JP2003184447A - 扉面材及びこれを用いたドア - Google Patents

扉面材及びこれを用いたドア

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JP2003184447A
JP2003184447A JP2001387384A JP2001387384A JP2003184447A JP 2003184447 A JP2003184447 A JP 2003184447A JP 2001387384 A JP2001387384 A JP 2001387384A JP 2001387384 A JP2001387384 A JP 2001387384A JP 2003184447 A JP2003184447 A JP 2003184447A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な加飾作業で両面側に模様を表出させる
ことができるとともに、高い隠蔽性を付与すること。 【解決手段】 透光性を有する基材14と、この基材1
4の第1の面14A側に設けられた加飾隠蔽層15とを
備えて扉面材12が構成されている。加飾隠蔽層15
は、基材14の第1の面14A側からストライプ模様を
視認可能な表側模様形成層17と、基材14の第2の面
14B側から表側模様形成層17と略同一ピッチとなる
ストライプ模様を視認可能な裏側模様形成層18と、こ
れら各模様形成層17,18の間に配置される中間層1
9とを備えている。各模様形成層17,18は、平面視
で相互に非干渉となる位置に設けられており、各模様形
成層17,18の何れか一方が中間層19に重なり合う
ことで扉面材12の隠蔽性が確保されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は扉面材及びこれを用
いたドアに係り、更に詳しくは、両面側から模様を表出
させるための加飾作業を簡単に行うことができ、且つ、
隠蔽性を高めることのできる扉面材及びこれを用いたド
アに関する。
【0002】
【従来の技術】住宅の洗面脱衣室等に設けられる室内ド
アは、他の室内ドアと同様に両面側のデザイン性が要求
される他、脱衣行為等がなされるプライベート空間を構
成するための隠蔽性が要求される。そこで、このような
室内ドアとしては、例えば、扉面材の両面側をそれぞれ
加飾して隠蔽性を確保したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記室
内ドアにあっては、当該扉面材の両面側をそれぞれ別工
程で加飾する作業が必要になり、当該加飾作業に手間が
かかるという不都合がある。また、隠蔽性を確保しつつ
も、照明の点灯状況によって洗面脱衣室が使用中である
か否かを確認することができるように、ドアの上部に室
内の明かりが漏れる確認用小窓等を設ける場合が多い
が、この場合には、扉面材に部分的に穴を形成し透光性
板を装着しなければならない等、製造工程や構造が複雑
となるばかりか、確認用小窓の形成縁部分に生じた段差
に埃等が溜まり易く、しかも、当該段差の存在により、
確認用小窓の周囲の手入れも大変になるという不都合が
ある。
【0004】ところで、透光性を有する樹脂製の基材の
片面側に、スクリーン印刷等により、一層の加飾層が設
けられた室内ドアが知られている。この室内ドアにあっ
ては、基材が透光性を有するため、扉面材の片面側の加
飾作業で、その両面側から模様を表出させることができ
る。しかしながら、この構成では、加飾作業を簡単に行
うことができるものの、洗面脱衣室等に要求される隠蔽
性は必ずしも十分とは言えない。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような不都合に着目して
案出されたものであり、その目的は、簡単な加飾作業で
両面側に模様を表出させることができるとともに、高い
隠蔽性を付与することができる扉面材及びこれを用いた
ドアを提供することにある。
【0006】また、本発明の他の目的は、洗面脱衣室内
の照明の点灯状況を外部から確認できる部位を簡単に形
成することができ、しかも、当該部位に対する特別な手
入れを不要とすることができる扉面材及びこれを用いた
ドアを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る扉面材は、透光性を有する基材と、こ
の基材の何れか一方の面内の所定領域に設けられた加飾
隠蔽層とを備えた扉面材であって、前記加飾隠蔽層は、
前記基材の一方の面側から所定の模様を視認可能な表側
模様形成層と、前記基材の他方の面側から所定の模様を
視認可能な裏側模様形成層と、これら各模様形成層の間
に配置される中間層とを備え、前記各模様形成層及び中
間層の少なくとも二層が重なり合うことで前記所定領域
の隠蔽性を確保可能に設ける、という構成を採ってい
る。このような構成によれば、透光性を有する基材の何
れか一方の面内の所定領域に加飾隠蔽層を形成すること
により、基材の両側の面から視認可能となる模様を簡単
に形成することができ、しかも、扉面材に高い隠蔽性を
付与することができる。
【0008】また、本発明に係る扉面材は、透光性を有
する基材と、この基材の何れか一方の面側の所定領域に
設けられた加飾隠蔽層とを備えた扉面材であって、前記
加飾隠蔽層は、前記基材の一方の面側から所定の模様を
視認可能な表側模様形成層と、前記基材の他方の面側か
ら所定の模様を視認可能な裏側模様形成層と、これら各
模様形成層の間に配置される中間層とを備え、前記各模
様形成層は、平面視で相互に非干渉となる位置に設けら
れ、前記各模様形成層が中間層に重なり合うことで前記
所定領域の隠蔽性を確保可能に設ける、という構成を採
ることによっても、前述した目的を達成しようとしたも
のである。
【0009】更に、本発明に係るドアは、前記扉面材を
用いて形成する構成を採ることができ、これによって
も、簡単な加飾作業で両面側に模様を表出させることが
できるとともに、高い隠蔽性を付与することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、前記各模様形成
層は、相互に略同一ピッチとなるストライプ模様に形成
され、前記中間層は、前記所定領域の面形状に略相当す
る面形状に設けられる、という構成を採ることが好まし
い。このように構成することで、版下の単純化等による
加飾作業の省力化を一層促進することができる。
【0011】また、前記各模様形成層若しくは中間層の
一部を省略し若しくはグラデーション化することによ
り、前記所定領域内に光透過部を形成する、という構成
も併用することができる。これにより、洗面脱衣室内の
照明の点灯状況を外部から確認できる部位を形成する際
に、当該扉面材上に穴を空ける必要等がなくなり、前記
部位を簡単に形成することができる。しかも、加飾隠蔽
層により光透過部が形成されるため、当該光透過部の周
囲に大きな段差が生じず、光透過部の周囲に特別な手入
れを行う必要もない。
【0012】なお、本明細書における「隠蔽性」とは、
扉面材を何れか一方の面側から見たときに、その反対の
面側に位置する人物等の存在を全く視認することのでき
ない程度、或いは、人物の姿態が極めて不鮮明になる程
度のレベルを意味する。
【0013】また、本明細書における「上」、「下」、
「左」、「右」は、特に明示しない限り、図1を基準と
した位置若しくは方向を意味する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0015】図1には、本実施例に係るドアの概略正面
図が示されている。この図において、ドア10は、その
外周に沿って設けられた框11と、この框11の内側に
設けられた扉面材12とを備えて構成されている。
【0016】扉面材12は、図2〜図4に示されるよう
に、アクリル等の樹脂板により形成され、透光性を有す
る基材14と、この基材14の図2中手前側となる第1
の面14A側の略全域に設けられた加飾隠蔽層15とを
備えて構成されている。
【0017】加飾隠蔽層15は、スクリーン印刷によっ
て第1の面14A上に形成された三層のインキ層からな
り、相互に二層が重なり合った状態で扉面材12の隠蔽
性を確保できるようになっている。すなわち、加飾隠蔽
層15は、上下に延びるストライプ模様がそれぞれ形成
された表側模様形成層17及び裏側模様形成層18と、
これら各模様形成層17,18の間に配置される中間層
19とからなる。なお、各層17〜19を構成するイン
キとしては、特に限定されるものではないが、本実施例
では、十条ケミカル株式会社製の8500シリーズBO
Sインキが用いられている。また、各層17〜19の表
面に、防水性を向上させるUV表面加飾を行うこともで
きる。ここでの加飾としては、例えば、十条ケミカル株
式会社製のFUN−COAT(表面加飾)粉末と同社製
レイキュアーPS4800シリーズのインキとを混合し
たものを用いることができる。ここで、各層17〜19
の厚みは、3μm〜10μm程度に設定されている。
【0018】前記表側模様形成層17は、加飾隠蔽層1
5における表面側(図2中手前側)に設けられており、
左右方向に沿って略一定ピッチで並べられた複数の短冊
状部21からなる。これら短冊状部21の上下寸法は、
前記中間層19の上下寸法よりも長さL分短寸に設けら
れており、これによって、当該中間層19の上部と各短
冊状部21とは重なり合わないようになっている。ま
た、各短冊状部21の上端側には、上方に向かって次第
に明度が低下するグラデーション部21Aが形成されて
いる。
【0019】前記裏側模様形成層18は、基材14の第
1の面14Aに設けられ、表側模様形成層17と略同一
ピッチとなるストライプ模様を形成するようになってい
る。この裏側模様形成層18は、上下に延びる複数の短
冊状部22からなり、当該各短冊状部22は、全領域で
略同一となる色彩に設けられ、前記中間層19の上下寸
法と略同一の上下寸法に設定されている。また、各短冊
状部22は、表側模様形成層17の各短冊状部21の形
成ピッチすなわち当該各短冊状部21間の間隙S1の左
右幅と略同一となる左右幅を備えている。これら各短冊
状部21,22は、面方向で相互にシフトした位置に設
けられ、平面視で相互に非干渉となる位置に設けられて
いる。つまり、各短冊状部22は、平面視で短冊状部2
1間の間隙S1内に位置することになる。
【0020】前記中間層19は、前記第1の面14Aの
面形状に相当する平面視略方形状に設けられ、表側模様
形成層17及び裏側模様形成層18と同化しない明度、
色相、及び/又は彩度に設けられている。本実施例で
は、中間層19は、表側模様形成層17及び裏側模様形
成層18よりも淡色となる明度に設けられている。
【0021】以上の構成によって、前記加飾隠蔽層15
は、図1に示されるように、前記グラデーション部21
Aの下端部分を境界として、下側の主領域15Aと、上
側の光透過部15Bとに区分されることになる。
【0022】すなわち、主領域15Aでは、図4に示さ
れるように、各短冊状部21,22の何れか一方が必ず
中間層19に重なり合っており、これによって、全域で
隠蔽性が確保されることになる。また、表側模様形成層
17と裏側模様形成層18とが中間層19によって仕切
られた状態となっており、基材14の第1の面14A側
からは、表側模様形成層17のストライプ模様と、その
各短冊状部21の間から表出する中間層19により形成
されたストライプ模様とを視認できる。一方、第1の面
14Aの反対側となる第2の面14B側からは、基材1
4が透光性を有するため、裏側模様形成層18のストラ
イプ模様と、その各短冊状部22の間から表出する中間
層19により形成されたストライプ模様とを視認するこ
とができる。
【0023】一方、光透過部15Bでは、図2に示され
るように、表側模様形成層17が上方に向かってグラデ
ーション化されているため、裏側模様形成層18の各短
冊状部22間に形成された間隙S2部分の隠蔽性が上方
に向かって次第に低下し、若干の透光性を備えることに
なる。このため、光透過部15Bは、室内の照明の点灯
状況を外部から確認するための窓等として利用可能とな
る。
【0024】従って、このような実施例によれば、スク
リーン印刷等によって基材14の第1の面14A側に加
飾隠蔽層15を形成するだけで、扉面材12の隠蔽性を
確保しつつも第1及び第2の面14A,14Bの両側か
ら視認可能な模様を付すことができ、洗面脱衣室等に要
求されるドア10を簡単に形成できるという効果を得
る。
【0025】また、光透過部15Bは、加飾隠蔽層15
を形成する際に同時に形成することができ、扉面材12
に穴を別途空ける等の作業が不要になり、外部から使用
状況を確認することができるドアの製造を一層簡単に行
うことができる。しかも、光透過部15Bは、スクリー
ン印刷によって形成されるため、当該光透過部15Bの
周りに大きな段差等が発生せず、光透過部15Bの周囲
における埃等の付着を防止することができ、光透過部1
5Bの周囲の特別な手入れを不要にできる。
【0026】なお、前記実施例では、加飾隠蔽層15を
第1の面14Aの全領域に設けたが、第1若しくは第2
の面14A,14Bの一部領域に設けることもできる。
【0027】また、加飾隠蔽層15を、接着剤でラミネ
ートした樹脂製のフィルムを三層貼付することによって
形成することもできる。
【0028】更に、各模様形成層17,18は、面方向
に相互にシフトしたストライプ模様を形成可能なってい
るが、本発明はこれに限らず、平面視で相互に非干渉と
なる位置に設けられる限りにおいて種々の模様を採用す
ることができる。
【0029】また、光透過部15Aは、前記グラデーシ
ョン部21Aを形成せずに各模様形成層17,18の何
れか一方を省略することによって形成し、或いは、中間
層19をグラデーション化することによって形成するこ
とも可能である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
透光性を有する基材の何れか一方の面内の所定領域に設
けられた加飾隠蔽層を備え、当該加飾隠蔽層として、前
記基材の一方の面側から所定の模様を視認可能な表側模
様形成層と、前記基材の他方の面側から所定の模様を視
認可能な裏側模様形成層と、これら各模様形成層の間に
配置される中間層とにより構成し、前記各模様形成層及
び中間層の少なくとも二層が重なり合うことで前記所定
領域の隠蔽性を確保可能に設けたから、簡単な加飾作業
で両面側に模様を表出させることができるとともに、高
い隠蔽性を付与することができる。
【0031】また、各模様形成層を相互に略同一ピッチ
となるストライプ模様とし、前記中間層を前記所定領域
の面形状に略相当する面形状に設けたから、加飾作業の
一層の省力化を図ることができる。
【0032】更に、前記各模様形成層若しくは中間層の
一部を省略し若しくはグラデーション化することによ
り、前記所定領域内に光透過部を形成したから、洗面脱
衣室内の照明の点灯状況を外部から確認できる部位を簡
単に形成することができるとともに、光透過部の周囲に
大きな段差が生じず、光透過部の周囲に対する特別な手
入れが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例におけるドアの概略正面図。
【図2】 扉面材の構成を示す分解斜視図。
【図3】 図1のA−A線矢視断面図。
【図4】 図1のB−B線矢視断面図。
【符号の説明】
10・・・ドア、11・・・框、12・・・扉面材、1
4・・・基材、14A・・・第1の面、14B・・・第
2の面、15・・・加飾隠蔽層、15B・・・光透過
部、17・・・表側模様形成層、18・・・裏側模様形
成層、19・・・中間層、21A・・・グラデーション

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性を有する基材と、この基材の何れ
    か一方の面内の所定領域に設けられた加飾隠蔽層とを備
    えた扉面材であって、 前記加飾隠蔽層は、前記基材の一方の面側から所定の模
    様を視認可能な表側模様形成層と、前記基材の他方の面
    側から所定の模様を視認可能な裏側模様形成層と、これ
    ら各模様形成層の間に配置される中間層とを備え、前記
    各模様形成層及び中間層の少なくとも二層が重なり合う
    ことで前記所定領域の隠蔽性を確保可能に設けたことを
    特徴とする扉面材。
  2. 【請求項2】 透光性を有する基材と、この基材の何れ
    か一方の面側の所定領域に設けられた加飾隠蔽層とを備
    えた扉面材であって、 前記加飾隠蔽層は、前記基材の一方の面側から所定の模
    様を視認可能な表側模様形成層と、前記基材の他方の面
    側から所定の模様を視認可能な裏側模様形成層と、これ
    ら各模様形成層の間に配置される中間層とを備え、 前記各模様形成層は、平面視で相互に非干渉となる位置
    に設けられ、 前記各模様形成層が中間層に重なり合うことで前記所定
    領域の隠蔽性を確保可能に設けたことを特徴とする扉面
    材。
  3. 【請求項3】 前記各模様形成層は、相互に略同一ピッ
    チとなるストライプ模様に形成され、前記中間層は、前
    記所定領域の面形状に略相当する面形状に設けられてい
    ることを特徴とする請求項2記載の扉面材。
  4. 【請求項4】 前記各模様形成層若しくは中間層の一部
    を省略し若しくはグラデーション化することにより、前
    記所定領域内に光透過部を形成したことを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の扉面材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の扉面材を用いて形成
    したことを特徴とするドア。
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