JP7110860B2 - ガスバリア性蒸着フィルム、ガスバリア性積層体、ガスバリア性包装材料及びガスバリア性包装体。 - Google Patents
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Description
な多層構造を採らずに、ガスバリア性に優れたガスバリア性蒸着フィルム及び該ガスバリア性蒸着フィルムを用いた、積層体、包装材料、及び包装体を提供することである。
前記、Al2O4Hで表される物質の割合は、ガスバリア性蒸着フィルム、を飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いたエッチングを行うことで検出されるものであり、最大強度比Al2O4H/Al2O3が、0.18以上、0.70以下とすることが好ましい。
1.樹脂フィルムからなる基材層と、酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜層とを含む、ガスバリア性蒸着フィルムであって、
前記無機酸化物蒸着膜層は、前記基材層上に形成されており、
前記無機酸化物蒸着膜層中には、Al2O4Hで表される物質が分布し、
前記無機酸化物蒸着膜層の、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)における最大強度比Al2O4H/Al2O3が、0.18以上、0.70以下であることを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルム。
2.前記最大強度比Al2O4H/Al2O3が、前記無機酸化物蒸着膜層と前記樹脂フィルムとの界面中心から、前記無機酸化物蒸着膜層側の0nm以上、6nm以下の深さ位置で示されることを特徴とする、上記1に記載の、ガスバリア性蒸着フィルム。
3.前記ガスバリア性樹脂フィルムは、更に、バリア性被覆層を前記無機酸化物蒸着膜層の基材層とは反対側の表面上に、隣接して含み、
前記バリア性被覆層は、金属アルコキシドと、水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物から形成されたものであることを特徴とする、
上記1または2に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
4.前記樹脂フィルムが、含水率を0.1質量%以上、0.33質量%以下とした樹脂フィルムであることを特徴とする、上記1~3の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
5.前記樹脂フィルムが、含水率を0.1質量%以上、0.22質量%未満とした樹脂フィルムであることを特徴とする、上記1~3の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
6.前記樹脂フィルムが、含水率を0.22質量%以上、0.33質量%以下とした樹脂フィルムであることを特徴とする、上記1~3の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルム。
7.上記1~6の何れかに記載のガスバリア性蒸着フィルムと、シーラント層とを含むことを特徴とする、ガスバリア性積層体。
8.上記7に記載のガスバリア性積層体から作製されたことを特徴とする、ガスバリア性包装材料。
9.上記8に記載のガスバリア性包装材料から作製されたことを特徴とする、ガスバリア性包装体。
10.上記1~6に記載のガスバリア性蒸着フィルムの、品質管理方法であって、
前記最大強度比Al2O4H/Al2O3が、0.18未満、または0.70より大きい場合に、前記無機酸化物蒸着膜層の形成後に、さらに、加熱処理を行うことによって、該最大強度比Al2O4H/Al2O3を0.18以上、0.70以下に調節することを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルムの品質管理方法。
11.前記加熱処理は、酸素濃度が18%以上、25%以下の雰囲気下で行われることを特徴とする、上記10に記載の、品質管理方法。
12.上記10または11に記載の品質管理方法を適用して、上記1~6に記載のガスバリア性蒸着フィルムを製造することを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
13.上記10または11に記載の品質管理方法を適用して、上記3~6に記載のガスバリア性蒸着フィルムを製造する、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法であって、
前記バリア性被覆層を、塗布、乾燥、硬化によって形成することを特徴とする、
ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
14.上記1~6に記載のガスバリア性蒸着フィルムの、製造方法であって、
樹脂フィルムからなる基材層の表面に、物理蒸着法により、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)における最大強度比Al2O4H/Al2O3が、0.18以上、0.70以下であるAl2O4Hで表される物質が分布する無機酸化物蒸着膜層を積層することを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
15.さらに、前記無機酸化物蒸着膜層の積層後に、前記無機酸化物蒸着膜層に加熱処理を行うことを特徴とする、上記14に記載の、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
16.さらに、前記無機酸化蒸着膜層の上に隣接してバリア性被覆層を積層する工程を有する、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法であって、
該バリア性被覆層を、金属アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物を塗布し、乾燥し、硬化して積層することを特徴とする、
上記14または15に記載の、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
また、ポリエチレンテレフタレートはPET、ポリブチレンテレフタレートはPBTとも表記する。
本発明のガスバリア性蒸着フィルム1は、図1に示したように、樹脂フィルムからなる基材層2と、基材層2上に形成された酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜層3を含む。
更には、無機酸化物蒸着膜層を機械的・化学的に保護するとともに、バリア樹脂フィルムのバリア性能を向上させるバリア性被覆層4を積層することができ、また更には、図示はされていないが、必要に応じて、種々の機能層を積層することもできる。
無機酸化物蒸着膜における上記物質の分布は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)によって無機酸化物蒸着膜層を分析することにより、それらの存在が検出され、その濃度は検出の強度として得られる。
本発明におけるガスバリア性蒸着フィルムは、前記最大強度比Al2O4H/Al2O3が、0.18以上、0.70以下であり、該最大強度比Al2O4H/Al2O3が、前記無機酸化物蒸着膜層と前記樹脂フィルムとの界面中心から、前記無機酸化物蒸着膜層側の0nm以上、6nm以下の深さ位置で示されることを特徴とする。
前記最大強度比Al2O4H/Al2O3と前記深さ位置が上記範囲内にあることによって、優れたガスバリア性を発現することができる。
基材層には、特に制限なく、公知の樹脂フィルム又はシートを使用することができる。(以下、樹脂フィルムに統一して記載する。)例えば、ポリエチレンテレフタレート、バイオマス由来のポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、リサイクルポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンフラノエートなどのポリエステル系樹脂;ポリアミド樹脂6、ポリアミド樹脂66、ポリアミド樹脂610、ポリアミド樹脂612、ポリアミド樹脂11、ポリアミド樹脂12などのポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα-オレフィンの重合体などのポリオレフィン系樹脂等からなるフィルムを使用することができる。上記の樹脂の中でも、ポリエステル系樹脂は好ましく用いられ、ポリエステル系樹脂の中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリブチレンテレフタレートフィルムが特に好ましく用いられる。
ポリブチレンテレフタレートフィルムは、熱変形温度が高く、機械的強度、電気的特性にすぐれ、成型加工性も良いことなどから、食品などの内容物を収容する包装袋に用いると、レトルト処理を施す際に包装袋が変形したり、その強度が低下したりすることを抑制することができる。
また、ポリブチレンテレフタレートフィルムは、高温高湿度環境下で加水分解するためレトルト処理後の密着強度、バリア性の低下がみられるが、ナイロンに比べて水分を吸収しにくいという特性を有する。このため、ポリブチレンテレフタレートフィルムを包装用材料の外面に配置した場合であっても、包装袋の包装用材料間のラミネート強度が低下してしまうことを抑制することができる。このような性質を持つので、ポリブチレンテレフタレートフィルムをレトルト包装袋に用いると、従来のポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロンフィルムの貼り合せ包装材に置き換えることができることから、好ましく用いられる。
率は、60質量%以上が好ましく、さらには70質量%以上、特には75質量%以上が好ましく、最も好ましくは80質量%以上である。
主たる構成成分として用いるPBTは、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸が90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは98モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。グリコール成分として1,4-ブタンジオールが90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは97モル%以上である。
バイオマス由来のポリエステルフィルムは、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%、好ましくは50~90質量%含んでなるものである。
算出することができる。
本発明においては、ポリエステル中の14Cの含有量をP14Cとした場合の、バイオマス由来の炭素の含有量Pbioを、以下のように定義する。
Pbio(%)=P14C/105.5×100
本発明の樹脂基材として、メカニカルリサイクルによりリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(以下、ポリエチレンテレフタレートをPETとも記す)を含むものを使用できる。
具体的には、樹脂基材は、PETボトルをメカニカルリサイクルによりリサイクルしたPETを含み、このPETは、ジオール成分がエチレングリコールであり、ジカルボン酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸を含む。
イソフタル酸成分の含有量が0.5モル%未満であると柔軟性が向上しない場合があり、一方、5モル%を超えるとPETの融点が下がり耐熱性が不十分となる場合がある。
縮合させる従来公知の方法により得ることができる。
また、重縮合反応は、重合触媒の存在下で行うことが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
具体的には、固相重合は、PETをチップ化して乾燥させた後、100℃以上180℃以下の温度で1時間から8時間程度加熱してPETを予備結晶化させ、続いて、190℃以上230℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気下または減圧下において1時間~数十時間加熱することにより行われる。
ヴァージンPETとしては、上記したようなジオール成分がエチレングリコールであり、ジカルボン酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸を含むPETであってもよく、また、ジカルボン酸成分がイソフタル酸を含まないPETであってもよい。また、樹脂基材層は、PET以外のポリエステルを含んでいてもよい。例えば、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸およびイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸以外にも、脂肪族ジカルボン酸等が含まれていてもよい。
い。
樹脂基材に上記したようなリサイクルPETを用いる場合は、最外層である上層、中層、シーラント層に近い下層の3層を備えた樹脂基材としてもよい。
この場合、中層をリサイクルPETのみから構成される層またはリサイクルPETとヴァージンPETとの混合層とし、上層および下層は、ヴァージンPETのみから構成される層とすることが好ましい。
また、樹脂基材層は、上記における上層を設けることなく、中層および下層の2層を備えた樹脂基材層としてもよい。さらに、樹脂基材層は、下層を設けることなく、上層および中層の2層を備えた樹脂基材層としてもよい。これらの場合においても、中層をリサイクルPETのみから構成される層またはリサイクルPETとヴァージンPETとの混合層とし、上層および下層は、ヴァージンPETのみから構成される層とすることが好ましい。
本発明に係る無機酸化物蒸着膜層は、主成分として酸化アルミニウムを含む無機酸化物の薄膜であり、微量の、アルミニウムの窒化物、炭化物、水酸化物の単独又はその混合物などのアルミニウム化合物や、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸化窒化物、ケイ素炭化物、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、またはこれらの金属窒化物、炭化物及びその混合物などを含むことができる。
Al2O4Hで表される物質の存在率は、Al2O3(酸化アルミニウム)との存在比で表現することができ、具体的には、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)によって検出されるAl2O4Hの強度と、Al2O3の強度との比である、強度比Al2O4H/Al2O3によって表現することができる。
最大強度比Al2O4H/Al2O3が上記範囲よりも小さい場合は、該蒸着膜中にAl2O4Hで表される元素結合構造部が少な過ぎることによって、充分なガスバリア性を発現し難くなり易い。また、上記範囲よりも大きい場合には、Al(OH)3の存在量も多くなり過ぎることによって、無機酸化物蒸着膜の組成が水蒸気で劣化しやすいものになり、水蒸気バリア性が劣り易い。
前記最大強度比部分が、該界面中心から、前記無機酸化物蒸着膜層側の0nm以上、6nm以下の深さ位置に存在することがより好ましい。
上記深さ位置に存在することによって、蒸着膜の緻密性を向上させるとともに、基材層との接着がさらに良くなる。
本発明における含水率は、カールフィッシャー水分測定装置によって測定されるものである。詳細な測定方法は、実施例に記載した通りであるが、要は、含水率は(試料から出てきた水分量[g])/(試料重量[g])から算出されるものである。試験片はフィルム状であっても、粒状であっても測定できる。
ガスバリア性蒸着フィルムは、用いる基材層としての樹脂フィルムの含水率によって、ガスバリア性が左右され、含水率が低い(0.1質量%以上0.22質量%未満)と良好なバリア性が発現されないが、本発明の無機酸化物蒸着膜とすることで、良好なバリア性を発現することができる。
無機酸化物蒸着膜層の厚みは、5nm以上、100nm以下が好ましい。上記範囲よりも小さいとバリア性が不十分になり易く、上記範囲よりも大きいと無機酸化物蒸着膜層の剛性が強くなり過ぎて剥離等が発生し易い傾向になる。
酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜を形成する蒸着法としては、物理蒸着法、化学蒸着の中から種々の蒸着法が適用できる。物理蒸着法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、クラスターイオンビーム法からなる群から選ぶことができ、化学蒸着法としては、プラズマCVD法、プラズマ重合法、熱CVD法、触媒反応型CVD法からなる群から選ぶことができる。
本発明においては、物理蒸着法が好適であり、蒸着膜成膜手段は抵抗加熱方式が好ましい。
蒸着膜成膜装置12内の減圧された蒸着膜成膜室12Cに、被蒸着基材搬送室12Aの搬送ローラー14で樹脂フィルムを搬送する。
搬送された樹脂フィルムは、蒸着成膜処理する成膜ローラー23に巻きかけられる。
そして、成膜ローラー23に対向して配置された蒸着成膜源24のターゲットを蒸発させて樹脂フィルムの表面に蒸着膜を形成し、順次巻き取りローラー15で巻き取られロールになる。
酸素は、酸素単体でも、アルゴンのような不活性ガスとの混合ガスでの供給でも良いが、酸素量を調整できることが好ましい。
また、アルミニウムの蒸発は、例えば、舟形(「ボートタイプ」という)蒸着容器に、ローラー23の軸方向にアルミニウム金属からなる線材を複数配置し、抵抗加熱式により加熱することで行うことができる。
加熱処理条件は、酸素濃度が18%~25%で、50℃以上、100℃以下の温度で、72時間以上、350時間以下が好ましい。
上記温度範囲よりも低温だと加熱処理効果が発現し難く、充分な効果を得る為には長時間の処理を要する為に生産性が悪化する。上記温度範囲よりも高温だと、樹脂層部分が劣化し易くなる。
上記時間範囲よりも短時間だと、加熱処理効果が発現し難く、上記時間範囲よりも長時間だと、樹脂層部分が劣化し易く、生産性が悪化する。
加熱処理を施すことによって、無機酸化物蒸着膜形成後に、膜の構成化合物の反応が起こり、本発明の最大強度比部分が存在する組成とすることができる。すなわち、該加熱処理によって、最大強度比Al2O4H/Al2O3が、0.18未満、または0.70を越えたガスバリア性蒸着フィルムであっても、0.18以上、0.70以下に調節することができる。
上述のように、本発明の加熱処理は、無機酸化物蒸着膜の組成を変化させるものであり、従来行われている蒸着時の不完全なストイキオメトリーの酸化アルミニウムを、完全なストイキオメトリーの酸化アルミニウムにする為に行う加熱処理とは異なる。
そして、含水率の低い樹脂フィルムを基材としたバリア性が良好でないガスバリア性蒸着フィルムでも、加熱処理を施して、本発明の最大強度比部分が存在する組成とすることで、バリア性能を向上させることができる。
本発明において、無機酸化物蒸着膜中の、Al2O4H強度とAl2O3強度、更には、それぞれの深さ位置は、TOF-SIMSを用いて測定され、最大強度比Al2O4H/Al2O3の値が算出されて、深さ位置も特定される。
Secondary Ion Mass Spectrometry)は、一次イオン銃から一次イオンビームを被分析固体試料表面に照射して、該試料表面からスパッタリングされて放出される二次イオンを、その飛行時間差(飛行時間は重さの平方根に比例)を利用して質量分離して、質量分析する方法である。
ここで、スパッタリングを進行させつつ二次イオン強度を検出することによって、二次イオン、即ち被検出元素イオン又は被検出元素と結合した分子イオンのイオン強度の時間推移のデータに対して、推移時間を深さに換算することで、該試料表面の深さ方向の被検出元素の濃度分布を知ることができる。
そして、予め、一次イオンの照射により試料表面に形成された窪みの深さを表面粗さ計
を用いて測定して、この窪みの深さと推移時間とから平均スパッタ速度を算出しておき、スパッタ速度が一定であるとの仮定の下に、照射時間(即ち、推移時間)または照射サイクル数から、深さ(スパッタ量)を算出することが可能である。
酸化アルミニウムに対して充分な強度を有し、且つ酸化アルミニウム由来の複数のイオン種の中から本発明が測定対象とするイオン種を切り分けて、Al2O4Hの濃度分布に近似計算できる深さ分布を得る為には、Csイオンが適している。
測定結果は、例えば、図4に示したようなグラフとして得ることが出来る。図4のグラフにおいて、縦軸の単位(intensity)は、測定されたイオンの強度であり、横軸の単位(cycle)はエッチングの回数である。
そして、各サイクルにおける無機酸化物蒸着膜内の深さと、Al2O4H強度、Al2O3強度が得られ、強度比Al2O4H/Al2O3を求め、最大強度比を示した時のその値と、無機酸化物蒸着膜層中の界面からの深さ距離を知ることができる。
バリア性被覆層は、無機酸化物蒸着膜層を機械的・化学的に保護するとともに、ガスバリア性蒸着フィルムのバリア性能を向上させるものであり、無機酸化物蒸着膜層上に隣接して積層される。
バリア性被覆層は、金属アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物からなるバリア性被覆層用コート剤から形成される。バリア性被覆層内で、金属アルコキシドは、縮合反応生成物を生成しているが、水酸基含有水溶性樹脂との間で共縮合物を生成していてもよい。
まず、上記金属アルコキシド、水酸基含有水溶性樹脂、反応促進剤(ゾルゲル法触媒、酸等)、及び溶媒としての水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等のアルコール等の有機溶媒を混合して、樹脂組成物からなるバリア性被覆層用コート剤を調製する。
次いで、無機酸化物蒸着膜層の上に、常法により、上記のバリア性被覆層用コート剤を塗布し、乾燥する。この乾燥工程によって、前記縮合または共縮合反応が更に進行し、塗膜が形成される。第一の塗膜の上に、更に上記塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗膜を形成してもよい。
さらに、20~200℃、好ましくは50~180℃の範囲の温度、かつ基材層を構成する樹脂の軟化点以下の温度で、3秒~10分間加熱する。これによって、無機酸化物蒸着膜層の上に、上記バリア性被覆層用コート剤によるバリア性被覆層を形成することができる。
金属アルコキシドは、一般式R1nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、水素原子または炭素数1~8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。1分子中の複数のR1、R2のそれぞれは、同一であっても、異なっていてもよい。)で表される。
アルコキシシランは、一般式R1nSi(OR2)m(ただし、n+m=4。)で表される。
上記において、OR2の具体例としては、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、i-プロポキシ基、ブトキシ基、3-メタクリロキシ基、3-アクリロキシ基、フェノキシ基、等のアルコキシ基またはフェノキシ基等が挙げられる。
上記において、R1の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、3-クロロプロピル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
官能基を有する有機基であるR1としては、例えば、γ-グリシドキシプロピル基、脂環式エポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、ウレイド基、ビニル基、p-スチリル基、γ-アミノプロピル基、イソシアヌレート基またはイソシアネート基を有する官能基が挙げられる。
R2としては、例えば、炭素数1~8の有機官能基であり、好ましくは分岐を有していてもよい炭素数1~8のアルキル基または炭素数3~7のアルコキシアルキル基である。例えば、炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基等が挙げられる。また、炭素数3~7のアルコキシアルキル基としては、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルブチルエーテル、メチルsec-ブチルエーテル、エチルsec-ブチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル、エチルtert-ブチルエーテル等の直鎖又は分岐鎖状エーテルから1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。なお、複数の(OR2)は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
シランカップリング剤の具体例としては、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)ジメチルメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)ジメチルエトキシシラン、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)メチルジメトキシシラン、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)メチルジエトキシシラン、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、等が挙げられ、これらの中でも、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好適である。
本発明において、水酸基含有水溶性樹脂は、金属アルコキシドと脱水共縮合し得るものであり、水酸基含有水溶性樹脂のケン化度は、90%以上、100%以下が好ましく、95%以上、100%以下がより好ましく、99%以上、100%以下が更に好ましい。ケン化度が上記範囲よりも小さいと。バリア性被覆層の硬度が低下し易くなる。
具体的には、例えば、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコ一ルや、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体をケン化して得られたエチレン・ビニルアルコール共重合体を使用することができる。
本発明のガスバリア性積層体5は、図2に示されたように、本発明のガスバリア性蒸着フィルム1に、更に、少なくとも、ヒートシール可能なシーラント層6を、接着剤を介して、あるいは介することなく、ガスバリア性蒸着フィルムの最表面に積層したもので、図はバリア性被覆層4上に設けた例である。
また、シーラント層は、ガスバリア性蒸着フィルムの、無機酸化物蒸着膜層側またはバリア性被覆層側に積層されていることが好ましい。
更に必要に応じて、包装材料に用いた場合に付与したい機能、例えば、遮光性を付与するための遮光性層、装飾性、印字を付与するための印刷層、絵柄層、レーザー印刷層、臭気を吸収又は吸着する吸収性・吸着性層など各種機能層を層構成として含むことも出来る。
シーラント層は、1種または2種以上のヒートシール性樹脂を含む層であり、加熱によって接着することができる層であり、樹脂フィルムあるいは樹脂塗布膜等から形成される。
シーラント層は、単層であっても、2層以上の多層構成であってもよい。多層構成の場合には、それぞれの層の組成が同一であってもよく、異なっていてもよく、ヒートシール性樹脂のみからなる層や、ヒートシール性樹脂を含まない層を含むこともできる。更には、種々の機能を備えた機能層や、接着剤層を含むこともできる。しかし、包装材料の片面最表層を構成する層は、ヒートシール性に優れた樹脂を含むことが好ましい。
本発明のバリア性包装材料は、本発明のガスバリア性積層体から作製される包装材料であり、該ガスバリア性積層体に、用途に応じた機能フィルムを更に積層させて作製することができる。
例えば、レトルト用の包装材料であれば、耐ピンホール構造として、ナイロンフィルムを、また耐熱構造として耐熱シーラントCPPなどを積層した多層フィルムの包装材料、或いは、液体紙容器用の包装材料であれば、紙を積層した積層体の包装材料である。
本発明のガスバリア性包装体は、本発明のガスバリア性包装材料から作製される包装体である。
例えば、多層フィルムからなるガスバリア性包装材料のシーラント層を熱融着させるようなヒートシール加工によって、ピロー包装袋、三方シール、四方シール、ガセットタイ
プ等の形態のガスバリア性包装体を作製できる。また、紙を積層した積層体の包装材料であれば、酒、ジュース等のゲーベルトップ型の液体紙容器包装体を作成できる。
下記の原材料を用いて実施した。
・樹脂フィルム1:PETフィルム。厚さ12μm。含水率0.228質量%。
・樹脂フィルム2:PETフィルム。厚さ12μm。含水率0.216質量%。
・樹脂フィルム3:PETフィルム。厚さ12μm。含水率0.255質量%。
・樹脂フィルム4:PETフィルム。厚さ12μm。含水率0.227質量%。
・樹脂フィルム5:PETフィルム。厚さ12μm。含水率0.204質量%。
水300g、イソプロピルアルコール146g及び0.5N塩酸7.3gを混合し、pH2.2に調整した溶液に、テトラエトキシシラン175gとグリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.2gを10℃となるよう冷却しながら混合させて溶液Aを調製した。
ケン化度99%以上の重合度2400のポリビニルアルコール14.7g、水324g、イソプロピルアルコール17gを混合した溶液Bを調製した。
A液とB液を重量比3.5:6.5となるよう混合して得られた溶液をバリアコート剤とした。
まず、樹脂フィルム1を巻き取ったロール巻きを準備した。
次に、加熱手段として反応性抵抗加熱方式を用いた下記条件の真空蒸着法により、この樹脂フィルム1の片面上に、厚さ12nmの酸化アルミニウム蒸着膜を形成して、無機酸化物蒸着膜が積層されたロール巻きを得た。
得られたロール巻きから一部を切り取り、55℃、72時間の加熱処理を施して、ガスバリア性蒸着フィルムを得た。
そして、無機酸化物蒸着膜の表面から6nm以下の深さまでの、TOF-SIMSによる最大強度比Al2O4H/Al2O3を求めた。
酸化アルミニウム成膜条件:
・真空度:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・酸素のガス供給量:8000sccm
上記の樹脂フィルム1の酸化アルミニウム蒸着膜上に、上記で調製したバリアコート剤を用いて、スピンコート法によりコーティング膜を形成した。その後、180℃で60秒間、オーブンにて加熱処理して、厚さ約400nmのバリア性被覆層を無機酸化物蒸着膜上に形成して、バリア性被覆層付きガスバリア性蒸着フィルムを得た。そして、酸素透過度、水蒸気透過度を測定した。
樹脂フィルム2を用いたことと、加熱処理時間を336時間にしたこと以外は、実施例
1と同様に操作して、ガスバリア性蒸着フィルムとバリア性被覆層付きガスバリア性蒸着フィルムを得て、同様に測定した。
加熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に操作して、ガスバリア性蒸着フィルムとバリア性被覆層付きガスバリア性蒸着フィルムを得て、同様に測定した。
樹脂フィルム3を用いたことと、加熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に操作して、ガスバリア性蒸着フィルムとバリア性被覆層付きガスバリア性蒸着フィルムを得て、同様に測定した。
樹脂フィルム4を用いたことと、加熱処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に操作して、ガスバリア性蒸着フィルムとバリア性被覆層付きガスバリア性蒸着フィルムを得て、同様に測定した。
樹脂フィルム5を用いた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性蒸着フィルムとバリア性被覆層付きガスバリア性蒸着フィルムを得て、同様に測定した。
加熱処理を行わなかった以外は、実施例2と同様にしてガスバリア性蒸着フィルムとバリア性被覆層付きガスバリア性蒸着フィルムを得て、同様に測定した。
[樹脂フィルムの含水率]
カールフィッシャー水分測定装置(三菱ケミカルアナリテック(株)社製、CA-200,VA-236S)を用いて、樹脂フィルムの含水率を測定した。
約1gの樹脂フィルムを23℃、相対湿度40%RHの環境下で3日間以上保管した後に、短冊状に折り畳んで、測定セルの半分以下の高さになるようにセットし、下記の条件及び環境下で含水率を測定した。各サンプルをn=3で測定し、その平均値を含水率として採用した。
滴定継続時間:10分
終点感度:0.1μg/秒
加熱温度:120℃
窒素ガス流量:250ml/分
測定環境:室温23℃相対湿度40%RH
カールフィッシャー試薬:三菱ケミカル(株)社製「アクアミクロンAX/CXU
ガスバリア性蒸着フィルムに対して、飛行時間型二次イオン質量分析計(ION TOF社製、TOF.SIMS5)を用いて、下記測定条件で、ガスバリア性蒸着フィルムの酸化アルミニウム蒸着膜側から、Cs(セシウム)イオン銃により一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、基材層の樹脂フィルム由来のC6(質量数72.06)、酸化アルミニウム蒸着膜由来のAl2O4H(質量数118.968)、Al2O3(質量数101.96)イオンの質量分析を行った。
C6の検出強度が、最大値(明確に基材層の樹脂フィルムであるとされる部分の検出値
)の半分になる位置を、樹脂フィルムと酸化アルミニウム蒸着膜との界面とした。
そして、無機酸化物蒸着膜の表面から6nm以下の深さまでの、強度比Al2O4H/Al2O3の最大値を算出した。
(TOF-SIMS測定条件)
・一次イオン種類:Bi3 ++(0.2pA,100μs)
・測定面積:150×150μm2
・エッチング銃種類:Cs(1keV、60nA)
・エッチング面積:600×600μm2
・エッチングレート:3sec/Cycle
・真空引き時間:1×10-6mbar以下で15h以上
・真空引き開始後、30h以内に測定
酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX-TRAN2/22)を用いて、バリア性被覆層付きガスバリア性蒸着フィルムの基材層側が酸素供給側になるようにセットして、JIS K 7126準拠して、23℃、相対湿度100%RH環境下における酸素透過度を測定した。
水蒸気透過度測定装置(MOCON社製、PERMATRAN―W3-34G)を用いて、バリア性被覆層付きガスバリア性蒸着フィルムの基材層側がセンサー側になるようにセットして、JIS K 7129に準拠して、40℃、相対湿度100%RH環境下における水蒸気透過度を測定した。
実施例、比較例の測定結果を表1にまとめた。
強度比Al2O4H/Al2O3が本願規定の0.18~0.70を満たす全実施例は良好な酸素バリア性と水蒸気バリア性を示したが、該規定を満たさない比較例1と2は、劣った水蒸気バリア性を示した。
含水率0.216質量%の同じ樹脂フィルム2を基材層に用いたガスバリア性蒸着フィルムであっても、該規定を満たす実施例2は良好な水蒸気バリア性を示したが、該規定を満たさない比較例2は、劣った水蒸気バリア性を示した。
2 基材層
3 無機酸化物蒸着膜層
4 バリア性被覆層
5 バリア積層体
6 シーラント層
12 蒸着膜成膜装置
12A 被蒸着基材搬送室
12C 蒸着膜成膜室
14 ガイドロール
15 巻き取りローラー
23 成膜ローラー
24 蒸着膜成膜手段
Claims (16)
- 樹脂フィルムからなる基材層と、酸化アルミニウムを主成分とする無機酸化物蒸着膜層とを含む、ガスバリア性蒸着フィルムであって、
前記無機酸化物蒸着膜層は、前記基材層上に形成されており、
前記無機酸化物蒸着膜層中には、Al2O4Hで表される物質が分布し、
前記無機酸化物蒸着膜層の、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)における最大強度比Al2O4H/Al2O3が、0.18以上、0.70以下であることを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルム。 - 前記最大強度比Al2O4H/Al2O3が、前記無機酸化物蒸着膜層と前記樹脂フィルムとの界面中心から、前記無機酸化物蒸着膜層側の0nm以上、6nm以下の深さ位置で示されることを特徴とする、請求項1に記載の、ガスバリア性蒸着フィルム。
- 前記ガスバリア性樹脂フィルムは、更に、バリア性被覆層を前記無機酸化物蒸着膜層の基材層とは反対側の表面上に、隣接して含み、
前記バリア性被覆層は、金属アルコキシドと、水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物から形成されたものであることを特徴とする、
請求項1または2に記載のガスバリア性蒸着フィルム。 - 前記樹脂フィルムが、含水率を0.1質量%以上、0.33質量%以下とした樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
- 前記樹脂フィルムが、含水率を0.1質量%以上、0.22質量%未満とした樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
- 前記樹脂フィルムが、含水率を0.22質量%以上、0.33質量%以下とした樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルム。
- 請求項1~6の何れか1項に記載のガスバリア性蒸着フィルムと、シーラント層とを含むことを特徴とする、ガスバリア性積層体。
- 請求項7に記載のガスバリア性積層体から作製されたことを特徴とする、ガスバリア性包装材料。
- 請求項8に記載のガスバリア性包装材料から作製されたことを特徴とする、ガスバリア性包装体。
- 請求項1~6に記載のガスバリア性蒸着フィルムの、品質管理方法であって、
前記最大強度比Al2O4H/Al2O3が、0.18未満、または0.70より大きい場合に、前記無機酸化物蒸着膜層の形成後に、さらに、加熱処理を行うことによって、該最大強度比Al2O4H/Al2O3を0.18以上、0.70以下に調節することを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルムの品質管理方法。 - 前記加熱処理は、酸素濃度が18%以上、25%以下の雰囲気下で行われることを特徴とする、請求項10に記載の、品質管理方法。
- 請求項10または11に記載の品質管理方法を適用して、請求項1~6に記載のガスバリア性蒸着フィルムを製造することを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
- 請求項10または11に記載の品質管理方法を適用して、請求項3に記載のガスバリア性蒸着フィルムを製造する、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法であって、
前記バリア性被覆層を、塗布、乾燥、硬化によって形成することを特徴とする、
ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。 - 請求項1~6に記載のガスバリア性蒸着フィルムの、製造方法であって、
樹脂フィルムからなる基材層の表面に、物理蒸着法により、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)における最大強度比Al2O4H/Al2O3が、0.18以上、0.70以下であるAl2O4Hで表される物質が分布する無機酸化物蒸着膜層を積層することを特徴とする、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。 - さらに、前記無機酸化物蒸着膜層の積層後に、前記無機酸化物蒸着膜層に加熱処理を行うことを特徴とする、請求項14に記載の、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
- さらに、前記無機酸化蒸着膜層の上に隣接してバリア性被覆層を積層する工程を有する、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法であって、
該バリア性被覆層を、金属アルコキシドと水酸基含有水溶性樹脂とを含む樹脂組成物を塗布し、乾燥し、硬化して積層することを特徴とする、
請求項14または15に記載の、ガスバリア性蒸着フィルムの製造方法。
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