JP2007181338A - 昇圧装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】状態診断部20は、昇圧装置10の起動時あるいは昇圧装置10の作動状態での所定のタイミング等において、コイル12から出力される電流の平均値が所定値以下である場合、つまり電気負荷であるモータMの負荷が相対的に小さい場合には、各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態に応じてコイル12に流れる電流が最小値となるボトムタイミングにおいて、コイル12に流れる回生電流の検出結果に基づき、回生動作は正常であるか否か、或いは異常であるか否かを診断する。
【選択図】図1
Description
この昇圧回路は、一端が電源に接続されて電源電圧が印加されるコイルと、このコイルの他端を接地または開放する第1のFETと、コイルの他端に接続される第2のFETと、この第2のFETの出力側に接続される平滑コンデンサとを備えて構成されている。
しかしながら、このような昇圧回路においては、各FETのオン/オフ状態に加えて、昇圧回路の動作状態(例えば、回生動作等)が正常であるか否か、或いは異常であるか否かを、直接的かつ迅速に検知すると共に、昇圧回路を構成する各構成要素の状態が正常であるか否か、或いは異常であるか否かを適切に検知することが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、昇圧装置の動作状態が正常であるか否か、或いは異常であるか否かを、直接的かつ迅速に検知すると共に、昇圧装置を構成する各構成要素の状態が正常であるか否か、或いは異常であるか否かを適切に検知することが可能な昇圧装置を提供することを目的としている。
また、請求項2に記載の本発明の昇圧装置によれば、昇圧装置の動作状態、特に、回生動作が正常であるか否か、或いは異常であるか否かを、直接的かつ迅速に検知することができる。
また、請求項3に記載の本発明の昇圧装置によれば、昇圧装置の動作状態が正常であるか否か、或いは異常であるか否かに加えて、昇圧装置を構成する構成要素であるコイルの状態が正常であるか否か、或いは異常であるか否かを適切に検知することができる。
本実施の形態による昇圧装置10は、例えば車両の運転者の手動操舵力を補助するパワーステアリング用のアシストトルクをモータMから出力させる電動パワーステアリング装置に具備され、この電動パワーステアリング装置1は、例えば図1に示すように、モータMと、モータ駆動部2とを備えて構成され、モータ駆動部2は、例えばトランジスタのスイッチング素子を複数用いてブリッジ接続してなるHブリッジ等のブリッジ回路を具備し、昇圧装置10から供給される直流電力に基づき、パルス幅変調(PWM)により各スイッチング素子をオン/オフ駆動させ、モータMの各相への通電を順次転流させる。
また、第2トランジスタ14aのドレインは、出力端子Voutに接続されると共に、平滑コンデンサ15を介して接地されている。
そして、各トランジスタ13,14aのゲートには、各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態を制御するパルスからなる各駆動信号S1,S2が駆動制御部19から入力されている。
また、昇圧装置10の昇圧動作時においては、例えば、各トランジスタ13,14aのオン/オフのデューティー比(つまりオン/オフ状態の比率)に応じて、昇圧装置10の出力電圧が適宜の値となるように制御されている。
一方、昇圧装置10の回生動作時においては、例えば、第1トランジスタ13のオフ状態の設定が維持されると共に、第2トランジスタ14aのオン状態の設定が維持されるように制御される。
駆動制御部19は、例えば外部の制御装置や、後述する状態診断部20等から入力される制御指令に応じて各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態を指示するパルスを出力する。
なお、状態診断部20は、出力電圧が初期出力電圧以上となった場合に、駆動制御部19から出力される駆動信号S1によって第1トランジスタ13のオフ状態の設定を維持すると共に、駆動制御部19から出力される駆動信号S2によって第2トランジスタ14aのオン状態の設定を維持し、昇圧装置10の回生動作の実行を開始するようになっている。
以下に、例えば昇圧装置10の起動時あるいは昇圧装置10の作動状態での所定のタイミング等において、昇圧装置10の回生動作は正常であるか否か、或いは異常であるか否かを診断する処理について説明する。
先ず、例えば図2に示すステップS01においては、例えば外部の制御装置や状態診断部20等から入力される制御指令に応じて各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態を指示するパルスを出力する。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS03に進む。
そして、ステップS03においては、各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態に応じてコイル12を流れる電流の電流値が最小値となるボトムタイミング(例えば、図3に示す時刻tb、つまり第1トランジスタ13がオンとなるタイミング)であるか否かを判定する。
ステップS03の判定結果が「NO」の場合には、ステップS03の処理を繰り返す。
一方、ステップS03の判定結果が「YES」の場合には、ステップS04に進む。
そして、ステップS05においては、ボトム電流値IBがゼロ未満、つまり符号が負であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS10に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合、つまりコイル12に回生電流が流れていることが検出された場合には、ステップS06に進む。
そして、ステップS07においては、正常カウンタ値Nnが所定の判定閾値Nnthよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
そして、ステップS09においては、診断処理を終了し、一連の処理を終了する。
そして、ステップS11においては、異常カウンタ値Naが所定の判定閾値Nathよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS02に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進む。
そして、ステップS12においては、回生動作が異常であると判定し、上述したステップS09に進む。
先ず、例えば図4に示すステップS20においては、初期出力電圧の設定(昇圧)を行う。例えば、各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態の切換による昇圧動作によって、強制的に、第2トランジスタ14aのコイル12側の電圧よりも第2トランジスタ14aの出力端子Vout側の電圧が高くなるように、かつ、第2トランジスタ14aの出力端子Vout側の電圧(出力電圧)が、昇圧装置10の回生動作の実行が開始される際の所定の出力電圧である初期出力電圧と同等の値となるように設定する。
次に、ステップS21において、昇圧装置10の回生動作の実行を開始する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS23に進み、このステップS23においては、出力電圧が過剰に増大したと判断し、回生動作が異常であると判定する。
そして、ステップS24においては、診断処理を終了し、一連の処理を終了する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS26に進み、このステップS26においては、各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態の切換による昇圧動作によって、強制的に出力電圧を、例えば所定電圧だけ増大させ、上述したステップS22に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS27に進む。
そして、ステップS28においては、正常カウンタ値Nnが所定の判定閾値Nnthよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS25に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS29に進む。
先ず、例えば図5に示すステップS31においては、例えば外部の制御装置や状態診断部20等から入力される制御指令に応じて各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態を指示するパルスを出力する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS38に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS33に進む。
そして、ステップS33においては、各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態を切り換える昇圧動作の実行を停止する。
そして、ステップS34においては、電流過大カウンタ値Niに1を加算して得た値を、新たに電流過大カウンタ値Niとして設定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS31に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS36に進む。
そして、ステップS36においては、コイル12が異常であると判定する。
そして、ステップS37においては、診断処理を終了し、一連の処理を終了する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS32に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS39に進む。
そして、ステップS39においては、コイル電流センサ16から出力される検出信号をピーク電流値IPとして取得する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS40の処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS41に進む。
そして、ステップS41においては、コイル電流センサ16から出力される検出信号をボトム電流値IBとして取得する。
そして、ステップS43においては、例えばボトム電流値IBからピーク電流値IPへの時間変化量(IP−IB)/Tが所定値K1よりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS44に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS45に進む。
そして、ステップS44においては、例えばボトム電流値IBからピーク電流値IPへの時間変化量(IP−IB)/Tが所定値K2よりも小さいか否かを判定する。
ステップS44の判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS47に進む。
一方、ステップS44の判定結果が「YES」の場合には、ステップS45に進む。
なお、各所定値K1,K2は、例えばバッテリ11からの入力電圧値、各トランジスタ13,14aのオン時間、コイル12のインダクタンス値に応じた値である。
そして、ステップS46においては、異常カウンタ値Naが所定の判定閾値Nathよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS36に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS43に戻る。
そして、ステップS48においては、正常カウンタ値Nnが所定の判定閾値Nnthよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS43に戻る。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS49に進む。
そして、ステップS49においては、コイル12が正常であると判定し、上述したステップS37に進む。
これにより、昇圧装置10の動作状態、特に回生動作が正常であるか否か、或いは異常であるか否かを、直接的かつ迅速に検知することができる。
しかも、昇圧装置10の正常または異常を診断する際には、昇圧装置10の状態を特別な状態に設定する必要無しに、通常の動作状態における所定のタイミング、つまり電気負荷の負荷状態が相対的に低く、かつ、コイル12に流れる電流が最低値となるボトムタイミングで診断処理を容易に実行することができる。
また、コイル12が正常であれば、各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態に応じてコイル12に流れる電流はピーク電流値IPとボトム電流値IBとの間で三角波状に変化することから、この変化の時間特性が、各トランジスタ13,14aのオン/オフ状態の切換タイミングに応じた時間特性を有するか否かを判定することにより、昇圧装置10を構成する構成要素であるコイル12の状態が正常であるか否か、或いは異常であるか否かを適切かつ容易に検知することができる。
12 コイル
13 第1トランジスタ(第1のスイッチング素子)
14a 第2トランジスタ(第2のスイッチング素子)
15 平滑コンデンサ
20 状態診断部(診断手段、コイル診断手段)
Claims (3)
- 一端が電源に接続されて電源電圧が印加されるコイルと、
該コイルの他端を接地または開放する第1のスイッチング素子と、
前記コイルの他端に接続される第2のスイッチング素子と、
該第2のスイッチング素子の出力側に接続される平滑コンデンサとを備え、
前記コイルから出力される電流の平均値が所定値以下である場合に前記コイルに流れる電流の検出結果に基づき、回生動作は正常であるか否か、或いは異常であるか否かを診断する診断手段を備えることを特徴とする昇圧装置。 - 一端が電源に接続されて電源電圧が印加されるコイルと、
該コイルの他端を接地または開放する第1のスイッチング素子と、
前記コイルの他端に接続される第2のスイッチング素子と、
該第2のスイッチング素子の出力側に接続される平滑コンデンサとを備え、
前記第2のスイッチング素子のコイル側の電圧よりも前記第2のスイッチング素子の出力側の電圧が高くなるように設定し、前記コイルに流れる電流の検出結果に基づき、回生動作は正常であるか否か、或いは異常であるか否かを診断する診断手段を備えることを特徴とする昇圧装置。 - 一端が電源に接続されて電源電圧が印加されるコイルと、
該コイルの他端を接地または開放する第1のスイッチング素子と、
前記コイルの他端に接続される第2のスイッチング素子と、
該第2のスイッチング素子の出力側に接続される平滑コンデンサとを備え、
前記コイルに流れる電流のピーク値とボトム値の時間間隔または時間変化率に基づき、前記コイルは正常であるか否か、或いは異常であるか否かを診断するコイル診断手段を備えることを特徴とする昇圧装置。
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