JPH1162265A - 既存建築物の耐震補強方法 - Google Patents

既存建築物の耐震補強方法

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JPH1162265A
JPH1162265A JP23651197A JP23651197A JPH1162265A JP H1162265 A JPH1162265 A JP H1162265A JP 23651197 A JP23651197 A JP 23651197A JP 23651197 A JP23651197 A JP 23651197A JP H1162265 A JPH1162265 A JP H1162265A
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範彰 平野
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彰男 田村
Naoki Aso
直木 麻生
Mitsuo Seki
光雄 関
Masayuki Iwata
昌之 岩田
Munekazu Miyaki
宗和 宮木
Mitsuru Kimura
充 木村
Yuuko Tsushi
優子 津司
Sadakichi Okubo
貞吉 大久保
Masaru Fujimura
勝 藤村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】既存建築物の使い勝手を損ねることなく、その
剪断耐力を大幅に上昇させ得る既存建築物の耐震補強法
を提供すること。 【解決手段】鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリ
ート造の既存建築物1の外側に、その外周の既存柱2及
び既存梁3に対応する補強柱11及び補強梁12からな
る鋼製の剛性や耐力の高い補強フレーム10を、その補
強柱11及び補強梁12を既存柱2及び既存梁3に接近
させて構築し、補強柱11及び補強梁12に対応させて
既存柱2及び既存梁3に多数のアンカーb1,b2を植設
し、補強柱11を前記アンカーb1を用いて既存柱2に
結合し、補強梁12を前記アンカーb2を用いて既存梁
3に結合する。 【効果】補強フレームの補強梁の成を高くすることによ
り、補強フレームの耐力を上げ、この耐力を既存建築物
に累加させ、その耐震性を増大させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、既存建築物の耐
震補強方法、特に、外側に構築した補強フレームを既存
建築物に接合してこれを補強する耐震補強方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】既存建築物の耐震補強方法には、例え
ば、次の〜のようなものがある。 既存建築物の鉄筋コンクリート造の柱の外側に、そ
の長手方向に延在させて配された複数の添え筋と該添え
筋の外側にその長手方向に間隔をおいて配された複数の
フープ筋とからなる補強鉄筋を配置し、この補強鉄筋の
外側に型枠を配置し、型枠の内側面と柱の外側面との間
の隙間をモルタル又はコンクリートで埋め、モルタル又
はコンクリートの硬化後に型枠を外す方法。 既存建築物の鉄筋コンクリート造の柱の外側を、鉄
板等からなる補強用部材で覆い、この補強用部材の内側
面と柱の外側面との間の隙間をモルタル又はコンクリー
トで埋める方法。 既存鉄筋コンクリート造等の建築物の架構の柱及び
梁に間隔をおいて多数のアンカー用鉄棒を植設し、前記
架構の内側に金属枠体を配し、該金属枠体をアンカー用
鉄棒を介して柱及び梁に取付け、前記金属枠体内に金属
製のブレース材を配し、このブレース材の両端部等を金
属枠体に固着し、ブレース材にて架構を補強する方法。 既存鉄筋コンクリート造等の建築物の架構の柱及び
梁に間隔をおいて多数のアンカー用鉄筋を植設し、前記
架構内に縦鉄筋と横鉄筋とからなる壁鉄筋を配し、この
壁鉄筋をアンカー用鉄筋を介して柱及び梁に取付け、壁
鉄筋の周囲に割裂防止筋を配し、壁鉄筋及び割裂防止筋
の両側に型枠を配し、型枠間の隙間をモルタル又はコン
クリートで埋め、モルタル又はコンクリートの硬化後に
型枠を外し、耐震壁を構築する方法。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記及びの耐震補
強方法は、柱や梁の部材の断面を増大させて、それらを
強化させ、それらの剪断耐力を増加させるものであり、
部材の剪断耐力は増大するが、架構の曲げ耐力が増加し
ないため、建築物のトータルの強度の大幅な上昇は見込
めないことが多い。前記のブレースを新設する耐震補
強方法及び前記の耐震壁を新設する耐震補強方法は、
剪断耐力の大幅な上昇が見込め、基準値を満足させるの
に有効な方法である。しかし、ブレース又は耐震壁(め
くら壁)を新設することが、従来の建物動線を致命的に
遮断する場合が多く、その建築物の部屋の使い勝手を悪
くしてしまうという欠点がある。また、多量のコンクリ
ートを使う耐震補強方法は、建築物自体の重量の上昇を
招き、逆に建築物の耐震性を低下させることになる恐れ
がある。この発明の解決しようとする課題は、前記〜
のような従来技術が有している欠点を有しない既存建
築物の耐震補強方法を提供すること、換言すると、既存
建築物の外側に補強フレームを設けることにより(既存
建築物の内部にブレースや耐震壁を設けることなく)、
その使い勝手を損ねることなく、その剪断耐力を大幅に
上昇させ得る既存建築物の耐震補強方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するために、次の構成を採用するものである。この
発明の構成は、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンク
リート造の既存建築物の耐震補強方法において、既存建
築物の外側に、その外周の既存柱及び既存梁に対応する
補強柱及び補強梁からなる鋼製の剛性や耐力の高い補強
フレームを、その補強柱及び補強梁を既存柱及び既存梁
に接近させて構築し、補強フレームの補強柱及び補強梁
に対応させて既存柱及び既存梁に多数のアンカーを植設
し、補強柱を前記アンカーを用いて既存柱に結合し、か
つ補強梁を前記アンカーを用いて既存梁に結合すること
を特徴とする既存建築物の耐震補強方法にある。
【0005】この発明を建築物の外周に位置する柱が建
築物の主な外周面よりも外側に突出している形式の既存
建築物に適用する場合の好適な実施形態にあっては、例
えば、次の(A)〜(D)ようにする。 (A)補強柱をその少なくとも既存柱側の上下方向の両
側にフランジのある鋼材で構成し、そのフランジ間の寸
法を既存柱の幅に略一致するようにして、補強柱の前記
フランジ間に既存柱の外側に突出した部分を位置させる
ようにする。 (B)補強柱の既存柱側のフランジとウェブとで囲まれ
る空間内の梁取付部等の補強すべき個所にそれぞれ水平
にスチフナを設け、既存柱の前記スチフナーに対応する
部分にそれぞれ水平方向に延びる横溝孔を穿設し、補強
柱の前記スチフナーを既存柱の横溝孔内に嵌入させるよ
うにする。 (C)補強梁を上弦主材、下弦主材、ラチス材等からな
る立体トラスで構成し、その成を既存建物の開口部を狭
めない範囲内で大きくし、補強梁の少なくとも既存梁側
の上弦主材及び下弦主材を既存梁に植設したアンカーを
用いて既存梁に結合するようにする。 (D)上記立体トラスからなる補強梁を、例えば、上弦
主材、下弦主材及びラチス材からなる外側梁部材と、上
弦主材、下弦主材及びラチス材からなる内側梁部材と
を、外側梁部材及び内側梁部材の上弦主材間及び下弦主
材間を斜材で連結して構成し、又は上弦主材、下弦主材
及びラチス材からなる主梁部材の上弦主材及び下弦主材
に多数の斜材を介して内上弦材及び内下弦材を連結して
構成し、補強フレームを補強梁の外側梁部材又は主梁部
材の上弦主材及び下弦主材を補強柱に接合して構成し、
少なくとも補強梁の内側梁部材の上弦主材及び下弦主材
又は主梁部材に連結した内上弦材及び内下弦材を既存梁
に植設したアンカーを用いて既存梁に結合するようにす
る。
【0006】この発明を建築物の外周に位置する柱が建
築物の主な外周面から突出していない形式の既存建築物
に適用する場合の好適な実施形態にあっては、例えば、
次の(E)〜(H)ようにする。 (E)補強柱をその少なくとも既存柱側の上下方向の両
側にフランジのある鋼材で構成し、そのフランジ間の寸
法を既存柱の幅に略一致するようにし、既存建築物の外
周面の既存柱に対応する位置に補強柱の各フランジに対
応させて上下方向に延びる縦溝孔を穿設し、補強柱のフ
ランジを既存柱の前記縦溝孔に嵌入させるようにする。 (F)補強柱の既存柱側のフランジとウェブとで囲まれ
る空間内の梁取付部等の補強すべき個所にそれぞれ水平
にスチフナーを設け、既存建築物の外周面の既存柱に対
応する位置に補強柱の前記スチフナーに対応させてそれ
ぞれ水平方向に延びる横溝孔を穿設し、補強柱の前記ス
チフナーを既存柱の前記横溝孔に嵌入させるようにす
る。 (G)上弦主材と下弦主材とをラチス材で接合してなる
平面トラスで補強梁を構成し、その成を既存建物の開口
部を狭めない範囲内で大きくし、補強梁の上弦主材及び
下弦主材を既存梁に植設したアンカーを用いて既存梁に
結合するようにする。 (H)補強梁の上弦主材及び下弦主材のフランジ幅を補
強柱のフランジ幅よりも小さくし、補強梁の上弦主材及
び下弦主材の外側面と補強柱の外側面とが面一になるよ
うに補強梁の上弦主材及び下弦主材を補強柱に接合し、
補強梁と補強柱との接合部の近傍の補強梁の上弦主材及
び下弦主材の既存梁側の部分と補強柱との間に水平方向
に延びる補強スチフナーを設けてその接合部を補強し、
既存柱よりの既存梁の外周面の前記補強スチフナーに対
応する位置にそれぞれ水平方向に延びる横溝孔を穿設
し、この横溝孔に補強スチフナーを嵌入させるようにす
る。
【0007】補強フレームの補強梁のトラスの既存梁に
面する上弦主材及び下弦主材又は内上弦材及び内下弦材
は、その鉛直方向のウェブの一方の側の上縁及び下縁、
或いは上縁又は下縁に水平方向に向けてフランジが接合
されている鋼材で構成し、それらのウェブのフランジが
接合されていない側の面が既存梁の外側面に接近するよ
うに配置する。前記(B)のスチフナーとしては、例え
ば、三角リブ状のもの、又は両端に三角リブ状の部分の
ある略凹字形のものを用い、前記(F)のスチフナーと
しては、両端に三角リブ状の部分のある略凹字形のもの
を用いて、補強柱を補強しかつ既存柱及び既存梁から補
強柱及び補強梁の上弦主材及び下弦主材への応力の伝達
を容易にする。補強フレームの補強梁としては、建て方
時の手間、運搬等を考慮して、立体トラス又は平面トラ
スからなるものを用いる。トラスはその成を上げてもそ
れほど鉄骨量が増大しないし、形状的にデザインに使い
易いという長所がある。補強梁の成は既存建築物の外部
開口に合わせて調節するが、既存建物の耐力をより大き
くしたいときはできるだけその成を大きくすることが望
ましい。そのため、補強梁の成は既存建物の開口部を狭
めない範囲内で大きくするのがよい。補強フレームの立
体トラスからなる補強梁の外側梁部材又は主梁部材の上
弦主材及び下弦主材から多数の斜材等を、水平レベルで
既存梁方向に出して、既存梁側にある内側梁部材の上弦
主材及び下弦主材又は主梁部材の内上弦材及び内下弦材
を構成する山形鋼(アングル)又は溝形鋼に接合し、該
山形鋼又は溝形鋼のウェブ部分を既存梁に植設した多数
のアンカーを用いて既存梁に結合する。
【0008】この発明における考え方は、基本的には補
強フレームの補強柱には、長期軸力を負担させないが、
架構位置により地震時に軸力を負担することになる補強
柱もある。地震時の水平力は既存梁からアンカーにより
これに接合された山形鋼又は溝形鋼に、斜材等を介して
補強梁のトラスに伝達される形となる。補強フレームは
既存建築物と分離させ、最終的に累加させて、補強設計
する。架構形式、鋼材の質、強度、断面を変化させるこ
とによりトータルの崩壊メカニズムの調整が可能にな
る。補強フレームに地震時の初期のエネルギーを集中さ
せ、その補強柱の曲げ又はせん断破壊を先行させて、曲
げ又はせん断破壊した部材のみを取替えることも、補強
フレームを既存建築物の外側に設けることから可能であ
る。この発明は、既存建築物の外側に剛性や耐力の高い
補強フレームを建築するため、既存建築物の外側に補強
フレームを構築し得る充分な空間がある場合に特に有効
な耐震補強方法である。
【0009】
【作用】この出願の発明は、既存建築物の外側に、その
外周の既存柱及び既存梁に対応する補強柱及び補強梁か
らなる鋼製の剛性や耐力の高い補強フレームを、その補
強柱及び補強梁を既存柱及び既存梁に接近させて構築
し、補強フレームの補強柱及び補強梁に対応させて既存
柱及び既存梁に多数のアンカーを植設し、補強柱を前記
アンカーを用いて既存柱に結合し、かつ補強梁を前記ア
ンカーを用いて既存梁に結合するから、アンカー設置箇
所が横座屈補剛となり、補強フレームの耐震性を増大さ
せることができる。そのうえ、既存建築物の外側から耐
震補強のための工事を行なうことができ、既存建築物の
内部に手を加える必要がなく、その部屋を使用しなが
ら、既存建築物の補強工事を行うこともできる。
【0010】
【実施例】実施例1は、図1〜図4に示され、この出願
の発明を平面視で周囲の柱が外側に突出している形式の
鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震補強に適用した
例である。図4に示す既存建築物1は、鉄筋コンクリー
ト造で多層に建築され、その周囲に構築された多数(そ
の1本が図示されている)の柱2は、平面視で、それら
の柱2間に構築された多数の梁3の外側面を含む平面よ
りも外側に一定幅Wだけ突出させて構築されている。図
4に示すように、鉄筋コンクリート造の柱2(既存柱2
という)は、その4隅部等にその長手方向に延在させて
複数本の主筋2aが埋め込まれ、かつ各主筋2aの外側
にその長手方向に間隔をおいて多数本の帯筋2bが埋め
込まれ、主筋2a及び帯筋2bによりコンクリート2c
が補強されている。また、鉄筋コンクリート造の梁3
(既存梁3という)も、その4隅部等にその長手方向に
延在させて複数本の主筋3aが埋め込まれ、かつ各主筋
3aの外側にその長手方向に間隔をおいて多数本の肋筋
3bが埋め込まれ、主筋3a及び肋筋3bによりコンク
リート3cが補強されている。
【0011】補強フレーム10は、鉄骨造で、図1〜図
4に示すように、補強柱11、補強梁12等で構成され
ている。補強柱11は、鋼製で、ウェブ11bとその両
端縁に強固に接合されたフランジ11a,11aとで横
断面H型に形成され、そのフランジ11a,11a間の
寸法が既存建築物1の既存柱2の幅よりも少々大きくな
っている。補強柱11の既存柱2側の対のフランジ11
a及びウェブ11bにより囲まれる空間内の補強梁12
の上弦主材12A1及び下弦主材12A2のフランジ1
1aとの接合部に略対応する位置に、鋼板製のスチフナ
ー11cがそれぞれ設けられ、補強梁12の上弦主材1
2A1及び下弦主材12A2のフランジとの接合部に対
応する反既存柱2側の対のフランジ11a及びウェブ1
1bにより囲まれる空間内の位置に、鋼板製のスチフナ
ー11dがそれぞれ設けられている。なお、反既存柱2
側の対のフランジ11a及びウェブ11bにより囲まれ
る空間内の補強梁12のラチス材12Cの端部との接合
部に対応するの位置にも、鋼板製のスチフナー11eが
それぞれ設けられている。
【0012】各スチフナー11cは平面視で略三角型に
なっており、その略三角型は、図1に示すように、ウェ
ブ11bと平行な短い上辺11c1、ウェブ11bと平
行な底辺11c2、上辺11c1の一方の端と底辺11c
2の一方端とを結ぶ斜辺11c3、及び上辺11c1の他
方の端と底辺11c2の他方の端とを結ぶ底辺11c2
対して垂直な垂辺11c4で画成されている。そして、
各スチフナー11cの底辺11c2及び垂辺11c4は、
ウェブ11b及びフランジ11aに溶接等により強固に
接合される。各スチフナー11d,11eは、平面視が
略矩形になっていて、その二つの短辺11d1及びその
一つの長辺11d2がフランジ11a及びウェブ11b
に溶接等により強固に接合される。補強柱11のウェブ
11bには、上下左右の方向に間隔をおいて多数のボル
ト孔bh1が穿設されている。なお、ボルト孔bh1は、
既存建築物1の鉄筋2a,2bに対応しないような位置
に穿設する。
【0013】補強梁12は、図1〜図3に示すように、
外側梁部材12a、内側梁部材12b、及び二つの梁部
材12a,12bを一体化する斜材(ラチス材)12c
で構成される。外側梁部材12aは、横断面がH形の鋼
材からなる上弦主材12a1と下弦主材12a2との間
に円鋼管(又は山形鋼或は溝形鋼)からなるラチス材1
2a3をジグザグ状に配し、各ラチス材12a3の両端
を上弦主材12a1及び下弦主材12a2に溶接等によ
り強固に接合して形成されている。内側梁部材12b
は、それぞれ横断面がみぞ形(すなわち、[ 形)又は
不等辺山形(すなわち、「 形)の鋼材からなる上弦主
材12b1と下弦主材12b2との間に円鋼管(又は山
形鋼或は溝形鋼)からなるラチス材12b3をジグザグ
状に配し、各ラチス材12b3の両端を上弦主材12b
1及び下弦主材12b2に溶接等により強固に接合して
形成されている。なお、上弦主材12b1及び下弦主材
12b2は、その鋼材のみぞ形又は不等辺山形の上下方
向に延びるウェブ部分のフランジの突出されていない側
の面が内側(既存梁側)に位置するように配置され、か
つ、その上下方向に延びるウェブ部分に間隔をおいて多
数のボルト孔bh2が穿設される。外側梁部材12a及
び内側梁部材12bを平行に配し、外側梁部材12aの
上弦主材12a1と内側梁部材12bの上弦主材12b
1との間に鋼板製の斜材12cをジグザグ状に配し、各
斜材12cの両端を上弦主材12a1,12b1に溶
接、ボルト接合等の接合手段により強固に接合し、外側
梁部材12aの下弦主材12a2と内側梁部材12bの
下弦主材12b2との間に鋼板の斜材12cをジグザグ
状に配し、各斜材12cの両端を下弦主材12a2,1
2b2に溶接、ボルト接合等の接合手段により強固に接
合し、補強梁12を構成する。
【0014】補強梁12の外側梁部材12aの上弦主材
12a1及び下弦主材12a2の両端を補強柱11のフ
ランジ11aに溶接(又はボルト接合等の接合手段)に
より強固に接合し、かつ補強梁12の外側梁部材12a
の補強柱11よりの斜材12a3の下端を補強柱11の
フランジ11aに溶接(又はボルト接合等の接合手段)
により強固に接合し、補強フレーム10を構成する。な
お、必要に応じて、補強梁12の上弦主材12a1,1
2b1及び下弦主材12a2,12b2のフランジ及び
ウェブにより囲まれる空間内の各ラチス材12a3,1
2b3との接合部に対応する位置には、各主材の長手方
向に対して直角に又は平行に、鋼板製のスチフナーをそ
れぞれ設け、それらの部分の上弦主材12a1,12b
1及び下弦主材12a2,12b2を補強する。
【0015】次に、補強フレーム10を使う既存建築物
1の耐震補強方法を説明する。鉄筋コンクリート造の既
存建築物1に補強フレーム10を取付ける以前に、補強
フレーム10の補強柱11の各スチフナー11cに対応
する既存柱2の外側に突出する角部2eに、スチフナー
11cに対応する形状の水平の横溝孔2fを穿設する。
なお、各スチフナー11cは、これに対応する横溝孔2
fの穿設により主筋2a及び帯筋2bを傷つけないよう
な位置及び大きさに設計して設ける。また、補強フレー
ム10の補強柱11のボルト孔bh1に対応する既存建
築物1の既存柱2の各部に、それぞれボルト又はナット
の植込孔を穿設し、各植込孔内に樹脂、セメント等の接
着材とボルトb1又はナットとを挿入し、ボルトb1又は
ナットを前記接着材を介して既存建築物1の既存柱2に
植設する。さらに、補強フレーム10の補強梁12の内
側梁部材12bの上弦主材12b1及び下弦主材12b
2のウェブ(鋼材の[ 形又は「 形の上下方向に延びる
部分)の各ボルト孔bh2に対応する既存梁2の各部
に、それぞれボルト又はナットの植込孔を穿設し、植込
孔内に樹脂、セメント等の接着材とボルトb2又はナッ
トを挿入し、ボルトb2又はナットを接着材を介して既
存梁3に植設する。なお、補強フレーム10の補強柱1
1の最下端部に対応する既存柱2の下部の基礎部分に
は、補強柱11の最下端を支持する補強基礎を既存建築
物1の基礎と一体に構築する。
【0016】それから、前記補強基礎上に、既存建築物
1の各既存柱2に沿わせて、補強フレーム10の補強柱
11をそれぞれ建て込む。その際には、補強柱11の各
スチフナー11cを既存柱2の横溝2fに嵌め、そのボ
ルト孔b1を各既存柱2に植設したボルトb1(又はナッ
ト)に対応させ、ボルト孔b1に通したボルトb1のねじ
部にナツトnをねじ込んで(又はボルト孔にボルトを通
して該ボルトを植設ナットにねじ込んで)、補強柱11
を既存柱2に固着する。同様に、既存梁3に沿わせて、
補強フレーム10の補強梁12をそれぞれ建て込む。そ
の際には、補強梁12の内側梁部材12bの上弦主材1
2b1及び下弦主材12b2の各ボルト孔bh2を各既
存梁3に植設したボルトb2(又はナット)に対応さ
せ、ボルト孔bh2に通したボルトb2のねじ部にナツト
をねじ込んで(又はボルト孔にボルトを通して該ボルト
を植設ナットにねじ込んで)、補強梁12を既存梁3に
固着する。既存建築物1の外側に補強フレーム10を構
築し、補強フレーム10の補強柱11及び補強梁12を
既存建築物1の既存柱2及び既存梁3に固着する場合
は、例えば、補強フレーム10を多数の構成部分に分け
て工場等で製作し、それらの構成部分を工事現場に搬入
し、既存建築物1の外側においてその下方から各構成部
分を既存建築物1に順次上記のようなやり方で組み付け
ながら、補強フレーム10を組み立てかつ既存建築物1
に結合するようにする。
【0017】実施例1の補強フレーム10の補強柱11
は、基本的には長期軸力を負担させないようになってい
るが、これを設ける部分の架構形式により地震時に軸力
を負担することになる場合もある。地震時に、補強フレ
ーム10にて補強された既存建築物1に水平力が作用す
ると、その水平力の一部は既存梁3からボルトb2等を
介して補強フレーム10の内側梁部材12bの上弦主材
12b1及び下弦主材12b2に伝えられ、上弦主材1
2b1及び下弦主材12b2に伝えられた水平力は、斜
材12cを介して補強フレーム10の外側梁部材12a
の上弦主材12a1、下弦主材12a2及びラチス材1
2a3に伝えられ、また、前記水平力の一部は既存柱2
からボルトb1、スチフナー11c等を介して補強フレ
ーム10の補強柱11に伝えられる。補強フレーム10
の補強梁12の立体トラスは、それ自体が耐震ブレース
架構となり、その上弦主材及び下弦主材の最外縁位置が
曲げ応力のフエイスと考えることができ、既存建築物自
体のせん断応力を向上させ、既存建築物1を耐震補強す
ることになる。すなわち、図11に示すように地震時の
固有耐力をQu、地震時の補強耐力をMu、補強フレー
ム10の補強梁12間の間隔をL1とすると、Qu=2
Mu/L1の関係が成立し、補強梁12の成を大きくす
るほど、地震時の固有耐力Quが大きくなる。
【0018】実施例2は、図5〜図7に示され、この発
明を周囲の柱が外側に突出している形式の鉄筋コンクリ
ート造の既存建築物の耐震補強に適用した例であり、実
施例1と実施例2の相違点は、補強フレーム10Aの構
成のみである。補強フレーム10Aは、鉄骨造で、補強
柱11A、補強梁12A等で構成されている。補強柱1
1Aは、鋼製で、ウェブ11Abとその両端縁に強固に
接合された鋼製のフランジ11Aaとで横断面がみぞ形
(すなわち、[ 型)に形成され、そのフランジ11A
a間の寸法が既存建築物1の既存柱2の幅よりも少々大
きくしてある。補強柱11Aのフランジ11Aaの自由
端側を既存柱2側に向けて、補強柱11Aが配置され、
補強柱11Aの各フランジ11Aa及びウェブ11Ab
により囲まれる空間内の補強梁12Aの主梁部材12A
aの上弦主材12Aa1及び下弦主材12Aa2のフラ
ンジとの接合部に対応する位置に、鋼板製のスチフナー
11Acがそれぞれ設けられている。なお、補強梁12
Aの主梁部材12Aaの補強柱11Aよりのラチス材1
2Aa3の端部を補強柱11Aに接合する場合には、補
強柱11Aの各フランジ11Aa及びウェブ11Abに
より囲まれる空間内の前記ラチス材12Aa3の端部と
の接合部に対応する位置に、鋼板製の略矩形のスチフナ
ー11Aeをそれぞれ設ける。
【0019】各スチフナー11Acは平面視で両端に略
三角形状の部分がある略凹字形になっており、その略凹
字形は、その上側のウェブ11Abと平行な二つの上辺
11Ac1,11Ac1、くぼみの底のウェブ11Abと
平行な一つの底辺11Ac2、上辺11Ac1,11Ac
1の内側端と底辺11Ac2の両端とを結ぶ二つの斜辺1
1Ac3、フランジ11Aaと平行な二つの短い垂辺1
1Ac4,11Ac4、及びウェブ11Abと平行な一つ
の長辺11Ac5で画成されている。各スチフナー11
Acの各垂辺11Ac4及び長辺11Ac5がフランジ1
1Aa及びウェブ11Abに溶接等により強固に接合さ
れる。なお、各スチフナー11Aeの形状及び補強柱1
1Aへの取付方はスチフナー11Acのそれと同じであ
る。
【0020】補強フレーム10Aの補強梁12Aの主梁
部材12Aaは、横断面がH形の鋼材からなる上弦主材
12Aa1と下弦主材12Aa2との間に山形鋼(又は
溝形鋼)からなるラチス材12Aa3をジグザグ状に配
し、各ラチス材12Aa3の両端を上弦主材12Aa1
及び下弦主材12Aa2に溶接等により強固に接合して
形成されている。図6に示すように、主梁部材12Aa
の上弦主材12Aa1及び下弦主材12Aa2から略水
平に既存梁方向に向けて多数の斜材12Acを出し、各
斜材12Acの先に内上弦材12Ab1及び内下弦材1
2Ab2を設けて、補強梁12を構成する。前記の多数
の斜材12Acは、平面視でジグザグ状に配され、それ
らの両端が上弦主材12Aa1,下弦主材12A2,内
上弦材12Ab1及び内下弦材12Ab2に溶接、ボル
ト接合等の接合手段により強固に接合されている。な
お、内上弦材12Ab1及び内下弦材12Ab2の構成
は、実施例1の内側梁部材12bの上弦主材12b1及
び下弦主材12b2の構成と同じであるから、その説明
を省略する。実施例2においては、図5及び図7に示す
ように、補強フレーム10Aの補強柱11Aの各スチフ
ナー11Ac,11Aeの略凹字形の底辺11Ac2
り上側の略三角形の部分(上辺11Ac1,垂辺11A
4の上側の部分、及び斜辺11Ac3によって囲まれる
部分)を既存柱2の外側に突出した角部に差し込むこと
ができるように、補強柱11Aの各スチフナー11A
c,11Aeに対応する既存柱2の外側に突出した角部
にスチフナー11Acを挿入する横溝孔2fを穿設す
る。その他の点は、実施例1と略同じである。
【0021】実施例3は、図8〜図10に示され、この
発明を平面視で周囲の柱が外側に突出していない形式の
鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震補強に適用
した例である。図10に示す既存建築物1Bは、鉄骨鉄
筋コンクリート造で多層に建築され、その周囲に構築さ
れた多数の柱2Bは、平面視で前記柱2Bの外側面と柱
2B間に構築された多数の梁3Bの外側面とが略面一に
なるように構築されている。図8に示すように、鉄骨鉄
筋コンクリート造の柱2B(既存柱2Bという)内に、
クロスH型の柱鉄骨2Baと、この柱鉄骨2Baの4隅
部等に柱鉄骨2Baの長手方向に延在させて配した多数
本の主筋2Bbと、柱鉄骨2Ba及び主筋2Baの外側
に柱鉄骨2Baの長手方向に間隔をおいて配した多数本
の帯筋2Bcとが埋め込まれ、柱鉄骨2Ba、主筋2B
b及び帯筋2Bcによりコンクリート2Bdが補強され
ている。また、鉄筋コンクリート造の梁3B(既存梁3
Bという)は、その4隅部等に既存梁3Bの長手方向に
延在させて多数本の主筋3Baが埋め込まれ、かつ各主
筋3Baの外側の既存梁3Bの長手方向に間隔をおいて
多数本の肋筋3Bbが埋め込まれ、主筋3Ba及び肋筋
3Bbによりコンクリート3Bcが補強されている。
【0022】補強フレーム10Bは、鉄骨造で、補強柱
11B、補強梁12B等で構成されている。補強柱11
Bは、鋼製で、ウェブ11Bbとその両端縁に溶接等に
より強固に接合されたフランジ11Baとで横断面H形
に形成され、そのフランジ11Ba間の寸法が既存柱2
Bの幅よりも少々大きくなっている。補強柱11Bの既
存柱2B側の各フランジ11Ba及びウェブ11Bbに
より囲まれる空間内の補強梁12Bの上弦主材12Ba
及び下弦主材12Bbのフランジとの接合部に対応する
位置に、鋼板製のスチフナー11Bcがそれぞれ設けら
れ、補強梁12Bの上弦主材12Ba及び下弦主材12
Bbのフランジの接合部に対応する反既存柱2B側の各
フランジ11Ba及びウェブ11Bbにより囲まれる空
間内の位置に、鋼板製のスチフナー11Bdがそれぞれ
設けられている。なお、補強柱11Bの反既存柱2B側
の各フランジ11Ba及びウェブ11bbにより囲まれ
る空間内のラチス材12Bcの端部との接合部に対応す
る位置にも、鋼板製のスチフナー11Beがそれぞれ設
けられている。
【0023】各スチフナー11Bcは、図8に示すよう
に、両端に略三角形の部分がある略凹字形になってお
り、その略凹字形は、くぼみの底のウェブ11Bbと平
行な一つの底辺11Bc1、この底辺11Bc1の両端か
ら斜め上方に延びる二つの斜辺11Bc2、底辺11B
1に対して直角(フランジ11Baと平行)な左右の
二つの垂辺11Bc3、及びウェブ11Bbと平行な長
辺11Bc4で画成されている。各スチフナー11Bc
の垂辺11Bc3及び長辺11Bc4がフランジ11Ba
及びウェブ11Bbに溶接等により強固に接合されてい
る。各スチフナー11Bd,11Beは、対の短辺11
Bd1と対の長辺11Bd2からなる略矩形になってい
て、対の短辺11Bd1及び一つの長辺11Bd2がフラ
ンジ11Ba及びウェブ11Bbに溶接等により強固に
接合されている。補強柱11Bのウェブ11Bbには、
上下左右の方向に間隔をおいて多数のボルト孔bh1
穿設けられている。
【0024】補強梁12Bは、横断面がみぞ形(すなわ
ち、[ 形)又は不等辺山形(すなわち、「 形)の鋼材
からなる上弦主材12Baと下弦主材12Bbとの間に
山形鋼(又は溝形鋼或は鋼管)からなるラチス材12B
cをジグザグ状に配し、各ラチス材12Bcの両端を上
弦主材12Ba及び下弦主材12Bb(又は補強柱11
Bのフランジ11Ba)に溶接等により強固に接合して
形成される。なお、補強梁12Bの上弦主材12Ba及
び下弦主材12Bbのフランジ幅を補強柱11Bのフラ
ンジ幅よりも小さくする。補強柱11Bの両側のフラン
ジ11Baの外側に、補強梁12Bの上弦主材12Ba
及び下弦主材12Bbを、その鋼材の[ 形又は「 形の
上下方向に延びるウェブ部分のフランジが突出していな
い側の面が内側(既存梁3B側)に位置するように、か
つ補強柱11B及び補強梁12Bの外側の面が面一にな
るようにそれぞれ配置し、補強梁12Bの上弦主材12
Ba及び下弦主材12Bbの端部を補強柱11Bのフラ
ンジ11Baに溶接等により強固に接合して、補強フレ
ーム10Bを形成する。補強梁12Bの上弦主材12B
a及び下弦主材12Bbの端部の内側の各スチフナー1
1Bcに対応する部分にそれぞれスチフナー11Bfが
設けられている。各スチフナー11Bfは、平面視で略
台型になっており、その略台型は、ウェブ11Bbと平
行な上辺11Bf1、ウェブ11Bbと平行な底辺11
Bf2、上辺11Bf1の一端と底辺11Bf2の一端と
を結ぶ斜辺11Bf3、及び上辺11Bf1の他端と底辺
11Bf2の他端とを結ぶ底辺11Bf2に対して直角な
垂辺11Bf4で画成されている。そして、各スチフナ
ー11Bfの底辺11Bf2及び垂辺11Bf4は、補強
梁12Bの主材12Ba,12Bbのウェブ及び補強柱
11Bのフランジ11Baに溶接等により強固に接合さ
れている。なお、補強梁12Bの上弦主材12Ba及び
下弦主材12Bbには、その鋼材の[ 形又は「 形の上
下方向に延びる部分にその長手方向に間隔をおいて多数
のボルト孔が穿設されている。
【0025】次に、補強フレーム10Bを使う既存建築
物1Bの耐震補強方法を説明する。既存建築物1Bに補
強フレーム10Bを取付ける以前に、補強フレーム10
Bの各スチフナー11Bc,11Bfに対応する既存柱
2Bの外側及び既存梁2Bと既存柱2Bとの接合部の近
傍の外側に、各スチフナー11Bc,11Bfに対応さ
せて水平に横溝孔2Be,2Bfを穿設する。なお、各
スチフナー11Bc,11Bfは、これに対応する横溝
孔2Be,2Bfの穿設により、既存柱2B及び既存梁
3Bの主筋2Ba,3Ba、帯筋2Bc、肋筋3Bbを
傷つけないような位置及び大きさにして設ける。また、
補強フレーム10Bの補強柱11Bの各フランジ11B
aに対応する既存柱2Bの外側に、各フランジ11Ba
に対応させて垂直な縦溝孔2Bgを穿設する。実施例1
と同様に、既存柱2B及び既存梁3Bにアンカーとなる
ボルト(又はナット)を植設する。なお、補強フレーム
10Bの補強柱11Bの下端部に対応する既存柱2Bの
下部の基礎部分に、補強柱11Bの下端を支持する補強
基礎を既存建築物1Bの基礎と一体に構築する。
【0026】それから、補強柱11Bの下端の補強基礎
上に、既存建築物1Bに沿わせて、補強フレーム10B
の補強柱11B及び補強梁12Bを建て込む。その際、
補強柱11Bに付けた各スチフナー11Bc,11Bf
を既存柱2B等に設けた横溝孔2Be,2Bfに嵌め、
かつ補強柱11Bの各フランジ11Baの既存柱2B側
の端縁部を各既存柱2Bに設けた縦溝孔2Bgに嵌め、
そのボルト孔bh1を各柱2に植設したボルトb1に嵌
め、各ボルト孔に通したボルトb1のねじ部にナツトn
をねじ込んで(又はボルト孔bh1にボルトb1を通しこ
のボルトのねじ部を植設ナットにねじ込んで)、補強柱
11Bを既存柱2Bに固着し、同様に、補強梁12Bの
上弦主材12Ba及び下弦主材12Bbの各ボルト孔を
各梁3Bに植設したボルトb2に嵌め、各ボルト孔に通
したボルトb2のねじ部にナツトをねじ込んで(又はボ
ルト孔にボルトb2を通しそのボルトb2のねじ部を植設
ナットにねじ込んで)、補強梁12Bを既存梁3Bに固
着する。既存建築物1Bの外側に補強フレーム10Bを
構築し、補強フレーム10Bの補強柱11B及び補強梁
12Bを既存柱2B及び既存梁3Bに固着する場合は、
例えば、補強フレーム10Bを多数の構成部分に分けて
工場等で生産し、それらの構成部分を工事現場に搬入
し、既存建築物1Bの外側においてその下方から各構成
部分を順次既存柱2B及び既存梁3Bに組み付けなが
ら、補強フレーム10を組み立てかつ既存建築物1に結
合させるようにする。
【0027】
【発明の効果】この発明は、特許請求の範囲の欄に記載
した構成を備えることにより、次の(イ)〜(ヌ)の効
果を奏する。 (イ)請求項1記載の既存建築物の耐震補強方法は、鉄
筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建
築物の外側に、その外周の既存柱及び既存梁に対応する
補強柱及び補強梁からなる鋼製の剛性や耐力の高い補強
フレームを、その補強柱及び補強梁を既存柱及び既存梁
に接近させて構築し、補強フレームの補強柱及び補強梁
に対応させて既存柱及び既存梁に多数のアンカーを植設
し、補強柱を前記アンカーを用いて既存柱に結合し、か
つ補強梁を前記アンカーを用いて既存梁に結合するか
ら、既存建築物の外側から耐震補強のための工事を行な
うことができ、既存建築物の内部に手を加える必要がな
く、既存建築物を使用しながら、その使い勝手を損ねる
ことなく、その剪断耐力を大幅に上昇させることができ
る。また、既存建築物の外側に補強フレームが設け、そ
の補強梁の成を高くすることにより、補強フレームの耐
力を上げ、この耐力を既存建築物に累加させて、既存建
築物の耐震性を増大させる。請求項1記載の耐震補強方
法は、既存建築物の内部に手を加えないから、従来の耐
震補強方法のように、部屋の使用勝手の阻害、部屋の有
効面積の減少、工事中の建築物使用の制限・安全確保の
必要性、建築物内の仕上げの撤去・復旧の無駄、産業廃
棄物の大量発生及び設備の切り回し工事の問題等は生じ
ない。請求項1記載の耐震補強方法は、既存建築物の外
側に、既存建築物の外周の既存柱及び既存梁に対応する
補強柱及び補強梁からなる鋼製の剛性や耐力の高い補強
フレームを、その補強柱及び補強梁を既存柱及び既存梁
に接近させて構築するから、この補強フレームのデザイ
ンにより既存建築物の外観の一新が図れるので、リニュ
ーアルの効果もあり、工事費の大幅な低減及び工期の大
幅な短縮が可能になる。
【0028】(ロ)請求項2記載の既存建築物の耐震補
強方法は、建築物の外周に位置する柱が建築物の主な外
周面よりも外側に突出している形式の鉄筋コンクリート
造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建築物において、
補強フレームの補強柱をその少なくとも既存柱側の上下
方向の両側にフランジのある鋼材で構成し、そのフラン
ジ間の寸法を既存柱の幅に略一致するようにして、補強
柱の前記フランジ間に既存柱の外側に突出した部分を位
置させるから、上記(イ)の効果の他に、既存建築物に
取付けかつこれに作用する力をその既存柱から補強フレ
ームの補強柱に伝達するために既存柱へ加える加工が最
小になり(すなわち、アンカーの植設のみ)、工事費の
大幅な低減及び工期の大幅な短縮が可能になる。 (ハ)請求項3記載の既存建築物の耐震補強方法は、補
強フレームの補強柱の既存柱側のフランジとウェブとで
囲まれる空間内の梁取付部等の補強すべき個所にそれぞ
れ水平にスチフナを設け、既存柱の前記スチフナーに対
応する部分にそれぞれ水平方向に伸びる横溝孔を穿設
し、補強柱の前記スチフナーを既存柱の前記横溝孔内に
嵌入させるから、上記(イ)及び(ロ)の効果の他に、
補強柱の梁取付部等の補強すべき部分に水平なスチフナ
を設けて補強しても、補強柱のウェブを既存建築物の既
存柱の外側面に確実に接近させることができ、既存柱に
植設したアンカーを用いて補強フレームの補強柱を既存
柱に容易にかつ強固に結合することができる。そのう
え、地震時等に既存梁に作用する水平方向及び軸方向の
力を、補強梁の水平なラチス材を介して、補強フレーム
の補強柱に確実に伝達することができる。
【0029】(ニ)請求項4記載の既存建築物の耐震補
強方法は、建築物の外周に位置する柱が建築物の主な外
周面から突出していない形式の鉄筋コンクリート造又は
鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建築物において、その補
強フレームの補強柱をその少なくとも既存柱側の上下方
向の両側にフランジのある鋼材で構成し、そのフランジ
間の寸法を既存柱の幅に略一致するようにし、既存建築
物の外周面の既存柱に対応する個所の補強柱の各フラン
ジに対応する位置に上下方向に延びる縦溝孔を穿設し、
補強柱の前記フランジを既存柱の前記縦溝孔内に嵌入さ
せるから、上記(イ)の効果の他に、既存建築物に取付
けこれに作用する力をその既存柱から補強フレームの補
強柱に伝達するための既存柱へ加える加工が少なくなり
(すなわち、アンカーの植設及び縦溝孔の穿設)、工事
費の大幅な低減及び工期の大幅な短縮が可能になる。 (ホ)請求項5記載の既存建築物の耐震補強方法は、補
強フレームの補強柱の既存柱側のフランジとウェブとで
囲まれる空間内の梁取付部等の補強すべき個所にそれぞ
れ水平にスチフナーを設け、既存建築物の外周面の既存
柱に対応する位置の補強柱の前記スチフナーに対応する
個所にそれぞれ水平方向に延びる横溝孔を穿設し、補強
柱の前記スチフナーを既存柱の前記横溝孔内に嵌入させ
るから、前記(イ)及び(ニ)の効果の他に、補強柱の
梁取付部等の補強すべき部分に水平なスチフナを設けて
補強しても、補強柱のウェブを既存建築物の既存柱の外
側面に確実に接近させることができ、既存柱に植設した
アンカーを用いて補強フレームの補強柱を既存柱に容易
にかつ強固に結合することができる。そのうえ、地震時
等に既存柱に作用する水平方向及び軸方向の力を、補強
柱に設けた水平なスチフナを介して、補強フレームの補
強柱に確実に伝達することができる。
【0030】(ヘ)請求項6記載の既存建築物の耐震補
強方法は、建築物の外周に位置する柱が建築物の主な外
周面よりも外側に突出している形式の鉄筋コンクリート
造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建築物の外側に構
築する補強フレームの補強梁を、上弦主材、下弦主材、
ラチス材等からなる立体トラスで構成したから、その成
を大きくして耐力を増大させても、鉄骨量の増大を抑え
ることができ、形状的にデザインに使い易いという効果
もある。また、その成を既存建物の開口部を狭めない範
囲内で大きくし、補強梁の少なくとも既存梁側の上弦主
材及び下弦主材を既存梁に植設した多数のアンカーを用
いて既存梁に結合するから、既存建築物に作用する力を
その既存梁から補強フレームの補強梁に伝達するための
既存梁に加える加工が少なくなり(すなわち、アンカー
の植設のみ)、工事費の大幅な低減及び工期の大幅な短
縮が可能になる。 (ト)請求項7記載の既存建築物の耐震補強方法は、そ
の補強梁を、上弦主材、下弦主材及びラチス材からなる
外側梁部材と、上弦主材、下弦主材及びラチス材からな
る内側梁部材とを、外側梁部材及び内側梁部材の上弦主
材間及び下弦主材間を斜材で連結してなる立体トラスで
構成し、又は上弦主材、下弦主材及びラチス材からなる
主梁部材の上弦主材及び下弦主材に多数の斜材を介して
内上弦材及び内下弦材を連結してなる立体トラスで構成
し、補強フレームを補強梁の外側梁部材又は主梁部材の
上弦主材及び下弦主材を補強柱に接合して構成し、少な
くとも補強梁の内側梁部材の上弦主材及び下弦主材又は
主梁部材に連結した内上弦材及び内下弦材を既存梁に植
設したアンカーを用いて既存梁に結合するから、前記
(ヘ)の効果の他に、平面視の立体トラスの幅を調整す
ることにより、既存柱の外側面と既存梁の外側面との間
の段差に容易に対応することができ、補強梁の外側面と
補強柱の外側面とを面一にすることが容易になる。
【0031】(チ)請求項8記載の既存建築物の耐震補
強方法は、建築物の外周に位置する柱が建築物の主な外
周面から突出していない形式の鉄筋コンクリート造又は
鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建築物の補強フレームの
補強梁を上弦主材と下弦主材とをラチス材で接合してな
る平面トラスで構成し、その成を既存建物の開口部を狭
めない範囲内で大きくし、補強梁の少なくと上弦主材及
び下弦主材を既存梁に植設した前記アンカーを用いて既
存梁に結合するから、補強梁の構成が単純になるととも
に、前記(ヘ)と同じ効果を奏する。 (リ)請求項9記載の既存建築物の耐震補強方法は、補
強フレームの補強梁の上弦主材及び下弦主材のフランジ
幅を補強柱のフランジ幅よりも小さくし、補強梁の上弦
主材及び下弦主材の外側面と補強柱の外側面とが面一に
なるように補強梁の上弦主材及び下弦主材を補強柱に接
合し、前記接合部の近傍の補強梁の上弦主材及び下弦主
材と補強柱との間に水平方向に延びる補強スチフナーを
設け、既存建築物の既存柱よりの既存梁の外周面の前記
補強スチフナーに対応する個所にそれぞれ水平方向に延
びる横溝孔を穿設し、補強スチフナーを前記横溝孔内に
嵌入させるから、補強スチフナーで前記接合部を補強し
ても、補強フレームの補強柱及び補強梁を既存柱及び既
存梁に接近させることができ、補強フレームを既存建築
物に容易かつ強固に接合することができる。そのうえ、
既存建築物に作用する水平力等を補強スチフナーを介し
て補強フレームに伝達することができる。
【0032】(ヌ)請求項10記載の既存建築物の耐震
補強方法は、補強フレームの補強梁のトラスの既存梁に
対面する上弦主材及び下弦主材又は内上弦材及び内下弦
材を、その鉛直方向のウェブの一方の側の上縁及び下
縁、或いは上縁又は下縁に水平方向に向けてフランジが
接合されている鋼材で構成し、それらのウェブのフラン
ジが接合されていない側の面が既存梁の外側面に接近す
るように配置するから、上記(ヘ)の効果の他に、補強
梁のウェブを既存梁の外側面に容易且つ確実に接近させ
ることができ、既存梁に植設したアンカーを用いて補強
フレームの補強梁を既存梁に容易かつ強固に結合するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の耐震補強方法に使う補強フレームの
要部の平面図
【図2】図1の補強フレームを図1のA−A線で断面し
た側面図
【図3】実施例1の既存建築物に取付けた補強フレーム
の要部の正面図
【図4】実施例1のの既存建築物に取付けた補強フレー
ムの要部の平面図
【図5】実施例2の補強フレームの要部の平面図
【図6】実施例2の補強フレームを図1のA−A線と同
様の線で断面した側面図
【図7】実施例2の既存建築物に取付けた補強フレーム
の要部の正面図
【図8】実施例3の補強フレームの要部の平面図
【図9】実施例3の既存建築物に取付けた補強フレーム
の要部の正面図
【図10】実施例3の既存建築物に取付けた補強フレー
ムをの要部の平面図
【図11】実施例1〜3によって耐震補強した既存建築
物の要部等を示す概略的な正面図
【符号の説明】
1 既存建築物 2 既存柱 3 既存梁 10,10A,10B 補強フレーム 11,11A,11B 補強柱 11a,11Aa,11Ba フランジ 11b,11Ab,11Bb ウェブ 11c,11Ac,11Bc,11d,11Ad スチ
フナ 11Bd,11Bf スチフナ 12,12A,12B 補強梁 12a 外側梁部材 12b 内側梁部材 12Aa 主梁部材 12a1,12Aa1,12b1,12Ba 上弦主材 12a2,12Aa2,12b2,12Bb 下弦主材 12Ab1 内上弦材 12Ab2 内下弦材 12a3,12Aa3,12b3,12Bc ラチス材 12c,12Ac 斜材 b1,b2 ボルト bh1,bh2 ボルト孔 n ナット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 光雄 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 岩田 昌之 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 宮木 宗和 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 木村 充 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 津司 優子 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 大久保 貞吉 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 藤村 勝 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリ
    ート造の既存建築物の耐震補強方法において、既存建築
    物の外側に、その外周の既存柱及び既存梁に対応する補
    強柱及び補強梁からなる鋼製の剛性や耐力の高い補強フ
    レームを、その補強柱及び補強梁を既存柱及び既存梁に
    接近させて構築し、補強フレームの補強柱及び補強梁に
    対応させて既存柱及び既存梁に多数のアンカーを植設
    し、補強柱を前記アンカーを用いて既存柱に結合し、か
    つ補強梁を前記アンカーを用いて既存梁に結合すること
    を特徴とする既存建築物の耐震補強方法。
  2. 【請求項2】建築物の外周に位置する柱が建築物の主な
    外周面よりも外側に突出している形式の鉄筋コンクリー
    ト造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建築物の外側
    に、既存建築物の外周の既存柱及び既存梁に対応する補
    強柱及び補強梁からなる鋼製の剛性や耐力の高い補強フ
    レームを、その補強柱及び補強梁を既存柱及び既存梁に
    接近させて構築し、補強フレームの補強柱及び補強梁に
    対応させて既存柱及び既存梁に多数のアンカーを植設
    し、補強柱を前記アンカーを用いて既存柱に結合し、か
    つ補強梁を前記アンカーを用いて既存梁に結合する既存
    建築物の耐震補強方法において、補強柱をその少なくと
    も既存柱側の上下方向の両側にフランジのある鋼材で構
    成し、そのフランジ間の寸法を既存柱の幅に概略一致す
    るようにして、補強柱の前記フランジ間に既存柱の外側
    に突出した部分を位置させることを特徴とする既存建築
    物の耐震補強方法。
  3. 【請求項3】補強フレームの補強柱の既存柱側のフラン
    ジとウェブとで囲まれる空間内の梁取付部等の補強すべ
    き個所にそれぞれ水平にスチフナーを設け、既存柱の前
    記スチフナーに対応する部分にそれぞれ水平方向に延び
    る横溝孔を穿設し、補強柱の前記スチフナーを既存柱の
    前記横溝孔内に嵌入させることを特徴とする請求項2記
    載の既存建築物の耐震補強方法。
  4. 【請求項4】建築物の外周に位置する柱が建築物の主な
    外周面から突出していない形式の鉄筋コンクリート造又
    は鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建築物の外側に、既存
    建築物の外周の既存柱及び既存梁に対応する補強柱及び
    補強梁からなる鋼製の剛性や耐力の高い補強フレーム
    を、その補強柱及び補強梁を既存柱及び既存梁に接近さ
    せて構築し、補強フレームの補強柱及び補強梁に対応さ
    せて既存柱及び既存梁に多数のアンカーを植設し、補強
    柱を前記アンカーを用いて既存柱に結合し、かつ補強梁
    を前記アンカーを用いて既存梁に結合する既存建築物の
    耐震補強方法において、補強柱をその少なくとも既存柱
    側の上下方向の両側にフランジのある鋼材で構成し、そ
    のフランジ間の寸法を既存柱の幅に略一致するように
    し、既存建築物の外周面の既存柱に対応する位置に補強
    柱の各フランジに対応する位置に上下方向に延びる縦溝
    孔を穿設し、補強柱の前記フランジを既存柱の前記縦溝
    孔に嵌入させることを特徴とする既存建築物の耐震補強
    方法。
  5. 【請求項5】補強フレームの補強柱の既存柱側のフラン
    ジとウェブとで囲まれる空間内の梁取付部等の補強すべ
    き個所にそれぞれ水平にスチフナーを設け、既存建築物
    の外周面の既存柱に対応する部分の補強柱の前記スチフ
    ナーに対応する個所にそれぞれ水平方向に延びる横溝孔
    を穿設し、補強柱の前記スチフナーを既存柱の前記横溝
    孔内に嵌入させることを特徴とする請求項4記載の既存
    建築物の耐震補強方法。
  6. 【請求項6】建築物の外周に位置する柱が建築物の主な
    外周面よりも外側に突出している形式の鉄筋コンクリー
    ト造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建築物の外側
    に、既存建築物の外周の既存柱及び既存梁に対応する補
    強柱及び補強梁からなる鋼製の剛性や耐力の高い補強フ
    レームを、その補強柱及び補強梁を既存柱及び既存梁に
    接近させて構築し、補強フレームの補強柱及び補強梁に
    対応させて既存柱及び既存梁に多数のアンカーを植設
    し、補強柱を前記アンカーを用いて既存柱に結合し、か
    つ補強梁を前記アンカーを用いて既存梁に結合する既存
    建築物の耐震補強方法において、その補強梁を上弦主
    材、下弦主材、ラチス材等からなる立体トラスで構成
    し、その成を既存建物の開口部を狭めない範囲内で大き
    くし、補強梁の少なくとも既存梁側の上弦主材及び下弦
    主材を既存梁に植設した前記アンカーを使って既存梁に
    結合することを特徴とする既存建築物の耐震補強方法。
  7. 【請求項7】建築物の外周に位置する柱が建築物の主な
    外周面よりも外側に突出している形式の鉄筋コンクリー
    ト造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建築物の外側
    に、既存建築物の外周の既存柱及び既存梁に対応する補
    強柱及び補強梁からなる鋼製の剛性や耐力の高い補強フ
    レームを、その補強柱及び補強梁を既存柱及び既存梁に
    接近させて構築し、補強フレームの補強柱及び補強梁に
    対応させて既存柱及び既存梁に多数のアンカーを植設
    し、補強柱を前記アンカーを用いて既存柱に結合し、か
    つ補強梁を前記アンカーを用いて既存梁に結合する既存
    建築物の耐震補強方法において、その補強梁を、上弦主
    材、下弦主材及びラチス材からなる外側梁部材と、上弦
    主材、下弦主材及びラチス材からなる内側梁部材とを、
    外側梁部材及び内側梁部材の上弦主材間及び下弦主材間
    を斜材で連結してなる立体トラスで構成し、又は上弦主
    材、下弦主材及びラチス材からなる主梁部材の上弦主材
    及び下弦主材に多数の斜材を介して内上弦材及び内下弦
    材を連結してなる立体トラスで構成し、補強フレームを
    補強梁の外側梁部材又は主梁部材の上弦主材及び下弦主
    材を補強柱に接合して構成し、少なくとも補強梁の内側
    梁部材の上弦主材及び下弦主材又は主梁部材に連結した
    内上弦材及び内下弦材を既存梁に植設したアンカーを用
    いて既存梁に結合することを特徴とする既存建築物の耐
    震補強方法。
  8. 【請求項8】建築物の外周に位置する柱が建築物の主な
    外周面から突出していない形式の鉄筋コンクリート造又
    は鉄骨鉄筋コンクリート造の既存建築物の外側に、既存
    建築物の外周の既存柱及び既存梁に対応する補強柱及び
    補強梁からなる鋼製の剛性や耐力の高い補強フレーム
    を、その補強柱及び補強梁を既存柱及び既存梁に接近さ
    せて構築し、補強フレームの補強柱及び補強梁に対応さ
    せて既存柱及び既存梁に多数のアンカーを植設し、補強
    柱を前記アンカーを用いて既存柱に結合し、かつ補強梁
    を前記アンカーを用いて既存梁に結合する既存建築物の
    耐震補強方法において、その補強梁を上弦主材と下弦主
    材とをラチス材で接合してなる平面トラスで構成し、そ
    の成を既存建物の開口部を狭めない範囲内で大きくし、
    補強梁の少なくとも上弦主材及び下弦主材を既存梁に植
    設した前記アンカーを使って既存梁に結合することを特
    徴とする既存建築物の耐震補強方法。
  9. 【請求項9】補強梁の上弦主材及び下弦主材のフランジ
    幅を補強柱のフランジ幅よりも小さくし、補強梁の上弦
    主材及び下弦主材の外側面と補強柱の外側面とが面一に
    なるように補強梁の上弦主材及び下弦主材を補強柱に接
    合し、その接合部の近傍の補強梁の上弦主材及び下弦主
    材の既存梁側の部分と補強柱との間に水平方向に延びる
    補強スチフナーを設け、既存柱よりの既存梁の外側面の
    前記補強スチフナーに対応する個所にそれぞれ水平方向
    に延びる横溝孔を穿設し、前記補強スチフナーを前記横
    溝孔内に嵌入させることを特徴とする請求項8記載の既
    存建築物の耐震補強方法。
  10. 【請求項10】補強フレームの補強梁のトラスの既存梁
    に面する上弦主材及び下弦主材又は内上弦材及び内下弦
    材を、その鉛直方向のウェブの一方の側の上縁及び下
    縁、或いは上縁又は下縁に水平方向に向けてフランジが
    接合されている鋼材で構成し、それらのウェブのフラン
    ジが接合されていない側の面が既存梁の外側面に接近す
    るように配置することを特徴とする請求項7又は8記載
    の既存建築物の耐震補強方法。
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