JP7376327B2 - 親水化処理剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、親水化処理剤組成物、及び固体表面の親水化方法に関する。
従来、固体表面に防汚性や脱汚性を付与する方法としては、撥水化処理と親水化処理の相異なる方法が知られている。
撥水化処理は、ガラス、金属、繊維等の固体表面に撥水性を持たせる表面処理を行い、水に含まれる汚れを付着させないようにする技術である。例えば、衣類を洗濯後、柔軟仕上げ剤で処理したり、スキーウェア等に撥水剤をスプレーして防水効果を持たせたり、自動車の塗装面をワックス掛けしたりすることが広く行われている。
しかしながら、撥水化処理では、表面を完全に撥水化させることは難しく、度重なる水との接触により、水に含まれる汚れが固体表面に蓄積するため、十分な防汚効果を発揮することが難しく、ついた汚れが落ちにくくなるという脱汚効果の低下も生じうる。
一方、固体表面の親水化処理、すなわち、固体表面の水に対する接触角を低下させ、固体表面を水に対して濡れ易くする処理をすると、当該処理後に固体表面に付着した汚れが洗浄時に落ち易くなったり、汚れの再汚染防止効果が期待できたりする他、ガラス・鏡等の防曇効果、帯電防止、熱交換器のアルミニウムフィンの着霜防止、浴槽及びトイレ表面等の防汚性、脱汚性等の付与が期待できる。
固体表面の親水化処理剤及び方法としては、いくつかの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、両性高分子電解質を含有する水性防汚組成物が開示されている。特許文献2には、界面活性剤及び特定のポリベタインを含有する洗浄用又は、すすぎ洗い用の組成物が開示されている。特許文献3には、特定のベタイン構造を有する重合性不飽和モノマーと特定の重合性不飽和モノマーとを共重合して得られるアクリル樹脂、親水性架橋重合体粒子及び架橋剤を含有する親水化処理剤組成物が開示されている。特許文献4には、両親媒性ブロックコポリマーを含む組成物を支持体に適用する段階を含み、両新媒性ブロックコポリマーが特定の構造の親水性ブロックとエチレン性不飽和疎水性モノマーから形成される疎水性ブロックを含有する疎水性支持体の湿潤性/親水性を改良する方法が開示されている。特許文献5には、疎水性不飽和単量体由来の繰返し単位を含む不飽和単量体由来の重合体セグメントA-1と、スルホベタイン基を有する不飽和単量体由来の繰返し単位を含む不飽和単量体由来の重合体セグメントA-2とを有し、重合体セグメントA-1の含有量が0.05質量%以上、75質量%以下であるブロック重合体A、からなる親水化処理剤が開示されている。特許文献6には、ベタイン基を有する特定の構成単位(A)及びカチオン基を有する特定の構成単位(B)を含む共重合体からなる表面処理剤が開示されている。
また、特許文献7には、ベタイン基を有する重合体セグメントA-1と、芳香族基を有する重合体セグメントA-2とを含む共重合体からなる親水化処理剤が開示されている。また、油性の汚れ物質が付着している場合には、界面活性剤を用いることにより、固体表面の親水化性能が向上することが述べられている。特許文献8は、ポリマーからなる免疫診断分析及びブロッティング分析に用いるために適した膜と、その調製方法及び使用方法とに関する。この文献では、好ましい親水性化合物として、単座(monodentate)スルホネート及び/又はα-オレフィンスルホネート界面活性剤が、最も好ましい界面活性剤として、StepanCo.によって調製されるBioterge AS-40が開示されている。特許文献9には、スルフォン酸塩を含む被覆用組成物が開示されている。スルフォン酸塩を選択的に用いる理由は得られる被膜中への浸透性、および湿潤性に優れているためであると記載されている。特許文献10には、(a)内部オレフィンスルホン酸のカリウム塩と(b)硬度が5°dH以上の水とを混合して得た洗浄液を硬質物品と接触させる接触工程と、接触工程後の硬質物品を硬度が5°dH以上の水ですすぐ工程とを有する硬質物品の洗浄方法であって、前記接触工程の少なくとも一部で、30℃以上の前記洗浄液を硬質物品と接触させる、硬質物品の洗浄方法が開示されている。
特開2001-181601号公報 特表2006-514150号公報 特開2012-25820号公報 特表2009-545642号公報 特開2015-105313号公報 特開2017-190381号公報 国際公開第2019/102823号 特表2001-504227号公報 国際公開第2002/102907号 国際公開第2019/013322号
本発明は、硬質表面などの種々の固体表面の親水性を向上する、優れた親水化能力を発揮する親水化処理剤組成物及び固体表面の親水化方法を提供する。
また、本発明は、固体表面の洗浄と親水化処理を行うことができる親水化洗浄剤組成物及びこれを用いた親水化洗浄方法に関する。
本発明は、(A)分岐型陰イオン界面活性剤、(B)多価金属イオン、及び水を含有する親水化処理剤組成物であって、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である、親水化処理剤組成物に関する。
本発明は、(A)分岐型陰イオン界面活性剤、(B)多価金属イオン、及び水を含有する親水化処理剤組成物であって、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.2以上10以下である、親水化処理剤組成物を含む。
また、本発明は、(A)分岐型陰イオン界面活性剤、(B)多価金属イオン、及び水を含有し、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である処理液を固体表面に接触させる、固体表面の親水化方法に関する。
本発明は、(A)分岐型陰イオン界面活性剤、(B)多価金属イオン、及び水を含有し、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.2以上10以下である処理液を固体表面に接触させる、固体表面の親水化方法を含む。
また、本発明は、(A1)内部オレフィンスルホン酸塩〔以下、(A1)成分という〕を含有する親水化洗浄剤組成物に関する。
また、本発明は、(A1)成分、(B)多価金属イオン、及び水を含有する親水化洗浄剤組成物であって、(A1)成分を0.03質量%以上含有する、親水化洗浄剤組成物に関する。
また、本発明は、以下の工程1を有する固体表面の親水化洗浄方法に関する。
<工程1>
(A1)内部オレフィンスルホン酸塩を0.03質量%以上含有する親水化洗浄液(I)と固体表面とを接触させる工程
また、本発明は、(A1)内部オレフィンスルホン酸塩及び水からなる親水化洗浄剤に関する。
また、本発明は、前記本発明の組成物の、固体表面を親水化するための使用に関する。
以下、(A)分岐型陰イオン界面活性剤を(A)成分、(B)多価金属イオンを(B)成分として説明する。
本発明によれば、固体表面に優れた親水性を付与できる親水化処理剤組成物、及び固体表面の親水化方法が提供される。
本発明によれば、固体表面の洗浄と親水化処理を行うことができる親水化洗浄剤組成物及びこれを用いた親水化洗浄方法が提供される。
試験例4の再汚染防止効果の評価におけるステンレスピースの状態を示す写真 試験例5の脱汚性の評価におけるステンレスピースの状態を示す写真 試験例6の防曇性の評価におけるワイングラスの状態を示す写真 試験例7の評価における試験ボードの状態を示す写真
〔親水化処理剤組成物〕
(A)成分は、分岐型陰イオン界面活性剤である。分岐型陰イオン界面活性剤は、疎水性部分である炭化水素基が分岐構造を有する陰イオン界面活性剤である。なお、本発明では、陰イオン性界面活性剤が、親水性部分である陰イオン基に結合した炭素原子が2級又は3級炭素原子である炭化水素基を有する場合も、分岐構造を有する陰イオン界面活性剤であるとしてよい。
(A)成分としては、炭素数10以上30以下の分岐鎖炭化水素基を有する陰イオン界面活性剤が挙げられる。
(A)成分としては、炭素数10以上30以下の分岐鎖炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基とを有する陰イオン界面活性剤が挙げられる。
(A)成分の分岐鎖炭化水素基の炭素数は、好ましくは10以上、より好ましくは16以上、更に好ましくは18以上、そして、好ましくは30以下、より好ましくは28以下、更に好ましくは24以下、より更に好ましくは22以下である。
(A)成分の分岐鎖炭化水素基としては、分岐鎖アルキル基、分岐鎖アルケニル基、分岐鎖アルキル基を有するアリール基が挙げられる。
(A)成分としては、下記一般式(A)で表される陰イオン界面活性剤が挙げられる。
Figure 0007376327000001
〔式中、R1a、R2aは、それぞれ独立して、置換基又は連結基を含んでいてもよい炭素数1以上28以下の炭化水素基を示す。Xは、SOM、COOM、OSOMから選ばれる基を示す。Yは単結合又はフェニレン基を示す。Mは、対イオンを示す。〕
式(A)中、R1a、R2aの炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。アルキル基又はアルケニル基が好ましい。
1a、R2aの炭化水素基は、水酸基などの置換基又はCOO基などの連結基を含んでいてもよい。
1aとR2aの炭素数の合計は、9以上29以下が好ましい。なお、置換基又は連結基の炭素数は、R1a、R2aの炭化水素基の炭素数には算入しない。
式(A)中、Xは、SOMが好ましい。
式(A)中、Mは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属(1/2原子)イオン、アンモニウムイオン又は有機アンモニウムイオンが挙げられる。Mは、アルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンがより好ましく、カリウムイオンが更に好ましい。
Yは単結合が好ましい。
(A)成分としては、内部オレフィンスルホン酸塩(IOS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、第二級アルカンスルホン酸塩(SAS)及びジアルキルスルホコハク酸塩(DASS)から選ばれる1種以上の分岐型陰イオン界面活性剤が挙げられる。
(A)成分は、固体表面、例えば硬質表面の親水性向上の観点で、IOSが好ましい。IOSの炭素数は、16以上、更に18以上、そして、24以下、更に22以下が好ましい。この炭素数は酸型化合物換算の炭素数である。IOSの塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属(1/2原子)塩、アンモニウム塩又は有機アンモニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、カルシウム塩、マグネシウム塩が挙げられる。有機アンモニウム塩としては、炭素数2以上6以下のアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。IOSの塩は、アルカリ金属塩が好ましく、カリウム塩がより好ましい。
本発明のIOSは、二重結合がオレフィン鎖の内部(2位以上の位置)にある内部オレフィンをスルホン化、中和、及び加水分解すること等によって得ることができる。内部オレフィンをスルホン化すると、定量的にβ-サルトンが生成し、β-サルトンの一部は、γ-サルトン、オレフィンスルホン酸へと変化し、更にこれらは中和・加水分解工程においてヒドロキシアルカンスルホン酸塩(H体)と、オレフィンスルホン酸塩(O体)へと転換する(例えば、J. Am. Oil Chem. Soc. 69, 39(1992))。IOSは、これらの混合物であり、主に、スルホン酸基が炭素鎖(H体におけるヒドロキシアルカン鎖、又はO体におけるオレフィン鎖)の内部(2位以上の位置)に存在するスルホン酸塩である。IOSの炭素鎖におけるスルホン酸基の置換位置分布は、ガスクロマトグラフィー、核磁気共鳴スペクトル等の方法により定量できる。
IOS中、スルホン酸基が前記炭素鎖の2位に存在するIOSの割合は、モル基準又は質量基準で、本発明の組成物の洗浄性能及び硬質表面の親水性向上の観点から、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、そして、好ましくは45%以下、より好ましくは30%以下である。
IOS中、スルホン酸基が前記炭素鎖の1位に存在するIOSの割合は、モル基準又は質量基準で、本発明の組成物の洗浄性能及び硬質表面の親水性向上の観点から、好ましくは0.2%以上、より好ましくは0.5%以上、更に好ましくは1.0%以上であり、そして、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下、より更に好ましくは3%以下である。
IOSの前記炭素鎖における炭素数は、本発明の組成物の洗浄性能及び硬質表面の親水性向上の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは16以上、更に好ましくは18以上、そして、好ましくは30以下、より好ましくは28以下、更に好ましくは24以下、より更に好ましくは22以下である。すなわち、本発明の親水化処理剤組成物は、(A)成分として、炭素数18以上22以下のIOSを含有することがより好ましい。
IOS中、炭素数16以上24以下のIOSの割合は、本発明の組成物の洗浄性能及び硬質表面の親水性向上の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは97質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってもよい。
IOSは、H体とO体とのモル比(H体/O体)が、本発明の組成物の洗浄性能及び硬質表面の親水性向上の観点から、好ましくは50/50超、より好ましくは70/30超であり、そして、好ましくは95/5以下、より好ましくは90/10以下である。
本発明の親水化処理剤組成物は、(A)成分を、本発明の組成物の洗浄性能及び硬質表面の親水性向上の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下含有する。なお、(A)成分の質量%は、陰イオン基が未中和の化合物、すなわち酸型化合物に換算した量に基づくものとする(以下同様)。
(B)成分は、多価金属イオンである。多価金属イオンは、二価以上三価以下の金属イオンが挙げられ、二価金属イオンが好ましい。
(B)成分は、(A)成分との共存下での固体表面の親水性向上の観点で、2族元素のイオンが好ましく、カルシウム(Ca)イオン及びマグネシウム(Mg)イオンから選ばれる1種以上がより好ましい。(B)成分は、Caイオンを含むことが好ましい。(B)成分は、CaイオンとMgイオンとを含むことがより好ましい。(B)成分が、CaイオンとMgイオンとを含む場合、Caイオン/Mgイオンのモル比は、好ましくは5/5以上、より好ましくは7/3以上、そして、好ましくは9/1以下である。
本発明は、(A)分岐型陰イオン界面活性剤〔(A)成分〕、(B1)Caイオン及びMgイオンから選ばれる1種以上のイオン〔以下、(B1)成分という〕、並びに水を含有する親水化処理剤組成物であって、(A)成分と(B1)成分のモル比が、(B1)/(A)で0.01以上10以下である、親水化処理剤組成物を含む。本明細書の記載は(B)成分を(B1)成分に置き換えて、全てこの親水化処理剤組成物にも適用できる。
本発明は、(A1)成分のIOS〔以下、(A1)成分という〕、(B1)Caイオン及びMgイオンから選ばれる1種以上のイオン〔以下、(B1)成分という〕、並びに水を含有する親水化処理剤組成物であって、(A1)成分と(B1)成分のモル比が、(B1)/(A1)で0.01以上10以下である、親水化処理剤組成物を含む。
本明細書の記載は、(A)成分を(A1)成分に置き換えて、また、(B)成分を(B1)成分に置き換えて、全てこれらの親水化処理剤組成物にも適用できる。
(B)成分は、例えば、水溶性の多価金属塩を配合成分として用いることで本発明の親水化処理剤組成物に取り込まれたものであってもよい。また、組成物の原料として、(B)成分に相当する硬度成分を含む水を用いることで本発明の親水化処理剤組成物に取り込まれたものであってもよい。
本発明の親水化処理剤組成物は、固体表面の親水性向上の観点で、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上、そして、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。なお、(B)/(A)のモル比において、(A)成分のモル数は、陰イオン基が未中和の化合物、すなわち酸型化合物に換算した量に基づくものとする。
本発明の親水化処理剤組成物は、(A)成分、(B)成分の他に、任意の成分として、(A)成分以外の陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、溶剤、油剤等を含有することができる。前記溶剤としては、ブチルジグリコール、ジプロピレングリコール、エタノール等が挙げられる。前記油剤としては、フェニルグリコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
本発明の親水化処理剤組成物は水を含有する。水は、通常、組成物の残部であり、全体を100質量%とするような量で含有される。本発明の親水化処理剤組成物は、液体組成物であることが好ましい。
本発明の親水化処理剤組成物の20℃におけるpHは、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上、そして、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは9以下である。
本発明の親水化処理剤組成物の20℃における粘度は、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは2mPa・s以上、そして、好ましくは10000mPa・s以下、より好ましくは5000mPa・s以下である。この粘度は、B型粘度計(東機産業社製、TVB-10M)を用いて、粘度に応じたローターおよび回転数で測定できる。粘度が低く、B型粘度計で測定が不可能な組成物については、レオメータ(アントンパール社製、Physica MCR301)を用いて、粘度に応じたコーンプレートで測定できる。
本発明の親水化処理剤組成物は、硬質表面、布表面、皮膚表面、毛髪表面などの種々の固体表面を対象とすることができる。本発明の親水化処理剤組成物は、硬質表面用であることが好ましい。硬質表面としては、プラスチック、セラミックス、金属、木、ガラス、ゴム、炭素材料などの材質からなる硬質表面が挙げられる。硬質表面は、硬質物品の表面、例えば、前記材質からなる硬質物品の表面であってよい。プラスチックとしては、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、メラミン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS、FRP(繊維強化プラスチック)などが挙げられる。金属としては、ステンレス等の合金、アルミニウム、自動車用鉄鋼等の鉄などが挙げられる。ゴムとしては天然ゴム、ジエン系合成ゴムなどが挙げられる。木としては、フローリング等に使用される木材などが挙げられる。フローリング等に使用される木材は、表面処理されたものであってよい。布は、織布、不織布いずれでもよく、本発明の効果の観点から、織布が好ましい。布は、合成繊維製が好ましい。布は、疎水性繊維製が好ましい。一例として、布は、繊維製品の製造材料となる。
本発明の親水化処理剤組成物及び本発明の親水化方法により親水化された固体表面は、防曇性、防汚性、脱汚性、吸水性などが向上したものであってよい。
本発明の親水化処理剤組成物は、防曇剤組成物であってよい。すなわち、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有する防曇剤組成物であって、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である、防曇剤組成物を提供する。
本発明の親水化処理剤組成物は、防汚処理剤組成物であってよい。すなわち、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有する防汚処理剤組成物であって、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である、防汚処理剤組成物を提供する。
本発明の親水化処理剤組成物は、脱汚処理剤組成物であってよい。すなわち、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有する脱汚処理剤組成物であって、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である、脱汚処理剤組成物を提供する。
本発明の親水化処理剤組成物は、吸水性付与剤組成物であってよい。すなわち、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有する吸水性付与剤組成物であって、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である、吸水性付与剤組成物を提供する。
本発明の親水化処理剤組成物は、親水化洗浄剤組成物であってよい。
すなわち、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有する親水化洗浄剤組成物であって、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である、親水化洗浄剤組成物を提供する。
また、本発明は、(A)成分、(B1)成分、並びに水を含有する親水化洗浄剤組成物であって、(A)成分と(B1)成分のモル比が、(B1)/(A)で0.01以上10以下である、親水化洗浄剤組成物を提供する。
また、本発明は、(A1)成分、(B1)成分、並びに水を含有する親水化洗浄剤組成物であって、(A1)成分と(B1)成分のモル比が、(B1)/(A1)で0.01以上10以下である、親水化洗浄剤組成物を提供する。
これらの組成物には、本発明の親水化処理剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。また、これらの組成物における好ましい態様、例えば(A)成分、(B)成分及びこれらの含有量なども、本発明の親水化処理剤組成物と同じである。
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、水とを、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下となるように混合する、親水化処理剤組成物の製造方法を提供する。
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、水とを、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下となるように混合する、親水化洗浄剤組成物の製造方法を提供する。
本発明は、(A)成分及び水を含有する組成物と、(B)成分及び水を含有する組成物とを、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下となるように混合する、親水化処理剤組成物の製造方法を提供する。
本発明は、(A)成分及び水を含有する組成物と、(B)成分及び水を含有する組成物とを、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下となるように混合する、親水化洗浄剤組成物の製造方法を提供する。
本発明は、(A)成分を含有する組成物と、(B)成分を含み硬度が4°dH以上100°dH以下の水とを、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下となるように混合する、親水化処理剤組成物の製造方法を提供する。
なお、本明細書における硬度(°dH)とは、水又は組成物中におけるカルシウム及びマグネシウムの濃度を、CaCO換算濃度で1mg/L(ppm)=0.056°dH(1°dH=17.8ppm)で表したものを指す。
この硬度のためのカルシウム及びマグネシウムの濃度は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を使用したキレート滴定法で求められる。
本明細書における水の硬度の具体的な測定方法を下記に示す。
<水の硬度の測定方法>
〔試薬〕
・0.01mol/l EDTA・2Na溶液:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの0.01mol/l水溶液(滴定用溶液、0.01 M EDTA-Na2、シグマアルドリッチ(SIGMA-ALDRICH)社製)
・Universal BT指示薬(製品名:Universal BT、(株)同仁化学研究所製)
・硬度測定用アンモニア緩衝液(塩化アンモニウム67.5gを28w/v%アンモニア水570mlに溶解し、脱イオン水で全量を1000mlとした溶液)
〔硬度の測定〕
(1)試料となる水20mlをホールピペットでコニカルビーカーに採取する。
(2)硬度測定用アンモニア緩衝液2ml添加する。
(3)Universal BT指示薬を0.5ml添加する。添加後の溶液が赤紫色であることを確認する。
(4)コニカルビーカーをよく振り混ぜながら、ビュレットから0.01mol/l EDTA・2Na溶液を滴下し、試料となる水が青色に変色した時点を滴定の終点とする。
(5)全硬度は下記の算出式で求める。
硬度(°dH)=T×0.01×F×56.0774×100/A
T:0.01mol/l EDTA・2Na溶液の滴定量(mL)
A:サンプル容量(20mL、試料となる水の容量)
F:0.01mol/l EDTA・2Na溶液のファクター
本発明は、(A)成分を含有する組成物と、(B)成分を含み硬度が4°dH以上100°dH以下の水とを、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下となるように混合する、親水化洗浄剤組成物の製造方法を提供する。
これらの製造方法は、本発明の親水化処理剤組成物の製造方法として好適である。
これらの製造方法には、本発明の親水化処理剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有する組成物であって、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である組成物の、親水化処理剤としての使用を含む。また、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有する組成物であって、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である組成物の、固体表面の親水化への使用を含む。これらの使用には、本発明の親水化処理剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。例えば、これらの使用における(A)成分、(B)成分の具体例や組成物中の含有量などの好ましい態様は、本発明の親水化処理剤組成物と同じである。
〔固体表面の親水化方法〕
本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有し、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である処理液(以下、本発明の処理液という場合もある)を固体表面に接触させる、固体表面の親水化方法を提供する。(A)成分、(B)成分、固体表面は、本発明の親水化処理剤組成物で述べたものと同じである。本発明の固体表面の親水化方法には、本発明の親水化処理剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。例えば、本発明の固体表面の親水化方法における(A)成分、(B)成分の具体例や処理液中の含有量などの好ましい態様は、本発明の親水化処理剤組成物(ただし必要に応じて親水化処理剤組成物を処理液と置き換える)と同じである。
本発明の処理液は、本発明の親水化処理剤組成物であってもよく、また、本発明の親水化処理剤組成物と水とを混合して得られたものであってよい。
本発明の固体表面の親水化方法は、固体表面が、硬質物品の固体表面であることが好ましい。
本発明は、(A)成分と(B)成分が所定のモル比で共存して硬質表面などの固体表面に適用されると、当該固体表面に優れた親水性を付与できることを見出したものである。
また、本発明は、(A)成分と(B)成分が所定のモル比で共存して硬質表面などの固体表面に適用されると、当該固体表面を洗浄するとともに優れた親水性を付与できることを見出したものである。
本発明では、固体表面を処理する工程のいずれかで(A)成分と(B)成分とが所定のモル比で共存して固体表面に適用される状況が生じればよい。例えば、(A)成分、(B)成分、及び水を含有し、(B)/(A)のモル比が1未満である組成物を固体表面に接触させた後、(A)成分が固体表面に残存した状態又は(A)成分を含む前記組成物が固体表面と接触した状態で、(B)成分を含む水を、(B)/(A)が0.01以上10以下となるように供給して本発明の処理液(以下、親水化処理液ともいう。)を形成させて、該処理液を固体表面に接触させてもよい。
本発明の親水化処理液は水を含む液体組成物であり、取扱いの安定性の観点から、水溶液又は水分散液であることが好ましい。
固体表面に接触させる本発明の親水化処理液は、本発明の(A)成分を、固体表面の親水性向上の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下含有する。本発明の親水化処理剤組成物が(A)成分をこの範囲で含有する場合、そのまま本発明の処理液として用いることができる。
本発明の親水化方法では、本発明の親水化処理液を、固体表面に、固体表面の親水性向上の観点から、好ましくは0.1秒以上、より好ましくは0.5秒以上、更に好ましくは1秒以上、更に好ましくは10秒以上、より更に好ましくは60秒以上、そして、生産性向上の観点から、好ましくは90分以下、より好ましくは60分以下、更に好ましくは30分以下、接触させる。
固体表面に接触させる本発明の親水化処理液の温度は、固体表面の親水性向上の観点、処理方法の容易性の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、より好ましくは15℃以上であり、そして、好ましくは95℃以下、より好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下である。また、環境負荷の低減の観点から、当該温度は、更に好ましくは50℃以下、より更に好ましくは40℃以下、より更に好ましくは35℃以下、より更に好ましくは30℃以下である。
また、本発明の親水化方法では、本発明の処理液を固体表面に接触させた後、0℃以上80℃以下で、10秒以上30分以下、放置してもよい。
本発明の親水化方法は、本発明の親水化処理液を、固体表面に接触させた後、該固体表面を水ですすぐことができる。本発明の親水化処理液を用いると、処理後の固体表面をすすいでも親水化効果が維持される。そのため、すすぎを行うことが望ましい対象物では、より有利な効果がもたらされる。すすいだ後は、固体表面を乾燥させることができる。すすぎには、本発明の親水化処理液を調製する際に用いた水と同程度の硬度の水を用いるのが好ましい。例えば、すすぎには、硬度が4°dH以上100°dH以下の水を用いることができる。
固体表面と本発明の親水化処理液の接触方法は、特に限定されない。例えば、次の(i)~(iii)の方法等が挙げられる。
(i)本発明の親水化処理液に固体を浸漬させる方法
(ii)本発明の親水化処理液を固体表面に噴霧又は塗布する方法
(iii)本発明の親水化処理液で常法に従い固体表面を洗浄する方法
前記(i)の方法において、浸漬する時間は、固体表面の親水性向上の観点から、好ましくは0.5分以上、より好ましくは1分以上、更に好ましくは2分以上、更に好ましくは4分以上、更に好ましくは8分以上、更に好ましくは20分以上であり、そして、生産性向上の観点から、好ましくは60分以下、より好ましくは50分以下である。
前記(ii)の方法において、本発明の親水化処理液を固体表面に噴霧又は塗布する方法は、固体表面の広さ(面積)等に応じて適宜選択できる。本発明の親水化処理液を固体表面にスプレー等で噴霧した後、乾燥する方法が好ましい。必要に応じて、噴霧した後、水ですすいでもよい。また、噴霧した後、スポンジ等を用いて薄く塗りのばしてもよい。
固体表面に噴霧又は塗布する本発明の親水化処理液の量は、例えば、本発明の(A)成分の含有量が0.1質量%の本発明の親水化処理液の場合、好ましくは10cmあたり0.01mL以上1mL以下である。
前記(iii)の方法において、本発明の親水化処理液は、本発明の(A)成分及び(B)成分を含有する洗浄剤組成物の形態で使用し、固体表面と接触させることが好ましい。かかる洗浄剤組成物の形態とする場合、取扱いの安全性、及び固体表面の損傷防止の観点から、そのpHは4以上が好ましく、そして、10以下が好ましく、8以下がより好ましい。
前記洗浄剤組成物は、任意に他の界面活性剤などを含有することができる。
前記(iii)にあるように、本発明により、固体表面の洗浄を行うこともできる。本発明の固体表面の親水化方法は、固体表面の親水化洗浄方法であってよい。すなわち、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有し、前記本発明の処理液を固体表面に接触させる、固体表面の親水化洗浄方法を提供する。
本発明の固体表面の親水化方法は、例えば、
(A)成分を含有する組成物と、(B)成分を含有する組成物と、水とを、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下となるように混合して処理液を調製すること、並びに
前記処理液を固体表面に接触させること
を含むものであってよい。処理液の調製に用いる水は、(A)成分を含有する組成物及び/又は(B)成分を含有する組成物に含有されていてもよい。好ましくは、(A)成分及び水を含有する組成物と、(B)成分及び水を含有する組成物とを混合して処理液を調製する。また、この方法は、任意に、前記処理液を接触させた前記固体表面を水ですすぐことを含んでいてもよい。
本発明の固体表面の親水化方法は、固体表面に防曇性を付与するものであってよい。すなわち、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有し、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である処理液を固体表面に接触させる、固体表面の防曇処理方法を提供する。
本発明の固体表面の親水化方法は、固体表面に防汚性を付与するものであってよい。すなわち、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有し、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である処理液を固体表面に接触させる、固体表面の防汚処理方法を提供する。
本発明の固体表面の親水化方法は、固体表面に脱汚性を付与するものであってよい。すなわち、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有し、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である処理液を固体表面に接触させる、固体表面の脱汚処理方法を提供する。
本発明の固体表面の親水化方法は、固体表面に吸水性を付与するものであってよい。すなわち、本発明は、(A)成分、(B)成分、及び水を含有し、(A)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である処理液を固体表面に接触させる、固体表面への吸水性付与方法を提供する。
これらの方法には、本発明の親水化処理剤組成物及び固体表面の親水化方法で述べた事項を適宜適用することができる。また、これらの組成物における好ましい態様、例えば(A)成分、(B)成分及びこれらの含有量並びに処理液の好ましい態様なども、本発明の親水化処理剤組成物及び固体表面の親水化方法と同じである。
〔親水化洗浄剤組成物〕
本発明の親水化洗浄剤組成物は、(A1)成分の内部オレフィンスルホン酸塩を含有する。ここで、親水化洗浄剤組成物とは、対象物、例えば固体表面の洗浄と親水化の両方を行う組成物であってよい。(A1)成分の内部オレフィンスルホン酸塩は、本発明の親水化処理剤組成物で記述したIOSであってよく、具体例や好ましい態様も同じであってよい。本発明の親水化洗浄剤組成物は、一剤で固体表面の洗浄と親水化を行うことができる。
本発明の親水化洗浄剤組成物は、洗浄性能の向上の観点から、(A1)成分を、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、より更に好ましくは0.4質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは0.8質量%以下含有する。なお、(A1)成分の質量%は、陰イオン基が未中和の化合物、すなわち酸型化合物に換算した量に基づくものとする(以下同様)。
本発明の親水化洗浄剤組成物は、使用の際は、洗浄性能の向上の観点から、(A1)成分を、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.2質量%以上、より更に好ましくは0.4質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは0.8質量%以下、含有する親水化洗浄液で用いられる。
本発明の親水化洗浄剤組成物の使用の際の(A1)成分の好適な含有量は、固体表面の親水性向上の観点からは、親水化処理剤組成物の(A)成分の含有量の好適な含有量と同様である。
本発明の親水化洗浄剤組成物は、(B)成分と共に用いられるものであってよい。
本発明の親水化洗浄剤組成物は、洗浄性能の向上の観点から、(B)成分に相当する硬度成分を含む水と混合して用いられることが好ましい。
本発明の親水化洗浄剤組成物は、(A1)成分と(B)成分とを配合してなるものであってよい。
本発明の親水化洗浄剤組成物として、(A1)成分、(B)成分、及び水を含有する親水化洗浄剤組成物であって、(A1)成分を0.03質量%以上含有する、親水化洗浄剤組成物が挙げられる。
本発明の親水化洗浄剤組成物は、固体表面の親水性向上の観点から、好適な態様は、前記親水化処理剤組成物と同様である。
本発明の親水化洗浄剤組成物は、洗浄性能の向上の観点から、(A1)成分と(B)成分のモル比が、(B)/(A1)で、好ましくは1.7以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.3以下である。
また、本発明の親水化洗浄剤組成物は、固体表面の親水性向上の観点から、(A1)成分と(B)成分のモル比(B)/(A1)の好適範囲は、前記親水化処理剤の(A)成分と(B)成分のモル比(B)/(A)の好適範囲と同様である。
本発明の親水化洗浄剤組成物は、前記親水化処理剤と同様の任意成分を含有することができる。
本発明の親水化洗浄剤組成物は、好ましくは水を含有する。水は、通常、組成物の残部であり、全体を100質量%とするような量で含有される。本発明の親水化洗浄剤組成物は、液体組成物であることが好ましい。
本発明の親水化洗浄剤組成物は、(A1)内部オレフィンスルホン酸塩及び水からなる親水化洗浄剤であってもよい。
本発明の親水化洗浄剤組成物の20℃におけるpH及び粘度の好適範囲は、前記親水化処理剤の20℃におけるpH及び粘度の好適範囲と同様である。
本発明の親水化洗浄剤組成物が対象とする固体表面は、本発明の親水化処理剤組成物で記述したものと同じであってよい。
本発明は、(A1)成分を含有する組成物、更に(A1)成分、(B)成分を含有する組成物の、親水化洗浄剤組成物としての使用を含む。前記組成物は、水を含有することが好ましい。これらの使用には、本発明の親水化洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。例えば、これらの使用における(A1)成分、(B)成分の具体例や組成物中の含有量などの好ましい態様は、本発明の親水化洗浄剤組成物と同じである。
〔固体表面の親水化洗浄方法〕
本発明は、以下の工程1を有する固体表面の親水化洗浄方法に関する。
<工程1>
(A1)内部オレフィンスルホン酸塩を0.03質量%以上含有する親水化洗浄液(I)と固体表面とを接触させる工程
前記工程1は、固体表面を洗浄する工程であってよい。
(A1)成分、固体表面は、本発明の親水化洗浄剤組成物で述べたものと同じである。本発明の固体表面の親水化洗浄方法には、本発明の親水化洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。例えば、本発明の固体表面の親水化洗浄方法における(A1)成分の具体例や親水化洗浄液中の含有量などの好ましい態様は、本発明の親水化洗浄剤組成物(ただし必要に応じて親水化洗浄剤組成物を親水化洗浄液と置き換える)と同じである。
本発明で用いる親水化洗浄液(I)は、本発明の親水化洗浄剤組成物であってもよく、また、本発明の親水化洗浄剤組成物と水とを混合して得られたものであってよい。
本発明の固体表面の親水化洗浄方法は、固体表面が、硬質物品の固体表面であることが好ましい。
親水化洗浄液(I)は水を含む液体組成物であり、取扱いの安定性の観点から、水溶液又は水分散液であることが好ましい。
固体表面に接触させる親水化洗浄液(I)は、洗浄性能の向上の観点から、(A1)成分を、0.03質量%以上含有する。親水化洗浄液(I)は、(A1)成分を、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上、より更に好ましくは0.4質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.8質量%以下含有する。
固体表面に接触させる親水化洗浄液(I)の(A1)成分の含有量の好適な範囲は、固体表面の親水性向上の観点から、固体表面に接触させる前記親水化処理液の(A)成分の含有量の好適な範囲と同様である。
本発明の親水化洗浄剤組成物が(A1)成分を前記の範囲で含有する場合、そのまま親水化洗浄液(I)として用いることができる。
工程1での親水化洗浄液(I)と固体表面とを接触させる時間は、前記親水化洗浄液の洗浄性能の発現の観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上であり、更に好ましくは3分以上であり、同様の観点から、好ましくは10分以下、より好ましくは8分以下、更に好ましくは7分以下である。
工程1での固体表面に接触させる親水化洗浄液(I)の温度の好適な範囲は、前記親水化処理方法における親水化処理剤の温度の好適な範囲と同様である。
本発明の親水化洗浄方法は、工程1で親水化洗浄液(I)を固体表面に接触させた後、該固体表面を水ですすぐことができる。すなわち、本発明の親水化洗浄方法は、前記工程1の後、水で固体表面をすすぐ工程を有することができる。すすぎには、親水化洗浄液(I)を調製する際に用いた水と同程度の硬度の水を用いるのが好ましい。例えば、すすぎには、硬度が4°dH以上100°dH以下の水を用いることができる。
固体表面と親水化洗浄液(I)の接触方法は、特に限定されない。例えば、次の(i)~(ii)の方法等が挙げられる。
(i-1)親水化洗浄液(I)に固体を浸漬させる方法、任意に(i-2)さらに(i-1)の後に機械力などの外力を用いて固体を洗浄する方法
(ii)親水化洗浄液(I)を固体表面に噴霧又は塗布する方法
前記(i-1)の方法において、浸漬する時間の好適範囲は、親水化洗浄液(I)の親水化性能及び洗浄性能を高める観点、並びに生産性向上の観点から、固体表面と親水化処理液の接触方法の場合と同様である。
前記(i-2)の方法において、親水化洗浄液(I)は、本発明の(A1)成分及び(B)成分を含有する洗浄剤組成物の形態で使用し、固体表面と接触させることが好ましい。かかる洗浄剤組成物の形態のpHの好適範囲は、前記親水化処理液を洗浄剤組成物の形態とする場合と同様である。前記洗浄剤組成物は、任意に他の界面活性剤などを含有することができる。外力による固体の洗浄は、洗浄機による洗浄、スポンジなどを用いた擦り洗いなどにより行うことができる。
前記(ii)の方法において、親水化洗浄液(I)を固体表面に噴霧又は塗布する方法は、前記親水化処理液を固体表面に噴霧又は塗布する方法と同様である。
親水化洗浄液(I)は、親水化洗浄液(I)の硬度及び固体表面の材質により、(A1)成分の含有量を調整してもよい。
例えば、親水化洗浄液(I)の硬度が10°dH以上30°dH以下であり、固体表面の材質がプラスチック、なかでもポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン又はガラスである場合、洗浄性向上の観点から、親水化洗浄液(I)は、(A1)成分を、0.03質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下含有する。
また、例えば、親水化洗浄液(I)の硬度が2°dH以上10°dH未満であり、固体表面の材質がプラスチック、なかでもポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン又はガラスである場合、洗浄性向上の観点から、親水化洗浄液(I)は、(A1)成分を、0.03質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下含有する。
本発明の親水化洗浄方法は、前記工程1の後に、以下の工程2を有することが好ましい。
<工程2>
(A1)内部オレフィンスルホン酸塩〔以下、(A1)成分という〕と(B)多価金属イオン〔以下、(B)成分という〕とを含有し、(A1)成分の含有量が0.03質量%以上である親水化洗浄液(II)と固体表面とを接触させる工程
親水化洗浄液(II)においても、(A1)成分、(B)成分、固体表面は、本発明の親水化洗浄剤組成物で述べたものと同じである。親水化洗浄液(II)にも、本発明の親水化洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。本発明で用いる親水化洗浄液(II)は、本発明の親水化洗浄剤組成物であってもよく、また、本発明の親水化洗浄剤組成物と水とを混合して得られたものであってよい。本発明の親水化洗浄方法では、(B)成分は、二価金属イオンが好ましい。
(A1)成分は(B)成分との共存下で、より優れた親水化効果が発現することが見出された。そのため、本発明では、工程1に加え、工程2を行うことが、洗浄と親水化の両方により優れた効果を得るために好ましい。例えば、(A1)成分を含む親水化処理剤で固体表面を洗浄した後、(A1)成分が存在した状態で(B)成分が供給されると、洗浄後の当該固体表面により優れた親水性を付与できる。
本発明は、所定の濃度で(A1)成分及び硬度成分を含有する親水化洗浄液で固体表面を洗浄すること、その後、前記固体表面と接触している親水化洗浄液に硬度成分を含む水を供給して固体表面での(A1)成分に対する硬度成分の相対量を上昇させて固体表面を親水化すること、を含む方法であってよい。
前記工程2は、固体表面を親水化する工程であってよい。
工程2の親水化洗浄液(II)中の(A1)成分の含有量が、工程1の親水化洗浄液(I)中の成分(A1)成分の含有量より少ない場合、前記工程2は、固体表面で親水化洗浄液(I)を希釈して該親水化洗浄液(I)中の(A1)成分の含有量を低減するとともに、硬質表面に(A1)成分と(B)成分を共存させる工程であってよい。
親水化洗浄液(II)は、(A1)成分の含有量が0.03質量%以上である。親水化洗浄液(II)は、固体表面の親水性向上の観点から、(A1)成分の含有量が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、そして、好ましくは工程1の親水化洗浄液中の(A1)成分の含有量以下又は工程1の親水化洗浄液中の(A1)成分の含有量未満である。
また、親水化洗浄液(II)中の(A1)成分の含有量は、固体表面の親水性向上の観点から、好ましくは工程1の親水化洗浄液中の(A1)成分の含有量の90質量%以下、好ましくは工程1の親水化洗浄液中の(A1)成分の含有量の70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
(A1)成分は、固体表面の親水性向上の観点から、洗浄を行う濃度よりも少し低い濃度で固体表面に適用することが好ましい。
工程2では、工程1の終了後、親水化洗浄液(I)が固体表面に接触した状態で、(B)多価金属イオンを含む水を供給して、親水化洗浄液(I)を希釈することで、工程2の親水化洗浄液(II)を形成させて固体表面に接触させることができる。
例えば、工程2は、工程1の後に、親水化洗浄液中の(A1)成分の含有量が0.03質量%以上となる量で、工程1で用いた親水化洗浄液(I)に(B)成分を含有する水を供給する工程であってよい。工程1の後に、(A1)成分の含有量がこの範囲となる状態が形成できれば、その後は、(A1)成分の含有量が前記範囲の量を外れる状態となってもよい。例えば、工程2は、工程1の後に、(B)成分を含有する水を固体表面に供給して(A1)成分の含有量が前記範囲となる状態を形成した後、(B)成分を含有する水の供給を継続する工程であってよい。ただし、(A)成分の含有量が前記範囲外となった場合は工程2からは除外される。
親水化洗浄液(II)は、親水化洗浄液(II)の硬度及び固体表面の材質により、(A1)成分の含有量を調整してもよい。
例えば、親水化洗浄液(II)の硬度が10°dH以上30°dH以下であり、固体表面の材質がプラスチック、なかでもポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンである場合、すすぎをしない場合の固体表面の親水性向上の観点から、親水化洗浄液(II)は、(A1)成分を、0.03質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上含有する。
また、例えば、親水化洗浄液(II)の硬度が10°dH以上30°dH以下であり、固体表面の材質がプラスチック、なかでもポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンである場合、すすぎをする場合の固体表面の親水性向上の観点から、親水化洗浄液(II)は、(A1)成分を、0.03質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1質量%以下含有する。
工程2での親水化洗浄液(II)を固体表面と接触させる時間は、前記親水化洗浄液の洗浄性能の発現の観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上であり、同様の観点から、好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下である。
工程2での親水化洗浄液(II)を固体表面と接触させる時間の好適範囲は、固体表面の親水性向上の観点から、前記親水化方法での親水化処理液を固体表面に接触させる時間の好適範囲と同様である。
工程2での固体表面に接触させる親水化洗浄液(II)の温度の好適範囲は、前記親水化方法での、固体表面に接触させる親水化処理液の温度の好適範囲と同様である。
本発明の親水化洗浄方法が工程2を有する場合、前記工程1及び/又は工程2の後、水で固体表面をすすぐ工程(以下、すすぎ工程という)を有することができる。例えば、本発明の親水化洗浄方法は、前記工程1の後にすすぎ工程を有し、前記工程2の後にすすぎ工程を有さないものであってよい。
[製造例1-1](C18IOS-Kの製造)
攪拌装置付きフラスコに、1-オクタデカノール(花王社製、カルコール 8098)7000gと、触媒としてγ-アルミナ(Strem Chemicals Inc.社製)700gとを仕込み、攪拌下、280℃にて、系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら反応を行い、粗内部オレフィンを得た。前記粗内部オレフィンを、148-158℃、0.5mmHgで蒸留することで、オレフィン純度100%の炭素数18の内部オレフィンを得た。前記内部オレフィンを、薄膜式スルホン化反応器(内径14mmφ、長さ4m)に入れ、反応器外部ジャケットに20℃の冷却水を通液する条件下で、SO濃度2.8容量%の三酸化硫黄ガスを用いてスルホン化反応を行った。反応モル比(SO/内部オレフィン)は、1.09に設定した。
得られたスルホン化物を、理論酸価に対し1.2モル倍に相当する水酸化カリウム水溶液へ添加し、攪拌しながら30℃で1時間中和した。中和物をオートクレーブ中で160℃、1時間加熱することで加水分解を行い、内部オレフィンスルホン酸カリウム塩の粗生成物を得た。
分液漏斗に、前記粗生成物300gと、エタノール300mLとを入れ、1回あたり石油エーテル300mLを加えて油溶性の不純物を抽出除去した。この際、エタノールの添加により油水界面に析出した芒硝等の成分も、油水分離操作により水相から分離除去し、この操作を3回おこなった。水相側を蒸発乾固して、炭素数18の内部オレフィンスルホン酸カリウム塩(C18IOS-K)を得た。
前記C18IOS-Kのスルホン酸基の存在位置のモル及び質量分布は、1位:1.6%、2位:25.1%、3位~9位:73.3%であった。H体とO体とのモル比(H体/O体)は、80/20であった。
[製造例2](硬水原液1の調製)
塩化カルシウム(富士フイルム和光純薬社製、CaCl、和光一級)83.32g、塩化マグネシウム六水和物(富士フイルム和光純薬社製、MgCl・6HO、和光一級)36.99g、及び、溶液量が1Lとなるように脱イオン水を混合して、硬度が5000°dHの硬水を得た。CaとMgとのモル比(Ca/Mg)は、8/2である。各試験の硬水は、この硬度が5000°dHの硬水を原液として適宜脱イオン水で希釈して用いた。
〔試験例1〕
以下の親水化処理剤組成物を用いて、以下の方法で親水表面化の評価を行った。
<親水化処理剤組成物>
・本発明品1:C18IOS-Kの脱イオン水による水溶液と、硬水原液1から調製した硬度が16°dHの硬水とを混合して得た、C18IOS-Kの含有量が0.1質量%(酸型換算で0.09質量%)、(B)/(A)のモル比が1/1である、親水化処理剤組成物。
・本発明品2:C18IOS-Kの脱イオン水による水溶液と、硬水原液1から調製した硬度が32°dHのdH硬水とを混合して得た、C18IOS-Kの含有量が0.1質量%(酸型換算で0.09質量%)、(B)/(A)のモル比が2/1である、親水化処理剤組成物。
・比較品1:ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム(AES)の脱イオン水による水溶液と、硬水原液1から調製した硬度が16°dHの硬水とを混合して得た、AESの含有量が0.1質量%(酸型換算で0.094質量%)、(B)/AESのモル比が1/1である、親水化処理剤組成物。
[試験方法(親水表面化の評価)]
親水化処理組成物500mLを入れた容器に、予め清浄にしたテストピースを浸漬し、25℃、70r/min、15分間の処理を行った。次いで、濯ぎ工程として、前記容器中の液を排水し、該親水化処理剤組成物の調製に用いた硬水500mLを入れ、テストピースを浸漬し、25℃、70r/min、1分間の濯ぎを行った。次いで、前記濯ぎ工程を同じ条件でもう一度行い、テストピースを自然乾燥した。
このテストピースの処理部分表面の脱イオン水に対する静止接触角を、自動接触角計(協和界面科学社製、DM-500)を用いて、脱イオン水添加量1μL、添加30秒後の条件にて測定した。
測定は、2枚のテストピースを用いて、1枚のテストピース当たり5回行い、10個の測定値の平均値を用いた。
接触角が小さいほど、親水化性能に優れる。結果を表1に示す。
テストピースは、以下のものを用いた。
・ガラス:あけぼの商会社製 ガラス板(四辺角削り加工)
・アクリル:スタンダードテストピース社製 PMMA(黒)
・ポリアミド66:スタンダードテストピース社製 PA66
・ポリカーボネート:スタンダードテストピース社製 ポリカーボネート(カーボグラスポリッシュ)
・メラミン:スタンダードテストピース社製 メラミン
・ポリ塩化ビニル:エンジニアリングテストサービス社製 PVC
・FRP:日本テストパネル社製 FRP
・ポリエステル:エンジニアリングテストサービス社製 PETP
・ポリスチレン:スタンダードテストピース社製 ポリスチレン
・ポリエチレン:エンジニアリングテストサービス社製 PE
・ABS:スタンダードテストピース社製 アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)
・ポリプロピレン:エンジニアリングテストサービス社製 PP
・ステンレス:エンジニアリングテストサービス社製 SUS430
・アルミニウム:スタンダードテストピース社製 A1050P(H24)
・アルミニウム合金:スタンダードテストピース社製 A3003P(H24)
・自動車用鉄鋼:スタンダードテストピース社製 SPFC590
・天然ゴム:スタンダードテストピース社製 天然ゴム(NR)
・フローリング:スタンダードテストピース社製 フローリング(合板)
・炭素材料:スタンダードテストピース社製 CFRP(つやなし)
・モデルスキン:ビューラックス社製 バイオスキン プレート♯WHITE
Figure 0007376327000002
表1中、(B)/AES、(B)/(A)は、何れもモル比である。
〔試験例2a〕
試験例1の本発明品1の親水化処理組成物において、(A)成分であるC18IOS-Kの含有量は0.1質量%のままで、(B)/(A)のモル比を表2aのように変更して試験例1と同様にテストピースに対する表面親水化の評価を行った。結果を表2に示す。なお、表2a中、(B)/(A)のモル比が1のものは試験例1の本発明品1に、また同モル比が2のものは試験例1の本発明品2に相当する。また、比較品2は以下のものである。
・比較品2:硬水原液1から調製した硬度が32°dHの硬水〔(A)成分の含有量は0質量%〕。
Figure 0007376327000003
表2a中、「-」は、試験せず、の意味である。
〔試験例2b〕
試験例2aと同様に、ただし、(A)成分を表3の成分として親水化組成物を調製し、テストピースに対する表面親水化の評価を行った。結果を表2bに示す。なお、表2bには、表2aの結果(一部)も示した。
Figure 0007376327000004
表2b中の成分は以下のものである。
・C18IOS-K:製造例1-1で得た、炭素数18の内部オレフィンスルホン酸カリウム塩
・C18IOS-Na:炭素数18の内部オレフィンスルホン酸ナトリウム塩であり、スルホン酸基の存在位置のモル及び質量分布並びにH体とO体とのモル比(H体/O体)は、製造例1-1のC18IOS-Kと同じであった。このC18IOS-Naは、例えば、以下の製造例1-2で得ることができる。
[製造例1-2](C18IOS-Naの製造)
水酸化カリウム水溶液の代わりに水酸化ナトリウム水溶液で前記スルホン化物を中和する以外は製造例1-1と同様にして、炭素数18の内部オレフィンスルホン酸ナトリウム塩(C18IOS-Na)を得る。
・C16IOS-K:炭素数16の内部オレフィンスルホン酸カリウム塩であり、スルホン酸基の存在位置のモル及び質量分布は、1位:1.8%、2位:21.8%、3位~8位:76.4%であった。また、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩(H体)とオレフィンスルホン酸塩(O体)とのモル比(H体/O体)は、80/20であった。このC16IOS-Kは、例えば、以下の製造例1-3で得ることができる。
[製造例1-3](C16IOS-Kの製造)
1-オクタデカノールの代わりに1-ヘキサデカノール(花王社製、カルコール6098)を用いる以外は製造例1-1と同様にして、炭素数16の内部オレフィンスルホン酸カリウム塩(C16IOS-K)を得る。
・SAS:花王社製、ラテムルPS
・DASS:東京化成工業社製、ビス(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム塩、Bis(2-ethylhexyl)Sulfosuccinate Sodiumu salt
〔試験例3〕
試験例1の本発明品2又は比較品1で処理した後のガラスピースについて、油滴に対する接触角を測定した。油滴に対する接触角が大きいことは、空気中での防汚効果が高いことの指標となる。
試験例1の本発明品2又は比較品1で処理した後のガラスピースに、試験例1と同様に、ただし、脱イオン水に代えて菜種油を滴下し、試験例1と同様に接触角を測定した。菜種油は、SIGMA-ALDRICH社製 CodeNo.23-0450-5を使用した。
その結果、菜種油の接触角は、本発明品2では45.5°、比較品1では27.8°であり、本発明品2の方が、撥油性が高く油性汚れに対する防汚性に優れることが確認された。
〔試験例4〕
試験例1の本発明品2又は比較品1で処理した後のステンレスピースについて、再汚染防止効果を評価した。
試験例1の本発明品2で処理した後のステンレスピース及び比較品1で処理した後のステンレスピースを、一緒に、蓋付タッパー容器中で、硬度が16°dHの硬水2000mL中に浸漬させ、そこに、スダンIII(富士フィルム和光純薬社製)を0.02質量%含有する菜種油を10mL加え、1分間激しく振とうさせた後、排水した。その後のステンレスピースの状態を目視で観察した。
その結果を図1に示す。図1に示されるように、本発明品2で処理したステンレスピースは、表面に着色部分が殆ど残っておらず、汚れに接触しても再汚染されにくいことが確認された。一方、比較品1で処理したステンレスピースは、表面のところどころに着色部分が残っており、再汚染されやすいことが確認された。
〔試験例5〕
試験例1の本発明品2又は比較品1で処理した後のステンレスピースについて、脱汚性を評価した。
ステンレスピースは、15cm×7cmのサイズのものを用いた。
試験例1の本発明品2又は比較品1で処理した後のステンレスピースに、前記スダンIIIを0.02質量%含有する菜種油を3g塗布した後、洗浄瓶を用いて脱イオン水を1分間かけ続けた後の状態を目視で観察した。
その結果を図2に示す。図2に示されるように、本発明品2で処理したステンレスピースは、速やかに菜種油が流下し表面に着色部分が殆ど残っておらず、脱汚性に優れることが確認された。一方、比較品1で処理したステンレスピースは菜種油が残留しところどころに着色部分が残っており、脱汚性に劣ることが確認された。
〔試験例6〕
試験例1の本発明品2又は比較品1で処理した後のワイングラス(ニトリ社製、クリスタル赤ワイングラス2Pセット(ボルドー))について、防曇性を評価した。
試験例1の本発明品2又は比較品1を用いて、試験例1と同様にワイングラスを処理して乾燥させた。ワイングラスに、氷水を300g入れた後、3分後の外観の状態を目視で観察した。また、ワイングラスには、外部からの視認性の確認のため、文字が刻印されたプラスチック製キャップも入れた。
その結果を図3に示す。図3に示されるように、本発明品2で処理したワイングラスには水滴が殆ど付着しておらず、グラスを通してプラスチック製キャップやその文字が容易に確認できた。一方、比較品1で処理したワイングラスは水滴の付着による曇りが甚だしく、プラスチック製キャップの文字は全く判読できなかった。
〔試験例7〕
試験例1の本発明品2又は比較品1で処理した後の各テストピースを、1枚のアクリル板に固定し試験ボードとした。ただし、ステンレスピースは3枚固定した。また、メラミン、FRP、ポリスチレンは、この試験では用いなかった。試験ボードのテストピース全体に、青色色素0.5質量%を含む水を8mL吹きかけ、立てかけて自然乾燥させた。その後の状態を目視で確認した。
その結果を図4に示す。図4に示されるように、本発明品2で処理した試験ボードは、テストピースに水が残存しておらず、水垢が付きにくいことが確認できた。一方、比較品1で処理した試験ボードは、テストピースの至る所で水が水滴として残存しており水垢がつきやすい状態であることが確認できた。
〔試験例8〕
長辺25cm、短辺2.5cmの長方形に切り取った生地片を、本発明品2と比較品1を用い、試験例1と同様に親水化処理して乾燥させた。前記生地としては、市販のポリエステルファイユ(染色試材株式会社谷頭商店製、ポリエステル100%)を用いた。乾燥後の生地片の短辺の端から長辺方向に沿って2cmの場所に黒色の水性マーカーで印をつけた。印を付けた場所を0cmとして、最大20cmに達するまで、長辺方向に沿って1cm毎に印を付けた。前記の生地片を0cmの印を付けた方向を下に、反対の短辺を上に、長辺方向を水面に対して垂直に配置させた。次に、プラスチック製ビーカー(容量2リットル)に25℃の水道水を2L入れ、生地片の短辺(下端)を水面が0cmの印に達するまで水に浸した。水面が0cmに達した時間を0分として、15分後の水の高さを測定した。黒色の印がにじみ、クロマトグラフィーによって黒色インクが展開する先端のうち、0cmの地点から最も遠い先端までの長さを吸水高さとした。吸水高さの数値が大きい方が、吸水性が良いことを示す。吸水高さは、本発明品2では9.4cm、比較品1では2.1cmであり、本発明品2の方が、吸水性に優れることが確認された。前記吸水高さの数値は、2枚の生地片の平均値である。
[内部オレフィンスルホン酸塩1]
製造例1-1で得たC18IOS-Kを内部オレフィンスルホン酸塩1として用いた。
[内部オレフィンスルホン酸塩2]
内部オレフィンスルホン酸塩2は、炭素数16の内部オレフィンスルホン酸カリウム塩であり、スルホン酸基の存在位置のモル及び質量分布は、1位:1.8%、2位:21.8%、3位~8位:76.4%であった。また、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩(H体)とオレフィンスルホン酸塩(O体)とのモル比(H体/O体)は、80/20であった。この内部オレフィンスルホン酸塩2は、例えば、製造例1-3と同様にして得ることができる。
[製造例1A](内部オレフィンスルホン酸塩3の製造)
攪拌装置付きフラスコに、炭素数20-24のα-オレフィン(Chevron Phillips Chemical社製、AlphaPlusC20-24)1100gと、触媒として活性アルミナ(水澤化学工業社製、GP-20)110gを仕込み、攪拌下、280℃にて、系内に窒素(300mL/min.)を流通させながら反応を行い、粗内部オレフィンを得た。前記粗内部オレフィンを、169~212℃、0.6mmHgで蒸留することで、オレフィン純度100%の炭素数20~24の内部オレフィンを得た。
続いて1L四つ口フラスコにメカニカルスターラーを取りつけ、滴下漏斗を2本取り付けた。系内を減圧窒素置換した上で1,4-ジオキサン80gとクロロホルム330gを投入し系全体を氷浴にて冷却した。冷却後、液体SO 23gを1時間かけて滴下した。滴下後、前記内部オレフィン67gを加え室温にて反応させた。
得られたスルホン化物を、理論酸価に対し1.9モル倍に相当する水酸化ナトリウム水溶液へ添加し、攪拌しながら10℃で3時間中和した。中和物を1Lナスフラスコに入れ、エバポレーターによりクロロホルム、水、ジオキサンを留去した。続いて、オートクレーブ中で170℃、1時間加熱することで加水分解を行い、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム塩の粗生成物を得た。
分液漏斗に、前記内部オレフィンスルホン酸ナトリウム塩の粗生成物10gと、エタノール30mLとを入れ、1回あたり石油エーテル30mLを加えて油溶性の不純物を抽出除去した。この際、エタノールの添加により油水界面に析出した芒硝等の成分も、油水分離操作により水相から分離除去し、この操作を3回行った。水相側を蒸発乾固して、炭素数20~24の内部オレフィンスルホン酸ナトリウム塩(内部オレフィンスルホン酸塩3)を得た。
[製造例2A](硬水原液2の調製)
塩化カルシウム(富士フイルム和光純薬社製、CaCl、和光一級)1.048g、及び、溶液量が0.5Lとなるように超純水を混合して、硬度の80°dHの硬水原液2を得た。なお、この硬水原液2は、(B)成分であるCa2+を含む。
[製造例3A](内部オレフィンスルホン酸塩の原液の調製)
内部オレフィンスルホン酸塩1~3に、それぞれ、濃度が5質量%となるように、超純水を混合して内部オレフィンスルホン酸塩1~3の原液を調製した。
[製造例4A](比較品4原液の調製)
(A1)成分の比較化合物として、比較品4は、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム(ライオン社製、リポランLB-440)を用いた。前記α-オレフィンスルホン酸ナトリウムと超純水を混合して、濃度が5質量%の比較品4の原液を得た。
[実施例1]
(テストピースの準備)
<アルカリ処理>
スライドグラス(松波硝子工業社製、S111 76mm×26mm×0.8~1.0mm(厚さ))を、50質量%水酸化カリウム水溶液に、25℃の室温で2時間浸漬した。そして、前記テストピースを超純水ですすいだ後、常圧、60℃の条件で、30分間静置し、室温まで冷却した。
<親水化性能試験に供するテストピース>
前記アルカリ処理後のスライドガラスをそのまま、親水化性能評価に供するテストピース(以下、親水化性能試験用テストピースという場合もある)として用いた。
<洗浄試験に供するテストピース>
前記アルカリ処理後のスライドガラスの質量(風袋質量)を測定した。その後、60℃のモデル油脂(牛脂:菜種油=9:1質量比)に、質量を測定したスライドガラスを2.5cm浸漬させ、25℃の室内で放置して固化させ、質量(洗浄前質量)を測定した。前記の操作によって得られた、表面にモデル油脂が塗布されたスライドガラスを、洗浄処理に供するテストピース(以下、洗浄試験用テストピースという場合もある)として用いた。
(親水化洗浄剤組成物及び処理液)
表3に記載の組成の親水化洗浄剤組成物及び処理液を用いた。(A1)成分の質量%は、酸型化合物に換算した量に基づく(以下同様)。組成は原料の添加量から算出した(以下同様)。なお、表3中、(Bの総使用量)/(A1の総使用量)は、第1の処理及び第2の処理でのA1の総使用量に対する、第1の処理及び第2の処理でのBの総使用量のモル比である(以下同様)。
(評価方法)
<親水化性能評価>
下記実施例1-1~1-3の方法で親水化処理した後、テストピースの処理部分表面の超純水に対する静止接触角を、自動接触角計(KRUSS社製、DSA30)を用いて測定した。接触角は、超純水3μLを添加して5分後に測定した。また、接触角は、1枚のテストピース当たり3か所で測定し、平均値を用いた。接触角が小さいほど、親水化性能に優れる。
<洗浄力評価>
下記実施例1-1~1-3の方法で洗浄処理した後に乾燥させたテストピースを用いて質量(洗浄後質量)を測定し、以下の式で洗浄率を求めた。
洗浄率(%)={(洗浄前質量)-(洗浄後質量)}/{(洗浄前質量)-(風袋質量)}×100
洗浄率が大きいほど、洗浄力に優れる。
前記親水化洗浄剤組成物及び処理液並びに前記テストピースとを用いて、下記のように処理を行った。結果を表3に示す。
・実施例1-1
(親水化処理)
工程1
50mLのガラスビーカーに入れた40mLの親水化洗浄剤組成物に、親水化性能評価用テストピースを浸漬し、25℃、600rpm、5分間の処理を行った。前記親水化洗浄剤組成物の攪拌は、回転子(アズワン社製、ラボラン回転子(PTFE)9-870-02)と、電磁スターラー(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、Cimarec i Telesystem 60 Position)を用いて行った。
工程2
工程1の後、テストピースと親水化洗浄剤組成物の全量とを、硬水原液2と超純水とから調製した硬度が20°dHの硬度水360mLが入った500mLのビーカーに加えて、さらに25℃、600rpm、5分間の処理を行った。なお、工程2で用いた混合物を表では処理液と表示した(以下同様)。本工程で用いた混合物の攪拌は、前記と同じ回転し及び電磁スターラーを用いて行った。テストピースを取り出し、25℃で24時間乾燥(以下、自然乾燥ともいう)した。
(洗浄処理)
親水化性能評価用テストピースを浸漬する代わりに、洗浄試験用テストピースのモデル油脂が塗布された部分を浸漬する以外は、親水化処理と同様の処理を行った。
・実施例1-2
(親水化処理)
工程1
100mLのガラスビーカーに入れた80mLの親水化洗浄剤組成物を用いた以外は、実施例1-1と同様の操作を行った。
工程2
工程1の後、テストピースを取り出し、別の100mLのガラスビーカーに入れた、硬水原液2と超純水とから調製した硬度が20°dHの硬度水80mLに、テストピースのモデル油脂を付着させた部分全体を浸漬し、25℃、600rpm、5分間の処理を行った。
なお、本工程で用いた混合物の攪拌は、前記と同じ回転子と電磁スターラーを用いて行った。
(洗浄処理)
親水化性能評価用テストピースを浸漬する代わりに、洗浄試験用テストピースのモデル油脂が塗布された部分を浸漬する以外は、親水化処理と同様の処理を行った。
なお、実施例1-2、並びに後述する実施例1-3、実施例2-1、実施例2-2及び実施例9では、工程1の終了時にテストピースに(A1)成分を含む組成物が付着しているが、付着した組成物から工程2で硬度水に取り込まれる(A1)成分の量は極めて微量であるため、その量は、工程2では、(A1)成分の含有量には算入していない。
・実施例1-3
工程2で、表3に記載の処理液を用いた以外は、実施例1-2と同様の条件で、親水化処理及び洗浄処理を行った。
Figure 0007376327000005
[実施例2]
表4に記載の親水化洗浄剤組成物及び処理液を用いた以外は、実施例1-2と同様の条件で評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0007376327000006
[実施例3及び比較例3]
(テストピースの準備)
アルカリ処理後のスライドガラスの代わりに、ポリプロピレン基板(日本テストパネル社製 標準試験板PP)(以下、PP基板という場合もある)を用いた以外は、実施例1の洗浄処理に供するテストピースと同様の方法で、洗浄試験に供するテストピースを得た。
(親水化洗浄剤組成物)
表5に記載の組成の親水化洗浄剤組成物を用いた。
(評価方法)
下記の方法で洗浄処理した後に乾燥させたテストピースを用いて実施例1に記載の洗浄力評価と同様の方法で、洗浄率を求めた。結果を表5に示す。
(洗浄処理)
<すすぎ無し>
100mLのガラスビーカーに入れた80mLの親水化洗浄剤組成物に、テストピースの全体を浸漬し、25℃、600rpm、10分間の処理を行った。この処理は、実施例1と同じ回転子と電磁スターラーを用いて行った。テストピースを取り出した後、自然乾燥した。
<すすぎ有り>
テストピースを取り出した後自然乾燥する前に、洗瓶を用いてテストピースの裏表を3秒間ずつ超純水ですすいだ以外は、すすぎ無しの場合と同様の処理を行った。
Figure 0007376327000007
[実施例4及び比較例4]
テストピースとして、実施例1の洗浄処理に供するテストピースと同様の方法で得られたものを用い、親水化洗浄剤組成物として、表6に記載の組成の親水化処理剤組成物を用いた以外は、実施例3と同様に洗浄処理及び洗浄力評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 0007376327000008
[実施例5及び比較例5]
(テストピースの準備)
PP基板をエタノールで清浄にして、親水化処理に供するテストピースを得た。
(親水化洗浄剤組成物)
親水化洗浄剤組成物として、表7に記載の組成の親水化洗浄剤組成物を用いた。
(評価方法)
下記の方法でテストピースを親水化処理した後、実施例1に記載の親水化性能評価と同様の方法で、親水化性能を評価した。結果を表7に示す。
(親水化処理)
<すすぎ無し>
100mLのガラスビーカーに入れた80mLの親水化洗浄剤組成物に、テストピースの全体を浸漬し、25℃、600rpm、10分間の処理を行った。この処理は、実施例1と同じ回転子と電磁スターラーを用いて行った。テストピースを取り出した後、自然乾燥した。
<すすぎ有り>
テストピースを取り出した後自然乾燥する前に、洗瓶を用いてテストピースの裏表を3秒間ずつ超純水ですすいだ以外は、すすぎ無しの場合と同様の処理を行った。
Figure 0007376327000009
[実施例6及び比較例6]
(テストピースの準備)
前記アルカリ処理後のスライドガラスをそのまま、テストピースとして用いた。
(親水化洗浄剤組成物)
表8に記載の組成の親水化洗浄剤組成物を用いた。
(評価方法)
接触角を測定する超純水の添加量を1.5μLとした以外は、実施例1に記載の親水化性能評価と同様の方法で、親水化性能を評価した。なお、親水化処理は、実施例5のすすぎ無しの場合と同様の条件で行った。結果を表8に示す。
Figure 0007376327000010
[実施例7]
親水化洗浄剤組成物として、表9に記載の組成の組成物を用い、テストピースを浸漬する時間を表9に記載したように変更した以外は、実施例5と同様の条件で、親水化処理及び親水化性能の評価を行った。結果を表9に示す。
Figure 0007376327000011
[実施例8]
親水化洗浄剤組成物として、表10に記載の組成の組成物を用い、テストピースを浸漬する時間を表10に記載したように変更した以外は、実施例5と同様の条件で、親水化処理及び親水化性能の評価を行った。
結果を表10に示す。
Figure 0007376327000012
[実施例9]
親水化洗浄剤組成物及び処理液として、表11に記載の組成の組成物を用い、第2工程でテストピースを浸漬する時間を表11に記載したように変更した以外は、実施例2-2と同様に親水化処理及び親水化性能の評価を行った。結果を表11に示す。
Figure 0007376327000013


Claims (11)

  1. (A)分岐型陰イオン界面活性剤、(B)多価金属イオン、及び水を含有する親水化処理剤組成物であって、
    (A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下であり、
    (A)を0.09質量%以上5質量%以下含有し、
    (A)が、炭素数18の内部オレフィンスルホン酸塩であり、
    (B)が、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる1種以上である、
    親水化処理剤組成物。
  2. 硬質表面用である、請求項1記載の親水化処理剤組成物。
  3. (A)分岐型陰イオン界面活性剤、(B)多価金属イオン、及び水を含有し、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下である処理液を固体表面に接触させる、固体表面の親水化方法であって、
    処理液が、(A)を0.09質量%以上5質量%以下含有し、
    (A)が、炭素数18の内部オレフィンスルホン酸塩であり、
    (B)が、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる1種以上である、
    固体表面の親水化方法。
  4. 固体表面が、硬質物品の固体表面である、請求項に記載の固体表面の親水化方法。
  5. 処理液を固体表面に接触させた後、該固体表面を水ですすぐ、請求項又はに記載の固体表面の親水化方法。
  6. 処理液が、請求項1又は2記載の親水化処理剤組成物と水とを混合して得られたものである、請求項の何れか1項記載の固体表面の親水化方法。
  7. 処理液が、(A)及び水を含有する組成物と、(B)及び水を含有する組成物とを混合して得られたものである、請求項の何れか1項記載の固体表面の親水化方法。
  8. 請求項1又は2に記載の組成物の、固体表面を親水化するための使用。
  9. (A)分岐型陰イオン界面活性剤、(B)多価金属イオン、及び水とを、(A)と(B)のモル比が、(B)/(A)で0.01以上10以下となるように混合する、親水化処理剤組成物の製造方法であって、
    前記親水化処理剤組成物は(A)を0.09質量%以上5質量%以下含有し、
    (A)が、炭素数18の内部オレフィンスルホン酸塩であり、
    (B)が、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる1種以上である、
    親水化処理剤組成物の製造方法。
  10. (A)及び水を含有する組成物と、(B)及び水を含有する組成物とを混合する、請求項9記載の親水化処理剤組成物の製造方法。
  11. 前記親水化処理剤組成物は、硬質表面用である、請求項9又は10記載の親水化処理剤組成物の製造方法。
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