JP7363523B2 - 梁端部補強構造 - Google Patents

梁端部補強構造 Download PDF

Info

Publication number
JP7363523B2
JP7363523B2 JP2020010663A JP2020010663A JP7363523B2 JP 7363523 B2 JP7363523 B2 JP 7363523B2 JP 2020010663 A JP2020010663 A JP 2020010663A JP 2020010663 A JP2020010663 A JP 2020010663A JP 7363523 B2 JP7363523 B2 JP 7363523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
existing
shaft
column
reinforced
reinforcement structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020010663A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021116600A (ja
Inventor
健 神山
雅一 塚田
浩幸 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui House Ltd
Original Assignee
Sekisui House Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui House Ltd filed Critical Sekisui House Ltd
Priority to JP2020010663A priority Critical patent/JP7363523B2/ja
Publication of JP2021116600A publication Critical patent/JP2021116600A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7363523B2 publication Critical patent/JP7363523B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、既存建築物の既存梁の長手方向端部を支持する軸柱を撤去する場合に、当該既存梁を補強するための梁端部補強構造に関する。
住宅等の既存建築物をリフォームして、外壁に設けられている掃き出し窓等の開口部の幅を広げたい場合がある。既存建築物の外壁が、鉛直方向に立設されて上方からの荷重を支持する複数の軸柱と、隣り合う軸柱の間に施工されて風や地震等の水平力に抵抗する耐力壁とによって構成されている場合、通常、外壁に設けられる開口部は、隣り合う軸柱の間で、耐力壁が施工される代わりに窓のサッシ等が施工されて設けられ、開口部の幅は、隣り合う軸柱の間に収まる幅となっている。従って、既存建築物をリフォームして外壁に隣り合う軸柱間の距離よりも幅の広い開口部を設けたい場合には、設ける予定の開口部の中間部に位置している邪魔になる軸柱が撤去されることになる。しかし、軸柱は上方からの荷重を支持する構造柱であるので、軸柱を撤去すると、その軸柱が支持していた既存梁の強度が低下してしまうので、当該既存梁を補強する必要がある。既存建築物に設けられている既存梁を補強するための技術が、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されている。
特開2008-190169号公報 特開2015-55034号公報
上述のように、リフォームによって既存建築物の外壁の開口部の幅を広げたい場合等に、外壁を構成している軸柱を撤去したい場合がある。軸柱を撤去すると、その軸柱が支持していた既存梁の補強が必要になるが、撤去の対象となる軸柱が外壁を構成する軸柱であり、補強の対象となる既存梁が、撤去される軸柱を含む外壁面に対して直交するように設けられている場合、撤去される軸柱は、補強の対象となる既存梁の長手方向端部を支持していた軸柱ということになる。このような場合には、既存梁の長手方向端部を補強する必要がある。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のような従来の既存梁を補強するための技術は、補強の対象となる既存梁が架け渡されている一対の既存柱の間の距離と略等しい長さの補助梁を用いて、補助梁を既存梁と同方向に既存梁の下面に沿わせるように設けることで既存梁を補強するというものであった。
従って、従来技術においては、補強の対象となる既存梁は、対向する一対の既存柱の間に架け渡されている必要があり、既存梁の長手方向中間部を支持していた既存中間柱を撤去することで補強の対象となった既存梁を補強するような場合に適用されるものであって、既存梁の長手方向端部を支持していた軸柱を撤去したような場合の補強には適用することができなかった。そのため、既存建築物の既存梁の設けられ方等によっては、要望されるリフォームに対応できない場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、既存建築物の既存梁の長手方向端部を支持する軸柱を撤去した場合に、当該既存梁を補強することができる梁端部補強構造を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る梁端部補強構造は、耐力壁を既存軸柱の間に設けて外壁を構成し、前記既存軸柱が既存梁の長手方向の端部を前記外壁の外壁面に対して直交するように支持し、前記既存梁のうち補強の対象となる被補強既存梁の両側には平行な前記既存梁を有し、前記被補強既存梁の長手方向の端部を支持している被撤去軸柱の両側には当該被撤去軸柱に平行な前記既存軸柱を有する、既存建築物において、両端を前記両側の既存軸柱に固定された梁状補強部材によって前記被補強既存梁の長手方向の端部を支持することを特徴とする。
好ましくは、本発明に係る梁端部補強構造は、前記梁状補強部材の長手方向端部が位置する前記既存軸柱に隣接して受柱が設けられることを特徴とする。
好ましくは、前記梁端部補強構造は、前記外壁面を構成し前記被撤去軸柱の両側の2つの平行な前記既存軸柱と、前記梁状補強部材とによって形成される枠の内側に開口部が設けられることを特徴とする。
好ましくは、本発明に係る梁端部補強構造は、前記開口部の屋外側に増築部が設けられることを特徴とする。
本発明に係る梁端部補強構造は、既存建築物に設けられている既存梁のうち補強の対象となる被補強既存梁と、前記被補強既存梁を補強するための梁状補強部材と、を備え、前記被補強既存梁は、前記被補強既存梁の長手方向端部を支持していた被撤去軸柱を撤去したことによって補強の対象となったものであり、前記被補強既存梁は、前記被補強既存梁と平行な2つの前記既存梁の間に位置しており、前記梁状補強部材は、前記被補強既存梁の下方で前記被補強既存梁に直交するように前記2つの既存梁の間に架け渡されて、前記被補強既存梁の前記長手方向端部を下方から支持することを特徴とするので、従来では、既存建築物の被補強既存梁を補強する場合には、被補強既存梁を支持している一対の軸柱の間に補助梁を被補強既存梁の下面に沿わせるように設ける必要があったため、既存建築物のリフォームの際に、撤去したい被撤去軸柱が既存梁の長手方向端部を支持する軸柱であるような場合には、その被撤去軸柱を撤去することによって補強が必要となる被補強既存梁を補強することができないので、被撤去軸柱を撤去することができなかったが、本発明に係る梁端部補強構造によると、このような場合でも被補強既存梁を補強することができるので、被補強既存梁の長手方向端部を支持している被撤去軸柱を撤去することができる。従って、本発明に係る梁端部補強構造によって、従来よりも既存建築物に施すことのできるリフォームの幅を広げることができる。
好ましくは、本発明に係る梁端部補強構造は、前記梁状補強部材の長手方向端部が位置する前記既存軸柱に隣接して受柱が設けられることを特徴とするので、梁状補強部材の両端が受柱によって受けられて、より強固に梁状補強部材によって被補強既存梁を支持することができる。
好ましくは、本発明に係る梁端部補強構造は、前記外壁面に立設されている前記2つの既存梁の長手方向端部をそれぞれ支持している2つの軸柱と、前記梁状補強部材とによって形成される枠の内側に開口部が設けられることを特徴とするので、本発明に係る梁端部補強構造によって、既存建築物の外壁面に設けられていた既存の開口部よりも幅の大きな開口部を外壁面に設けることができる。
好ましくは、本発明に係る梁端部補強構造は、前記開口部の屋外側に増築部が設けられることを特徴とするので、既存建築物の室内空間と増築部とが、本発明に係る梁端部補強構造によって外壁面に設けられた開口部を介して接続され、リフォームによって既存建築物の室内空間と増築部との間に柱や壁等が設けられることなく一体となった開放的な大空間を形成することができる。
本発明の一実施形態に係る梁端部補強構造を示す概略部分斜視図。 図1で梁端部補強構造が適用される前の既存建築物の様子を示す概略部分斜視図。 本発明の一実施形態に係る梁端部補強構造が適用される前の既存建築物の外壁部分の様子を示す概略部分図。(a)は平面図。(b)は正面図。 図3の既存建築物の外壁部分に梁端部補強構造が適用された様子を示す概略部分図。(a)は平面図。(b)は正面図。 本発明の一実施形態に係る梁端部補強構造によって既存建築物の外壁面に設けられた開口部の屋外側に増築部が設けられる様子を示す概略部分平面図。(a)は増築部が設けられる前の様子を示す図。(b)は増築部が設けられた後の様子を示す図。
本発明に係る梁端部補強構造の一実施形態について、以下、図面を参照しつつ説明する。ただし、以下はあくまで本発明の一実施形態を例示的に示すものであり、本発明の範囲は以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の一実施形態に係る梁端部補強構造1は、図1及び図2に示すように、既存建築物10に設けられている既存梁2のうち補強の対象となる被補強既存梁3と、被補強既存梁3を補強するための梁状補強部材4と、を備え、被撤去既存梁3は、被補強既存梁3の長手方向端部を支持していた被撤去軸柱6が撤去されたことによって補強の対象となったものであり、被補強既存梁3は、被補強既存梁3と平行な2つの既存梁2の間に位置しており、梁状補強部材4は、被補強既存梁3の下方で被補強既存梁3に直交するように被補強既存梁3を挟んでいる平行な2つの既存梁2の間に架け渡されて、被撤去軸柱6が支持していた被補強既存梁3の長手方向端部を下方から支持する。梁状補強部材4の長手方向両端部には、梁状補強部材4を支持する受柱7が設けられてもよい。
既存梁2と軸柱5とを軸組とする住宅等の既存建築物10をリフォームする際、既存梁2を支持する軸柱5を撤去したい場合がある。この撤去される軸柱5である被撤去軸柱6を撤去すると、被撤去軸柱6がそれまで支持していた既存梁2の被撤去軸柱6による支持が無くなるので、既存梁2を補強する必要が生じる場合がある。この被撤去軸柱6が撤去されることによって補強の必要の生じた既存梁2が被補強既存梁3である。本実施形態に係る梁端部補強構造1は、被補強既存梁3の長手方向端部を支持していた被撤去軸柱6が撤去された場合に、被補強既存梁3を補強するために用いられる。
本実施形態に係る梁端部補強構造1は、図3及び図4に示すように、既存建築物10の外壁11をリフォームして大きな開口部を設けたい場合に好適に用いられる。外壁11は、既存建築物10の屋外と屋内とを区画する既存建築物10の外周を囲う壁であり、複数の平面状の外壁面12から構成されている。各外壁面12は、互いに間隔を空けて立設された複数の軸柱5の間に耐力壁13が設けられて構成されている。外壁面12には、屋内への採光のための窓や人が出入りするための掃き出し窓等の開口部が設けられることがあるが、外壁面12の水平方向には既存建築物10の軸組となる複数の軸柱5が立設されているので、外壁面12に開口部が設けられる場合は、隣り合う軸柱5の間に耐力壁13の代わりに設けられることになる。従って、既存建築物10の外壁面12の既存開口部14の幅は、最大でも隣り合う軸柱5の間の距離となっている。
外壁面12に大きな開口部を設けることによって、室内空間への採光や通風、眺望が向上し、室内空間の快適性や居心地の良さを向上させることができる。そのため、既存建築物10をリフォームして、外壁面12に既存開口部14よりも幅の大きな開口部15を設けたい場合がある。しかしその場合、開口部15の幅の方が、外壁面12に設けられている隣り合う軸柱5の間の距離よりも大きく、設けようとする開口部15の水平方向中間部の位置には邪魔な軸柱5が存在していることになるので、リフォームによって外壁面12に開口部15を設けるためには、邪魔な軸柱5と、その軸柱5に付随して外壁面12を形成している耐力壁13とを撤去する必要がある。軸柱5と既存梁2とは既存建築物10の軸組で、軸柱5の上には既存梁2が水平方向に架け渡されており、既存梁2は、互いに平行にまたは互いに直交する方向に配設されている。既存梁2が、開口部15が設けられる外壁面12に垂直な方向に配設されている場合、その開口部15が設けられる外壁面12に立設されている各軸柱5には、それぞれ既存梁2が互いに平行に配設されており、各既存梁2の長手方向端部を支持する柱となっている。このように開口部15を設けようとする外壁面12に既存梁2が垂直な方向に設けられている場合、開口部15を設けるために撤去される被撤去軸柱6も外壁面12に位置して既存梁2の長手方向端部を支持しており、被撤去軸柱6が撤去されると、被撤去軸柱6による既存梁2の長手方向端部の支持が無くなる。そのため、被撤去軸柱6を撤去してそのまま開口部15を設けると、開口部15の水平方向中間部の上方に位置している被撤去軸柱6による支持を無くした既存梁2の長手方向端部によって、開口部15に設けられる窓枠や障子等の建具に荷重が掛けられて建具が破損したりするような虞があるので、被撤去軸柱6を撤去した後、被撤去軸柱6が支持していた既存梁2を補強する必要が生じる。この補強の必要が生じた既存梁2が被補強既存梁3であり、本実施形態に係る梁端部補強構造1によって補強することができる。
本実施形態に係る梁端部補強構造1は、断面略一定形状の長手状部材である梁状補強部材4を、被補強既存梁3の下方から被補強既存梁3に直交させるようにして、被補強既存梁3の左右に位置する被補強既存梁3に平行な既存梁2の間に架け渡すように設けることで、梁状補強部材4によって、被補強既存梁3の被撤去軸柱6が支持していた箇所を下方から支持するようにして、被補強既存梁3を補強するようになっている。本実施形態では、複数の互いに平行な既存梁2が、開口部15が設けられる外壁面12を構成する複数の軸柱5と1対1で対応するように、外壁面12に対して直交する方向に配設されており、各既存梁2の長手方向端部が外壁面12の各軸柱5に支持されている。この外壁面12の複数の軸柱5のうち撤去される被撤去軸柱6は、外壁面12に設けられる開口部15の水平方向中間部に位置する軸柱なので、被撤去軸柱6が撤去された後も、外壁面12には被撤去軸柱6が撤去された位置の左右に軸柱5が存在しており、外壁面12の各軸柱5には互いに平行な既存梁2が1つずつ配設されているので、被撤去軸柱6が撤去されて補強の対象となった被補強既存梁3の左右には被補強既存梁3に平行な既存梁2が存在している。そのため、外壁面12の被撤去軸柱6を撤去して開口部15を設ける場合の被補強既存梁3を補強するために梁端部補強構造1を適用できる。
このような開口部15を設けるために外壁面12の被撤去軸柱6が撤去された際の被補強既存梁3を補強するために梁端部補強構造1が適用される場合、梁状補強部材4は、被撤去軸柱6が位置していた箇所を支持するように設けられるので、外壁面12に沿って設けられる。梁状補強部材4は、被補強既存梁3の左右の既存梁2に架け渡されるが、外壁面12の既存梁2の梁状補強部材4が架け渡される位置には、軸柱5が存在している。梁状補強部材4の長手方向端部を支持する受柱7を設ける場合には、受柱7は軸柱5に添えるように設けるようにする。梁端部補強構造1によって、外壁面12に、上辺を梁状補強部材4として、左右の辺を軸柱5または受柱7とする略矩形の枠8が形成されて、枠8の内側に開口部15を設けることができる。従って、開口部15の幅を、被撤去軸柱6の左右に設けられた軸柱5または軸柱5に添えて設けられた受柱7の間の距離と略等しい幅にでき、既存開口部14より幅を広くすることができる。また、開口部15の上部は、梁状補強部材4によって補強されているため、被補強既存梁3によって開口部15に設けられるサッシや障子等の建具に荷重が掛かって破損するような虞が無い。
本実施形態では、外壁面12に3つ並んで立設されている軸柱5のうちの真ん中の1つを被撤去軸柱6として撤去する場合について示したが、外壁面12に4つ以上並んで立設されている軸柱5のうちの左右両端の軸柱5を除く2つ以上の被撤去軸柱6を撤去して、梁状補強部材4を左右両端の軸柱5の間に架け渡すようにしてその間の2つ以上の被補強既存梁3を補強するようにしてもよい。
以上のように、従来の既存梁に沿って補助梁を設けるような補強では対応できなかった既存建築物10においても、本実施形態に係る梁端部補強構造1によって、外壁面12の既存の軸柱5や耐力壁13を撤去して、外壁面12に大開口の開口部15を設けるリフォームを行うことができる。この開口部15にサッシや障子等の建具を設けるようにすれば、室内空間への採光や通風、眺望を向上させることができ、快適性や居心地の良さ、住まい手が幸せを感じるリフォームを実現することができる。
また、図5に示すように、開口部15が設けられる外壁面12の屋外側に、リフォームによって開口部15を介して既存建築物10の室内空間と連続するように増築部20を設けるようにしてもよい。このとき、開口部15の上部で梁状補強部材4が架け渡されている2つの既存梁2と、その間に位置している被補強既存梁3とのそれぞれに新規梁21を接合し、各新規梁21が外壁面12の屋外側で2つの既存梁2と被補強既存梁3との延長上に配置されるようにして、新規梁21を天井の骨組みとして増築部20を設けるようにする。それによって、大開口の開口部15を介して既存建築物10の室内空間と増築部20が接続されて、開口部15に柱や壁が設けられることなく、既存建築物10の室内空間から増築部20までが一体となった開放的な大空間を形成することができる。このように、既存建築物10をリフォームして外壁面12の屋外側に増築部20を設けたい場合にも、梁端部補強構造1は有効である。
以下では、軸組である既存梁2及び軸柱5に鉄骨が用いられた鉄骨造の既存建築物10において、本実施形態に係る梁端部補強構造1が適用される場合の一例について説明する。図1から図4に示すように、既存梁2は、鉄骨造の梁として一般的に用いられているH形鋼梁で構成されている。既存梁2の上下のフランジ及びウェブには、軸柱5やブレース等を取り付けたり、既存梁2同士を接合するための継手を取り付けたりするためのボルト孔が設けられており、既存梁2と軸柱5とはボルト接合によって接合されるようになっている。外壁面12に設けられる軸柱5は、垂直方向に立設されるC形鋼と、その上端部に設けられた既存梁2とボルト接合するためのボルト孔を有する接続部とを備える2つの軸柱部材51を、互いのC形鋼を背中合わせにしてウェブ同士をボルト接合することで構成されている。外壁11を構成する2つの外壁面12が直交する部分に設けられる軸柱5については、2つの軸柱部材51と、2つの軸柱部材51を断面略L字形に接合させる接合部材52とを用いて、断面L字形の角部に接合部材52が位置して、接合部材52に対して2つの軸柱部材51がC形鋼のウェブ側を当接させてボルト接合することで、断面略L字形に構成された軸柱5となっている。
互いに平行な複数の既存梁2が外壁面12に対して垂直な方向に設けられて、各既存梁2の長手方向端部が外壁面12に位置するようになっている。その外壁面12に位置している各既存梁2の長手方向端部にそれぞれ軸柱5が取り付けられて、外壁面12に互いに間隔を空けて複数の軸柱5が並設されている。軸柱5は、取り付けられる既存梁2の断面中央部のウェブを含む鉛直面に対して2つの軸柱部材51が左右で略面対称となるように配置されて、各軸柱部材51の接続部を既存梁2の下フランジにボルト接合することで既存梁2に取り付けられている。2つの外壁面12が直交する部分に設けられる軸柱5については、2つの外壁面12の交点の角部側に軸柱5の断面略L字形の角部の接合部材52が配置されて、それぞれの外壁面12に沿って接合部材52と軸柱部材51とが並ぶようになっており、2つの外壁面12が直交する部分に設けられる軸柱5が取り付けられる既存梁2の断面中央部のウェブを含む鉛直面と軸柱5の一方の軸柱部材51と接合部材52との接合面とが略一致するようになっている。
このような外壁面12に立設されている軸柱5を被撤去軸柱6として撤去する場合、被撤去軸柱6は既存梁2にボルト接合されているので、簡単に取り外すことができる。被撤去軸柱6が撤去された後、被撤去軸柱6が取り付けられていた既存梁2が被補強既存梁3となる。
梁端部補強構造1では、梁状補強部材4を、被補強既存梁3の下方で被補強既存梁3に直交させるようにして、被補強既存梁3の左右の被補強既存梁3に平行な既存梁2に架け渡して、梁状補強部材4によって被補強既存梁3の長手方向端部の被撤去軸柱6が撤去された箇所を下方から支持するようになっているが、ここでは、梁状補強部材4にH形鋼を用いている。H形鋼は、鉄骨造の建築物で一般的に用いられている部材なので容易に入手することができるので、梁状補強部材4を安価に構成できる。また、既存梁2もH形鋼を用いて構成されており、既存梁2の下フランジには軸柱5等をボルト接合するためのボルト孔が設けられているため、この既存梁2の下フランジに設けられているボルト孔に適合するように、梁状補強部材4の上フランジにボルト孔を設けることで、梁状補強部材4を既存梁2にボルト接合によって簡単に取り付けることができる。
被撤去軸柱6が撤去された後、被補強既存梁3の長手方向端部の下フランジには、被撤去軸柱6がボルト接合されていたボルト孔が空いている。この被撤去軸柱6が取り付けられていたボルト孔を利用して、梁状補強部材4の上フランジと被補強既存梁3の下フランジとをボルト接合することで、梁状補強部材4が被補強既存梁3の下面に取り付けられるようになっている。梁状補強部材4は、被補強既存梁3の左右の既存梁2の間に架け渡されるようになっているが、梁状補強部材4は、外壁面12に沿って設けられて、梁状補強部材4が架け渡される被補強既存梁3の左右の既存梁2の長手方向端部の位置には軸柱5が存在しており、そのままでは梁状補強部材4の長手方向端部が軸柱5に干渉する。
そのため、梁状補強部材4が架け渡される既存梁2の長手方向端部に取り付けられている軸柱5を構成する2つの軸柱部材51同士のボルト接合を解除して、その2つの軸柱部材51のうちの被補強既存梁3側の軸柱部材51を、その接続部と既存梁2の下フランジとのボルト接合を解除して撤去する。それによって、既存梁2の長手方向端部の下フランジには、撤去される軸柱部材51の分のボルト孔が空いて、その下方には、既存梁2の断面中央部のウェブを含む面から被補強既存梁3側にスペースが空く。この既存梁2の長手方向端部の下方に空いたスペースを利用して梁状補強部材4が架け渡される。梁状補強部材4の長手方向端部を、既存梁2に残された軸柱部材51のウェブに当接させるようにして、既存梁2の下フランジの軸柱部材51が撤去されて空いたボルト孔を利用して、既存梁2の下フランジと梁状補強部材4の長手方向端部の上フランジとがボルト接合されることで、梁状補強部材4が既存梁2の下面に取り付けられる。
梁状補強部材4の長手方向端部には、梁状補強部材4を支持する受柱7が設けられてもよいが、ここでは、梁状補強部材4の長手方向端部は、既存梁2に設けられていた軸柱5を構成する2つの軸柱部材51のうち被補強既存梁3側の軸柱部材51を撤去してできたスペースを利用して既存梁2の下面に取り付けられている。そのため、ここでは、受柱7を、撤去された軸柱部材51と同様のC形鋼を用いて構成しており、受柱7の上端部には、軸柱部材51と同様にボルト孔を有する接続部が設けられて、接続部を介して梁状補強部材4の長手方向端部の下フランジにボルト接合によって取り付けられるようになっている。また、受柱7のC形鋼のウェブには、既存梁2に残されている軸柱部材51のウェブとボルト接合できるようにボルト孔が設けられていてもよい。受柱7は、軸柱部材51のC形鋼の長手方向の長さを、梁状補強部材4の上フランジの上面から下フランジの下面までの距離の分だけ短くしたような構成となっている。
このような受柱7を、撤去された軸柱部材51が設けられていた位置と同じ位置に立設されるように、梁状補強部材4の長手方向端部の下フランジに取り付ける。これによって、受柱7は、梁状補強部材4を支持すると共に、撤去された軸柱部材51と同様に、梁状補強部材4を介して鉛直上方に位置している既存梁2も支持する。そのため、受柱7によって、梁状補強部材4を架け渡すために既存梁2の軸柱部材51を撤去したとしても、撤去する前と同様に既存梁2が支持される。また、受柱7が既存梁2に設けられていた軸柱5のうちの一方の軸柱部材51と同じ位置に設けられることから、設けることのできる開口部15の幅が受柱7によって短くなるようなことも無い。
以上のように、軸組とする既存梁2及び軸柱5に鉄骨が用いられており、既存梁2と軸柱5とがボルト接合されているような鉄骨造の既存建築物10の場合には、梁端部補強構造1の梁状補強部材4及び受柱7にも鉄骨を用いて、既存梁2や軸柱5に設けられている既存のボルト孔を利用して、梁状補強部材4や受柱7をボルト接合することによって梁端部補強構造1を施工することができる。また、梁状補強部材4や受柱7を工場で製作しておいて、事前に工場でボルトの孔あけ加工等を行っておくことで、現場では、部材の切断や溶接、ボルトの孔あけ等が不要となり、工期の短縮、施工精度など品質の向上、コストの圧縮等の効果が得られる。
本発明に係る梁端部補強構造は、特に住宅リフォーム産業において好適に用いられる。
1 梁端部補強構造
2 既存梁
3 被補強既存梁
4 梁状補強部材
5 軸柱
6 被撤去軸柱
7 受柱
8 枠
10 既存建築物
11 外壁
12 外壁面
13 耐力壁
14 既存開口部
15 開口部
20 増築部
21 新規梁

Claims (4)

  1. 耐力壁を既存軸柱の間に設けて外壁を構成し、前記既存軸柱が既存梁の長手方向の端部を前記外壁の外壁面に対して直交するように支持し、前記既存梁のうち補強の対象となる被補強既存梁の両側には平行な前記既存梁を有し、前記被補強既存梁の長手方向の端部を支持している被撤去軸柱の両側には当該被撤去軸柱に平行な前記既存軸柱を有する、既存建築物において、
    両端を前記両側の既存軸柱に固定された梁状補強部材によって前記被補強既存梁の長手方向の端部を支持することを特徴とする梁端部補強構造。
  2. 前記梁状補強部材の長手方向端部が位置する前記既存軸柱に隣接して受柱が設けられることを特徴とする請求項1に記載の梁端部補強構造。
  3. 前記外壁面を構成し前記被撤去軸柱の両側の2つの平行な前記既存軸柱と、前記梁状補強部材とによって形成される枠の内側に開口部が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の梁端部補強構造。
  4. 前記開口部の屋外側に増築部が設けられることを特徴とする請求項3に記載の梁端部補強構造。
JP2020010663A 2020-01-27 2020-01-27 梁端部補強構造 Active JP7363523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020010663A JP7363523B2 (ja) 2020-01-27 2020-01-27 梁端部補強構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020010663A JP7363523B2 (ja) 2020-01-27 2020-01-27 梁端部補強構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021116600A JP2021116600A (ja) 2021-08-10
JP7363523B2 true JP7363523B2 (ja) 2023-10-18

Family

ID=77174250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020010663A Active JP7363523B2 (ja) 2020-01-27 2020-01-27 梁端部補強構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7363523B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016037814A (ja) 2014-08-11 2016-03-22 積水ハウス株式会社 片持ち梁支持構造

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0816350B2 (ja) * 1990-09-25 1996-02-21 ミサワホーム株式会社 ユニット住宅の施工方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016037814A (ja) 2014-08-11 2016-03-22 積水ハウス株式会社 片持ち梁支持構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021116600A (ja) 2021-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2120002C1 (ru) Каркас здания
US20100058687A1 (en) Method of constructing a multi-storey building using prefabricated modular panels
JP4928091B2 (ja) 木造建築物開口部における耐震用フレーム
SK16092000A3 (sk) Spôsob výstavby budovy
JP2006152557A (ja) スチールハウスの構造形式および構築方法
JP4235079B2 (ja) 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部の構造
JP6122740B2 (ja) 耐震補強構造体
JP7363523B2 (ja) 梁端部補強構造
KR101422789B1 (ko) 조립식 한옥골조 및 이의 시공방법
JP2009097146A (ja) 鉄骨建材およびこの建材を用いた建築構造物
JP2007303105A (ja) 耐震補強構造体
JPH1046664A (ja) 梁貫通型鉄骨架構システム
JP7363873B2 (ja) 建築物のリフォーム方法
JP2011236741A (ja) 木造建築物開口部における耐震用フレーム
JP3130008U (ja) 耐力構造体
JP6893151B2 (ja) 門型架構およびその施工方法
JP7428168B2 (ja) 庇のリフォーム方法
JP7363522B2 (ja) 梁補強構造
JP7416022B2 (ja) 出隅部の梁と柱に関するリフォーム方法
JPH1162265A (ja) 既存建築物の耐震補強方法
JP2524409B2 (ja) 軸組、パネル工法の家屋
JP2022142955A (ja) 建物架構
JP7198565B2 (ja) 木造建築物の耐震構造
JP2018145746A (ja) 小梁付き床ユニット及び床構造
JP2021008796A (ja) 三角フレーム建築構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220817

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230918

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7363523

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150