JP2023157205A - 研削装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】研削装置における研削砥石の残量を短時間で算出すること。
【解決手段】チャックテーブル10と、研削機構20と、移動機構30を備える研削装置1であって、研削ホイール25は、環状の基台251と、複数のセグメント砥石252とから構成され、投光部41と受光部42とからなる検知機構40と、受光部42の受光量によってセグメント砥石252の下面256を認識する砥石下面認識部51と、基台251の下面255を認識する基台下面認識部52と、セグメント砥石252の残量を算出する残量算出部53とを備え、残量算出部53は、砥石下面認識部51がセグメント砥石252の下面256を認識する研削機構20の第1位置h1と、基台下面認識部52が基台251の下面255を認識する研削機構20の第2位置h2との差Δhをセグメント砥石252の残量として算出する。
【選択図】図1
【解決手段】チャックテーブル10と、研削機構20と、移動機構30を備える研削装置1であって、研削ホイール25は、環状の基台251と、複数のセグメント砥石252とから構成され、投光部41と受光部42とからなる検知機構40と、受光部42の受光量によってセグメント砥石252の下面256を認識する砥石下面認識部51と、基台251の下面255を認識する基台下面認識部52と、セグメント砥石252の残量を算出する残量算出部53とを備え、残量算出部53は、砥石下面認識部51がセグメント砥石252の下面256を認識する研削機構20の第1位置h1と、基台下面認識部52が基台251の下面255を認識する研削機構20の第2位置h2との差Δhをセグメント砥石252の残量として算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、研削ホイールのセグメント砥石の残量を算出する残量算出部を備えた研削装置に関する。
研削砥石が研削加工によって一定量だけ摩耗すると、研削ホイールが新しいものと交換されるが、研削砥石の残量は、交換直後の研削ホイールの研削砥石の残量をノギスなどによって実測し、この交換直後の研削砥石の残量から、研削加工によって摩耗した研削砥石の摩耗量を差し引くことによって算出するようにしている。そして、算出された研削砥石の現在の残量が所定の値を下回ったときに研削ホイールを交換するようにしている。
しかしながら、上述のように研削ホイールの交換直後にノギスなどによって実測された研削砥石の残量と、研削砥石の実際の残量との間には誤差が生じ得るという問題がある。
そこで、特許文献1には、研削ホイールの基台の下面と研削砥石の下面が所定の位置に達したことが透過型フォトセンサなどによって光学的に検知されたタイミングで、研削機構の高さ位置を高さ測定手段によって実測し、それぞれのタイミングで実測された高さの差分を研削砥石の残量として算出する研削装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1において提案された研削装置においては、研削ホイールの基台の下面を検知する動作と、研削砥石の下面を検知する動作とを別々に行わなければならないため、研削砥石の残量の算出に時間を要するという問題がある。
したがって、研削装置には、研削砥石の残量を短時間で算出したいという課題がある。
本発明は、保持面で被加工物を保持するチャックテーブルと、該保持面に保持された被加工物をスピンドルに装着した研削ホイールに環状に配置した複数のセグメント砥石で研削する研削機構と、該研削機構を該保持面に垂直方向に移動させ該研削機構の高さ位置を認識する位置認識部を有する移動機構と、を備える研削装置であって、該研削ホイールは、該スピンドルの先端に連結したマウントに装着する環状の基台と、該基台の下面に隙間をあけて環状に配置する複数のセグメント砥石と、から構成され、該移動機構によって移動した該研削ホイールの該基台が進入可能に該基台の径方向に離間して対向配置する投光部と受光部とからなる検知機構と、該受光部の受光量によって該セグメント砥石の下面を認識する砥石下面認識部と、該受光部の受光量によって該基台の下面を認識する基台下面認識部と、該セグメント砥石の残量を算出する残量算出部と、を備え、該残量算出部は、該移動機構によって該研削機構を該検知機構に向かって下降させ、該砥石下面認識部が、回転する該研削ホイールの該セグメント砥石の下面を認識した際に該砥石下面認識部が認識する該研削機構の第1位置と、さらに、該研削機構を下降させ該基台下面認識部が、回転する該研削ホイールの該基台の下面を認識した際に該基台下面認識部が認識する該研削機構の第2位置と、の差を該セグメント砥石の残量として算出する研削装置である。
本発明によれば、研削機構を1回だけ下降させて研削ホイールのセグメント砥石の下面の高さ位置(第1位置)と基台の下面の高さ位置(第2位置)とを検知機構によってそれぞれ光学的に認識し、第1位置と第2位置との高さの差をセグメント砥石の残量として算出するようにしたため、セグメント砥石の残量を短時間で正確に求めることができる。
(研削装置の構成)
図1に示す研削装置1は、被加工物である円板状のウェーハ100を研削加工するものであって、上面の円形の保持面11でウェーハ100を保持するチャックテーブル10と、チャックテーブル10の保持面11に吸引保持されたウェーハ100を研削加工する研削機構20と、研削機構20をチャックテーブル10の保持面11に垂直な方向(Z軸方向)に移動(昇降動)させる移動機構30と、研削機構20の研削ホイール25における基台251の下面255(図3参照)とセグメント砥石252の下面256(図3参照)とを光学的に検知する検知機構40と、検知機構40によって検知されたセグメント砥石252の下面256の位置(第1位置)と基台251の下面255の位置(第2位置)とからセグメント砥石252の残量を算出する制御部50とを備えている。
図1に示す研削装置1は、被加工物である円板状のウェーハ100を研削加工するものであって、上面の円形の保持面11でウェーハ100を保持するチャックテーブル10と、チャックテーブル10の保持面11に吸引保持されたウェーハ100を研削加工する研削機構20と、研削機構20をチャックテーブル10の保持面11に垂直な方向(Z軸方向)に移動(昇降動)させる移動機構30と、研削機構20の研削ホイール25における基台251の下面255(図3参照)とセグメント砥石252の下面256(図3参照)とを光学的に検知する検知機構40と、検知機構40によって検知されたセグメント砥石252の下面256の位置(第1位置)と基台251の下面255の位置(第2位置)とからセグメント砥石252の残量を算出する制御部50とを備えている。
ここで、ウェーハ100は、単結晶のシリコン母材で構成されており、図1に示す状態において下方を向いている表面には、複数の不図示のデバイスが形成されており、これらのデバイスは、ウェーハ100の表面に貼着された不図示の保護テープによって保護されている。そして、ウェーハ100は、その表面(図1においては下面)がチャックテーブル10の保持面11に吸引保持され、裏面(図1においては上面)が研削機構20のセグメント砥石252によって研削加工される。
チャックテーブル10は、円板状の部材であって、その中央部に形成された円形の凹部12には、多孔質のセラミックなどで構成された円板状のポーラス部材13が組み込まれている。ここで、ポーラス部材13は、その上面が円板状のウェーハ100を吸引保持する保持面11を構成している。なお、図示しないが、ポーラス部材13は、真空ポンプなどの不図示の吸引源に接続されている。
なお、チャックテーブル10は、該チャックテーブル10の下方に縦置き状態で配置された駆動源である不図示のモータによって軸中心周りにXY平面(水平面)上を所定の速度で回転駆動される。
ここで、本実施の形態に係る研削装置1は、図1に示すように、Y軸方向(前後方向)に長い矩形ボックス状のベース2を備えており、このベース2の内部には、矩形ブロック状の内部ベース3が収容されている。そして、この内部ベース3上には、チャックテーブル10をY軸方向(前後方向)に沿って移動させるための水平移動機構60が設けられている。この水平移動機構60は、ブロック状のスライダ61を備えており、このスライダ61は、Y軸方向(前後方向)に沿って互いに平行に配置された左右一対のガイドレール62に沿ってY軸方向に摺動可能である。したがって、このスライダ61に支持されたチャックテーブル10と不図示のモータなどは、スライダ61と共にY軸方向に沿って摺動可能である。
そして、内部ベース3上の左右一対のガイドレール62の間には、Y軸方向(前後方向)に延びる回転可能なボールネジ軸63が配設されており、ボールネジ軸63のY軸方向一端(図1の左端)は、駆動源である正逆転可能なモータ64に連結されている。また、ボールネジ軸63のY軸方向他端(図1の右端)は、内部ベース3上に立設された軸受65によって回転可能に支持されている。そして、このボールネジ軸63には、スライダ61から下方に向かって突設された不図示のナット部材が螺合挿通している。
したがって、モータ64を正逆転させてボールネジ軸63を正逆転させると、このボールネジ軸63に螺合挿通する不図示のナット部材がスライダ61と共にボールネジ軸63に沿ってY軸方向(前後方向)に摺動するため、このスライダ61と共にチャックテーブル10もY軸方向に沿って一体的に移動する。この結果、チャックテーブル10の保持面11に吸引保持された被加工物であるウェーハ100もY軸方向に沿って移動する。
また、図1に示すように、ベース2の上面には、Y軸方向に長い矩形の開口部4が形成されており、この開口部4にはチャックテーブル10が収容されている。そして、ベース2の上面に開口する開口部4のチャックテーブル10の周囲は、矩形プレート状のカバー5によって覆われており、開口部4のカバー5の前後(-Y方向と+Y方向)の部分は、カバー5と共に移動して伸縮する蛇腹状の伸縮カバー6,7によってそれぞれ覆われている。したがって、チャックテーブル10がY軸方向に移動し、このチャックテーブル10がどの位置にあっても、ベース2の開口部4は、カバー5と伸縮カバー6,7によって常に覆われているため、ベース2内への異物の侵入がカバー5と伸縮カバー6,7によって確実に防がれる。
また、図1に示すように、ベース2の上面の+Y軸方向端部(後端部)上には、矩形ボックス状のコラム8が垂直に立設されており、このコラム8の-Y軸方向端面(前面)には、研削機構20をZ軸方向(上下方向)に沿って昇降動させる移動機構30が設けられている。
研削機構20は、Z軸方向の回転中心軸を有するスピンドル21と、該スピンドル21を回転可能に支持するハウジング22と、スピンドル21を回転駆動するスピンドルモータ23と、スピンドル21の下端に接続されたマウント24と、該マウント24の下面に着脱可能に装着された研削ホイール25とを備えている。ここで、研削ホイール25は、基台251と、該基台251の下面に円環状に配列された略直方体状の複数のセグメント砥石252とを備えている。なお、各セグメント砥石252は、ウェーハ100を研削するための加工具であって、その下面256(図3参照)は、ウェーハ100に接触する研削面を構成している。
ここで、複数のセグメント砥石252の配列状態を図2に示すが、図2に示す例では、周方向長さ253の36個のセグメント砥石252が周方向に等角度ピッチ(10°ピッチ)で円環状に配列されており、隣接する2つのセグメント砥石252の間には周方向隙間254がそれぞれ形成されている。なお、セグメント砥石252の数は、36個に限定される訳ではなく任意である。
移動機構30は、研削機構20をチャックテーブル10の保持面11に対して垂直な方向(Z軸方向)に沿って昇降動させるものであって、矩形プレート状の昇降板31及びハウジング22を支持するホルダ26を、ハウジング22及び該ハウジング22に保持されたスピンドル21やスピンドルモータ23、研削ホイール25などと共に左右一対のガイドレール32に沿ってZ軸方向に昇降動させるものである。ここで、左右一対のガイドレール32は、コラム8の前面に垂直且つ互いに平行に配設されており、これらのガイドレール32には、上下方向に沿うガイド溝321(図1には一方のみ図示)がそれぞれ形成されている。
また、昇降板31の左右一対のガイドレール32のガイド溝321に対応する箇所の上下には、不図示の係合突起がそれぞれ後方(+Y軸方向)に向かって突設されており、これらの係合突起は、左右一対の各ガイドレール32にそれぞれ形成されたガイド溝321に係合している。
そして、図1に示すように、左右一対のガイドレール32の間には、回転可能なボールネジ軸33がZ軸方向に沿って垂直に立設されており、該ボールネジ軸33の上端は、駆動源である正逆転可能なモータ34に連結されている。ここで、モータ34は、コラム8の上面に取り付けられた矩形プレート状のブラケット35を介して縦置き状態で取り付けられている。このモータ34には、該モータ34の回転角度を検出するエンコーダ36が設けられており、このエンコーダ36とモータ34は、制御部50に電気的に接続されている。
また、ボールネジ軸33の下端は、軸受37によってコラム8に回転可能に支持されている。なお、ボールネジ軸33には、昇降板31の背面に後方(+Y軸方向)に向かって水平に突設された不図示のナット部材が螺合挿通している。
さらに、図1に示すように、一方のガイドレール32の前面(-Y軸方向の面)には、スケール70が固設されており、昇降板31の+X軸方向側の側面には、研削機構20(研削ホイール25)の高さ位置を測定する読み取り部71が取り付けられている。この読み取り部71は、例えば、スケール70に刻設された目盛の値を光学的に読み取る認識機構などを備えており、スケール70の目盛を光学的に認識することによって研削機構20の研削ホイール25の基台251やセグメント砥石252の高さ位置を認識することができる。なお、読み取り部71は、制御部50に電気的に接続されている。
なお、スケール70,読み取り部71を備えない場合には、制御部50は、エンコーダ36の回転角度を検知して(目盛を光学的に認識することによって)研削機構20の研削ホイール25の基台251やセグメント砥石252の高さ位置を認識する。
なお、スケール70,読み取り部71を備えない場合には、制御部50は、エンコーダ36の回転角度を検知して(目盛を光学的に認識することによって)研削機構20の研削ホイール25の基台251やセグメント砥石252の高さ位置を認識する。
検知機構40は、研削ホイール25に設けられた基台251の下面255(図3参照)とセグメント砥石252の下面256(図3参照)の各位置を光学的に検知する透過型フォトセンサ(フォトインタラプタ)で構成されており、図1に示すように、チャックテーブル10の周囲に設けられたカバー4に取り付けられている。この検知機構40は、図2および図3に示すように、研削ホイール25の径方向に対向して配置された投光部(発光素子)41と受光部(受光素子)42を備えており、投光部41から受光部42に向けて出射する光411を受光部42が受光すると受光量に応じた電圧を発生するものである。ここで、投光部41は、研削ホイール25の径方向内側に配置されており、この投光部41と径方向外側に配置された受光部42との間には、セグメント砥石252が進入可能な凹状の隙間43が形成されている。
前記制御部50は、図1に示す研削機構20のスピンドルモータ23や移動機構30のモータ34の駆動を制御するとともに、検知機構40の受光部42の受光量(出力電圧値)によってセグメント砥石252の残量を算出する機能を有するものである。具体的には、この制御部50には、図1に示すように、検知機構40の受光部42の受光量(出力電圧値)によってセグメント砥石252の下面256(図3参照)の高さ位置(研削機構20の第1位置)を認識する砥石下面認識部51と、検知機構40の受光部42の受光量(出力電圧値)によって基台251の下面255(図3参照)の高さ位置(研削機構20の第2位置)を認識する基台下面認識部52と、研削機構20の第1位置と第2位置との差をセグメント砥石252の残量として算出する残量算出部53が設けられている。
(研削装置の作用)
次に、以上のように構成された研削装置1によるウェーハ100の研削加工について説明する。
次に、以上のように構成された研削装置1によるウェーハ100の研削加工について説明する。
ウェーハ100を研削加工する際には、該ウェーハ100をチャックテーブル10の保持面11上に表面を下にして載置する。そして、チャックテーブル10のポーラス部材13に接続されている不図示の吸引源を駆動してポーラス部材13を真空引きする。すると、ポーラス部材13に負圧が発生し、ポーラス部材13の上面(保持面11)上に載置されているウェーハ100が負圧によって保持面11上に吸引保持される。
上記状態から水平移動機構60を駆動してチャックテーブル10を+Y軸方向(後方)に移動させ、該チャックテーブル10に吸引保持されているウェーハ100を研削機構20の研削ホイール25の下方に位置決めする。すなわち、モータ64が起動されてボールネジ軸63が回転すると、このボールネジ軸63に螺合挿通する不図示のナット部材が取り付けられたスライダ61がチャックテーブル10などと共に左右一対のガイドレール62に沿って+Y軸方向に摺動するため、チャックテーブル10の保持面11に保持されているウェーハ100が研削機構20の研削ホイール25の下方に位置決めされる。なお、このとき、セグメント砥石252の下面(加工面)255(図3参照)がウェーハ100の中心を通るように両者の水平位置関係が調整される。
また、不図示のモータを駆動してチャックテーブル10を回転させ、該チャックテーブル10の保持面11に保持されているウェーハ100を回転させるとともに、スピンドルモータ23を駆動して研削ホイール25を回転させておく。
上述のように、ウェーハ100と研削ホイール25が回転している状態で、移動機構30を駆動して研削ホイール25を-Z軸方向に下降させる。すなわち、モータ34が駆動されてボールネジ軸33が回転すると、このボールネジ軸33に螺合挿通する不図示のナット部材が設けられた昇降板31がハウジング22や研削ホイール25などと共に-Z軸方向に下降する。すると、研削ホイール25のセグメント砥石252の下面(加工面)256(図3参照)がウェーハ100の上面(裏面)に接触する。このように、セグメント砥石252の下面256がウェーハ100の上面に接触している状態から、研削ホイール25をさらに-Z軸方向に所定量だけ下降させると、ウェーハ100の上面がセグメント砥石252によって所定量だけ研削される。
以上のウェーハ100の研削加工によって研削ホイール25のセグメント砥石252が摩耗し、その残量が次第に少なくなるが、この残量が所定値を超えて小さくなると研削ホイール25が新しいものと交換される。本実施の形態においては、セグメント砥石252の残量を、検知機構40によって光学的に検知されるセグメント砥石252の下面256の高さ位置(第1位置)と基台251の下面255の高さ位置(第2位置)とから算出するようにしているが、以下、このセグメント砥石252の残量の算出方法について説明する。
(セグメント砥石の残量の算出方法)
図4に研削機構20の高さ位置hと検知機構40の出力電圧Vとの関係を示すが、この図4は、研削ホイール25を下降させてセグメント砥石252や基台251が検知機構40の投光部41と受光部42との間の隙間43に進入していくときに受光部42が受光する光量に対応する出力電圧Vの変化を示しており、この場合、出力電圧Vは、研削ホイール25が1回転するときの出力電圧値の総和(積分値)で表している。
図4に研削機構20の高さ位置hと検知機構40の出力電圧Vとの関係を示すが、この図4は、研削ホイール25を下降させてセグメント砥石252や基台251が検知機構40の投光部41と受光部42との間の隙間43に進入していくときに受光部42が受光する光量に対応する出力電圧Vの変化を示しており、この場合、出力電圧Vは、研削ホイール25が1回転するときの出力電圧値の総和(積分値)で表している。
研削ホイール25を下降させた場合、セグメント砥石252が検知機構40の投光部41と受光部42との間の隙間43に進入する前の状態では、投光部41から出射する光411の全てが受光部42によって受光されるため、該受光部42による受光量は最大となり、検知機構40の出力電圧Vは、図4に示す最大値Vmaxを示す。なお、受光部42が受光する光411には反射光が含まれるが、この反射光を含まない直射光を受光部42が受光する場合の出力電圧値Vsは、図4に示すように最大値Vmaxよりも幾分低い値を示す。
そして、研削ホイール25がさらに下降し、図3(a)に示すように、セグメント砥石252の一部が検知機構40の投光部41と受光部42との間の隙間43に進入すると、投光部41から出射する光411は、回転するセグメント砥石252によって間欠的に遮断され、受光部42には光411が断続的に到達して受光される。このため、検知機構40からの出力電圧Vは、研削ホイール25の下降(研削機構20の高さ位置hの増加)と共に直線的に低下する。
ここで、図3(a)に示すように、セグメント砥石252の下面256が検知機構30によって光学的に検知されたとき、つまり、研削機構20の高さ位置hが図4に示すh1に達し、その時の出力電圧Vが図示のa点においてV1を示し、セグメント砥石252の下面256が検知機構40によって光学的に検知されると、その旨の信号が検知機構40から制御部50に送信される。すると、制御部50の砥石下面認識部51は、信号を受信したタイミングにおいて読み取り部71によってスケール70から読み取られた研削機構20の高さ位置h1をセグメント砥石252の下面256の高さ位置(第1位置)として認識する。
その後、研削ホイール25がさらに下降し、図3(b)に示すように、基台251の一部が検知機構40の投光部41と受光部42との間の隙間43に進入すると、投光部41から出射する光411は、基台251によって完全に遮断され、受光部42の受光量は0となり、図4に示すように、検知機構40の出力電圧Vも図示の点bにおいて0となる。つまり、研削機構20の高さ位置hが図4に示すh2に達した図3(b)に示す状態のとき、基台251の下面255が検知機構40によって光学的に検知され、その旨の信号が検知機構40から制御部50に送信される。すると、制御部50の基台下面認識部52は、信号を受信したタイミングにおいて読み取り部71によってスケール70から読み取られた研削機構20の高さ位置h2を基台251の下面255の高さ位置(第2位置)として認識する。
上述のように、制御部50の砥石下面認識部51によってセグメント砥石252の下面256の高さ位置(第1位置)h1が認識され、基台下面認識部52によって基台251の下面255の高さ位置(第2位置)h2が認識されると、制御部50に設けられた残量算出部53は、第1位置h1と第2位置h2との差分Δh(=h2-h1)をセグメント砥石252の残量として算出する。
(本発明の効果)
以上のように、本発明に係る研削装置1においては、研削機構20を1回だけ下降させて研削ホイール25のセグメント砥石252の下面256の高さ位置(第1位置)h1と基台251の下面255の高さ位置(第2位置)h2を検知機構40によってそれぞれ光学的に認識し、これらの高さ位置h1とh2の差Δh(=h2-h1)をセグメント砥石252の残量として算出するようにしたため、セグメント砥石252の残量を短時間で正確に求めることができるという効果が得られる。
以上のように、本発明に係る研削装置1においては、研削機構20を1回だけ下降させて研削ホイール25のセグメント砥石252の下面256の高さ位置(第1位置)h1と基台251の下面255の高さ位置(第2位置)h2を検知機構40によってそれぞれ光学的に認識し、これらの高さ位置h1とh2の差Δh(=h2-h1)をセグメント砥石252の残量として算出するようにしたため、セグメント砥石252の残量を短時間で正確に求めることができるという効果が得られる。
なお、以上は、本発明をウェーハの研削装置に対して適用した形態について説明したが、本発明は、ウェーハ以外の他の任意の被加工物の研削加工を行う研削装置もその適用対象に含むものである。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
1:研削装置、2:ベース、3:内部ベース、4:ベースの開口部、5:カバー、
6,7:伸縮カバー、8:コラム
10:チャックテーブル、11:チャックテーブルの保持面、
12:チャックテーブルの凹部、13:ポーラス部材、
20:研削機構、21:スピンドル、22:ハウジング、23:スピンドルモータ、
24:マウント、25:研削ホイール、251:基台、255:基台の下面、
252:セグメント砥石、256:セグメント砥石の下面、
30:移動機構、31:昇降板、32:ガイドレール、321:ガイド溝、
33:ボールネジ軸、34:モータ、35:ブラケット、36:エンコーダ、
37:軸受け、40:検知機構、41:投光部、42、受光部、43:隙間、
50:制御部、51:砥石下面認識部、52:基台下面認識部、53:残量算出部、
60:水平移動機構、61:スライダ、62:ガイドレール、
63:ボールネジ軸、64:モータ、65:軸受
70:スケール、71:読み取り部、100:ウェーハ(被加工物)、
411:光、h:研削機構の高さ位置、h1:第1位置、h2:第2位置、
Δh:セグメント砥石の残量、V,V1:出力電圧、Vmax:最大出力電圧、
Vs:標準出力電圧、253:セグメント砥石の周方向長さ、254:セグメント砥石の間の隙間
6,7:伸縮カバー、8:コラム
10:チャックテーブル、11:チャックテーブルの保持面、
12:チャックテーブルの凹部、13:ポーラス部材、
20:研削機構、21:スピンドル、22:ハウジング、23:スピンドルモータ、
24:マウント、25:研削ホイール、251:基台、255:基台の下面、
252:セグメント砥石、256:セグメント砥石の下面、
30:移動機構、31:昇降板、32:ガイドレール、321:ガイド溝、
33:ボールネジ軸、34:モータ、35:ブラケット、36:エンコーダ、
37:軸受け、40:検知機構、41:投光部、42、受光部、43:隙間、
50:制御部、51:砥石下面認識部、52:基台下面認識部、53:残量算出部、
60:水平移動機構、61:スライダ、62:ガイドレール、
63:ボールネジ軸、64:モータ、65:軸受
70:スケール、71:読み取り部、100:ウェーハ(被加工物)、
411:光、h:研削機構の高さ位置、h1:第1位置、h2:第2位置、
Δh:セグメント砥石の残量、V,V1:出力電圧、Vmax:最大出力電圧、
Vs:標準出力電圧、253:セグメント砥石の周方向長さ、254:セグメント砥石の間の隙間
Claims (1)
- 保持面で被加工物を保持するチャックテーブルと、
該保持面に保持された被加工物をスピンドルに装着した研削ホイールに環状に配置した複数のセグメント砥石で研削する研削機構と、
該研削機構を該保持面に垂直方向に移動させ該研削機構の高さ位置を認識する位置認識部を有する移動機構と、
を備える研削装置であって、
該研削ホイールは、該スピンドルの先端に連結したマウントに装着する環状の基台と、該基台の下面に隙間をあけて環状に配置する複数のセグメント砥石と、から構成され、
該移動機構によって移動した該研削ホイールの該基台が進入可能に該基台の径方向に離間して対向配置する投光部と受光部とからなる検知機構と、該受光部の受光量によって該セグメント砥石の下面を認識する砥石下面認識部と、該受光部の受光量によって該基台の下面を認識する基台下面認識部と、該セグメント砥石の残量を算出する残量算出部と、を備え、
該残量算出部は、該移動機構によって該研削機構を該検知機構に向かって下降させ、該砥石下面認識部が回転する該研削ホイールの該セグメント砥石の下面を認識した際に該砥石下面認識部が認識する該研削機構の第1位置と、さらに、該研削機構を下降させ該基台下面認識部が、回転する該研削ホイールの該基台の下面を認識した際に該基台下面認識部が認識する該研削機構の第2位置と、の差を該セグメント砥石の残量として算出する、研削装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022066958A JP2023157205A (ja) | 2022-04-14 | 2022-04-14 | 研削装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022066958A JP2023157205A (ja) | 2022-04-14 | 2022-04-14 | 研削装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023157205A true JP2023157205A (ja) | 2023-10-26 |
Family
ID=88469265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022066958A Pending JP2023157205A (ja) | 2022-04-14 | 2022-04-14 | 研削装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023157205A (ja) |
-
2022
- 2022-04-14 JP JP2022066958A patent/JP2023157205A/ja active Pending
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