JP2019099740A - 繊維製品用洗浄剤組成物 - Google Patents

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貴則 尾崎
Takanori Ozaki
貴則 尾崎
隆儀 齋藤
Takayoshi Saito
隆儀 齋藤
親一郎 中谷
Shinichiro Nakatani
親一郎 中谷
雄一郎 多勢
Yuichiro Tase
雄一郎 多勢
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Abstract

【課題】繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品に付着した汚れに対して、一般的な洗濯時間、例えば10分の洗濯時間と同等の洗浄力が、より短い洗濯時間、例えば5分の洗濯時間で達成できる繊維製品用洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】下記(A)成分及び下記(B)成分を含有する繊維製品用洗浄剤組成物。(A)成分:炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤(B)成分:ソイルリリース剤【選択図】なし

Description

本発明は、繊維製品用洗浄剤組成物に関する。
繊維製品用洗浄剤に、ソイルリリース剤を使用することが知られている。ソイルリリース剤は、汚れ放出剤と称される場合もある。ソイルリリース剤は、繊維製品の着用などの使用前に予め繊維製品にソイルリリース剤を付着させることで、繊維製品の使用時に汚れが付着しても、使用後の洗浄で、繊維製品からの汚れの脱離がより向上できる剤として知られている。
特許文献1には、特定のカチオン基を有する単糖単位を含む汚れ放出剤、該汚れ放出剤を含有する洗浄剤が開示されている。特許文献2には、アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤を特定重量比、特定のセルロースエーテルから選ばれた汚れ開放性エーテル成分、任意の洗浄ビルダー成分を含有し、優れた布帛洗浄性能を提供する洗剤組成物が開示されている。
一方で、二重結合をオレフィン鎖の末端ではなく内部に有する内部オレフィンを原料として得られる内部オレフィンスルホン酸塩は、家庭用及び工業用の洗浄成分として広く用いられている。特許文献3、4には、炭素数16の内部オレフィンスルホン酸塩及び炭素数18の内部オレフィンスルホン酸塩を特定比で含有し、ヒドロキシ体/オレフィン体が特定比である、起泡性等に優れた内部オレフィンスルホン酸塩組成物が開示されている。
特開2001−172673号公報 特開昭51−142007号公報 特開2015−28123号公報 特開2014−77126号公報
家庭用の全自動洗濯機においては、標準コース以外にも、洗浄、濯ぎ及び脱水時間からなる洗濯時間を短くできる洗濯コース(スピードコースなどと呼ばれることもある)が備えられている機種が存在する。洗濯時間を短くするコースにおいては、洗浄剤組成物で衣料を洗浄する時間を短くすることが行われる場合がある。標準コースでの洗濯時間は10分〜15分に設定されている場合が一般的であるが、スピードコースの洗濯時間は、例えば5分と短く設定されている場合がある。また、使用者が任意で洗濯時間を5分程度に設定する場合がある。使用者は、スピードコースを選択することで、洗濯に要する時間を短くでき、時間を有効に使える。また、洗濯に必要な電気量を少なくできる。スピードコースで洗濯を行う場合、使用者は、洗浄時間が短くても、通常の洗濯コースと同じ汚れ落ちを期待する。しかしながら、洗浄時間が短くなると、洗浄時間の短縮から予測される程度よりも洗浄性能の低下が大きくなる傾向にあることが見出された。
本発明は、繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品に付着した汚れに対して、一般的な洗濯時間、例えば10分の洗濯時間と同等の洗浄力が、より短い洗濯時間、例えば5分の洗濯時間で達成できる繊維製品用洗浄剤組成物を提供する。
本発明は、下記(A)成分及び下記(B)成分を含有する繊維製品用洗浄剤組成物に関する。
(A)成分:炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤
(B)成分:ソイルリリース剤
本発明によれば、繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品に付着した汚れに対して、一般的な洗濯時間、例えば10分の洗濯時間と同等の洗浄力が、より短い洗濯時間、例えば5分の洗濯時間で達成できる繊維製品用洗浄剤組成物を得ることが出来る。
<繊維製品用洗浄剤組成物>
本発明者らは、ソイルリリース剤とともに、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素基を有し、スルホン酸塩又は硫酸エステル塩から選ばれる親水基が脂肪族炭化水素基の2位以上に結合している、(A)成分のアニオン界面活性剤を用いることで、洗浄時間が十分な標準コースと同等のソイルリリース剤による汚れ落ち効果を、洗浄時間が短くても得られることを見出した。従来、脂肪族炭化水素基を有するアニオン界面活性剤の親水基の結合位置により、ソイルリリース剤を配合した繊維製品用洗浄剤組成物の短時間での洗浄性が相違することは知られていなかった。
尚、本発明では、「洗浄時間が十分な標準コースと同等のソイルリリース剤による汚れ落ち効果を、洗浄時間が短くても達成できる」という意味を「ソイルリリース速度が速い」又は「ソイルリリース速度を向上できる」と表現する場合がある。
<(A)成分>
本発明の(A)成分は、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤である。
本発明では、炭素数が最も大きい脂肪族炭化水素の2位以上の炭素原子に、前記親水基が、炭素数1以上3以下のアルキレン基を介して、結合している構造を有するものを(A)成分とみなす。この場合、前記アルキレン基の炭素数と脂肪族炭化水素の炭素数の合計が16以上24である。
(A)成分は、脂肪族炭化水素において、親水基が2位以上の内部に存在することで、繊維製品、とりわけ化学繊維に付着した汚れのソイルリリース速度を向上する作用を有する。(B)成分によるソイルリリース速度をより向上できる観点から、(A)成分は、前記脂肪族炭化水素の、より内部の炭素原子、すなわちより大きな番号の位置に存在する炭素原子に、前記親水基が結合したアニオン界面活性剤が好ましい。
繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品に付着した汚れに選択的に吸着し汚れを洗浄液中に脱離しやすくなり、(B)成分によるソイルリリース速度を向上できる観点から、(A)成分は、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上4位以下炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤(A−1S)と、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の5位以上の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤(A−2S)との質量比が、(A−2S)/(A−1S)で、好ましくは0を超え5以下である。
(A)成分における、(A−2S)の含有量と、(A−1S)の含有量との質量比である、(A−2S)/(A−1S)は、(B)成分によるソイルリリース速度を向上できる観点から、好ましくは0を超え、より好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.25以上、より更に好ましくは0.35以上、より更に好ましくは0.40以上、より更に好ましくは0.50以上、より更に好ましくは0.60以上、より更に好ましくは0.70以上、より更に好ましくは0.80以上、より更に好ましくは0.90以上、そして、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
(A)成分の具体例としては、例えば以下の(a1)〜(a3)から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。(A)成分は、以下の(a1)から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好ましい。
(a1)炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸又はその塩〔以下、(a1)成分ともいう〕
(a2)下記一般式(a2)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩〔以下、(a2)成分ともいう〕
(a3)下記一般式(a3)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩〔以下、(a3)成分ともいう〕
Figure 2019099740
〔式中、R、Rは、それぞれ、直鎖アルキル基であり、RとRの炭素数の合計は15以上23以下である。Mは対イオンである。〕
Figure 2019099740
〔式中、R、Rは、それぞれ、炭素数6以上12以下の直鎖アルキル基であり、Xは炭素数1以上3以下のアルキレン基である。RとRとXは、RとRとCH−Xの炭素数の合計が16以上24以下となるように選択される。Mは対イオンである。〕
〔(a1)成分:炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩〕
(a1)成分は、炭素数16以上24以下の内部オレフィンをスルホン化して得ることができる。前記内部オレフィンとは二重結合が2位より内部に存在するオレフィンを表す。内部オレフィンは、例えば1−アルコールを脱水して得られた1−オレフィンを異性化して得ることができる。内部オレフィンをスルホン化すると、定量的にβ−サルトンが生成し、β−サルトンの一部は、γ−サルトン、オレフィンスルホン酸へと変化し、更にこれらは中和・加水分解工程においてヒドロキシアルカンスルホン酸塩と、オレフィンスルホン酸塩へと転換する(例えば、J. Am. Oil Chem. Soc. 69, 39(1992)) 。ここで、得られるヒドロキシアルカンスルホン酸塩のヒドロキシ基は、アルカン鎖の内部にあり、オレフィンスルホン酸塩の二重結合はオレフィン鎖の内部にある。また、得られる生成物は、主にこれらの混合物であり、またその一部には、炭素鎖の末端にヒドロキシ基を有するヒドロキシアルカンスルホン酸塩、又は炭素鎖の末端に二重結合を有するα−オレフィンスルホン酸塩が微量に含まれる場合もある。本明細書では、これらの各生成物及びそれらの混合物を総称して内部オレフィンスルホン酸塩((a1)成分)という。また、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩を内部オレフィンスルホン酸塩のヒドロキシ体(以下、HASともいう。)、オレフィンスルホン酸塩を内部オレフィンスルホン酸塩のオレフィン体(以下、IOSともいう。)という。
本発明において、(a1)成分は、前記HAS体におけるスルホン酸塩が炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素基の2位以上に存在する化合物を含む組成物の総称である。
なお、(a1)成分中のHAS体の質量比は、高速液体クロマトグラフィー質量分析計(以下、HPLC−MSと省略)により測定できる。具体的には、(a1)成分のHPLC−MSピーク面積から質量比を求めることができる。
繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品に付着した汚れに選択的に吸着し汚れを洗浄液中に脱離しやすくなり、(B)成分によるソイルリリース速度を向上できる観点から、好ましくは(a1)成分は、スルホン酸基が2位以上4位以下に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO−1S)と、スルホン酸基が5位以上に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO−2S)とを含み、(IO−2S)/(IO−1S)の質量比が好ましくは0.1以上5以下である。なお、(IO−2S)/(IO−1S)の質量比は、(A−2S)/(A−1S)の質量比に相当する。
(a1)成分における、(IO−2S)の含有量と、(IO−1S)の含有量との質量比である、(IO−2S)/(IO−1S)は、(B)成分によるソイルリリース速度を向上できる観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.25以上、より更に好ましくは0.35以上、より更に好ましくは0.40以上、より更に好ましくは0.50以上、より更に好ましくは0.60以上、より更に好ましくは0.70以上、より更に好ましくは0.80以上、より更に好ましくは0.90以上、そして、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
尚、(a1)成分中における、スルホン酸基の位置の異なる各化合物の含有量は、高速液体クロマトグラフィー質量分析計(以下、HPLC−MSと省略)により測定できる。本明細書におけるスルホン酸基の位置の異なる各化合物の含有量は、(a1)成分の全HAS体における、スルホン酸基が各位置にある化合物のHPLC−MSピーク面積に基づく質量比として求めるものとする。ここで、HAS体は、内部オレフィンスルホン酸のスルホン化により生成する化合物のうち、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、すなわち、内部オレフィンスルホン酸塩のヒドロキシ体である。
本発明において、スルホン酸基が2位以上4位以下に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO−1S)の含有量とは、炭素数16以上24以下のHAS体における、スルホン酸基が2位以上4位以下に存在する炭素数16以上24以下のスルホン酸塩のHPLC−MSのピーク面積に基づく数値を代表値とするものである。
また、スルホン酸基が5位以上に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO−2S)の含有量とは、炭素数16以上24以下のHAS体における、スルホン酸基が5位以上に存在する炭素数16以上24以下のスルホン酸塩のHPLC−MSのピーク面積に基づく数値を代表値とするものである。
なお、(a1)成分である内部オレフィンスルホン酸塩は、スルホン酸基が2位以上4位以下に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO−1S)と、スルホン酸基が5位以上に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO−2S)とを含んで構成される。内部オレフィンスルホン酸塩(IO−2S)におけるスルホン酸基の結合の位置の最大値は、炭素数により異なる。
(a1)成分についての質量比(IO−2S)/(IO−1S)は、最終的に得られた(a1)成分を基準とするものである。例えば、質量比(IO−2S)/(IO−1S)が前記範囲を外れる内部オレフィンスルホン酸塩を混合して得られた内部オレフィンスルホン酸塩であっても、内部オレフィンスルホン酸塩の組成において質量比(IO−2S)/(IO−1S)が前記範囲にある場合は、(A)成分の内部オレフィンスルホン酸塩に該当するものとする。
(a1)成分の内部オレフィンスルホン酸塩の炭素数は、16以上、そして、24以下、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16である。なお、(a1)成分の炭素数には、塩の部分の炭素の数は算入しない。すなわち、オレフィン部分の炭素数が(a1)成分の炭素数である。
内部オレフィンスルホン酸塩の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属(1/2原子)塩、アンモニウム塩又は有機アンモニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。有機アンモニウム塩としては、炭素数1以上6以下のアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。
(a1)成分には、スルホン酸塩の位置が炭素鎖の1位に存在する、いわゆるアルファオレフィンスルホン酸塩(以下、α−オレフィンスルホン酸塩ともいう。)を微量に含有するものも含まれる。該内部オレフィンスルホン酸塩中のα−オレフィンスルホン酸塩の含有量は、(B)成分によるソイルリリース速度を向上できる観点から含有量が制限され、含有量の上限として10質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下、そして、生産コストの低減、及び生産性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上である。
〔(a2)成分:前記一般式(a2)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩〕
(a2)成分は、前記一般式(a2)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩である。(a2)成分は、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上に硫酸エステル塩を有するアニオン界面活性剤であり、繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品に付着した汚れに吸着し汚れを洗浄液中に脱離しやすくすることで、(B)成分によるソイルリリース速度を向上することができる。
(a2)成分としては、R−CH(OH)−Rで表される炭素数16以上24以下のアルコールの硫酸エステル又はその塩を挙げることができる。(a2)成分の炭素数は、好ましくは16以上18以下である。この炭素数は、一般式(a2)のR−CH(R)−部分の炭素数である。
一般式(a2)中、Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオン、又は有機アンモニウムイオンが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。有機アンモニウムイオンとしては、炭素数1以上6以下のアルカノールアンモニウムイオンが挙げられる。
〔(a3)成分:前記一般式(a3)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩〕
(a3)成分は、前記一般式(a3)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩である。(a3)成分は、繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品に付着した汚れに吸着し汚れを洗浄液中に脱離しやすくすることで、(B)成分によるソイルリリース速度を向上できる。
一般式(a3)中、R、Rは、それぞれ、炭素数6以上12以下の直鎖アルキル基である。また、Xは炭素数1以上3以下のアルキレン基である。RとRとXは、RとRとCH−Xの炭素数の合計が16以上24以下となるように選択される。一般式(a3)中、R、Rは、それぞれ、炭素数が偶数の直鎖アルキル基が好ましい。Xは炭素数1のアルキレン基が好ましい。(a3)成分の炭素数は、好ましくは16以上20以下である。この炭素数は、一般式(a3)のR−CH(R)−X−部分の炭素数である。
一般式(a3)中、Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオン、又は有機アンモニウムイオンが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。有機アンモニウムイオンとしては、炭素数1以上6以下のアルカノールアンモニウムイオンが挙げられる。
(a3)成分において、例えば−X−がメチレン基である化合物は、直鎖の一級アルコールを、例えばKOH/ZnO触媒の存在下で、ゲルベ縮合(二量化)させることによって得られた一級ゲルベアルコールを、公知の方法、例えば連続薄膜式硫酸化反応機で、希釈亜硫酸ガスで硫酸化を行い、反応物を水酸化ナトリウム等のアルカリ剤で中和することによって得ることができる。
<(B)成分>
(B)成分は、ソイルリリース剤である。「ソイルリリース剤」なる用語は、汚れ放出剤を差す場合に用いられることもある。ソイルリリース剤は、繊維製品の着用などの使用前に予め繊維製品にソイルリリース剤を付着させることで、繊維製品の使用時に汚れが付着しても、使用後の洗浄で、繊維製製品からの汚れの脱離がより向上できる化合物として知られている。本発明において、ソイルリリース剤を繊維製品用洗浄剤組成物に含まれる成分の一つとして使用することで、繊維製品の洗浄とソイルリリース剤の繊維製品への付着を同時に行うことができ効率的である。
(B)成分は、(A)成分の存在下で洗浄後、繊維製品に吸着することができれば、特に例示は限定されるものではない。(B)成分としては、例えば(b1)成分として、カチオン基及び炭素数1以上18以下の炭化水素基から選ばれる1種以上の基を有する多糖誘導体の1種又は2種以上、(b2)成分として、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位から選ばれる1種又は2種の単位、並びにオキシアルキレン単位を有する重合体の1種又は2種以上、及び(b3)成分として、ポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレンイミンポリマーの1種又は2種以上、から選ばれる1種以上のソイルリリース剤が挙げられる。(B)成分は、(b1)成分から選ばれる1種以上のソイルリリース剤が好ましい。
〔(b1)成分:炭素数1以上18以下の炭化水素基及びカチオン基から選ばれる1種以上の基を有する多糖誘導体の1種又は2種以上〕
(b1)成分は、炭素数1以上18以下の炭化水素基及びカチオン基から選ばれる1種以上の基を有する多糖誘導体の1種又は2種以上である。
本発明の(b1)成分は、(b)成分の前駆化合物である多糖又はその誘導体の水酸基から水素原子を除いた基に、直接又は連結基を介してカチオン基及び炭素数1以上18以下の炭化水素基から選ばれる1種以上の基が結合した多糖誘導体であることを特徴とする。尚、前記の「多糖又はその誘導体の水酸基から水素原子を除いた基に、直接又は連結基を介してカチオン基及び炭素数1以上18以下の炭化水素基から選ばれる1種以上の基が結合している」には、多糖又はその誘導体の水酸基から水素原子を除いた基、即ち酸素原子に、カチオン基のカチオン原子、例えば窒素カチオンが直接共有結合する結合様式は含まない。
多糖としては、例えばセルロース、グアーガム又はスターチから選ばれる1種以上の多糖が挙げられる。(b1)成分は多糖誘導体であるが、これを得るための前駆化合物として多糖誘導体を用いることができる。すなわち、(b1)成分は、多糖誘導体の誘導体であってよい。(b1)成分の前駆化合物である多糖誘導体としては、前記多糖の水酸基の水素原子の一部又は全部が炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基で置換された多糖誘導体(以下、ヒドロキシアルキル置換体ともいう)が挙げられる。炭素数1以上4以下のヒドロキシアルキル基は、好ましくは炭素数2以上4以下のヒドロキシアルキル基が好ましい。炭素数2以上4以下のヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基及びヒドロキシブチル基から選ばれる1種以上の基が挙げられ、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる1種以上の基が好ましい。(b1)成分は、セルロース、グアーガム又はスターチから選ばれる1種以上の多糖又はそれらのヒドロキシアルキル置換体から選ばれる多糖又は多糖誘導体に、炭素数1以上18以下の炭化水素基及びカチオン基から選ばれる1種以上の基が導入された化合物であってよい。
(b1)成分の中で、炭素数1以上18以下の炭化水素基を有する多糖誘導体は、(b1)成分の前駆化合物である多糖又はその誘導体に、直接又は連結基〔以下、連結基(1)成分という〕を介して、炭素数1以上18以下の炭化水素基が結合した多糖誘導体が挙げられる。
前記の連結基(1)は、ヒドロキシ基を有していても良い炭素数1以上3以下のアルキレンオキシ基、アルキレン基が炭素数1以上3以下のアルキレン基であるポリオキシアルキレン基、カルボニル基、カルボニルオキシ基及びオキシカルボニル基から選ばれる1種以上の基が挙げられる。一つの連結基(1)は、前記の連結基の1種類であっても良く、複数種類組み合わされていても良い。また、多糖誘導体中に含まれる連結基は1種類でも良く、複数種類でも良い。
本発明において、連結基(1)が有する酸素原子に前記炭化水素基が連結されている場合は、(b)成分が有する炭化水素基の炭素数は、酸素原子に結合した前記炭化水素基の炭素数を表す。前記炭化水素基がカルボニル基を介して連結している場合には、アシル基が結合した構造となり、この場合は、(b)成分が有する炭化水素基の炭素数は、アシル基の炭素数を表す。カルボニルオキシ基及びオキシカルボニル基を介して連結している場合も、同様に、それらの炭素数を含む。多糖又は多糖誘導体に炭化水素基を導入する場合に、1,2−エポキシアルカンを使用した場合には、エポキシ基から生じたエーテル基に結合する脂肪族炭化水素基の炭素数を表す。エポキシ基部分は連結基(1)となる。例えば1,2−エポキシテトラデカンを用いて、多糖又は多糖誘導体に炭化水素基を導入した場合の炭化水素基の炭素数は12とする。すなわち、多糖又は多糖誘導体の水酸基に連結基(1)であるオキシエチレン基が結合し、該連結基を介して炭素数12のアルキル基(ドデシル基)が結合する。アルキルグリシジルエーテルを用いる場合も同様である。
(b1)成分の中で、炭素数1以上18以下の炭化水素基を有する多糖誘導体は、更に前記ヒドロキシアルキル置換体の一部又は全ての水酸基から水素原子を除いた酸素原子に、直接又は連結基(1)を介して、好ましくは連結基(1)を介して、炭素数1以上18以下の炭化水素基が結合した多糖誘導体が挙げられる。
炭素数1以上18以下の炭化水素基は、(b1)成分に疎水性の性質を付与し、繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品に対する吸着性をより向上することで、繊維製品の汚れが落ちやすい性質を向上できる点で好ましい。繊維製品に付着した汚れを落としやすくする観点で、炭素数1以上18以下の炭化水素基の炭素数は、好ましくは2以上であり、更に好ましくは4以上であり、更に好ましくは6以上であり、より更に好ましくは8以上であり、より更に好ましくは10以上であり、そして、好ましくは16以下であり、より好ましくは14以下である。また、(b1)成分が付着した繊維製品の使用時に汚れが付着し、次の洗浄操作で繊維製品から(b1)成分と共に汚れを除去しやすくする観点から、(b1)成分が有する炭化水素基の炭素数と、(A)成分の親水基が結合している炭素原子から数えて最も長い炭素数がほぼ近くなることで、(b1)成分を汚れと共に繊維製品から除去する点で好ましい。炭化水素基は、(A)成分との相互作用しやすい点で、脂肪族炭化水素基が好ましい。
(b1)成分である、炭素数1以上18以下の炭化水素基を有する多糖誘導体は、炭素数1以上18以下の炭化水素基の置換度は、(A)成分の炭化水素基と相互作用し、繊維製品から汚れと共に脱離しやすくする観点から、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.001以上、更に好ましくは0.005以上であり、そして、繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品から除去されやすい観点から、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.2以下、更に好ましくは0.1以下、より更に好ましくは0.08以下、より更に好ましくは0.06以下である。
(b1)成分の中で、カチオン基から選ばれる1種以上の基を有する多糖誘導体は、(b1)成分の前駆化合物である多糖又はその誘導体、好ましくは前記ヒドロキシアルキル置換体が有する水酸基から水素原子を除いた基に、連結基である、水酸基を含んでいてもよい炭素数1以上4以下のアルキレン基〔以下、連結基(2)という〕を介して、カチオン基が結合している多糖誘導体が挙げられる。
カチオン基は、窒素カチオンを含む基が好ましく、(A)成分との相互作用により、繊維製品から脱離しやすい点で第4級アンモニウム基であることがより好ましい。
連結基(2)は、水酸基を含んでいてもよい炭素数1以上4以下のアルキレン基である。炭素数1以上4以下のアルキレン基としては、水酸基を含んでいても良い直鎖の炭素数1以上4以下のアルキレン基及び水酸基を含んでいても良い分岐鎖の炭素数1以上4以下のアルキレン基から選ばれる1種以上のアルキレン基が挙げられる。
カチオン基が第4級アンモニウム基である場合、該第4級アンモニウム基に結合した連結基(2)以外の3つの炭化水素基は、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基が挙げられる。炭素数1以上4以下の直鎖の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びn−ブチル基が挙げられる。炭素数1以上4以下の分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基が挙げられる。炭素数1以上4以下の直鎖の炭化水素基としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
第4級アンモニウム基の対イオンは、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1以上3以下の脂肪酸イオン、及びハロゲン化物イオンから選ばれる1種以上の対イオンが挙げられる。これらの中でも、製造の容易性及び原料入手容易性の観点から、好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル硫酸イオン、硫酸イオン、及びハロゲン化物イオンから選択される1種以上、より好ましくはハロゲン化物イオンである。ハロゲン化物イオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、及びヨウ化物イオンが挙げられる。(b1)成分の多糖誘導体の水溶性及び化学的安定性の観点から、好ましくは塩化物イオン及び臭化物イオンから選択される1種以上、より好ましくは塩化物イオンである。なお、対イオンは1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
(b1)成分の、カチオン基を有する多糖誘導体のカチオン基の置換度は、ソイルリリース速度の向上の観点から、置換度の値は低い方が好ましい。(b1)成分である、カチオン基を有する多糖誘導体のカチオン基の置換度は、前記の観点から、好ましくは1以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.4以下、より更に好ましくは0.35以下、より更に好ましくは0.3以下、より更に好ましくは0.25以下、より更に好ましくは0.2以下、より更に好ましくは0.15以下であり、0であっても良い。
本発明において、(b1)成分の、炭素数1以上18以下の炭化水素基及びカチオン基から選ばれる1種以上の基の置換度は、それぞれ、構成単糖単位あたりの当該基の置換数、すなわち、モル平均の置換度(MS)を意味する。例えば、多糖がセルロースの場合には、「基の置換度」は、アンヒドログルコース単位1モルに対して導入された当該基の平均モル数を意味する。多糖誘導体のカチオン基の置換度、及び炭素数1以上18以下の炭化水素基の置換度は、それぞれ、実施例に記載の方法で求められる。
(b1)成分は、炭素数1以上18以下の炭化水素基及びカチオン基の両方を有する多糖誘導体であってもよい。この場合のそれぞれの基の置換度は、前記の通りである。
(b1)成分は、アニオン基を有することもできるが、(b1)成分におけるアニオン基の置換度と、カチオン基の置換度及び炭素数1以上18以下の炭化水素基の置換度の合計との比は、アニオン基の置換度/(カチオン基の置換度+炭素数1以上18以下の炭化水素基の置換度)で、洗浄性能の観点から、好ましくは3以下であり、より好ましくは1.7以下、更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1以下、より更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.1以下であり、0以上であってもよく、0であることが好ましい。
本発明の(b1)成分の前駆化合物である多糖又はその誘導体の重量平均分子量は、洗浄性能を向上させる観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは1万以上、更に好ましくは3万以上、より更に好ましくは5万以上、より更に好ましくは7万以上、より更に好ましくは10万以上、より更に好ましくは30万以上、より更に好ましくは50万以上であり、そして、取扱いの容易性の観点から、好ましくは300万以下、より好ましくは250万以下である。この前駆化合物の重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によるポリエチレングリコール換算により算出することができる。
〔(b2)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位から選ばれる1種又は2種の単位、並びにオキシアルキレン単位を有する重合体〕
本発明の(b2)成分は、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位から選ばれる1種又は2種の単位、並びにオキシアルキレン単位を有する重合体である。
アルキレンテレフタレート単位としては、エチレンテレフタレート単位、プロピレンテレフタレート単位及びブチレンテレフタレート単位から選ばれる1種以上が挙げられ、これらの中でもエチレンテレフタレート単位が好ましい。
アルキレンイソフタレート単位としては、エチレンイソフタレート単位、プロピレンイソフタレート単位及びブチレンイソフタレート単位から選ばれる1種以上が挙げられ、これらの中でもエチレンイソフタレート単位が好ましい。
ポリオキシアルキレン単位としては、ポリオキシエチレン単位、ポリオキシプロピレン単位及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位から選ばれる1種以上が挙げられる。
オキシアルキレン単位と、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位から選ばれる1種以上の単位とのモル比である、(オキシアルキレン単位のモル数)/(アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位から選ばれる1種以上の単位のモル数)は、洗浄性能がより向上できる観点で、好ましくは0.6以下であり、より好ましくは0.5以下であり、更に好ましくは0.4以下であり、そして、好ましくは0以上であり、より好ましくは0.1以上である。
(b2)成分の重量平均分子量は、(b2)成分によるソイルリリース速度を向上できる観点から、好ましくは300以上であり、より好ましくは500以上であり、更に好ましくは1000以上であり、そして、好ましくは20000以下であり、より好ましくは15000以下である。なお、(b2)成分の重量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)における較正曲線に基づいて換算した値を示す。
〔(b3)成分:ポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレンイミンポリマー〕
(b3)成分は、ポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレンイミンポリマーポリマーである。
ポリオキシアルキレン基のオキシアルキレン基としては、炭素数2以上3以下のオキシアルキレン基、具体的にはオキシエチレン基及びオキシプロピレン基から選ばれる1種以上の基が挙げられる。ポリアルキレンイミンのアルキレン基としては、炭素数2以上6以下のアルキレン基が挙げられる。より具体的には、エチレン基、各種結合様式を有するブチレン基から選ばれる1種以上が挙げられる。ポリアルキレンイミンに結合するポリオキシアルキレン基の数は、ポリアルキレンイミンの活性水素1つに対し、好ましくは平均3以上100以下のポリオキシアルキレン基が結合することが好ましい。ポリアルキレンイミンポリマーの重量平均分子量としては、(b3)成分によるソイルリリース速度を向上できる観点から、好ましくは300以上であり、より好ましくは500以上であり、更に好ましくは1000以上であり、そして、好ましくは100万以下であり、より好ましくは50万以下であり、更に好ましくは10万以下である。
<繊維>
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物で洗浄する繊維製品を構成する繊維は、化学繊維、天然繊維のいずれでも良い。化学繊維としては、例えば、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)などが挙げられる。天然繊維としては、種子毛繊維(綿、もめん、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が挙げられる。本発明の対象となる繊維は、化学繊維であることが好ましい。
<繊維製品>
本発明において繊維製品とは、前記の化学繊維や天然繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、ワイシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を意味する。本発明の(A)成分と併用することによる、ソイルリリース剤による洗浄性の向上が、より実感しやすい観点から、繊維製品は化学繊維を含む繊維製品であることが好ましい。繊維製品中の化学繊維の含有量は、本発明の(A)成分と併用することによる、ソイルリリース剤による洗浄性をより向上できる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上、そしてより更に好ましくは100質量%以下である。繊維製品中の化学繊維の含有量は100質量%であっても良い。
<組成等>
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(1)水に希釈して用いる用途である繊維製品用洗浄剤組成物〔以下、繊維製品用洗浄剤組成物(1)という〕であっても良く、(2)繊維製品用洗浄剤組成物をそのまま洗浄液として繊維製品を洗浄する繊維製品用洗浄剤組成物〔以下、繊維製品用洗浄剤組成物(2)という〕であっても良い。本明細書において、「繊維製品用洗浄剤組成物」又は「本発明の繊維製品用洗浄剤組成物」という場合、これら、繊維製品用洗浄剤組成物(1)、(2)を含む。
繊維製品用洗浄剤組成物(1)中の(A)成分の含有量は、繊維の洗浄に際し、繊維製品用洗浄剤組成物(1)の質量あたりの洗浄性がより向上する観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、そして、低温環境下における当該組成物(1)中の固形物の析出の抑制又は分離の抑制の観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
また、繊維製品用洗浄剤組成物(2)中の(A)成分の含有量は、繊維の洗浄に際し、洗浄性がより向上する観点から、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、経済性の観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下である。
なお、繊維製品用洗浄剤組成物(1)又は繊維製品用洗浄剤組成物(2)など、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物に含まれる(A)成分の含有量は、対イオンをナトリウムイオンに換算して算出した値に基づくものとする。すなわち、ナトリウム塩換算での含有量である。
本発明では、(B)成分によるソイルリリース速度を向上できる観点から、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物中に含まれる全アニオン界面活性剤中の、(A)成分の割合が、50質量%以上、更に60質量%以上、更に70質量%以上、更に80質量%以上、そして、100質量%以下であることが好ましい。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物(1)中の(B)成分の含有量は、繊維製品用洗浄剤組成物(1)の質量あたりの(B)成分によるソイルリリース速度を向上できる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下である。
また、繊維製品用洗浄剤組成物(2)中の(B)成分の含有量は、繊維の洗浄に際し、ソイルリリース速度を向上する観点から、好ましくは0.1mg/kg以上、より好ましくは0.5mg/kg以上、更に好ましくは1.0mg/kg以上、より更に好ましくは3.0mg/kg以上、そして、経済性の観点から、好ましくは800mg/kg以下、より好ましくは500mg/kg以下、更に好ましくは100mg/kg以下、より更に好ましくは50mg/kg以下、より更に好ましくは30mg/kg以下、より更に好ましくは10mg/kg以下、より更に好ましくは5mg/kg以下である。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物中の(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比である、(A)成分の含有量/(B)成分の含有量が、再汚染防止性を高める観点から、好ましくは2以上であり、より好ましくは5以上であり、更に好ましくは7以上であり、より更に好ましくは10以上であり、そして、(B)成分のソイルリリース速度を向上する観点から、好ましくは100以下であり、より好ましくは80以下であり、更に好ましくは60以下であり、より更に好ましくは40以下である。
る。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は水を含有することができる。例えば、本発明の組成物の4℃以上40℃以下における性状を液体状態とする為に、水を含有することが出来る。水は脱イオン水(イオン交換水とも言う場合もある)や次亜塩素酸ソーダをイオン交換水に対して1mg/kg以上5mg/kg以下、添加した水を使用することが出来る。また、水道水も使用できる。水の含有量は、組成物中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
<任意成分>
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(C)成分として、ノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。(C)成分は前述の(B)成分と協働して、繊維製品に付着した汚れの洗浄性を高める点で、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物に含有することが好ましい。(C)成分は、(B)成分と協働して、繊維製品に付着した汚れの洗浄性をより高める観点で、水酸基及びポリオキシアルキレン基から選ばれる1種以上の基を有するノニオン界面活性剤が好ましい。(C)成分は、ポリオキシアルキレン基を有しHLBが7以上20以下のノニオン界面活性剤が好ましい。(B)成分と協働して繊維製品に付着した汚れの洗浄性をより高める観点で、好ましいHLBは8以上であり、より好ましくは9以上であり、更に好ましくは10以上であり、そして、好ましくは20以下であり、より好ましくは19以下である。
ポリオキシエチレン基を含む(C)成分のHLBは、下記式で表されるグリフィン(Griffin)によるHLBで求められる。
HLB(グリフィン)=〔(ポリオキシエチレン基の分子量)/((C)成分の分子量)〕×20
尚、ポリオキシエチレン基の分子量は、ポリオキシエチレン基の平均付加モル数の値を用いて算出するものとする。
また、ポリオキシエチレン基を含まない(C)成分のHLBはデービス(Davis)のHLBで求めることが出来る。
より具体的な(C)成分は、HLBが好ましくは7以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは9以上、より更に好ましくは10以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは19以下であり、且つ下記一般式(C)で表されるノニオン界面活性剤が挙げられる。
(CO)O−(AO)−R (C)
〔式中、Rは炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、COはカルボニル基であり、mは0又は1の数であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基であり、nは平均付加モル数であって、3以上50以下の数である。〕
一般式(C)中、Rは炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基である。他の構造が同じであれば、Rの炭素数が長くなるほどHLBの値は低くなり、また短い方がHLBの値が高くなる。繊維製品に付着した汚れをより落としやすくする点で、Rの炭素数は、9以上であり、10以上が好ましく、11以上がより好ましく、そして、好ましくは18以下であり、より好ましくは16以下であり、更に好ましくは15以下であり、より更に好ましくは14以下である。Rの脂肪族炭化水素基としては、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(C)中、AO基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であってもよい。(B)成分によるソイルリリース性を更に高める観点から、AO基はエチレンオキシ基を含む基であることが好ましい。エチレンオキシ基はプロピレンオキシ基よりもHLBの値が高くなる。
一般式(C)中、nは平均付加モル数であって、3以上50以下の数である。他の構造が同じであれば、nの数が大きくなる程HLBの値は高くなり、小さくなる程HLBの値は低くなる。(A)成分による繊維製品の柔軟化効果を阻害しにくい点で、好ましくは、nは4以上であり、より好ましくは5以上であり、更に好ましくは6以上である。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物が(C)成分を含有する場合、該組成物中の(C)成分の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物が(C)成分を含有する場合、(B)成分と協働して繊維製品に付着した汚れの洗浄性をより高める観点から、(C)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比(C)/(B)が、好ましくは2以上であり、より好ましくは10以上であり、更に好ましくは20以上であり、より更に好ましくは30以上であり、そして、好ましくは100以下であり、より好ましくは90以下であり、更に好ましくは80以下である。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、(D)成分として(A)成分以外のアニオン界面活性剤を含有することが出来る。
(D)成分として、下記(d1)成分、(d2)成分、(d3)成分及び(d4)成分から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。
(d1)成分:アルキル又はアルケニル硫酸エステル塩(但し、(A)成分を除く)
(d2)成分:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩(但し、(A)成分を除く)
(d3)成分:スルホン酸塩基を有するアニオン界面活性剤(但し、(A)成分を除く)
(d4)成分:脂肪酸又はその塩
(d1)成分として、より具体的には、アルキル基の炭素数が10以上18以下のアルキル硫酸エステル塩、及びアルケニル基の炭素数が10以上18以下のアルケニル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。洗浄性の向上の観点から、(d1)成分は、アルキル基の炭素数が12以上14以下のアルキル硫酸塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好ましく、アルキル基の炭素数が12以上14以下のアルキル硫酸ナトリウムから選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤がより好ましい。
(d2)成分として、より具体的には、アルキル基の炭素数が10以上18以下、アルキレンオキシド平均付加モル数が1以上3以下のポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、及びアルケニル基の炭素数が10以上18以下、及びアルキレンオキシド平均付加モル数が1以上3以下のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。洗浄性の向上の観点から、(d2)成分は、エチレンオキシドの平均付加モル数が1以上2.2以下であるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が12以上14以下でかつ、エチレンオキシドの平均付加モル数が1以上2.2以下であるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩がより好ましく、さらに、これらのナトリウム塩が更に好ましい。
(d3)成分であるスルホン酸塩基を有するアニオン界面活性剤とは、親水基としてスルホン酸塩を有するアニオン界面活性剤を表す(但し、(A)成分を除く)。
(d3)成分として、より具体的には、アルキル基の炭素数が10以上18以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルケニル基の炭素数が10以上18以下のアルケニルベンゼンスルホン酸塩、アルキル基の炭素数が10以上18以下のアルカンスルホン酸塩、α−オレフィン部分の炭素数が10以上14以下のα−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸部分の炭素数が10以上18以下のα−スルホ脂肪酸塩、及び脂肪酸部分の炭素数が10以上18以下であり、エステル部分の炭素数が1以上5以下であるα−スルホ脂肪酸低級アルキルエステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。洗浄性の向上の観点から、(d3)成分は、アルキル基の炭素数が11以上14以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が11以上14以下のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
(d4)成分である脂肪酸又はその塩としては、炭素数10以上20以下の脂肪酸又はその塩が挙げられる。(A)成分による繊維の柔軟化効果をより高める観点から、(d4)成分の炭素数は、10以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、そして、20以下、好ましくは18以下である。
(d1)成分〜(d4)成分であるアニオン界面活性剤の塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物が(D)成分を含有する場合、ソイルリリース速度を向上できる観点から、該組成物中の(D)成分の含有量と(A)成分の含有量との質量比は、(D)成分の含有量/(A)成分の含有量で、好ましくは2以下であり、より好ましくは1.5以下であり、更に好ましくは1.2以下であり、そして0を超え、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上である。
この他に、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物には、下記(e1)〜(e7)成分を配合しても良い。
(e1)ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロースなどの再汚染防止剤及び分散剤を組成物中0.01質量%以上10質量%以下
(e2)過酸化水素、過炭酸ナトリウム又は過硼酸ナトリウム等の漂白剤を組成物中0.01質量%以上10質量%以下
(e3)テトラアセチルエチレンジアミン、特開平6−316700号の一般式(I−2)〜(I−7)で表される漂白活性化剤等の漂白活性化剤を組成物中0.01質量%以上10質量%以下、
(e4)セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼから選ばれる1種以上の酵素、好ましくはアミラーゼ及びプロテアーゼから選ばれる1種以上の酵素を組成物中0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、2質量%以下、好ましくは1質量%以下
(e5)蛍光染料、例えばチノパールCBS(商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)やホワイテックスSA(商品名、住友化学社製)として市販されている蛍光染料を組成物中0.001質量%以上1質量%以下
(e6)ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を組成物中0.01質量%以上2質量%以下
(e7)色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤を適量。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(A)成分、及び(B)成分、並びに(C)成分などの任意成分を配合してなる繊維製品用洗浄剤組成物であってもよい。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、液体であることが好ましい。本発明の繊維製品用洗浄剤組成物が液体である場合の20℃におけるpHは、低温環境下における当該組成物中の固形物の析出の抑制又は分離の抑制の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8.5以下である。pHは、下記に記載のpHの測定法に従って測定する。
<pHの測定法>
pHメーター(HORIBA製 pH/イオンメーター F−23)にpH測定用複合電極(HORIBA製 ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を投入する。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33モル/L)を使用する。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬する。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行う。測定対象となるサンプルを25℃に調整し、前記のpHメーターの電極をサンプルに浸漬し、1分後のpHを測定する。
本発明は、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物及び水を含有する洗浄液で繊維製品を洗浄する、繊維製品の洗浄方法を提供する。この洗浄方法には、本発明液の繊維製品用洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。前記洗浄液中の(A)成分の含有量は、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下である。また、洗浄液中の(B)成分の含有量は、繊維の洗浄に際し、ソイルリリース速度を向上する観点から、好ましくは0.1mg/kg以上、より好ましくは0.5mg/kg以上、更に好ましくは1.0mg/kg以上、より更に好ましくは3.0mg/kg以上、そして、経済性の観点から、好ましくは800mg/kg以下、より好ましくは500mg/kg以下、更に好ましくは100mg/kg以下、より更に好ましくは50mg/kg以下、より更に好ましくは30mg/kg以下、より更に好ましくは10mg/kg以下、より更に好ましくは5mg/kg以下である。前記洗浄液は、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物(2)であってもよい。また、前記洗浄液は、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物(1)を希釈して調製してもよい。
本発明の繊維製品の洗浄方法に使用する水は、硬度を有する水が好ましい。水の硬度は、繊維製品に対する風合い付与効果をより向上できる観点から、ドイツ硬度で、好ましくは1°dH以上、より好ましくは2°dH以上、更に好ましくは3.5°dH以上、より更に好ましくは5°dH以上、より更に好ましくは7°dH以上、そして、好ましくは20°dH以下、より好ましくは18°dH以下、更に好ましくは15°dH以下である。ここで、本明細書におけるドイツ硬度(°dH)とは、水中におけるカルシウム及びマグネシウムの濃度を、CaCO換算濃度で1mg/L(ppm)=約0.056°dH(1°dH=17.8ppm)で表したものを指す。
このドイツ硬度のためのカルシウム及びマグネシウムの濃度は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を使用したキレート滴定法で求められる。
本明細書における水のドイツ硬度の具体的な測定方法を下記に示す。
<水のドイツ硬度の測定方法>
〔試薬〕
・0.01mol/l EDTA・2Na溶液:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの0.01mol/l水溶液(滴定用溶液、0.01 M EDTA-Na2、シグマアルドリッチ(SIGMA-ALDRICH)社製)
・Universal BT指示薬(製品名:Universal BT、(株)同仁化学研究所製)
・硬度測定用アンモニア緩衝液(塩化アンモニウム67.5gを28w/v%アンモニア水570mlに溶解し、イオン交換水で全量を1000mlとした溶液)
〔硬度の測定〕
(1)試料となる水20mlをホールピペットでコニカルビーカーに採取する。
(2)硬度測定用アンモニア緩衝液2ml添加する。
(3)Universal BT指示薬を0.5ml添加する。添加後の溶液が赤紫色であることを確認する。
(4)コニカルビーカーをよく振り混ぜながら、ビュレットから0.01mol/l EDTA・2Na溶液を滴下し、試料となる水が青色に変色した時点を滴定の終点とする。
(5)全硬度は下記の算出式で求める。
硬度(°dH)=T×0.01×F×56.0774×100/A
T:0.01mol/l EDTA・2Na溶液の滴定量(mL)
A:サンプル容量(20mL、試料となる水の容量)
F:0.01mol/l EDTA・2Na溶液のファクター
本発明で用いられる洗浄液は、(A)成分、(B)成分、及びドイツ硬度が1°dH以上20°dH以下の水を混合して得られた洗浄液が好ましい。また、前記洗浄液は、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物(1)を、ドイツ硬度が1°dH以上20°dH以下の水を混合して得られた洗浄液であってもよい。
本発明の繊維製品の洗浄方法において、繊維製品の質量(kg)と洗浄液の量(リットル)の比で表される浴比の値、すなわち洗浄液の量(リットル)/繊維製品の質量(kg)(以下、この比を浴比とする場合もある)の値は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、より更に好ましくは5以上、そして、好ましくは400以下、より好ましくは300以下である。
本発明の繊維製品の洗浄方法において、繊維製品を洗浄する時間は、繊維製品に対する風合い付与効果をより向上できる観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、更に好ましくは3分以上、そして、好ましくは12時間以下、より好ましくは8時間以下、更に好ましくは6時間以下、より更に好ましくは3時間以下、より更に好ましくは1時間以下である。
本発明の衣料を洗浄する方法は、回転式洗浄方法にも適している。回転式洗浄方法とは、回転機器に固定されていない繊維製品が洗浄液と共に、回転軸の周りに回転する洗浄方法を意味する。回転式洗浄方法は回転式洗濯機により実施できる。回転式の洗濯機としては、具体的には、ドラム式洗濯機、パルセータ式洗濯機又はアジテータ式洗濯機が挙げられる。これらの回転式洗濯機は、それぞれ、家庭用として市販されているものを使用することができる。1回の洗濯に使用する水の量がより低減できる点で、近年、ドラム式洗濯機が急速に普及している、ドラム式洗濯機は、とりわけ洗浄時の水の量を低減できる。
<配合成分>
〔(A)成分〕
・(a−1):表1の(a−1)の内部オレフィンスルホン酸ナトリウム
・(a−2):表1の(a−2)の内部オレフィンスルホン酸ナトリウム
・(a−3):表1の(a−3)の内部オレフィンスルホン酸ナトリウム
・(a−4):炭素数16のゲルベアルキル硫酸ナトリウム
表1に、実施例で用いた(a−1)、(a−2)及び(a−3)の内部オレフィンスルホン酸ナトリウムのスルホン酸基の結合分布を示した。
表1記載の内部オレフィンスルホン酸ナトリウムは、二重結合位置が異なる内部オレフィンをスルホン化する事で得た。スルホン化後の中和は水酸化ナトリウムを用いた。スルホン酸基が結合している内部オレフィンスルホン酸塩の含有割合は、高速液体クロマトグラフィー/質量分析計(HPLC−MS)により測定した。具体的には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりスルホン酸基が結合しているヒドロキシ体を分離し、それぞれを質量分析計(MS)にかけることで同定した。結果、そのHPLC-MSピーク面積から各々の割合を求めた。本明細書においては、ピーク面積から求めた各々の割合を質量割合として算出した。
尚、測定に使用した装置及び条件は次の通りであった。HPLC装置「LD20ASXR」((株)島津製作所製)、カラム「ODS Hypersil(登録商標)」(4.6×250mm、粒子サイズ:3μm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)、サンプル調製(メタノールで1000倍希釈)、溶離液A(10mM酢酸アンモニウム添加水)、溶離液B(10mM酢酸アンモニウム添加 メタクリロニトリル/水=95/5(v/v)溶液)、グラジェント(0分(A/B=60/40)→15.1〜20分(30/70)→20.1〜30分(60/40)、MS装置「LCMS−2020」((株)島津製作所製)、ESI検出(陰イオン検出m/z:321.10(炭素数16又は18の(A)成分))、カラム温度(40℃)、流速(0.5mL/min)、インジェクション容量(5μL)
〔(A’)成分:(A)成分の比較成分〕
・(a’−1):特開2014−167106号公報の製造例2の化合物(炭素数14の内部オレフィンスルホン酸ナトリウム)を用いた。
・(a’−2):炭素数16のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム
〔(B)成分〕
・(b−1)の合成
ヒドロキシエチルセルロース(Ashland社、Natrosol 250 JR、重量平均分子量:15万、ヒドロキシエチル基の置換度(MS):2.5)90gを1Lセパラフラスコに入れ、窒素フローを行った。イオン交換水77.2g、イソプロピルアルコール(以下IPAという)414.5gを加え、5分間撹拌した後、48%水酸化ナトリウム水溶液10.9gを加え、更に15分間撹拌した。次に、ラウリルグリシジルエーテル(四日市合成(株)、LA−EP)3.6gを加え、80℃で13時間アルキル化反応を行った。更にグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(阪本薬品工業(株)、SY−GTA80)14.5gを加え、50℃で1.5時間カチオン化反応を行った。その後、90%酢酸水溶液10.9gを加え、30分撹拌することで中和反応を行った。
得られた懸濁液を500mLの遠沈管2本に均等に移し替え、高速冷却遠心機(日立工機(株)、CR21G III)を用いて遠心分離を行った。上澄みをデカンテーションにより取り除き、取り除いた上澄みと同量の85%IPA水溶液を加え、再分散を行った。再度、遠心分離と再分散の操作を繰り返し、3回目の遠心分離を行った後に沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を真空乾燥機(アドバンテック社、VR−420)を用いて80℃で一晩減圧乾燥し、エクストリームミル(ワーリング社、MX−1200XTM)により解砕することで、粉末状のセルロース誘導体組成物として(b−1)を得た。得られた(b−1)のラウリル基の置換度は0.018であり、カチオン基の置換度は0.109であった。
・(b−2)の合成
ヒドロキシエチルセルロース(Ashland社、Natrosol 250 GR、重量平均分子量:30万、ヒドロキシエチル基の置換度(MS):2.5)90gを1Lセパラフラスコに入れ、窒素フローを行った。イオン交換水77.2g、イソプロピルアルコール(以下IPAという)414.5gを加え、5分間撹拌した後、48%水酸化ナトリウム水溶液10.9gを加え、更に15分間撹拌した。次に、1,2−エポキシテトラデカン(和光純薬工業(株))30.1gを加え、80℃で13時間アルキル化反応を行った。その後、90%酢酸水溶液10.9gを加え、30分撹拌することで中和反応を行った。
得られた懸濁液を500mLの遠沈管2本に均等に移し替え、高速冷却遠心機(日立工機(株)、CR21G III)を用いて遠心分離を行った。上澄みをデカンテーションにより取り除き、取り除いた上澄みと同量の85%IPA水溶液を加え、再分散を行った。再度、遠心分離と再分散の操作を繰り返し、3回目の遠心分離を行った後に沈殿物を取り出した。得られた沈殿物を真空乾燥機(アドバンテック社、VR−420)を用いて80℃で一晩減圧乾燥し、エクストリームミル(ワーリング社、MX−1200XTM)により解砕することで、粉末状のセルロース誘導体組成物として(b−2)を得た。得られた(b−2)のラウリル基の置換度は0.081であった。
(B)成分の置換度及び(B)成分の前駆化合物の重量平均分子量は、以下の方法で測定した。
(1)置換度の測定
・多糖誘導体の前処理
(B)成分である多糖誘導体1gを100gの水に溶かした後、水溶液を透析膜(スペクトラポア、分画分子量1000)に入れ、2日間透析を行った。得られた水溶液を、凍結乾燥機(eyela,FDU1100)を用いて凍結乾燥することで、前処理済の多糖誘導体を得た。
・ケルダール法によるカチオン基質量の算出
前記の方法で前処理した多糖誘導体の200mgを精秤し、濃硫酸10mLとケルダール錠(Merck)1錠を加え、ケルダール分解装置(BUCHI社製、K−432)にて加熱分解を行った。分解終了後、サンプルにイオン交換水30mLを加え、自動ケルダール蒸留装置(BUCHI社製、K−370)を用いてサンプルの窒素含量(質量%)を求めることで、カチオン基の質量を算出した。
・Zeisel法による炭化水素基(アルキル基)質量の算出
前記の方法で前処理した多糖誘導体200mg、アジピン酸220mgを10mLバイアル(マイティーバイアルNo.3)に精秤し、内標溶液(テトラデカン/o−キシレン=1/25(v/v))3mLおよびヨウ化水素酸3mLを加えて密栓した。また、多糖誘導体の代わりに1−ヨードドデカンを2.4mgまたは9mg加えた検量線用の試料を調製した。各試料をスターラーチップにより攪拌しながら、ブロックヒーター(PIERCE社製、Reacti−Therm III Heating/Stirring module)を用いて160℃、2時間の条件で加熱した。試料を放冷した後、上層(o−キシレン層)を回収し、下記条件のガスクロマトグラフィー(GC)(島津製作所社、QD2010plus)にて分析した。
・GC分析条件
カラム:Agilent HP−1(長さ:30m、液相膜厚:0.25μL、内径:32mm)
スプリット比:20
カラム温度:100℃(2min)→10℃/min→300℃(15min)
インジェクター温度:300℃
検出器:HID
検出器温度:330℃
打ち込み量:2μL
GCにより得られた1−ヨードドデカンの検出量から、サンプル中のアルキル基の質量を求めた。
・ヒドロキシアルキル基質量の測定
ヒドロキシアルキル基由来のヨウ化アルキルを定量することで、前述のアルキル基質量の測定と同様にして行った。
・カチオン基およびアルキル基の置換度の算出
上述のカチオン基とアルキル基の質量および全サンプル質量から多糖誘導体の骨格の質量を計算し、それぞれ物質量(mol)に変換することでカチオン基とアルキル基の置換度をモル平均で算出した。
・重量平均分子量の測定
(B)成分の前駆化合物であるヒドロキシエチルセルロース(HEC)の重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によるポリエチレングリコール換算により算出した。
測定条件は、以下の通りである。
・カラム:TSKgel α−M
・溶離液:50mmol/L LiBr、1%CHCOOH、エタノール/水=3/7
・温度:40℃
・流速:0.6mL/min
<繊維製品用洗浄剤組成物の調製>
上記の配合成分を用いて、表2に示す繊維製品用洗浄剤組成物を調製し、以下の項目について評価を行った。結果を表2に示す。
表2に示す繊維製品用洗浄剤組成物は、具体的には次の通り調製した。200mL容量のガラス製ビーカーに長さ5cmのテフロン(登録商標)製スターラーピースを投入し質量を測定した。次に20℃のイオン交換水80g、(A)成分又は(A’)成分、(B)成分を投入し、ビーカーの上面をサランラップ(登録商標)で封をした。
内容物が入ったビーカーをマグネチックスターラーに設置した60℃のウォーターバスに入れ、ウォーターバス内の水の温度が60±2℃の温度範囲内で、100r/minで30分間撹拌した。次に、ウォーターバス内の水を5℃の水道水に替え、ビーカー内の該組成物の温度が20℃になるまで冷却した。次に、サランラップ(登録商標)を外し、内容物の質量が100gになるように、イオン交換水を入れ、再度、100r/minで30秒間撹拌し、表2に記載の繊維製品用洗浄剤組成物を得た。
<洗浄性の評価>
表2に示す繊維製品用洗浄剤組成物を用いて洗浄性の評価を行った。結果を表2に示す。
(1)化学繊維を含む繊維製品の前処理
エアリズムクルーネックT半袖18枚(繊維構成:ポリエステル89%、ポリウレタン11%、(株)ファーストリテイリング製、商品番号182496、4XLサイズ)を、全自動洗濯機(Panasonic(株)製NA−F70PB1)の標準コースで5回累積洗濯(洗浄時にエマルゲン108(花王(株)製)4.8g、水量48L、洗い12分・すすぎ2回・脱水3分)した。その後、水のみで1回洗濯(水量48L、洗い12分・すすぎ2回・脱水3分)を行い、さらに2槽式洗濯機(日立製、PS−H45L形)で完全に泡が消えるまで流水濯ぎし、24℃、55%RH24時間乾燥させた。その後、6cm×6cmの大きさに裁断した。
(2)洗浄性評価用の繊維製品の調製
(2−1)ソイルリリース処理布の調製
振とう器(ヤマト科学(株)、型番:SA300)を用いてソイルリリース処理を行った。処理に使用する水は、イオン交換水に塩化カルシウムと塩化マグネシウムを質量比で8:2の割合で投入し、硬度を4°dHに調製した洗浄用の水を得た。表2に記載の繊維製品用洗浄剤組成物中の(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計量が、洗浄液中の濃度において150mg/kgとなるように洗浄用の水と混合し、洗浄液を得た。100mLのスクリュー管((株)マルエム、No.8、40mm×120mm)に、洗浄液50mL(24℃)と前記の(1)で得られた繊維製品5枚を投入した。浴比は20であった。振とう器で300rpm、10分間、繊維製品を水平往復振とう処理した。処理後2槽式洗濯機((株)日立製作所製、PS−H45L形)で1分間脱水した。次に、100mLのスクリュー管に、洗浄用の水50mL(24℃)と得られた繊維製品を投入した。振とう器で340rpm、3分間、繊維製品を濯いだ。濯ぎ後2槽式洗濯機で1分間脱水し、24℃、55%RH24時間乾燥させ、洗浄性評価用の繊維製品を調製した。
(2−2)ソイルリリース処理済のモデル皮脂人工汚染布の調製
下記組成のモデル皮脂に色素として0.02%のスダンIII(東京化成工業(株)製)を混合したモデル皮脂人工汚染液0.1mLを、前記の(2−1)で得られた繊維製品の中心部分に直径4cmの円状に塗布し、60℃の環境下の送風定温乾燥機(ADVANTEC(株)製、DRM420DA)で1時間乾燥させた。その後、20℃、70%RHの環境下で24時間乾燥させ、ソイルリリース処理済のモデル皮脂人工汚染布を調製した。
*モデル皮脂の組成:ラウリン酸0.54質量%、ミリスチン酸1.78質量%、ペンタデカン酸0.91質量%、パルミチン酸3.53質量%、ヘプタデカン酸0.30質量%、リノール酸1.40質量%、オレイン酸19.74質量%、トリオレイン46.00質量%、スクアレン13.80質量%、コレステロール2.90質量%、ステロールエステル3.00質量%、パルミチン酸n−ヘキサデシル6.10質量%(合計100質量%)
(2−3)洗浄試験1
ターゴトメーター((株)上島製作所製、MS−8212)を用いて洗浄操作を行った。洗浄に使用する水は、イオン交換水に塩化カルシウムと塩化マグネシウムを質量比で8:2の割合で投入し、硬度を4°dHに調製した洗浄用の水を得た。表2に記載の繊維製品用洗浄剤組成物中の(A)成分、(B)成分の合計量が、洗浄液中の濃度において150mg/kgとなるように洗浄用の水と混合し、洗浄液を得た。洗浄試験用の1Lのステンレスビーカーに、洗浄液600mLと前記の(2−2)で得られたモデル皮脂人工汚染布5枚を投入した(浴比300)。洗浄液の温度は20℃であった。ターゴトメーターで85rpm、5分間、モデル皮脂人工汚染布を洗浄した。洗浄後5Lの水で溜め濯ぎした。濯ぎ後脱水し24℃、55%RH24時間乾燥させた。
(2−4)洗浄試験2
洗浄試験1と同様に、ただしターゴトメーターによるモデル皮脂人工汚染布の洗浄時間を10分として、モデル皮脂人工汚染布の洗浄、乾燥を行った。
(2−5)洗浄率の評価
前記(2−3)、(2−4)の洗浄試験で得られたモデル皮脂人工汚染布の洗浄率を、それぞれ、下記の方法にて測定し、それぞれ、5枚の平均値を求めた。汚染前の原布、及び洗浄前後の460nmにおける反射率を測色色差計(日本電色(株)製、SE−2000)にて測定し、次式によって洗浄率(%)を求めた。標準反射板(白、X94.03、Y95.96、Z113.16)で校正した。
洗浄率(%)=100×[(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/(原布の反射率−洗浄前の反射率)]
(2−6)洗浄速度の評価
前記(2−5)で得られたモデル皮脂人工汚染布の洗浄率の比から洗浄速度を次式によって求めた。結果を表2に示す。洗浄速度の値が1に近づくほど、洗浄速度に優れ短い時間の洗浄率が高い。
洗浄速度=(洗浄試験1で得られた洗浄率)/(洗浄試験2で得られた洗浄率)
尚、洗浄試験1または洗浄試験2で洗浄されたモデル皮脂人工汚染布は洗浄されていた。
Figure 2019099740
Figure 2019099740

Claims (6)

  1. 下記(A)成分及び下記(B)成分を含有する繊維製品用洗浄剤組成物。
    (A)成分:炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤
    (B)成分:ソイルリリース剤
  2. 繊維製品用洗浄剤組成物中に含まれる全アニオン界面活性剤中の、(A)成分の割合が50質量%以上100質量%以下である、請求項1に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
  3. (A)成分において、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上4位以下の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤(A−1S)と、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の5位以上の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤(A−2S)との質量比が、(A−2S)/(A−1S)で、0を超え5以下である、請求項1又は2記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
  4. (A)成分が、下記の(a1)〜(a3)から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤である、請求項1〜3の何れか1項記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
    (a1)炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸又はその塩
    (a2)下記一般式(a2)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩
    (a3)下記一般式(a3)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩
    Figure 2019099740

    〔式中、R、Rは、それぞれ、直鎖アルキル基であり、RとRの炭素数の合計は15以上23以下である。Mは対イオンである。〕
    Figure 2019099740

    〔式中、R、Rは、それぞれ、炭素数6以上12以下の直鎖アルキル基であり、Xは炭素数1以上3以下のアルキレン基である。RとRとXは、RとRとCH−Xの炭素数の合計が16以上24以下となるように選択される。Mは対イオンである。〕
  5. (B)成分が多糖誘導体の1種又は2種以上である、請求項1〜4の何れか1項記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
  6. (B)成分が、炭素数1以上18以下の炭化水素基及びカチオン基から選ばれる1種以上の基を有する多糖誘導体の1種又は2種以上である、請求項5に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
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