸着層(酸化アルミニウム蒸着膜)側とを15mm引き剥がした上で、基材層と酸化アルミ
ニウム蒸着膜側との接着界面の剥離強度を測定した。
また、水付け剥離強度の測定においては、剥離強度の測定を行う際に、試験片の長手方向にそってみた場合における、基材層と酸化アルミニウム蒸着膜側とが接合を維持している部分と、基材層と酸化アルミニウム蒸着膜側とが引き剥がされている部分との境界部分にスポイトで水を滴下した状態で、測定を行った。
(色味)
分光測色計(コニカミノルタ株式会社製[機種名:CM−700d)を用いて、測定用のサンプル1枚(基材層/酸化アルミニウム蒸着膜/バリアコート層)のL*a*b*表色系におけるL*値、a*値およびb*値を測定した。
Figure 2020049941
1 ガスバリア性蒸着フィルム
2 基材層
3 無機酸化物蒸着膜層
4 バリア性被覆層
5 バリア積層体
6 シーラント層
S プラスチック基材
P プラズマ
10 ローラー式連続蒸着膜成膜装置
12 蒸着膜成膜装置、減圧チャンバ
12A 被蒸着基材搬送室
12B プラズマ前処理室
12C 蒸着膜成膜室
14 a〜d ガイドロール
15 巻き取りローラー
18 原料ガス揮発供給装置
20 前処理ローラー
21 マグネット
22 プラズマ供給ノズル
23 成膜ローラー
24 蒸着膜成膜手段
31 電力供給配線
32 電源
35a〜35c 隔壁
52 基材層
53 無機酸化物蒸着層
54 バリアコート層
55 中間層
56 ヒートシール層
60 試験片
61、62 つかみ具

Claims (23)

  1. 樹脂フィルムからなる基材層と、酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜層と、バリア性被覆層とを含む、ガスバリア性蒸着フィルムであって、
    前記無機酸化物蒸着膜層は、前記基材層上に形成されており、
    前記無機酸化物蒸着膜層中には、Al24Hで表される物質が分布し、
    前記バリア性被覆層と前記無機酸化物蒸着膜層とをTOF−SIMSを用いてエッチングを行うことで得られる前記無機酸化物蒸着膜層の、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)における最大強度比Al24H/Al23が、0.20以上、0.65以下であり、
    前記バリア性被覆層は、前記無機酸化物蒸着膜層の、基材層とは反対側の表面上に、隣接して積層されており、金属アルコキシドと、水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物から形成されたものである、ガスバリア性蒸着フィルム。
  2. 前記最大強度比Al24H/Al23が、前記無機酸化物蒸着膜層と前記樹脂フィルムとの界面中心から、前記無機酸化物蒸着膜層側の0nm以上、6nm以下の深さ位置で示される、請求項1又は2に記載の、ガスバリア性蒸着フィルム。
  3. 前記酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜中には、前記樹脂フィルムからなる基材の表面と前記酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜との密着強度を規定する遷移領域が形成されており、
    該遷移領域は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いてエッチングを行うことで検出される、水酸化アルミニウムに変成する元素結合Al24Hを含み、
    前記バリア性被覆層と前記酸化アルミニウム蒸着膜とをTOF−SIMSを用いてエッチングを行うことで規定される前記酸化アルミニウム蒸着膜に対する、TOF−SIMSを用いて規定される該変成される前記遷移領域の割合により定義される遷移領域の変成率が、5%以上、60%以下である、請求項1に記載の、ガスバリア性蒸着フィルム。
  4. 前記樹脂フィルムの表面が、酸素プラズマ処理面である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバリア性積層フィルム。
  5. 酸素プラズマ処理面にインラインで酸化アルミニウム蒸着膜が積層された、請求項1〜4の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
  6. 前記樹脂フィルムが、含水率を0.1質量%以上、0.33質量%以下とした樹脂フィルムである、請求項1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
  7. 前記樹脂フィルムが、含水率を0.1質量%以上、0.22質量%未満とした樹脂フィルムである、請求項1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
  8. 前記樹脂フィルムが、含水率を0.22質量%以上、0.33質量%以下とした樹脂フィルムである、請求項1〜5の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
  9. 前記樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜8の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
  10. 前記樹脂フィルムが、リサイクルポリエチレンテレフタレートフィルムを含む、請求項1〜8の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
  11. 前記樹脂フィルムが、ポリブチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜8の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
  12. 前記樹脂フィルムが、バイオマス由来のポリエステルフィルムである、請求項1〜8の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
  13. 前記樹脂フィルムが、高スティフネスPETフィルムである、請求項1〜8の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルムと、シーラント層とを含む、ガスバリア性積層体。
  15. 請求項14に記載のガスバリア性積層体から作製された、ガスバリア性包装材料。
  16. 請求項15に記載のガスバリア性包装材料から作製された、ガスバリア性包装体。
  17. レトルト殺菌用包装に用いられる、請求項16に記載のガスバリア性包装体。
  18. 請求項1〜13の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルムの、品質管理方法であって、
    加熱処理を行うことによって、該最大強度比Al24H/Al23を0.20以上、0.65以下に調節することを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルムの品質管理方法。
  19. 前記加熱処理は、酸素濃度が18%以上、25%以下の雰囲気下で行われることを特徴とする、請求項18に記載の、品質管理方法。
  20. 請求項18または19に記載の品質管理方法を適用して、請求項1〜13の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルムを製造することを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
  21. 前記バリア性被覆層を、塗布、乾燥、硬化によって形成することを特徴とする、請求項1〜13の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
  22. 請求項1〜13の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルムの、製造方法であって、
    樹脂フィルムからなる基材層の表面に、物理蒸着法により無機酸化物蒸着膜層を形成し、
    該無機酸化物蒸着膜層の上に、金属アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物を塗布および乾燥することによって、塗布膜を硬化してバリア性被覆層を、形成および積層し、
    該物理蒸着法は、該バリア性被覆層と該無機酸化物蒸着膜層とをTOF−SIMSを用いてエッチングを行うことで得られる、該無機酸化物蒸着膜層の飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)における最大強度比Al24H/Al23が、0.20以上、0.65以下であるAl2O4Hで表される物質が分布する該無機酸化物蒸着膜層を形成する物理蒸着法であることを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
  23. さらに、前記バリア性被覆層の積層後に、前記ガスバリア性蒸着フィルムに加熱処理を行うことを特徴とする、請求項1〜13の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
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