JP7363873B2 - 建築物のリフォーム方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の外周に形成されて梁を下側から支持する柱等の耐力要素の交換を伴う建築物のリフォーム方法に関する。
従来より、例えば橋梁等の構造物を支持している柱の交換補修を行う場合には、鋼材などを組んだ支保工を柱の両側に配置し、支保工の上にジャッキを設けて主桁を持ち上げ、柱を抜き取って、新しい柱に交換する工法が知られている(特許文献1参照)。
また、住宅などの建築物においても、例えば建築物の外周の開口部の位置を変更する場合や開口部の幅を拡大する場合には、外周に形成されて上部の梁等を支える柱等の耐力要素を一旦取り外して別の場所に移設する必要や別の耐力要素に変更する必要が生じるので、耐力要素を取り外す際に、梁などの構造躯体を支持する仮設柱等を設置する必要がある。
特開2001-123671号公報
耐力要素を交換等する場合に、その上側に配置される梁などの構造躯体を仮に支持する仮設柱は、建築物の外周に設置すると、耐力要素の取り外しや移設の際に支障が生じるので、建築物の屋内に設置することとなる。仮設柱は、一時的に建築物の構造躯体を支持するものであることから、建築物の屋内に設置する場合に仮設柱の柱脚は床版等の非構造部材で支持することができないので、床組の一部を撤去して、仮設柱を立設し、適宜補強材等を配置した地盤等でその柱脚を支持する必要がある。したがって、仮設柱を設置するために、開口部の変更に伴う内装の解体の他に、天井、床の解体が必要となるため、リフォーム工期及び工事費用が増大する問題がある。
そこで、本発明は、屋内の天井や床の解体を必要とすることなく、建築物の外周に配置される梁を支持する耐力要素の移設や交換を可能とする建築物のリフォーム方法を提供することを目的とする。
本発明の建築物のリフォーム方法は、建築物の外周に向かって垂直に架設される屋内梁と、当該外周に沿って架設される外周梁と、前記外周に配置されており、前記外周梁または前記屋内梁を下方から支持する既設耐力要素と、を有する建築物のリフォーム方法であって、前記外周梁又は前記屋内梁の屋外側を向く面に仮設梁を着脱可能に固定し、当該仮設梁を屋外側に向かって突出させる工程と、前記仮設梁の下面を支持する屋外仮設柱を立設する工程と、前記既設耐力要素を取り外す工程と、前記外周梁又は前記屋内梁を支持する新設耐力要素を設置する工程と、前記屋外仮設柱及び前記仮設梁を撤去する工程と、を含むことを特徴としている。
本発明の建築物のリフォーム方法は、前記仮設梁は、建材としてのH形鋼であり、前記屋外仮設柱は、単管パイプであることを特徴としている。
本発明の建築物のリフォーム方法は、前記仮設梁は、両端に当該仮設梁の長さ方向に対して垂直な面を有し、当該仮設梁の端部を建築物の躯体に固定可能な端部固定手段を有することを特徴としている。
本発明の建築物のリフォーム方法は、前記仮設梁は、その長さが前記建築物の梁として規格化された寸法であることを特徴としている。
本発明の建築物のリフォーム方法は、前記既設耐力要素は柱材を含む部材であり、前記新設耐力要素は前記外周梁又は屋内梁の下側で、外周に沿って架設される補強梁であることを特徴としている。
本発明の建築物のリフォーム方法によると、仮設梁を外周梁又は屋内梁の屋外側を向く面に着脱可能に固定して、当該仮設梁を屋外側に向かって突出させ、屋外仮設柱を立設して仮設梁の下面を支持することにより、外周梁又は屋内梁を支持するので、建築物の外周や屋内側には仮設柱を立設する必要がない。したがって、仮設柱を設置するために、天井及び床を解体する作業が必要がなく、外周梁または屋内梁を下方から支持する耐力要素の交換又は移設を伴うリフォームの工期及び費用を削減することができる。
本発明の建築物のリフォーム方法によると、仮設梁は、建材としてのH形鋼であるので、仮設梁として利用した後に、梁材や柱材として転用可能であり、また、屋外仮設柱は、単管パイプであるので、屋外仮設柱として利用した後に、仮設足場支柱として転用可能であるので、仮設梁及び屋外仮設柱のために特別な部材を用意する必要がなく、リフォーム費用をより低減させることができる。特に、建築物の増改築を含むリフォームにおいて、当該増改築部分の躯体として仮設梁を流用することができれば、鋼材の余剰を回避することができる。
本発明の建築物のリフォーム方法によると、仮設梁の両端に、当該仮設梁の長さ方向に対して垂直な面を有し、仮設梁の端部を建築物の躯体に固定可能な端部固定手段を有するので、仮設梁のどちら側の端部でも外周梁又は屋内梁の屋外側を向く面に固定することができる。そしてこのように仮設梁の両端に端部固定手段を有することで、外周梁又は屋内梁から撤去した後の仮設梁は、建築物の増改築に流用する際に、加工せずにそのまま梁又は柱の間に架設することができる。
本発明の建築物のリフォーム方法によると、仮設梁は、その長さが建築物の梁として規格化された寸法であるので、建築物の増改築に流用する際に、加工せずにそのまま流用することができ梁又は柱の間に架設することができる。なお「規格化された寸法」とは、建築物を設計する際の基準寸法となるモジュール寸法の倍数又は約数に近似する値であって、当該モジュール寸法を用いた建築物に使用される梁の統一規格とされた長さをいう。例えば仮設梁の長さは、モジュール寸法の、0.5倍、1倍、1.5倍、又は2倍の長さである。
本発明の建築物のリフォーム方法によると、耐力要素は柱材を含む部材である耐力要素を取り外して、外周梁又は屋内梁の下側で、外周に沿って架設される補強梁を取り付けて、当該外周梁又は屋内梁を支持するので、建築物の外周に形成されている柱材を取り除くことができ、リフォームによって幅の広い開口部を形成することができる。
第一実施形態の建築物のリフォーム方法を適用する建築物の構造躯体の一部を側面から見た図。 第一実施形態の建築物のリフォーム方法を適用する建築物の構造躯体の一部を正面から見た図、及びその一部拡大図。 屋内梁に仮設梁を固定した状態を説明する図、及びその一部拡大図。 仮設梁に屋外仮設柱を固定した状態を説明する図、及びその一部拡大図。 屋外仮設柱の下端にH形鋼を設けた変形例を説明する図。 仮設梁及び屋外仮設柱を固定した状態の建築物を上方から見た簡略図。 既設耐力要素としての既設軸組フレームを撤去した状態を説明する図。 新設耐力要素としての新設軸組フレームを設置した状態を説明する側面図。 新設耐力要素としての新設軸組フレームを設置した状態を説明する正面図。 新設耐力要素としての補強梁を設置した状態を説明する側面図。 新設耐力要素としての補強梁を設置した状態を説明する正面図。 第二実施形態の建築物のリフォーム方法を適用する建築物の構造躯体の一部を側面から見た図、及びその一部拡大図。 外周梁に仮設梁を固定し、仮設梁に屋外仮設柱を固定した状態を説明する図、及びその一部拡大図。 外周梁に変形例の仮設梁を固定し、当該仮設梁に屋外仮設柱を固定した状態を説明する図、及びその一部拡大図。 第二実施形態の仮設梁及び屋外仮設柱を固定した状態の建築物を上方から見た簡略図。 第二実施形態の既設耐力要素としての既設軸組フレームを撤去した状態を説明する図。 第二実施形態の新設耐力要素としての新設軸組フレームを設置した状態を説明する図。
〔第一実施形態〕
以下、本発明に係る建築物のリフォーム方法の第一実施形態について各図を参照しつつ説明する。本実施形態においては、例えば、リフォームされる建築物1は軽量鉄骨造の建築物1であり、リフォーム方法は、外壁に沿って配置されている耐力要素の移動、変更、又は交換をともなうリフォーム方法である。耐力要素の移動や変更は、建築物1のリフォームによって建築物1の外周に窓などの開口部20を新設する場合や既存開口部を拡幅する場合のように既設耐力要素と新設の開口部20とが干渉する場合が想定される。また、耐力要素の交換は、例えば、地震などによって耐力要素の一部に歪みが生じて交換が必要となった場合や建築物1を耐震補強する場合等が挙げられる。なお、建築物1は、軽量鉄骨造に限定されるものではなく、重量鉄骨造や木造の建築物1であってもよい。
建築物1は、図1及び図2に示すように、外周基礎2の上に立設される既設耐力要素としての既設軸組フレーム3と、建築物1の外周に沿って既設軸組フレーム3の上に配置される外周梁4と、外周梁4と同じ高さレベルに配置されており、建築物1の外周に向かって垂直に架設された屋内梁5と、を有しており、これらをボルト接合することで、構造躯体を形成している。既設耐力要素としての既設軸組フレーム3は、C形鋼を内側に向けて開口するように、左右2本の柱材と上下2本の横架材を矩形に組み合わせて溶接して形成されており、既設軸組フレーム3の内側には必要に応じて対角線上にブレース9が固定されている。既設軸組フレーム3は、建築物1の外周に沿って並べて配置されており、その上側に配置されている外周梁4及び屋内梁5を支持している。
外周梁4は、水平板状の一対の上フランジ及び下フランジと、上フランジ及び下フランジの幅方向の中央部を接続するウェブとによって断面H字形に形成されたH形鋼の梁である。また、屋内梁5は、外周梁4と同一断面形状のH形鋼の梁である。屋内梁5は複数平行に配置されて、各階の図示しない床版をそれぞれ支持する床組となっている。第一実施形態においては、建物の外周にまで屋内梁5が突出しており、屋内梁5の外周側の端部の間に外周梁4が架設されて配置されて、屋内梁勝ちの収まりとなっている。屋内梁5の外周側の端部は既設軸組フレーム3の柱材に支持されることとなり、屋内梁5の屋内側には屋内柱21が形成されて屋内梁5を支持している。外周梁4の両端には、当該外周梁4のウェブに固定されて当該外周梁4の長さ方向に突出し、先端部が外周梁4の幅方向に折れ曲がって形成されたL端部金物6が固定されている。外周梁4は、L端部金物6の先端部が屋内梁5のウェブにボルト固定されることで屋内梁5と接合されている。屋内梁5の外周側の端部には、先端を閉じるプレート10が形成されている。プレート10には、複数のボルト挿入孔が形成されおり、屋内梁5の先端に別の梁を接続することができる。
建築物のリフォーム方法は、まず、図1及び図2に示すように、図示しない外装材を取り外して建築物1の構造躯体を露出させる。なお、図1及び図2においては、床面や天井面等の内装の記載を省略しているが、本建築物のリフォーム方法においては、必ずしも床面等の内装を取り外す必要はない。
外装材を取り外すと、次に、図3に示すように、屋内梁5の建築物1の外周側の端部に仮設梁11を固定する。仮設梁11は屋内梁5と同一断面のH形鋼の梁であり、仮設梁11の両端部には、それぞれの端部を閉じるプレート12が形成されている。また、仮設梁11の長さは、建築物1の梁として規格化された寸法である。具体的には、仮設梁の長さは、モジュール寸法の、例えば0.5倍、1倍、1.5倍、2倍の長さから選択される。なお、モジュール寸法は、建築物1を設計する際の基準寸法であり、「規格化された寸法」とは、モジュール寸法の倍数又は約数に近似する値であって、当該モジュール寸法を用いた建築物1に使用される梁の統一規格とされた長さである。
本発明における「端部固定手段」は、本実施形態においてはプレート12がこれに相当する。仮設梁11は、その両端に、当該仮設梁の長さ方向に対して垂直な面であり、当該仮設梁11の端部を建築物1の構造躯体である屋内梁5に固定可能なプレート12を有することで、仮設梁11のどちら側の端部でも屋内梁5の屋外側を向く面に固定することができる。
また、仮設梁11の両端に端部固定手段としてのプレート12を設け、仮設梁11の長さを建築物1の梁として規格化された寸法とすることで、追加的な加工をすることなく、建築物1の躯体である梁や柱の間に架設することができる。したがって、建築物1の増改築を含むリフォームにおいて、一時的に屋内梁5及び外周梁4に加わる荷重を支えた仮設梁11を撤去した後、当該増改築部分の躯体として流用することができ、鋼材の余剰が発生することを回避することができる。
仮設梁11のプレート12には屋内梁5の先端に形成されたプレート10と同じ位置にボルト挿入孔が形成されており、仮設梁11のプレートと屋内梁5のプレートとを重ね合わせて、ボルト及びナットで締め付けることによって、屋内梁5に仮設梁11を着脱可能に固定する。仮設梁11は屋内梁5の先端に固定されて、屋内梁5を屋外に延長するように屋外側に向かって突出する。
屋内梁5の先端に仮設梁11を固定すると、次に、図4に示すように、仮設梁11を支持するように屋外仮設柱13が立設される。屋外仮設柱13は例えば図示しない仮設足場に使用される単管パイプである。このように、単管パイプを利用して屋外仮設柱13を形成することで、仮設足場用の材を利用して屋外仮設柱13を設けることができ、屋外仮設柱13の専用材を用いる必要がなくなるので、リフォームのコストを下げることができる。屋外仮設柱13は、本実施形態においては屋外の地面22に直接立設されており、屋外仮設柱13の上端に形成された上端プレート19が仮設梁11の先端にボルト固定されている。このように、屋内梁5に屋外に突出する仮設梁11を固定し、当該仮設梁11を屋外仮設柱13で支持することで、屋内梁5及び外周梁4に加わる荷重を支持するので、建築物1の屋内側や外周に別途荷重を支持する構造を配置する必要がなく、建築物1の屋内側に形成される図示しない床組などの内装を取り除くことなく、屋内梁5及び外周梁4の荷重を支持することができる。なお、屋外仮設柱13は地面22に直接立設されるものに限定されるものではない。例えば、地面が軟弱な場合等には、図5に示すように、地面22にH形鋼14を載置し、その上に、屋外仮設柱13を設置してもよい。
仮設梁11及び屋外仮設柱13は、図6に示すように、荷重を支持する必要に応じて複数設置してもよい。複数の平行に隣接する屋内梁5にそれぞれ仮設梁11を固定し、当該仮設梁11をそれぞれ屋外仮設柱13で支持することで、下側に設置される複数の既設軸組フレーム3を取り外しても屋内梁5及び外周梁4の荷重を支持することができる。
そして、仮設梁11及び屋外仮設柱13を設置した後、下側に設置されている既設軸組フレーム3を構造躯体から取り外す。具体的には、隣接する既設軸組フレーム3との間を接続する横綴ボルト及び既設軸組フレーム3と外周梁4及び屋内梁5とを接続する縦綴ボルトを取り外して既設軸組フレーム3を撤去する。既設軸組フレーム3が撤去されても、仮設梁11及び屋外仮設柱13によって、屋内梁5及び外周梁4に加わる荷重が支持されるので、新たな新設耐力要素が設置されるまでの間、梁が不安定となることや撓みが生じることを抑制することができる。なお、既設軸組フレーム3はリフォームの必要に応じて複数取り外される場合もあり、その場合、複数の既設軸組フレーム3により支持していた荷重を受けるために必要な数の架設梁及び屋外仮設柱13が設置される。
既設軸組フレーム3を取り外すと、次に新たに外周梁4及び屋内梁5に加わる荷重を支持するための新設耐力要素を取り付ける。新設耐力要素は、本実施形態においては、図8及び図9に示すように、開口部20の下地となる横材が溶接された新設軸組フレーム15である。このように既設軸組フレーム3を新設軸組フレーム15に交換することによって、建築物1の外壁に開口部20を新設することができる。
なお、新設耐力要素は、新設軸組フレーム15に限定されるものではない。新設耐力要素は、例えば、図10及び図11に示すように、外周梁4及び屋内梁5の下に仮設される補強梁16であってもよい。補強梁16は、外周に沿って形成されており、両端に新設される受け柱17の上に架設されて、外周梁4及び屋内梁5の外周側の端部を支持している。補強梁16は例えば既設軸組フレーム3の幅の2倍の長さであり2つの既設軸組フレーム3を取り外して補強梁16が架設される。このように補強梁16は両端の受け柱17によって支持され架設されているので、既設軸組フレーム3によって、外周梁4及び屋内梁5を支持する場合よりも、幅の広い大きな開口部20を設けることができる。
新設耐力要素としての新設軸組フレーム15又は補強梁16によって、外周梁4及び屋内梁5を支持すると、屋外仮設柱13の上端プレート19と仮設梁11の先端とを接続しているボルトを緩めて、屋外仮設柱13を撤去する。そして、屋内梁5のプレートと仮設梁11のプレートとを接続しているボルトを緩めて、屋内梁5から仮設梁11を取り外す。そして、新たに開口部20を形成するための外装材を固定するとともに、窓サッシ等を固定して、リフォームを完成させる。
〔第二実施形態〕
本実施形態の建築物のリフォーム方法は、上述の形態に限定されるものではない。次に第二実施形態の建築物のリフォーム方法について図12から図16を参照しつつ説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。第二実施形態の建築物のリフォーム方法が適用される建築物1は、図12に示すように、外周梁4が建物の外周に通っており、屋内梁5の外周側の端部が外周梁4の屋外側の側面に固定され配置される外周梁勝ちの収まりである。
屋内梁5の外周側の端部には、当該屋内梁5のウェブに固定されて当該屋内梁5の長さ方向に突出し、先端部が屋内梁5の幅方向に折れ曲がって形成されたL端部金物7が固定されている。屋内梁5は、L端部金物7の先端部が外周梁4のウェブの屋内側面にボルト固定されることで外周梁4と接合されている。
第二実施形態の建築物のリフォーム方法は、第一実施形態と同様に、図示しない外装材を取り外して建築物1の構造躯体を露出させ、次に、図13に示すように、外周梁4のウエブの屋外側面に仮設梁11を固定する。仮設梁11は、例えば外周梁4と同一断面のH形鋼の梁であり、仮設梁11の外周梁4に固定する一端には、当該仮設梁11のウェブに固定されて当該仮設梁11の長さ方向に突出し、先端部が仮設梁11の幅方向に折れ曲がって形成されたL端部金物8が固定されている。仮設梁11は、L端部金物8の先端部が外周梁4のウェブの屋内側面にボルト及びナットを締め付けることによって固定され、外周梁4と着脱可能に接合されている。また、仮設梁11の他端には、当該端部を閉じるプレート23が形成されている。本発明における「端部固定手段」は、本実施形態においては一端に形成されたL端部金物8、及び他端に形成されたプレート23がこれに相当する。仮設梁11は、その両端に、当該仮設梁の長さ方向に対して垂直な面であり、当該仮設梁11の端部を建築物1の構造躯体である外周梁4に固定可能なL端部金物8及びプレート23を有することで、仮設梁11のどちら側の端部でも外周梁4の屋外側を向く面に固定することができる。
仮設梁11に用いるH形鋼は、その長さが第一実施形態と同様に、建築物1の梁として規格化された寸法であり、また、仮設梁11の両端に端部固定手段としてのL端部金物8及びプレート23が設けられることで、追加的な加工をすることなく、建築物1の躯体である梁や柱の間に架設することができる。したがって、建築物1の増改築を含むリフォームにおいて、一時的に屋内梁5及び外周梁4に加わる荷重を支えた仮設梁11を撤去した後、当該増改築部分の躯体として流用することができ、鋼材の余剰が発生することを回避することができる。
なお、仮設梁11は、両端にともにL端部金物8が形成される構成であってもよい。仮設梁11を建築物1の増改築部分として流用する際に建築物1の構造躯体に固定できる構成であればよい。
第二実施形態の仮設梁11は、外周梁4と同一断面のH形鋼の梁に限定されるものではなく、屋内梁5及び外周梁4に加わる荷重を一時的に支えることができるものであれば、外周梁4の梁せいよりも仮設梁11の梁せいの短いH形鋼としてもよい。梁せいの短い仮設梁11は、図14に示すように、端部を閉じるプレート18が形成されている。仮設梁11は、外周梁4の上下のフランジの間に挿入可能であり、外周梁4のウエブの屋外側面にプレート18を当接させてボルト及びナットで着脱可能に固定して、外周梁4に着脱可能に接合されている。この場合はプレート18が、本発明における「端部固定手段」に相当する。
そして、外周梁4の側面に仮設梁11を固定すると、次に、第一実施形態と同様に、仮設梁11を支持するように屋外仮設柱13が立設される。このように、屋外に突出する仮設梁11と屋外仮設柱13とで、屋内梁5及び外周梁4に加わる荷重を支持することで、建築物1の屋内側や外周に別途荷重を支持する構造を配置する必要がなく、建築物1の屋内側に形成される図示しない床組などの内装を取り除くことなく、屋内梁5及び外周梁4の荷重を一時的に支持することができる。
なお、仮設梁11は、外周梁4を挟んで屋内梁5と同一直線状に配置されれば、屋内梁5を屋外に延長するように突出することができ、外周梁4に加わる荷重とともに、屋内梁5の外周側の端部に加わる荷重を効果的に支持することができる。仮設梁11を配置する位置は、これに限定されるものではなく、図15に示すように、屋内梁5を固定する位置から外周梁4の長さ方向に50cm程度離れた位置に仮設梁11を配置してもよい。仮設梁11を配置する位置をずらすことで、屋外仮設柱13を設置する地面の状態や足場などの他の要素との干渉を防いで適切な位置に仮設梁11及び屋外仮設柱13を設置することができる。なお、仮設梁11及び屋外仮設柱13は、第一実施形態と同様に、荷重を支持する必要に応じて複数設置してもよい。
以上のようにして、仮設梁11及び屋外仮設柱13を設置した後、図16に示すように、下側に設置されている既設軸組フレーム3を構造躯体から取り外す。既設軸組フレーム3が撤去されても、仮設梁11及び屋外仮設柱13によって、屋内梁5及び外周梁4に加わる荷重が支持されるので、新たな新設耐力要素が設置されるまでの間、梁が不安定となることや撓みが生じることを抑制することができる。既設軸組フレーム3を取り外すと、次に、図17に示すように、新たに外周梁4及び屋内梁5に加わる荷重を支持するための新設耐力要素を取り付ける。新設耐力要素は、第一実施形態と同様に、新設軸組フレーム15であっても、補強梁16であってもよい。
新設耐力要素としての新設軸組フレーム15又は補強梁16によって、外周梁4及び屋内梁5を支持すると、屋外仮設柱13の上端プレート19と仮設梁11の先端とを接続しているボルトを緩めて、屋外仮設柱13を撤去する。そして、屋内梁5のプレートと仮設梁11のプレートとを接続しているボルトを緩めて、屋内梁5から仮設梁11を取り外す。そして、新たに開口部20を形成するための外装材を固定するとともに、窓サッシ等を固定して、第二実施形態のリフォームを完成させる。
以上のように、上記2つの実施形態の建築物のリフォーム方法によると、建築物1の外周や屋内側には仮設柱を立設する必要がないので、仮設柱を設置するために、天井及び床を解体する作業が必要がなく、外周梁4または屋内梁5を下方から支持する耐力要素の交換又は移設を伴うリフォームの工期及び費用を削減することができる。
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る建築物のリフォーム方法は、例えば軽量鉄骨造の住宅のリフォーム方法として好適である。
1 建築物
3 既設軸組フレーム(既設耐力要素)
4 外周梁
5 屋内梁
11 仮設梁
13 屋外仮設柱
15 新設軸組フレーム(新設耐力要素)
16 補強梁(新設耐力要素)

Claims (5)

  1. 建築物の外周に向かって垂直に架設される屋内梁と、
    当該外周に沿って架設される外周梁と、
    前記外周に配置されており、前記外周梁または前記屋内梁を下方から支持する既設耐力要素と、
    を有する建築物のリフォーム方法であって、
    前記外周梁又は前記屋内梁の屋外側を向く面に仮設梁を着脱可能に固定し、当該仮設梁を屋外側に向かって突出させる工程と、
    前記仮設梁の下面を支持する屋外仮設柱を立設する工程と、
    前記既設耐力要素を取り外す工程と、
    前記外周梁又は前記屋内梁を支持する新設耐力要素を設置する工程と、
    前記屋外仮設柱及び前記仮設梁を撤去する工程と、
    を含むことを特徴とする建築物のリフォーム方法。
  2. 前記仮設梁は、建材としてのH形鋼であり、
    前記屋外仮設柱は、単管パイプであることを特徴とする請求項1に記載の建築物のリフォーム方法。
  3. 前記仮設梁は、両端に当該仮設梁の長さ方向に対して垂直な面を有し、当該仮設梁の端部を前記建築物の躯体に固定可能な端部固定手段を有することを特徴とする請求項2に記載の建築物のリフォーム方法。
  4. 前記仮設梁は、その長さが前記建築物の梁として規格化された寸法であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の建築物のリフォーム方法。
  5. 前記既設耐力要素は柱材を含む部材であり、
    前記新設耐力要素は前記外周梁又は屋内梁の下側で、外周に沿って架設される補強梁であることを特徴とする請求項1から請求項3に記載の建築物のリフォーム方法。
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Citations (3)

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JP2005009109A (ja) 2003-06-17 2005-01-13 Sumitomo Fudosan Kk 木造建築物の改築方法
JP2006052545A (ja) 2004-08-10 2006-02-23 Sekisui House Ltd 梁の補強構造及び梁の補強工法
JP2018100542A (ja) 2016-12-21 2018-06-28 株式会社富士ピー・エス 耐震および制振補強施工方法

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