JP7364385B2 - 研削装置 - Google Patents
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Description
したがって、研削装置には保持面の汚れに影響されることなく被加工物の厚みが厚くなっても被加工物の厚みを測定し、また研削砥石の磨耗量を認識するという課題がある。
上記の研削装置は、該保持面に接触させた該研削砥石の下面の高さを記憶する記憶部と、該記憶部に記憶された値に、研削終了時に該厚み算出部により算出された被加工物の厚みを加算し、研削終了時の該研削砥石の高さ位置を差し引いて、該研削砥石の磨耗量を算出する磨耗量算出部と、を備えていることが望ましい。
これにより、第1接触子をサブチャックテーブルの上面に接触させながら、第2接触子をチャックテーブルの保持面に接触させて、保持面の高さとサブチャックテーブルの上面の高さとの差である第1差を求めてから、被加工物を保持面に保持した状態において、再び、第1接触子をサブチャックテーブルの上面に接触させながら、被加工物の上面に第2接触子を接触させて、被加工物の上面の高さとサブチャックテーブルの上面の高さとの差である第2差を求め、第2差と第1差とを差し引くことによって、保持面の汚れに影響されることなく、被加工物の厚みを測定できるようになる。
例えば、10mm以上の厚みを有するような被加工物においてもその厚みを測定することができるようになった。
また、研削装置に備える記憶部に、保持面に研削砥石の下面が接触しているときの研削砥石の下面の高さ、及び、研削終了時の研削砥石の下面の高さを記憶して、保持面に研削砥石の下面が接触しているときの研削砥石の下面の高さの値に被加工物の厚みを加算して、研削終了時の研削砥石の下面の高さを差し引くことによって、研削砥石の磨耗量を認識することができるようになった。
図1に示す研削装置1は、研削手段3を用いてチャックテーブル2の保持面20aに保持されている半導体ウェーハ等の被加工物Wを研削加工する研削装置である。以下、研削装置1の構成について説明する。
研削ホイール34は、ホイール基台341と、ホイール基台341の下面に環状に配列された略直方体形状の複数の研削砥石340とを備えており、研削砥石340の下面340bは被加工物Wを研削する研削面となっている。
読み取り部811は、例えば、スケール810に形成された目盛りの反射光を読み取る光学式の認識機構等を有しており、スケール810の目盛りを認識することができる。読み取り部811は、メモリ等の記憶素子を備えた記憶部83に電気的に接続されている。研削砥石340がZ軸方向に昇降移動する際に、昇降板43がZ軸方向に昇降移動すると、読み取り部811も昇降移動して、読み取り部811の高さ位置が変化することとなる。
下面高さ認識部81は、読み取ったスケール810の目盛りの値を記憶部83に記憶させることができる。読み取り部811の高さ位置は、研削砥石340の下面340bの高さに対応付けられており、読み取り部811の高さ位置を基にして研削砥石340の下面340bの高さを測定し、その測定値を記憶部83に記憶させることが可能となっている。
サブチャックテーブル5は、チャックテーブル2をベアリング5bを介して回転可能に支持しているチャックテーブルベース284の上面に回転しないように固定されている。
図1に示すように、測定部移動手段7は、Z軸方向に立設された背板74と、背板74の+X方向側の側面に配設されZ軸方向の回転軸75を有するボールネジ70と、ボールネジ70に対して平行に配設された一対のガイドレール71と、回転軸75を軸にしてボールネジ70を回転させるモータ72と、側部がガイドレール71に摺接するベース73とを備えている。
保持面高さ測定部60は、第1シリンダ600と、第1シリンダ600に収容される第1ゲージ601と、第1シリンダ600の上部とベース73の側部とにそれぞれ接続固定され両者を連結する第1連結部材602とを備えている。第1ゲージ601は、-Z方向に突出可能に支持されており、第1ゲージ601の下端には、サブチャックテーブル5の上面5a等に接触する第1接触子601aが配設されている。
シリンダ600は、シリンダ600からの第1ゲージ601の突出量を認識可能であり、例えば、第1接触子601aをサブチャックテーブル5の上面5aに接触させたときの第1ゲージ601の突出量を認識することができる。なお、第1ゲージ601は、少なくとも研削開始前の被加工物Wの厚さ分だけシリンダ600から突出可能となっている。
シリンダ620は、シリンダ620からの第2ゲージ621の突出量を認識可能であり、例えば、第2接触子621aをチャックテーブル2の保持面20aや被加工物Wの上面Wa等に接触させたときの第2ゲージ621の突出量を認識することができる。
なお、第2接触子621aは第2ゲージ621の下端から僅かな長さで突出している。
モータ72によってボールネジ70が駆動されて、ボールネジ70が回転軸75を軸にして回転すると、これに伴って、ベース73がガイドレール71に案内されてZ軸方向に昇降移動するとともに、ベース73に配設されている保持面高さ測定部60と上面高さ測定部62とがベース73と一体的にZ軸方向に昇降移動することとなる。
なお、ベース73をZ軸方向に昇降移動させ、第2ゲージ621の下端から僅かな長さで突出した第2接触子621aをチャックテーブル2の保持面20aに保持された被加工物Wの上面Waに接触させたときに、第1ゲージ601は、第1接触子601aをサブチャックテーブル5の上面5aに接触させられる長さをシリンダ600から突出可能になっている。
モータ242を用いて駆動軸241を回転させると、駆動軸241に連結されている駆動プーリ240が回転するとともに、駆動プーリ240の回転力が伝動ベルト243によって従動プーリ244に伝達されて従動プーリ244が回転することとなる。従動プーリ244が回転すると、従動プーリ244に接続されているスピンドル245がZ軸方向の回転軸25を軸にして回転して、スピンドル245に接続されているチャックテーブル2が回転軸25を軸にして回転する構成になっている。
被加工物Wの研削加工や被加工物Wの厚みの測定に際して、各々の開閉バルブ263a~263cが適宜開閉制御されることとなる。例えば、図3に示すように、被加工物Wが吸引部20の保持面20aに載置された状態で、吸引源260と吸引部20との間の開閉バルブ263aを開いて吸引部20と吸引源260とを連通させるとともに、吸引源260を作動させて吸引源260が発揮する吸引力を保持面20aに伝達させることによって、被加工物Wを吸引部20の保持面20aに吸引保持することができる。
制御手段8は、保持面高さ測定部60と上面高さ測定部62とによりそれぞれ測定された測定値を用いて被加工物Wの厚みを算出する厚み算出部80を備えている。
また、制御手段8は、保持面20aに研削砥石340が接触している状態における研削砥石340の下面340bの高さの値に、研削終了時に厚み算出部80により算出された被加工物Wの厚みを加算し、その加算した値から研削終了時の研削砥石340の下面340bの高さ位置を差し引いて、研削砥石340の磨耗量を算出する機能を有する磨耗量算出部82を備えている。
(研削加工及び厚みの算出)
上記の研削装置1を用いて、被加工物Wの厚みを算出しながら被加工物Wの研削加工を行うことにより、被加工物Wが予め設定された所望の厚みに研削加工される。
研削装置1を用いて複数の被加工物Wを連続して研削加工すると、研削砥石340の下面340bが次第に磨耗していき、やがて適切に研削加工を行うことができなくなってしまう。そこで、研削装置1においては、例えば被加工物Wの研削加工後等に、研削砥石340の磨耗量の算出が行われる。
チャックテーブル2の保持面20aに研削砥石340の下面340bが接触するときの研削砥石340の下面340bの高さは、記憶部83に記憶されるとともに、電気信号として磨耗量算出部82に送信される。
そして、厚み算出部80において、保持面20aの高さの値とサブチャックテーブル5の上面5aの高さの値との差が第1差D1として算出される。
また、例えば、図示しない水平移動手段等によりチャックテーブル2をY軸方向に移動して、チャックテーブル2と研削手段3とを水平方向において離間する。
さらに、厚み算出部80においては、第2差D2から第1差D1を差し引いた値が、被加工物Wの厚みの値として算出される。この値も、被加工物Wの研削加工中に、厚み算出部80において継続的に算出されている。
第2差D2が減少するのに伴って、第2差D2から第1差D1を差し引いた値として厚み算出部80において算出される被加工物Wの厚みの値も減少していく。そして、研削加工中に測定される被加工物Wの厚みが予め設定された所望の厚みになると、測定部移動手段7が保持面高さ測定部60及び上面高さ測定部62を上昇させるとともに、研削送り手段4が研削手段3を上昇させ、研削砥石340を被加工物Wから離間させる。こうして研削加工が終了する。
被加工物Wを研削加工して被加工物Wの厚みが予め設定された所望の厚みに達した時に、その研削終了時における研削砥石340の下面340bの高さを記憶部81に記憶する。記憶された研削終了時における研削砥石340の下面340bの高さの値は、電気信号として磨耗量算出部82に送信される。
これにより、第1接触子601aをサブチャックテーブル5の上面5aに接触させながら、第2接触子621aをチャックテーブル2の保持面20aに接触させて、保持面20aの高さとサブチャックテーブル5の上面5aの高さとの差である第1差D1を求めてから、被加工物Wを保持面20aに保持した状態において、再び、第1接触子601aをサブチャックテーブル5の上面5aに接触させながら、被加工物Wの上面Waに第2接触子621aを接触させて、被加工物Wの上面Waの高さとサブチャックテーブル5の上面5aの高さとの差である第2差D2を求め、第2差D2と第1差D1とを差し引くことによって、被加工物Wの厚みを測定できるようになる。
例えば、10mm以上の厚みを有するような被加工物Wにおいてもその厚みを測定することができるようになった。
また、研削装置1に備える記憶部81に、保持面20aに研削砥石340の下面340bが接触しているときの研削砥石340の下面340bの高さを記憶して、保持面20aに研削砥石340の下面340bが接触しているときの研削砥石340の下面340bの高さの値に被加工物の厚みを加算して、研削終了時の研削砥石340の下面340bの高さを差し引くことによって、研削砥石340の磨耗量を認識することができるようになった。
2:チャックテーブル 20:吸引部 20a:保持面 21:枠体
21a:枠体の上面 24:回転手段 240:駆動プーリ 241:駆動軸
242:モータ 243:伝動ベルト 244:従動プーリ 245:スピンドル
246:ロータリージョイント 25:回転軸 260:吸引源 261:エア供給源
262:水供給源 263a~263c:開閉バルブ 27:吸引路
28:水平移動手段 280:ボールネジ 281:ガイドレール
282:Y軸モータ 283:移動板 284:チャックテーブルベース
285:回転軸 286:支持柱
3:研削手段 30:スピンドル 31:ハウジング 32:スピンドルモータ
33:マウント 34:研削ホイール 340:研削砥石 340b:研削砥石の下面
341:ホイール基台 35:回転軸
4:研削送り手段 40:ボールネジ 41:ガイドレール 42:Z軸モータ
43:昇降板 44:ホルダ 45:回転軸
5:サブチャックテーブル 5a:サブチャックテーブルの上面 5b:ベアリング
60:保持面高さ測定部 600:第1シリンダ 601:第1ゲージ
601a:第1接触子 62:上面高さ測定部 620:第2シリンダ
621:第2ゲージ 621a:第2接触子
7:測定部移動手段 70:ボールネジ 71:ガイドレール 72:モータ
73:ベース 74:背板 75:回転軸 76:ナット
8:制御手段 80:厚み算出部
81:下面高さ認識部 810:スケール 811:読み取り部
82:磨耗量算出部 83:記憶部
W:被加工物 Wa:被加工物の上面
D1:第1差 D2:第2差
Claims (2)
- 保持面の上に被加工物を保持するチャックテーブルと、該保持面に保持された被加工物の上面を研削砥石の下面によって研削する研削手段と、該研削手段を該保持面に垂直な方向に研削送りする研削送り手段と、該保持面の高さを測定する保持面高さ測定部と、該保持面に保持された被加工物の上面の高さを測定する上面高さ測定部とを備える研削装置であって、
該チャックテーブルから水平方向に所定の距離離間した位置にサブチャックテーブルを備え、
該保持面高さ測定部は、先端に第1測定子を配置し少なくとも研削開始前の被加工物の厚さ分シリンダから突出する第1ゲージを備え、
該上面高さ測定部は、先端に第2測定子を配置しシリンダから突出する第2ゲージを備え、
該上面高さ測定部と該保持面高さ測定部とを配置したベースを該研削送り方向に移動させる測定部移動手段と、
該測定部移動手段によって該ベースを移動させて該上面高さ測定部と該保持面高さ測定部との各々の測定値を用いて被加工物の厚みを算出する厚み算出部とを備え、
該厚み算出部において、
該ベースを下降させることによって該保持面高さ測定部及び該上面高さ測定部を下降させ、該第2測定子が該保持面に接触した時の該第2シリンダからの該第2ゲージの突出量によって測定された該保持面の高さと該第1測定子が該サブチャックテーブルの上面に接触した時の該第1シリンダからの該第1ゲージの突出量によって測定された該サブチャックテーブルの上面の高さとの第1差と、
該ベースを下降させることによって該保持面高さ測定部及び該上面高さ測定部を下降させ、該第2測定子が該保持面に保持された被加工物の上面に接触した時の該第2シリンダからの該第2ゲージの突出量によって測定された該保持面に保持された被加工物の上面の高さと該第1測定子が該サブチャックテーブルの上面に接触した時の該第1シリンダからの該第1ゲージの突出量によって測定された該サブチャックテーブルの上面の高さとの第2差と、
該第2差から該第1差を差し引いて被加工物の厚みと、を算出する研削装置。 - 該保持面に接触させた該研削砥石の下面の高さを記憶する記憶部と、
該記憶部に記憶された値に、該厚み算出部により算出された研削終了時の被加工物の厚みを加算し、研削終了時の該研削砥石の高さ位置を差し引いて、該研削砥石の磨耗量を算出する磨耗量算出部と、を備える、請求項1記載の研削装置。
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