JP7372207B2 - リアクトルの層間短絡を検出するコンバータ装置 - Google Patents

リアクトルの層間短絡を検出するコンバータ装置 Download PDF

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Description

本発明は、リアクトルの層間短絡を検出するコンバータ装置に関する。
交流電源から入力される交流電力をコンバータ装置(整流器)にて直流電力に変換してDCリンクへ出力し、さらにインバータ装置にてDCリンクにおける直流電力を交流電力に変換してこの交流電力をモータなどの負荷へ供給する電力変換システムにおいて、コンバータ装置の交流入力側には、交流リアクトルが設けられる。以下、交流リアクトルについては、単に「リアクトル」と称する。なお、「DCリンク」とは、整流器の直流出力側と逆変換器の直流入力側とを電気的に接続する回路部分のことを指し、「DCリンク部」、「直流リンク」、「直流リンク部」、「直流母線」あるいは「直流中間回路」などとも別称されることもある。
例えば、直流電力を交流電力に変換して交流電源に回生するコンバータと、120°通電方式を用いて前記コンバータから交流電源へ電力を回生するように前記コンバータを制御する120°通電回生制御部と、PWM制御方式を用いて前記コンバータから交流電源へ電力を回生するように前記コンバータを制御するPWM回生制御部と、交流電源から前記コンバータへ入力される電源電圧を検出する入力電圧検出部と、前記コンバータの出力電圧であるDCリンク電圧を検出するDCリンク電圧検出部と、電源回生動作時において、120°通電方式及びPWM制御方式を前記DCリンク電圧検出部の電圧値に基づいて任意に切り替える回生方式切替部と、を有することを特徴とするモータ駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、荷役を目的とする電動巻上機、電動トロリ装置、電動サドル装置の誘導電動機を駆動する周波数変換機において、電動機から発生する回生電力を熱エネルギーに変換して処理する回生抵抗器を複数の抵抗器の並列接続で構成し、回生抵抗器全体に流れる回生電流値を検出する検出器と、検出電流を比較する手段と、比較結果に応じ周波数変換器の出力周波数を制御する手段とを有することを特徴とする回生抵抗故障判断方式が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2017-042016号公報 特開2008-295143号公報
コンバータ装置の交流入力側に設けられるリアクトルにおいては、コイルが複数回重ねて巻回される。コイルの層(レイヤ:Layer)は重なった状態になっており、コイルの層間は絶縁されている。何らかの原因により層間の絶縁が破壊されると、コイルの層間が短絡する。このような短絡は、「層間短絡(レイヤショート:Layer Short)」と称される。リアクトルに層間短絡が発生すると、短絡箇所を介したループ状の電流経路が形成されて発熱する。従来は、リアクトル内のコイルの近傍に温度検出素子(サーミスタ)を取り付け、温度検出素子によりコイルの発熱を検知することで、リアクトルの層間短絡を検出していた。
温度検出素子は、温度上昇に従って出力が変化する特性を有する。温度検出素子の出力結果に基づき、温度検出素子の周囲温度が所定の動作温度(例えば異常温度)に達したか否かを判定することが可能である。コンバータ装置の交流側に設けられたリアクトルの層間短絡を温度検出素子を用いて検出する方法では、リアクトルの層間短絡に起因してコイルが発熱しても温度検出素子の周囲温度が温度検出素子の動作温度に達しない限りは、層間短絡を検出することができない。また、リアクトル内における層間短絡の発生箇所と温度検出素子の取り付け箇所との間が離れていた場合は、温度検出素子の周囲温度が、温度検出素子の動作温度に達するまで時間を要したり、そもそも温度検出素子の動作温度に達しないこともある。このため、温度検出素子を用いた層間短絡検出方法では、層間短絡の検出漏れが発生したり、層間短絡の検出に時間がかかる問題があった。したがって、交流側に設けられたリアクトルの層間短絡を正確かつ迅速に検出することができるコンバータ装置の開発が望まれている。
本開示の一態様によれば、電源回生機能を有するコンバータ装置は、交流側から入力された交流電力を直流電力に変換して直流側へ出力する整流動作と、直流側の直流電力を交流電力に変換して交流側へ出力する回生動作と、を選択的に実行する電力変換部と、回生動作時に直流側から電力変換部へ流れ込む回生電流を検出する回生電流検出部と、回生電流の単位時間当たりの変化量に基づいて、電力変換部の交流側と交流電源との間に設けられたリアクトルの層間短絡を検出する層間短絡検出部と、を備える。
本開示の一態様によれば、交流側に設けられたリアクトルの層間短絡を正確かつ迅速に検出することができるコンバータ装置を実現することができる。
本開示の一実施形態によるコンバータ装置を示す図である。 コンバータ装置の交流側に設けられるリアクトルの分解斜視図である。 コンバータ装置の交流側に設けられるリアクトルで発生した層間短絡により流れる電流経路を説明する図である。 層間短絡により生じる循環電流と磁束との関係を説明する図である。 従来の温度検出素子を用いた層間短絡検出方法を説明する図である。 コンバータ装置による電源回生を説明する図であって、(A)はモータ減速時のエネルギーの流れを示し、(B)は回生動作開始時のエネルギーの流れを示す。 コンバータ装置による電源回生に伴うDCリンク電圧及び回生電流の波形を例示する図であって、(A)は電源インピーダンスが低い場合におけるDCリンク電圧及び回生電流の波形を例示し、(B)は電源インピーダンスが高い場合におけるDCリンク電圧及び回生電流の波形を例示する。 コンバータ装置による電源回生直後の回生変流の変化量を例示する図である。 本開示の一実施形態によるコンバータ装置の動作フローを示すフローチャートである。 本開示の一実施形態の変形例によるコンバータ装置の動作フローを示すフローチャートである。
以下図面を参照して、リアクトルの層間短絡を検出するコンバータ装置について説明する。各図面において、同様の部材には同様の参照符号が付けられている。また、理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。また、図面に示される形態は実施するための一つの例であり、図示された形態に限定されるものではない。
図1は、本開示の一実施形態によるコンバータ装置を示す図である。
本開示の一実施形態によるコンバータ装置1は、その直流側であるDCリンクを介してインバータ装置2に接続される。ここでは、一例として、インバータ装置2の交流側に接続される負荷がモータ4である場合について説明するが、負荷はモータ4以外であってもよい。
図1に示す例では、コンバータ装置1及びインバータ装置2は、モータ4を駆動するモータ駆動装置100を構成する。交流電源3に接続されたモータ駆動装置100により、交流のモータ4を駆動する。なお、交流電源3及びモータ4の相数は本実施形態を特に限定するものではなく、例えば三相であっても単相であってもよい。交流電源3の一例を挙げると、三相交流400V電源、三相交流200V電源、三相交流600V電源、単相交流100V電源などがある。また、モータ4の種類についても本実施形態を特に限定するものではなく、例えば誘導モータであっても同期モータであってもよい。ここで、モータ4が設けられる機械には、例えば工作機械、ロボット、鍛圧機械、射出成形機、産業機械などが含まれる。
コンバータ装置1の交流側の端子と交流電源3との間には、リアクトル5が設けられる。図1に示す例では、交流電源3を三相交流電源としたので、リアクトル5は三相リアクトルで構成される。交流電源3から単相交流電力が供給される場合は、リアクトル5は単相リアクトルで構成される。コンバータ装置1の構成及び動作を説明するに先立ち、リアクトル5の層間短絡について、図2~図5を参照して説明する。
図2は、コンバータ装置の交流側に設けられるリアクトルの分解斜視図である。コンバータ装置の交流入力側に設けられるリアクトルにおいては、コイル31が複数回重ねて巻回され、コア32の溝33に配置される。コイル31の層(Layer)は重なった状態になっており、コイル31の層間は絶縁されている。
図3は、コンバータ装置の交流側に設けられるリアクトルで発生した層間短絡により流れる電流経路を説明する図である。また、図4は、層間短絡により生じる循環電流と磁束との関係を説明する図である。何らかの原因によりリアクトル内のコイル31の層間の絶縁が破壊されると、コイル31巻線の層間は短絡する。例えば図3に示すようにコイル31において層間短絡が位置Sで発生すると、図3の矢印で示すように、コイル31上に、位置Sを含んだループ状の電流経路が形成される。図4に示すように、層間短絡により生じたループ状の電流経路Pを貫く磁束Φが変化すると、式1で表されるような起電圧eが発生する。
Figure 0007372207000001
リアクトル内のコイル上に層間短絡が発生することで、コイルの抵抗成分及びインダクタンス成分が変化する。コイル上に形成されたループ状の電流経路PのインピーダンスをZとしたとき、この電流経路Pには式2で表されるような循環電流iが流れる。
Figure 0007372207000002
コイル上に形成されたループ状の電流経路Pに循環電流iが流れることでコイル上に形成されたループ状の電流経路Pが発熱する。
図5は、従来の温度検出素子を用いた層間短絡検出方法を説明する図である。従来は、リアクトルのコイル31の近傍に温度検出素子41を取り付け、温度検出素子41によりコイルの発熱を検知することで、リアクトルの層間短絡を検出していた。しかしながら、リアクトル内のコイル31の層間短絡の発生箇所Sと温度検出素子41の取り付け位置との間が離れていた場合は、温度検出素子41の周囲温度が、温度検出素子41の動作温度に達するまで時間を要したり、そもそも温度検出素子41の動作温度に達しないこともある。このため、従来の温度検出素子41を用いた層間短絡検出方法では、層間短絡の検出漏れが発生したり、層間短絡の検出に時間がかかる問題があった。
これに対し、本開示の一実施形態によるコンバータ装置1は、温度検出素子を用いることなく、コンバータ装置1の交流側に設けられたリアクトルの層間短絡を正確かつ迅速に検出することができる。以下、本開示の一実施形態によるコンバータ装置1の構成について説明する。
コンバータ装置1は、電力変換部11と、回生電流検出部12と、層間短絡検出部13と、入力電圧検出部14と、コンデンサ電圧検出部15と、制御部16とを備える。
コンバータ装置1は、整流素子の整流動作及びスイッチング素子のオンオフ動作により、交流電源3側の交流電力とDCリンクの直流電力との間で双方向に電力変換を行うことができる電源回生可能な整流器として構成される。
コンバータ装置1の主電力変換回路である電力変換部11は、半導体スイッチング素子及びこれに逆並列に接続された整流素子のフルブリッジ回路からなり、PWMスイッチング制御方式または120度通電方式の整流器として構成される。半導体スイッチング素子の例としては、IGBT、FET、サイリスタ、GTO(Gate Turn-OFF thyristor:ゲートターンオフサイリスタ)、トランジスタなどがある。整流素子の例としては、ダイオードがある。図1に示す例では、交流電源3を三相交流電源としたので、電力変換部11は三相フルブリッジ回路で構成される。交流電源3から単相交流電力が供給される場合は、電力変換部11は単相ブリッジ回路で構成される。
電力変換部11は、交流側から入力された交流電力を整流素子により直流電力に変換して直流側であるDCリンクへ出力する整流動作と、DCリンクの直流電力を半導体スイッチング素子のオンオフ動作により交流電力に変換して交流側へ出力する回生動作と、を選択的に実行する。電力変換部11内の半導体スイッチング素子のスイッチング動作は、制御部16によりPWMスイッチング制御方式または120度通電方式に従って制御される。
回生電流検出部12は、回生動作時にDCリンクから電力変換部11へ流れ込む回生電流を検出する。なお、回生電流検出部12として、DCリンクに一般的に設けられる電流検出器を流用してもよい。すなわち、一般的な電流検出器は、整流動作時には電力変換部11からDCリンクへ流れる電流(例えば力行電流)を検出し、回生動作時にはDCリンクから電力変換部11へ流れ込む回生電流を検出する。このような電流検出器の機能の1つとして、回生動作時にDCリンクから電力変換部11へ流れ込む回生電流を検出する回生電流検出部12を実現してもよい。
層間短絡検出部13は、回生電流の単位時間当たりの変化量に基づいて、電力変換部11の交流側と交流電源3との間に設けられたリアクトル5の層間短絡を検出する。層間短絡検出部13の構成及び動作の詳細については後述する。
電力変換部11の直流側であるDCリンクには、DCリンクコンデンサ6が設けられる。DCリンクコンデンサ6は、インバータ装置2が交流電力を生成するために用いられる直流電力を蓄積する機能及びコンバータ装置1の電力変換部11の直流出力の脈動分を抑える機能を有する。DCリンクコンデンサ6の例としては、例えば電解コンデンサやフィルムコンデンサなどがある。なお、図1では、一例として、DCリンクコンデンサ6をコンバータ装置1内に設けたが、コンバータ装置1の外部に設けてもよい。
入力電圧検出部14は、コンバータ装置1の電力変換部11に対する入力電圧の値を検出する。図1に示すような交流電源3が三相交流電源である場合の入力電圧検出部14による入力電圧検出方法としては、例えば、電力変換部11の交流側の三相座標上の交流電圧の電圧波高値を交流電圧値とする方法などがある。入力電圧検出部14により検出された入力電圧の値は、制御部16に送られて電力変換部11内の半導体スイッチング素子のスイッチング動作の制御に用いられる。なお、図1では、一例として、入力電圧検出部14をコンバータ装置1内に設けたが、コンバータ装置1の外部に設けてもよい。
コンデンサ電圧検出部15は、DCリンクコンデンサ6の正負両極端子間に印加される電圧であるDCリンク電圧を検出する。すなわち、DCリンク電圧は、DCリンクの正電位と負電位との間の電位差である。コンデンサ電圧検出部15により検出されたDCリンク電圧の値は、制御部16に送られて電力変換部11内の半導体スイッチング素子のスイッチング動作の制御に用いられる。なお、図1では、一例として、コンデンサ電圧検出部15をコンバータ装置1内に設けたが、コンバータ装置1の外部に設けてもよい。
制御部16は、入力電圧検出部14により検出された入力電圧の値及びコンデンサ電圧検出部15により検出されたDCリンク電圧の値に基づいて、電力変換部11内の半導体スイッチング素子のスイッチング動作を制御する。
コンバータ装置1内の層間短絡検出部13及び制御部16は、アナログ回路と演算処理装置との組み合わせで構成されてもよく、あるいは演算処理装置のみで構成されてもよく、あるいはアナログ回路のみで構成されてもよい。例えば、層間短絡検出部13及び制御部16をソフトウェアプログラム形式で構築する場合は、演算処理装置をこのソフトウェアプログラムに従って動作させることで、層間短絡検出部13及び制御部16の機能を実現することができる。またあるいは、層間短絡検出部13及び制御部16を、各部の機能を実現するソフトウェアプログラムを書き込んだ半導体集積回路として実現してもよい。またあるいは、層間短絡検出部13及び制御部16を、各部の機能を実現するソフトウェアプログラムを書き込んだ記録媒体として実現してもよい。また、層間短絡検出部13及び制御部16は、例えば工作機械の数値制御装置内に設けられてもよく、ロボットを制御するロボットコントローラ内に設けられてもよい。
コンバータ装置1内の回生電流検出部12、入力電圧検出部14、及びコンデンサ電圧検出部15は、アナログ回路と演算処理装置との組み合わせで構成されてもよく、あるいは演算処理装置のみで構成されてもよく、あるいはアナログ回路のみで構成されてもよい。回生電流検出部12、入力電圧検出部14、及びコンデンサ電圧検出部15については、モータ駆動装置100に一般的に設けられるものを流用してもよい。
コンバータ装置1内の回生電流検出部12、層間短絡検出部13、入力電圧検出部14、コンデンサ電圧検出部15、及び制御部16を構成し得る演算処理装置には、例えばIC、LSI、CPU、MPU、DSPなどがある。
コンバータ装置1の直流側には、インバータ装置2が接続される。
インバータ装置2は、半導体スイッチング素子及びこれに逆並列に接続された整流素子のフルブリッジ回路からなり、PWMスイッチング制御方式に従い制御される。半導体スイッチング素子の例としては、IGBT、FET、サイリスタ、GTO、トランジスタなどがある。整流素子の例としては、ダイオードがある。図1に示す例では、モータ4を三相交流モータとしたので、インバータ装置2は三相フルブリッジ回路で構成される。モータ4が単相交流モータである場合は、インバータ装置2は単相ブリッジ回路で構成される。
インバータ装置2は、上位制御装置(図示せず)の指令に基づき内部の半導体スイッチング素子のオンオフ動作がPWM制御されることで、DCリンクにおける直流電力を交流電力に変換して交流側のモータ4へ供給するとともに、モータ4の減速により回生された交流電力を直流電力に変換してDCリンクへ戻す。モータ4は、インバータ装置2から供給される交流電力に基づいて、速度、トルクまたは回転子の位置が制御される。インバータ装置2を制御する上位制御装置は、アナログ回路と演算処理装置との組み合わせで構成されてもよく、あるいは演算処理装置のみで構成されてもよい。インバータ装置2を制御する上位制御装置を構成し得る演算処理装置には、例えばIC、LSI、CPU、MPU、DSPなどがある。
続いて、本開示の一実施形態によるコンバータ装置1内の層間短絡検出部13について、より詳細に説明する。
電源回生機能を有するコンバータ装置1は、整流動作と回生動作とを選択的に実行する。図6は、コンバータ装置による電源回生を説明する図であって、(A)はモータ減速時のエネルギーの流れを示し、(B)は回生動作開始時のエネルギーの流れを示す。図7は、コンバータ装置による電源回生に伴うDCリンク電圧及び回生電流の波形を例示する図であって、(A)は電源インピーダンスが低い場合におけるDCリンク電圧及び回生電流の波形を例示し、(B)は電源インピーダンスが高い場合におけるDCリンク電圧及び回生電流の波形を例示する。
まず、図6及び図7(A)を参照して、コンバータ装置1による整流動作から回生動作への切替えに伴うDCリンク電圧及び回生電流の波形の変化について説明する。
入力電圧検出部14により検出される入力電圧波高値及びコンデンサ電圧検出部15により検出されるDCリンク電圧の値は、所定の周期で制御部16に送られる。例えば図7(A)において、時刻0からt0においてモータ4を加速または定速にて動作させている場合、コンバータ装置1内の電力変換部11は整流動作を行い、交流電源3から供給された交流電力を整流素子により直流電力に変換してDCリンクへ出力し、インバータ装置2はDCリンクにおける直流電力を交流電力に変換してモータ4へ供給する。このとき、コンデンサ電圧検出部15により検出されるDCリンク電圧は、入力電圧検出部14により検出される入力電圧波高値とほぼ一致している。また、回生電流検出部12により検出される回生電流はゼロ(0)である。
時刻t0でモータ4を減速させると、モータ4の回転エネルギーは電気エネルギーに変換される。図6(A)に示すように、モータ4で発生した電気エネルギーである交流電力はインバータ装置2により直流電力に変換されてDCリンクコンデンサ6に蓄積される。その結果、コンデンサ電圧検出部15により検出されるDCリンク電圧は徐々に上昇し、DCリンク電圧と入力電圧波高値との間に電位差が生じる。
時刻t1でコンデンサ電圧検出部15により検出されるDCリンク電圧が、予め規定された電源回生開始電圧に到達すると、これを受けて制御部16は、電力変換部11に対し回生動作を実行するよう指令する。電力変換部11は、DCリンクの直流電力を半導体スイッチング素子のオンオフ動作により交流電力に変換して交流側へ出力する。これにより、図6(B)に示すように、DCリンクコンデンサ6に蓄積されていた電気エネルギーがコンバータ装置1を介して交流電源3へ回生される。その結果、時刻t1を境にコンデンサ電圧検出部15により検出されるDCリンク電圧は徐々に低下する。また、回生電流検出部12により検出される回生電流は、時刻t1からしばらくは徐々に上昇し、あるピーク値を経て、低下に転じる。時刻t2A以降はDCリンク電圧は入力電圧波高値とは一定の電位差を維持したまま安定した値となる。なお、図7(A)では図示していないが、その後、モータ4を加速または定速にて動作させると、制御部16の制御によりコンバータ装置1内の電力変換部11は整流動作を行い、DCリンク電圧は入力電圧波高値とほぼ一致し、回生電流はゼロ(0)となる。
このように、制御部16によるコンバータ装置1の整流動作から回生動作への切替え制御は、コンデンサ電圧検出部15により検出されるDCリンク電圧が、予め規定された電源回生開始電圧に達したときに行われる。一般に、回生動作開始の誤動作を防ぐため、電源回生開始電圧と入力電圧波高値との差Vregは数十ボルト程度(例えば入力電圧波高値のおよそ数十パーセント程度)に設定されることが多い。このため、回生動作開始(時刻t1)直後は、DCリンク電圧と入力電圧波高値との電位差が大きいため、回生電流のピーク値は高くなる。
コンバータ装置1側から交流電源3側を見たときの電源インピーダンスは、コンバータ装置1と交流電源3との間に設けられたリアクトル5のインダクタンス成分Lとコンバータ装置1と交流電源3との間の電力線などの抵抗分Rとからなる。コンバータ装置1による電源回生時に発生する回生電流の単位時間当たりの変化量は、電源インピーダンスに依存する。
図7(B)は、上述した図7(A)よりも電源インピーダンスが高い場合におけるDCリンク電圧及び回生電流の波形を例示している。図7(B)に示すように、時刻0からt0においてモータ4を加速または定速にて動作させている場合、コンバータ装置1内の電力変換部11は整流動作を行う。このとき、コンデンサ電圧検出部15により検出されるDCリンク電圧は、入力電圧検出部14により検出される入力電圧波高値とほぼ一致している。また、回生電流検出部12により検出される回生電流はゼロ(0)である。時刻t0でモータ4を減速させると、モータ4が減速するとモータ4の回転エネルギーは電気エネルギーに変換され、インバータ装置2により直流電力に変換されてDCリンクコンデンサ6に蓄積される。その結果、コンデンサ電圧検出部15により検出されるDCリンク電圧は徐々に上昇し、DCリンク電圧と入力電圧波高値との間に電位差が生じる。時刻t1でコンデンサ電圧検出部15により検出されるDCリンク電圧が、予め規定された電源回生開始電圧に到達すると、制御部16による制御により、電力変換部11は回生動作を開始する。時刻t1を境にコンデンサ電圧検出部15により検出されるDCリンク電圧は徐々に低下する。また、回生電流検出部12により検出される回生電流は、時刻t1からしばらくは徐々に上昇し、その後、低下に転じる。時刻t2B以降はDCリンク電圧は入力電圧波高値とは一定の電位差を維持したまま安定した値となる。図7(B)における電源インピーダンスは、上述した図7(A)の場合よりも高いので、図7(B)におけるDCリンク電圧の低下の割合は、図7(A)の場合よりも小さくなる。この結果、図7(B)に示した電源インピーダンスが高い場合における回生動作開始(時刻t1)直後の回生電流の単位時間当たりの変化量は、図7(A)に示した電源インピーダンスが低い場合における回生動作開始(時刻t1)直後の回生電流の単位時間当たりの変化量よりも、小さくなる。なお、図7(B)では図示していないが、その後、モータ4を加速または定速にて動作させると、制御部16の制御によりコンバータ装置1内の電力変換部11は整流動作を行い、DCリンク電圧は入力電圧波高値とほぼ一致し、回生電流はゼロとなる。
このように、電源インピーダンスが大きいほど回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量は小さくなり、逆に、電源インピーダンスが小さいほど回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量は大きくなる。
コンバータ装置1の交流側に設けられたリアクトル5に層間短絡が発生するとリアクトル5のインダクタンスLが低下するので、層間短絡時における電源インピーダンスは、層間短絡のない正常時における電源インピーダンスに比べ、小さくなる。この結果、リアクトル5に層間短絡が発生した場合における回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量は、リアクトル5が正常である場合における回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量よりも、大きくなる。そこで、本開示の一実施形態によるコンバータ装置1では、ある回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量を「前回分の変化量」として記憶しておき、この「前回分の変化量」とその次に実行された回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量である「今回分の変化量」との比較結果に基づいて、リアクトル5に層間短絡が発生したか否かを判定する。「今回分の変化量」が「前回分の変化量」よりも大きくなった場合は、リアクトル5に層間短絡が発生したと判定する。
回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量に基づいてリアクトル5に層間短絡が発生したか否かを判定するために、コンバータ装置1内の層間短絡検出部13は、図1に示すように、計算部21と、変化量記憶部22と、判定部23と、閾値記憶部24とを有する。また、層間短絡検出部13は、計算部21、変化量記憶部22、判定部23、及び閾値記憶部24の各動作を統括して制御するための統括制御部(図示せず)を有する。計算部21、判定部23及び統括制御部は、アナログ回路と演算処理装置との組み合わせで構成されてもよく、あるいは演算処理装置のみで構成されてもよく、あるいはアナログ回路のみで構成されてもよい。変化量記憶部22及び閾値記憶部24は、例えばEEPROM(登録商標)などのような電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリ、または、例えばDRAM、SRAMなどのような高速で読み書きのできるランダムアクセスメモリなどで構成される。
計算部21は、コンバータ装置1内の電力変換部11の回生動作ごとに、回生電流検出部12により検出された回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量を計算する。上述のように、回生電流は、回生動作開始後からしばらくは徐々に上昇するが、あるピーク値を経てた後は、低下に転じる。計算部21は、回生動作開始後の上昇中の、すなわちピーク値に到達する前の回生電流の変化量を計算する。よって、計算部21は、回生動作開始直後のできるだけ早い段階で回生電流の単位時間当たりの変化量を計算するのが好ましい。一例を挙げると、回生動作開始直後からごく短時間の間に回生電流検出部12により検出(サンプリング)された回生電流の変化量を、当該サンプリングに要した期間で除算することで、単位時間当たりの変化量を算出することができる。計算部21により算出された回生電流の単位時間当たりの変化量に関するデータは、変化量記憶部22及び判定部23へ送られる。
変化量記憶部22は、計算部21により計算された変化量を記憶する。
判定部23は、計算部21により計算された回生電流の単位時間当たりの変化量と、当該変化量が計算されたときの回生動作よりも1回前の回生動作に関して計算部21により計算されて変化量記憶部22に記憶されていた回生電流の単位時間当たりの変化量とに基づいて、リアクトル5に層間短絡が発生したか否かを判定する。より詳しくは、判定部23は、計算部21により計算された「今回の」回生電流の単位時間当たりの変化量が、当該変化量が計算されたときの回生動作よりも1回前の回生動作に関して計算部21により計算されて変化量記憶部22に記憶されていた「前回の」回生電流の単位時間当たりの変化量よりも大きい場合、リアクトル5に層間短絡が発生したと判定する。
図8は、コンバータ装置による電源回生直後の回生変流の変化量を例示する図である。図8では、例えば時刻t1で回生動作が開始されたときにおいて、ある回生動作において回生電流検出部12により検出された回生電流を「今回の回生電流」として実線で示し、当該回生動作よりも1回前の回生動作において回生電流検出部12により検出された回生電流を「前回の回生電流」として破線で示している。判定部23は、計算部21により計算された今回の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINが、変化量記憶部22に記憶された前回の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔIN-1よりも大きい場合、リアクトル5に層間短絡が発生したと判定する。ここで、Nは正の整数とする。つまり、今回の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINが前回の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔIN-1よりも大きいと判断された時点の段階で少なくともリアクトル5には層間短絡が発生していたということである。
このように、本開示の一実施形態によれば、層間短絡検出部13内の判定部23は、計算部21により計算された回生電流の単位時間当たりの変化量と、当該変化量が計算されたときの回生動作よりも1回前の回生動作に関して計算部21により計算されて変化量記憶部22に記憶されていた回生電流の単位時間当たりの変化量との比較結果に基づいて、リアクトル5に層間短絡が発生したか否かを判定する。ある回生動作時において判定部23が判定処理を実行する際には、当該回生動作よりも1回前の回生時における回生電流の単位時間当たりの変化量が、変化量記憶部22に既に記憶されている必要がある。そこで、モータ駆動装置100の電源投入後、コンバータ装置1内の電力変換部11により最初に実行された回生動作に関しては、判定部23による判定処理は実行せず、計算部21により計算された回生電流の単位時間当たりの変化量については、変化量記憶部22に記憶するのみとする。判定部23は、最初に実行された回生動作以降の回生動作において、計算部21により計算された回生電流の単位時間当たりの変化量と、当該変化量が計算されたときの回生動作よりも1回前の回生動作に関して計算部21により計算されて変化量記憶部22に記憶された回生電流の単位時間当たりの変化量とに基づいて、リアクトル5に層間短絡が発生したか否かを判定する。
なお、回生電流検出部12の検出誤差や回生電流の脈動などに起因して、実際はリアクトル5に層間短絡が発生していないにもかかわらず今回の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINが前回の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔIN-1よりも大きな値となってしまう可能性がある。リアクトル5に層間短絡が発生したと判定されるときの条件を、単純に「今回の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINが前回の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔIN-1よりも大きい場合」に設定すると、回生電流検出部12の検出誤差や回生電流の脈動などに起因して今回の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINが前回の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔIN-1よりもほんの少しだけ大きな値になってしまう場合がある。この場合、判定部23は層間短絡が発生したと誤判定してしまう。
そこで、このような誤判定を防ぐために、本開示の一実施形態では、判定部23は、「計算部21により計算された回生電流の単位時間当たりの変化量ΔIN」から「当該変化量が計算されたときの回生動作よりも1回前の回生動作において計算部21により計算されて変化量記憶部22に記憶された回生電流の単位時間当たりの変化量ΔIN-1」を減算して得られる差ΔIN-ΔIN-1と、予め規定された閾値Ithとを比較し、この比較結果に基づいて、リアクトル5に層間短絡が発生したか否かを判定する。より詳しくは、判定部23は、計算部21により計算された回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINと、当該変化量が計算されたときの回生動作よりも1回前の回生動作において計算部21により計算されて変化量記憶部22に記憶された回生電流の単位時間当たりの変化量ΔIN-1と、の差ΔIN-ΔIN-1が、予め規定された閾値Ithよりも大きい場合、リアクトル5に層間短絡が発生したと判定する。
判定部23による判定処理に用いられる閾値Ithは、閾値記憶部24に記憶される。閾値Ithは、例えば、回生電流検出部12が有する公差と回生電流の脈動分との和よりも大きい値に設定するのが好ましい。例えば、実験もしくは実際の運用によりコンバータ装置1を動作させたり、またはコンピュータによるシミュレーションにより、回生電流検出部12が有する公差及び回生電流の脈動分をある程度把握したうえで、閾値Ithを設定すればよい。また、閾値記憶部24を、外部機器によって書き換え可能なメモリで実現すれば、閾値Ithを一旦設定した後であっても、必要に応じて適切な値に変更することができる。
本開示の一実施形態によるコンバータ装置1は、上述の構成を備えることによって、コンバータ装置1の交流側に設けられたリアクトル5の層間短絡を、検出漏れなく、正確かつ迅速に検出することができる。
本開示の一実施形態によるコンバータ装置1において、層間短絡検出部13は、電力変換部11の回生動作ごとに、各処理を実行する。コンバータ装置1の一連の動作を説明すると次の通りである。
図9は、本開示の一実施形態によるコンバータ装置の動作フローを示すフローチャートである。
判定部23がコンバータ装置1内の電力変換部11の回生動作の回数を把握するために、判定部23の例えば動作プログラム中に、回生動作の回数を表すパラメータNを設定する。
ステップS101において、判定部23は、初期設定として、回生動作の回数Nをゼロ(0)に設定する。回生動作の回数Nのゼロの設定は、モータ駆動装置100の電源投入時またはコンバータ装置1の電源投入時に自動的に行われてもよく、作業者のコンバータ装置1への入力装置を用いたリセット操作によって行われてもよい。
ステップS102において、判定部23または統括制御部(図示せず)は、コンバータ装置1内の電力変換部11が回生動作を開始したか否かを判定する。例えば、コンデンサ電圧検出部15により検出されたDCリンク電圧が電源回生開始電圧に到達した場合、電力変換部11が回生動作を開始したと判定される。また例えば、コンデンサ電圧検出部15により検出されたDCリンク電圧と入力電圧検出部14により検出された入力電圧波高値との差が、電源回生開始電圧と入力電圧波高値との差で規定される回生開始閾値に達した場合、電力変換部11が回生動作を開始したと判定される。ステップS102において電力変換部11が回生動作を開始したと判定された場合はステップS103へ進み、そうではない場合はステップS102へ戻る。
ステップS103において、判定部23は、回生動作の回数Nを1つインクリメントする。
ステップS104において、回生電流検出部12は、DCリンクから電力変換部11へ流れ込む回生電流を検出する。
ステップS105において、計算部21は、回生電流検出部12により検出された回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINを計算する。
ステップS106において、判定部23は、回生動作の回数Nが1であるか否かを判定する。
ステップS106において回生動作の回数Nが1であると判定された場合は、ステップS109において、変化量記憶部22は、回生電流検出部12により検出された回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINを記憶し、次いでステップS110の電力変換部11の回生動作終了を経てステップS102へ戻る。すなわちこの場合は、コンバータ装置1内の電力変換部11により最初に実行された回生動作であることから、判定部23による判定処理は実行せず、計算部21により計算された回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINについては、変化量記憶部22に記憶されるのみとなる。
ステップS106において回生動作の回数Nが1であると判定されなかった場合は、ステップS107において、判定部23は、計算部21により計算された変化量ΔINと、当該変化量が計算されたときの回生動作よりも1回前の回生動作において計算部21により計算されて変化量記憶部22に記憶された変化量ΔIN-1と、の差ΔIN-ΔIN-1が、予め規定された閾値Ithよりも大きいか否かを判定する。ステップS107において差ΔIN-ΔIN-1が閾値Ithよりも大きいと判定された場合はステップS108へ進み、そうでない場合はステップS109へ進む。ステップS109において、変化量記憶部22は、回生電流検出部12により検出された回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINを記憶し、次いでステップS110の電力変換部11の回生動作終了を経てステップS102へ戻る。
ステップS108において、判定部23は、リアクトル5に層間短絡が発生したと判定する。判定部23による判定結果を、例えば表示部に表示させてもよい。表示部の例としては、単体のディスプレイ装置、コンバータ装置1に付属のディスプレイ装置、モータ駆動装置100に付属のディスプレイ装置、並びに、パソコン及び携帯端末に付属のディスプレイ装置などがある。またあるいは、判定部23による判定結果を、例えば音声、スピーカ、ブザー、チャイムなどのような音を発する音響機器にて出力させてもよい。これにより、作業者は、コンバータ装置1の交流側に設けられたリアクトル5に層間短絡が発生したことを迅速かつ確実に把握することができる。よって、作業者は、例えばリアクトル5の交換または修理といった対応をとること容易となる。
以上説明したように、本開示の一実施形態によるコンバータ装置1では、コンバータ装置1内の電力変換部11により最初に実行された回生動作に関しては、ステップS101~S106、S109及びS110の処理を経るので、判定部23による判定処理は実行せず、計算部21により計算された回生電流の単位時間当たりの変化量ΔI1については、変化量記憶部22に記憶されるのみである。最初の回生動作の実行後は、ステップS102~S107の処理を経て、S108の処理またはS109及びS110の処理のいずれかが実行される。例えば、交流電源3やリアクトル5が交換されると電源インピーダンスが変化するので、当該交換の前後において、コンバータ装置1内の電力変換部11により最初に実行された回生動作に関する回生電流の単位時間当たりの変化量ΔI1は変化する。本開示の一実施形態によれば、上述のように一連の処理が実行されるので、交流電源3やリアクトル5が交換されて電源インピーダンスが変化しても、コンバータ装置1の交流側に設けられたリアクトル5の層間短絡を正確かつ迅速に検出することができる。
また、交流電源3やリアクトル5が交換されて電源インピーダンスが変更されたことを、作業者による入力操作にてコンバータ装置1に認識させるようにしてもよい。図10は、本開示の一実施形態の変形例によるコンバータ装置の動作フローを示すフローチャートである。
図10において、ステップS101~S105、S107~S110は、図9を参照して説明した通りである。ステップS105において計算部21が回生動作開始直後の回生電流の単位時間当たりの変化量ΔINを計算した後、ステップS111において、判定部23は、電源インピーダンスが変更されたか否かを判定する。例えば、作業者がコンバータ装置1に「電源インピーダンスの変更」を示す所定の入力操作をしたとき、電源変更フラグを立ててもよい。また例えば、コンバータ装置1の制御電源(図示せず)がオフされたとき一律に、「電源インピーダンスの変更」があったとして電源変更フラグを立ててもよい。判定部23は、電源変更フラグが立っていることを認識した場合、電源インピーダンスが変更されたと判定してステップS109へ進む。判定部23は、電源変更フラグが立っていないことを認識した場合は、電源インピーダンスが変更されていないと判定してステップS107へ進む。本開示の一実施形態の変形例によっても、交流電源3やリアクトル5が交換されて電源インピーダンスが変化しても、コンバータ装置1の交流側に設けられたリアクトル5の層間短絡を正確かつ迅速に検出することができる。
なお、交流電源3やリアクトル5が交換されて電源インピーダンスが変化すると、当該交換後の判定部23による判定処理に用いられる閾値Ithについても変更したほうが好ましいことがある。図9に示した実施形態及び図10に示した変形例のいずれにおいても、閾値記憶部24を、外部機器によって書き換え可能なメモリで実現することで、交流電源3やリアクトル5の交換後の使用環境に応じた閾値Ithに変更することも可能である。これにより、交流電源3やリアクトル5の交換後においても、リアクトル5の層間短絡の正確かつ迅速な検出をより確実に維持することができる。
1 コンバータ装置
2 インバータ装置
3 交流電源
4 モータ
5 リアクトル
6 DCリンクコンデンサ
11 電力変換部
12 回生電流検出部
13 層間短絡検出部
14 入力電圧検出部
15 コンデンサ電圧検出部
16 制御部
21 計算部
22 変化量記憶部
23 判定部
24 閾値記憶部
100 モータ駆動装置

Claims (5)

  1. 電源回生機能を有するコンバータ装置であって、
    交流側から入力された交流電力を直流電力に変換して直流側へ出力する整流動作と、前記直流側の直流電力を交流電力に変換して前記交流側へ出力する回生動作と、を選択的に実行する電力変換部と、
    回生動作時に前記直流側から前記電力変換部へ流れ込む回生電流を検出する回生電流検出部と、
    前記回生電流の単位時間当たりの変化量に基づいて、前記電力変換部の前記交流側と交流電源との間に設けられたリアクトルの層間短絡を検出する層間短絡検出部と、
    を備える、コンバータ装置。
  2. 前記層間短絡検出部は、
    回生動作ごとに、前記回生電流検出部により検出された前記回生電流の単位時間当たりの変化量を計算する計算部と、
    前記計算部により計算された変化量を記憶する変化量記憶部と、
    前記計算部により計算された変化量と、当該変化量が計算されたときの回生動作よりも1回前の回生動作に関して前記計算部により計算され前記変化量記憶部に記憶された変化量とに基づいて、前記リアクトルに層間短絡が発生したか否かを判定する判定部と、
    を有する、請求項1に記載のコンバータ装置。
  3. 前記判定部は、前記計算部により計算された変化量と、当該変化量が計算されたときの回生動作よりも1回前の回生動作において前記計算部により計算され前記変化量記憶部に記憶された変化量と、の差が、予め規定された閾値よりも大きい場合、前記リアクトルに層間短絡が発生したと判定する、請求項2に記載のコンバータ装置。
  4. 前記層間短絡検出部は、前記閾値を記憶する閾値記憶部を備える、請求項3に記載のコンバータ装置。
  5. 前記電力変換部により最初に実行された回生動作に関して前記計算部により計算された変化量は、前記変化量記憶部に記憶され、
    前記判定部は、前記最初に実行された回生動作以降の回生動作において、前記計算部により計算された変化量と、当該変化量が計算されたときの回生動作よりも1回前の回生動作に関して前記計算部により計算され前記変化量記憶部に記憶された変化量とに基づいて、前記リアクトルに層間短絡が発生したか否かを判定する、請求項2~4のいずれか一項に記載のコンバータ装置。
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