JP7375752B2 - 多官能含硫エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

多官能含硫エポキシ化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多官能含硫エポキシ化合物及びその製造方法に関する。中でもプラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター等の光学材料、特にプラスチックレンズに好適に使用される多官能エピスルフィド化合物の原料となる多官能含硫エポキシ化合物及びその製造方法に関する。
プラスチック材料は軽量かつ靭性に富み、また染色が容易であることから、各種光学材料、特に眼鏡レンズに近年多用されている。光学材料、中でも眼鏡レンズに特に要求される性能は、物理的性質としては、低比重、高透明性及び低黄色度、高耐熱性、高強度等であり、光学性能としては高屈折率と高アッベ数である。高屈折率はレンズの薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減するが、屈折率が上昇するほどアッベ数は低くなる傾向があるため、両者を同時に向上させる検討が実施されている。これらの検討の中で最も代表的な方法は、特許文献1~3に示される多官能エピスルフィド化合物を使用する方法である。
これらの多官能エピスルフィド化合物は、エピチオ部分の硫黄原子が酸素原子である含硫エポキシ化合物を製造したのち、チア化して得られる。多官能含硫エポキシ化合物の製造方法については、特許文献4~6に示される製法が提案されており、収率向上やチア化して得られる多官能エピスルフィド化合物を硬化して得られる樹脂の透明性の改善、及びスカム状の不溶物が発生しない製造方法が開示されている。
しかしながら、これらの製造方法では、多官能含硫エポキシ化合物の色調、特に黄変が十分に改善されず、その後のチア化で得られるエピスルフィド化合物の色調にも影響を及ぼしていた。したがって、良色調、特に黄変が抑制された多官能含硫エポキシ化合物の製造方法の開発が望まれていた。
特開平9-71580号公報 特開平9-110979号公報 特開平9-255781号公報 特開2000-143651号公報 特開2003-48883号公報 国際公開2013/157490号公報
本発明が解決しようとする課題は、良色調、特に黄変が抑制された多官能含硫エポキシ化合物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、このような状況に鑑み鋭意研究を重ねた結果、多官能チオールを還元剤の存在下、エピハロヒドリンと反応させた後、塩基性化合物と反応させることにより、良色調、特に黄変が抑制された多官能含硫エポキシ化合物を得ることを見出した。すなわち、本発明は下記のとおりである。
<1> 多官能チオールを還元剤の存在下、エピハロヒドリンと反応させ多官能含硫ハロヒドリンとした後、塩基性化合物と反応させることを特徴とする、多官能含硫エポキシ化合物の製造方法である。
<2> 前記多官能チオールが、ビス(2-メルカプトエチル)スルフィド、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、1,2,6,7-テトラメルカプト-4-チアヘプタン及びペンタエリスリチオールからなる群より選択される少なくとも1種である、上記<1>に記載の製造方法である。
<3> 前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、及びヒドラジン中からなる群より選択される少なくとも1種である、上記<1>または<2>に記載の製造方法である。
<4> 前記塩基性化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である、上記<1>から<3>のいずれかに記載の製造方法である。
<5> 反応温度が-5℃~30℃である、上記<1>から<4>のいずれかに記載の製造方法である。
本発明の製造方法により、従来技術の製造方法では得られなかった、良色調、特に黄変が抑制された多官能含硫エポキシ化合物の製造が可能となった。本発明の製造方法により黄変が抑制されるため、光学材料の透明性が向上し非常に有意義である。
本発明は、多官能チオールを還元剤の存在下、エピハロヒドリンと反応させ多官能含硫ハロヒドリンとした後、塩基性化合物と反応させることを特徴とする。
本発明で用いられる多官能チオール化合物は、チオール基を2個以上有する化合物でありすべての多官能チオール化合物を包括するが、具体例として以下を列挙する。
メタンジチオール、メタントリチオール、1,2-ジメルカプトエタン、1,2-ジメルカプトプロパン、1,3-ジメルカプトプロパン、2,2-ジメルカプトプロパン、1,4-ジメルカプトブタン、1,6-ジメルカプトヘキサン、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、ビス(2-メルカプトエチル)スルフィド、1,2-ビス(2-メルカプトエチルオキシ)エタン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)エタン、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、1,3-ジメルカプト-2-プロパノール、1,2,3-トリメルカプトプロパン、2-メルカプトメチル-1,3-ジメルカプトプロパン、2-メルカプトメチル-1,4-ジメルカプトブタン、2-(2-メルカプトエチルチオ)-1,3-ジメルカプトプロパン、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、2,4-ジメルカプトメチル-1,5-ジメルカプト-3-チアペンタン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、1,1,1-トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビス(2-メルカプトアセテート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスメルカプトプロピオネート、 ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、1,2-ジメルカプトシクロヘキサン、1,3-ジメルカプトシクロヘキサン、1,4-ジメルカプトシクロヘキサン、1,3-ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2,5-ジメルカプトメチル-1,4-ジチアン、2,5-ジメルカプトメチル-1,4-ジチアン、2,5-ビス(2-メルカプトエチルチオメチル)-1,4-ジチアン、2,5-ジメルカプトメチル-1-チアン、2,5-ジメルカプトエチル-1-チアン、2,5-ジメルカプトメチルチオフェン、1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、2,2’-ジメルカプトビフェニル、4,4’-ジメルカプトビフェニル、ビス(4-メルカプトフェニル)メタン、2,2-ビス(4-メルカプトフェニル)プロパン、ビス(4-メルカプトフェニル)エーテル、ビス(4-メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4-メルカプトフェニル)スルホン、ビス(4-メルカプトメチルフェニル)メタン、2,2-ビス(4-メルカプトメチルフェニル)プロパン、ビス(4-メルカプトメチルフェニル)エーテル、ビス(4-メルカプトメチルフェニル)スルフィド、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、3,4-チオフェンジチオール、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,6,7-テトラメルカプト-4-チアヘプタン、ペンタエリスリチオールを挙げることができる。
これらのなかで好ましい具体例は、ビス(2-メルカプトエチル)スルフィド、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、1,2,6,7-テトラメルカプト-4-チアヘプタン、ペンタエリスリチオールであり、最も好ましい化合物は、ペンタエリスリチオールである。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してよい。
本発明で用いられる還元剤はすべての還元剤を包括するが、具体例として以下を列挙する。
水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ヒドラジン、亜鉛、スズ、鉄、白金、パラジウム、ニッケルであり、中でも好ましい化合物は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ヒドラジンであり、最も好ましい化合物は水素化ホウ素ナトリウムである。
還元剤の添加量は反応を進行させるためであれば特に制限はないが、好ましくは多官能チオール化合物のチオール基(SH基)1モルに対し、0.0001~5.0モル、より好ましくは0.01~1.0モル、最も好ましくは0.05~0.5モル使用する。0.0001モル未満では十分に黄変が抑制できないため好ましくなく、5.0モルを超えると過剰量投入することになり経済的に好ましくない。
なお、還元剤は1種のみでも、複数を組み合わせて使用してもよい。
以下、多官能含硫ハロヒドリン化合物の合成について記載する。
多官能含硫ハロヒドリン化合物は、還元剤の存在下、エピハロヒドリンと多官能チオール化合物を反応させて得られる。エピハロヒドリンの具体例としてはエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等があるが、好ましくはエピクロロヒドリンである。
エピハロヒドリンと、多官能チオール化合物を反応させる際、好ましくは触媒を使用する。触媒は無機酸、有機酸、ルイス酸、ケイ酸、ホウ酸、第4級アンモニウム塩、無機塩基、有機塩基が挙げられる。好ましくは有機酸、第4級アンモニウム塩、無機塩基であり、より好ましくは第4級アンモニウム塩、無機塩基である。具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラヘキシルアンモニウムクロライド、テトラヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラヘキシルアンモニウムアセテート、テトラオクチルアンモニウムクロライド、テトラオクチルアンモニウムブロマイド、テトラオクチルアンモニウムアセテート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムが挙げられる。中でも好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムである。
触媒の添加量は、反応を進行させるためであれば特に制限はないが、好ましくはエピハロヒドリン1モルに対し、0.00001~0.5モル、より好ましくは0.001~0.1モル使用する。0.00001モル未満では反応が進行しないか遅くなりすぎで好ましくなく、0.5モルを超えると反応が進行しすぎて制御が困難となり好ましくない。
エピハロヒドリンと、多官能チオール化合物の割合は、反応が進行するのであれば特に制限はないが、好ましくは多官能チオール化合物のチオール基(SH基)に対するエピクロロヒドリンのモル比は0.3~4、より好ましくは0.4~3、更に好ましくは0.5~2である。0.3未満もしくは4を超えた場合では未反応の原材料の余剰が多くなり、経済的に好ましくない。
反応温度は、反応を進行させるためであれば特に制限はないが、好ましくは-10℃~100℃、より好ましくは-5℃~80℃、更に好ましくは-5℃~60℃、最も好ましくは-5℃~30℃である。反応時間は特に制限はないが、通常は10分以上20時間以下である。-10℃未満では反応が進行しないか遅くなりすぎで好ましくなく、100℃を超えるとオリゴマー化して高分子量となり好ましくない。
多官能含硫ハロヒドリン化合物を得る際に有機溶媒を使用することは好ましい。より好ましい反応手法は、有機溶媒と、塩基性化合物の溶液の混合溶媒にエピハロヒドリンを滴下して反応させて多官能含硫ハロヒドリン化合物を得る。
使用する有機溶媒は特に制限は無くいかなる有機溶媒を使用してもよいが、好ましくはアルコール類、エーテル類、ケトン類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類が用いられる。これらは単独でも混合して用いても構わない。アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられ、エーテル類の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられ、ケトン類の具体例としては、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられ、脂肪族炭化水素類の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが挙げられ、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、ハロゲン化炭化水素類の具体例としては、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼンなどが挙げられる。より好ましくはアルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類であり、その具体例は、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、クロロホルムである。中でも好ましくはアルコール類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類であり、その具体例は、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンゼン、トルエン、クロロホルムである。さらに好ましくはアルコール類、芳香族炭化水素類であり、その具体例は、メタノール、イソプロパノール、ベンゼン、トルエンである。最も好ましくは、メタノール、トルエンである。
有機溶媒の量は特に制限はないが、通常は多官能含硫ハロヒドリン化合物100重量%に対し、5~5000重量%、好ましくは50~3000重量%、より好ましくは100~1000重量%である。
本反応は有機溶媒と水の二層系にしてもよい。その際には、相関移動触媒を用いることができる。相関移動触媒は有機溶媒にも水にも可溶な触媒であり、一般的に知られている物から限定されず使用できる。
具体例としては、4級アンモニウム塩類、4級ホスホニウム塩類などが挙げられる。
4級アンモニウム塩類としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルフェニルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化N-ラウリルピリジニウム、塩化N─ベンジルピコリニウム、塩化N-ラウリル4-ピコリニウム、塩化N-ラウリルピコリニウム、塩化トリカプリルメチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム、及びテトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェートなどが挙げられる。
4級ホスホニウム塩類としては、塩化テトラエチルホスホニウム、臭化テトラエチルホスホニウム、ヨウ化テトラエチルホスホニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、臭化トリフェニルベンジルホスホニウム、及び臭化テトラフェニルホスホニウムなどが挙げられる。
相関移動触媒の使用量に特に制限はないが、多官能チオール化合物に対して好ましくは0.01~30モル%であり、反応収率の観点からより好ましくは0.1~20モル%である。
多官能チオール化合物とエピハロヒドリンを反応させる際に、エピハロヒドリンを滴下することは好ましい。滴下して反応させる際に、エピハロヒドリンの滴下方法に特に制限はなく、そのまま滴下しても、溶媒に溶解してから滴下してもよい。好ましくはそのまま滴下する方法である。
エピハロヒドリンを反応させた後に、酸を添加してもよい。酸は、酸性であればいずれも使用可能であるが、工業的には安価な硫酸、塩酸、硝酸及びリン酸並びにこれらの水溶液が好適に使用可能であり、揮発性がなく安定性が高いことから硫酸が好ましい。
酸の添加量に特に制限はないが、還元剤(好ましくは、水素化ホウ素ナトリウム)の添加量に対して好ましくは0.1~5.0当量であり、より好ましくは0.5~3.0等量である。
酸を加える際には、発泡を抑制する観点から滴下することは好ましい。滴下して反応させる際に、酸の滴下方法に特に制限はない。
このようにして得られる多官能含硫ハロヒドリン化合物を塩基性化合物と反応させて多官能含硫エポキシ化合物を得る。
本発明で使用する塩基性化合物は、特に制限は無くいかなる塩基性化合物を使用してもよいが、好ましくはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩である。その好ましい具体例は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムである。中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムが好ましく、さらに好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
塩基性化合物は、多官能含硫ハロヒドリン化合物1当量に対し、0.5~10当量使用することが好ましい。より好ましくは0.7~5当量、特に好ましくは0.8~2当量である。0.5当量未満もしくは10当量を超えた場合では未反応の原材料の余剰が多くなり、経済的に好ましくない。
上記塩基性化合物は、通常は水溶液若しくはアルコール溶液、水・アルコール混合溶液にして使用する。溶媒の量は塩基性化合物が溶解するのであれば特に制限はない。
塩基性化合物と多官能含硫ハロヒドリン化合物を反応させる際に、多官能ハロヒドリン化合物を合成後に単離しても、単離しなくともよい。好ましくは合成後に単離することなく塩基性化合物と反応させる方法である。
多官能含硫ハロヒドリン化合物を合成後に単離することなく次の反応に使用する場合は、多官能含硫ハロヒドリン化合物を合成する際に用いた原料、溶媒、触媒等が残留していても構わない。
塩基性化合物と多官能含硫ハロヒドリン化合物を反応させる際に、塩基性化合物を滴下することは好ましい。滴下して反応させる際に、塩基性化合物の滴下方法に特に制限はなく、そのまま滴下しても、溶媒に溶解してから滴下してもよい。好ましくは溶媒に溶かして滴下する方法である。
塩基性化合物を溶媒に溶解してから滴下する場合、使用する溶媒に制限はないが、好ましくは水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類が用いられる。これらは単独でも混合して用いても構わない。アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられ、エーテル類の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられ、ケトン類の具体例としては、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられ、脂肪族炭化水素類の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが挙げられ、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、ハロゲン化炭化水素類の具体例としては、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼンなどが挙げられる。より好ましくは水、アルコール類であり、その具体例は、水、メタノール、プロパノール、イソプロパノールである。中でも好ましくは水、メタノールである。溶媒の量は特に制限はないが、通常は多官能含硫ハロヒドリン化合物100重量%に対し、5~1000重量%、好ましくは50~500重量%、より好ましくは100~300重量%である。
多官能含硫ハロヒドリン化合物を、塩基性化合物と反応させる反応温度は、反応を進行させるためであれば特に制限はないが、好ましくは-10℃~80℃、より好ましくは-5℃~50℃、更に好ましくは-5℃~30℃である。反応時間は特に制限はないが、通常は24時間以下である。-10℃未満では反応が進行しないか遅くなりすぎで好ましくなく、80℃を超えるとオリゴマー化して高分子量となり好ましくない。
反応終了後は、有機層をそのまま分離してもよいが、有機溶媒を追加で投入して抽出をしてもよい。得られた有機層は、水洗により塩基性化合物を除去する。その後、有機溶媒を留去することで多官能含硫エポキシ化合物を得る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<純度>:製造したエポキシ化合物をアセトニトリルで0.1%に希釈し、HPLCにより分析を行った。送液ポンプは島津製作所LC-10AD、カラムはVP-ODS、検出器はRID-10Aを用い、カラムオーブンで40℃に保持しつつ、アセトニトリル:水=1:1の溶液を0.7mL/分で流して分析を行った。
<APHA値>:ハーゼンメーターHM-IV(株式会社エックス電子設計製)を用い測定した。
<色調評価>:APHA値が0-50未満をA評価、50以上-100未満をB評価、100以上をC評価とした。B以上が合格レベルである。
(実施例1)
温度計、滴下ロートを装着した四つ口フラスコに特許第3222940号に基づき合成したペンタエリスリチオール10.0g(49.9mmol)を入れ、反応容器を窒素置換した。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液0.42gをメタノール39.6gに溶かした溶液及びトルエン86.7gを先の反応容器に加え5℃まで冷却しながら攪拌した。続いて還元剤として水素化ホウ素ナトリウム0.94g(25.0mmol)を入れ2時間攪拌した。更に、攪拌しながらエピクロロヒドリン20.3g(219.6mmol)を液温5~15℃に保ちつつ滴下し、テトラキス(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルチオメチル)メタンを得た。
次いで、48%水酸化ナトリウム水溶液18.3gをメタノール15.8gに溶かした溶液を液温5~15℃に保ちつつ滴下した。滴下終了後、液温を15℃とし20h熟成させた。有機層を水100gで3回洗浄後、溶媒を留去してテトラキス(β-エポキシプロピルチオメチル)メタン20.9g(総収率99%)を得た。得られたテトラキス(β-エポキシプロピルチオメチル)メタンの純度は100%、APHA値は38であった。
(実施例2~4)
還元剤を表1に示す量にした以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例5)
温度計、滴下ロートを装着した四つ口フラスコに特許第3222940号に基づき合成したペンタエリスリチオール10.0g(49.9mmol)を入れ、反応容器を窒素置換した。その後、トルエン86.7gを先の反応容器に加え5℃まで冷却しながら攪拌した。続いて、48%水酸化ナトリウム水溶液0.42gと、還元剤として水素化ホウ素ナトリウム0.94g(25.0mmol)とを水67gに溶かした溶液を加え攪拌した。その後、臭化テトラブチルアンモニウム1.61g(5.0mmol)を加え4時間攪拌した。更に攪拌しながらエピクロロヒドリン20.3g(219.6mmol)を液温5~15℃に保ちつつ滴下し、テトラキス(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルチオメチル)メタンを得た。
次いで、20%硫酸水溶液14.7gを発泡に注意しながら滴下し、30分攪拌した。更に48%水酸化ナトリウム水溶液31.6gを水15.8gに溶かした溶液を液温5~15℃に保ちつつ滴下した。滴下終了後、液温を15℃とし20h熟成させた。有機層を水100gで3回洗浄後、溶媒を留去してテトラキス(β-エポキシプロピルチオメチル)メタン20.9g(総収率99%)を得た。得られたテトラキス(β-エポキシプロピルチオメチル)メタンの純度は100%、APHA値は36であった。
(実施例6~8)
チオールを表1に示す化合物にした以外は、実施例1と同様に行った。
(実施例9)
還元剤を表1に示す化合物にした以外は、実施例1と同様に行った。
(比較例1)
実施例1の手法で還元剤を使用しない以外は、実施例1と同様の手法でテトラキス(β-エポキシプロピルチオメチル)メタン20.8g(総収率99%)を得た。得られたテトラキス(β-エポキシプロピルチオメチル)メタンの純度は99%、APHA値は140であった。
比較例1では還元剤を使用しなかったため、色調が悪化した。
Figure 0007375752000001

Claims (4)

  1. 多官能チオールを還元剤の存在下、エピハロヒドリンと反応させ多官能含硫ハロヒドリンとした後、塩基性化合物と反応させることを特徴とする、多官能含硫エポキシ化合物の製造方法であって、
    前記多官能チオールが、ビス(2-メルカプトエチル)スルフィド、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、1,2,6,7-テトラメルカプト-4-チアヘプタン及びペンタエリスリチオールからなる群より選択される少なくとも1種である、前記製造方法
  2. 前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、及びヒドラジン中からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記塩基性化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 反応温度が-5℃~30℃である、請求項1からのいずれかに記載の製造方法。
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