JP2009137602A - バッグインボックス内装用積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッグインボックスにおいて、ガスバリア層に耐熱性を付与し、包装内側からの水分蒸散のバリアという観点から、経時でのガスバリア性の劣化・デラミの発生などを防ぐことを目的とするバッグインボックスに適した積層体
【解決手段】透明プラスチックフィルム基材の少なくとも片面に、前処理層、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を順次設けたバリアフィルムと、ポリアミド系フィルムを貼り合わせ、ポリオレフィン系フィルムで挟み込んだバッグインボックス内装用積層体
【選択図】なし

Description

本発明は、食品や非食品及び医薬品等の包装分野に用いられる包装用の積層体で、液体を充填包装するバッグインボックスに関し、特に高度なガスバリア性を有したバッグインボックス内装用積層体に関するものである。
液体を充填包装する容器にバッグインボックスがある。バッグインボックスとは、充填物を包装する内装にプラスチックフィルムを用い、この内装を紙などからなる外装容器に収容する複合容器である。ガス・水などに対する密封性やバリア性、耐薬品性や遮光性などといった保護機能を内袋に持たせ、流通・保管・使用といった操作取扱機能を外装に持たせている。内容物としては、ジュース・酒類・調味料といった液体食品、洗剤・シャンプー・オイル・写真現像液などの液体非食品などに使用され、特に業務用など量の多い用途に用いられることが多い。
バッグインボックス用内装に要求される性能としては、輸送時における屈曲疲労、振動疲労に対しても優れたガスバリア性を保持することができること(耐屈曲疲労性、耐振動疲労性)、および取扱中における落下や衝突に対しても優れたガスバリア性を保持することができること(耐衝撃性)などが挙げられる。
このことからバッグインボックスの内袋として、ガス・水蒸気・光などから内容物を保護するために、バリア性に優れる材料が用いられ、EVOH(エチレン−酢酸ビニル共重合体)フィルムやポリアミドフィルム、バリア性ポリアミドフィルムなどが従来一般的に用いられてきた。
しかし、EVOHフィルムやポリアミドフィルムは高湿度環境下になると酸素バリア性が劣化し、水蒸気バリア性も良くない。また、空気中もしくは内容物の水分を含むことにより、フィルムの膨潤・シワなどが発生し、バリア劣化・ラミネート部分の剥離(以下デラミ)などの性能劣化を引き起こす。そこでこれらのフィルムの代わりに無機酸化物を蒸着したポリエステルフィルムが用いられるようになった。屈曲性・耐ピンホール性・耐衝撃性など物理的強度を持たせるためにポリアミドフィルムなどとの積層構成となるが、湿度依存性も少なく、ガスバリア性も高い。
特開2002−347838号公報 特開2003−292024号公報 特許第3713964号公報
しかしながら、このようなガスバリア性の高い無機酸化物を蒸着したポリエステルフィルムであっても、ガスバリア層が熱により弱くなったり、包装内側からの液体のアタックによりガスバリア性の劣化が起こる場合があることが確認されている。
そこで、ガスバリア層に耐熱性を付与し、包装内側からの水分蒸散のバリアという観点から、経時でのガスバリア性の劣化・デラミの発生などを防ぐことを目的とし、バッグインボックスに適したバッグインボックス内装用積層体を提供することを課題とする。
請求項1の発明は、透明プラスチックフィルム基材の少なくとも片面に、前処理層、無
機酸化物からなる透明蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を順次設けたバリアフィルムと、ポリアミド系フィルムを貼り合わせ、ポリオレフィン系フィルムで挟み込んだことを特徴とするバッグインボックス内装用積層体である。
請求項2の発明は、前記前処理層が、基材にプラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による処理を施した層であることを特徴とするバッグインボックス内装用積層体である。
請求項3の発明は、前記前処理層が、ポリオール樹脂とイソシアネート化合物及びシランカップリング剤との複合物からなるプライマー層であることを特徴とするバッグインボックス内装用積層体である。
請求項4の発明は、前記シランカップリング剤が、ポリオール樹脂の水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基の少なくとも一方と反応する有機官能基を持つことを特徴とするバッグインボックス内装用積層体である。
請求項5の発明は、前記シランカップリング剤に含まれる有機官能基が、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基であることを特徴とするバッグインボックス内装用積層体である。
請求項6の発明は、前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物であり、その厚みが5〜300nmであることを特徴とするバッグインボックス内装用積層体である。
請求項7の発明は、前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層の酸化アルミニウムの成分比率(AL/O)がエネルギー分散型蛍光X線装置で分析して、30〜50であることを特徴とするバッグインボックス内装用積層体である。
請求項8の発明は、前記ガスバリア性被膜層が、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R3はCH3,C25,C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を混合した溶液を塗布し加熱乾燥してなることを特徴とするバッグインボックス内装用積層体である。
請求項9の発明は、前記R2Si(OR33の有機官能基(R2)が、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、イソシアネート基のうちから選ばれる非水性官能基を有することを特徴とするバッグインボックス内装用積層体である。
請求項10の発明は、前記R2Si(OR33の有機官能基(R2)が、イソシアネート基が重合したイソシアヌレートであることを特徴とするバッグインボックス内装用積層体である。
以上に述べたように本発明によれば、ガスバリア性が高く、また、耐熱性・耐水性を付与することによってガスバリア性の劣化を防ぐことの出来るバックインボックス内装用積層体を得ることが出来る。
本発明を、図面を用いて更に詳細に説明する。図1、2は本発明のバッグインボックス内装用積層体の一例の断面説明図である。
図3は本発明のバックインボックス内装用積層体を用いた、バッグインボックス構成例を説明する断面説明図である。
図1、2における基材1は透明プラスチック材料からなるフィルムであり、その少なくとも片面にプラズマを利用したRIEによる前処理2を施すか、もしくは少なくとも片面にプライマー層3を設ける。そして、その面もしくは両面に無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層4、ガスバリア性被膜層5が順次積層されている。
上述した基材1は透明プラスチック材料であり、蒸着薄膜層の透明性を生かすために透明性の高いフィルムが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルムやポリ乳酸フィルムなどの生分解性プラスチックフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。特に耐熱性等の面から二軸方向に延伸されたポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。またこの基材1の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても構わない。
基材1の厚さは1μm以上とし、包装材料としての適性、他の層を積層する場合も在ること、無機酸化物からなる蒸着薄膜層4、ガスバリア性被膜層5を形成する場合の加工性等を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲で選択出来るが、多くの用途においては6〜30μmとすることが好ましい。
また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できるように長尺フィルムとすることが望ましい。
一般的に包装材料の用途では、基材1をポリエステルフィルムとすることが多い。ポリエステルフィルムを構成するジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、ナフタレンカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、シュウ酸、琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などが挙げられる。
ポリエステルフィルムを構成するアルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4シクロヘキサンジメタノール等のポリオキシアルキレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコールおよびそれらの誘導体などが挙げられる。
これらポリエステルの中で、2軸延伸特性などの製膜性、湿度特性、耐熱性、耐薬品性、低コスト性などの観点から、ポリエチレンテレフタレートを主体としたものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートの優れた諸物性を保てる範囲内で、他のアルコール成分を重合段階で主鎖に取り込むように制御し共重合させることにより、分子鎖内に回転障害の小さいセグメント(ソフトセグメント)が形成され、外部からの衝撃や折り曲げによる力
を分子鎖内のソフトセグメントにより吸収し、耐衝撃性、屈曲性に優れたものとすることが出来る。本発明の基材としては、ポリエステルのカルボン酸成分の50モル%以上がテレフタル酸およびその誘導体、アルコール成分の50モル%以上がエチレングリコールおよびその誘導体である共重合ポリエステルが好ましく用いられる。
前記基材1と無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層4との密着を向上するために、表面にプラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による前処理2を施す。このRIEによる処理を行うことで、発生したラジカルやイオンを利用して基材1の表面に官能基を持たせるなどの化学的効果と、表面をイオンエッチングして不純物等を飛散させたり、平滑化するといった物理的効果の2つの効果を同時に得ることが可能である。このような表面処理を行うことにより、次に行う蒸着工程において無機酸化物の緻密な薄膜を形成させることができる。その結果、基材1と無機酸化物よりなる透明蒸着薄膜層4との密着性を強化させることができ、ガスバリア性や防湿性の向上や透明蒸着薄膜層のクラック発生防止にもつながるものである。
このRIEによる処理を巻き取り式のインライン装置で行う方法として制限はないが、プラズマ処理器を用いて処理を行う方法が一般的である。
また、プラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による前処理2を施す代替として、ポリオール樹脂、イソシアネート化合物、シランカップリング剤とを含んでなる複合物からなるプライマー層3を設けても良い。
プライマー層3は、基材1と無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層4との間の密着性を高め、液体内容物保存や高温環境下保存での蒸着層の剥離発生を防止するための層でもある。
プライマー層として用いることができるのは、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エーテル樹脂など接着剤として用いられる一般的な高分子樹脂から選ばれる。下記説明はポリオール樹脂及びイソシアネート化合物、シランカップリング剤等の組成物を用いた場合である。
プライマー層を構成する組成物について、更に詳細に説明する。
本発明で使用されるポリオール樹脂には、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどといった一般的なポリオール樹脂を用いることが可能である。
ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の低分子量ジオールの1種または2種以上と、例えば、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、酒石酸、ピメリン酸、セバチン酸、シュウ酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ダイマー酸、トリメリット酸などの多価カルボン酸またはその誘導体との反応により生成するポリエステルポリオール、ε−カプロラクトンなどの開環重合により生成するポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等エーテル結合を含む多価アルコールが挙げられる。
アクリルポリオールとしては、アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られる高分子化合物もしくは、アクリル酸誘導体モノマーおよびその他のモノマーとを共重合させて得られる高分子化合物のうち、末端にイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させるヒドロキシル基をもつものが挙げられる。中でもエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを単独で重合させたものや、スチレン等のその他のモノマーを加え共重合させたアクリルポリオールが好ましく用いられる。
本発明で使用されるイソシアネート化合物は、ポリオール樹脂と反応してできるウレタン結合により基材や無機酸化物からなる蒸着層との密着性を高めるために添加されるもので、主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。これを達成するためにイソシアネート化合物としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)や脂肪族系のヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が用いられる。これらは単独または混合物等として用いられる。
ポリオール樹脂とイソシアネート化合物の配合比は特に制限されるのもではないが、イソシアネート化合物が少なすぎると硬化不良になる場合があり、またそれが多すぎるとブロッキング等が発生し加工上問題がある。そこでポリオール樹脂とイソシアネート化合物の配合比としては、モル比として、イソシアネート化合物由来のイソシアネート基がポリオール由来の水酸基の50倍以下であることが好ましい。基準となるのはイソシアネート基と水酸基が等モル比で配合される場合である。混合方法は、周知の方法が使用可能で特に限定しない。
また本発明で使用されるシランカップリング剤は、有機官能基を含むシランカップリング剤を用いることができ、例えばエチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤或いはその加水分解物の1種ないしは2種以上を用いることができる。
さらにこれらのシランカップリング剤のうち、ポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する官能基を持つものが特に好ましい。例えばγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランのようなイソシアネート基を含むもの、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β―(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―フェニルアミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ基を含むもの、さらにγ―グリシドオキシプロピルトリメトキシシランやβ―(3、4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のようにエポキシ基を含むもの等で、これらの単独または2種以上の混合物で用いることができる。
これらのシランカップリング剤は、一端に存在する有機官能基がアクリルポリオールとイソシアネート化合物からなる複合物中で相互作用を示し、もしくはポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する官能基を含むシランカップリング剤を用いることで共有結合をもたせることによりさらに強固なプライマー層を形成し、他端のアルコキシ基等の加水分解によって生成したシラノール基が無機酸化物中の金属や、無機酸化物の表面の活性の高い水酸基等と強い相互作用により無機酸化物との高い密着性を発現し、目的の物性を得ることができるものである。よって上記シランカップリング剤を金属アルコキシドとともに加水分解反応させたものを用いても構わない。また上記シランカップリング剤のアルコキシ基がクロロ基、アセトキシ基等になっていても何ら問題はなく、これらのアルコキシ基、クロロ基、アセトキシ基等が加水分解し、シラノール基を形成するものであればこの複合物に用いることができる。
ポリオール樹脂とシランカップリング剤の配合比は、重量比で1/1から100/1の範囲であることが好ましい。
溶解および希釈溶媒としては、溶解および希釈可能であれば特に限定されるものではなく、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルエチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が単独および混合されたものを用いることができる。しかし、シランカップリング剤を加水分解するために塩酸や酢酸等の水溶液を用いることがあるため、溶媒としてイソプロピルアルコール等と極性溶媒である酢酸エチルを混合した溶媒を用いることがより好ましい。
またシランカップリング剤の配合時に反応を促進させるために反応触媒を添加しても一向に構わない。添加される触媒としては、反応性および重合安定性の点から塩化錫(SnCl2、SnCl4)、オキシ塩化錫(SnOHCl、Sn(OH)2Cl2)、錫アルコキシド等の錫化合物が好ましい。これらの触媒は、配合時に直接添加してもよく、またメタノール等の溶媒に溶かして添加しても良い。添加量は、少なすぎても多すぎても触媒効果が得られないため、シランカップリング剤に対してモル比で1/10〜1/10000の範囲、更に望ましくは1/100〜1/2000の範囲であることがより好ましい。
本発明におけるプライマー溶液としては、ポリオール樹脂、イソシアネート化合物、シランカップリング剤を所定の配合比で混合した溶液を製作しそれを基材1にコーティングしてプライマー層を形成する。プライマー溶液の製作手順としては、シランカップリング剤とポリオール樹脂を混合し、溶媒、希釈剤を加え適切な濃度に希釈した後、イソシアネート化合物と混合して複合溶液を作製する方法、または予めシランカップリング剤を溶媒中に混合しておきその後ポリオール樹脂を混合させたものに溶媒、希釈剤を加え所定の濃度に希釈した後、イソシアネート化合物を加える方法などがある。
この組成物に各種添加剤、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤等を必要に応じて添加することも可能である。
プライマー層の厚さは、均一に塗膜を形成することができれば特に限定しないが乾燥膜厚は一般的に0.01〜2μmの範囲であることが好ましい。乾燥膜厚が0.01μmより薄いと均一な塗膜が得られにくく密着性が低下する場合がある。また乾燥膜厚が2μmを越える場合は厚いために塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により塗膜に亀裂を生じる恐れがあるため好ましくない。
プライマー層の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート法、ナイフエッジコート法、グラビアコート法などの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件の範囲で適切な条件が採用される。
無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層4は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、或いはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。その中でも、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素、酸化マグネシウムが酸素透過率及び水蒸気透過率が小さい点で
優れているので好ましく、積層体の無色透明性を効果的に発揮させるには酸化アルミニウムが最も好ましい。
本発明の目的に合致する、前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層4に酸化アルミニウムを用いた場合の酸化アルミニウムの成分比率をエネルギー分散型蛍光X線分析装置で分析したところ、アルミニウムと酸素の原子数の比を示すAL/Oの数値が34.8であった。さらにアルミニウムの成分比率を変化させて比較した結果、AL/Oの数値が30〜50の範囲であることが、ガスバリア性の確保、特に水蒸気バリア性の向上に効果的であることが判明した。AL/Oの数値が30より下であると、透明性は高いがガスバリア性が不足し、50より上であると、バリア性は高いがアルミニウム成分の増加によって透明性が低くなる。
無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層4の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その範囲で適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、5〜100nmの範囲内である。
無機酸化物からなる蒸着薄膜層4を、プラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による前処理層2上、或いはプライマー層3上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式等が好ましく、蒸着薄膜層と基材の密着性及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着薄膜層の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
反応蒸着における、反応ガスの導入に関しては、真空度(装置の排気能力)に関係してくる。蒸着の反応ガスとして酸素を選択する場合の、導入量に関しては、装置内の真空度(装置の排気能力)を損なわないよう調節する。
プラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による前処理を施す場合、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜の形成とインラインで行うことができる。また、プラズマを利用したRIEによる前処理層2による方法とプライマー層3による方法とどちらで行うかの選択は、得られる蒸着積層体の使用目的によって決めることが出来る。
ガスバリア性被膜層5は、金属箔並の高度なガスバリア性を付与するために、また蒸着薄膜層を物理的に保護するために、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層4上に設けられるものである。
上記目的を達成するために前記ガスバリア性被膜層5は、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R3はCH3,C25,C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表される珪素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を混合した溶液を塗布し加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層である必要がある。ガスバリア性被膜層の作成に用いるコーティング液に含まれる各成分について以下に記述する。
前記コーティング液成分のうち、ケイ素化合物R2Si(OR33は、R3はCH3,C25,C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基であり、一般的にはシランカップリング剤として有機化合物層と無機化合物層との密着を向上させるために使用されている。本発明でも無機酸化物被膜層とガスバリア性被膜層との密着向上のために必要である。なかでも有機官能基(R2)がビニル基、エポキシ基、ウレイド基、イソシアネート基等の非水性官能基を有するものは、非水性であるため熱水に対する耐性が高く、さらにイソシアネート基が重合したイソシアヌレートは、本発明のガスバリア性被膜コーティング液中での取り扱いが容易で、コーティング液のゲル化も遅く、シランカップリング剤を添加することによるバリア性の低下も起こらずに、密着を向上することができるため特に好ましい。
前記コーティング液成分のうち、水酸基を有する水溶性高分子の例として、ポリビニルアルコール、でんぷん、セルロース類が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下PVA)を本発明のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここで言うPVAとは、一般にポリ酢酸ビニルをケン化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分ケン化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全ケン化PVAまでを含み、特に限定されるものではない。
前記コーティング液成分の混合方法は、加水分解したSi(OR14と水酸基をもつ水溶性高分子、R2Si(OR33をどの順番で混合しても効果は発現する。特にSi(OR14とR2Si(OR33を別々に加水分解してから水溶性高分子に添加する方法はSiO2の微分散およびSi(OR14の加水分解効率を考慮すると望ましい。
前記コーティング液へは、インキ、接着剤との密着性、濡れ性、収縮によるクラック発生防止を考慮して、イソシアネート化合物、コロイダルシリカやスメクタイトなどの粘土鉱物、安定化剤、着色剤、粘度調整剤などの公知の添加剤などを、ガスバリア性や耐水性を阻害しない範囲で添加する事ができる。
乾燥後の厚みは特に限定しないが、乾燥膜厚が0.01μm未満であると均一な膜が得られにくいため、乾燥膜厚が50μm以上を越えるとクラックが生じやすくなる可能性があるため、0.01〜50μmとすることが望ましい。
ガスバリア性被膜層の形成方法としては、通常のコーティング方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート法、グラビアコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、ダイコート法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、グラビアオフセット法等を用いることができる。これらの塗工方式を用いて蒸着層の上もしくは基材の上に塗布する。
乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、などガスバリア性被膜層に熱をかけて、水分をとばす方法であればこれらのいずれでも、またこれらを2つ以上組み合わせてもかまわない。
ガスバリア性被膜層表面にかかる熱が200℃以上の高温であると、バリアはさらに向上し、また耐湿性、耐水性も向上する。200℃以上の加熱処理を行うことにより、液体内容物のアタックおよび高温環境下保存にもガスバリア性被膜層が劣化することなく高いバリア性および密着性を維持する事ができる。これは、高温処理により、ガスバリア性被膜層中に含まれる加水分解と金属アルコキシドの縮合が進むこと、水溶性高分子の脱水が十分に行われるためである。
200℃以上の高温加熱処理方法としては、一般的な熱風乾燥法、熱ロール乾燥法を用いることが出来る。また、ガスバリア性被膜表面を数千度の温度の炎で加熱処理するフレ
ーム処理法でも同様の効果がある。フィルム延伸時に液を塗工する延伸塗工法でも、延伸フィルムの熱固定温度が200℃以上であれば効果がある。
バッグインボックス内装用としての本発明の積層体としての構成は、フィルムを袋状にするためや外装となる紙容器との貼り合わせなどの理由により、前記バリアーフィルムがヒートシール性を有するフィルム(シーラントフィルム)に挟み込まれた構成となるが、積層体1枚では屈曲性や耐衝撃性の面でバッグインボックスとして性能不足になる。そこで物理的・機械的な強度を付与するために、屈曲性に富むポリアミドフィルム6などと貼り合わせた構成が必要になる。用いるポリアミドフィルムの厚みは特に限定されないが、包装材料としては10〜150μmが一般的である。貼り合せ面は、どちら側でも構わない。
本発明のバッグインボックス用積層体は、このポリアミドフィルムと貼り合わせたバリヤーフィルムを、シーラントフィルム7の2枚で挟み込む状態で貼り合せる。バッグインボックスのシーラントフィルムとしては、外装となる紙容器との接着や内袋としての接着を考慮し、一般的に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が用いられる。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
基材1として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。このPETフィルムの片面に、プラズマ処理器を用いてRIEによる前処理を施した。この時、電極には高周波電源を用い、アルゴン/酸素混合ガス雰囲気下とした。続いて、インラインで、RIEによる前処理層の上に、電子線加熱方式による真空蒸着装置によって、厚み15nmの酸化アルミニウムからなる透明蒸着薄膜層を積層した。蒸着の際には、酸素ガスを導入した。該透明蒸着薄膜層の成分をエネルギー分散型蛍光X線分析装置で分析したところ、AL/O=34.8であった。
次いで下記組成のうちでコーティング液(1)をグラビアコート法により塗布し、その後120℃ 2分間乾燥させ厚さ0.5μmのガスバリア性被膜層4を形成し、バリアフィルムaを得た。
以上のようにして得られたバリアフィルムaを、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)6とドライラミネートを行った。ラミネート面に制限は特にないが、今回の実験では、基材1の反対面に貼り合わせた。
その後、上記ラミネート済みシートを厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム7の2枚の間に挟み込むようにして、ドライラミネートを行い、積層体Aを得た。
ガスバリア性の被覆層を形成するコーティング液が下記組成のうちのコーティング液(2)であること以外は実施例1と同様にしてバリアフィルムbを得た。
以上のようにして得られたバリアフィルムbを、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)6と基材1の反対面にドライラミネートを行った。
その後、上記ラミネート済みシートを厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム7の2枚の間に挟み込むようにして、ドライラミネートを行い、積層体Bを得た。
ガスバリア性の被覆層を形成するコーティング液が下記組成のうちのコーティング液(3)であること以外は実施例1と同様にしてバリアフィルムcを得た。
以上のようにして得られたバリアフィルムcを、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)6と基材1の反対面にドライラミネートを行い、その後、上記ラミネート済みシートを厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム7の2枚の間に挟み込むようにして、ドライラミネートを行い、積層体Cを得た。
ガスバリア性の被覆層を形成するコーティング液が下記組成のうちのコーティング液(4)であること以外は実施例1と同様にしてバリアフィルムdを得た。
以上のようにして得られたバリアフィルムdを、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)6と基材1の反対面にドライラミネートを行い、その後、上記ラミネート済みシートを厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム7の2枚の間に挟み込むようにして、ドライラミネートを行い、積層体Dを得た。
<ガスバリア性被膜コーティング液成分の調整>
(A)テトラエトキシシラン(Si(OC254;以下TEOS)20gとメタノール10gに塩酸(0.1N)70gを加え、30分間攪拌し加水分解させた加水分解溶液。(B)ポリビニルアルコールの5%、水/メタノール=95/5水溶液。
(C)1,3,5−トリス(3−トリアルコキシシリルアルキル)イソシアヌレートを水/IPA=1/1溶液で調整した加水分解溶液。
(D):β−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシランのイソプロピルアルコール(IPA溶液)に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間攪拌し、加水分解させた後、水/IPA=1/1溶液で加水分解を行い調整した加水分解溶液。
(E)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのIPA溶液に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間攪拌し、加水分解させた後、水/IPA=1/1溶液で加水分解を行い調整した加水分解溶液。
(F):ビニルトリメトキシシランのIPA溶液に塩酸(1N)を徐々に加え、30分間攪拌し、加水分解させた後、水/IPA=1/1溶液で加水分解を行い調整した加水分解溶液。
<ガスバリア性コーティング液の調整>
(1)A液、B液、C液をA/B/C=70/20/10(重量%)の割合で混合し、ガスバリア性コーティング液(1)を得た。
(2)A液、B液、D液をA/B/D=70/20/10(重量%)の割合で混合し、ガスバリア性コーティング液(2)を得た。
(3)A液、B液、E液をA/B/E=70/20/10(重量%)の割合で混合し、ガスバリア性コーティング液(3)を得た。
(4)A液、B液、F液をA/B/F=70/20/10(重量%)の割合で混合し、ガスバリア性コーティング液(4)を得た。
実施例1のバリアフィルムにおいて、プラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による前処理の代わりに、下記のプライマー溶液をグラビアコートにより塗布乾燥し、厚さ0.1μmのプライマー層3を形成したこと以外は実施例1と同様にして、バリアフィルムeを得た。
以上のようにして得られたバリアフィルムeを、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)6と基材1の反対面にドライラミネートを行い、その後、上記ラミネート済みシートを厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム7の2枚の間に挟み込むようにして、ドライラミネートを行い、積層体Eを得た。
〈プライマー溶液の調整〉
希釈溶媒(酢酸エチル)中、γ−イソシアネートプロピルトリメチルシラン1重量部に
対し、アクリルポリオール10重量部を混合し攪拌した。ついでイソシアネート化合物としてXDIとIPDIを重量比で7対3に混合した物をアクリルポリオールの水酸基に対し、このイソシアネート化合物のイソシアネート基が等量となるように加えた。この混合溶液を添加化合物の濃度として2重量%となるように希釈したものをプライマー溶液として用いた。
以下に本発明の比較例を説明する。
<比較例1>
実施例1のバリアフィルムにおいて、基材のRIEによる前処理を行わなかったこと以外は、同様にして、バリアフィルムfを得た。以上のようにして得られたバリアフィルムfを、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)6と基材1の反対面にドライラミネートを行い、その後、上記ラミネート済みシートを厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム7の2枚の間に挟み込むようにして、ドライラミネートを行い、積層体Fを得た。
<比較例2>
実施例1のバリアフィルムにおいて、ガスバリア性被膜層を設けなかったこと以外は同様にして、バリアフィルムgを得た。以上のようにして得られたバリアフィルムgを、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)6と基材1の反対面にドライラミネートを行い、その後、上記ラミネート済みシートを厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム7の2枚の間に挟み込むようにして、ドライラミネートを行い、積層体Gを得た。
<比較例3>
実施例1のバリアフィルムにおいて、酸化アルミニウム蒸着薄膜層4の組成比をAL/O=25としたこと以外は同様にして、バリアフィルムhを得た。
以上のようにして得られたバリアフィルムhを、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)6と基材1の反対面にドライラミネートを行い、その後、上記ラミネート済みシートを厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム7の2枚の間に挟み込むようにして、ドライラミネートを行い、積層体Hを得た。
<比較例4>
実施例1のバリアフィルムにおいて、酸化アルミニウム蒸着薄膜層4の組成比をAL/O=55としたこと以外は同様にして、透明積層体iを得た。
以上のようにして得られたバリアフィルムiを、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)6と基材1の反対面にドライラミネートを行い、その後、上記ラミネート済みシートを厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム7の2枚の間に挟み込むようにして、ドライラミネートを行い、積層体Iを得た。
<比較例5>
実施例1のバリアフィルムにおいて、酸化アルミニウム蒸着薄膜層4の代わりに7μmのアルミニウム箔を用いたこと以外は同様にして、バリアフィルムjを得た。
以上のようにして得られたバリアフィルムjを、厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(ONy)6と基材1の反対面にドライラミネートを行い、その後、上記ラミネート済みシートを厚さ60μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム7の2枚の間に挟み込むようにして、ドライラミネートを行い、積層体Jを得た。
<実施例・比較例の評価>
〈評価1〉
本発明のバリアシートa〜jにて、酸素透過率(cm3/m2・day・atm)及び水蒸気透過率(g/m2・day)を測定した。測定結果を表1に示す。
〈評価2〉
実施例及び比較例の内容物適性評価として、積層体A〜Jにおいて、10cm四方のパウチを作り、内容物として水道水約20gを充填した。このパウチを温度40℃‐相対湿度20%及び温度60℃−相対湿度無制御の環境下に保存し、一定期間に換算した重量減少率を測定した。その状況により良否を判定した [(減少率少)◎ > ○ > △ > ×(減少率大)]。比較結果を表1に示す。
〈評価3〉
実施例及び比較例で得た積層体A〜Jの加工適性を比較するために、加工状況により良否を判定した [(加工易)◎ > ○ > △ > ×(加工難)]。比較結果を表1に示す。
〈評価4〉
実施例及び比較例で得た積層体A〜Jの環境適性を比較するために、その状況により良否を判定した [(適)◎ > ○ > △ > ×(不適)]。比較結果を表1に示す。
〈評価5〉
実施例及び比較例で得た積層体A〜Jの突き刺し耐性を比較するために、食品衛生法およびJASに定められた方法で突き刺し強度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2009137602
本発明の実施例1〜5の評価結果によれば、本発明による積層体は比較例1〜6に比べて、高度なガスバリア性を有しながらも水保存による内容物の経時での重量減少を抑え、なおかつ、バッグインボックスとして要求されるその他物性もバランス良く備えていることが確認出来た。
本発明のバッグインボックス用積層体のバリヤシート部分の断面説明図である。 本発明のバッグインボックス用積層体のバリヤシート部分の断面説明図である。 バッグインボックス用積層体を用いた、バッグインボックスのイメージ図である。
符号の説明
1…基材
2…RIEによる前処理層
3…プライマー層
4…無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層
5…ガスバリア性被膜層
6…ポリアミドフィルム
7…シーラントフィルム

Claims (10)

  1. 透明プラスチックフィルム基材の少なくとも片面に、前処理層、無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層、ガスバリア性被膜層を順次設けたバリアフィルムと、ポリアミド系フィルムを貼り合わせ、ポリオレフィン系フィルムで挟み込んだことを特徴とするバッグインボックス内装用積層体。
  2. 前記前処理層が、基材にプラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)による処理を施した層であることを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス内装用積層体。
  3. 前記前処理層が、ポリオール樹脂とイソシアネート化合物及びシランカップリング剤との複合物からなるプライマー層であることを特徴とする請求項1に記載のバッグインボックス内装用積層体。
  4. 前記シランカップリング剤が、ポリオール樹脂の水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基の少なくとも一方と反応する有機官能基を持つことを特徴とする請求項3に記載のバッグインボックス内装用積層体。
  5. 前記シランカップリング剤に含まれる有機官能基が、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基であることを特徴とする請求項4に記載のバッグインボックス内装用積層体。
  6. 前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物であり、その厚みが5〜300nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のバッグインボックス内装用積層体。
  7. 前記無機酸化物からなる透明蒸着薄膜層の酸化アルミニウムの成分比率(AL/O)がエネルギー分散型蛍光X線装置で分析して、30〜50であることを特徴とする請求項6に記載のバッグインボックス内装用積層体。
  8. 前記ガスバリア性被膜層が、Si(OR14およびR2Si(OR33(R1、R3はCH3,C25,C24OCH3等の加水分解性基、R2は有機官能基)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物と、水酸基を有する水溶性高分子を混合した溶液を塗布し加熱乾燥してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のバッグインボックス内装用積層体。
  9. 前記R2Si(OR33の有機官能基(R2)が、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、イソシアネート基のうちから選ばれる非水性官能基を有することを特徴とする請求項7に記載のバッグインボックス内装用積層体。
  10. 前記R2Si(OR33の有機官能基(R2)が、イソシアネート基が重合したイソシアヌレートであることを特徴とする請求項7に記載のバッグインボックス内装用積層体。
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