以下、本開示の実施の形態に係る室外機150の梱包装置100について図面等を参照しながら説明する。以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表されている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。なお、本実施の形態において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。
実施の形態1.
[梱包装置100の構成]
図1は、実施の形態1に係る梱包装置100の前面側の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る梱包装置100の背面側の斜視図である。図3は、図1の梱包装置100の分解斜視図である。図1~図3を参照して梱包装置100の各部の構成を説明する。なお、図1以下の図面において示すX軸、Y軸、Z軸は、室外機150の熱交換器180が配置される側を梱包装置100の背面側とし、梱包装置100を梱包装置100の前面側から見た場合の軸方向を表すものとする。そのため、X軸は、X1側を左、X2側を右として梱包装置100の左右の幅方向を示す。また、Y軸は、Y1側を前側、Y2側を後側として梱包装置100の前後の奥行方向を示す。さらに、Z軸は、Z1側を上、Z2側を下として梱包装置100の上下方向を示すものである。
[梱包装置100の被包装体]
梱包装置100に梱包される被包装体は、冷凍サイクル装置の室外機150である。冷凍サイクル装置は、例えば、冷蔵庫あるいは冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置、給湯器などの、冷凍用途または空調用途に使用される。
室外機150は、筐体155を有する。室外機150の筐体155は、室外機150の外郭を構成する。筐体155は、板金製であり、底面を構成する底部151と、底面と対向する天面を構成する天面部152と、底部151と天面部152との間の側壁を形成する筐体側壁部153とを有し、略直方体形状に構成されている。室外機150の前面(Y1)側の筐体側壁部153には、空気の吹出口となる吹出口158が形成されている。
室外機150の底部151には、筐体側壁部153が取り付けられ、底部151の下面部には、左右方向(X軸方向)に間隔を開けて配置された2つの脚部154が設けられている。脚部154は、室外機150を設置場所に固定する際に筐体155の土台となる。図3及び図4に示すように、脚部154は、室外機150の前後方向(Y軸方向)に延びるように形成されており、脚部154の先端は筐体155の前側(Y1側)と背面側(Y2側)とに位置している。
室外機150は、熱交換器180と、送風機(図示は省略)と、圧縮機(図示は省略)とを有する。熱交換器180は、内部を流れる冷媒と、熱交換器180の周りの空気との熱交換を行い、蒸発器又は凝縮器として機能する。この熱交換器180は、筐体側壁部153に形成された開口部153aから露出するように筐体155内に配置されている。この開口部153aは、室外機150の背面(Y2)側に形成されている。
室外機150は、ドレン排水管90を有する。ドレン排水管90は室外機150の底部151に取り付けられ、室外機150の内部で冷房運転時又は暖房運転時に結露等により発生したドレン水を室外機150の外部へ排出するための部品である。室外機150の筐体155は、底部151にドレン水を排水するための排水穴(図示は省略)が設けられている。そして、ドレン排水管90は、筐体155の排水穴に一端が固定され、他端に、排水穴からの排水を特定の位置に導くためのドレンホースが接続される。
ドレン排水管90は、室外機150の筐体155の外部側から底部151に形成された排水穴と連通するように接続される筐体側接続部91と、筐体側接続部91に連通するホース側接続部92とが一体的に形成された構成を有している。筐体側接続部91は、排水穴との連通部分からホース側接続部92との連通口部分に向かって径が小さくなるように漏斗状に形成されている。ホース側接続部92は、ドレンホースとの接続部分であり、ドレンホースの管内に挿入されるように管状に形成されている。
[梱包装置100]
梱包装置100は、室外機150の筐体155からドレン水を排水するために筐体155に取り付けられるドレン排水管90を備えた室外機150を梱包する梱包装置である。梱包装置100は、被梱包体である室外機150を保護するものであり、室外機150を荷扱い時の接触から保護する耐衝撃性と、室外機150にかかる圧力から保護する耐圧性とを有するものである。梱包装置100は、図1~図3に示すように、被包装体となる室外機150の底部151が載置される右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20と、右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20が載置される下部段ボール材30とを有する。
また、梱包装置100は、室外機150の天面部152に載置される上部緩衝材40及び上部緩衝材50と、上部緩衝材40及び上部緩衝材50に載置される上部段ボール材60とを有する。また、梱包装置100は、熱交換器180を覆うことで、物流における荷扱い時の接触から熱交換器180を保護し、熱交換器180に係る圧力から熱交換器180を保護する背面梱包材80を有する。さらに、梱包装置100は、下部段ボール材30と上部段ボール材60の外側に掛けられるバンド部材70を有する。
(右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20)
図4は、図3の右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20の拡大図である。図3及び図4を用いて右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20について説明する。なお、図3及び図4は、右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20の大まかな構成を概念的に示した図であり、表面の凹凸等を省略している。
右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20は、室外機150の底部151が載置される一対の下部緩衝材である。右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20は、互いに室外機150の幅方向(X軸方向)に間を空けて配置される。右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20はそれぞれ、発泡スチロール等の合成樹脂材を略直方体状に成形したものである。
右下部緩衝材10は、上面部11aと、底面部11bと、前面側の壁面及び後面側の壁面をそれぞれ形成する2つの側面部11cと、外側面部11dと、内側面部11eとを有する六面体である。上面部11aは、右下部緩衝材10の天面を構成し、底面部11bは右下部緩衝材10の底面を構成する。そして、2つの側面部11cと、外側面部11dと、内側面部11eとは、右下部緩衝材10の側壁を構成する。
なお、図4では、上面部11a、底面部11b、2つの側面部11c、外側面部11d及び内側面部11eはそれぞれ、平面で構成されているように記載されている。しかし、上面部11a、底面部11b、2つの側面部11c、外側面部11d及び内側面部11eは、平面を構成する形態に限定されるものではない。上面部11a、底面部11b、2つの側面部11c、外側面部11d及び内側面部11eにはそれぞれ、凹凸が設けられてもよい。また、壁面によって構成される角部は、面取りされていてもよい。
同様に、左下部緩衝材20は、上面部21aと、底面部21bと、前面側の壁面及び後面側の壁面をそれぞれ形成する2つの側面部21cと、外側面部21dと、内側面部21eとを有する六面体である。上面部21aは、左下部緩衝材20の天面を構成し、底面部21bは左下部緩衝材20の底面を構成する。そして、2つの側面部21cと、外側面部21dと、内側面部21eとは、左下部緩衝材20の側壁を構成する。
図4では、上面部21a、底面部21b、2つの側面部21c、外側面部21d及び内側面部21eはそれぞれ、平面で構成されているように記載されている。しかし、上面部21a、底面部21b、2つの側面部21c、外側面部21d及び内側面部21eは、平面を構成する形態に限定されるものではない。上面部21a、底面部21b、2つの側面部21c、外側面部21d及び内側面部21eにはそれぞれ、凹凸が設けられてもよい。また、壁面によって構成される角部は、面取りされていてもよい。
一対の下部緩衝材である右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20は、下部段ボール材30の後述する底板部31に載置された場合に、内側面部11eと内側面部21eとが互いに対向している。
右下部緩衝材10は、上面部11aに凹部12が形成されており、同様に、左下部緩衝材20は、上面部21aに凹部22が形成されている。凹部12及び凹部22は、上面部11a及び上面部21aから内側に凹んだ溝状に形成された部分であり、梱包装置100の短手方向(Y軸方向)に延びるように形成されている。室外機150が右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20に載置された状態では、凹部12及び凹部22には、室外機150の底部151に設けられた脚部154が挿入されており、凹部12及び凹部22内に脚部154が配置されている。
(下部段ボール材30)
図5は、図3の下部段ボール材30の斜視図である。図6は、図5の下部段ボール材30の展開図である。図3、図5及び図6を用いて下部段ボール材30について説明する。なお、図2及び図3に示すように、右下部緩衝材10、左下部緩衝材20、及び、下部段ボール材30は、室外機150の下部を覆う、下部梱包材130である。
下部段ボール材30は、右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20の底面及び側面を被うように形成されたトレイ型の段ボール材である。下部段ボール材30は、上面が開口した箱状に形成されており、右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20の一対の下部緩衝材が収納される。梱包装置100において、下部段ボール材30は、右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20の外側に被せられる。下部段ボール材30は、下部段ボール材30の外側に掛けられるバンド部材70によって、室外機150が載置された右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20を覆う状態が維持される。
下部段ボール材30は、一対の下部緩衝材である右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20が載置される平板状の底板部31を有する。この底板部31は、平面視で矩形状に形成されている。下部段ボール材30の底板部31は、底板部31から切り起こされて形成された複数の切起こし部35と1つの管用切起こし部36とを有している。なお、管用切起こし部36は、1つ以上形成されていればよく、1つに限定されるものではない。切起こし部35及び管用切起こし部36の構成については後述する。
下部段ボール材30は、底板部31の4辺に設けられて側壁を構成する複数の側壁部を有する。複数の側壁部は、後述する一対の長辺側壁部32と、一対の短辺側壁部33とによって構成される。
下部段ボール材30は、底板部31の長手方向(X軸方向)の縁部31aに沿って設けられ、この縁部31aを境にして底板部31に対して角度をつけて折り曲げられる長辺側壁部32を有する。下部段ボール材30は、下部段ボール材30の短手方向(Y軸方向)において互いに対向するように、一対の長辺側壁部32が設けられている。底板部31に対して、折り曲げられた一対の長辺側壁部32は、それぞれ底板部31の長手方向(X軸方向)に延びるように形成されており、また、底板部31から上方(Z1方向)に延びるように形成されている。
2つの長辺側壁部32のうち、下部段ボール材30の前方の側壁を構成するものが第1長辺側壁部32aであり、下部段ボール材30の後方の側壁を構成するものが第2長辺側壁部32bである。第1長辺側壁部32aと第2長辺側壁部32bとは、それぞれ底板部31の縁部31aを境に折り曲げられ、互いに対向するように下部段ボール材30の側壁を構成する。なお、第1長辺側壁部32aは、室外機150の吹出口158が形成されている側の面の側壁であり、第2長辺側壁部32bは、室外機150の熱交換器180が外部に露出している側の面の側壁である。
下部段ボール材30は、底板部31の短手方向(Y軸方向)の縁部31bに沿って設けられ、この縁部31bを境にして底板部31に対して角度をつけて折り曲げられる短辺側壁部33を有する。下部段ボール材30は、下部段ボール材30の長手方向(X軸方向)において互いに対向するように、一対の短辺側壁部33が設けられている。底板部31に対して、折り曲げられた一対の短辺側壁部33は、それぞれ底板部31の短手方向(Y軸方向)に延びるように形成されており、また、底板部31から上方(Z1方向)に延びるように形成されている。
2つの短辺側壁部33のうち、下部段ボール材30の左側の側壁を構成するものが第1短辺側壁部33aであり、下部段ボール材30の右側の側壁を構成するものが第2短辺側壁部33bである。第1短辺側壁部33aと第2短辺側壁部33bとは、組み立てられた下部段ボール材30において、第1長辺側壁部32aと第2長辺側壁部32bとの間に形成されている。第1短辺側壁部33aと第2短辺側壁部33bとは、それぞれ底板部31の縁部31bを境に折り曲げられ、互いに対向するように下部段ボール材30の側壁を構成する。
下部段ボール材30は、一枚の板状の下部段ボール材30の短辺側壁部33と長辺側壁部32とを折り曲げて接続させ、下部段ボール材30の側壁を形成することで、底板部31を底面とした器状に形成される。
(切起こし部35の構成)
複数の切起こし部35は、一対の下部緩衝材が底板部31に載置された場合に、一対の下部緩衝材の水平方向の移動を規制するように、複数の切起こし部35のそれぞれの側方の短辺側縁部35bと、内側面部21eとが対向するように形成されている。または、複数の切起こし部35は、一対の下部緩衝材が底板部31に載置された場合に、一対の下部緩衝材の水平方向の移動を規制するように、複数の切起こし部35のそれぞれの側方の短辺側縁部35bと、内側面部11eとが対向するように形成されている。短辺側縁部35bと内側面部21eとは当接してもよく、また、短辺側縁部35bと内側面部11eとは当接してもよい。
切起こし部35は、底板部31から切り起こしにより形成される部分である。切起こし部35は、右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20が底板部31に載置された状態において右下部緩衝材10と左下部緩衝材20との間に形成されている。切起こし部35は、切り起こされた状態では板面が長辺側壁部32の第1長辺側壁部32aと対向する。あるいは、切起こし部35は、切り起こされた状態では板面が長辺側壁部32の第2長辺側壁部32bと対向する。
図5及び図6に示すように、下部段ボール材30の底板部31には、底板部31の短手方向(Y軸方向)に沿って一対の切起こし部35が形成されている。短手方向(Y軸方向)に形成された一対の切起こし部35は、図6に示すように、左前切起こし部351と左後切起こし部353とから構成される。あるいは、短手方向(Y軸方向)に形成された一対の切起こし部35は、右前切起こし部352と右後切起こし部354とから構成されている。
左前切起こし部351及び左後切起こし部353は、長手方向(X軸方向)において、それぞれ短辺側壁部33である第1短辺側壁部33aから同じ距離の位置に形成されている。ただし、一対の切起こし部35は、当該構成に形成されていなくてもよい。たとえば、左前切起こし部351及び左後切起こし部353は、長手方向(X軸方向)において、第1短辺側壁部33aから異なる距離の位置に形成されてもよい。一対の切起こし部35である左前切起こし部351及び左後切起こし部353は、左下部緩衝材20が下部段ボール材30に配置された状態で、左下部緩衝材20の内側面部21eと当接する位置に形成されていればよい。
同様に、右前切起こし部352及び右後切起こし部354は、長手方向(X軸方向)において、それぞれ短辺側壁部33である第2短辺側壁部33bから同じ距離の位置に形成されている。ただし、一対の切起こし部35は、当該構成に形成されていなくてもよい。たとえば、右前切起こし部352及び右後切起こし部354は、長手方向(X軸方向)において、第2短辺側壁部33bから異なる距離の位置に形成されてもよい。一対の切起こし部35である右前切起こし部352及び右後切起こし部354は、右下部緩衝材10が下部段ボール材30に配置された状態で、右下部緩衝材10の内側面部11eと当接する位置に形成されていればよい。
左前切起こし部351及び右前切起こし部352の2つの切起こし部35は、第1長辺側壁部32aに沿って並んで形成されている。長手方向(X軸方向)において一対の切起こし部35である左前切起こし部351と右前切起こし部352とは、長手方向(X軸方向)において互いに間隔を空けて形成されている。
同様に、左後切起こし部353及び右後切起こし部354の2つの切起こし部35は、第2長辺側壁部32bに沿って並んで形成されている。長手方向(X軸方向)において一対の切起こし部35である左後切起こし部353と右後切起こし部354とは、長手方向(X軸方向)において互いに間隔を空けて形成されている。
切起こし部35は、底板部31から切り起こされて形成される。左前切起こし部351及び右前切起こし部352は、切り起こされると、隣接する第1長辺側壁部32aと対向する。また、左後切起こし部353及び右後切起こし部354は、切り起こされると、隣接する第2長辺側壁部32bと対向する。切起こし部35は、底板部31から切り起こされると矩形の板状に形成され、底板部31から上方(Z1方向)に延びる壁を構成する。
左前切起こし部351及び右前切起こし部352は、図6に示すように、切起こし部35を構成する四辺のうち、長手方向(X軸方向)に延び第1長辺側壁部32aに最も近い一辺を構成する谷折部35cが切り残されており、底板部31と接続している。切起こし部35の谷折部35cは切起こし部35の基部であり、底板部31を垂直方向に見た平面視において、隣接する第1長辺側壁部32aの基部32cと平行に形成されている。そのため、切起こし部35が底板部31に対して垂直となるように切起こされた場合には、切起こし部35と、第1長辺側壁部32aとは平行な壁を構成する。
同様に、左後切起こし部353及び右後切起こし部354は、図6に示すように、切起こし部35を構成する四辺のうち、長手方向(X軸方向)に延び第2長辺側壁部32bに最も近い一辺を構成する谷折部35cが切り残されており、底板部31と接続している。切起こし部35の谷折部35cは切起こし部35の基部であり、底板部31を垂直方向に見た平面視において、隣接する第2長辺側壁部32bの基部32cと平行に形成されている。そのため、切起こし部35が底板部31に対して垂直となるように切起こされた場合には、切起こし部35と、第2長辺側壁部32bとは平行な壁を構成する。
切起こし部35は、残る三辺のうち、一辺を構成する長辺縁部35aと、二辺を構成する短辺側縁部35bとが、底板部31から切り離される。長辺縁部35aは、谷折部35cと対向する一辺を構成し、2つの短辺側縁部35bは、谷折部35cと長辺縁部35aとの両端部をそれぞれ結び、互いに対向する二辺を構成する。
図6に示すように、下部段ボール材30の短手方向(Y軸方向)において、長辺縁部35aが、下部段ボール材30の中央側に位置し、谷折部35cが下部段ボール材30の縁部31a側に位置している。ただし、切起こし部35の構成は、当該構成に限定されるもではなく、下部段ボール材30の短手方向(Y軸方向)において、長辺縁部35aが、下部段ボール材30の縁部31a側に位置し、谷折部35cが下部段ボール材30の中央側に位置してもよい。
切起こし部35は、長辺縁部35aと2つの短辺側縁部35bとが、底板部31から切り離され、谷折部35cで折り目が内側になるように切起こし部35を折ることで、底板部31から切り起こされる。短辺側縁部35bは、切起こし部35の側方の側縁部を形成する。長辺縁部35aは、切起こし部35の上方の縁部を形成する。
切起こし部35が、底板部31から切起こされると、底板部31には、貫通孔である切起こし孔部35dが形成される。切起こし部35は、矩形状に形成されているが、切起こし部35の形状は、当該形状に限定されるものではない。切起こし部35は、右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20の側面と当接し、右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20の水平方向の移動を規制できればよく、例えば、半円形状、円弧形状、矩形以外の多角形状、等他の形状に形成されてもよい。
切起こし部35の長辺縁部35aと谷折部35cとの間の距離T1は、例えば、長辺側壁部32の基部32cから上端部までの距離T2よりも小さく形成されている。すなわち、切起こし部35の壁の高さは長辺側壁部32の壁の高さよりも小さくなるように形成されている。ただし、切起こし部35の壁の高さは、当該大きさに限定されるものではない。例えば、切起こし部35の長辺縁部35aと谷折部35cとの間の距離T1は、長辺側壁部32の基部32cから上端部までの距離T2と同じか、距離T2よりも大きく形成されてもよい。
なお、切起こし部35は、図5及び図6では、梱包装置100の長手方向(X軸方向)に沿って、2つ形成されている。しかし、長手方向(X軸方向)に沿って形成された2つの切起こし部35の間に、後述する管用切起こし部36が形成されていない場合には、切起こし部35は、底板部31の長手方向(X軸方向)に沿って、大きなものが1つ設けられてもよい。すなわち、切起こし部35は、右下部緩衝材10と左下部緩衝材20との間に延びる1つの切起こし部35として形成されてもよい。
(管用切起こし部36の構成)
管用切起こし部36は、底板部31から切り起こしにより形成される部分である。管用切起こし部36は、ドレン排水管90の水平方向の移動を規制するように、底板部31に載置された左下部緩衝材20の内側面部21eと向かい合う位置に形成されている。より詳細には、管用切起こし部36は、ドレン排水管90の左右方向(X軸方向)の移動を規制するように、底板部31に載置された左下部緩衝材20の内側面部21eと向かい合う位置に形成されている。
管用切起こし部36は、右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20が底板部31に載置された状態において右下部緩衝材10と左下部緩衝材20との間に形成されている。また、管用切起こし部36は、長手方向(X軸方向)において、左前切起こし部351と、右前切起こし部352との間に形成されている。管用切起こし部36は、左前切起こし部351に隣接して設けられている。
管用切起こし部36は、下部段ボール材30を平面視した場合に、下部段ボール材30の長手方向(X軸方向)に対して、斜めに形成されている。管用切起こし部36は、切り起こされた状態では、水平方向において、隣接する長辺側壁部32の第1長辺側壁部32aと斜めに対向する。あるいは、管用切起こし部36は、切り起こされた状態では、水平方向において、隣接する長辺側壁部32の第2長辺側壁部32bと斜めに対向してもよい。管用切起こし部36は、底板部31から切り起こされると矩形の板状に形成され、底板部31から上方(Z1方向)に延びる壁を構成する。
管用切起こし部36は、水平方向において、右下部緩衝材10側の端部が第1長辺側壁部32a側に位置し、左下部緩衝材20側の端部が第2長辺側壁部32b側に位置している。また、管用切起こし部36は、水平方向において、第1長辺側壁部32a側の端部が、第2短辺側壁部33b側に位置し、第2長辺側壁部32b側の端部が第1短辺側壁部33a側に位置している。
すなわち、管用切起こし部36は、左下部緩衝材20側の短辺側縁部36bと第1長辺側壁部32aとの間の距離が、右下部緩衝材10側の短辺側縁部36bと第1長辺側壁部32aとの間の距離よりも大きくなるように形成されている。左下部緩衝材20側の短辺側縁部36bと第1長辺側壁部32aとの間の距離は、左前切起こし部351と第1長辺側壁部32aとの間の距離よりも大きく形成されてもよい。この場合、管用切起こし部36は、長手方向(X軸方向)において、板面が切起こし部35の短辺側縁部35bと対向する。
管用切起こし部36は、図6に示すように、谷折部36cが切り残されており、谷折部36cを基部として底板部31と接続している。谷折部36cは、管用切起こし部36を構成する四辺のうち、下部段ボール材30の長手方向(X軸方向)対して斜めに延びる。谷折部36cは、切起こし部35と対向し、切起こし部35に最も近い一辺を構成する。
管用切起こし部36は、残る三辺のうち、一辺を構成する長辺縁部36aと、二辺を構成する短辺側縁部36bとが、底板部31から切り離される。長辺縁部36aは、谷折部36cと対向する一辺を構成し、2つの短辺側縁部36bは、谷折部36cと長辺縁部36aとの両端部をそれぞれ結び、互いに対向する二辺を構成する。
図6に示すように、下部段ボール材30の短手方向(Y軸方向)において、長辺縁部36aが、下部段ボール材30の中央側に位置し、谷折部36cが下部段ボール材30の縁部31a側に位置している。ただし、管用切起こし部36の構成は、当該構成に限定されるものではなく、下部段ボール材30の短手方向(Y軸方向)において、長辺縁部36aが、下部段ボール材30の縁部31a側に位置し、谷折部36cが下部段ボール材30の中央側に位置してもよい。
管用切起こし部36は、長辺縁部36aと2つの短辺側縁部36bとが、底板部31から切り離され、谷折部36cで折り目が内側になるように管用切起こし部36を折ることで、底板部31から切り起こされる。短辺側縁部36bは、管用切起こし部36の側方の側縁部を形成する。長辺縁部36aは、管用切起こし部36の上方の縁部を形成する。
図3に示すように、管用切起こし部36が、底板部31から切起こされると、底板部31には、貫通孔である切起こし孔部36dが形成される。管用切起こし部36は、矩形状に形成されているが、管用切起こし部36の形状は、当該形状に限定されるものではない。管用切起こし部36は、例えば、半円形状、円弧形状、矩形以外の多角形状、等他の形状に形成されてもよい。
管用切起こし部36の長辺縁部36aと谷折部36cとの間の距離は、例えば、長辺側壁部32の基部32cから上端部までの距離よりも小さく形成されている。すなわち、管用切起こし部36の壁の高さは長辺側壁部32の壁の高さよりも小さくなるように形成されている。ただし、管用切起こし部36の壁の高さは、当該大きさに限定されるものではない。例えば、管用切起こし部36の長辺縁部36aと谷折部36cとの間の距離は、長辺側壁部32の基部32cから上端部までの距離と同じか、長辺側壁部32の基部32cから上端部までの距離よりも大きく形成されてもよい。
(上部緩衝材40及び上部緩衝材50)
図3に戻り、上部緩衝材40及び上部緩衝材50は、発泡スチロール材を略直方体状に成形したものである。上部緩衝材40及び上部緩衝材50は、室外機150の幅方向(X軸方向)において、室外機150の天面部152の両肩に被せられる。上部緩衝材40及び上部緩衝材50は、室外機150の天面部152が嵌るように、下面側にそれぞれ天面部152の形状に沿った凹部(図示は省略)が形成されている。上部緩衝材40及び上部緩衝材50は、室外機150の天面部152の端縁部及び角部と当接する部分を中心に肉厚に形成されている。
上部緩衝材40及び上部緩衝材50は、図3に示すように、天面部152の中央付近と対向する部分に切り欠き部41及び切り欠き部51が形成されてもよい。上部緩衝材40及び上部緩衝材50に切り欠き部41及び切り欠き部51が形成されることで、上部緩衝材40及び上部緩衝材50を構成する材料の量を削減することができる。なお、上部緩衝材40及び上部緩衝材50は、別体として説明しているが、1つの部材として形成されてもよい。
(上部段ボール材60)
上部段ボール材60は、上部緩衝材40及び上部緩衝材50の上面及び側面を被うように形成されたトレイ型の段ボール材であり、上部緩衝材40及び上部緩衝材50の外側に被せられる。なお、図3に示すように、上部緩衝材40、上部緩衝材50、及び、上部段ボール材60は、室外機150の上部を覆う、上部梱包材140である。上部段ボール材60は、上部緩衝材40及び上部緩衝材50に載置される平板状の天板部61を有する。この天板部61は、平面視で矩形状に形成されている。
また、上部段ボール材60は、天板部61の長手方向(X軸方向)の縁部に沿って、天板部61の長手方向(X軸方向)に延びるように形成された対向する2つの長辺側壁部62を有する。また、上部段ボール材60は、天板部61の短手方向(Y軸方向)の縁部に沿って、天板部61の短手方向(Y軸方向)に延びるように形成された対向する2つの短辺側壁部63を有する。
上部段ボール材60は、一枚の板状の上部段ボール材60の短辺側壁部63と長辺側壁部62とを折り曲げて接続させ、上部段ボール材60の側壁を形成することによって、天板部61を底面とした器状に形成されている。
(背面梱包材80)
背面梱包材80は、室外機150の背面側から室外機150の熱交換器180を覆う。室外機150を梱包する際には、熱交換器180は、室外機150の背面側から背面梱包材80によって覆われる。背面梱包材80は、被梱包体である熱交換器180を外的要因から保護するものであり、例えば、物流における荷扱い時の接触から被梱包体を保護する耐衝性と、被梱包体に係る圧力から被梱包体を保護する耐圧性とを有するものである。
熱交換器180がフィンアンドチューブ型の熱交換器である場合、熱交換器180は、間隔を置いて並列に配置された複数の板状フィンと、複数の板状フィンと交差する複数の伝熱管と、を有する。特に、フィンが板状のフィンである場合に、フィンは接触により変形しやすい。背面梱包材80は、熱交換器180を構成する板状のフィンを覆うことで、板状のフィンへの接触を防止することができ、これらの変形を防ぐことができる。
背面梱包材80は、板状に形成されている。背面梱包材80の素材は、例えば、段ボール材から形成されている。しかし、背面梱包材80の素材は、段ボール材に限定されるものではなく、例えば、樹脂材等から形成されてもよい。
背面梱包材80は、室外機150の包装状態において、上部が上部段ボール材60で固定され、下部が下部段ボール材30で固定される。なお、背面梱包材80は、梱包装置100の必須の構成要素ではなく、梱包装置100は、背面梱包材80を有してもよく、背面梱包材80を有さなくてもよい。
(バンド部材70)
図1及び図2に戻り、バンド部材70は、室外機150に右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20並びに上部緩衝材40及び上部緩衝材50が嵌めこまれ、それらを下部段ボール材30及び上部段ボール材60で覆った状態を維持するためのものである。バンド部材70は、下部段ボール材30を介して一対の下部緩衝材の双方と対向するように、下部段ボール材30の外側から掛けられ、下部段ボール材30が、室外機150が載置された一対の下部緩衝材を覆う状態を維持する。
梱包装置100は、室外機150を覆うようにして上部梱包材140と下部梱包材130とが室外機150に充てられ、上部梱包材140及び下部梱包材130がバンド部材70によって拘束されている。また、バンド部材70は、熱交換器180を背面梱包材80で覆った状態を維持するためのものである。
バンド部材70は、下部段ボール材30及び上部段ボール材60の外側に掛けられる。すなわち、バンド部材70は、例えば、PPバンド(ポリプロピレンバンド)である。バンド部材70は、下部段ボール材30に対して右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20とは反対側に配置される。同様に、バンド部材70は、上部段ボール材60に対して上部緩衝材40及び上部緩衝材50とは反対側に配置される。
バンド部材70は、下部段ボール材30の外側から短辺側壁部33と底板部31とに掛けられ、下部段ボール材30が、室外機150が載置された右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20を覆う状態を維持するものである。また、バンド部材70は、上部段ボール材60の外側から短辺側壁部33と天板部61とに掛けられ、上部段ボール材60が、室外機150に被せられた上部緩衝材40及び上部緩衝材50を覆う状態を維持するものである。下部段ボール材30及び上部段ボール材60に、このように掛けられるバンド部材70が、後述する長手バンド71である。
バンド部材70は、下部段ボール材30の外側から長辺側壁部32と底板部31とに掛けられ、下部段ボール材30が、室外機150が載置された右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20を覆う状態を維持するものである。また、バンド部材70は、上部段ボール材60の外側から長辺側壁部32と天板部61とに掛けられ、上部段ボール材60が、室外機150に被せられた上部緩衝材40及び上部緩衝材50を覆う状態を維持するものである。下部段ボール材30及び上部段ボール材60に、このように掛けられるバンド部材70が、後述する短手バンド72である。
バンド部材70は、長手バンド71と、短手バンド72とを有する。図1及び図2に示すように、2本の短手バンド72が室外機150の前後方向及び上下方向(Y軸方向及びZ軸方向)に配置されて掛けられており、1本の長手バンド71が幅方向及び上下方向(X軸方向及びZ軸方向)に配置されて掛けられている。すなわち、バンド部材70は、3本使用されている。しかし、使用されるバンド部材70の本数は3本に限定されるものではなく、1本又は2本でもよく、4本以上であってもよい。但し、バンド部材70は、少なくとも1本の長手バンド71を含むものである。なお、短手バンド72は、下部段ボール材30の破損を防ぐため、下部段ボール材30を介して、右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20と対向する位置に掛けられるのが望ましい。
[梱包作業]
図7は、下部梱包材130と室外機150の斜視図である。図8は、ドレン排水管90が収納された下部梱包材130の平面図である。図3、図7及び図8を用いて、梱包装置100により室外機150を梱包する作業について説明する。上記のような梱包装置100により室外機150を梱包するには、梱包作業者は、切起こし部35及び管用切起こし部36が切起こされた下部段ボール材30を用意する。次に、梱包作業者は、切起こし部35と短辺側壁部33との間に右下部緩衝材10を配置する。同様に、梱包作業者は、切起こし部35と短辺側壁部33との間に左下部緩衝材20を配置する。
梱包作業者は、右下部緩衝材10の底面部11bを底板部31に載置する。この際、右下部緩衝材10は、第1長辺側壁部32aと、第2長辺側壁部32bと、第2短辺側壁部33bと、切起こし部35との間に配置される。
右下部緩衝材10が下部段ボール材30に取り付けられると、右下部緩衝材10の側面部11cは、下部段ボール材30の長辺側壁部32と対向する。右下部緩衝材10の側面部11cと、下部段ボール材30の長辺側壁部32との間の隙間は小さい方が望ましく、側面部11cは、長辺側壁部32と当接していることが更に望ましい。
また、右下部緩衝材10の外側面部11dは、下部段ボール材30の短辺側壁部33と対向する。右下部緩衝材10の外側面部11dと、下部段ボール材30の短辺側壁部33との間の隙間は小さい方が望ましく、外側面部11dは、短辺側壁部33と当接していることが更に望ましい。
更に、右下部緩衝材10の内側面部11eは、切起こし部35の短辺側縁部35bと対向する。右下部緩衝材10が底板部31に載置された場合に、内側面部11eは、水平方向において、切起こし部35の短辺側縁部35bと対向している。そのため、切起こし部35は、右下部緩衝材10の水平方向の移動を規制する。右下部緩衝材10の内側面部11eと、切起こし部35の短辺側縁部35bとの間の隙間は小さい方が望ましく、内側面部11eは、短辺側縁部35bと当接していることが更に望ましい。
したがって、右下部緩衝材10が下部段ボール材30に配置されると、右下部緩衝材10は、短手方向(Y軸方向)において、下部段ボール材30の長辺側壁部32によって挟まれる。そのため、右下部緩衝材10は、長辺側壁部32によって短手方向(Y軸方向)の移動が規制される。梱包装置100は、側面部11cと長辺側壁部32との間の隙間が小さいほど、室外機150を右下部緩衝材10に載せる際に右下部緩衝材10がずれてしまうことを抑制することができる。
また、右下部緩衝材10が下部段ボール材30に配置されると、右下部緩衝材10は、長手方向(X軸方向)において、下部段ボール材30の短辺側壁部33と切起こし部35とによって挟まれる。そのため、右下部緩衝材10は、短辺側壁部33と切起こし部35とによって長手方向(X軸方向)の移動が規制される。梱包装置100は、外側面部11dと短辺側壁部33との間の隙間、及び、内側面部11eと短辺側縁部35bとの間の隙間が小さいほど、室外機150を右下部緩衝材10に載せる際に右下部緩衝材10がずれてしまうことを抑制することができる。
同様に、梱包作業者は、左下部緩衝材20を、切起こし部35と短辺側壁部33との間に配置し、左下部緩衝材20の底面部21bを底板部31に載置する。この際、左下部緩衝材20は、第1長辺側壁部32aと、第2長辺側壁部32bと、第1短辺側壁部33aと、切起こし部35との間に配置される。
左下部緩衝材20が下部段ボール材30に取り付けられると、左下部緩衝材20の側面部21cは、下部段ボール材30の長辺側壁部32と対向する。左下部緩衝材20の側面部21cと、下部段ボール材30の長辺側壁部32との間の隙間は小さい方が望ましく、側面部21cは、長辺側壁部32と当接していることが更に望ましい。
また、左下部緩衝材20の外側面部21dは、下部段ボール材30の短辺側壁部33と対向する。左下部緩衝材20の外側面部21dと、下部段ボール材30の短辺側壁部33との間の隙間は小さい方が望ましく、外側面部21dは、短辺側壁部33と当接していることが更に望ましい。
更に、左下部緩衝材20の内側面部21eは、切起こし部35の短辺側縁部35bと対向する。左下部緩衝材20が底板部31に載置された場合に、内側面部21eは、水平方向において、切起こし部35の短辺側縁部35bと対向している。そのため、切起こし部35は、左下部緩衝材20の水平方向の移動を規制する。左下部緩衝材20の内側面部21eと、切起こし部35の短辺側縁部35bとの間の隙間は小さい方が望ましく、内側面部21eは、短辺側縁部35bと当接していることが更に望ましい。
したがって、左下部緩衝材20が下部段ボール材30に配置されると、左下部緩衝材20は、短手方向(Y軸方向)において、下部段ボール材30の長辺側壁部32によって挟まれる。そのため、左下部緩衝材20は、長辺側壁部32によって短手方向(Y軸方向)の移動が規制される。梱包装置100は、側面部21cと長辺側壁部32との間の隙間が小さいほど、室外機150を左下部緩衝材20に載せる際に左下部緩衝材20がずれてしまうことを抑制することができる。
また、左下部緩衝材20が下部段ボール材30に配置されると、左下部緩衝材20は、長手方向(X軸方向)において、下部段ボール材30の短辺側壁部33と切起こし部35とによって挟まれる。そのため、左下部緩衝材20は、短辺側壁部33と切起こし部35とによって長手方向(X軸方向)の移動が規制される。梱包装置100は、外側面部21dと短辺側壁部33との間の隙間、及び、内側面部21eと短辺側縁部35bとの間の隙間が小さいほど、室外機150を左下部緩衝材20に載せる際に左下部緩衝材20がずれてしまうことを抑制することができる。
図8に示すように、管用切起こし部36、切起こし部35、長辺側壁部32、左下部緩衝材20、及び、底板部31は、それぞれの壁面によって、下部梱包材130に収納空間38を形成する。梱包作業者は、ドレン排水管90を収納空間38に配置する。
収納空間38は、管用切起こし部36と、複数の切起こし部35のうち管用切起こし部36に隣接して設けられた第1切起こし部と、第1切起こし部の短辺側縁部35bと対向する内側面部を構成する第1内側面部と、によって形成されている。更に、収納空間38は、複数の側壁部のうち管用切起こし部36に最も近い位置に形成された側壁部と、底板部31とによって、形成されている。
第1切起こし部は、図8に示すように、左前切起こし部351である。第1内側面部は、左下部緩衝材20の内側面部21eである。複数の側壁部は、上述したように、一対の長辺側壁部32及び一対の短辺側壁部33であり、複数の側壁部のうち管用切起こし部36に最も近い位置に形成された第1側壁部は、第1長辺側壁部32aである。
第1側壁部である第1長辺側壁部32aは、底板部31の長手方向(X軸方向)に延びるように形成されている。第1切起こし部である左前切起こし部351と、第1側壁部である第1長辺側壁部32aとは、長手方向(X軸方向)に沿って平行に形成されている。管用切起こし部36は、第1切起こし部である左前切起こし部351と、第1側壁部である第1長辺側壁部32aとの間の空間を介して、第1内側面部である内側面部21eと向かい合う位置に形成されている。
なお、収納空間38は、図8に示すように、室外機150の空気の吹出口158が形成された筐体側壁部153の下方に形成されている。また、収納空間38は、一対の下部緩衝材の間の空間、すなわち、右下部緩衝材10と左下部緩衝材20との間の空間に形成されている。そのため、収納空間38に収納されるドレン排水管90は、右下部緩衝材10と左下部緩衝材20とによって、バンド部材70を介して伝わる作業者の引っ張る力から保護される。また、収納空間38は、少なくとも一部の上方が室外機150の底部151によって覆われている
ドレン排水管90は、収納空間38において、ホース側接続部92が下部段ボール材30の長手方向(X軸方向)に対して斜めになるように配置される。また、ドレン排水管90は、収納空間38において、筐体側接続部91が管用切起こし部36及び長辺側壁部32と対向するように配置される。筐体側接続部91は、管用切起こし部36及び長辺側壁部32と当接して水平方向の移動及び回転が規制されることが望ましい。なお、上述したドレン排水管90の収納態様は一例である。ドレン排水管90は、収納空間38に収納されればよい。また、ドレン排水管90は、管用切起こし部36、切起こし部35、長辺側壁部32、及び、左下部緩衝材20の壁面によって、水平方向の移動及び回転が規制されることが望ましい。
梱包作業者は、図7に示すように、室外機150の底部151を右下部緩衝材10及び左下部緩衝材20の上に載置する。また、梱包作業者は、室外機150の一対の脚部154をそれぞれ凹部12及び凹部22に嵌入する。そして、梱包作業者は、図3に示すように、背面梱包材80を、下部段ボール材30に配置し、室外機150の天面部152に上部緩衝材40及び上部緩衝材50を載置して、その上に上部段ボール材60を嵌合して覆う。この際、背面梱包材80は、倒れないように上部段ボール材60によって、背面梱包材80の上部が固定される。その後、梱包作業者は、下部段ボール材30と上部段ボール材60との間に1つ又は複数のバンド部材70を掛けて緊縛して固定し、室外機150の梱包作業を終了する。なお、ここで説明した梱包作業の順番は一例であり、各工程の順番が入れ替わってもよい。
なお、梱包装置100は、図8に示すように、右下部緩衝材10に、溝部15が形成されてもよい。溝部15は、内側面部11eに形成された凹んだ溝であり、右下部緩衝材10の上下方向(Z軸方向)に延びるように形成された溝である。同様に、梱包装置100は、左下部緩衝材20に、溝部25が形成されてもよい。溝部25は、内側面部21eに形成された凹んだ溝であり、左下部緩衝材20の上下方向(Z軸方向)に延びるように形成された溝である。図8に示すように、梱包装置100は、溝部15及び溝部25に切起こし部35が配置されるように形成されてもよい。
図8の左前切起こし部351及び右前切起こし部352に示すように、複数の切起こし部35のうち少なくとも1つの切起こし部35は、短辺側縁部35bが溝部15又は溝部25の内部に配置されるように形成されてもよい。
[梱包装置100の作用効果]
室外機150の梱包装置100は、管用切起こし部36と、第1切起こし部と、第1内側面部と、第1側壁部と、底板部31とによって形成された、ドレン排水管90を収納するための収納空間38を有している。梱包装置100は、下部緩衝材にドレン排水管90を収納するための穴を形成する必要がなく、穴とバンド部材70との間の下部緩衝材の壁が薄い箇所が存在しない。そのため、梱包装置100は、バンド部材70が引っ張られた場合でも、下部緩衝材が破損しにくい。そして、梱包装置100は、ドレン排水管90が一対の下部緩衝材によって保護され、作業者のバンド部材70を引っ張る力が、バンド部材70を介してドレン排水管90に及ぶことがないためドレン排水管90の破損を防ぐことができる。
図9は、比較例に係る下部梱包材130Lの上面図である。比較例に係る下部梱包材130Lは、従来、一般的に使用されている梱包装置100Lである。ここで、比較例に係る梱包装置100Lについて説明する。
梱包装置100Lは、下部梱包材130Lを構成する右下部緩衝材10にドレン排水管90を収納する貫穴形状部17が設けられている。貫穴形状部17は、右下部緩衝材10に形成された貫通孔である。ドレン排水管90は、室外機150の梱包状態において、右下部緩衝材10に設けられた貫穴形状部17に収納される。
室外機150が梱包された状態で、ドレン排水管90は、上下を室外機150の底部151と下部段ボール材30の底板部31で挟まれている。また、室外機150が梱包された状態で、ドレン排水管90は、左右前後方向を右下部緩衝材10に設けた貫穴形状部17の内壁により保持される。室外機150が梱包された状態で、ドレン排水管90は、室外機150の底部151、下部段ボール材30の底板部31、及び、貫穴形状部17の内壁によって囲まれるためドレン排水管90は、下部梱包材130から脱落することはない。
梱包装置100Lは、物流の荷扱い上、作業者によってバンド部材70が故意に引っ張られた場合に右下部緩衝材10が破損する恐れがある。より詳細には、図9に示すように、右下部緩衝材10は、ドレン排水管90を収納する貫穴形状部17とバンド部材70との間の、右下部緩衝材10の壁が薄い箇所Kが、バンド部材70に対抗できずに凹んで破損するおそれがある。
また、下部段ボール材30は、右下部緩衝材10の壁が薄い箇所Kが、バンド部材70に対抗できずに凹んで破損することによって、バンド部材70に対抗できず、右下部緩衝材10と共に凹んで破損する恐れがある。さらに、梱包装置100Lは、右下部緩衝材10の破損によって、作業者のバンド部材70を引っ張る力が、バンド部材70を介してドレン排水管90に及ぶためドレン排水管90も破損する恐れがある。
梱包装置100Lは、右下部緩衝材10にドレン排水管90を収納する貫穴形状部17を設けられている。これに対して、実施の形態1に係る梱包装置100は、上記構成の収納空間38にドレン排水管90が収納されている。上述したように、梱包装置100は、ドレン排水管90が一対の下部緩衝材によって保護され、作業者のバンド部材70を引っ張る力が、バンド部材70を介してドレン排水管90に及ぶことがないためドレン排水管90の破損を防ぐことができる。
また、管用切起こし部36は、第1切起こし部と、第1側壁部との間の空間を介して、第1内側面部と対向するように形成されている。そのため、管用切起こし部36は、第1内側面部と共に左右方向(X軸方向)におけるドレン排水管90の移動を規制することができる。
また、管用切起こし部36は、下部段ボール材30を平面視した場合に、長手方向(X軸方向)に対して斜めに形成されている。そのため、収納空間38は、ドレン排水管90の筐体側接続部91の形状に沿って、ドレン排水管90を保持することができる。
また、収納空間38は、室外機150の空気の吹出口158が形成された筐体側壁部153の下方に形成されている。収納空間38は、梱包装置100の前後方向(Y軸方向)において、室外機150の筐体155と下部段ボール材30との間の隙間から作業者が視認できる位置に形成されている。収納空間38が上記位置に形成されていることによって、作業者は、生産上あるいは運搬上、ドレン排水管90の紛失及び破損がないことを視認できる。
また、収納空間38は、少なくとも一部の上方が室外機150の底部151によって覆われている。室外機150の底部151が収納空間38の蓋のような役割を果たすため、収納空間38に収納されたドレン排水管90は、収納空間38に固定され保持される。
また、複数の切起こし部35のうち少なくとも1つ切起こし部35は、短辺側縁部35bが溝部15又は溝部25の内部に配置されるように形成されている。梱包装置100は当該構成によって、右下部緩衝材10又は左下部緩衝材20を下部段ボール材30に配置する際に、位置決めが容易になる。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係る下部段ボール材30の展開図である。実施の形態1では、左前切起こし部351に隣接して管用切起こし部36を設けているが、管用切起こし部36の形成位置は当該位置に限定されるものではない。実施の形態2では、管用切起こし部36の形成位置について説明する。
管用切起こし部36は、図10に示すように、左前切起こし部351、右前切起こし部352、左後切起こし部353、及び、右後切起こし部354のいずれかの位置に形成されてもよい。管用切起こし部36の形成位置は、切起こし部35の近傍に障害となる部品等がなく、且つ、筐体155と下部段ボール材30との間からドレン排水管90の状態を視認できる位置であればよい。
実施の形態1では、室外機150の前面側に収納空間38が設けられているが、収納空間38は、室外機150の後面側に形成されてもよい。すなわち、梱包装置100は、実施の形態1では、室外機150の前面側に位置する切起こし部35の近傍に管用切起こし部36を設けているが、室外機150の後面側に位置する切起こし部35の近傍に管用切起こし部36を設けてもよい。
上述したように、収納空間38は、管用切起こし部36と、複数の切起こし部35のうち管用切起こし部36に隣接して設けられた第1切起こし部と、第1切起こし部の短辺側縁部35bと対向する内側面部を構成する第1内側面部と、によって形成されている。更に、収納空間38は、複数の側壁部のうち管用切起こし部36に最も近い位置に形成された側壁部と、底板部31とによって、形成されている。
第1切起こし部は、図10に示すように、右前切起こし部352でもよい。この場合、第1内側面部は、右下部緩衝材10の内側面部11eである。複数の側壁部は、上述したように、一対の長辺側壁部32及び一対の短辺側壁部33であり、複数の側壁部のうち管用切起こし部36に最も近い位置に形成された第1側壁部は、第1長辺側壁部32aである。
第1側壁部である第1長辺側壁部32aは、底板部31の長手方向(X軸方向)に延びるように形成されている。第1切起こし部である右前切起こし部352と、第1側壁部である第1長辺側壁部32aとは、長手方向(X軸方向)に沿って平行に形成されている。管用切起こし部36は、第1切起こし部である右前切起こし部352と、第1側壁部である第1長辺側壁部32aとの間の空間を介して、第1内側面部である内側面部11eと対向するように形成されている。
第1切起こし部は、図10に示すように、左後切起こし部353でもよい。この場合、第1内側面部は、左下部緩衝材20の内側面部21eである。複数の側壁部は、上述したように、一対の長辺側壁部32及び一対の短辺側壁部33であり、複数の側壁部のうち管用切起こし部36に最も近い位置に形成された第1側壁部は、第2長辺側壁部32bである。
第1側壁部である第2長辺側壁部32bは、底板部31の長手方向(X軸方向)に延びるように形成されている。第1切起こし部である左後切起こし部353と、第1側壁部である第2長辺側壁部32bとは、長手方向(X軸方向)に沿って平行に形成されている。管用切起こし部36は、第1切起こし部である左後切起こし部353と、第1側壁部である第2長辺側壁部32bとの間の空間を介して、第1内側面部である内側面部21eと対向するように形成されている。
第1切起こし部は、図10に示すように、右後切起こし部354でもよい。この場合、第1内側面部は、右下部緩衝材10の内側面部11eである。複数の側壁部は、上述したように、一対の長辺側壁部32及び一対の短辺側壁部33であり、複数の側壁部のうち管用切起こし部36に最も近い位置に形成された第1側壁部は、第2長辺側壁部32bである。
第1側壁部である第2長辺側壁部32bは、底板部31の長手方向(X軸方向)に延びるように形成されている。第1切起こし部である右後切起こし部354と、第1側壁部である第2長辺側壁部32bとは、長手方向(X軸方向)に沿って平行に形成されている。管用切起こし部36は、第1切起こし部である右後切起こし部354と、第1側壁部である第2長辺側壁部32bとの間の空間を介して、第1内側面部である内側面部11eと対向するように形成されている。
管用切起こし部36が、左後切起こし部353又は右後切起こし部354に隣接して形成されている場合には、収納空間38は、室外機150の空気の吹出口158が形成された面とは反対側の面を構成する筐体側壁部153の下方に形成されている。
図11は、変形例に係る管用切起こし部36を有する下部段ボール材30の上面図である。図11に示すように、下部段ボール材30は、管用切起こし部36を複数有していてもよい。
[梱包装置100の作用効果]
梱包装置100は、右前切起こし部352、左後切起こし部353又は右後切起こし部354に隣接して管用切起こし部36と収納空間38とを設けることができる。梱包装置100は、当該位置に収納空間38を設けることによって、上述したように、作業者のバンド部材70を引っ張る力が、バンド部材70を介してドレン排水管90に及ぶことがないためドレン排水管90の破損を防ぐことができる。
収納空間38は、室外機150の空気の吹出口158が形成された面とは反対側の面を構成する筐体側壁部153の下方に形成されている。収納空間38は、梱包装置100の前後方向(Y軸方向)において、室外機150の筐体155と下部段ボール材30との間の隙間から作業者が視認できる位置に形成されている。収納空間38が上記位置に形成されていることによって、作業者は、生産上あるいは運搬上、ドレン排水管90の紛失及び破損がないことを視認できる。
上記の各実施の形態1~2は、互いに組み合わせて実施することが可能である。また、以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。