JP7372833B2 - 開口部用装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建物、乗物等の開口部に用いられる建具等の開口部用装置に関し、特に調光することができる開口部用装置に関する。
採光と遮光とを切り替えて調光することができる建具として例えば特許文献1や特許文献2に記載のようなものがある。これによれば、光を採り入れる姿勢と光を遮断する姿勢とを切り替えることができるとされている。
これらはいずれも、光を透過する部位と光を遮断する部位とを有するシートが見込み方向に並べて配置されている。そして、光を透過する部位同士が重なるときに光を採り入れ、光を透過する部位と光を遮断する部位とが重なるときに遮光する。
特開2011-132788号公報 実用新案登録第3203701号公報
しかしながら、上記した特許文献のような従来技術における建具では、遮光の姿勢においても光が漏れて入ってくる量が多く、遮光としての機能が十分とはいえなかった。
そこで、本発明では、遮光と採光とが切り替えられる建具に代表される開口部用装置において、遮光時の遮光性が高い開口部用装置を提供することを課題とする。
本発明の1つの態様は、建物又は乗物の開口部に配置される開口部用装置であって、板状の遮蔽体を少なくとも2つ具備しており、遮蔽体には、その厚さ方向に光を透過する部位が、複数配列されるとともに、隣り合う光を透過する部位の間は遮光する部位とされ、2つの遮蔽体は、その一方の板面同士が接触するように重ねられ、又は、板面の間に3.0mm以下の間隙を有するように配置されており、一方の遮蔽体に具備される光を透過する部位と他方の遮蔽体に具備される光を透過する部位とが重なる第一の姿勢、及び、一方の遮蔽体に具備される光を透過する部位が他方の遮蔽体に具備される遮光する部位により塞がれる第二の姿勢を切り替え可能とされている、開口部用装置である。
光を透過する部位の開口率が20%以上50%以下となるように構成してもよい。
第一の姿勢から第二の姿勢とするために遮蔽体が移動又は回動される方向における、光を透過する部位の最大の大きさが0.5mm以上50mm以下であるように構成してもよい。
遮蔽体の厚さが0.1mm以上3.0mm以下となるように構成してもよい。
隣り合う光を透過する部位は、互いにオフセットされて配置されてもよい。
第一の姿勢から第二の姿勢とするために遮蔽体が移動又は回動される方向において、複数の光を透過する部位は、遮蔽体の一方側端部と他方側端部とで配列のピッチが異なるように構成してもよい。
本発明によれば、遮光状態及び採光(光透過)状態のうちの何れかの状態を実現し得る他、遮光状態と採光状態との中間の状態、即ち、入射する光のうち一部を遮光し一部を採光する状態も実現し得る。さらに、採光(乃至遮光)する光の比率を、遮光状態から採光状態まで、連続的又は段階的に切り替えることができるとともに、遮光時には遮光性が高い開口部用装置となる。
図1は採光の姿勢にある開口部用装置10を正面から見た図である。 図2は遮光の姿勢にある開口部用装置10を正面から見た図である。 図3は開口部用装置10の分解図である。 図4は開口部用装置10の断面図である。 図5は開口部用装置10の他の断面図である。 図6は他の例の開口部用装置10’の断面図である。 図7は他の例の開口部用装置10”の断面図である。 図8は透光部24を説明する図である。 図9は透光部24がx方向及びy方向に一列に並べられた例を説明する図である。 図10は透光部24が円形以外の形状でもよいことを例示して説明する図である。 図11は1つの遮蔽体21で透光部24の配列ピッチが異なる例を説明する図である。 図12は1つの遮蔽体21で透光部24の開口の大きさが異なる例を説明する図である。 図13は遮光の姿勢における開口部用装置10の断面図である。 図14は採光の量が調整された場面を説明する開口部用装置10の断面図である。 図15は円形である開口部用装置50を説明する図である。 図16は通気性の試験を説明するための図である。
図1、図2は、1つの形態に係る開口部用装置10が建物又は乗物の開口部に取り付けられた姿勢において該開口部用装置10を一方側から見た正面図である。図1は開口部用装置10が採光する姿勢である第一の姿勢とされた図、図2は開口部用装置10が遮光する姿勢である第二の姿勢とされた図である。
本発明の開口部用装置は、建物又は乗物の開口部に設置して、遮光状態から採光状態に至るまでの適宜光量の入射光を採光(乃至遮光)すること、即ち採光量を制御することができる。ここで「建物又は乗物の開口部」は、人や物の出入り、輸送、採光、視界の確保、通気、又は換気等の目的で、建物の室内と室外、乗物の内部と外部とを連通する、及び、建物の隣り合う部屋同士や乗物の隣り合う空間同士を連通する開口した部位をいう。
また、本発明の開口部用装置は、建物又は乗物の開口部に設置して採光量を制御する用途以外に、建物又は乗物の室内の適宜位置に間仕切として設置し、該間仕切の透過光量又は該間仕切の向こう側の風景の視認性を制御する用途にも適用できる。そのため、本発明に於ける「建物又は乗物の開口部用装置」には、間仕切(partition)としての使用形態及び用途も包含するものとする。
そしてこのような開口部には扉、戸、窓等のいわゆる建具が配置されることが多い。そして開口部用装置10は、このようないずれの開口部にも適用することができるが、特に、建物の開口部のいわゆる建具に好適に用いることができる。ここで建物としては、住宅、事務所、病院、店舗等の各種建物が挙げられる。一方、乗物としては、自動車、鉄道車両、船舶、航空機、宇宙船等が挙げられる。
以下に示す図では、見易さのため開口部用装置を構成する各部材及び各部位について、誇張、変形及び省略して表示することがある。例えば部材の厚さについては実際よりも厚く表現することがある。見易さのため繰り返しとなる符号は一部のみを記載し、他の部位には符号を付すことを省略することがある。
また、便宜のため、図面には互いに直交するいわゆる3次元座標系(x、y、z)の方向を合わせて表している。本形態では開口部用装置が建物又は乗物の開口部に配置された姿勢により説明するため、x方向が水平方向、y方向が鉛直方向、z方向が厚さ方向となる。なお、x-y平面内における各方向のことを見付け方向、z方向のことを見込み方向と記載することもある。
図3は開口部用装置10の分解図、図4は図1にIV-IVで示した線に沿った断面図、図5は図1にV-Vで示した線に沿った断面図である。図4の断面は後述するように、採光と遮光との切り替えのために遮蔽体21が移動される方向に対して直交する方向の断面であり、図5の断面は採光と遮光との切り替えのために遮蔽体21が移動される方向に対して平行な方向の断面である。
本形態の開口部用装置10は、正面から見たときに四角形であり、建物又は乗物の開口部の4辺の縁に沿って配置される枠体11、及び該枠体11により区画される枠内に配置される2枚の遮蔽体21を備えている。
本形態の枠体11は、上下のそれぞれに水平に延びるように配置される枠材である横枠12、及び該横枠12の端部を渡して鉛直に延びるように配置される枠材である縦枠13を備え、これらが枠状に組み合わされている。すなわち、本形態で枠体は4つの枠材が枠組みされてなるものである。
横枠12は、枠体11のうち上枠及び下枠に相当する枠材である。横枠12は、図4に表される断面からわかるように、z方向に延びる片12a及び該片12aのz方向一端及び他端に具備されたy方向に延びる片12bを備えている。そして、横枠12は当該断面を有してx方向に延びるように形成されている。すなわち、横枠12では片12aと2つの片12bによる溝12cを有している。
そして、2つの横枠12は、遮蔽体21のy方向の大きさに基づいて所定の間隔でy方向に並べられ、溝12cが向かい合うように配置されている。
横枠の具体的な形状は特に限定されることはなく、遮蔽体21が後述するような移動ができるようにしつつ、該遮蔽体21の上下方向両端を保持することができれば適宜必要な形状をとることができる。
縦枠13は、枠体11のうち左枠及び右枠に相当する枠材である。縦枠13は、図5に表される断面からわかるように、z方向に延びる片13a及び該片13aのz方向一端及び他端に具備されたx方向に延びる片13bを備えている。そして、縦枠13は当該断面を有してy方向に延びるように形成されている。すなわち、縦枠13では片13aと2つの片13bによる溝13cを有している。
そして、2つの縦枠13は、遮蔽体21のx方向の大きさ及び後述する遮蔽体21の移動のために確保すべき空間の大きさに基づいて所定の間隔でx方向に並べられ、溝13cが向かい合うように配置されている。この溝13cは後述するように、透光部24と遮光部25との関係を遮光状態とするために、遮蔽体21を移動した際に該遮蔽体21の端部を縦枠21内に収納する空間を形成する溝として機能する。
縦枠の具体的な形状は特に限定されることはなく、遮蔽体21が後述するような移動ができるようにしつつ、該遮蔽体21の左右方向両端を保持することができれば適宜必要な形状をとることができる。
遮蔽体21は、少なくとも2つ備えられることにより、採光と遮光とを切り替える板状の部材である。そのため、本形態の遮蔽体21は、基材22、及び、該基材22の両面のそれぞれに配置された化粧材23を備えるとともに、透光部24及び遮光部25を具備して構成されている。以下、それぞれについて説明する。
ここで、「板状」は、フィルム、シート、あるいは板の何れでも良い。一般的には、厚さが比較的薄いものから、順次、フィルム、シート、板と呼称されるが、本形態においては、これら基材の厚さ形態による差異は本質的な事項では無く重要な事項でもない。そのため、本明細書中においてはフィルム、シート、及び板の何れかの用語は適宜他の用語に読み換えても本発明の本質も特許請求の範囲の解釈も不変である。
本形態で基材22は、化粧材23を積層させる基材として機能するとともに、遮蔽体21に強度を付与する機能を有する板状の部材である。基材22を構成する材料としては、透明であるか不透明であるかを問わず、その材質や色も特に限定されることはない。
用いることができる材料としては例えば次のようなものを挙げることができる。
・杉、檜、松、欅、樫、ラワン等の各種木材からなる単板、合板、集成材、パーティクルボード、繊維板等による木質板
・石膏板、軽量発泡コンクリート、セメント、陶器、磁器、石材、土器、ガラス等からなる各種セラミックス板
・鉄、アルミニウム、銅、チタニウム等の金属の単体、或いはこれら金属を含む合金、例えば、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄合金、真鍮、青銅等の銅合金、ジュラルミン等のアルミニウム合金等からなる金属板。尚、これら金属板表面には、必要に応じて表面に各種の防錆又は防蝕処理を施しても良い。例えば、炭素鋼板の場合には表面に亜鉛メッキした炭素鋼板を挙げることができる。
・発泡スチロール等のポリスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン-塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー等のオレフィン樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ弗化ビニリデン、ポリ4弗化エチレン等の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂板
・フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂からなる熱硬化性樹脂板
・フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の硬化性樹脂の未硬化物をガラス繊維不織布、布、紙、及びその他の各種繊維質基材に含浸して硬化させた複合化材料板(いわゆるFRP板)
ただし、コスト、加工性、重量、操作性、及び、強度の観点からは、上記のうち樹脂を用いた材料による板であることが好ましい。
基材22の厚さは遮蔽体21に必要な強度を付与することができればよく、材料によって必要な厚さが異なるが、0.1mm以上3mm以下が好ましく、重さや操作性の観点から0.5mm以上2mm以下であることがより好ましい。
本形態の化粧材23は、基材22の両面に配置されて遮光部25を形成するとともに、遮蔽体21に模様等の意匠外観を付与して遮蔽体21に所望の質感を与える。代表的な化粧材としてはいわゆる化粧シートを適用することができる。
これには例えば、薄紙、上質紙、クラフト紙、和紙、チタン紙、樹脂含浸紙及び、紙間強化紙等の紙、木質繊維、ガラス繊維、石綿、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、及び、レーヨン繊維等からなる織布や不織布、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリアミド、ポリウレタン、及び、ポリスチレン等の合成樹脂シート、鉄、アルミニウム、銅、チタニウム等の金属単体或いはこれら金属を含む合金等の板又はシート等の単層体、並びに、上記単層体のうちの異なる2種以上を積層した積層体等が挙げられる。
これら材料の観察可能な表面上、必要に応じて、凹凸模様の賦形、着色、及び、絵柄層の積層、金属薄膜の積層等の1つ又はその複合により、所望のデザイン(装飾)を付して構成することができる。
又、基材22自体に所望の隠蔽性、色調、機械的強度等を有している場合には、化粧材23の基材22上への積層を省略したり、基材22の観察可能な表面上に直接、絵柄層の積層、凹凸模様の賦形、着色等により、所望のデザインを付与したりすることもできる。
ここで絵柄層は、デザインが施された層であり、各種の模様、色彩パターン、写真、絵画、図画等、特に限定されることなくここに配置することができる。このような絵柄層は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、及びインクジェット印刷等の印刷法又は塗装法により形成することができる。
より具体的な絵柄層のデザインとしては、例えば、木目、石目、布目、皮紋、幾何学形状、文字、記号、線画、花柄模様、縞模様、市松模様、雷紋模様等の各種抽象柄模様等が挙げられる。
また、遮蔽体21の表面は滑り性がよい態様としてもよい。そのためには例えば、化粧材の少なくとも最表面を、ポリエチレン、ポリ4弗化エチレン等の滑り性が高い材料により構成したり、引っ掛かりの少ない凹凸模様の化粧材を適用したりすることができる。これによれば、後述するような遮蔽体21の移動をより円滑に行わせることができる。
化粧材23の厚さは特に限定されることはないが、20μm以上300μm以下の範囲であることが好ましい。
このような化粧材により、透光と遮光との切り替えの機能に加えて、質感を活かしたデザイン性の高い開口部用装置とすることができる。
基材22と化粧材23との接合は特に限定されることはないが、本形態では接着剤により行われている。接着剤としては公知のものを用いることができ、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ブタジエン-アクリルニトリルゴム、クロロプレンゴム、及び、天然ゴム等を有効成分とするものが挙げられる。
接着剤による層の厚さは特に限定されることはないが、0.1μm以上50μm以下の範囲とすることができる。
透光部24は、開口部用装置10が建物又は乗物の開口部に配置された姿勢で遮蔽体21が露出する部分、すなわち、本形態では遮蔽体21のうち枠体11の溝12c及び溝13cの内側に挿入されない部分において、遮蔽体21の厚さ方向(z方向、見込み方向)に光が透過する部分である。
遮光部25は、開口部用装置10が建物又は乗物の開口部に配置された姿勢で遮蔽体21が露出する部分、すなわち、本形態では遮蔽体21のうち枠体11の溝12c及び溝13cの内側に挿入されない部分において透光部24以外の部分であり、遮蔽体21の厚さ方向(z方向、見込み方向)に光を透過させない部位である。
本形態の透光部24は、基材22及び化粧材23を貫通する穴であり、複数の透光部24がxy面内方向(見付け方向)に配列されている。
ただし、透光部は、必ずしもこのように基材22及び化粧材23を貫通する穴である必要はなく、光が遮光体21の厚さ方向に透過するように構成されていればよい。具体的には図6及び図7に例を示した。いずれの図も図4と同じ視点による図である。
図6の例は、開口部用装置10’において、基材22が、例えば、硝子、樹脂等の透明な材料で構成されており、化粧材23にのみ穴24’が設けられている。このような基材22、化粧材23、及び化粧材の穴24’による透光部24が形成されてもよい。
図7の例は、基材22が不透明な材料で構成されており、化粧材23が透明であり、基材22にのみ基材22の厚さ方向に貫通する穴24”が設けられている。このような基材22の穴24”、及び化粧材23による透光部24が設けられてもよい。
図示はしないが遮蔽体を不透明な基材のみとし、化粧材を配置しない遮蔽体であってもよい。この例では基材のみからなる遮蔽体であるため、基材に該基材の厚さ方向に貫通する穴が開いていればこれが透光部となる。
また、透明な基材に対して化粧材を設ける代わりに基材に対して直接印刷や塗装を施すことにより遮光部、絵柄層を設けてもよい。
また、図示はしないが、基材22及び化粧材23の両者を不透明とし、両者の積層体に開けた貫通孔の内部を硝子、樹脂等の透明材料で充填して透光部24としてもよい。
以上のような透光部24は、xy平面方向に次のように配列される。すなわち、第一には、2つの遮蔽体21を、その一方の面(xy平面に平行な面、見付け方向に広がる面)同士が接触するように重ねられたときに、透光部24同士が厚さ方向(見込み方向)に重なる位置、即ち第一の姿勢となる。さらには、第二に、このように重ねられた姿勢から、一方の遮蔽体21をxy平面方向のいずれかに移動させたとき(本形態ではx方向に移動させたとき)、2つの遮蔽体21が接触する面において、一方の遮蔽体21の透光部24の開口の全てが他方の遮蔽体21の遮光部25に重なって塞がれるようにして、両方の遮蔽体21の透光部24同士が厚さ方向に一部も重ならない位置、即ち第二の姿勢となるように構成する。
これにより、採光と遮光とを切り替えることができるとともに、遮光の姿勢では高い遮光性を有するものとなる。
なお、図4乃至図7に図示した形態においては、1対の遮蔽体21の対向する板面同士の間隙は実質0mmであり、接触して配置されている。このような形態によれば、後述するように一方の遮蔽体21を移動して遮光させたとき(第二の姿勢としたとき)に特に高い遮光性を得ることができる。
但し、建物又は乗物の開口部において、光を完全に遮断することまでは要求されない場合や、建物又は乗物の開口部を透過する光量を低減した上で所望の光量を確保することが要求される場合等には、これら2つの遮蔽体21の対向する板面同士の間に間隙を設けてもよい。当該間隙の値(寸法)は、第二の姿勢において要求される遮光性能、透光部24のピッチや開口面積等に応じて変わり得るが、本発明の効果を奏する開口部用装置として機能する観点から、3.0mm以下とすることができる。この間隔の下限値は上記のように0mmであるが、上記観点から敢えて間隙を設ける場合には当該間隙を0.1mm以上とすることが好ましい。
また、遮蔽体21をz方向、すなわち図1の視点から見たときにおける透光部24が占める面積である開口率は10%以上50%以下であることが好ましい。
この開口率は次のように定義される。
図1の視点における1つの透光部24が占める領域の面積を「開口面積」としたとき、全ての透光部24の開口面積を合計した面積を「合計開口面積」とする。
そして、図1の視点において、遮蔽体21が露出する部分の面積(本形態では遮蔽体21のうち枠体11の溝12c及び溝13cの内側に挿入されない部分)の面積に対して、合計開口面積が10%以上50%以下であることが好ましい。
これが10%未満であると採光の効果が小さくなる虞があり、50%を超えると遮光性が低下する虞がある。より好ましくは40%以下である。
また、複数の透光部24は、x方向及びy方向のいずれの方向にも複数配列されることが好ましく、より好ましくは、開口面積が小さい透光部24がx方向及びy方向に複数配列される形態である。これにより、採光時において開口部用装置10の外観がより良好となるとともに、透光部24を通して反対側の景色が見え易くなり景観もより良好となる。
そのための具体的な開口の態様は特に限定されることはないが本形態のように開口が円形の場合には開口の直径が1mm以上50mm以下とすることができる。また、図8に遮蔽体21の一部を拡大して図に表したように、x方向及びy方向に隣り合う透光部24のピッチP、Pは2mm以上200mm以下とすることができる。
開口が円形の場合、開口の直径が好ましくは2mm以上15mm以下、より好ましくは3mm以上6mm以下である。これにより採光時において、開口形状(円形であること)の印象が弱くなり、外観がさらによくなるとともに、遮蔽体の質感を活かしたデザイン性の高い空間を得ることができる。
また、本形態で複数の透光部24は、後述するように遮蔽体21を移動させる方向(本形態ではx方向)に隣り合う透光部24がy方向にずらされて配置されており、いわゆるオフセット配列、千鳥配列といわれる配列とされている。これによれば、透光部24をより密に設けることができる。
このようなオフセット配列としたときには特に限定されることはないが、図8に示したθが45°以上60°以下となることが好ましい。
ここで、θは次のように得ることができる。ある1つの透光部Aの開口の縁上の1点をa、透光部Aのy方向に隣の透光部Bの開口におけるaと同じ位置(aに対応する位置)の1点をb、及び、透光部Aのx方向でオフセットしていない隣の透光部Cの開口におけるaと同じ位置(aに対応する位置)の1点をcとして、直角三角形abcを形成したとき、透光部B(点b)の頂角をθとする。
ここでは透光部24がオフセット配列された例を説明したがこれに限らず図9に示したように透光部24がx方向及びy方向にそれぞれ一直線上に配列される形態であってもよい。
また、本形態では透光部24の開口が円形である例を説明したが、これに限らず様々な開口の形状を適用することができる。図10には開口の形状が四角形、三角形、及び楕円形である例をそれぞれ表した。この他、五角形以上の多角形や星形等の各種幾何学模様を適用してもよい。全ての開口形状が同じである必要はなく、1つの遮蔽体に複数の異なる開口形状が含まれるように構成してもよい。
ただし、遮蔽体21の移動の際に引っ掛かり等が生じ難い観点から、透光部2の開口の形状は角部がない円形や楕円形、及び角が円弧状の(いわゆるRが取られた)多角形形状とすることができる。
また、透光部24のピッチや開口面積も1つの遮蔽体21の中で同じである必要はなく、部位によって異なっていてもよい。このような形態の例として図11及び図12に説明のための図を示した。図11、図12は図1と同様の視点で遮蔽体21を正面から見た図である。
図11は、遮蔽体21が移動する方向(本形態ではx方向)の一端側と他端側とで透光部24のピッチが異なる例である。本形態では、図11の左側の透光部24のピッチの方が右側の透光部24のピッチよりも大きくされている。
図12は、遮蔽体21が移動する方向(本形態ではx方向)の一端側と他端側とで透光部24の開口面積が異なる例である。本形態では、図12の左側の透光部24の開口面積の方が右側の透光部24の開口面積よりも小さくされている。
このように透光部24のピッチや開口面積を、遮蔽体21が移動する方向で異なるものとすることで、遮蔽体21を移動した際に部位により採光の程度が異なり特有の外観を演出することができる。
上記ではピッチ、及び、開口面積が一端側と他端側とで異なる例を示したが、これに限らず、遮蔽体21の移動方向に沿って段階的に又は連続的にこれらが変化するように構成してもよい。
また、上記ではピッチ違いの例と開口面積違いの例を別々に説明したが、これらを複合してもよく、開口形状も円形である必要はなく、上記したように所望の開口形状を適用することができる。すなわち上記説明した各構成の例は、それぞれの要素のみで適用される必要はなく、組み合わせて適用してもよい。
また遮蔽体21の厚さは特に限定されることはないが、0.1mm以上3mm以下とすることができる。
以上のような構成要素が例えば次のように組み合わされて開口部用装置10とされている。これにより開口部用装置10の各構成が備えるべき形態がさらに理解される。
図1乃至図4からわかるように、2つの遮蔽体21がその一方の板面同士が接触するように重ねられている。
このようにして重ねられた2つの遮蔽体21の外周端部のそれぞれが、枠組みされた枠体11を構成する横枠12の溝12c及び縦枠13の溝13cの内側に配置されている。
このとき、2つの遮蔽体21は、横枠12の片12b及び建枠13の片13bにより厚さ方向(z方向、見込方向)にはできるだけ移動しないように挟まれている。
また、図5にSで示したように、採光と遮光とを切り替えるために、遮蔽体21を移動させる方向に配置された枠材(本形態では縦枠13、溝13c)については、片13aと遮蔽体21の端面との間に間隙が大きくとられている。この間隙により遮蔽体21が枠体11に保持されつつも移動させることができる。従って、この間隙は遮蔽体21を移動させるために必要な距離に基づいた範囲で設けられていればよい。すなわち、当該間隙(溝13cによる空洞)は、図13に図示して後述するように、両遮蔽体21が第二の姿勢をとって、透光部24と遮光部25との関係を遮光状態とするために図5の矢印T方向(x方向)に移動した一方の遮蔽体21を縦枠13内に収納する空間として機能する。
このように構成された開口部用装置10は例えば次のように作用させることができる。
開口部用装置10は、図1、図4及び図5に示したように2つの遮蔽体21において、その透光部24のx、y位置が同じになるようにしてz方向に重なるように一致させる姿勢である第一の姿勢とすることができる。この姿勢では、2つの遮蔽体21の透光部24を光が透過して採光することが可能となる。そして本形態では、この姿勢が最も開口が大きく最も多くの光を採光することが可能な姿勢である。
一方、開口部用装置10を図1、図4及び図5の姿勢から、一方の遮蔽体21を図5に矢印Tで示したx方向に移動させることができる。この移動は特に限定されることがなく、例えば遮蔽体21の板面に指で触れて移動させることが可能である。これにより図2、図13に示したように、一方の遮蔽体21の透光部24が他方の遮蔽体21の透光部24に対してx方向位置がずれ、一方の遮蔽体21の透光部24の全部が他方の遮蔽体21の遮光部25とz方向に重なる姿勢である第二の姿勢とすることができる。この姿勢では、2つの遮蔽体21が接触する部位において、一方の遮蔽体21の透光部24の開口の全部が他方の遮蔽体21の遮光部25に塞がれるため透光部24に入射した光は遮光部25で遮断され遮光状態となる。
本形態の開口部用装置10では、2つの遮蔽体21が接触した姿勢(間隔0mm)で遮光しているので光の漏れが最も抑制されて遮光性を高めることができる。また、このように遮光性を高めると、図2のような視点で開口部用装置10を見たときに光による明暗が生じることが抑制されているため、透光部24があるにもかかわらず、化粧材23に付された所望のデザインを開口部用装置10の全面に亘って一体感のある形で表現することができる。
一方、上記したように建物又は乗物の開口部において、光を完全に遮断することまでは要求されない場合や、建物又は乗物の開口部を透過する光量を低減した上で所望の光量は確保することが要求される場合等のように、2つの遮蔽体21の対向する板面同士の間に間隙を設けた場合には、遮光性の程度は低下するものの、間隙を設けた理由に基づく効果を奏するものとなる。
また、図5の姿勢から、一方の遮蔽体21を図5に矢印Tで示したx方向に移動させるとき、図14に示したように、一方の遮蔽体21の透光部24と他方の遮蔽体21の透光部24とのx方向位置がずれ、透光部24の一部同士がz方向に重なり、他の部分は遮光部25とz方向に重なる姿勢とすることができる。この姿勢では、光は開口部用装置10を透過するものの、図1、図4及び図5で示した姿勢に比べて光の透過量が減少する。このように開口部用装置10では遮光体21の移動量により、採光する光の量を無段階で調整することが可能である。
本形態では遮蔽体21を水平方向(x方向)に移動させることにより採光状態と遮光状態との間の適宜採光(乃至遮光)状態に切り替える開口部用装置10について説明したが、これに限定されることはなく、鉛直方向(y方向)に遮蔽体を移動させることにより適宜採光(乃至遮光)状態に切り替える開口部用装置としてもよい。または、水平方向及び鉛直方向のいずれに遮蔽体を移動しても適宜採光(乃至遮光)状態に切り替えることができるように構成してもよい。
図15には他の形態にかかる開口部用装置50を説明する図を示した。図15は図1と同じ視点による図である。
開口部用装置50も、枠体11と、枠体11で区画された枠内に配置された2つの遮蔽体21とを備えている。ただし、本形態では開口部用装置10とは異なり、枠体11が円形の環状に形成されており、遮蔽体21はこれに対応するように円板状である。そして、本形態で透光部24は遮光体21の円板の中心から半径方向及び周方向のそれぞれに並べられるように複数配列されている。
このような開口部用装置50では、一方の遮蔽体21を図15に矢印Cで表したように、遮蔽体21の中心周りに回転させることにより採光と遮光とを切り替える。従って遮光体21の透光部24は、円周方向への回転で採光と遮光とを切り替えることができるように配列され、考え方は上記した開口部用装置10と同様である。
上記開口部用装置10の例に倣って、実施例1乃至実施例16にかかる開口部用装置を作製して各種性能を評価した。これに対して比較例にかかる開口部用装置として比較例1乃至比較例5を同様に評価した。詳しくは次の通りである。
[実施例1乃至実施例16、比較例1及び比較例2にかかる開口部用装置]
<基材>
基材の大きさは、いずれの開口部用装置も縦(設置したときに鉛直方向)を300mm、横(設置したときに水平方向)200mmとし、基材の厚さ及び色は表1に記載の通りである。
基材の材質は、実施例1乃至実施例7及び実施例11は塩化ビニル、実施例8はステンレス鋼(SUS430)、実施例9はポリカーボネート、並びに、実施例10、実施例12乃至実施例16、比較例1及び比較例2はアルミニウムとした。
<化粧材>
化粧材はいずれも粘着剤層付きのポリプロピレン系樹脂シートに絵柄層を印刷形成してなる化粧材(商品名「サフマーレ」(登録商標)、大日本印刷株式会社製、品番;WS5088E、及びWS3061E)を使用した。実施例2のみWS3061Eを用い、他の実施例はWS5088Eとした。化粧材の厚さは何れも0.18mmである。
この化粧材を粘着剤により基材の両面のそれぞれに貼り合わせた。
<透光部>
透光部は、化粧材を貼り付けた基材を厚さ方向に貫通する穴により構成した。穴あけ加工は材質が樹脂の場合は切削加工、金属の場合は打抜き加工で行った。透光部における開口形状、開口の大きさ、開口のピッチ、上記θ、最大の開口率は表1の通りである。ここで最大の開口率は上記図1で示した姿勢にあるときである。
<2枚の遮蔽体の厚さ方向間隔>
2枚の遮蔽体の厚さ方向において該遮蔽体の板面同士が重なるときには2枚の遮蔽体の厚さ方向間隔を「0mm」とし、それ以外のときには間隔を遮蔽体の板面間の厚さ方向距離で表した。
[比較例3乃至比較例5にかかる開口部用装置]
<比較例3>
比較例3は、調光スクリーン(トーソー株式会社製、TR-3713)とした。この調光スクリーンは、ポリエステル製で0.4mm厚さのスクリーンが見込み方向に2枚重なるように配置されており、当該スクリーンに透光部と遮光部とが交互に配置されている。スクリーンの色はチョコレート、最大の開口率が40%である。従って2枚のスクリーンの相対位置をずらすことにより透光部が重なったときには採光し易く、透光部と遮光部とが重なることで採光の程度が抑制される。なお、2枚のスクリーンの間には18mmの間隙を有している。
<比較例4>
比較例4は、障子紙(株式会社大創産業製)とした。障子紙はパルプ95%、レーヨン5%からなり、0.06mm厚さ、色は白である。障子紙であることから、紙自体をその厚さ方向に光の一部が透過する。光を透過するという性質からここでは、開口率は100%とし、固定である。
<比較例5>
比較例5は、網戸(ダイオ化成株式会社製、クラウンネット)とした。網を構成する線材は黒色のポリプロピレン製で、網目は24メッシュで開口率は80%で固定である。網の厚さは0.36mmであった。
[評価の内容及び評価方法]
<採光性>
上記した各実施例及び各比較例の開口部用装置を縦300mm、横200mmの大きさで準備し、見付け方向の面が鉛直となるように設置した。
実施例1乃至実施例12の開口部用装置では、2枚の遮蔽板を見込み方向に重ね、当該2枚の遮蔽板の一方の面同士が接触するように配置した。
実施例13乃至実施例16、比較例1、及び比較例2の開口部用装置では、2枚の遮蔽体は表1に表れる間隔を有するように配置した。
比較例3の調光スクリーンは、当初からスクリーンが見込み方向に2枚配置されているため、そのままの態様で用いた。
比較例4の障子、比較例5の網戸は、それぞれ見込み方向に2枚重ね、2枚のうち一方の面同士が接触するように配置した。
実施例1乃至実施例16、比較例1、及び比較例2の開口部用装置については第一の姿勢(最も開口した姿勢)とし、比較例3の開口部用装置(調光スクリーン)についても最も開口した姿勢とした。比較例4及び比較例5の開口部用装置(障子、網戸)については開口を変化させることができないので単に2枚を重ねたままとした。
そして、卓上暗室ブース内に開口部用装置、蛍光灯(光源)、及び照度計を配置して採光性を評価した。詳しくは次の通りである。
開口部用装置を鉛直(見込み方向が水平、見付け方向が鉛直になるよう)に配置した。
蛍光灯(メロウZ(登録商標) 3波長昼白色 FL15EX-N―Z 15W、株式会社東芝製)は、該蛍光灯の発光面の最も外面と開口部用装置の一方の面との距離が10cmとなるように設置した。
照度計(携帯型分光放射照度計Lighting Passport Pro、型式ProEssence、アセンステック社製)は、開口部用装置の他方の面側(開口部用装置を挟んで蛍光灯を配置した側とは反対側)に、開口部用装置の他方の面と照度計の検知部の外面との距離が10cmとなるように設置した。
そして、蛍光灯を点灯して照度計により照度を測定することで開口部用装置を透過した光の強さ(照度)を計測した。照度計により検知した光が200ルクス(Lux)以上であれば良好とし、200ルクス(Lux)未満であれば不良とした。
<遮光性>
遮光性の試験では、上記透光性の試験と同様に開口部用装置を設置し、実施例1乃至実施例16、比較例1、及び比較例2の開口部用装置については第二の姿勢(遮光の姿勢)とし、比較例3の開口部用装置(調光スクリーン)についても最も遮光した姿勢とした。比較例4及び比較例5の開口部用装置(障子、網戸)については開口を変化させることができないので透光性の試験のままの姿勢とした。
そして上記採光性の試験と同様に卓上暗室ブース内に開口部用装置、蛍光灯、照度計を配置した。そして、蛍光灯を点灯して照度計により照度を測定することで開口部用装置を透過した光の強さ(照度)を計測した。照度計により検知した光が30ルクス(Lux)未満であれば良好とし、30ルクス(Lux)以上であれば不良とした。
<通気性>
通気性については次のように試験を行った。図16に説明のための図を示した。
始めに、内容積が32.7Lである発泡スチロールの箱(株式会社カルックス製、KC-33)100を準備し、その1つの壁に一辺が100mmである正方形の穴101を開け、この穴101により箱100の内外を連通させる。
次にこの穴101に対して外側から試験対象となる開口部用装置(実施例1乃至実施例16及び比較例1乃至比較例5)を、穴101を覆うように配置して固定する。このとき、各開口部用装置は次の表2のように開口させた状態で配置した。
また、箱100内には温湿度ロガー(T&D社製 TR-72wf)を設置しておいた。
第1条件として、内容積800Lの恒温恒湿器(エスペック株式会社製、PSL-4KP)を準備し、恒温恒湿器内が40℃80%RHに設定し、温度及び湿度が安定した時点(必ずしも40℃、80%RHにならなくてもよい。)で上記準備した開口部用装置を固定した箱101を恒温恒湿器内に設置した。設置直後から30分間、5秒毎に温湿度を測定した。ここでは、箱101を恒温恒湿器内に投入してから、5分後の温湿度変化を測定値とした。ここで変化とは、5分後における箱101内の温度及び湿度から、箱101を恒温恒湿器内に投入した直後の温度及び湿度を引いた値である。
第2条件として恒温恒湿器内を0℃とする以外は第1条件と同様に測定値を得た。なお、上記恒温恒湿器は0℃では湿度の設定ができないため、温度の設定のみとした。
ここで、測定値を、箱101を恒温恒湿器内に投入してから5分後の温湿度変化としたのは、上記の条件による試験によれば、当該5分間における温室度の変化が、開口部用装置の通気性の特徴を顕著に現わすことができるとの知見によるものである。
以上の各試験の結果を表3に示す。
表3からわかるように、実施例の開口部用装置によれば、遮蔽体の姿勢を変更することで、採光と遮光とを切り替えることができ、遮光の際には高い遮光性を実現することが可能である。また、通気性も良好な範囲を確保することができる。また、実施例12乃至実施例16、比較例1及び比較例2の対比より遮蔽体間の間隔を3.0mm以下とすることで全ての性能をバランスよく実現できることもわかる。最も好ましくは間隔が0mm(すなわち重なっているとき)であるが、当該間隔は3.0mm以下であっても効果があり、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。
10 開口部用装置
11 枠体
12 横枠(枠材)
13 縦枠(枠材)
21 遮蔽体
22 基材
23 化粧材
24 透光部
25 遮光部

Claims (8)

  1. 建物又は乗物の開口部に配置される開口部用装置であって、
    基材と、樹脂からなり前記基材の表面に配置された化粧材と、を具備する板状の遮蔽体を少なくとも2つ具備しており、
    前記遮蔽体には、その厚さ方向に光を透過する部位が、複数配列されるとともに、隣り合う前記光を透過する部位の間は遮光する部位とされ、
    前記2つの遮蔽体は、その一方の板面同士が接触するように重ねられ、
    一方の前記遮蔽体に具備される前記光を透過する部位と他方の前記遮蔽体に具備される前記光を透過する部位とが重なる第一の姿勢、及び、前記一方の前記遮蔽体に具備される前記光を透過する部位が前記他方の前記遮蔽体に具備される前記遮光する部位により塞がれる第二の姿勢を切り替え可能とされている、
    開口部用装置。
  2. 建物又は乗物の開口部に配置される開口部用装置であって、
    透明材料からなる基材と、前記基材の表面に配置された化粧材と、を具備する板状の遮蔽体を少なくとも2つ具備しており、
    前記化粧材には、その厚さ方向に光を透過する部位が、複数配列されるとともに、隣り合う前記光を透過する部位の間は遮光する部位とされ、
    前記2つの遮蔽体は、その一方の板面同士が接触するように重ねられ、又は、前記板面の間に3.0mm以下の間隙を有するように配置されており、
    一方の前記化粧材に具備される前記光を透過する部位と他方の前記化粧材に具備される前記光を透過する部位とが重なる第一の姿勢、及び、前記一方の前記化粧材に具備される前記光を透過する部位が前記他方の前記化粧材に具備される前記遮光する部位により塞がれる第二の姿勢を切り替え可能とされている、
    開口部用装置。
  3. 隣り合う前記光を透過する部位は、互いにオフセットされて配置されている請求項1又は2に記載の開口部用装置。
  4. 建物又は乗物の開口部に配置される開口部用装置であって、
    円板状の遮蔽体を少なくとも2つ具備しており、
    前記遮蔽体には、その厚さ方向に光を透過する部位が、複数配列されるとともに、隣り合う前記光を透過する部位の間は遮光する部位とされ、
    前記2つの遮蔽体は、その一方の板面同士が接触するように重ねられ、又は、前記板面の間に3.0mm以下の間隙を有するように配置されており、
    一方の前記遮蔽体に具備される前記光を透過する部位と他方の前記遮蔽体に具備される前記光を透過する部位とが重なる第一の姿勢、及び、一方の前記円板状の遮蔽体を円の中心周りに回転させることでなされる、前記一方の前記遮蔽体に具備される前記光を透過する部位が前記他方の前記遮蔽体に具備される前記遮光する部位により塞がれる第二の姿勢を切り替え可能とされている、
    開口部用装置。
  5. 前記光を透過する部位の開口率が20%以上50%以下である請求項1乃至請求項のいずれかに記載の開口部用装置。
  6. 前記第一の姿勢から前記第二の姿勢とするために前記遮蔽体が移動又は回動される方向における、前記光を透過する部位の最大の大きさが0.5mm以上50mm以下である請求項1乃至請求項のいずれかに記載の開口部用装置。
  7. 前記遮蔽体の厚さが0.1mm以上3.0mm以下である請求項1乃至請求項のいずれかに記載の開口部用装置。
  8. 前記第一の姿勢から前記第二の姿勢とするために前記遮蔽体が移動又は回動される方向において、複数の前記光を透過する部位は、前記遮蔽体の一方側端部と他方側端部とで配列のピッチが異なる請求項1乃至請求項のいずれかに記載の開口部用装置。
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