JP7369547B2 - 二重構造容器 - Google Patents
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Description
これらの図に示す容器1は、圧搾して内容物を吐出させるに際し、弾性変形により元の形状に復元可能な外容器10と、内容物の減少に伴って収縮変形するとともに、外容器10から剥離可能な内容器11とを備える二重構造容器として形成されている。
なお、図2では、容器1の要部を切り欠いた断面にあらわれる外容器10、内容器11について、これらの肉厚を誇張して描写している。
なお、通気口10hを穿設するために用いる切削工具としては、外容器10を貫通した後の内容器11への食い付きをより有効に抑制する上で、先端側が球状とされ、刃が先端まで延びていないボールエンドミルを利用するのが好ましい。このような切削工具をドーム状膨出部10dに押し当てるにあたっては、ドーム状膨出部10dの頂部を狙って押し当てるのが好ましいが、切削工具を押し当てる位置、すなわち、通気孔10hが穿設される位置は、ドーム状膨出部10dの頂部から多少のずれがあってもよい。通気孔10hは、ドーム状膨出部10dの頂部又はその近傍に穿設されているのが好ましい。
また、この種の容器にあっては、図示する例のように高さ方向に長いものが多く、周方向の曲率が高さ方向の曲率と比較して大きくなる。このため、切削工具を押し当てたときにドーム状膨出部10dとともに、その周囲の面10sも一緒に撓み易くなるようにする上で、ドーム状膨出部10dを楕円面状に形成する場合には、その長軸方向が容器1の周方向(高さ方向に直交する方向)に一致するように形成するのがより好ましい(図4及び図5参照)。
なお、図4では、図2と同様に、容器1の要部を切り欠いて、その断面を示しており、かかる断面にあらわれる外容器10、内容器11の肉厚を誇張して描写している。
本実施形態では、このようなラベルを容器1に装着するに際し、ドーム状膨出部10dがラベルの装着に影響を及ぼさないように、容器1の外表面を容器内方に面状に窪ませて、その窪んだ面10sにドーム状膨出部10dを設けている。これらの各部の寸法は、ドーム状膨出部10dの頂部が、容器1の外表面よりも容器外方に突出しない程度に適宜設定することで、ラベル装着後の外観を損ねてしまわないようにするのが好ましく、ドーム状膨出部10dの周囲に残る面10sには、多少の湾曲があってもよい。
また、シュリンクラベルを装着する場合には、ドーム状膨出部10dに穿設された通気口10hへの空気の流入が妨げられないように、例えば、外容器10の外表面に凹溝を刻設するなどして、シュリンクラベルとの間に空気導入路が形成されるようにするのが好ましい。このとき、シュリンクラベルの装着範囲に応じて、ドーム状膨出部10dを設ける面10sの位置をできるだけシュリンクラベルの端縁に近づけるのが好ましく、これによって、空気導入路が形成される距離を短くすることができる。
また、通気口10hの直径Dは4~6mmであるのが好ましい。通気口10hの直径Dが4mmに満たないと、それに応じて細くなる切削工具が内容器11を突き破ってしまう虞があり、6mmを超えると、切削屑が増加するだけでなく、切削屑が通気口10hから外容器10と内容器11との間に入り込んでしまい易く、切削屑が入り込むことによる不具合が生じる虞がある。
さらに、例えば、ドーム状膨出部10dが設けられる容器内方に窪んだ面10sを方形状とする場合には、その上縁及び下縁が高さ方向に直交するように容器内方に窪ませるとともに、高さ方向に沿った当該面10sの上縁からドーム状膨出部10dの周縁までの最短距離L1と、当該面10sの下縁からドーム状膨出部10dの周縁までの最短距離L2は、それぞれ4~10mmとするのが好ましく、L1=L2であるのが好ましい。
当該最短距離L1,L2が4mmに満たない場合には、前述したように、ドーム状膨出部10dの頂部に切削工具を押し当てたときに、ドーム状膨出部10dの頂部側が弾性変形しないまま、容器1が全体的に撓んでしまい易くなる傾向がある。当該最短距離L1,L2が10mmを超える場合には、容器1に占める面積が多くなり、容器1の美観性を損なってしまうこともあり得る。
外容器10は、単層構成に限られず、多層構成としてもよい。例えば、最外層と最内層とをバージン材により形成し、これらの間に、容器製造時に発生したバリなどのスクラップ樹脂を含むリプロ層を配した多層構成とすることもできる。
なお、引張弾性率は、例えば、JIS K7113-2に準拠して、サンプル形状2号を3分の1に縮小したダンベル形状にサンプルを打ち抜き、テンシロン万能試験機(エー・アンド・デイ社製:RTG-1310)を使用し、引っ張り速度50mm/minの条件で測定することによって求めることができる。
上記範囲に満たないと、復元性に劣ってしまうことに加え、剛性が低下して撓み易くなってしまうため、外容器10に通気孔10hを穿設する際に、切削工具が食付き難くなってしまう傾向がある。一方、上記範囲を超えると、操作性に劣ってしまうことに加え、外容器10に通気孔10hを穿設する際の切削屑が増加して不良の原因となってしまう傾向がある。
内面層には、例えば、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-ポリプロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、又はこれらの混合物などを用いることができる。これらの中でも、低密度ポリエチレンが好ましい。
また、内容器11が収縮変形する際に、内容物の流動を妨げるように内容器11が撓んでしまうと、内容器11内に内容物が残留し、内容物を使い切ることができなくなってしまうため好ましくない。
ダイレクトブロー成形によって、内容量200mL、高さ140mmとなるように外容器と内容器とを備える二重構造容器を作成した。その際、容器内方に窪んだ方形状の面からドーム状に膨出してなるドーム状膨出部を容器胴部に設けた。
外容器は、ポリプロピレンを用いて単層に形成し、容器胴部における厚みが500μmとなるように成形した。内容器は、低密度ポリエチレンを用いた内面層と、エチレン-ビニルアルコール共重合体を用いたガスバリア層との間に接着層を介在させた三層に形成し、容器胴部における内面器の厚みが65μm、ガスバリア層の厚みが15μmとなるように成形した。
実施例1~3のそれぞれにおけるドーム状膨出部の形状等を表1に示すが、表1に示す条件以外は全て同一となるように成形した。
比較例1については、容器内方に窪んだ方形状の面のみ設け、ドーム状膨出部は設けなかった。
ボールエンドミルの回転数が6000rpm以下、送り比(送り速度を回転数で除した値)が3~5%となるように切削条件を制御しつつ、ボールエンドミルの先端をドーム状膨出部に押し当てて、通気孔を穿孔した。このとき、内容器を切削することなく外容器にのみ通気口が穿設された場合に、その評価を〇とし、外容器に通気孔が穿設できない場合、又は外容器だけでなく内容器も一緒に切削されて共穴になった場合の評価を×として、表1に併せて示す。
10 外容器
10d ドーム状膨出部
10h 通気孔
10p 平坦面部
10s 容器内方に窪んだ面
11 内容器
Claims (4)
- 圧搾して内容物を吐出させるに際し、弾性変形により元の形状に復元可能な外容器と、内容物の減少に伴って収縮変形するとともに、前記外容器から剥離可能な内容器とを備える二重構造容器であって、
容器胴部に、容器内方に窪んだ面からドーム状に膨出してなるドーム状膨出部が設けられており、
前記容器胴部における前記外容器の厚みが、300~700μmであり、
前記容器胴部における前記内容器の厚みが、30~80μmであり、
前記ドーム状膨出部の頂部又はその近傍に、通気孔が穿設されていることを特徴とする二重構造容器。 - 前記ドーム状膨出部が、球面状、又は楕円面状に形成されている請求項1に記載の二重構造容器。
- 前記ドーム状膨出部が、長軸方向が周方向に一致する楕円面状に形成されている請求項1に記載の二重構造容器。
- 前記ドーム状膨出部に平坦面部が設けられており、前記平坦面部の中央部に前記通気孔が穿設されている請求項1~3のいずれか一項に記載の二重構造容器。
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