JP7373812B2 - 吊り具 - Google Patents

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Description

本発明は、木造建築を構成するパネルの据え付け作業などで用いる吊り具に関する。
近年、木造建築の骨格構造は多様化しており、柱や梁のような棒材を用いることなく、平面状のパネルを隙間なく敷き詰める工法も普及しており、その例として「ツーバイフォー」が挙げられる。このようなパネルを用いた工法は、耐震性や気密性などに優れているが、製造や輸送などの事情により、一枚のパネルの大きさには制約があるため、施工時は現地でパネルを一枚ずつ吊り上げ、所定の位置に据え付けていくことになる。このようなパネルの吊り上げについては、その形状から繊維スリングを使用することが難しく、クランプを用いることが多い。ただしクランプは、パネルの保持を摩擦に依存しているため、安全性や信頼性に不安が残る。このような背景から、パネルの吊り上げについては、以前から様々な技術開発が行われている。
パネルの吊り上げに関する技術開発の例として、下記の特許文献が挙げられ、そのうち特許文献1では、水平状態に寝かされたパネルを吊り上げる際、パネルの端縁を構成するパネル芯材に無理な力が加わり、パネルが破損することを防ぐパネル吊具が開示されている。このパネル吊具は、円筒状の本体と、本体に対して回動可能な脱落防止体と、本体の上部から斜め下方向に突出する腕体と、腕体に沿って自在に移動可能な移動体との四要素を中心に構成されており、本体をパネル芯材に差し込んだ後、脱落防止体を本体の側周面から突出させて本体をパネルに固定するほか、吊上チェーンを移動体に連結する。そして実際にパネルを吊り上げる際は、水平状態に寝かされていたパネルが徐々に立ち上がっていくことになるが、これに応じて移動体が腕体に沿って移動していくため、パネルの端縁に無理な力が加わることを回避できる。
次の特許文献2では、吊り下げ作業が容易であり、しかも簡単な用具だけで構成されるほか、狭い現場でも使用可能なパネルの吊り方法が開示されている。この吊り方法は、円筒状の吊り棒と、この吊り棒の側周面に組み込む係合具などで構成され、吊り下げられるパネルの木口には、吊り棒挿入孔を形成するほか、パネルの表面には、係合具挿入孔を形成する。そして吊り棒を吊り棒挿入孔に挿入した後、係合具を係合具挿入孔に挿入すると、係合具の先端部が吊り棒に形成されたスリットに入り込み、吊り棒はパネルに係止された状態になり、吊り棒を介してパネルを吊り下げることができる。この方法は、簡単な用具だけで構成されるほか、パネル表面からの突出も抑制されるため、狭い現場でも無理なく使用することができる。
また特許文献3では、被保持物を容易且つ確実に吊り下げることのできる吊り具が開示されている。この吊り具は、被保持物の係合孔に差し込まれる本体と、本体の内部に収容されるタング部材などで構成され、このタング部材は、本体の内部に収容された「格納位置」と、本体の側方に突出した「突出位置」との範囲で回動可能としてある。そしてタング部材が格納位置にある場合、吊り具は被保持物に対して抜き差し可能になるが、突出位置にある場合、吊り具は被保持物から離脱不能になり、被保持物の吊り下げが可能になる。加えてこの吊り具には、タング部材の回動を拘束する機能が組み込まれており、人為的な操作がない場合、タング部材は突出位置に固定され、被保持物を確実に吊り下げることができる。
公開実用昭和59-50978号公報 特開2000-26070号公報 特開2007-126255号公報
前記の各特許文献のように、パネルの据え付けに使用する吊り具は、様々な形態が提案されている。ただし近年は、CLTなどを素材とした大型のパネルが広く使用されるようになり、パネル一枚の重量が増大する傾向にあり、このような大型のパネルに対応する吊り具は、信頼性や費用の面から簡素な構造にすべきである。また作業効率の観点から、パネルとの着脱を素早く行えることが望ましいほか、安全性の観点から、作業者が吊り具の状態を簡単に把握できることが望ましい。そのほか、大型のパネルの吊り上げを何度も繰り返すことで、吊り具が徐々に変形し、パネルとの着脱を円滑に実施できなくなる恐れがあり、この点についても、何らかの配慮が必要である。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、安価に製造可能で重量物にも対応できるほか、着脱を素早く行うことができ、しかも繰り返しの使用にも配慮された吊り具の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、本体と拘束体と連結体と固定ネジとからなり、前記本体は、吊り上げ対象となる資材の上端面に形成された軸穴に差し込む吊り軸と、吊り上げ用のロープを接続することのできる接続部と、を有しており、前記拘束体は、前記資材の側面に接触する側着板と、該側着板の表面から突出し且つ該資材の側面に形成されたピン穴に差し込む吊りピンと、を有しており、前記吊り軸の側周面には、該吊りピンを差し込むための横穴を設けてあり、前記連結体は、前記本体と前記拘束体を結ぶように配置され且つ前記固定ネジを螺合可能であり、該連結体の一端側は該本体に取り付けてあり、また該連結体の他端側は該固定ネジを介して該拘束体に取り付け可能であり、前記吊り軸を前記軸穴に差し込み、併せて前記吊りピンを前記横穴に差し込んだ状態において、前記連結体に螺合した前記固定ネジを締め付けることで、前記拘束体が前記資材に密着し、前記本体を介して該資材を吊り上げ可能であることを特徴とする吊り具である。
本発明による吊り具は、建築物の構造材として用いられる大型のパネルを吊り上げるために開発されたものだが、実際に吊り上げの対象となる物は自在に選択可能であり、ここではそれを一括して資材と称するものとする。そして吊り具は、大別して本体と拘束体と連結体と固定ネジの四要素で構成され、そのうち本体は資材の上端面に配置され、吊り上げ用のロープとの接続部として機能するものであり、また拘束体は、資材の側面に接触し、本体と資材を離脱不能に一体化する機能を有する。さらに連結体は、拘束体が資材の側面から離脱しないよう、拘束体を本体に引き寄せる機能を担い、残る固定ネジは、拘束体と連結体を着脱自在とする機能を担う。
本体は、吊り軸と接続部が一体化した構成になっており、そのうち吊り軸は丸棒状であり、資材の上端面から下方に伸びる軸穴に差し込む。また接続部は、吊り軸の上端部から上方に突出しており、そこに吊り上げを担うロープやフックなどを接続する。なお接続部の具体的な形状は、吊り上げ方法に応じて都度決めることになるが、接続部を単純な環状とするならば、そこにロープやフックを通すことができるほか、接続部に汎用のシャックルを取り付けるならば、そこにロープやフックを通すことができる。そして実際の使用時は、本体の吊り軸だけが資材の内部に入り込み、吊り軸の上端部および接続部の全体は、資材の上端面から突出するものとする。
拘束体は、側着板と吊りピンが一体化した構成になっており、そのうち側着板は単純な板状であり、資材の側面に接触させる。また吊りピンは、側着板の表面から資材の内部に差し込む棒状であり、資材の側面には、吊りピンを差し込むため、ピン穴が形成されていることを前提とする。ピン穴は軸穴と交差しており、そのため吊りピンは、本体の吊り軸と交差することになる。そして吊りピンを通すため、吊り軸には、その側周面を貫く横穴を設けてあり、実際に吊りピンが横穴に差し込まれた後は、吊り軸が軸穴から離脱不能になり、本体を介して資材を吊り上げることができる。当然ながら横穴は、資材のピン穴と同心に揃うように配置する。なお一個の吊り具(一個の本体と一個の拘束体との組み合わせ)において、吊りピンと横穴は一組だけとすることもあれば、強度を確保するため、複数組とすることもある。
吊り上げられる資材については、本体の吊り軸を差し込むための軸穴と、拘束体の吊りピンを差し込むためのピン穴との両方を事前に加工しておく必要がある。ただし軸穴とピン穴は、吊り上げのために加工されたものではなく、吊り上げの後、資材を固定する部品を組み込むため、加工されたものである。したがって本発明では、資材に加工された軸穴やピン穴を有効活用して吊り上げを行うことが可能であり、吊り上げに特化した穴などは不要である。当然ながら、吊り軸や吊りピンの形状などは、軸穴やピン穴に対応させる必要がある。
連結体は、資材の上端面の近傍に配置され、本体と拘束体を連結し、拘束体が資材の側面に接触した状態を維持する。仮に拘束体が資材の側面から離れていくと、やがて吊りピンが吊り軸から抜けてしまい、本体が軸穴から離脱可能になるが、資材を吊り上げている時にこのような状態になると、重大な問題を引き起こす。そこで連結体によって拘束体の移動を防いている。ただし意図的に本体を軸穴から引き抜く際は、拘束体を連結体から切り離す必要があるため、連結体と拘束体は着脱自在な構成としてある。なお連結体の詳細形状は自在だが、その取り扱いなどの観点から、本体に対して揺動自在な状態で一体化することが多い。
固定ネジは、拘束体を資材の側面に密着させる機能を担い、連結体と螺合させる。したがって固定ネジを締め付けると、拘束体が本体に引き寄せられるが、逆に固定ネジを緩めると、拘束体を連結体から切り離すことができる。なお固定ネジと螺合するオネジなどを通すため、拘束体には何らかの穴や溝を設けることになる。そして資材を吊り上げる際は、固定ネジを締め付け、本体と拘束体を強固に一体化するが、その前後で吊り具の着脱を行う際は、固定ネジを緩めることになる。
本発明による吊り具を使用する際は、まず資材の軸穴に本体の吊り軸を差し込み、その差し込み深さを調整し、吊り軸の横穴と資材のピン穴を同心に揃える。次に、資材の側面に拘束体を接近させ、その吊りピンを資材のピン穴に差し込んだ後、拘束体を資材の側面に接触させると、吊りピンは、吊り軸の横穴を貫く。その後、本体と拘束体を結ぶように連結体を組み込み、さらに固定ネジを締め付けると、拘束体は資材の側面に密着し、本体は資材と一体化する。これで吊り上げの準備が完了し、実際に本体を吊り上げると、資材も一体で吊り上げられる。
資材を吊り上げて所定の位置に据え付けた後は、固定ネジを緩め、本体と拘束体との連結を切り離し、拘束体を資材の側面から引き離すと、資材の軸穴から本体を引き抜くことができる。その後、建築物などを構築するため、軸穴やピン穴にシャフトやドリフトピンなどを差し込むことになる。本発明では、吊りピンを差し込むことで本体が資材から離脱不能になるため、重量が増大する大型の資材を安全に吊り上げることができる。また吊り具の構造は簡素であり、安価に製造することができる。
請求項2記載の発明は、吊り具の取り外しを考慮したものであり、拘束体には、資材の上端面よりも上方に突出する突出片を設けてあることを特徴とする。拘束体の吊りピンは、資材を吊り上げている際、その全自重を受け止めることになる。そのため吊りピンは、使用を繰り返すことで徐々に変形していき、やがて資材のピン穴の側周面に食い込むようになり、吊り上げ後、拘束体の引き離しが難しくなる恐れがある。そこで拘束体に突出片を設け、そこをハンマーなどの工具で打撃することで、無理なく拘束体を資材から引き離すことができる。当然ながら突出片は、拘束体が資材の側面に接触した状態において、資材の上端面よりも上方に位置する必要がある。
請求項1記載の発明のように、吊り具を本体と拘束体と連結体と固定ネジで構成し、本体の吊り軸を資材の軸穴に差し込み、さらに拘束体を資材の側面に接触させ、その吊りピンを吊り軸に差し込むことで、本体を介して資材を吊り上げ可能になるほか、連結体と固定ネジを介して拘束体を資材に密着させることで、吊りピンの離脱を防止できるため、重量が増大する大型の資材を安全に吊り上げることができる。この吊り具は、簡素な構造であるため、安価に製造可能であり、しかも吊り上げに際しては、従来のクランプのような摩擦を利用しないほか、拘束体や連結体の状態などを無理なく視認できるため、本体が資材に固定されているか否かを簡単に把握でき、安全性に優れている。
そのほか、資材に吊り具を取り付ける際は、資材の軸穴に本体の吊り軸を差し込み、次に資材のピン穴に拘束体の吊りピンを差し込んだ後、固定ネジを締め付け、資材に拘束体を密着させるだけであり、一連の作業を素早く行うことができる。しかも本体の接続部を資材の上端面に接触させる構造を導入するならば、吊り軸の差し込み深さが一定になるため、資材のピン穴と吊り軸の横穴が自然に同心に揃い、吊りピンを確実に差し込めるため、作業を一段と素早く行うことができる。また資材から吊り具を取り外す際についても、固定ネジを緩めて拘束体を資材から引き離し、次に資材から本体を引き抜くだけでよいため、やはり一連の作業を素早く行うことができる。
請求項2記載の発明のように、拘束体に突出片を設けることで、吊りピンの経年変形などにより、資材から拘束体を引き離すことが難しくなった場合でも、突出片をハンマーなどで打撃することで、吊りピンを資材から強制的に引き離すことができる。なお、拘束体が資材の側面に接触している状態においても、突出片は資材の上端面よりも上方に位置しており、資材に妨げられることなく、ハンマーなどを接触させることができる。
本発明による吊り具の構成例と使用状態例を示す斜視図であり、ここでは吊り上げられる資材として大型の木製パネルを想定している。 図1の吊り具を資材に取り付ける過程を示す斜視図である。 図1の吊り具を用いて資材を吊り上げた状態を示す斜視図である。 図1の吊り具において、固定ネジを取り外すことのない使用形態を示す斜視図である。 本発明によって吊り上げ可能な資材について、上下方向に積み重ね、双方をシャフトで一体化する方法を示す斜視図であり、図の左側では、一体化する前の状態を描いてあり、図の右側では、一体した後の状態を描いてある。
図1は、本発明による吊り具の構成例と使用状態例を示しており、ここでは吊り上げられる資材51として大型の木製パネルを想定している。この資材51は建築物の側壁として据え付けられた後、構造材として機能するため、広大且つ相応の厚さを有している。そのため図では、その一方の側端部の上方だけを描いてあり、実際には他方の側端部にも吊り具を用いており、左右二箇所の吊り具を介して吊り上げることになる。そして吊り具は、本体11と連結体21と拘束体31と固定ネジ44などで構成されている。
本体11は、平面状の接続部13と丸棒状の吊り軸14を溶接で一体化した構成であり、接続部13の下部が吊り軸14の上部に入り込んでいる。そして吊り軸14は、資材51の上端面に加工された軸穴54に差し込まれるほか、接続部13の底面は、資材51の上端面に接触させる。したがって吊り軸14は、軸穴54に無理なく差し込み可能な直径としてあり、さらに吊り軸14には、その側周面を貫く横穴18を設けてある。また接続部13は単純な平面状だが、その上部には上穴16を設けてあり、これに止めネジ46を差し込むことで、本体11にシャックル45を取り付けることができる。そのほか、接続部13の下部の側端面からは側板15が突出しており、その中心付近には支点穴17を設けてある。
連結体21は、二股状のクレビス25と棒状のオネジ24を一体化した構成であり、クレビス25の根元側からオネジ24が突出しているほか、クレビス25の先端側にはその両側面を貫く支点穴27を設けてある。そしてクレビス25の中央の隙間に本板11の側板15を差し込んだ後、双方の支点穴17、27を同心に揃え、これらを貫くように支点ピン47を差し込むと、連結体21は、支点ピン47を介して揺動可能な状態で本体11に取り付けられる。なお支点ピン47の離脱を防ぐため、その両端部近傍には、専用のクリップ48を取り付ける。そのほかオネジ24には、固定ネジ44を螺合させる。
拘束体31は、側着板33から吊りピン38が突出した構成であり、吊りピン38は、資材51の側面に加工されたピン穴58に差し込む。そして吊りピン38を差し込む際は、あらかじめ資材51の軸穴54に吊り軸14を差し込んでおき、さらに吊り軸14の横穴18は、資材51のピン穴58と同心に揃えておくことで、吊りピン38は横穴18を貫くことになる。その結果、吊りピン38を差し込むことで、本体11が資材51に固定された状態になり、本体11を介して資材51を吊り上げることができる。なお吊りピン38は、ピン穴58に無理なく差し込み可能な直径としてあるほか、横穴18や吊りピン38の配置については、資材51のピン穴58に対応させてある。そのほか図では、横穴18と吊りピン38が上下二組となっているが、荷重条件によっては、三組以上になることもある。
拘束体31の吊りピン38を資材51のピン穴58に差し込み、さらに側着板33を資材51の側面に接触させると、側着板33の上部は、資材51の上端面から突出することになる。そしてこの突出した箇所には、連結体21のオネジ24を収容するため、U字状の受け溝34を設けてあり、この受け溝34に収容されたオネジ24の先端側は、本体11の反対側に突出する。そのため、オネジ24の先端側に固定ネジ44を螺合させることで、拘束体31を資材51の側面に密着させることができる。
拘束体31において、受け溝34からやや離れた位置には、上方に突出する突出片36を設けてある。突出片36は側着板33と一体化しているが、受け溝34の入り口よりも上方の範囲を突出片36と規定するものとする。したがって突出片36は、資材51と接触することがない。また受け溝34にオネジ24が収容されることから、突出片36は、受け溝34から離れて配置してあり、オネジ24や固定ネジ44が突出片36と干渉することはない。そのほか側着板33の下端部には、面取り状の逃げ面39を設けてある。逃げ面39は、側着板33を資材51から引き離す際に使用するものであり、逃げ面39に板状の工具を差し込むことで、逃げ面39が押し上げられ、側着板33が資材51から引き離される。
図1の右下には、本体11に連結体21を取り付けた状態を描いてある。連結体21は支点ピン47を軸として揺動可能であり、この揺動を利用することで、オネジ24を受け溝34に収容することができる。また本体11の接続部13には、止めネジ46を介してシャックル45を取り付けてあり、吊り上げに用いるロープRは、シャックル45の中を通ることになる。そしてシャックル45は、止めネジ46を軸として揺動可能である。このように吊り具を実際に使用する段階では、本体11に連結体21とシャックル45が一体化しており、拘束体31だけが分離している。なお固定ネジ44と止めネジ46のいずれも、工具を用いることなく回すことができるよう、チョウネジを用いている。
図2は、図1の吊り具を資材51に取り付ける過程を示している。まずは図の左側のように、資材51の上方に本体11を配置し、本体11の吊り軸14を資材51の軸穴54と同心に揃えた後、徐々に本体11を下降させ、吊り軸14を軸穴54に差し込んでいく。次に図の右上のように、本体11の接続部13の下端面が資材51の上端面に接触すると、それ以上の差し込みができなくなるが、その際、上下二箇所の横穴18がピン穴58と同心に揃うよう、各部の寸法を調整してある。なお資材51のピン穴58は、上下に三列並んでいるが、ここでは上側の二列だけに吊りピン38が差し込まれる。そのほか連結体21は、資材51の上端面よりも上方に位置しており、オネジ24は一定の範囲で揺動可能である。
次に図の右下のように、資材51の側面に拘束体31の側着板33を接触させると、吊りピン38はピン穴58に差し込まれ、さらに吊り軸14の横穴18を通過する。そのため本体11は、資材51に固定された状態になり、本体11を介して資材51を吊り上げ可能になる。また連結体21のオネジ24は、受け溝34の中に収容されており、その先端部に固定ネジ44を螺合させることで、拘束体31が本体11の方に引き寄せられ、拘束体31が資材51の側面に密着する。なお資材51から拘束体31を引き離す際は、上部の突出片36をハンマーなどで打撃することになるが、他にも、拘束体31の下端部の逃げ面39に板状の工具を差し込むことができる。
図3は、図1の吊り具を用いて資材51を吊り上げた状態を示している。ここでの資材51は大型の木製パネルであり、その上端面の左右両側に吊り具を取り付け、さらに双方のシャックル45をロープRで結び、このロープRの中央付近にクレーンのフックFを掛けることで、資材51を安定した状態で吊り上げることができる。なお左右二箇所の吊り具において、拘束体31の突出片36は、いずれも資材51の側端面寄りに配置してある。これは吊り上げの前後でロープRが緩んだ際、突出片36に絡み付くことを防ぐためであり、突出片36をロープRから遠ざけてある。
この図のように資材51を吊り上げた後、所定の位置に据え付けることになるが、据え付け後については、まず固定ネジ44を緩めて拘束体31を資材51から引き離し、次に資材51から本体11を取り外すことになる。なお拘束体31を資材51から引き離す際は、その突出片36や逃げ面39を活用することができる。そして吊り具の取り外しを終えると、その軸穴54やピン穴58は以前のように開放され、これを介して資材51を据え付けることができる。このように本発明による吊り具は、資材51に軸穴54とピン穴58が形成されていれば使用可能であり、図のような大型の木製パネルのほか、柱や梁など、あらゆる物の吊り上げに対応することができる。
図4は、図1の吊り具において、固定ネジ44を取り外すことのない使用形態を示している。固定ネジ44は比較的小さいため、オネジ24から取り外すと紛失の恐れがある。しかしこの吊り具では、固定ネジ44を取り外すことなくオネジ24に沿って前後に移動させるだけで、一連の作業を終えることができる。
この図の上方のように、資材51の軸穴54に本体11の吊り軸14が差し込まれており、そこに拘束体31を接近させていく際は、あらかじめ連結体21を振り上げ、そのオネジ24を上方に突出させておく。そして図の左下のように、拘束体31の側着板33が資材51に接触するまでは、オネジ24を上方に突出させ、固定ネジ44が拘束体31に接触しないようにする。ただし側着板33が資材51に接触した後は、図の右下のように、連結体21を振り下げてオネジ24を横向きにすると、オネジ24は、拘束体31の受け溝34に収容されるほか、固定ネジ44は拘束体31よりも図の右側に配置される。以降、固定ネジ44を締め付けると、側着板33が資材51に密着し、吊り上げ可能な状態になる。
図5は、本発明によって吊り上げ可能な資材51について、上下方向に積み重ね、双方をシャフト64で一体化する方法を示している。ここでの資材51は、CLTを素材とした大型の木製パネルを想定しており、直立させた複数枚の木製パネルを強固に一体化することで、建築物の骨格となる外壁が構築される。なお、この資材51は極めて大きいため、図では、その一方の側端部だけを描いてあり、このように上下に隣接する資材51同士は、シャフト64とドリフトピン78で一体化する。そのため、下方の資材51の上端面と、上方の資材51の下端面の双方には、高さ方向に伸びる軸穴54を加工してあり、同心で並ぶ軸穴54同士を貫くようにシャフト64を差し込むことで、上下の資材51が一体化する。ただしシャフト64を差し込んだだけでは、資材51同士を引き離すような荷重に対抗できない。そこで資材51の側面からシャフト64に向け、ドリフトピン78を打ち込む必要がある。
ドリフトピン78を通すため、シャフト64の側周面には、上下に六列の係合穴68を設けてあり、また個々の資材51には、その両側面を貫くピン穴58を上下に三列加工してあり、個々のピン穴58は途中で軸穴54と交差している。そしてシャフト64を資材51に差し込み、資材51のピン穴58とシャフト64の係合穴68を同心に揃えた後、ピン穴58からドリフトピン78を打ち込むと、これが係合穴68を通り抜けるため、シャフト64を介して資材51同士が完全に一体化される。なおドリフトピン78は、摩擦によってピン穴58に保持され、打ち込み後に抜け落ちることはない。
図の左側では、上下の資材51を一体化する前の状態を描いてあり、図の右側では、軸穴54にシャフト64を差し込み、さらにピン穴58にドリフトピン78を打ち込み、上下の資材51を一体した後の状態を描いてある。なお軸穴54やピン穴58は、この図のように、資材51の据え付けのために加工されたものだが、本発明では、この軸穴54やピン穴58を利用することで、資材51を安全に吊り上げることができる。
11 本体
13 接続部
14 吊り軸
15 側板
16 上穴
17 支点穴
18 横穴
21 連結体
24 オネジ
25 クレビス
27 支点穴
31 拘束体
33 側着板
34 受け溝
36 突出片
38 吊りピン
39 逃げ面
44 固定ネジ
45 シャックル
46 止めネジ
47 支点ピン
48 クリップ
51 資材
54 軸穴
58 ピン穴
64 シャフト
68 係合穴
78 ドリフトピン
F フック
R ロープ

Claims (2)

  1. 本体(11)と拘束体(31)と連結体(21)と固定ネジ(44)とからなり、
    前記本体(11)は、吊り上げ対象となる資材(51)の上端面に形成された軸穴(54)に差し込む吊り軸(14)と、吊り上げ用のロープ(R)を接続することのできる接続部(13)と、を有しており、
    前記拘束体(31)は、前記資材(51)の側面に接触する側着板(33)と、該側着板(33)の表面から突出し且つ該資材(51)の側面に形成されたピン穴(58)に差し込む吊りピン(38)と、を有しており、前記吊り軸(14)の側周面には、該吊りピン(38)を差し込むための横穴(18)を設けてあり、
    前記連結体(21)は、前記本体(11)と前記拘束体(31)を結ぶように配置され且つ前記固定ネジ(44)を螺合可能であり、該連結体(21)の一端側は該本体(11)に取り付けてあり、また該連結体(21)の他端側は該固定ネジ(44)を介して該拘束体(31)に取り付け可能であり、
    前記吊り軸(14)を前記軸穴(54)に差し込み、併せて前記吊りピン(38)を前記横穴(18)に差し込んだ状態において、前記連結体(21)に螺合した前記固定ネジ(44)を締め付けることで、前記拘束体(31)が前記資材(51)に密着し、前記本体(11)を介して該資材(51)を吊り上げ可能であることを特徴とする吊り具。
  2. 前記拘束体(31)には、前記資材(51)の上端面よりも上方に突出する突出片(36)を設けてあることを特徴とする請求項1記載の吊り具。
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