JP6243673B2 - 内部オレフィンスルホン酸塩組成物及びこれを含有する洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
したがって、本発明は、良好な起泡性、泡量、速泡性、泡切れ性、泡質、皮脂存在下での泡の持続性、及び皮脂存在下での泡量をともに高いレベルで発現し得る内部オレフィンスルホン酸塩組成物、及びこれを含有する洗浄剤組成物を提供することにある。
また、本発明は、上記内部オレフィンスルホン酸塩組成物を含有する洗浄剤組成物を提供するものである。
<内部オレフィンスルホン酸塩組成物>
本発明の内部オレフィンスルホン酸塩組成物は、(A)炭素数16の内部オレフィンスルホン酸塩及び/又は(B)炭素数18の内部オレフィンスルホン酸塩を含有し、当該成分(A)及び成分(B)の合計含有量が50〜100質量%であり、当該成分(A)と成分(B)の含有質量比(A/B)が91/9〜100/0であり、炭素数16及び18の内部オレフィンスルホン酸塩のスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量が25質量%以下であり、かつ成分(A)及び成分(B)の内部オレフィンスルホン酸塩におけるヒドロキシ体の含有量と成分(A)及び成分(B)の内部オレフィンスルホン酸塩におけるオレフィン体の含有量の質量比(ヒドロキシ体/オレフィン体)が75/25〜100/0である。
なお、炭素数16及び18の内部オレフィンスルホン酸塩におけるスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量は、核磁気共鳴スペクトル等の方法により測定できる。具体的には、後記の実施例に記載のガスクロマトグラフィーを用いた方法により測定した数値である。
本発明の内部オレフィンスルホン酸塩組成物中における原料内部オレフィンの含有量は毛髪洗浄時の起泡性、泡量、速泡性、泡切れ性、泡質、皮脂存在下での泡の持続性、及び皮脂存在下での泡量、並びに手洗い時の泡切れ性、泡質、及び皮脂存在下での泡の持続性の観点、特に起泡性を高める観点より、内部オレフィンスルホン酸塩量に対して5.0質量%未満が好ましく、3.0質量%未満がより好ましく、1.5質量%未満が更に好ましく、1.0質量%未満が更に好ましい。
内部オレフィンスルホン酸塩組成物は、炭素数8〜24の原料内部オレフィンをスルホン化し、中和し、加水分解して製造することができる。より具体的には、例えば、特許第1633184号公報、特許第2625150号公報、Tenside Surf.Det.31(5)299(1994)等に記載の方法により製造することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、前記本発明の内部オレフィンスルホン酸塩組成物を含有すること以外は特に制限はない。目的に応じて、その他の成分を含有することができる。前記その他の成分としては、他の界面活性剤、増泡剤、補助剤などが挙げられる。洗浄剤組成物中の内部オレフィンスルホン酸塩組成物の含有量は、毛髪洗浄時の起泡性、泡量、速泡性、泡切れ性、泡質、皮脂存在下での泡の持続性、及び皮脂存在下での泡量、手洗い時の起泡性、泡切れ性、泡質、及び皮脂存在下での泡の持続性、並びにコスト、生産性の観点より、内部オレフィンスルホン酸塩量として、0.1〜80質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましく、2〜30質量%が更に好ましい。
<3>内部オレフィンスルホン酸塩中の成分(A)と成分(B)の含有質量比(A/B)が、好ましくは92/8〜100/0であり、より好ましくは93/7〜100/0であり、更に好ましくは95/5〜100/0であり、より更に好ましくは98/2〜100/0であり、より更に好ましくは99/1〜100/0である<1>又は<2>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<4>内部オレフィンスルホン酸塩中の成分(A)と成分(B)の合計含有量が、より好ましくは91/9〜98/2であり、更に好ましくは91/9〜95/5であり、より更に好ましくは93/7〜95/5である<1>〜<3>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<5>炭素数16及び18の内部オレフィンスルホン酸塩(成分(A)及び成分(B))におけるスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量は、25質量%以下であって、好ましくは24質量%以下であり、より好ましくは23質量%以下であり、更に好ましくは22質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは20質量%未満であり、更に好ましくは15質量%以下であり、更に好ましくは12質量%以下であり、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは6質量%以上であり、更に好ましくは7質量%以上であり、また更に好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは12質量%以上であり、更に好ましくは15質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上であり、更に好ましくは22質量%以上である<1>〜<4>の内部スルホン酸塩組成物。
<6>炭素数16及び18の内部オレフィンスルホン酸塩(成分(A)及び成分(B))におけるスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量が、好ましくは5質量%以上25質量%以下であり、より好ましくは12質量%以上22質量%以下であり、更に好ましくは12質量%以上20質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以上20質量%以下である<1>〜<5>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<7>炭素数16及び18の内部オレフィンスルホン酸塩(成分(A)及び成分(B))におけるスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量が、好ましくは5質量%以上15質量%以下であり、より好ましく6質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは7質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは7質量%以上12質量%以下である<1>〜<6>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<8>炭素数16及び18の内部オレフィンスルホン酸塩(成分(A)及び成分(B))におけるスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量が、好ましくは12質量%以上20質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以上20質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以上20質量%未満である<1>〜<7>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<9>炭素数16及び18の内部オレフィンスルホン酸塩の、ヒドロキシ体の含有量とオレフィン体の含有量の質量比(ヒドロキシ体/オレフィン体)は、好ましくは75/25〜95/5である<1>〜<8>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<10>内部オレフィンスルホン酸塩組成物中における原料内部オレフィンの含有量が、内部オレフィンスルホン酸塩量に対して、好ましくは5.0質量%未満であり、より好ましくは3.0質量%未満であり、更に好ましくは1.5質量%未満であり、更に好ましくは1.0質量%未満である<1>〜<9>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<11>内部オレフィンスルホン酸塩組成物中における無機化合物の含有量が内部オレフィンスルホン酸塩量に対して、好ましくは7.5質量%未満であり、より好ましくは5.0質量%未満であり、更に好ましくは3.0質量%未満であり、更に好ましくは2.0質量%未満であり、また更に好ましくは1.6質量%未満である<1>〜<10>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<12>内部オレフィンスルホン酸塩組成物中の前記成分(A)及び成分(B)以外の炭素数を有するヒドロキシ体及びオレフィン体の炭素数が、好ましくは8〜15、17、及び19〜24であり、より好ましくは12、14、及び20であり、更に好ましくは12及び14であり、更に好ましくは14である<1>〜<11>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<13>原料内部オレフィンを含有し、かつ二重結合が2位に存在する原料内部オレフィンの含有量が35質量%以下である原料内部オレフィン組成物をスルホン化処理した後、中和し、次いで加水分解処理することにより得られる<1>〜<12>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<14>原料内部オレフィンを含有し、かつ二重結合が2位に存在する原料内部オレフィンの含有量が20質量%未満である原料内部オレフィン組成物をスルホン化処理した後、中和し、次いで加水分解処理することにより得られる<1>〜<13>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<15>原料内部オレフィンをスルホン化し、中和し、加水分解して、内部オレフィンスルホン酸塩組成物を得る場合、原料内部オレフィン中における二重結合が2位に存在する原料内部オレフィンの含有量が、より好ましくは33質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、またより好ましくは28質量%以下であり、より好ましくは20質量%未満であり、更に好ましくは18質量%未満である<1>〜<14>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<16>原料内部オレフィンをスルホン化し、中和し、加水分解して、内部オレフィンスルホン酸塩組成物を得る場合、原料内部オレフィン中における二重結合が2位に存在する原料内部オレフィンの含有量が、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは7質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、更に好ましくは23質量%以上である<1>〜<15>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<17>原料内部オレフィンをスルホン化し、中和し、加水分解して、内部オレフィンスルホン酸塩組成物を得る場合、原料内部オレフィン中における二重結合が2位に存在する原料内部オレフィンの含有量が、好ましくは5質量%以上35質量%以下であり、より好ましくは7質量%以上33質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以上30質量%以下である<1>〜<16>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<18>原料内部オレフィンをスルホン化し、中和し、加水分解して、内部オレフィンスルホン酸塩組成物を得る場合、原料内部オレフィン中における二重結合が2位に存在する原料内部オレフィンの含有量が、好ましくは10質量%以上28質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上20質量%未満であり、更に好ましくは15質量%以上18質量%未満である<1>〜<17>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<19>原料内部オレフィンをスルホン化し、中和し、加水分解して、内部オレフィンスルホン酸塩組成物を得る場合、原料内部オレフィン中における二重結合が2位に存在する原料内部オレフィンの含有量が、好ましくは15質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上30質量%以下であり、更に好ましくは23質量%以上28質量%以下である<1>〜<18>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
<20><1>〜<19>の内部オレフィンスルホン酸塩組成物を含有する洗浄剤組成物。
<21>内部オレフィンスルホン酸塩の含有量が、好ましくは0.1〜80質量%である<20>の洗浄剤組成物。
<22>好ましくはアルキル硫酸塩及びアルキルポリオキシアルキレン硫酸塩から選ばれる1種以上を含有する<20>又は<21>の洗浄剤組成物。
(i)内部オレフィンの二重結合位置の測定方法
内部オレフィンの二重結合位置は、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと省略)により測定した。具体的には、内部オレフィンに対しジメチルジスルフィドを反応させることでジチオ化誘導体とした後、各成分をGCで分離した。それぞれのピーク面積より内部オレフィンの二重結合位置を求めた。
尚、測定に使用した装置および分析条件は次の通りである。GC装置(商品名:HP6890,HEWLETT PACKARD社製)、カラム(商品名:Ultra−Alloy−1HTキャピラリーカラム30m×250μm×0.15μm,フロンティア・ラボ株式会社製)、検出器(水素炎イオン検出器(FID))、インジェクション温度300℃、ディテクター温度350℃、He流量4.6mL/min.
スルホン酸基の結合位置は、GCにより測定した。具体的には、内部オレフィンスルホン酸塩に対しトリメチルシリルジアゾメタンを反応させることでメチルエステル化誘導体とした後、各成分をGCで分離した。それぞれのピーク面積比を質量比として、スルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量を算出した。
尚、測定に使用した装置および分析条件は次の通りである。GC装置(商品名:アジレントテクノロジー6850,アジレントテクノロジー社製)、カラム(商品名:HP−1キャピラリーカラム30m×320μm×0.25μm,アジレントテクノロジー社製)、検出器(水素炎イオン検出器(FID))、インジェクション温度300℃、ディテクター温度300℃、He流量1.0mL/min.、オーブン(60℃(0min.)→10℃/min.→300℃(10min.)。
ヒドロキシ体/オレフィン体の質量比は、HPLC−MSにより測定した。具体的には、HPLCによりヒドロキシ体とオレフィン体を分離し、それぞれをMSにかけることで同定した。そのHPLC-MSピーク面積から各々の割合を求めた。
尚、測定に使用した装置および条件は次の通りである。HPLC装置(商品名:アジレントテクノロジー1100、アジレントテクノロジー社製)、カラム(商品名:L−columnODS4.6×150mm、一般財団法人化学物質評価研究機構製)、サンプル調製(メタノールで1000倍希釈)、溶離液A(10mM酢酸アンモニウム添加水)、溶離液B(10mM酢酸アンモニウム添加メタノール)、グラジェント(0min.(A/B=30/70%)→10min.(30/70%)→55min.(0/100%)→65min.(0/100%)→66min.(30/70%)→75min.(30/70%))、MS装置(商品名:アジレントテクノロジー1100MS SL(G1946D)),MS検出(陰イオン検出 m/z60−1600、UV240nm)
原料内部オレフィンの含有量は、GCにより測定した。具体的には、内部オレフィンスルホン酸塩水溶液にエタノールと石油エーテルを添加した後、抽出し石油エーテル相にオレフィンを得た。そのGCピーク面積からオレフィン量を定量した。
尚、測定に使用した装置および分析条件は次の通りである。GC装置(商品名:アジレントテクノロジー6850,アジレントテクノロジー社製)、カラム(商品名:Ultra−Alloy−1HTキャピラリーカラム15m×250μm×0.15μm,フロンティア・ラボ株式会社製)、検出器(水素炎イオン検出器(FID))、インジェクション温度300℃、ディテクター温度350℃、He流量3.8mL/min.
無機化合物の含有量は、電位差滴定や中和滴定により測定した。具体的には、Na2SO4の含有量は、硫酸根(SO4 2-)を電位差滴定によって求めることで定量した。また、NaOHの含有量は、希塩酸で中和滴定することで定量した。
パラフィン成分の含有量は、GCにより測定した。具体的には、内部オレフィンスルホン酸塩水溶液にエタノールと石油エーテルを添加した後、抽出し、石油エーテル相にパラフィンを得た。そのGCピーク面積からパラフィン量を定量した。
尚、測定に使用した装置および分析条件は原料内部オレフィンの含有量の測定と同様である。
[製造例A] 炭素数16、2重結合2位16.5質量%の内部オレフィンの合成
攪拌装置付きフラスコに1−ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)7000g(28.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREM Chemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10質量%)を仕込み、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら5時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C16内部オレフィン純度は99.7%であった。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、136−160℃/4.0mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の炭素数16の内部オレフィンを得た。得られた内部オレフィンの二重結合分布は、C1位0.5質量%、C2位16.5質量%、C3位15.4質量%、C4位16.4質量%、C5位17.2質量%、C6位14.2質量%、C7、8位の合計が19.8質量%であった。
攪拌装置付きフラスコに1−オクタデカノール(製品名:カルコール8098、花王株式会社製)7000g(25.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREM Chemicals,Inc社)1050g(原料アルコールに対して15質量%)を仕込み、攪拌下、285℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら13時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C18内部オレフィン純度は98.5%であった。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、148−158℃/0.5mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の炭素数18の内部オレフィンを得た。得られた内部オレフィンの二重結合分布は、C1位0.7質量%、C2位16.9質量%、C3位15.9質量%、C4位16.0質量%、C5位14.7質量%、C6位11.2質量%、C7位10.2質量%,C8、9位の合計が14.6質量%であった。
攪拌装置付きフラスコに1−ヘキサデカノール(製品名:カルコール6098、花王株式会社製)7000g(28.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREM Chemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10質量%)を仕込み、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら3時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C16内部オレフィン純度は99.6%であった。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、136−160℃/4.0mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の炭素数16の内部オレフィンを得た。得られた内部オレフィンの二重結合分布は、C1位0.5質量%、C2位30.1質量%、C3位25.5質量%、C4位18.9質量%、C5位11.1質量%、C6位7.0質量%、C7、8位の合計が7.0質量%であった。
攪拌装置付きフラスコに1−オクタデカノール(製品名:カルコール8098、花王株式会社製)7000g(25.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREM Chemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10質量%)を仕込み、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら10時間、反応を行った。反応終了後のアルコール転化率は100%、C18内部オレフィン純度は98.2%であった。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、148−158℃/0.5mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の炭素数18の内部オレフィンを得た。得られた内部オレフィンの二重結合分布は、C1位0.5質量%、C2位25.0質量%、C3位22.8質量%、C4位19.1質量%、C5位14.0質量%、C6位7.4質量%、C7位5.4質量%,C8、9位の合計が4.8質量%であった。
[製造例1]
製造例Aで得た炭素数16の内部オレフィン(二重結合が2位に存在する内部オレフィンの含有量が16.5質量%)を、外部にジャケットを有する薄膜式スルホン化反応器を使用して三酸化硫黄ガス、反応器外部ジャケットに20℃の冷却水を通液することでスルホン化反応を行った。スルホン化反応の際のSO3/内部オレフィンのモル比は1.09に設定した。得られたスルホン化物を、理論酸価に対し1.5モル倍量の水酸化ナトリウムで調製したアルカリ水溶液へ添加し、攪拌しながら30℃、1時間中和した。中和物をオートクレーブ中で160℃、1時間加熱することで加水分解を行い、C16内部オレフィンスルホン酸ナトリウム粗生成物を得た。該粗生成物300gを分液漏斗に移し、エタノール300mLを加えた後、1回あたり石油エーテル300mLを加えて油溶性の不純物を抽出除去した。この際、エタノールの添加により油水界面に析出した無機化合物(主成分は芒硝)も、油水分離操作により水相から分離除去した。この抽出除去操作を3回おこなった。水相側を蒸発乾固することで、C16内部オレフィンスルホン酸ナトリウムを得た。得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中のヒドロキシ体(ヒドロキシアルカンスルホン酸ナトリウム)/オレフィン体(オレフィンスルホン酸ナトリウム)の質量比は81/19であった。また、得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中に含有される原料内部オレフィンの含有量は100ppm未満(GC検出下限未満)、無機化合物は1.3質量%であった。また、スルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量は9.3質量%であった。
製造例Bで得た炭素数18の内部オレフィン(二重結合が2位に存在する内部オレフィンの含有量が16.9質量%)から、製造例1と同様の条件でC18内部オレフィンスルホン酸ナトリウムを得た。
得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中のヒドロキシ体/オレフィン体の質量比は80/20であった。また、得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中に含有される原料内部オレフィンの含有量は100ppm未満(GC検出下限未満)、無機化合物は1.3質量%であった。また、スルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量は9.6質量%であった。
製造例1で得られた組成物を内部オレフィンスルホン酸塩組成物1とした。
製造例1で得られた組成物と製造例2で得られた組成物を質量比98:2で混合して、内部オレフィンスルホン酸塩組成物2を得た。
製造例1で得られた組成物と製造例2で得られた組成物を質量比95:5で混合して、内部オレフィンスルホン酸塩組成物3を得た。
製造例Cで得た炭素数16の内部オレフィン(二重結合が2位に存在する内部オレフィンの含有量が30.1質量%)から、製造例1と同様の条件でC16内部オレフィンスルホン酸ナトリウムを得た。
得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中のヒドロキシ体/オレフィン体の質量比率は92/8であった。また、得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中に含有される原料内部オレフィンの含有量は100ppm未満(GC検出下限未満)、無機化合物は0.1質量%であった。また、スルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量は19.5質量%であった。
製造例Dで得た炭素数18の内部オレフィン(二重結合が2位に存在する内部オレフィンの含有量が25.0質量%)から、製造例1と同様の条件でC18内部オレフィンスルホン酸ナトリウムを得た。
得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中のヒドロキシ体/オレフィン体の質量比率は89/11であった。また、得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム中に含有される原料内部オレフィンの含有量は100ppm未満(GC検出下限未満)、無機化合物は0.0質量%であった。また、スルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量は15.0質量%であった。
製造例6で得られた組成物を内部オレフィンスルホン酸塩組成物4とした。
製造例6で得られた組成物と製造例7で得られた組成物を質量比98:2で混合し、
内部オレフィンスルホン酸塩組成物5を得た。
製造例6で得られた組成物と製造例7で得られた組成物を質量比95:5で混合し、
内部オレフィンスルホン酸塩組成物6を得た。
下記に示すプレーンシャンプーで毛束(ブリーチ、ヘアカラーなどの処理をしていない
日本人毛、約20cm、15g)を洗浄後、下表に示すプレーンリンスを塗布後、水道水
ですすぎ、評価用トレスを得た。
製造例3〜5、8〜10で得た組成物をイオン交換水に溶解することにより調製した内部オレフィンスルホン酸塩組成物の13質量%水溶液1.0gを用い、5人の専門パネラーが、以下に示す評価基準、評価方法により、起泡性、泡質、速泡性及び泡切れの評価を行った。(具体的には、表3に示す内部オレフィンスルホン酸塩組成物を用いて調製した13質量%水溶液1.0gを評価用トレスに取り、泡立て、洗浄、すすぎの操作を行った。)
また、モデル皮脂0.05mlを毛髪に塗布した状態で、表3に示す洗浄剤組成物1.0gを用いて洗浄することによって、モデル皮脂存在下での泡の持続性を評価した。モデル皮脂はトリオレイン/ラノリン=80/20質量%を40℃にて均一混合することで調製した。
結果を表3に示す。表3にはアルキルポリオキシエチレン硫酸塩(AES)、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)及び第二級アルキルスルホン酸塩(SAS)についての評価結果も示した。
各成分をビーカーに取り、80℃に加温後、混合し、均一に溶解したことを確認した後、冷却して、プレーンシャンプーを得た。
塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム及びステアリルアルコールをビーカー(A)に入れ、80℃に加温して融解させた。別のビーカー(B)に精製水およびメチルパラベンをビーカーに取り、攪拌しながら80℃に加温し、均一に溶解したことを確認した。その後、ビーカー(B)を80℃で攪拌しながら、ビーカー(A)中の混合液を加え、30分乳化を行い、加熱を中止し、室温まで冷却して、プレーンリンスを得た。
・起泡性
5:起泡性が非常に良い
4:起泡性が良い
3:普通の起泡性(比較例1:AESと同等)
2:起泡性が悪い
1:起泡性が非常に悪く洗えない
・速泡性
5:泡立ちが非常に早く、洗いやすい
4:泡立ちが早い
3:普通(比較例1:AESと同等)
2:泡立ちが遅い
1:泡立ちが非常に遅い
・泡質
5:泡質がクリーミーで非常に良い
4:泡質がややクリーミーで良い
3:泡質が普通(比較例1:AESと同等)
2:泡質がややバブリーで悪い
1:泡質がバブリーで非常に悪く、洗いにくい
・泡切れ性
5:泡切れが非常によく、すすぎやすい
4:泡切れがよい
3:普通(比較例1:AESと同等)
2:泡切れが悪い
1:泡切れが非常に悪く、すすぎにくい
・モデル皮脂存在下での泡の持続性
5:泡の持続性が非常によい(洗浄中に泡量の低下が感じられない)
4:泡の持続性がよい(泡量の低下が少ない)
3:普通(比較例1:AESと同等)
2:泡の持続性が悪い(泡量の低下が著しい)
1:泡が持続しない(洗浄中に消泡する)
毛髪評価と同じ処理をしたトレスを用い、同じ方法で泡立てを行って得られた泡を、直径5cmのガラス製目盛り付シリンダーに入れ、泡の体積を計測した。この操作を3回繰り返し、平均値(小数点以下を四捨五入)を泡量(mL)とした。また、モデル皮脂(0.05ml)を塗布したトレスを用い、毛髪評価と同じ方法で泡量(mL)を測定した値を、モデル皮脂存在下での泡量(mL)とした。
表3に示す内部オレフィンスルホン酸塩組成物をイオン交換水に溶解することにより調製した内部オレフィンスルホン酸塩組成物の13質量%水溶液を用い、5人のパネラーが、手洗いを行い、以下に示す評価基準、評価方法により、起泡性、泡質、及び泡切れの評価を行った。(具体的には、表3に示す内部オレフィンスルホン酸塩組成物を用いて調製した13質量%水溶液1.0gを手に取り、泡立て、洗浄後、すすいだ。)
また、モデル皮脂0.05mlを手に塗布した状態で、表3に示す内部オレフィンスルホン酸塩組成物を用いて調製した13質量%水溶液1.0gを用いて洗浄することによって、モデル皮脂存在下での泡の持続性を評価した。モデル皮脂はトリオレイン/ラノリン=80/20質量%を40℃にて均一混合することで調製した。
結果を表3に示す。
Claims (9)
- (A)炭素数16の内部オレフィンスルホン酸塩及び/又は(B)炭素数18の内部オレフィンスルホン酸塩を含有し、内部オレフィンスルホン酸塩中の当該成分(A)及び成分(B)の合計含有量が70〜100質量%であり、当該成分(A)と成分(B)の含有質量比(A/B)が91/9〜100/0であり、炭素数16及び炭素数18の内部オレフィンスルホン酸塩のスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量が25質量%以下であり、かつ成分(A)及び成分(B)の内部オレフィンスルホン酸塩におけるヒドロキシ体の含有量と成分(A)及び成分(B)の内部オレフィンスルホン酸塩におけるオレフィン体の含有量の質量比(ヒドロキシ体/オレフィン体)が75/25〜100/0である内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
- 成分(A)及び成分(B)の内部オレフィンスルホン酸塩におけるスルホン酸基が2位に存在する内部オレフィンスルホン酸塩の含有量が、20質量%未満である請求項1に記載の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
- 内部オレフィンスルホン酸塩組成物中の原料内部オレフィンの含有量が、内部オレフィンスルホン酸塩に対して5.0質量%未満である請求項1又は2に記載の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
- 内部オレフィンスルホン酸塩組成物中の無機化合物の含有量が、内部オレフィンスルホン酸塩に対して7.5質量%未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
- 原料内部オレフィンを含有し、かつ二重結合が2位に存在する原料内部オレフィンの含有量が35質量%以下である原料内部オレフィン組成物をスルホン化処理した後、中和し、次いで加水分解処理することにより得られる請求項1〜4のいずれか1項に記載の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
- 原料内部オレフィンを含有し、かつ二重結合が2位に存在する原料内部オレフィンの含有量が20質量%未満である原料内部オレフィン組成物をスルホン化処理した後、中和し、次いで加水分解処理することにより得られる請求項1〜4のいずれか1項に記載の内部オレフィンスルホン酸塩組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の内部オレフィンスルホン酸塩組成物を含有する洗浄剤組成物。
- 内部オレフィンスルホン酸塩の含有量が0.1〜80質量%である請求項7記載の洗浄剤組成物。
- アルキル硫酸塩及びアルキルポリオキシアルキレン硫酸塩から選ばれる1種以上を含有する請求項7又は8記載の洗浄剤組成物。
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