JP2019009940A - インバータ - Google Patents

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Takuya Azuma
拓矢 東
直人 蟹江
Naoto Kanie
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Abstract

【課題】コンデンサの暖機が完了するまでの時間を短縮化すること。【解決手段】インバータ10は、インバータ回路20と、駆動回路30とコントローラ40と、を備える。インバータ回路20の入力側には、バッテリ50が接続されている。インバータ回路20の出力側には、電動機60が接続されている。インバータ回路20は、6個のスイッチング素子S1〜S6を備える。コンデンサ80の温度が規定温度よりも低い場合であり、かつ、車両制御ECU120から電動機60の駆動指令を受けていない場合、コントローラ40は、コンデンサ80の温度を上昇させる暖機制御を行う。暖機制御では、電動機60の巻線61,62,63に直流電流を流す。コントローラ40は、コンデンサ80の温度が高い程、直流電流の初期値を大きく設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータに関する。
電動機を駆動するために用いられるインバータは、複数のスイッチング素子や、コンデンサなどを備える。インバータから供給される交流電流が、電動機の巻線に流れることで電動機は駆動する。
インバータの構成部品であるコンデンサは、低温環境時に等価直列抵抗(ESR)が上昇する。等価直列抵抗が高い状態で電流が流れると、等価直列抵抗により生じるサージ電圧によってインバータがダメージを受ける。
特許文献1に開示されたインバータは、低温環境時には、電動機の巻線に直流電流を供給するようにスイッチング素子を制御することで、コンデンサの温度を上昇させる(暖機制御を行う)。そして、コンデンサの温度が上昇した後に、電動機を駆動させる。これにより、等価直列抵抗が高い状態で電動機が駆動されることを抑制し、インバータがダメージを受けることを抑制している。
特開2014−23182号公報
ところで、コンデンサの暖機が完了するまでの時間を短縮化することが望まれている。
本発明の目的は、コンデンサの暖機が完了するまでの時間を短縮化できるインバータを提供することにある。
上記課題を解決するインバータは、インバータ回路においてブリッジ接続された複数のスイッチング素子を有し、前記インバータ回路の入力側に、並列接続された直流電源及びコンデンサが接続され、前記インバータ回路の出力側に、電動機の各相の巻線が接続され、前記電動機の各相の巻線に交流電流を供給して前記電動機を駆動するインバータにおいて、前記電動機の駆動停止状態において、前記コンデンサの温度が規定温度よりも低い場合、前記電動機の各相の巻線に直流電流を供給するように前記インバータ回路の前記スイッチング素子を制御する暖機制御手段と、前記コンデンサの温度が高い程、前記直流電流の初期値を大きく設定する初期電流設定手段と、を備える。
低温環境下において、コンデンサの温度が高い程、等価直列抵抗は小さくなる傾向にある。したがって、コンデンサの温度が高い程、等価直列抵抗の影響によって生じるサージ電圧は低くなるといえる。これにより、コンデンサの温度が高い程、電動機の巻線に流すことができる電流(許容電流)を大きくすることができる。コンデンサの温度が高い程、電動機の巻線に流す直流電流の初期値を大きく設定することで、コンデンサの暖機が完了するまでの時間を短縮化できる。
上記インバータについて、前記直流電流の初期値が設定された後、時間経過に伴い前記直流電流を大きくしていく電流設定手段を更に備えてもよい。
電動機の巻線に直流電流が流されると、時間経過に伴い、コンデンサの温度は上昇していく。コンデンサの温度が上昇していくと、等価直列抵抗は小さくなるため、電動機に流すことができる直流電流も大きくなっていく。これに合わせて、直流電流を大きくしていくことで、コンデンサの暖機が完了するまでの時間を更に短縮化できる。
本発明によれば、コンデンサの暖機が完了するまでの時間を短縮化できる。
インバータの回路図。 コンデンサの温度とESRとの対応関係を示す模式図。 各相の電流波形を示す図。 V相の電流波形を示す図。 V相の電流波形の変形例を示す図。
以下、インバータの一実施形態について説明する。本実施形態のインバータは、フォークリフトに搭載され、フォークリフトの走行用電動機や、荷役用電動機を駆動するために用いられる。フォークリフトは、バッテリ式のフォークリフトであり、走行用電動機の駆動により走行動作が行われ、荷役用電動機の駆動により荷役動作が行われる。つまり、フォークリフトがキーオンされた状態において、オペレータがアクセルペダルを操作すると走行用電動機が駆動されて前進や後進などの走行動作が行われ、また、オペレータがリフトレバー等を操作すると荷役用電動機が駆動されてフォーク昇降などの荷役動作が行われる。また、このようなフォークリフトは、環境温度が−40℃以下にもなるような冷凍倉庫でも使用されることがある。
図1に示すように、インバータ(三相インバータ)10は、インバータ回路20と、駆動回路30と、コントローラ40と、を備える。インバータ回路20の入力側には、直流電源としてのバッテリ50が接続されている。インバータ回路20の出力側には、電動機60が接続されている。電動機60は、走行用電動機、又は、荷役用電動機である。電動機60には3相交流モータが使用されている。電動機60は巻線61,62,63を有し、電動機60の各相の巻線61,62,63がインバータ回路20の出力側に接続されている。
インバータ回路20は、6個のスイッチング素子S1〜S6を備える。各スイッチング素子S1〜S6には、パワーMOSFETが使用されている。なお、スイッチング素子としてIGBT(絶縁ゲートバイポーラ型トランジスタ)を使用してもよい。各スイッチング素子S1〜S6には、それぞれ帰還ダイオードD1〜D6が逆並列接続されている。
インバータ回路20において、第1のスイッチング素子S1及び第2のスイッチング素子S2、第3のスイッチング素子S3及び第4のスイッチング素子S4、第5のスイッチング素子S5及び第6のスイッチング素子S6は、それぞれ直列に接続されている。スイッチング素子S1,S3,S5は、バッテリ50のプラス端子側に接続されている。スイッチング素子S2,S4,S6は、バッテリ50のマイナス端子側に接続されている。このように、インバータ回路20は、ブリッジ接続された複数のスイッチング素子S1〜S6を備える。
U相用の上下のアームを構成するスイッチング素子S1,S2の間の接続点は電動機60のU相端子に、V相用の上下のアームを構成するスイッチング素子S3,S4の間の接続点は電動機60のV相端子に、W相用の上下のアームを構成するスイッチング素子S5,S6の間の接続点は電動機60のW相端子に、それぞれ接続されている。そして、インバータ10により、電動機60の各相の巻線61,62,63に交流電流が供給されて電動機60が駆動される。
バッテリ50の定格電圧は、例えば48ボルトであり、各スイッチング素子S1〜S6の耐圧は、75ボルト程度である。
インバータ10は、インバータ回路20と電動機60との間に電流センサ70,71を備える。電流センサ70,71は電動機60に供給される3相の電流Iu,Iv,Iwのうちの2相(この実施形態ではU相及びW相)の電流Iu,Iwの電流値を検出する。
インバータ回路20の入力側には、コンデンサ80がバッテリ50と並列に接続されている。スイッチング素子S1,S3,S5は、コンデンサ80のプラス端子側に接続され、スイッチング素子S2,S4,S6は、コンデンサ80のマイナス端子側に接続されている。ところで、コンデンサ80を等価的に考えると、理想的なコンデンサ成分C以外に、抵抗成分Rやインダクタ成分Lなどを含むものとして考えることができる。図1において、コンデンサ80を、等価的に理想コンデンサCと抵抗成分Rが直列接続されたものとして表している。抵抗成分Rがコンデンサの等価直列抵抗(ESR)である。このように、インバータ回路20の入力側には、並列接続されたバッテリ50及びコンデンサ80が接続されている。
ここで、ESRは常温〜高温では無視できるが、低温になるに従って無視できないほど大きい値となることが知られている。例えば、図2に示すように、ESRは、20度以下の温度域では、温度が低くなるに従って指数的に増加する。なお、ESRが増加する温度域や、温度変化量に対するESRの変化量は、コンデンサの種類によって異なる。
図1に示すように、コントローラ40はインバータ回路20の電圧Vbを検知している。この電圧Vbによってコンデンサ80のESRにより生じる過電圧(サージ電圧)を検出してスイッチング素子S1〜S6を保護する機能を有している。即ち、コントローラ40は電圧Vbが高くなりすぎるとスイッチング素子S1〜S6が絶縁破壊する虞があるため、サージ電圧などによりスイッチング素子S1〜S6に印加される電圧が設定値より大きくなるとインバータ回路20の駆動を止めるようになっている。
インバータ10は、コンデンサ80の温度を検出するコンデンサ温度センサ90を備える。コンデンサ温度センサ90は、コンデンサ80から若干離れた位置に配置されている。コンデンサ温度センサ90はコントローラ40に接続され、検出結果をコントローラ40に出力している。インバータ10は、低温環境下で電動機60を通常運転制御する場合に、インバータ10を構成する各素子や電動機60を保護するために、電動機60への出力電流を制限する機能を有している。例えば、コンデンサ80の温度(コンデンサ温度)が、低温(−20℃以下)となると、電動機60への出力電流が制限される。
コントローラ40は、マイコンを中心に構成されている。コントローラ40はメモリ41を備える。メモリ41には電動機60を駆動するのに必要な各種制御プログラム及びその実行に必要な各種データやマップが記憶されている。制御プログラムには、通常の電動機60を回転駆動させるための制御プログラムや、低温時に暖機制御のために電動機60に直流を流すための制御プログラム等が含まれる。
コントローラ40は、駆動回路30を介して各スイッチング素子S1〜S6のゲートに接続されている。コントローラ40には電流センサ70,71が接続されている。そして、コントローラ40は、各電流センサ70,71の検出信号に基づいて、電動機60を目標出力となるように制御する制御信号を、駆動回路30を介して各スイッチング素子S1〜S6に出力する。そして、インバータ回路20はバッテリ50及びコンデンサ80から供給される直流を適宜の周波数の3相交流に変換して電動機60に出力する。
フォークリフトには車両制御ECU120が搭載されている。車両制御ECU120は、オペレータによる操作に伴い操作センサ(図示略)から出力される操作信号を入力して車両動作を制御する。コントローラ40は車両制御ECU120と接続されている。車両制御ECU120は、オペレータにより、走行動作や荷役動作の指示が行われると、コントローラ40に電動機60の駆動指令を送る。コントローラ40は、電動機60の駆動指令を受けると、電動機60を駆動することで、フォークリフトに走行動作や、荷役動作を行わせる。
次に、本実施形態のインバータ10の作用について、コントローラ40が行う制御とともに説明する。
フォークリフトがキーオンされると、コントローラ40は、コンデンサ80の温度が規定温度よりも低いか否かを判定する。コンデンサ80の温度が規定温度よりも低い場合であり、かつ、車両制御ECU120から電動機60の駆動指令を受けていない場合、コントローラ40は、コンデンサ80の温度を上昇させる暖機制御を行う。コントローラ40は、電動機60の駆動指令を受けていないため、暖機制御は、電動機60が駆動停止状態の場合に行われる。
一方で、車両制御ECU120から電動機60の駆動指令を受けている場合、コントローラ40は、電動機60を駆動することで走行動作や荷役動作を行う通常運転制御を行う。コンデンサ80の温度が規定温度よりも低い状態で通常運転制御が行われる場合、出力電流には制限が課されることになる。
規定温度は、コンデンサ80の特性(温度とESRとの対応関係)や、フォークリフトを購入する顧客の要望によって定められる。電動機60に出力することができる電流は、ESRによって変化するため、顧客の要望する出力(電流)が得られない温度の場合には暖機制御が行われるように規定温度は設定される。規定温度は、例えば、温度の低下に伴いESRが上昇する温度である−20℃に設定される。
図3に示すように、暖機制御時には、インバータ10により電動機60に対し直流電流が供給される。一方で、通常運転制御時には、インバータ10により電動機60に対し交流電流が供給される。
以下、暖機制御について詳細に説明を行う。
暖機制御では、コントローラ40は、電動機60の各相の巻線61,62,63に直流電流を供給するようにインバータ回路20のスイッチング素子S1〜S6を制御してコンデンサ80を暖める。
インバータ10はベクトル制御を行う。ベクトル制御では、磁束を生成するための励磁電流(d軸電流)と、電動機60のトルク(モータトルク)を発生させるためのトルク電流(q軸電流)を独立に制御する。コントローラ40は、電動機60を回転しない状態で巻線61,62,63に直流電流が流れるようにスイッチング素子S1〜S6を制御する。本実施形態では、トルクを発生させないように、トルク電流成分が0で、励磁電流成分のみの直流電流が電動機60に供給されるようにインバータ回路20のスイッチング素子S1〜S6を制御する。電動機60には、直流電流が流れることになり、スイッチング素子S1〜S6のスイッチング動作により、コンデンサ80に電流が出入りする。電流がコンデンサ80に出入りすることで、コンデンサ80の温度は上昇する。従って、コントローラ40が車両制御ECU120から電動機60の駆動指令を受けない場合でも直流電流を流すことにより、電動機60を回転させることなく、暖機制御(昇温のための制御)を行うことができる。コントローラ40は、暖機制御手段として機能している。
本実施形態において、コントローラ40は暖機制御時にはV相に最大電流の直流電流が供給されるとともにその他の相に所定値の直流電流が供給されるようにインバータ回路20のスイッチング素子S1〜S6を制御する。具体的にいえば、コントローラ40は、スイッチング素子S2,S3,S6をオン・オフ制御することで、V相に流れる直流電流を制御する。U相、及び、W相には、V相を流れた後の直流電流が分流することになる。
コントローラ40は、暖機制御時に、先ず、コンデンサ80の温度から、直流電流の初期値を決定する。メモリ41には、コンデンサ80の温度と、直流電流の初期値との対応関係が例えばマップとして記憶されている。コンデンサ80の温度と、直流電流の初期値との対応関係は、ESRと、直流電流の初期値との対応関係と捉えることもでき、ESRが高い程、直流電流の初期値が低くなるように対応付けられている。コントローラ40は、上記した対応関係に基づき直流電流の初期値を設定する。これにより、コンデンサ80の温度が高い程、直流電流の初期値は大きな値に設定されることになる。コントローラ40は、初期電流設定手段として機能している。
図4に示すように、コンデンサ80の温度が−30℃の場合、コンデンサ80の温度が−40℃の場合に比べて直流電流の初期値として大きな値が設定される。コントローラ40は、設定された直流電流が流れるようにスイッチング素子S2,S3,S6を制御する。具体的にいえば、コントローラ40は、設定された直流電流が大きい程、スイッチング素子S2,S3,S6のデューティ比(1周期におけるオン時間)が大きくなるように制御を行う。
直流電流の初期値が設定された後、コントローラ40は、時間経過に伴い、直流電流を大きくしていく。本実施形態において、コントローラ40は、所定時間が経過する毎に、段階的に直流電流を上昇させていく。この所定時間は、シミュレーション結果や、実験結果などに基づき設定される値である。例えば、所定時間は、直流電流を大きくすることによるサージ電圧の増大を抑制できる程度にコンデンサ80を暖められるような時間が設定される。なお、時間経過に伴い、コンデンサ80の温度は上昇していくため、コントローラ40は、コンデンサ80の温度上昇に伴い、直流電流を大きくしていくと捉えることもできる。コントローラ40は、電流設定手段として機能している。
コントローラ40は、コンデンサ80が暖まると、暖機制御を終了する。暖機制御の終了は、コンデンサ80の暖機を行った時間から判定されてもよいし、コンデンサ温度センサ90の検出結果に基づいて判定されてもよい。
したがって、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)低温環境下(本実施形態では−20℃以下)において、コンデンサ80の温度が高い程、ESRは小さくなる傾向にある。したがって、同一値の電流を流した場合にESRの影響によって生じるサージ電圧は、コンデンサ80の温度が高い程、低くなるといえる。
仮に、コンデンサ80の温度が規定温度以下のときに、予め定められた直流電流を流す場合、コンデンサ80の暖機に長時間を要する。これは、ESRが極めて高い場合にも直流電流を流すことを考慮して、直流電流を低く設定する必要があるためである。即ち、ESRが極めて高い場合に生じるサージ電圧によりインバータ回路20の駆動が止められないように直流電流を設定する必要がある。
これに対し、本実施形態のコントローラ40は、コンデンサ80の温度が高い程、直流電流の初期値を大きく設定する。このため、ESRが小さく、サージ電圧が生じにくい場合には、大きい直流電流を電動機60の巻線61,62,63に流すことができる。したがって、コンデンサ80の暖機が完了するまでの時間を短縮化できる。
(2)コントローラ40は、時間経過に伴い、直流電流を大きくする。暖機を開始した時点では、ESRの影響により電動機60に流すことができる電流(許容電流)は小さいが、暖機が進むにつれてESRは低下していく。これに伴い、電動機60の巻線61,62,63に流すことができる直流電流は大きくなっていく。これに合わせて、直流電流を大きくしていくことで、コンデンサ80の暖機が完了するまでの時間を更に短縮化できる。
(3)コンデンサ80は、外装の内部に発熱部位を備える構造である。外装の熱容量の影響により、発熱部位の温度上昇に対する外装の温度上昇は低く、結果として、コンデンサ温度センサ90で検出される温度と、発熱部位の温度には隔たりが生じることになる。これにより、コンデンサ温度センサ90によって検出される温度に基づいて、直流電流を上昇させた場合には、直流電流を適切なタイミングで上昇できないおそれがある。これに対して、予め定められた所定時間の経過により直流電流を上昇させることで、適切なタイミングで直流電流を上昇させることができる。
なお、実施形態は、以下のように変更してもよい。
○コントローラ40は、暖機制御時に、時間経過に伴う直流電流の上昇を行わなくてもよい。即ち、暖機制御の開始時に決定された直流電流の初期値を暖機制御の終了まで維持してもよい。この場合であっても、直流電流の初期値は、コンデンサ80の温度が高い程、大きく設定されるため、コンデンサ80の暖機が完了するまでの時間を短縮化できる。
○コントローラ40は、暖機制御時に、コンデンサ温度センサ90によって検出される温度が高くなるにつれて、直流電流を大きくしてもよい。上記したように、コンデンサ温度センサ90によって検出される温度と、発熱部位との温度には隔たりが生じる。このため、コントローラ40は、コンデンサ温度センサ90によって検出される温度を補正して、発熱部位の温度を導出し、これに基づき直流電流を大きくしてもよい。なお、コンデンサ80の温度は、時間経過に伴い上昇していくため、コンデンサ80の温度上昇に伴い直流電流を上昇させることは、時間経過に伴い直流電流を上昇させると捉えることもできる。
○図5に破線L1で示すように、コントローラ40は、暖機制御時に、時間経過に伴い直流電流を線形(比例的)に上昇させてもよい。図5に実線L2で示すように、コントローラ40は、暖機制御時に、時間経過に伴い直流電流を指数的に上昇させてもよい。図5に二点鎖線L3で示すように、コントローラ40は、暖機制御時に、時間経過に伴い直流電流を対数的に上昇させてもよい。なお、これらの場合であっても、ESRと、コンデンサ80の温度との対応関係に基づいて、時間経過に対する直流電流の上昇具合が設定される。
○暖機制御は、通常運転制御が行われた後に、コンデンサ80の温度が規定温度未満の場合に行われてもよい。例えば、フォークリフトをキーオンした後、コンデンサ80の暖機が完了する前に電動機60の駆動指令を受けると、コントローラ40は、通常運転制御を行う。この場合、コンデンサ80の暖機は完了していないため、電動機60への出力電流が制限された状態で通常運転制御が行われる。通常運転制御が行われた後、コンデンサ80の温度が規定温度よりも低く、かつ、車両制御ECU120から電動機60の駆動指令を受けていない場合、コントローラ40は暖機制御を行う。
○コントローラ40は、暖機制御が終了しないと通常運転制御が行われないように制御を行ってもよい。
○図1に示すように、インバータ10は、環境温度を検出する温度センサである環境温度センサ91を備えていてもよい。フォークリフトが長期間に亘って停止している場合、コンデンサ80の温度と、環境温度とは同一とみなすことができる。したがって、直流電流の初期値は、環境温度に基づいて決定されてもよい。インバータ10は、環境温度センサ91や、コンデンサ温度センサ90等、コンデンサ80の温度を検出(推定)できる温度検出手段(温度推定手段)を備えていればよい。
○インバータ10は、コンデンサ80以外の周辺機器(電動機60、スイッチング素子S1〜S6、コントローラ40が搭載される基板などの機能部品)の温度を検出する温度センサを備えていてもよい。そして、コントローラ40は、温度センサにより検出されたコンデンサ80の周辺機器の温度が閾値よりも高くなると、暖機制御を終了させてもよい。この場合、コンデンサ80の周辺機器が過熱されるのを防止することができる。
○コントローラ40は、U相の電流や、W相の電流を制御することで、コンデンサ80の暖機を行ってもよい。
○インバータ10は、電動機60を搭載する装置であれば、どのような装置に用いられてもよい。
○電動機60が回転しない状態で電動機60に電流を供給することができれば、トルク電流成分は0でなくてもよい。
S1〜S6…スイッチング素子、10…インバータ、20…インバータ回路、40…コントローラ、50…バッテリ、60…電動機、61,62,63…巻線、80…コンデンサ、90…コンデンサ温度センサ。

Claims (2)

  1. インバータ回路においてブリッジ接続された複数のスイッチング素子を有し、前記インバータ回路の入力側に、並列接続された直流電源及びコンデンサが接続され、前記インバータ回路の出力側に、電動機の各相の巻線が接続され、前記電動機の各相の巻線に交流電流を供給して前記電動機を駆動するインバータにおいて、
    前記電動機の駆動停止状態において、前記コンデンサの温度が規定温度よりも低い場合、前記電動機の各相の巻線に直流電流を供給するように前記インバータ回路の前記スイッチング素子を制御する暖機制御手段と、
    前記コンデンサの温度が高い程、前記直流電流の初期値を大きく設定する初期電流設定手段と、を備えるインバータ。
  2. 前記直流電流の初期値が設定された後、時間経過に伴い前記直流電流を大きくしていく電流設定手段を更に備える請求項1に記載のインバータ。
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