JP7363522B2 - 梁補強構造 - Google Patents

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Description

本発明は、既存建築物をリフォームして間取りを変更する際の梁補強構造に関する。
住宅等の既存建築物をリフォームする際、既存の間取りを変更したい場合がある。例えば、2つの部屋を繋げて1つの広い部屋にするような場合には、2つの部屋の間に設けられている邪魔な既存の柱や間仕切り壁等を撤去することになる。柱や間仕切り壁を撤去すると、その柱等が支持していた既存梁の強度が低下することになるため、当該既存梁を補強しなければならない場合がある。このような既存建築物の間取りの変更に伴って既存梁を補強するための発明が、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されている。
特開2008-190169号公報 特開2015-55034号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されているような従来の既存梁の補強構造は、補強を行いたい既存梁に並行して、当該既存梁の下面に補助梁を取り付けるというものであった。既存梁は、対向する一対の既存柱の間に架け渡されており、補助梁についても、既存梁と同様に一対の既存柱の間の長さのものを用いる必要があった。そのため、例えば、リフォーム後の新たな間取りとして、既存梁が延びる方向に大きく部屋を広げたいような場合には、用いる必要のある補助梁の長さも長くなってしまい、大きくコストがかかってしまっていた。また、補助梁で補強する必要のある既存梁の長さによっては、補助梁を取り付けたとしても強度が足りない場合があり、希望する間取りに変更できない場合があった。このように、従来の補助梁による既存梁の補強構造は、既存住宅における既存梁の架かり方や、リフォームによって希望する間取りによっては、適用に制約を受ける場合があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、従来よりも広い対象の既存建築物に適用することができ、より柔軟な間取りの変更に対応することができる梁補強構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る梁補強構造は、既存建築物に設けられている互いに略平行な複数の既存梁のうち、少なくとも2つの前記既存梁に挟まれた位置に配置され、補強の対象となる被補強既存梁と、前記被補強既存梁を補強するため、前記被補強既存梁に直交するように前記少なくとも2つの既存梁の間に架け渡されて前記被補強既存梁の下方から前記被補強既存梁を支持する梁状補強部材と、を備え、前記被補強既存梁は、当該被補強既存梁の長手方向中間部に設けられ、前記被補強既存梁を支持していた被撤去既存柱を撤去したことによって補強の対象となったH形鋼の梁であり、下フランジに、前記被撤去既存柱とのボルト接合に使用していた第1ボルト孔を有し、前記梁状補強部材は、H形鋼からなる部材であり、上フランジに形成された第2ボルト孔と、前記第1ボルト孔とにボルトを連通してボルト接合することにより、前記被補強既存梁と接合することを特徴とする。
好ましくは、本発明に係る梁補強構造は、前記梁状補強部材の端部に前記梁状補強部材を支持する受柱が設けられることを特徴とする。
好ましくは、本発明に係る梁補強構造は、前記少なくとも2つの既存梁の間に2つ以上の前記被補強既存梁を備えることを特徴とする。
本発明に係る梁補強構造は、既存建築物に設けられている互いに略平行な複数の既存梁のうち補強の対象となる被補強既存梁と、前記被補強既存梁を補強するための梁状補強部材と、を備え、前記被補強既存梁は、少なくとも2つの前記既存梁に挟まれた位置に配置されており、前記梁状補強部材は、前記被補強既存梁に直交するように前記少なくとも2つの既存梁の間に架け渡されて前記被補強既存梁の下方から前記被補強既存梁を支持することを特徴とし、被補強既存梁を補強する梁状補強部材が、被補強既存梁に直交するように設けられて、梁状補強部材の長さは、被補強既存梁の長さに依存しないようになっている。そのため、被補強既存梁の長さが長いような場合に、従来のように、被補強既存梁に沿って被補強既存梁の下面に被補強既存梁と略等しい長さの補助梁を取り付けることによって補強することが困難な場合でも、本発明に係る梁補強構造によって補強できる可能性があり、従来より広い対象の既存建築物に適応でき、より柔軟に間取りの変更を行うことができる。
好ましくは、本発明に係る梁補強構造は、前記被補強既存梁は、前記被補強既存梁の長手方向中間部に設けられていた前記被補強既存梁を支持していた被撤去既存柱を撤去したことによって補強の対象となったものであって、前記梁状補強部材が、前記被補強既存梁の前記被撤去既存柱が設けられていた箇所に設けられることを特徴とし、梁状補強部材が、被撤去既存柱が設けられていた同じ位置で被補強既存梁を支持するので、梁状補強部材にかかる荷重による強度計算等を行いやすい。
好ましくは、本発明に係る梁補強構造は、前記梁状補強部材の端部に前記梁状補強部材を支持する受柱が設けられることを特徴とするので、梁状補強部材が受柱によって支持されて、より補強の強度を向上させることができる。
好ましくは、本発明に係る梁補強構造は、前記少なくとも2つの既存梁の間に2つ以上の前記被補強既存梁を備えることを特徴とするので、1つの梁状補強部材によって2つ以上の被補強既存梁が補強することができ、従来の各被補強既存梁と略等しい長さの補助梁を用いた補強構造と比べて、大きくコストを低減できる。
本発明の一実施形態に係る梁補強構造の概要を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る梁補強構造を適用する前の既存建築物の様子を示す部分図。(a)は平面図。(b)は正面図。 図2に本発明の一実施形態に係る梁補強構造を適用した後の様子を示す部分図。(a)は平面図。(b)は正面図。 本発明の一実施形態に係る梁補強構造における梁状補強部材の端部の接合についての一例を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る梁補強構造が適用されるいくつかの例を示す模式平面図。
本発明に係る梁補強構造の一実施形態について、以下、図面を参照しつつ説明する。ただし、以下はあくまで本発明の一実施形態を例示的に示すものであり、本発明の範囲は以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の一実施形態に係る梁補強構造1は、図1に示すように、既存建築物に設けられている互いに略平行な複数の既存梁2のうち補強の対象となる被補強既存梁3と、被補強既存梁3を補強するための梁状補強部材4とを備える。被補強既存梁3は、少なくとも2つの既存梁2に挟まれた位置に配置されており、梁状補強部材4は、被補強既存梁3に直交するように被補強既存梁3を挟んでいる少なくとも2つの既存梁2の間に架け渡されるように設けられて、被補強既存梁3の下方から被補強既存梁3を支持するようになっている。
本実施形態では、既存建築物は水平材である既存梁2と垂直材である既存柱5とを軸組とする鉄骨躯体の住宅となっている。既存梁2は、一対の帯板状の上フランジ及び下フランジと、上フランジ及び下フランジの中央部を接続する帯板状のウェブとによって断面略H字形に形成された長手状部材であるH形鋼を用いたH形鋼梁となっている。既存建築物の各階には、複数の既存柱5が互いに間隔を空けて垂直に立設されており、複数の既存梁2が、既存柱5の間に架け渡されるようにして、それぞれ上フランジが上側で下フランジが下側となる向きで、互いに間隔を空けて平行に、または、互いに直交するように、同一水平面上に配設されて、各階の天井の骨組みが構成されている。
既存梁2の上フランジ及び下フランジ並びにウェブには、既存柱5やブレース等を取り付けたり、既存梁2同士を接合するための継手を取り付けたりするためのボルト孔が設けられている。この既存梁2にボルト孔は、既存建築物の設計規格等に合わせて所定のピッチで設けられている。図1から図4に示した例では、既存梁2の上フランジ及び下フランジに設けられたボルト孔は、断面中央部に位置するウェブを対称面とする面対称となるようにウェブの左右で対称に、また、ウェブの高さ方向中央部を通るウェブに垂直な平面を対称面として上フランジと下フランジとで対称になるように設けられている。既存梁2の上フランジ及び下フランジにはそれぞれ、ウェブの左右のボルト孔間のピッチと略等しいピッチで既存梁2の長手方向に沿ってそれぞれ4つのボルト孔が並び、そのウェブの左右に4つずつ並んだ計8つのボルト孔を一群とするボルト孔群が、既存梁2の長手方向に一定の間隔毎に設けられている。また、既存梁2のウェブには、上フランジ及び下フランジに設けられたボルト孔群に対応した位置に4つずつボルト孔が設けられるようになっている。このように既存梁2には、長手方向に一定の間隔毎にボルト孔群が設けられており、これらのボルト孔群を利用して、ボルト接合によって、既存梁2に既存柱5が取り付けられたり、既存梁2同士が取り付けられるようになっている。
本実施形態では、既存梁2には、長手方向に一定の間隔毎にボルト孔群が設けられており、このボルト孔群を利用して既存柱5や既存梁2等が取り付けられるようになっている。そのため、既存柱5が設けられる間隔や、互いに平行な既存梁2の間隔は、既存梁2に設けられているボルト孔群の間の一定の間隔を単位長さとして、基本的にはその単位長さの倍数の距離となっている。互いに平行な既存梁2では、それぞれのボルト孔群の位置が対応するようになっており、一方の既存梁2のボルト孔群の位置から他方の既存梁2に垂線を下ろした位置に、他方の既存梁2のボルト孔群も位置している。
既存柱5は、既存梁2を支持する。既存梁5は、上端部に既存梁2のボルト孔群に適合する接続部を有し、該接続部を介して既存梁2の下フランジにボルト接合されている。本実施形態では、図1及び図2に示すように、既存建築物の屋内部分に位置する既存柱5については、角鋼管等が用いられて、接続部は、略正方形状に配置された4つのボルト孔を有し、既存梁2の下フランジに設けられたボルト孔群が有する8つのボルト孔のうち中央の4つのボルト孔に取り付けられるようになっており、既存柱5の中心軸の位置が既存梁2の断面中央部のウェブの位置と略一致するように設けられている。一方、既存建築物の建物本体の最外周部分、つまり外壁W部分に位置する既存柱5については、2つのC形鋼を背中合わせに結合したものが用いられて、接続部は、それぞれのC形鋼に対応するように1つずつ計2つのボルト孔を有し、既存梁2の下フランジに設けられたボルト孔群が有する8つのボルト孔のうち中央の屋外側の2つのボルト孔に取り付けられるようになっており、既存柱5の屋内側の端面が既存梁2の断面中央部のウェブが設けられている面と略一致するように、既存柱5が既存梁2の断面中央部のウェブより屋外側に設けられている。
このような既存梁2及び既存柱5を軸組とする既存建築物をリフォームして既存の間取りから新しい間取りに変更する場合に、既存柱5の中からその間取りの変更の邪魔になる撤去したい既存柱5が出てくる場合がある。この既存柱5のうち間取りの変更に伴って撤去されるものが被撤去既存柱6である。被撤去既存柱6を撤去すると、被撤去既存柱6がそれまで支持していた既存梁2の強度が不足して補強する必要が生じる場合がある。この被撤去既存柱6の撤去に伴って補強の必要が生じた既存梁2が被補強既存梁3である。本実施形態に係る梁補強構造1は、この被補強既存梁3を補強するために用いられる。ここで、間取りの変更とは、既存建築物の内部の部屋や区画の配置を変更することであるので、被撤去既存柱6は、既存建築物の外壁W部分に設置されている既存柱5ではなく、屋内部分に設置されている既存柱5の中から選ばれることになる。従って、被撤去既存柱6を撤去することによって補強の必要が生じた被補強既存梁3の左右には、少なくとも1つずつ被補強既存梁3に平行な既存梁2が存在している。
梁状補強部材4は、被補強既存梁3を補強するための部材となっており、断面形状が略一定の長手状部材が用いられる。本実施形態では、図1及び図3に示すように、梁状補強部材4として、上フランジと、下フランジと、上フランジ及び下フランジの中央部を接続するウェブとによって断面略H字形に形成された長手状部材であるH形鋼を用いている。H形鋼は、鉄骨造の建築物において梁として一般的に用いられている鋼材であるので、安価で容易に手に入れることができ、また、上フランジ、下フランジ及びウェブがそれぞれ帯板状で、ボルトを挿通させるためのボルト孔の加工も容易で、その他の部材とボルト接合することも容易である。
梁状補強部材4は、被補強既存梁3の下方で被補強既存梁3に直交するように、被補強既存梁3の左右に存在している被補強既存梁3に平行な既存梁2の間に架け渡されるようにして設けられて、被補強既存梁3を下方から支持する。従って、梁状補強部材4は、被補強既存梁3の下面に被補強既存梁3と交差する箇所で当接して、被補強既存梁3の荷重を受ける。梁状補強部材4と被補強既存梁3とが交差する箇所は、被補強既存梁3の被撤去既存柱6が取り付けられていた箇所と略一致させることが好ましい。それによって、被補強既存梁3は、被撤去既存柱6が撤去された後に略同じ箇所を梁状補強部材4で補強されるような形になり、梁状補強部材4が被補強既存梁3から受ける鉛直下方向の荷重の大きさは、被撤去既存柱6が受けていたものと略同等となるはずなので、強度計算等を行いやすい。
本実施形態では、既存梁2の下フランジに長手方向に沿って一定の間隔毎にボルト孔群が設けられており、被撤去既存柱6も、撤去前に被補強既存梁3の下フランジにボルト接合されている。被撤去既存柱6が撤去された後、被補強既存梁3の下フランジには、被撤去既存柱6が取り付けられていた箇所にボルト孔が空くことになる。このボルト孔に適合するように梁状補強部材4の上フランジにボルト孔を設けて、梁状補強部材4の上フランジを被補強既存梁3の下フランジに当接させてボルト接合することで、梁状補強部材4は被補強既存梁3に取り付けられる。
梁状補強部材4は、被補強既存梁3に平行な被補強既存梁3の左右に位置している既存梁2の間に架け渡されるようにして設けられるが、基本的には、梁状補強部材4の長手方向の端部は、架け渡される既存梁2にそれぞれ取り付けられる。本実施形態では、既存梁2の下フランジには長手方向に沿って一定の間隔毎にボルト孔群が設けられており、被補強既存梁3と、梁状補強部材4が架け渡される被補強既存梁3の左右の既存梁2とで、ボルト孔群の位置が対応するようになっている。従って、梁状補強部材4を、被補強既存梁3の被撤去既存柱6が取り付けられていた箇所のボルト孔に取り付けると、梁状補強部材4が架け渡される被補強既存梁3の左右の既存梁2の位置にはボルト孔群が存在するので、梁状補強部材4の長手方向端部の上フランジに既存梁2の下フランジのボルト孔群に適合するようにボルト孔を設けて、梁状補強部材4の長手方向端部の上フランジを既存梁2の下フランジに当接させてボルト接合することで、梁状補強部材4が既存梁2に取り付けられる。
さらに、本実施形態では、図1及び図3に示すように、既存梁2に取り付けられた梁状補強部材4の長手方向端部に受柱7を設けている。梁状補強部材4の下フランジに、受柱7を取り付けるためのボルト孔を設け、受柱7の上端部に、梁状補強部材4の下フランジのボルト孔と適合するボルト孔を有する接続部を設けて、梁状補強部材4の下フランジと受柱7の接続部とをボルト接合することによって、梁状補強部材4に受柱7が取り付けられる。梁状補強部材4の長手方向端部を支持する受柱7が設けられることで、梁状補強部材4の長手方向中間部で受けた被補強既存梁3からの荷重が、梁状補強部材4を伝わって、受柱7から地面や階下に伝わるようになっている。また、梁状補強部材4の長手方向端部の上フランジは、既存梁2の下フランジに取り付けられており、梁状補強部材4の長手方向端部の下フランジに取り付けられる受柱7は、既存梁2の鉛直下方に位置することになるので、受柱7は梁状補強部材4を介して既存梁2も支持する。このように、梁状補強部材4と、梁状補強部材4の両端部の受柱7とによる柱梁架構構造によって、梁状補強部材4の長手方向中間部にかかる被補強既存梁3の荷重を支持するような形になっている。また、受柱7が、既存梁2と既存柱5とによる柱梁架構構造内に含まれるように設けられて、既存梁2も支持するようになっている。
本実施形態では、既存梁2はH形鋼梁で、上下のフランジ及びウェブに、長手方向に沿って一定の間隔毎に既存柱5や既存梁2同士を接合するためのボルト孔群が設けられており、梁状補強部材4は、この既存梁2に設けられているボルト孔群を利用してボルト接合されるようになっており、受柱7も梁状補強部材4にボルト接合されるようになっている。そのため、梁状補強部材4や受柱7は、工場で部材の切断や溶接、ボルト孔の孔あけ加工等を行って事前に製作しておくことができ、それによって、現場では、部材の切断や溶接、ボルト孔の孔あけ等の作業が不要で、梁状補強部材4や受柱7をボルト接合するだけでよく、工期の短縮や、施工精度等の品質を向上させることができる。
また、既存柱5同士の間隔や、既存梁2同士の間隔は、既存梁2に設けられているボルト孔群の一定の間隔を単位長さとする間隔となっているので、図1及び図3に示すように、梁状補強部材4には、既存梁2と同様のH形鋼を用いて、既存梁2と同様のピッチや間隔でボルト孔群を設けたものを用いている。それによって、被補強既存梁3の下フランジのボルト孔群と、梁状補強部材4の上フランジのボルト孔群との位置を合わせると、梁状補強部材4が架け渡される既存梁2の下フランジに設けられているボルト孔群の位置と、梁状補強部材4の上フランジのボルト孔群の位置とが合うようになっている。
また、梁状補強部材4の上フランジと下フランジとで対称になるようにボルト孔群を設けていることで、現場で上下の向きを気にせずに施工できるので施工ミスを低減でき、梁状補強部材4の上フランジのボルト孔群の位置と、既存梁2の下フランジのボルト孔群との位置を合わせれば、その鉛直下方で梁状補強部材4の下フランジにボルト孔群が位置しているので、その梁状補強部材4の下フランジのボルト孔群を利用して受柱7をボルト接合できる。
このように、梁状補強部材4に、既存梁2と同様のH形鋼を用いて、既存梁2に設けられたボルト孔群と同様のピッチや間隔でボルト孔群を設けるようにすることで、梁状補強部材4が架け渡される既存梁2の間の距離に応じた長さの梁状補強部材4を用意しておけば、その既存梁2の間の被補強既存梁3の位置に依らずに梁状補強部材4を取り付けることができるので、製作したり管理したりする梁状補強部材4の種類を少なくできる。また、既存梁2と梁状補強部材4とで、部材の仕入れや工場の製作ラインを共通化することができて、コストも圧縮できる。
本実施形態に係る梁補強構造1は、以上のような構成となっている。ここで、図2に示すような既存建築物に本実施形態に係る梁補強構造1を適用する場合について説明する。図2に梁補強構造1を適用した後の様子を示す図が図3となっている。図2の既存建築物では、建物本体の外壁W部分に外壁Wに沿って延びる既存梁2が設けられており、この外壁W部分に設けられた既存梁2に平行に、屋内部分に2つの既存梁2が設けられている。これらの3つの既存梁2の長手方向中間部に、平面視で既存梁2の長手方向に垂直な直線上に並ぶように、各既存梁2を支持する既存柱5が設けられている。この3つの既存梁2にそれぞれ設けられた直線上に並ぶ3つの既存柱5のうち、真ん中の既存梁2に設けられた既存柱5を、リフォームの間取りの変更に伴って撤去する。
3つの既存梁2のうちの真ん中の既存梁2に設けられている既存柱5が撤去される被撤去既存柱6であり、被撤去既存柱6が撤去されることによって、真ん中の既存梁2が補強の対象となる被補強既存梁3となって、この被補強既存梁3を梁補強構造1によって補強する。本実施形態に係る梁補強構造1では、梁状補強部材4を、被撤去既存柱6が設けられていた位置で被補強既存梁3と交差するように、被補強既存梁3の左右の既存梁2の間に架け渡して、架け渡した既存梁2の下面に梁状補強部材4の長手方向端部を取り付けて受柱7で受けるようになっている。しかし、ここでは、図2(a)に示すように、梁状補強部材4を架け渡そうとする被補強既存梁3の左右の既存梁2には、それぞれ既存柱5が設けられている。
外壁W部分の既存梁2に設けられている既存柱5は、本実施形態では、C形鋼が背中合わせに2つ結合されたものが用いられて、既存梁2の断面中央部より屋外側に設けられ、既存梁2の下フランジに設けられたボルト孔群が有する8つのボルト孔のうち中央の屋外側の2つのボルト孔に取り付けられているため、既存柱5が設けられている箇所においても、既存梁2の断面中央部より屋内側は空いている。そのため、外壁W部分に設けられている既存梁2に梁状補強部材4が架け渡される場合には、図3に示すように、梁状補強部材4を、外壁W部分の既存梁2側の梁状補強部材4の長手方向端部の側面が既存梁2の断面中央部に略一致して、梁状補強部材4の長手方向端部の上フランジが、既存梁2の下フランジの断面中央部より屋内側の部分に当接するような長さとすることで、既存柱5が設けられている箇所でも、既存柱5を取り外すことなく梁状補強部材4の長手方向端部をそのまま既存梁2に取り付けることができる。この場合の梁状補強部材4に取り付けられる受柱7は、既存柱5に添えるように既存柱5に併設されて、梁状補強部材4の長手方向端部を支持する。この受柱7は、既存柱5と同様に、C形鋼が背中合わせに2つ結合されて上端部に梁状補強部材4の下フランジの2つのボルト孔に適合する接続部を設けたものを用いることができ、長手方向の長さを梁状補強部材4の高さ分だけ既存柱5よりも短くすること以外は、既存柱5と同様に構成してよい。それによって受柱7に用いる部材を既存柱5と共通化してコストの低減を図ることができる。
屋内部分の既存梁2に設けられている既存柱5の場合は、本実施形態では、角鋼管等が用いられて、既存柱5の中心軸の位置が既存梁2の断面中央部のウェブの位置と略一致するように設けられて、既存梁2の下フランジに設けられたボルト孔群が有する8つのボルト孔のうち中央の4つのボルト孔に取り付けられるようになっている。そのため、屋内部分の既存梁2の梁状補強部材4を架け渡そうとする箇所に既存柱5が設けられている場合には、そのままでは、既存梁2に梁状補強部材4を取り付けることができない。この場合は、図3に示すように、梁状補強部材4の長手方向端部を取り付けたい位置に設けられている既存柱5を既存梁2から撤去して、梁状補強部材4の長手方向端部を既存梁2に取り付けた後、撤去した既存柱5の位置に受柱7を設けるようにする。それによって、受柱7は、梁状補強部材4の長手方向端部を受けると共に、梁状補強部材4を介して既存梁2に取り付けられて、撤去された既存柱5と同様に既存梁2を支持する。ここで用いられる受柱7は、既存柱5と同様に、角鋼管等を用いて上端部に梁状補強部材4の下フランジのボルト孔に適合する接続部を設けたものを用いることができ、長手方向の長さを梁状補強部材4の高さ分だけ短くすること以外は、既存柱5と同様に構成してよい。それによって受柱7に用いる部材を既存柱5と共通化してコスト低減を図ることができる。
本実施形態に係る梁補強構造1では、梁状補強部材4を、被補強既存梁3に直交するように被補強既存梁3の下面に取り付けて被補強既存梁3を補強するようになっているが、梁状補強部材4を、被補強既存梁3に沿って、被補強既存梁3の下面に取り付けることによっても被補強既存梁3を補強することができる。この場合は、梁状補強部材4の上フランジと被補強既存梁3の下フランジとがどの位置でも当接するので、梁状補強部材4の上フランジと被補強既存梁3の下フランジとのボルト孔群の位置を合わせて適当な箇所でボルト接合して、梁状補強部材4を被補強既存梁3に取り付ければよい。被補強既存梁3の被補強既存梁3から撤去された被撤去既存柱6が設けられていた箇所が梁状補強部材4の長手方向中間部で覆われるように取り付けられる。被補強既存梁3に沿って設けられる梁状補強部材4の長手方向の端部には、受柱7を取り付けて梁状補強部材4を受けるようにすればよい。その際、被補強既存梁3を支持する既存柱5は残したまま、梁状補強部材4を既存柱5まで延ばして受柱7を既存柱5に添えるように設けてもよいし、既存柱5を撤去して、梁状補強部材4をその撤去した既存柱5の位置まで延ばして、撤去した既存柱5と同じ位置に受柱7を設けるようにしてもよい。また、梁状補強部材4の長手方向の長さを被補強既存梁3を支持する隣接する既存柱5の間の距離よりも短くして、受柱7を既存柱5から間隔を空けて設けるようにしてもよい。
このように、被補強既存梁3の下面に被補強既存梁3に沿って梁状補強部材4が設けられている場合に、その被補強既存梁3は、少なくとも梁状補強部材4が取り付けられている部分については、梁状補強部材4によって補強されているので、本実施形態に係る梁補強構造1によって補強が必要な被補強既存梁3ではなく、梁状補強部材4が取り付けられた既存梁2ということになる。この梁状補強部材4が取り付けられた既存梁2とは別の既存梁2が被補強既存梁3となって本実施形態に係る梁補強構造1を適用する場合に、梁補強構造1の梁状補強部材4を、この梁状補強部材4が取り付けられた既存梁2の梁状補強部材4が取り付けられている部分に架け渡したい場合がある。その場合には、図4に示すように、既存梁2に取り付けられている梁状補強部材4に対して、直交する梁補強構造1の梁状補強部材4の長手方向の端部を取り付けるようにすればよい。この直交する梁状補強部材4同士の接合は、本実施形態では梁状補強部材4には既存梁2と同様にH形鋼が用いられて長手方向に一定の間隔毎にボルト孔群を設けられており、ウェブにもボルト孔が設けられているので、ウェブのボルト孔を利用して接続継手等を介してボルト接合によって接合できるようになっている。このように、梁補強構造1によって被補強既存梁3に直交するように梁状補強部材4を設けて補強するだけではなく、被補強既存梁3に沿って梁状補強部材4を設けて補強するようにしてもよく、また、両者を組み合わせて、梁状補強部材4同士を直交するように設けてもよい。
図5には、本実施形態に係る梁補強構造1が適用されるいくつかの例を模式的に示している。本実施形態に係る梁補強構造1では、図5(a)に示すように、被補強既存梁3と直交する方向に梁状補強部材4を配置することができ、被補強既存梁3と梁状補強部材4との交点の被撤去既存柱6を撤去することができる。そのため、例えば、被補強既存梁3の長手方向中間部に設けられていた被撤去既存柱6や被撤去既存柱6を利用して構成された間仕切り壁によって被補強既存梁3の長手方向に2つの部屋に区画されていた既存の間取りを、リフォームによって2つの部屋を区画していた被撤去既存柱6や間仕切り壁を撤去して被補強既存梁3の長手方向に広がる大きな1つの空間とする新しい間取りにしたいような場合に、梁補強構造1によって、被撤去既存柱6を撤去した後の被補強既存梁3を補強することができる。このとき、従来のように被補強既存梁3に沿った方向に被補強既存梁3と略等しい長さの補助梁を配置して補強する場合は、被補強既存梁3の長手方向の長さが長い場合、その分補助梁の長さも長くなってコストが増大し、また、補助梁を配置しても十分に被補強既存梁3を補強できない虞があったが、そのような場合でも、梁補強構造1の梁状補強部材4の長手方向の長さは被補強既存梁3の長手方向の長さに依存しないので、梁補強構造1を適用できる場合があり、より広い対象での間取りの変更のリフォームが可能となる。また、図5(b)に示すように、梁補強構造1の梁状補強部材4によって、1つの被補強既存梁3だけではなく、複数の被補強既存梁3の荷重を受けるように構成してもよく、梁状補強部材4が架け渡される既存梁2の間に位置している複数の被補強既存梁3と梁状補強部材4との交点の被撤去既存柱6を撤去することができ、より広々とした空間へのリフォームが可能となる。また、複数の被補強既存梁3を対象にして、図5(c)に示すように、受柱7の位置を中心として梁状補強部材4を直交して配置したり、図5(d)に示すように、梁状補強部材4同士をT字状に接続することによって、複数の被撤去既存柱6を撤去することも可能である。
本発明に係る梁補強構造は、特に住宅リフォーム産業において好適に用いられる。
1 梁補強構造
2 既存梁
3 被補強既存梁
4 梁状補強部材
5 既存柱
6 被撤去既存柱
7 受柱

Claims (3)

  1. 既存建築物に設けられている互いに略平行な複数の既存梁のうち、少なくとも2つの前記既存梁に挟まれた位置に配置され、補強の対象となる被補強既存梁と、
    前記被補強既存梁を補強するため、前記被補強既存梁に直交するように前記少なくとも2つの既存梁の間に架け渡されて前記被補強既存梁の下方から前記被補強既存梁を支持する梁状補強部材と、
    を備え、
    前記被補強既存梁は、当該被補強既存梁の長手方向中間部に設けられ、前記被補強既存梁を支持していた被撤去既存柱を撤去したことによって補強の対象となったH形鋼の梁であり、下フランジに、前記被撤去既存柱とのボルト接合に使用していた第1ボルト孔を有し、
    前記梁状補強部材は、H形鋼からなる部材であり、上フランジに形成された第2ボルト孔と、前記第1ボルト孔と、にボルトを連通してボルト接合することにより、前記被補強既存梁と接合することを特徴とする梁補強構造。
  2. 前記梁状補強部材の端部に前記梁状補強部材を支持する受柱が設けられることを特徴とする請求項に記載の梁補強構造。
  3. 前記少なくとも2つの既存梁の間に2つ以上の前記被補強既存梁を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の梁補強構造。
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