JP7373006B2 - 控え壁下地及び引戸装置 - Google Patents
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Description
-引戸装置の概略構成-
図1は、壁1の開口2に設置された本発明の実施形態1に係る引戸枠10を備えた引戸装置100の正面図、図2は引戸装置100の背面図である。以下では、説明の便宜上、図1の左側、右側、上側、下側を、それぞれ「左」、「右」、「上」、「下」として説明する。また、図1の紙面直交方向において手前側を「前」、奥側を「後」として説明する。
本実施形態1では、引戸装置100は、控え壁40と、引戸60と、壁1の開口2に設置されて引戸60が組み込まれる引戸枠10とを備えている。
図2及び図4に示すように、控え壁40は、控え壁下地41と固定部材42とを備え、固定部材42を用いて床と壁1の端部とに取り付けた控え壁下地41の前面及び後面にクロスを貼り付けることによって形成されている。
引戸60は、前面及び後面に開閉操作用の取っ手61が取り付けられ、引戸枠10の上部(横枠材13)に取り付けられた吊り装置62によって左右方向に移動可能に吊り下げられている。吊り装置62は、引戸枠10の横枠材13の下端面に形成されたスライド溝31e内に設けられている。また、引戸60の下端部には、床面に取り付けられたガイド64が嵌め込まれるガイド溝63が形成されている。ガイド溝63は、下方の床面に向かって開口し、引戸60の戸先側端部から戸尻側の端面に亘って形成されている。引戸60は、下端部のガイド溝63にガイド64が嵌まり込むように設置される。ガイド64は、引戸60を左右方向に移動させる際に、引戸60の下端部が前後方向に振れずに、一直線上に移動するように引戸60を案内する。
引戸枠10は、開口2を区画する壁1の端部(控え壁40の端部を含む)に取り付けられている。なお、本実施形態1では、壁1の躯体(柱3,3とまぐさ4)の内面(開口2側の面)にはスペーサ7が取り付けられている。スペーサ7は、壁1の厚さ以下の幅を有する厚さ10~20mmの長尺の木質板材からなっている。引戸枠10は、スペーサ7を含む壁1の端部に取り付けられている。なお、スペーサ7の素材は、木質材料に限られず、ビスが貫通する素材であればいかなる素材であってもよい。また、スペーサ7は、複数の短尺の板材で構成されていてもよい。
前側部材30Aは、前側枠部材31を有している。前側枠部材31は、断面がL字形状の長尺の木質板状部材からなる。前側枠部材31は、前枠部31aと、前側見切部(第1見切部)31bとを有している。
後側部材30Bは、後側枠部材32と、見切部材33とを有している。後側枠部材32は、長尺の木質板状部材からなり、後枠部32aと、遮蔽部32bとを有している。
次に、引戸装置100の施工方法について説明する。
本実施形態1では、壁下地材5より分厚い板状体の左右方向の一方側の側端部と上端部の前側に断面矩形状の切り欠き41aを形成することにより、切り欠き41aの後側に壁下地材5と同じ厚さのつば部41bが形成された控え壁下地41を用いて控え壁40を形成することとしている。このような控え壁下地41によれば、壁1の端部において壁1の躯体(柱3及びまぐさ4)の後側に設けられた壁下地材5を、内側端面(開口2側の端面)が躯体の内側端面よりも外側(開口2から離れる側)に位置付けられて躯体の後面の一部が露出するように設け、壁1の躯体の後側において壁下地材5のない部分(躯体の後面の露出部分)に、壁下地材5の代わりに控え壁下地41のつば部41bが設けられるように控え壁下地41を取り付けることにより、後面が壁1の端部に段差なく連続しつつ、壁下地材5よりも分厚い控え壁40を容易に形成することができる。上記控え壁下地41は、壁1の躯体の後側の壁下地材5に連続するように設けられることにより、前後に別途ボード(下地材)を取り付ける必要がないので、薄い壁1の開口2内に設置する場合であっても、躯体の厚さを薄くする必要がない。そのため、上記控え壁下地41によれば、薄い壁1の開口2内であっても壁下地材5よりも分厚い十分な強度を有する控え壁40を容易に形成することができる。
本発明に係る実施形態2は、実施形態1の引戸装置100において、引戸枠10の一部の構成を変更したものである。具体的には、実施形態2では、図6に示すように、枠材11~13の後側枠部材32は、遮蔽部を有さず、後側部材30Bは、後側枠部材32と、後側枠部材(後枠部)32とは別体に形成された遮蔽部材34とを有している。遮蔽部材34は、実施形態1の遮蔽部が、後側枠部材(後枠部)32とは別体に形成されたものである。互いに当接する後側枠部材(後枠部)32の内面と遮蔽部材34の外面とには、雇い実37を収容する実溝がそれぞれ形成されている。実溝は、後枠部材(後枠部)32及び遮蔽部材34の上端から下端に亘るように形成されている。雇い実37は、後枠部材(後枠部)32及び遮蔽部材34の実溝によって形成される空洞内に嵌まる大きさの板状部材によって形成されている。遮蔽部材34は、雇い実37と接着剤とによって後側枠部材(後枠部)32に取り付けられる。なお、遮蔽部材34の後枠部材(後枠部)32への取り付け手法は雇い実継ぎに限られない。ダボで接合することとしてもよく、雄実及び雌実を形成して接合することとしてもよい。
上記実施形態1,2では、引戸枠10を開口2に設ける際に、各枠材11~13の前側枠部材31と後側枠部材32とをそれぞれ開口2の外部で組み立てて門型の前枠と後枠とを形成した後、前枠と後枠とを開口2に設置することとしていたが、各枠材11~13の前側枠部材31と後側枠部材32は、開口2の外部で組み立てずに開口2に設置することとしてもよい。
2 開口
5 壁下地材
10 引戸枠
11 縦枠材(戸先側縦枠材)
12 縦枠材
13 横枠材
30A 前側部材
30B 後側部材(方立部材)
31a 前枠部
31b 前側見切部
32a 後枠部
32b 遮蔽部
32c 切り欠き溝(切り欠き)
33 見切部材
33a 後側見切部
33b 係合部
34 遮蔽部材
40 控え壁
41 控え壁下地
41a 切り欠き
41b つば部
41d 溝(ビス溝)
46 ビス
60 引戸
100 引戸装置
Claims (6)
- 上下方向及び左右方向に延びる壁内に、左右方向の一方側の後側の領域が控え壁によって閉塞された引戸用の開口を形成するために用いられる上記控え壁を形成するための控え壁下地であって、
上記壁の下地材より分厚い板状体で構成され、
左右方向の一方側の側端部及び上端部には、前側に矩形状の断面を有して長さ方向に延びる切り欠きが形成され、
上記一方側の側端部及び上記上端部の上記切り欠きの後側部分は、上記壁の下地材と同じ厚さのつば部となっている
ことを特徴とする控え壁下地。 - 躯体の前後が下地材で覆われて上下方向及び左右方向に延びる壁内に形成された、左右方向の一方側の後側の領域が控え壁によって閉塞された引戸用の開口に設置される引戸装置であって、
上記控え壁を形成するために設けられる請求項1に記載の控え壁下地と、
上記開口を区画する上記壁の端部に取り付けられる引戸枠と、
上記引戸枠に取り付けられる引戸とを備え、
上記控え壁下地が取り付けられる上記壁の端部では、上記躯体の後側に設けられる上記下地材が、上記躯体に対して上記開口から離れる方向にずらして設けられ、
上記控え壁下地は、上記各切り欠きに上記躯体の上記下地材によって覆われない後側の角部が嵌まり、上記躯体の後側において上記つば部の端面と上記下地材の端面とが当接するように設けられている
ことを特徴とする引戸装置。 - 請求項2に記載の引戸装置において、
上記引戸枠は、
上記引戸の戸先側の上記壁の端部に取り付けられる戸先側縦枠材と、
上記開口の上方の上記壁の端部に取り付けられる横枠材と、
上記控え壁下地の左右方向の他方側の側端部に取り付けられる方立部材と、
上記引戸の戸尻側で上記控え壁の前側に位置する上記壁の端部に取り付けられる戸尻側縦枠材とを備え、
上記控え壁下地の上記他方側の側端部には、後面に、上記方立部材を固定するビスの頭部が嵌まるビス溝が形成され、
上記方立部材は、
上記控え壁下地の上記他方側の側端部の端面を覆う後枠部と、
上記後枠部とは別体に形成されて上記後枠部に取り付けられ、上記後枠部の後側と上記控え壁下地の上記他方側の側端部の後面とを覆う後側見切部とを有し、
上記後側見切部は、上記ビス溝を覆う大きさに形成されている
ことを特徴とする引戸装置。 - 請求項3に記載の引戸装置において、
上記戸先側縦枠材及び上記横枠材は、それぞれ前側部材と該前側部材の後側に設けられる後側部材とからなり、
上記戸先側縦枠材及び上記横枠材のそれぞれにおいて、
上記前側部材は、
上記開口内に設けられて取り付けられる上記壁の端部の端面を覆う前枠部と、
上記前枠部の前側に設けられ、上記前枠部の前側と上記前枠部が取り付けられる上記壁の端部の前面とを覆う前側見切部とを有し、
上記後側部材は、
上記開口内に設けられて取り付けられる上記壁の端部の端面を覆う後枠部と、
上記後枠部の後側に設けられ、上記後枠部の後側と上記後枠部が取り付けられる上記壁の端部の後面とを覆う後側見切部とを有し、
上記戸尻側縦枠材は、
上記引戸の戸尻側で上記控え壁の前側に位置する上記壁の端部の端面を覆う前枠部と、
上記前枠部の前側に設けられ、上記前枠部の前側と上記前枠部が取り付けられる上記壁の端部の前面とを覆う上記前枠部と一体に形成された前側見切部とを有し、
上記戸先側縦枠材、上記横枠材及び上記戸尻側縦枠材の上記前枠部は、上記戸先側縦枠材及び上記戸尻側縦枠材の上記前枠部の上端部が上記横枠材の上記前枠部によって連結されることにより、門型の前枠を形成し、
上記戸先側縦枠材、上記横枠材及び上記方立部材の上記後枠部は、上記戸先側縦枠材及び上記方立部材の上記後枠部の上端部が上記横枠材の上記後枠部によって連結されることにより、門型の後枠を形成している
ことを特徴とする引戸装置。 - 請求項4に記載の引戸装置において、
上記戸先側縦枠材及び上記横枠材の上記後側部材と上記方立部材とは、上記引戸が上記開口を閉鎖する位置にあるときに上記引戸と上記引戸枠との隙間を後側から覆う遮蔽部をそれぞれ有し、
上記戸先側縦枠材及び上記横枠材の上記後側部材と上記方立部材とのそれぞれにおいて、上記遮蔽部は、上記後枠部と一体に形成されている
ことを特徴とする引戸装置。 - 請求項4に記載の引戸装置において、
上記戸先側縦枠材及び上記横枠材の上記後側部材と上記方立部材とは、
上記後側見切部と、該後側見切部の内端部から前方に延びて上記後枠部と係合する係合部とを有する見切部材と、
上記後枠部と別体に形成されて上記引戸が上記開口を閉鎖する位置にあるときに上記引戸と上記引戸枠との隙間を後側から覆う遮蔽部材とをそれぞれ有し、
上記戸先側縦枠材及び上記横枠材の上記後側部材と上記方立部材のそれぞれにおいて、
上記遮蔽部材は、上記後枠部に取り付けられ、
上記後枠部の後面と内面との角部には、上記係合部が嵌まる切り欠きが形成され、
上記係合部は、上記後枠部と上記遮蔽部材との間に挟み込まれている
ことを特徴とする引戸装置。
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