JP2019100013A - 調光装置、構造体及び建物 - Google Patents

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田 大 塚
Dai Tsukada
田 大 塚
谷 勇 樹 熊
Yuki Kumagai
谷 勇 樹 熊
野 健 二 貞
Kenji Sadano
野 健 二 貞
沢 雅 博 立
Masahiro Tatezawa
沢 雅 博 立
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Abstract

【課題】ドア等の移動部材に調光機能を持たせる。【解決手段】調光装置は、開口部を有し、蝶番を軸として開閉自在の移動部材と、開口部に嵌めこまれる調光部材と、を備える。調光部材は、互いに対向して配置され、所定方向への相対移動により対向面同士の重なり具合を複数段階に切替可能な第1透光部及び第2透光部と、第1透光部に支持される第1調光部と、第2透光部に支持される第2調光部と、を備える。調光部材は、第1調光部及び第2調光部が重なり合う領域において、第1透光部及び第2透光部の所定方向への相対移動量に応じて異なる可視光波長域の透過率を有する。移動部材は、所定の基準面上の第1方向と、基準面に交差する第2方向と、に延在している。蝶番は、移動部材の第2方向に延在する一端面側に取り付けられる。調光部材は、移動部材の第1方向の中心位置を通って第2方向に向かう中心線よりも一端面側に配置されている。【選択図】図1

Description

本開示は、調光装置、構造体及び建物に関する。
透過率を調整可能な調光装置が提案されている。従前の調光装置は、電圧を調整して透過率を連続的または段階的に調整するものであり、電圧を調整する電源装置や、電源装置に接続するケーブルなどが必要となる。このため、装置が大がかりになり、消費電力が増大する上に、設備コストもかかるという問題がある。また、透過率を瞬時に切り替えることができないという不具合もある。
一方、特許文献1には、外界から屋内に入射する光量をわずかなスライド操作で調節可能な調光装置が開示されている。この調光装置は、外部電源を必要とせずに、調光を行えるようにしている。
特開平9−310567号公報
しかしながら、特許文献1に開示された調光装置は、屋根等の外光入射部位の建材としての利用を念頭に置いており、建物内の窓ガラスに取り付けることは意図していない。
病院や介護施設、老人施設などでは、入院患者や入居者等のプライバシに配慮しつつも、異常がないかどうかを定期的に見守る必要がある。このため、入院患者や入居者のいる部屋のドアに小窓を設けて、部屋の外から部屋の内部を観察できるようにすることが考えられる。
しかしながら、ドアに小窓を設けただけだと、部屋の内部が丸見えになり、入居者等のプライバシが侵害されてしまう。また、夜間には部屋を消灯していても、小窓を通して部屋の外から内部に光が入り込んでしまい、入居者等の睡眠の妨げになる。小窓にカーテンやブラインドを設けることも考えられるが、カーテンやブラインドの隙間から光が部屋内に入り込むのを防止することは難しい。
その一方で、特に冬場などでは、高齢者等の見守り対象者がトイレで倒れる頻度が高くなる。よって、見守り対象者を見守る観点からは、プライバシに配慮しつつも、ドアを開けることなく必要に応じてトイレの内部の様子を外側から窺えるようにするのが望ましい。
本開示は、上述した課題を解決するためのものであり、ドア等の移動部材に調光機能を持たせた調光装置、構造体及び建物を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様では、開口部を有し、蝶番を軸として開閉自在の移動部材と、
前記開口部に嵌めこまれる調光部材と、を備え、
前記調光部材は、
互いに対向して配置され、所定方向への相対移動により対向面同士の重なり具合を複数段階に切替可能な第1透光部及び第2透光部と、
前記第1透光部に支持される第1調光部と、
前記第2透光部に支持される第2調光部と、を備え、
前記調光部材は、前記第1調光部及び前記第2調光部が重なり合う領域において、前記第1透光部及び前記第2透光部の前記所定方向への相対移動量に応じて異なる可視光波長域の透過率を有し、
前記移動部材は、所定の基準面上の第1方向と、前記基準面に交差する第2方向と、に延在しており、
前記蝶番は、前記移動部材の前記第2方向に延在する一端面側に取り付けられ、
前記調光部材は、前記移動部材の前記第1方向の中心位置を通って前記第2方向に向かう中心線よりも前記一端面側に配置されている、調光装置が提供される。
前記調光部材は、前記移動部材を開閉させる操作を行う移動部材操作具よりも上方に配置されてもよい。
本開示の他の一態様では、開口部を有する移動部材と、
前記開口部に嵌めこまれる調光部材と、を備え、
前記調光部材は、
互いに対向して配置され、所定方向への相対移動により対向面同士の重なり具合を複数段階に切替可能な第1透光部及び第2透光部と、
前記第1透光部に支持される第1調光部と、
前記第2透光部に支持される第2調光部と、を備え、
前記調光部材は、前記第1調光部及び前記第2調光部が重なり合う領域において、前記第1透光部及び前記第2透光部の前記所定方向への相対移動量に応じて異なる可視光波長域の透過率を有し、
前記第1調光部及び前記第2調光部が重なり合う領域の面積は、25cm以上で、かつ2000cm以下である、調光装置が提供される。
前記移動部材は、蝶番にて開閉自在のドアであってもよい。
前記移動部材は、所定の基準面に沿ってスライドするドアであってもよい。
前記第1透光部及び前記第2透光部を前記所定方向に相対移動させる調光部材操作具を備えてもよい。
前記調光部材操作具は、前記調光部材を前記移動部材に固定する押し縁により隠蔽される箇所に配置されてもよい。
前記調光部材の縁部に取り付けられ、前記調光部材を支持する枠体と、
前記枠体の内壁面と前記調光部材との間に配置される第1弾性部材と、を備え、
前記第1透光部及び前記第2透光部は、前記枠体の内側で前記所定方向に前記第1弾性部材に接触するまで相対移動してもよい。
前記開口部の壁面と前記枠体との間に配置される第2弾性部材を備えてもよい。
前記開口部の壁面に沿って配置され、前記調光部材を前記移動部材に固定する押し縁を備えてもよい。
前記開口部の壁面に沿って配置され、前記枠体の少なくとも一部を隠蔽するとともに、前記調光部材を前記移動部材に固定する押し縁を備えてもよい。
前記調光部材は、前記第1透光部及び前記第2透光部の少なくとも一方に貼合される飛散防止層を有してもよい。
前記第1調光部及び前記第2調光部は、飛散防止機能を有してもよい。
前記第1調光部は、
第1偏光軸を有する第1偏光層と、
前記所定方向に沿って配列された複数の第1領域を含む第1位相差フィルムと、を有し、
前記第2調光部は、
第2偏光軸を有する第2偏光層と、
前記所定方向に沿って配列された複数の第2領域を含む第2位相差フィルムと、を有し、
前記複数の第1領域のうち、隣接する2つの第1領域は、前記所定方向に沿って面内の遅相軸の方向が異なっており、
前記複数の第2領域のうち、隣接する2つの第2領域は、前記所定方向に沿って面内の遅相軸の方向が異なっていてもよい。
前記第1透光部及び前記第2透光部の少なくとも一方は、Low−Eガラスであってもよい。
上述した調光装置を備える構造体であってもよい。
上述した調光装置を備える建物であってもよい。
本開示によれば、ドア等の移動部材に調光機能を持たせることができる。
本開示の一実施形態による調光装置の斜視図。 図1の調光部材のA−A線方向の断面図。 図1の調光部材のB−B線方向の断面図。 図2Aの一変形例を示す断面図。 押し縁を調光部材の片側だけに設けた例を示す図。 枠体を持たない調光部材における図1のA−A線方向の断面図。 枠体を持たない調光部材における図1のB−B線方向の断面図。 調光部材の形状を説明する平面図。 移動部材における調光部材の配置場所を説明する図。 第1透光部または第2透光部を所定方向に相対的に移動させる調光部材操作具15を設ける例を示す図。 図6のC−C線断面図。 図6のD−D線断面図。 第1透光部と第2調光部とを直接対向させる例を示す断面図。 第1透光部と第2透光部とを直接対向させる例を示す断面図。 図1Aの調光部材における第1透光部及び第2透光部の一方に飛散防止フィルム16を貼合した例を示す図。 新たな透光部を追加して三重窓構造にした例を示す図。 第1調光部が貼り合わされた第1透光部の断面構造と、第2調光部が貼り合わされた第2透光部の断面構造とを示す図。 第1調光部と第2調光部の繰り返し配列構造を示す図。 第1調光部と第2調光部を重ね合わせた例を示す図。 図13から第1調光部と第2調光部の所定方向への相対移動量をピッチ分だけずらした例を示す図。 可視光透過率を多段階に切替可能な第1調光部と第2調光部を説明する図。 第1位相差フィルムと第2位相差フィルムの遅延軸を示す図。 第1位相差フィルムと第2位相差フィルムの遅延軸を示す図。 第2の実施形態による調光装置1の平面図。
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図面の理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張している場合がある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
また、本明細書における「上下方向」は、鉛直方向に平行な面内において水平方向と非平行な方向であり、必ずしも鉛直方向とは一致しない。「上」とは、上下方向における一方であって、鉛直方向における「上」に近接する側(又は方)のことを指す。「下」とは、上下方向における「上」とは反対の側であって、鉛直方向における「下」に近接する側(又は方)のことを指す。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、それぞれ区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板と呼ばれ得るような部材も含む概念である。
(第1の実施形態)
図1は本開示の第1の実施形態による調光装置1の斜視図である。図1の調光装置1は、建物内に設けられる部屋の開閉を行うドアに調光機能を持たせたものであり、具体的には図1の調光装置1は調光ドアである。図1の調光装置1は、開口部4aを有する移動部材4と、開口部4aに嵌めこまれる調光部材3とを備えている。
移動部材4は、開口部4aを有し、蝶番4bにて開閉自在のドアである。開口部4aに嵌めこまれる調光部材3は、後述する調光部材操作具を手動で操作することで、可視光透過率が連続的または段階的に変化する。調光部材3は、移動部材4の蝶番4bが取り付けられた一端面4cの近くに配置されている。より具体的には、移動部材4が所定の基準面(例えば、床面)上の第1方向xと、この基準面に交差する第2方向yとに延在している場合、調光部材3は、移動部材の第1方向xの中心位置を通って第2方向yに向かう中心線よりも一端面4c側に配置されている。すなわち、調光部材3は上述した中心線よりも蝶番4bに近い側に配置されている。このような位置に調光部材3を配置する理由は、後述する。
図2Aは図1の調光部材3のA−A線方向の断面図、図2Bは図1の調光部材3のB−B線方向の断面図である。調光部材3は、第1透光部2、第2透光部6、第1調光部8及び第2調光部9を有する。第1透光部2、第2透光部6、第1調光部8及び第2調光部9は、少なくとも一部が重なり合うように配置されている。
第1透光部2と第2透光部6は、互いに対向して配置され、所定方向への相対移動により対向面同士の重なり具合を複数段階に切替可能である。第1透光部2と第2透光部6の一方は固定されており、他方は所定方向に所定量だけ移動可能とされている。
第1調光部8は第1透光部2に支持され、第2調光部9は第2透光部6に支持されている。典型的には、第1調光部8は第1透光部2に貼合され、第2調光部9は第2透光部6に貼合されている。よって、第1透光部2と第2透光部6を所定方向に相対移動させると、それに合わせて、第1調光部8と第2調光部9も所定方向に相対移動することになる。第1透光部2と第2透光部6は略同サイズであり、第1調光部8と第2調光部9も略同サイズである。第1調光部8のサイズは第1透光部2のサイズ以下であり、第2調光部9のサイズも第2透光部6のサイズ以下であればよいが、本実施形態では、第1透光部2、第2透光部6、第1調光部8及び第2調光部9のサイズが同一の例を説明する。
調光部材3は、第1調光部8及び第2調光部9が重なり合う領域において、第1透光部2及び第2透光部6の所定方向への相対移動量に応じて異なる可視光波長域の透過率を有する。このように、第1透光部2及び第2透光部6の所定方向への相対的なずらし量に応じて、調光部材3の透過率が変化する。透過率の変化は2段階でもよいし、3段階以上の多段階でもよい。
図2A及び図2Bに示すように、第1調光部8と第2調光部9は、所定の隙間gを隔てて対向して配置されている。隙間gの部分には、隙間調整部材11と滑り部材10が配置されている。図2Aでは、第1調光部8の縁付近に隙間調整部材11を接着し、その上に滑り部材10を接着している。同様に、第2調光部9の縁付近にも、隙間調整部材11を接着し、その上に滑り部材10を接着している。そして、両方の滑り部材10同士を接触させながら移動させる例を示している。滑り部材10の表面の摩擦係数は小さく、かつ耐摩耗性にも優れているため、滑り部材10同士が接触することで、第1調光部8と第2調光部9を所定方向に相対移動させやすくなる。滑り部材10は、例えばポリエチレンフィルムにシリコーン系の粘着剤を塗布したものであり、隙間調整部材11は、例えばブチルゴムなどの弾力性のある材料である。なお、両方の滑り部材10を接触させずに、その間に隙間gを設けてもよい。
図2Aの例では、第1調光部8及び第2調光部9の間に、隙間調整部材11と滑り部材10を一組とする二組が配置されており、これら二組の厚みによって、第1調光部8及び第2調光部9の隙間gが画定される。ただし、隙間調整部材11に比べて滑り部材10の厚みは十分に小さいため、実際には2つの隙間調整部材11の厚みによって第1調光部8及び第2調光部9の隙間gが画定される。なお、隙間調整部材11の表面が滑り性がよければ、滑り部材10を省略してもよい。また、隙間調整部材11なしで滑り部材10のみを第1調光部8及び第2調光部9の間に設けてもよい。よって、隙間調整部材11は必ずしも必須の構成部材ではない。
本実施形態では、第1調光部8及び第2調光部9の所定方向へのずらし量に応じて、調光部材3の透過率を調整するため、透過率の調整の観点からは、第1調光部8及び第2調光部9の隙間gはできるだけ小さい方がよい。隙間gが大きいと、調光部材3を正面に対して斜めから見た場合に不所望な筋が見えるおそれがあるためである。その一方で、隙間gが小さすぎると、衝撃や振動等により、第1調光部8と第2調光部9同士が接触して、擦れて摩耗するおそれがある。このように、隙間gは大きすぎても小さすぎてもよくない。本開示者が検証したところ、隙間gを0.1〜2.0mmの範囲内の値にするのが望ましいことがわかった。
図2Cは図2Aの一変形例を示す断面図である。図2Cでは、滑り部材10を第1透光部2及び第2透光部6の裏面側から隙間調整部材11の上面まで接着させた例を示している。2つの滑り部材10は、互いに接触した状態で摺動するため、経年劣化により剥離するおそれがあるが、図2Cのように裏面側まで滑り部材10を接着させていると、剥離しにくくなる。
図2A及び図2Bに示すように、調光部材3の縁部には枠体7が取り付けられている。この枠体7は、調光部材3を支持するためのものである。枠体7は、例えばアルミニウムを材料とし、調光部材3の周囲を取り囲むフレームである。第1透光部2と第2透光部6は、枠体7の内側にて、所定方向に相対的に移動する。図2Bに示すように、枠体7の断面はコの字状になっており、第1透光部2と第2透光部6は、枠体7の対向する2つの内壁面の間に収納されている。第1透光部2と第2透光部6の一方(図2Bの場合は第1透光部2)は固定であるのに対し、他方(図2Bの場合は第2透光部6)は枠体7の対向する2つの内壁面の間で所定方向(図2Bの矢印方向)に移動可能とされている。第2透光部6が枠体7の内側で移動しても、第2透光部6の端部が枠体7の外側から視認されないように、枠体7にはフランジ部7aが設けられている。よって、調光部材3の外側からは、常に第1透光部2と第2透光部6が二枚重ねになった状態で視認されることになる。
枠体7の内側で第1透光部2及び第2透光部6を所定方向に相対移動させると、第1透光部2又は第2透光部6の端面が枠体7の内壁に接触し、接触時の衝撃で大きな音が鳴ったり、透光部が摩耗するおそれがある。そこで、図2Bに示すように、枠体7の内壁と第1透光部2及び第2透光部6の端面の間に第1弾性部材17を配置している。これにより、第1透光部2及び第2透光部6を所定方向に相対移動させたときに、第1透光部2又は第2透光部6が第1弾性部材17に接触したときの衝撃を吸収するため、接触による大きな音もしなくなり、また第1透光部2又は第2透光部6の摩耗や破損も防止できる。
また、移動部材4を開閉させたときの振動等により調光部材3が上下に振動したとしても、図2Aに示すように、枠体7と開口部4aの壁面との間には第2弾性部材18が配置されているため、枠体7が開口部4aの壁面に衝突しなくなり、衝突音の発生や枠体7の摩耗や破損を防止できる。
第1弾性部材17及び第2弾性部材18の材料としては、例えば、ブチルゴムなどの弾力性に優れた材料が用いられる。
図2Aに示すように、調光部材3は、押し縁13によって移動部材4に固定されている。押し縁13は、少なくとも開口部4aの上下方向の壁面に沿って延在されている。すなわち、押し縁13は、図2Aの紙面の表裏方向に延在されており、ネジや釘13a等により移動部材4の開口部4aの壁面に固定されている。調光部材3の上側と下側のそれぞれにおいて、調光部材3を挟んで左右両側に押し縁13を設けることで、調光部材3を移動部材4に堅固に固定することができる。なお、開口部4aの左右方向の壁面にも押し縁13を設けてもよい。
なお、押し縁13の形状や配置は図2Aに限定されるものではない。図2Dは押し縁13を調光部材3の片側だけに設けた例を示している。図2Dでは、開口部4aを段差状に形成し、開口部4aの段差部分に調光部材3を押し当てた状態で、開口部4aの上側と下側に押し縁13を取り付けて調光部材3を固定している。
図1及び図2A〜図2Dでは、第1透光部2及び第2透光部6の周囲に枠体7を設ける例を説明したが、枠体7を省略して部材コストを削減してもよい。図3Aは枠体7を持たない調光部材3における図1のA−A線方向の断面図、図3Bは枠体7を持たない調光部材3における図1のB−B線方向の断面図である。
図3A及び図3Bに示すように、第1透光部2及び第2透光部6は、押し縁13によって移動部材4に固定されている。また、移動部材4の開閉時の振動等による衝撃を抑制するために、第1透光部2及び第2透光部6の端面と開口部4aの壁面との間には、第1弾性部材17が配置されている。
第1透光部2及び第2透光部6の一方(図3Bでは第1透光部2)は固定されており、他方(図3Bでは第2透光部6)は所定方向に移動可能とされているが、移動した第2透光部6の端部が開口部4aから視認されないように、透光部の移動量は押し縁13の高さよりも小さくしている。これにより、常に第1透光部2と第2透光部6が重なり合って視認されることになる。
図4は調光部材3の形状を説明する平面図である。図4では、ドア等の移動部材4が所定の基準面上の第1方向xと、基準面に交差する第2方向yとに配置されている例を示している。調光部材3は縦長形状にしている。より具体的には、調光部材3の第2方向yの長さaを第1方向xの長さbよりも長くしている。
病院や介護施設、老人施設等において、入院患者や入居者等の見守りを行う職員には男性も女性もおり、身長もさまざまである。その一方で、入居者等のプライバシを尊重する観点からは、調光部材3の面積は所定のサイズ以外に制限するのが望ましい。そこで、見守り用途の調光部材3については、調光部材3の第1方向(基準面方向)xの長さをできるだけ抑制しつつ、第2方向(高さ方向)yについては種々の身長の職員の目線の高さの範囲をカバーできるように、第1方向xよりも長くしてもよい。より具体的には、例えば第2方向yを10〜60cmの範囲内に長さにすることが考えられる。また、第1方向xの長さを第2方向yの長さの1/3程度にすることが考えられる。これにより、入居者等のプライバシを尊重しつつ、見守りの目的を達成しうる調光部材3が得られる。その一方で、第1方向と第2方向の長さの比をあまり変えたくないという要望もある。よって、調光部材3の第1方向xと第2方向yの長さの比を所定の条件に設定することは必ずしも必須ではない。
図5は移動部材4における調光部材3の配置場所を説明する図である。図5では、移動部材4が所定の基準面上の第1方向xと、基準面に交差する第2方向yとに配置されている例を示している。所定の基準面とは例えば床面であり、第2方向yは例えば鉛直方向である。移動部材4には、移動部材4を開閉させる操作を行う移動部材操作具14が取り付けられている。移動部材操作具14は、具体的にはドアノブである。
調光部材3は、図2A等に示すように、第1透光部2と第2透光部6との相対的な位置関係をずらすことで調光を行うが、移動部材4を開閉した際の衝撃にて、第1透光部2と第2透光部6との相対的な位置関係が意図せずにずれてしまうおそれがある。この場合、移動部材4を開閉させただけで、調光部材3の可視光透過率が変化することになり、プライバシの保護が損なわれたり、外側の光が調光部材3を通して内側に入り込むなどの不具合が生じてしまう。
そこで、本実施形態では、図1や図5に示すように、調光部材3を、移動部材4の第1方向xの中心位置を通って第2方向yに向かう中心線ct1よりも一端面側、すなわち中心線ct1よりも蝶番4bに近い側に配置している。これにより、調光部材3を中心線ct1よりも移動部材操作具14に近い側に配置するよりも、移動部材4を開閉させたときの衝撃が調光部材3に伝わりにくくなり、調光部材3の第1透光部2と第2透光部6との相対的な位置関係が移動部材4の開閉による衝撃でずれるという不具合が生じなくなる。
移動部材操作具14は、通常、標準的な身長の大人の腰の高さ付近に設けられており、調光部材3が移動部材操作具14よりも低い位置に配置されていると、腰をかがめなければならず、使い勝手が悪くなる。そこで、図1では、調光部材3を移動部材操作具14よりも上方に配置するようにしている。
上述したように、調光部材3は、第1調光部8と第2調光部9を所定方向に相対的にずらした量に応じて透過率を可変させることができるが、そのためには、第1透光部2または第2透光部6を所定方向に移動させなければならない。
図6は第1透光部2または第2透光部6を所定方向に相対的に移動させる調光部材操作具15を設ける例を示す図である。人間が調光部材操作具15を把持して所定方向にスライドさせることで、調光部材3の透過率を複数通りに変化させることができる。上述したように、入居者等のプライバシを尊重するために、調光部材3のサイズを小さくしている場合、調光部材操作具15が露出された状態だと、見守りの邪魔になる上に、見栄えもよくない。そこで、図6の破線で示したように、調光部材操作具15を押し縁13等により隠蔽された場所に設けてもよい。なお、図6では、調光部材3の右側と上側の2箇所に破線で調光部材操作具15を図示しているが、実際にはいずれか一方に設けられる。なお、調光部材操作具15は、調光部材3の両面側に設けてもよい。例えば、部屋の外側から調光部材操作具15を操作して、調光部材3の透過率を高くしたまま放置した場合、部屋の中にいる入居者等のプライバシが侵害されるおそれがある。部屋の内側にも調光部材操作具15があれば、部屋の中にいる入居者等が自ら調光部材3の透過率を変更できるため、入居者等のプライバシが損なわれるおそれが少なくなる。
図7Aは図6のC−C線断面図である。調光部材3の縁部は押し縁13と重なり合っており、重なり合った箇所に調光部材操作具15を配置することで、調光部材3の視界範囲に調光部材操作具15が入らなくなるため、調光部材3を視認しやすくなり、見栄えもよくなる。
図7Bは図6のD−D線断面図である。調光部材操作具15を調光部材3の上側に設ける場合には、図7Bに示すように、押し縁13によって隠蔽される箇所に調光部材操作具15を設けるのが望ましい。これにより、図7Aと同様に、調光部材3を視認しやすくなり、見栄えもよくなる。なお、調光部材操作具15は、開口部4aの下側の壁面に設けてもよいが、凹部内にゴミが溜まりやすくなるため、図7のように上側の壁面に凹部を設けた方がよい。
調光部材操作具15を操作する人間にとっては、できるだけ小さな操作荷重で調光部材操作具15を操作できた方が操作性がよくなる。ところが、小さい操作荷重で調光部材操作具15を操作できるようにすると、移動部材4の開閉による衝撃等による振動で、第1透光部2と第2透光部6の相対的な位置が変動しやすくなり、意図せずに調光部材3の透過率が変化してしまうおそれがある。本開示者が検証を行った結果、調光部材操作具15を備えた調光部材3における最適な操作荷重は2〜20ニュートンであることがわかった。操作荷重が2ニュートン未満だと、上述したように移動部材4の振動により、調光部材3の超過率が容易に変化してしまう。一方、操作荷重が20ニュートンを超えると、調光部材操作具15を操作するのにかなりの力を要することになり、女性等には操作がしにくくなる。
なお、調光部材操作具15は必ずしも必須ではなく、第1透光部2または第2透光部6を指で多少押しつけながらスライドさせることで、調光部材3の透過率を変化させることもできる。この場合、上述した検証結果よりも、操作荷重を若干低めに設定するのが望ましい。また、人間の指で直接第1透光部2または第2透光部6を触ってスライドさせる場合、押しつけた面の第1透光部2または第2透光部6が撓みやすくなる。そこで、撓みを防止するために、図4に示した調光部材3の第2方向yと第1方向xの長さの比をより大きくするのが望ましい。
上述した種々の調光部材3では、第1調光部8と第2調光部9とを直接対向させているが、図8Aに示すように第1透光部2と第2調光部9とを直接対向させてもよいし、その逆に第1透光部2と第2調光部9を直接対向させてもよい。また、図8Bに示すように第1透光部2と第2透光部6とを直接対向させてもよい。図8Aや図8Bの場合、図2Aと比べて第1調光部8と第2調光部9との隙間gが広がるため、隙間調整部材11は省略してもよい。
上述した種々の調光部材3では、第1透光部2及び第2透光部6の少なくとも一方が割れる場合を想定して、飛散防止フィルム16を第1透光部2及び第2透光部6の少なくとも一方に貼合してもよい。図9は図1Aの調光部材3における第1透光部2及び第2透光部6の一方に飛散防止フィルム16を貼合した例を示している。飛散防止フィルム16は、第1透光部2又は第2透光部6の両方に貼合してもよい。飛散防止フィルム16を第1透光部2及び第2透光部6の少なくとも一方に貼合することで、何らかの事情で第1透光部2又は第2透光部6が割れても、その破片が飛散しなくなり、安全性が向上する。なお、第1透光部2及び第2透光部6の少なくとも一方に飛散防止機能を持たせてもよい。この場合、飛散防止フィルムが不要となりうる。
上述した種々の調光部材3では、第1透光部2と第2透光部6を有する二重窓構造の例を説明したが、図10に示すように、新たな透光部19を追加して三重窓構造にしてもよい。
次に、第2調光部9と第1調光部8の構造について説明する。図11〜図14は第2調光部9と第1調光部8の構造を説明する図である。図11は、第1調光部8が貼り合わされた第1透光部2側の断面構造と、第2調光部9が貼り合わされた第2透光部6側の断面構造とを示している。第1調光部8と第2調光部9の断面構造は同一である。第1調光部8と第2調光部9はそれぞれ、図11及び図12に示すように、所定方向daに繰り返し配列された第1領域Z1及び第2領域Z2を含んでいる。第1領域Z1及び第2領域Z2は、所定方向daに一定のピッチPで繰り返し配置されている。所定方向daに沿った第1領域Z1及び第2領域Z2の配列ピッチPは、第1調光部8と第2調光部9とで同一となっている。
第2透光部6と第2調光部9は、接着層21を介して接合接着されている。接着層21には耐光性をもたせる添加材が含まれていてもよい。第2調光部9は、第1偏光層31と第1位相差フィルム25とを有する。同様に、第1調光部8は、第2偏光層31と第2位相差フィルム23とを有する。第1偏光層31は第1偏光軸を有し、第2偏光層33は第2偏光軸を有する。第1位相差フィルム25と第2位相差フィルム23はそれぞれ、所定方向daに沿って交互に配列された複数の第1領域Z1及び第2領域Z2を有する。隣接する第1領域Z1と第2領域Z2は、面内の遅相軸の方向が異なっている。第1偏光層33と第1位相差フィルム25は接着層35を介して接着されている。同様に、第2偏光層31と第2位相差フィルム23は接着層35を介して接合接着されている。また、第1及び第2調光部8,9の表面に傷防止用の保護層、すなわちハードコート層を形成してもよい。
第2位相差フィルム23は、基材層26の上に配向層27と第1液晶層22を積層したものであり、第1位相差フィルム25は、基材層26の上に配向層27と第2液晶層24を積層したものである。基材層26は、面内屈折率差の小さい透明材料を用いて形成される。一例として、厚みが40μm以上100μm以下の樹脂フィルム、とりわけTAC(トリアセチルセルロース)からなるフィルムやアクリル樹脂からなるフィルム、シクロオレフィンポリマーのフィルムなどを、基材層26として用いることができる。
配向層27は、所定方向daに沿って交互に配列された第1配向部27a及び第2配向部27bを有する。各第1配向部27aは、一つの第1領域Z1を区画することになり、各第2配向部27bは、一つの第2領域Z2を区画することになる。第1配向部27a及び第2配向部27bの所定方向daへの配列ピッチは、第2調光部9と第1調光部8の第1領域Z1及び第2領域Z2の所定方向daへの配列ピッチと同一となっている。そして、第1配向部27aと第2配向部27bとでは、配向規制力が働く方向が交差しており、交差角度は例えば直角である。
第1液晶層22と第2液晶層24はそれぞれ、第1液晶部29a及び第2液晶部29bを有する。第1液晶部29aは、配向層27の第1配向部27a上に配置され、第2液晶部29bは、配向層27の第2配向部27b上に配置されている。これにより、各第1液晶部29aは、一つの第1領域Z1に対応して位置し、各第2液晶部29bは、一つの第2領域Z2に対応して位置している。
第1液晶層22と第2液晶層24はそれぞれ、配向層27の配向規制力により配向された分子を含んでいる。配向層27が、第1配向部27aと第2配向部27bとの間で互いに交差する方向に配向規制力を発現するため、第1液晶部29a及び第2液晶部29bに含有される分子は、互いに異なる方向、とりわけ直交する方向に配向されている。各液晶部29a,29bは、分子の配向方向に対応した方向に、例えば分子が配向した方向に直交する方向に、遅相軸を持つようになる。したがって、第1領域Z1に対応する第1液晶部29aでの遅相軸の方向d1と、第2領域Z2に対応する第2液晶部29bでの遅相軸の方向d2とが、互いに交差、とりわけ直交するようになる。
図13と図14は第2調光部9と第1調光部8の所定方向daへの相対移動量をピッチP分だけずらした例を示している。図13では、第2調光部9の各第1領域Z1が第1調光部8のいずれかの第1領域Z1と対面し、且つ、第2調光部9の各第2領域Z2が第1調光部8のいずれかの第2領域Z2と対面する場合、第2調光部9を透過した光は、第1調光部8を透過することができる。より詳細には、第2調光部9の第1領域Z1を透過した一方の直線偏光成分の光は、第1調光部8の第1領域Z1に入射して、第1調光部8の第1領域Z1を透過する。一方、第2調光部9の第2領域Z2を透過した他方の直線偏光成分の光は、第1調光部8の第2領域Z2に入射して、第1調光部8の第2領域Z2を透過する。
一方、図13の状態から、第2調光部9及び第1調光部8が、第1領域Z1及び第2領域Z2の配列ピッチPだけ所定方向daに相対移動すると、図14に示すように、第2調光部9の各第1領域Z1が第1調光部8のいずれかの第2領域Z2と対面し、第2調光部9の各第2領域Z2が第1調光部8のいずれかの第1領域Z1と対面するようになる。この状態において、第2調光部9を透過した光は、第1調光部8を透過することができず、第1調光部8で吸収される。より詳細には、第2調光部9の第1領域Z1を透過した一方の直線偏光成分の光は、第1調光部8の第2領域Z2に入射して、第1調光部8の第2領域Z2で吸収される。また、第2調光部9の第2領域Z2を透過した他方の直線偏光成分の光は、第1調光部8の第1領域Z1に入射して、第1調光部8の第2領域Z2で吸収される。
以上のようにして、第1調光部8と第2調光部9の相対位置を所定方向daにずらすことにより、可視光を透過させる透過状態(図13)と、可視光を遮光する遮光状態(図14)と、に切り替えることができる。このように、図示された調光装置1では、第2調光部9及び第1調光部8を相対摺動させるだけで、容易且つ即座に調光を行うことができる。
図11〜図14に示した構造の第1調光部8と第2調光部9は、所定方向daにピッチ分だけ相対移動させることで、可視光を透過させるか否かを切り替えているが、第1調光部8と第2調光部9の所定方向daへの相対移動量に応じて、可視光の透過率を多段階に切替可能な構造の第1調光部8と第2調光部9を設けてもよい。
図15〜図17は可視光透過率を多段階に切替可能な第1調光部8と第2調光部9を説明する図である。図15に示すように、第1調光部8は、第1偏光層31と第1位相差フィルム32とを有する。第2調光部9は、第2偏光層33と第2位相差フィルム34とを有する。第1位相差フィルム32と第2位相差フィルム34は、近接して対向配置されている。第1偏光層31と第2偏光層33は、図11等で説明した第1液晶層22及び第2液晶層24と本質的な違いはない。
第1位相差フィルム32及び第2位相差フィルム34は、同一の構造及び光学特性を有する。図16は、各位相差フィルム32,34の一例を示す概略平面図である。図16に示すように、第1位相差フィルム32は、所定方向daに沿って配列された複数の第1領域Z1を含んでいる。第2位相差フィルム34も、所定方向daに沿って配列された複数の第2領域Z2を含んでいる。複数の領域Z1,Z2の各々は、所定方向daに沿って面内の遅相軸の方向が段階的に変化するように構成されている。なお、図16の各領域Z1,Z2内に示された直線は、当該領域Z1,Z2での面内の遅相軸の方向を示している。
一方、各領域Z1,Z2での遅相軸の方向は一定となっている。すなわち、この位相差フィルム32,34では、所定方向daに沿って各領域Z1,Z2での遅相軸の方向が変化していくが、所定方向daに直交する方向に沿って各領域Z1,Z2での遅相軸の方向は揃っている。
第1偏光層31を透過した一方の直線偏光成分の光は、第1位相差フィルム32及び第2位相差フィルム34を透過して、第2偏光層33に向かう。第1位相差フィルム32を透過する光は、透過することになる第1領域Z1の遅相軸の方向に応じた位相変調量にて、位相を変化させられる。次に、第2位相差フィルム34を透過する光は、第1位相差フィルム32を透過した後での偏光状態と透過することになる第2領域Z2の遅相軸の方向とに応じた位相変調量にて、位相を変化させられる。第1位相差フィルム32から及ぼされる位相変調量と第2位相差フィルム34から及ぼされる位相変調量の合算により、第1位相差フィルム32及び第2位相差フィルム34を透過した後の偏光状態が制御され、当該偏光状態に応じてその後に入射する第2偏光層33での透過率が変化する。
図17を参照して、透過率調節機能をより具体的に説明する。なお、図17に示された例において、位相差フィルム32,34は、λ/2の位相差を与える層とする。例えば、第1偏光層31の偏光軸方向である鉛直方向と同一方向に振動する直線偏光成分の光が、第1偏光層31を透過する。第1偏光層31を透過した光は、第1位相差フィルム32により、その直線偏光の振動方向と第1位相差フィルム32の遅相軸とのなす角度をθ1とした場合に2×θ1分回転する。第1位相差フィルム32を透過した光は、第2位相差フィルム34により、その直線偏光の振動方向と第2位相差フィルム34の遅相軸とのなす角度をθ2とした場合に2×θ2分回転する。図17に示された例では、二つの位相差フィルム32,34での位相変調機能により、第1偏光層31を透過した後に鉛直方向に振動していた光が、水平方向に振動する光に変換され、結果として、第2偏光層33を透過する。すなわち、図17の例では、第1偏光層31を透過した光が、設計上、100%の透過率で第2偏光層33を透過することになる。なお、図17に示された例では、入射光が無偏光の光であり、第1偏光層31の透過率が50%となる。したがって、図17に示された調光装置1の透過率は、理想的には、50%となる。
そして、この調光装置1では、図16に示すように、第2位相差フィルム34を第1位相差フィルム32に対して所定方向daに相対移動させることで、入射光が透過すべき第1領域Z1と第2領域Z2との組み合わせを変化させることで、調光装置1の透過率を調節することができる。なお、図16と図17においては、偏光層31,33の図示を省略している。
本実施形態による調光装置1を構成する第1透光部2と第2透光部6の少なくとも一方は、Low−Eガラスであってもよい。Low−Eガラスとは、ガラス面に銀などの特殊金属膜をコーティングして低放射機能を持たせたガラスである。Low−Eガラスを採用することで、断熱性能や遮熱性能を向上させることができる。
上述した種々の調光装置1は、建物や種々の構造体に組み込むことが可能であり、用途や設置場所には特に依存しない。
このように、第1の実施形態による調光装置1では、調光部材3を移動部材4の中心線ct1よりも一端面4cすなわち蝶番4bに近い側に配置するため、移動部材4を開閉させたときの衝撃が調光部材3に伝達されにくくなり、調光部材3内の第1透光部2と第2透光部6との相対的な位置関係が衝撃でずれるという不具合が起きにくくなる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態による調光装置1は、調光部材3の面積を制限するものである。図18は第2の実施形態による調光装置1の平面図である。図18の調光装置1は、図1の調光装置1と同様に、開口部4aを有する移動部材4と、開口部4aに嵌めこまれる調光部材3とを備えている。図18の調光部材3は、図1の調光部材3とは異なる場所に配置されているが、本実施形態では、調光部材3の配置場所は任意である。よって、移動部材4が開閉ドアであれば、図1の調光部材3と同様に、蝶番4bに近い側に調光部材3を配置してもよいし、その逆に、移動方向操作具14に近い側に調光部材3を配置してもよい。あるいは、図18に示すように、移動部材4の第1方向xの中心位置を通って第2方向yに向かう中心線ct1上、または中心線ct1付近に調光部材3を設けてもよい。
第1の実施形態による移動部材4は、蝶番4bを軸として開閉自在のドアであったが、第2の実施形態による移動部材4は、蝶番4bを軸として開閉自在のドアでもよいし、所定方向にスライドするドアでもよいし、ドア以外の移動可能な建具でもよい。建具の一具体例は、キャスタの付いたパーディション部材である。移動部材4が例えばスライドドアやパーティション部材であっても、調光部材3の配置場所は任意である。
本実施形態による調光部材3は第1の実施形態による調光部材3と同様の構造を有する。具体的には、調光部材3は、第1調光部8を支持する第1透光部2と、第2調光部9を支持する第2透光部6とを有し、第1透光部2と第2透光部6を所定方向に相対的に移動させることで、可視光透過率を連続的または段階的に切り替えることができる。
調光部材3は、第1方向xと第2方向yに延在しており、第1方向xの長さと第2方向yの長さで定まる面積を所定の上限値以下で、所定の下限値以上としている。より具体的には、調光部材3における第1調光部8と第2調光部9とが重なり合う領域の面積を、25cm以上で、かつ2000cmとしている。このように、調光部材3の面積を制限する理由は以下の通りである。例えば、高齢者が入居している老人施設では、トイレで高齢者が倒れる場合があり、トイレに入ったまま長い時間トイレから出て来ない場合等は、調光部材3を通してトイレ内部を窺うのが望ましい。この場合、調光部材3の第1方向xと第2方向yの長さの比が極端に異なっていると、床の片隅に倒れた高齢者に気付かないおそれもある。そこで、本実施形態では、調光部材3の第1方向xと第2方向yの長さの比には特に制限を設けずに、調光部材3の面積を、所定の上限値と下限値の範囲内にする。上限値と下限値は、必ずしも固定値である必要はない。例えば、移動部材4で仕切った第1の空間から第2の空間を調光部材3を通して観察する場合、第2の空間にいる人間のプライバシを尊重できるか否かと、観察者が調光部材3を通して第2の空間内の必要十分な範囲を見渡せるか否かと、第1の空間から調光部材3を通して第2の空間に漏れ込む光の量を第2の空間内の人間が不快でない程度に抑制できるか否か等を総合的に考慮して、適切な上限値と下限値を設定するのが望ましい。この結果、本実施形態では、上述した面積を25cm以上で、かつ2000cm以下とした。この範囲内の面積であれば、見守り対象者のプライバシを極端に侵害することもなく、また、調光部材3を介して必要十分な範囲を見通すことができ、さらに、調光部材3の隙間から漏れ込む外光の光量を抑制できる。
第2の実施形態による調光装置は、上述した第1の実施形態で説明した種々の構造(図2A〜図17)を備えることができる。また、第2の実施形態による調光装置は、建物や種々の構造体に組み込むことが可能であり、用途や設置場所には特に依存しない。
このように、第2の実施形態では、移動部材4に設けられる調光部材3の面積を、所定の上限値以下で、所定の下限値以上とするため、第1空間から調光部材3を通して第2空間を窺う場合に、第2空間内の人間のプライバシを極端に侵害するおそれがなくなり、かつ調光部材3を通して第2空間を窺う場合の視認範囲を必要十分なサイズとすることができ、かつ第1空間から調光部材3を通して第2空間に入り込む光の漏れ量を第2空間内の人間が不快に感じない程度に抑制できる。
上述した第1及び第2の実施形態における移動部材4は、手動で開閉又はスライドさせるドアだけでなく、自動で開閉又はスライドする自動ドアであってもよい。すなわち、第1及び第2の実施形態による調光装置1は、自動ドアに上述した調光部材3を組み込んだものであってもよい。
また、上述した第1及び第2の実施形態における調光部材3の第1透光部2と第2透光部6との相対移動方向は、移動部材4の移動方向と同一方向でもよいし、移動部材4の移動方向とは異なる方向でもよい。例えば、移動部材4がスライドドアの場合に、スライドドアに組み込まれた調光部材3の第1透光部2と第2透光部6との相対移動方向は、スライドドアのスライド方向と同じでもよいし、スライド方向とは異なる方向でもよい。スライドドアのスライド方向と同じ方向に第1透光部2と第2透光部6とを相対移動させる場合、スライドドアをスライドさせる際の衝撃で、第1透光部2と第2透光部6との相対移動位置がずれやすくなる。一方、スライドドアのスライド方向とは略90度異なる方向に第1透光部2と第2透光部6とを相対移動させる場合は、スライドドアのスライドによる衝撃で第1透光部2と第2透光部6との相対移動位置がずれるおそれが少なくなる。
本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
1 調光装置、2 第1透光部、3 調光部材、4 移動部材、4a 開口部、6 第2透光部、7 枠体、8 第1調光部、9 第2調光部、10 滑り部材、11 隙間調整部材、14 移動部材操作具、15 調整部材操作具、16 飛散防止フィルム、17
第1弾性部材、18 第2弾性部材、19 透光部、21 接着層、22 第1液晶層、23 第1位相差フィルム、24 第2液晶層、25 第2位相差フィルム、26 基材層、27 配向層、27a 第1配向部、27b 第2配向部、29a 第1液晶部、29b 第2液晶部、31 第1偏光層、32 第1位相差フィルム、33 第2偏光層、34 第2位相差フィルム、35 接着層

Claims (17)

  1. 開口部を有し、蝶番を軸として開閉自在の移動部材と、
    前記開口部に嵌めこまれる調光部材と、を備え、
    前記調光部材は、
    互いに対向して配置され、所定方向への相対移動により対向面同士の重なり具合を複数段階に切替可能な第1透光部及び第2透光部と、
    前記第1透光部に支持される第1調光部と、
    前記第2透光部に支持される第2調光部と、を備え、
    前記調光部材は、前記第1調光部及び前記第2調光部が重なり合う領域において、前記第1透光部及び前記第2透光部の前記所定方向への相対移動量に応じて異なる可視光波長域の透過率を有し、
    前記移動部材は、所定の基準面上の第1方向と、前記基準面に交差する第2方向と、に延在しており、
    前記蝶番は、前記移動部材の前記第2方向に延在する一端面側に取り付けられ、
    前記調光部材は、前記移動部材の前記第1方向の中心位置を通って前記第2方向に向かう中心線よりも前記一端面側に配置されている、調光装置。
  2. 前記調光部材は、前記移動部材を開閉させる操作を行う移動部材操作具よりも上方に配置される、請求項1に記載の調光装置。
  3. 開口部を有する移動部材と、
    前記開口部に嵌めこまれる調光部材と、を備え、
    前記調光部材は、
    互いに対向して配置され、所定方向への相対移動により対向面同士の重なり具合を複数段階に切替可能な第1透光部及び第2透光部と、
    前記第1透光部に支持される第1調光部と、
    前記第2透光部に支持される第2調光部と、を備え、
    前記調光部材は、前記第1調光部及び前記第2調光部が重なり合う領域において、前記第1透光部及び前記第2透光部の前記所定方向への相対移動量に応じて異なる可視光波長域の透過率を有し、
    前記第1調光部及び前記第2調光部が重なり合う領域の面積は、25cm以上で、かつ2000cm以下である、調光装置。
  4. 前記移動部材は、蝶番にて開閉自在のドアである、請求項3に記載の調光装置。
  5. 前記移動部材は、所定の基準面に沿ってスライドするドアである、請求項3に記載の調光装置。
  6. 前記第1透光部及び前記第2透光部を前記所定方向に相対移動させる調光部材操作具を備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の調光装置。
  7. 前記調光部材操作具は、前記調光部材を前記移動部材に固定する押し縁により隠蔽される箇所に配置される、請求項6に記載の調光装置。
  8. 前記調光部材の縁部に取り付けられ、前記調光部材を支持する枠体と、
    前記枠体の内壁面と前記調光部材との間に配置される第1弾性部材と、を備え、
    前記第1透光部及び前記第2透光部は、前記枠体の内側で前記所定方向に前記第1弾性部材に接触するまで相対移動する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の調光装置。
  9. 前記開口部の壁面と前記枠体との間に配置される第2弾性部材を備える、請求項8に記載の調光装置。
  10. 前記開口部の壁面に沿って配置され、前記調光部材を前記移動部材に固定する押し縁を備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の調光装置。
  11. 前記開口部の壁面に沿って配置され、前記枠体の少なくとも一部を隠蔽するとともに、前記調光部材を前記移動部材に固定する押し縁を備える、請求項8または9に記載の調光装置。
  12. 前記調光部材は、前記第1透光部及び前記第2透光部の少なくとも一方に貼合される飛散防止層を有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の調光装置。
  13. 前記第1調光部及び前記第2調光部は、飛散防止機能を有する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の調光装置。
  14. 前記第1調光部は、
    第1偏光軸を有する第1偏光層と、
    前記所定方向に沿って配列された複数の第1領域を含む第1位相差フィルムと、を有し、
    前記第2調光部は、
    第2偏光軸を有する第2偏光層と、
    前記所定方向に沿って配列された複数の第2領域を含む第2位相差フィルムと、を有し、
    前記複数の第1領域のうち、隣接する2つの第1領域は、前記所定方向に沿って面内の遅相軸の方向が異なっており、
    前記複数の第2領域のうち、隣接する2つの第2領域は、前記所定方向に沿って面内の遅相軸の方向が異なっている、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の調光装置。
  15. 前記第1透光部及び前記第2透光部の少なくとも一方は、Low−Eガラスである、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の調光装置。
  16. 請求項1乃至15のいずれか一項に記載の調光装置を備える構造体。
  17. 請求項1乃至15のいずれか一項に記載の調光装置を備える建物。
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