JP7365767B2 - 異方導電性シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、異方導電性シートに関する。
従来、検査装置の回路基板と、検査対象の電子デバイスの電極とを電気的に接続する異方導電性シートが用いられている。異方導電性シートは、絶縁性樹脂からなる基材シートと、これを厚さ方向に貫通する複数の導電線とを備えている。その下面が検査装置の回路基板に設置された状態で、上面に電子デバイスが載置されると、検査装置の回路基板と検査対象の電子デバイスとが、異方導電性シートの導電線を介して接続され、検査が行われる。検査時に回路基板に設置された異方導電性シートの位置ズレが起きないように、異方導電性シートの下面に粘着層を設けて、回路基板に対して密着させる技術が開示されている(特許文献1)。
特許第5615765号公報
特許文献1に開示された異方導電性シートの上面には粘着層が設けられていない。また、その上面では導電線の先端が突出するように形成されている。導電線を突出させることにより、種々の電子デバイスの接続を容易にしたり、導電線の先端にバネ性を発現させたりすることが意図されている。
ところで、電子回路の基盤に実装されるコンデンサ、抵抗、コイル等の電子部品を実装前に検査するために、従来からプローブピンが使用されているが、これらの電子部品の小型化が近年著しい。例えば、平面視で縦×横のサイズが0.6mm×0.3mm或いは0.4mm×0.2mm以下の外形の超小型電子部品が使用されることがある。これらの超小型電子部品の端子の一つ一つに狙いを定めてプローブピンを押し当て、検査することは困難である。そこで、複数の導電線が高密度に配置された異方導電性シートの上面に超小型電子部品を載置して、検査することを検討したところ、その上面において超小型電子部品が意図せずに移動したり、飛散したりする問題があった。このため、異方導電性シートの上面に安定して超小型電子部品を載置することが望まれている。
本発明は、検査部品の接続が容易な異方導電性シートを提供する。
[1] 検査部品が載置される粘着面を備えた異方導電性シートであって、基材シートと、前記基材シートの一方の主面に積層され、前記粘着面を形成する粘着層と、を備え、前記基材シートは、その厚さ方向に貫通する複数の導電線を有し、前記導電線の一方の端部が前記一方の主面から突出している、異方導電性シート。
[2] 前記粘着面が鏡面である、[1]に記載の異方導電性シート。
[3] 前記基材シートの前記一方の主面を高さの基準として、前記粘着面の高さが、前記導電線の端部よりも高い、[1]又は[2]に記載の異方導電性シート。
[4] 前記基材シートの一方の主面側の平面視で、前記導電線の一方の端部の少なくとも一部分が前記粘着層によって覆われずに露出している、[1]~[3]の何れか一項に記載の異方導電性シート。
[5] 前記基材シートの一方の主面側の平面視で、前記導電線の一方の端部が前記粘着層によって覆われている、[1]~[3]の何れか一項に記載の異方導電性シート。
[6] 前記粘着層が硬化したシリコーンゴムからなる層である、[1]~[5]の何れか一項に記載の異方導電性シート。
[7] 前記基材シートの他方の主面に、さらに粘着層を備える、[1]~[6]の何れか一項に記載の異方導電性シート。
[8] 前記検査部品の最大径が1.0mm以下である、[1]~[7]の何れか一項に記載の異方導電性シート。
本発明の異方導電性シートにおける検査部品を載置する上面には粘着層が備えられている。粘着層の上面(粘着面)が有する粘着性によって、検査部品が上面に安定に保持されるので、検査部品の意図しない移動や飛散を防止することができる。
本発明の実施形態の一例である異方導電性シート10の上面図である。 図1の異方導電性シート10のII-II断面図である。 異方導電性シート10の一方の主面側の部分断面図である。 異方導電性シート10の一方の主面側の別の部分断面図である。 異方導電性シート10の他方の主面側の部分断面図である。 異方導電性シートの製造に用いられる導電線固定化ブロックの製造方法の一例を示す模式図である。
≪異方導電性シート≫
本発明の第一態様は、検査部品が載置される粘着面を備えた異方導電性シートであって、基材シートと、前記基材シートの一方の主面に積層され、前記粘着面を形成する粘着層と、を備え、前記基材シートは、その厚さ方向に貫通する複数の導電線を有し、前記導電線の一方の端部が前記一方の主面から突出している、異方導電性シートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の例を説明する。
図1は、本発明の一例である異方導電性シート10の上面を示す。異方導電性シート10の平面視の外形は、四角形のシート状であり、その横方向をX方向、その縦方向をY方向、上面に対する垂線方向(すなわちシートの厚さ方向)をZ方向とする。
異方導電性シート10の上面は、基材シート1の一方の主面1aを覆う粘着層4(第一粘着層)と、基材シート1の厚さ方向に貫通する導電線2の一方の端部とによって形成されている。
異方導電性シート10の下面は、基材シート1の他方の主面1bを覆う粘着層40(第二粘着層)と、基材シート1の厚さ方向に貫通する導電線2の他方の端部とによって形成されている。
異方導電性シート10は複数の略円柱状の導電線2からなる導電部とそれ以外の絶縁部とを備え、導電部が島部分で、絶縁部が海部分である海島構造を形成している。各導電線は互いに独立し、絶縁部によって互いの絶縁性が保たれている。各導電線2は、基材シート1の一方の主面1aから他方の主面1bへ貫通する配線を形成している。各導電線2の長さ方向は、一方の主面及び他方の主面に対して、垂直でもよいし、傾いていてもよい。
基材シート1を構成する樹脂は、公知の樹脂によって形成されている。例えば、エラストマー、光重合性樹脂、熱重合性樹脂、活性エネルギー線重合性樹脂、触媒重合性樹脂等の公知の硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、未硬化状態では適度な粘性を呈するエラストマーが好ましい。
前記エラストマーとしては、例えば、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム等の硬化したゴムが挙げられる。これらの中でも、硬化後の寸法変化や反りが生じ難く、圧縮永久歪が小さく、耐熱性が高い、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムの硬化の様式は、縮合型、付加型のいずれでもよい。
シリコーンゴム等の樹脂を硬化させる方法としては、例えば、UVや電子線等の活性エネルギー線の照射や、加熱等の公知方法が挙げられる。
基材シートを構成する樹脂には、公知の添加剤、例えば樹脂の重合を促す触媒、樹脂同士の架橋を促す架橋剤、シランカップリング剤、接着助剤、抗酸化剤、染料、顔料、充填剤、レベリング剤等が含まれていてもよい。
導電線2の材料は、導電性物質であればよく、公知の導電線が適用される。具体的な導電性物質としては、例えば、真鍮、銅、銀、金、プラチナ、パラジウム、タングステン、ベリリウム銅、りん青銅、ニッケルチタン合金等の金属、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブ紡績糸等の炭素材料が挙げられる。
導電線2は、前記導電性物質からなる芯線の外周を被覆する導電性の被覆層を有していてもよい。被覆層の材料としては、例えば、金、銀、ニッケル、銅等が挙げられる。芯線の材料と被覆層の材料は互いに異なることが好ましい。被覆層は1層でもよいし、2層以上でもよい。例えば、内側の1層目の被覆層がニッケルからなる層であり、外側の2層目の被覆層が金からなる層である、多層構造が挙げられる。
導電線2の直径は、例えば、5μm~50μmとすることができる。導電線2の直径には前記導電性の被覆層を含む。ここで、導電線2の直径は、導電線2の長さ方向に直交する断面を含む最小円の直径である。
導電線2の長さ方向に対して直交する方向の断面の形状は、特に制限されず、略円形、略楕円形、略四角形、その他の多角形等が挙げられる。安定した接続を得る観点から、略円形又は略楕円形であることが好ましい。
導電線2は中実でもよいし、部分的又は全体的に中空であってもよい。一例として、導電線2の長さ方向に見て中央部分が忠実で、少なくとも一方の端部が中空である構造が挙げられる。この例の場合、中空である端部を長さ方向に見ると、導電線2の中心が凹状である。
導電線2の形状は、例えば、略円柱状、略楕円柱状、帯状、板状等が挙げられる。
異方導電性シート10が有する複数の導電線2の直径、断面形状及び構成材料は、互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。
異方導電性シート10の平面視の形状は矩形に限定されず、円形、楕円形、矩形、多角形、その他の任意の形状が採用できる。
異方導電性シート10の縦×横のサイズは特に限定されず、例えば、0.5cm×0.5cm~5cm×5cmとすることができる。
異方導電性シート10の厚さは、例えば、50μm以上3000μm以下とすることができる。ここで、異方導電性シート10の厚さは、両主面から突出した導電線2の高さを含む。異方導電性シート10の形態、サイズ、厚さ等は、適宜設定される。
異方導電性シート10の各主面における導電線2の配置は、X列×Y行の2次元アレイ状の配置である。導電線2の配置はこの例に限定されず、任意の配置パターンが採用される。X列×Y行において、例えば、X,Yはそれぞれ独立に10~1000の任意の整数とすることができる。配置パターンは、2次元アレイ状でもよく、ジグザグ状でもよく、その他の任意のパターンでもよく、無作為なランダム配置でもよい。
図2に示すように、異方導電性シート10の各導電線2の一方の端部及び他方の端部は、基材シート1の一方の主面1a及び他方の主面1bからそれぞれ突出した突出部Pを形成している。
突出部Pの高さは、基材シート1の主面を基準として、例えば、1μm~100μmが好ましく、5μm~60μmがより好ましく、10μm~40μmがさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、検査部品の端子に突出部Pの先端が接触しやすくなり、接続性が向上する。また、突出部Pの柔軟性が高まるので、接続時に突出部Pが検査部品の端子を傷付ける恐れが低減する。
上記範囲の上限値以下であると、接続時に突出部Pが折れ曲がることを防止することができる。
突出部Pの高さは、測定顕微鏡などの拡大観察手段によって、任意に選択した10本の突出部Pの高さを測定した値の平均値として求められる。
複数の突出部Pの各々の高さは、互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。
[異方導電性シートの上面]
異方導電性シート10の検査部品を載置する側の上面は、露出した導電線2の先端部分を除いて、粘着層4の表面4a(粘着面)によって覆われている。粘着層4の表面4aの少なくとも一部は鏡面加工されていることが好ましい。粘着層4が鏡面加工された鏡面粘着層であると、表面4aに載置した検査部品に対して、粘着層4を構成する粘着剤が移行すること(糊残り)を防止することができる。さらに、鏡面加工された表面は光沢を有するため、表面に載置した検査部品を認識し易くなる。
異方導電性シート10の粘着層4の厚さは、基材シート1の主面1aを基準として、粘着層4の表面4aが、導電線2の一方の端部の突出部Pの高さと同じ高さに位置する厚さでもよいし(図2参照)、導電線2の一方の端部の突出部Pの高さよりも高く位置する厚さでもよい(図3、図4参照)。
図2に示す実施形態Aにおける粘着層4の厚さは、基材シート1の主面1aを基準として、粘着層4の表面4aが導電線2の突出部Pの先端の高さと同じ高さに位置する厚さである。導電線2の先端は粘着層4に覆われずに露出している。この実施形態Aであると、粘着層4の表面4aに検査部品を載置したときに、導電線2の露出した先端に検査部品の端子を接触させることが容易であり、小さい押圧力で接続することができる。
図3に示す実施形態Bにおける粘着層4の厚さは、基材シート1の主面1aを基準として、粘着層4の表面4aが導電線2の突出部Pの先端の高さよりも高く位置する厚さである。導電線2の先端は粘着層4に覆われずに露出している。この実施形態Bであると、粘着層4の表面4aに検査部品を載置するときに、検査部品は導電線2の先端よりも先に粘着層4の表面4aに接触し易くなる。これにより、検査部品を粘着層4の表面4aに対してより一層安定に保持することができる。
実施形態Bにおいて、導電線2の露出する先端を取り囲む粘着層4の表面4aの周縁は、面取りされたように丸みを帯びている。この形態であると、導電線2の露出した先端に検査部品の端子を接触させることがより一層容易になる。
前記周縁は丸みを帯びず、角張っていてもよい。角張っていても検査部品の端子を接続することはできる。
実施形態Bの粘着層4の表面4aには、複数の凹部Qが形成されている。表面4aの最も凹んでいる部分である凹部Qは、導電線2の突出部Pの先端が露出した部分である。複数の導電線2はマトリクス状に配置されているため、最小の四角形を構成する4つの導電線2の突出部P同士を結ぶ対角線の中央部分にある粘着層4が最も膨らんでいる。この最も膨らんだ頂部で粘着層4の厚さを測る。ここで、凹部Qの深さは、突出部Pの露出した先端の平面視の直径に対して50%未満であることが好ましい。凹部Qを取り囲む粘着層4からなる膨らみは、検査部品がその膨らみに接触した際に、検査部品を導電線2の露出した先端に押し付けることが容易な程度に緩やかになっている。
図4に示す実施形態Cにおける粘着層4の厚さは、基材シート1の主面1aを基準として、粘着層4の表面4aが導電線2の突出部Pの先端の高さよりも高く位置する厚さである。導電線2の先端は粘着層4に薄く覆われており、露出していない。この実施形態Cであると、粘着層4の表面4aに検査部品を載置するときに、検査部品は導電線2の先端よりも先に粘着層4の表面4aに接触する。これにより、検査部品を粘着層4の表面4aに対してより一層安定に保持することができる。
粘着層4の表面4aに載置された検査部品が押圧されると、粘着層4が圧縮され、導電線2の先端が粘着層4の表面4aから現れて検査部品の端子に接続する。この押圧によって導電線2の先端が粘着層4の表面4aに現れる理由は、粘着層4及びその表面4aが柔らかく、導電線2が突き破り易いからである。
異方導電性シート10の粘着層4の厚さは、各実施形態A~Cに応じて適宜設定されるが、基材シート1の主面1aを基準として、例えば、1μm~100μmが好ましく、5μm~60μmがより好ましく、10μm~40μmがさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、検査部品の端子に突出部Pの先端が接触しやすくなり、接続性が向上する。また、突出部Pの柔軟性が高まるので、接続時に突出部Pが検査部品の端子を傷付ける恐れが低減する。
上記範囲の上限値以下であると、接続時に突出部Pが折れ曲がることを防止することができる。
異方導電性シート10の粘着層4の厚さは、測定顕微鏡などの拡大観察手段によって、異方導電性シート10の厚さ方向の断面から任意に選択した10箇所の厚さを測定した値の平均値として求められる。
異方導電性シート10の上面の粘着層4を形成する粘着剤としては、上面に粘着させた検査部品を再剥離可能に接着できる程度の粘着力を有するもの、すなわち離型性を有するものが挙げられる。
具体的には、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、粘着層4から剥離した検査部品に移行すること(糊残り)が少なく、離型性及び耐久性にも優れ、鏡面加工を施すことも容易なシリコーンゴムが好ましい。
また、粘着性を充分に発揮させる観点から、粘着層4を構成する粘着剤の硬度は、基材シート1を構成する樹脂材料の硬度よりも小さいことが好ましい。粘着層4を構成する粘着剤のショアA硬度(JIS Z2246:2000)は、例えば、20~70とすることができる。
異方導電性シート10の上面、又は基材シート1の検査部品を接続する側の主面1aにおいて、隣接する突出部Pの先端同士の距離(ピッチ)L1は、例えば、10μm~200μmが好ましく、20μm~100μmがより好ましく、30μm~60μmがさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、検査部品の押圧時に突出部Pが応力を受けて側方へ反った場合に、反った突出部Pが隣の別の突出部Pへ接触することを防止することができる。
上記範囲の上限値以下であると、導電線2の配線密度が高まるので、超小型電子部品の接続が容易になる。
前記距離L1は、測定顕微鏡などの拡大観察手段によって、任意に選択した10組の突出部Pの先端の中心同士の距離を測定した値の平均値として求められる。
異方導電性シート10の上面、又は基材シート1の検査部品を接続する側の主面1aにおける導電線2の配線密度は、例えば、25本/mm~10000本/mmが好ましく、100本/mm~5000本/mmがより好ましく、300本/mm~2500本/mmがさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、超小型電子部品の接続が容易になる。
上記範囲の上限値以下であると、検査部品の押圧時に突出部Pが応力を受けて側方へ反った場合に、反った突出部Pが隣の別の突出部Pへ接触することを防止することができる。
前記配線密度は、測定顕微鏡などの拡大観察手段によって、異方導電性シート10の上面を観察し、任意の領域にある配線の本数を数えて、単位面積(mm)当たりの配線の本数に換算することにより求められる。前記「任意の領域」の面積は、5mm角~50mm角の範囲とする。
[異方導電性シートの下面]
異方導電性シート10の検査部品を載置する側の上面とは反対側の下面は、露出した導電線2の下端部分を除いて、粘着層40の表面41によって覆われている。特許文献1に開示されているように、表面41は鏡面であることが好ましい。
下面を構成する粘着層40の厚さは、基材シート1の他方の主面1bを基準として、粘着層40の表面41が、導電線2の他方の端部の突出部Pの高さと同じ高さに位置する厚さでもよいし、導電線2の他方の端部の突出部Pの高さよりも低く位置する厚さでもよい(図5参照)。
図5に示す実施形態において、粘着層40の下面41には、凹部42が設けられている。この下面41においては、導電線2の突出部Pが最も突出していて、隣接する2本の導電線2の突出部Pの間が凹部42となっている。複数の導電線2はマトリクス状に配置されているため、最小の正方形を構成する4つの導電線2の突出部Pを結ぶ対角線における中央部分が最も凹んでいる。
図5の実施形態であると、検査装置の平板な回路基板に対して安定に接着するとともに、回路基板に対する導電線2の接続性が優れるので好ましい。
異方導電性シート10の下面における粘着層40の厚さは、基材シート1の他方の主面1bを基準として、例えば、1μm~100μmが好ましく、5μm~60μmがより好ましく、10μm~40μmがさらに好ましい。
異方導電性シート10の下面における粘着層40の厚さは、測定顕微鏡などの拡大観察手段によって、異方導電性シート10の厚さ方向の断面から任意に選択した10箇所の厚さを測定した値の平均値として求められる。
異方導電性シート10の下面の粘着層40を形成する粘着剤の例として、上面の粘着層4の粘着剤として例示したものが挙げられる。下面の粘着層40と上面の粘着層4の粘着剤は、互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。
異方導電性シート10の下面の構造は、前述した図2~図4の実施形態のように、上面の構造と同じであっても構わない。しかし、検査装置の回路基板に対して下面を安定に設置する観点から、異方導電性シート10の下面の構造は、図5の実施形態であることが好ましい。また、検査部品の上面に対する設置を容易にする観点から、異方導電性シート10の上面の構造は、図2~4の実施形態であることが好ましい。
<他の実施形態>
以上で例示した異方導電性シート10の下面41には粘着層40が備えられているが、粘着層40が下面に備えられていなくてもよい。この場合、導電線2の下面41側の端部は、基材シート1の他方の主面1bから突出した突出部Pを形成していてもよいし、他方の主面1bから突出していなくてもよい。
異方導電性シート10の基材シート1の一方の主面1a及び他方の主面1bにおいて、主面の一部の領域が他部の領域よりも高くされていてもよい。つまり、異方導電性シート10の厚さは、シートの全領域にわたって同一であってもよいし、一部の領域が厚くなっていてもよいし、一部の領域が薄くなっていてもよい。
基材シート1の厚さとしては、例えば、0.05mm~2.0mmとすることができる。
基材シート1の厚さは、測定顕微鏡などの拡大観察手段によって、基材シート1の厚さ方向の断面から任意に選択した10箇所の厚さを測定した値の平均値として求められる。
≪異方導電性シートの製造方法≫
本発明の異方導電性シートは、下記の工程A~工程Cのうち、少なくとも工程Cを含む方法によって製造することができる。
まず、表面が鏡面加工された支持シートと、その表面に密着して積層された粘着剤層と、を備えた粘着剤支持シートを準備する。
また、基材ブロックと、前記基材ブロック中に長手方向が一方向に揃って配置された複数の導電線と、を備える導電線固定化ブロックを準備する。
工程Aは、前記導電線固定化ブロックをスライスカットすることにより、基材シートと、前記基材シートを厚さ方向に貫通する複数の導電線と、を備える切り出しシートを得る工程である。
工程Bは、前記切り出しシートの表面をレーザー加工することにより、前記導電線の端部が前記基材シートの表面から突出した突出部を有する突出加工済シートを得る工程である。
工程Cは、前記導電線固定化シートの検査部品を接続する側の上面に、前記粘着剤支持シートの前記粘着剤層がある側の面を貼付し、前記上面に前記粘着剤からなる粘着層を形成する工程である。
<準備>
前記支持シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シートの表面が鏡面加工されたものが挙げられる。このような樹脂シートは市販品を購入することができる。
支持シートの鏡面に粘着剤層を形成する粘着剤を所望の厚さで塗布する。塗布方法としては、コーター法、印刷法等の常法が挙げられる。鏡面に粘着剤が塗布されたことにより、鏡面との密着面が鏡面となった粘着剤層が支持シートの表面に形成される。このようにして得た粘着剤支持シートを用いることができる。
導電線固定化ブロックは、従来の異方導電性シートを形成する公知方法によって作製することができる。例えば、次の方法が挙げられる。
図6に示すように、基材シートVの表面に未硬化の第一樹脂層101を形成する。第一樹脂層101の表面101aに複数の導電線102を、導電線102の長さ方向を揃えて平行に一定のピッチで配置する(図6(a))。次いで各導電線102を覆うように第一樹脂層101の表面に未硬化の第二樹脂層107を形成した後、加熱硬化することにより、コアシート104を得る(図6(b))。続いて、複数枚のコアシート104を準備し、不要な基材シートVを取り除いて、不図示の接着層を介して、複数枚のコアシート104(図示例では4枚)を積層したシート積層体108を得る(図6(c))。ここでコアシート104を積層する際、各コアシート104が有する導電線102の長さ方向を揃える。
以上で得られたシート積層体108は、導電線固定化ブロックの一例である。
以下、シート積層体108を導電線固定化ブロックとして用いる場合の工程A~Cの実施形態を例示する。
<工程A>
導電線固定化ブロックであるシート積層体108の表面108aから刃を入れて、導電線102の長さ方向を横切るように所望の厚さで積層方向(α方向)に切断することにより、切り出しシート110を得る(図6(d))。
切り出しシート110は、複数のコアシート104から形成された基材シートと、前記基材シートを厚さ方向に貫通する導電線102と、を備える。
<工程B>
切り出しシート110の一方の主面110a及び他方の主面110bのうち少なくとも一方に対して、導電線102を融解し難く、主面を構成する樹脂を融解し易い種類のレーザー光を照射することによって、導電線102の端部が基材シートの主面から突出した突出部Pを有する突出加工済シートを得る。
<工程C>
突出加工済シートの2つの主面のうち、検査部品を接続する側の主面(上面)に、前記粘着剤支持シートの前記粘着剤層を貼付し、突出済加工シートの上面に前記粘着剤からなる粘着層を形成する。必要に応じて、粘着層の硬化や架橋処理を常法により行ってもよい。
前記上面に積層する粘着層の厚さは、粘着剤支持シートに積層された粘着剤層の厚さによって調整することができる。また、粘着剤支持シートの粘着剤層を突出加工済シートの上面に貼付する際に加圧することにより、粘着剤支持シートの表面が導電線2の突出部Pに接触する程度に粘着層を薄くしてもよい。
前述した実施形態B(図3)のような凹部Qは、実施形態C(図4)の異方導電性シートを用いて、導電線2の突出部Pに対して局所的にレーザー照射することにより形成することができる。
或いは、支持シートの表面に液状又はゲル状の粘着剤層を形成しておき、この粘着剤を弾く塗材を導電線2の先端に予め塗布しておくことにより、凹部Qを形成することができる。前記粘着剤が極性成分である場合、前記塗材を非極性成分とすることにより、突出部Pの先端に粘着剤がなじまずに弾かれるので、凹部Qが自然に形成される。
必要に応じて、特許文献1に開示されているように、検査装置を接続する側の下面(基材シート1の他方の主面)に別の粘着層を形成する。
以上の方法により、本発明の異方導電性シートを製造することができる。
[異方導電性シートの使用方法]
本発明の異方導電性シートは、電子部品の検査を行う検査用途に好適に用いられる。異方導電性シートの下面を検査装置の回路基板に圧接し、異方導電性シートの上面の粘着面に検査部品を載置して、検査部品を粘着面に圧接する。これにより、異方導電性シートを介して検査装置と検査部品とを電気的に接続することができる。
検査部品が、外形の最大径が1.0mm以下の超小型電子部品である場合においても、本発明の異方導電性シートの上面に載置することにより、安定に接続して検査することができる。ここで、検査部品の外形の最大径は、平面に載置した検査部品を測定顕微鏡等の拡大観察手段によって平面視で観察し、任意に選択した10個の検査部品について、その外形を含む最小円の直径を測定した値の平均値として求められる。
なお、本発明の異方導電性シートの用途は上記の検査用途に限られず、公知の圧接型コネクタと同じように、他の用途に用いられてもよい。
1…基材シート、1a…一方の主面、1b…他方の主面、2…導電線、4…粘着層、4a…表面(粘着面)、10…異方導電性シート、P…突出部、Q…凹部、40…粘着層、41…下面(表面)、42…凹部

Claims (3)

  1. 検査部品が載置される粘着面を備えた異方導電性シートの製造方法であって、
    基材シートと、前記基材シートの一方の主面に積層され、前記粘着面を形成する粘着層と、を備え、
    前記基材シートは、その厚さ方向に貫通する複数の導電線を有し、
    前記導電線の一方の端部が前記一方の主面から突出し
    前記基材シートの前記一方の主面を高さの基準として、前記粘着面の高さが前記導電線の前記端部よりも高い異方導電性シートを準備し、
    前記異方導電性シートの前記粘着層の内部にある前記導電線の前記端部に対して局所的にレーザー光を照射することにより、前記粘着層の表面に前記導電線の前記端部が露出した凹部を形成する、異方導電性シートの製造方法
  2. 前記粘着面が鏡面である、請求項1に記載の異方導電性シートの製造方法
  3. 前記粘着層が硬化したシリコーンゴムからなる層である、請求項1又は2に記載の異方導電性シートの製造方法
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