JP7363374B2 - コンクリート構造物の補修工法 - Google Patents

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Description

本発明は地盤面にコンクリート直打ちにより設置されたコンクリート製構造物の補修工法に関し、特に通路部を構成する踏面と側桁とからなる階段状のコンクリート製構造物の補修工法に関する。
発電取水用のダム湖岸の傾斜面には人員や物資を湖岸や湖面に昇降させるための階段等の設備が設置されている。この設備は作業員が貯水池内巡視や水質調査、堆積土砂測量等の目的でダム湖面上をボートで移動する際の船着場として、あるいはボートの昇降作業用として用いられている。またダム湖への油流出発生時においては、オイルフェンスや油水分離機、油吸着マット等の機材の揚降経路としても利用される。
ダム湖岸に設置されたコンクリート階段のなかにはアンカーを省略した無筋の直打ち階段が多く存在する。このようなコンクリート直打ちの階段では当該階段が設置されたダム湖の法面の土砂が湖岸の流水作用によって徐々に洗掘されるため、洗掘された地盤面と階段の基礎との間に空洞が発生し、階段の一部が地盤面から浮いた状態となる。特に利水ダムでは貯水位が変動し、湖岸の洗堀が進みやすいので、利水ダムに設置されたコンクリート直打ちの階段はその基礎の部分に空洞が生じやすい。
その結果、階段の自重に基づくせん断力により階段を構成する躯体が破断し、階段の一部がダム湖内に滑落するなどの危険が生じる。また、躯体がせん断力による破断を生じない場合であっても、洗堀を免れた部位により躯体全体が支持された状態となるため、躯体の長手方向に働く引っ張り応力によって躯体が破断する虞もある。
従来、コンクリート直打ちの階段が設置された法面の洗掘等が原因で当該階段に利用に供し得ない程度の破断や崩落等が生じた場合には補修することなく、既設階段の近傍であって地盤の良い箇所に新たに階段を施工するのが一般的である。
また、コンクリート製の既設階段の補修に関し、特許文献1には階段の踏面に設けられた滑り止めの補修について開示がある。
特開平5-230963号公報
しかしながら、既設構造物の近傍に新たなコンクリート製構造物を建築すると、費用、及び工期が嵩むという問題がある。また、破断や崩落の危険性がある既設構造物を撤去したり、あるいは、撤去を行えない場合には既設構造部への立ち入りを禁止したりするなどの対応が必要となるという課題があった。
なお、特許文献1には既設コンクリート製階段の滑り止め補修についての開示はあるものの、階段の側桁の崩落や階段が設置された地盤面の洗堀等に起因する補修については開示されていない。
そこで、本発明は、既設のコンクリート製構造物を利用しつつ、洗堀により空洞化したコンクリート製構造物の基礎、及び階段の側桁を補修することができるコンクリート直打ち構造物の補修工法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地盤面にコンクリート直打ちにより設置され、踏面を有した通路部と、該通路部の両側面に配置された側桁と、を有したコンクリート製構造物の補修工法において、前記各側桁の外側面に夫々補強桁を配置すると共に、該各補強桁、及び各側桁に跨がり、かつ、前記踏面上を通過するように一本の補強ロッドを貫通させて前記各補強桁を前記各側桁の外側面に夫々固定する第1の工程と、前記コンクリート製構造物の下方に位置する地盤面を段切形成することにより該コンクリート製構造物の下方に空所を形成する第2の工程と、前記両側桁の外側面に沿って型枠板を配置することにより前記空所の両側方を覆う第3の工程と、前記通路部に前記踏面を貫通する貫通孔を形成する第4の工程と、前記貫通孔を介して前記空所内に間詰めコンクリートを充填する第5の工程と、前記貫通孔内に杭部材を上方から挿入し、前記段切形成された地盤の略水平面部分に杭部材を打ち込む第6の工程と、前記間詰めコンクリートが固化した後、前記型枠板を撤去する第7の工程と、を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記第5の工程と前記第6の工程の実施順序は入れ替え可能であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記コンクリート製構造物が階段であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記補強桁はガセットプレートを介して連結し、該ガセットプレートは前記側桁にアンカボルトにより固定されたものであることを特徴とする。
このように本発明によれば、コンクリート製構造物が設置された地盤面が洗堀により空洞化し、コンクリート製構造物の自重によるせん断力で当該コンクリート製構造物が破断した場合に、既設のコンクリート製構造物を補修することができる。
ダム湖岸に設置されたコンクリート製構造物の一例である階段を示す図である。 階段の水平方向の断面図である。 階段側桁の補強後の階段全体の構成を示す側面図である。 階段側桁に設けた側桁貫通孔を説明するための図である。 階段側桁に補強桁を取り付けた状態を説明するための図である。 補強後の階段の階段踏面長手方向の断面を示す図であって、中心線より右側は補強ロッド部断面図、中心線より左側は補強桁接手部断面図である。 補強桁の繋ぎ部を示す図である。 他の補強桁の繋ぎ部分を示す図である。 補強後の階段の踏面周辺を示す説明図である。 コンクリート製構造物の基礎に洗堀が生じた状況を示す図である。 コンクリート製構造物の洗堀された基礎に段切形成を行った際の説明図である。 基礎を段切形成し、基礎の空所にコンクリートを打設した状態を示す断面図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
〔洗堀による空洞化、及び破断〕
まず、本発明に係る補修工法が適用されるコンクリート製構造物について説明する。
図1は、ダム湖岸に設置されたコンクリート製構造物の一例である階段を示す図である。このコンクリート製構造物である階段1はダム湖岸の傾斜面(地盤)2にコンクリート直打ちで形成されており、作業員が階段上部の道路等(図示せず)から湖岸に降りるために設置されている。
図2は階段1の水平方向の断面図であり、階段1は通路部を構成する踏面11と踏面11の左右であって、階段全体の長手方向に沿って設けられた階段側桁13とから構成した無筋のコンクリート構造物である。
図1に示したように階段1が設置された地盤2の一部に洗堀による空洞部3が形成され、地盤2で支持されている階段上部1aと階段下部1bとの間において中空に浮いた状態となり、階段1の自重によるせん断力で階段1の躯体が破断箇所1cにおいて破断すると共に、階段側桁13の一部13aが崩落していることが分かる。このように損傷した直打ちコンクリート製構造物の補修工法について以下に説明する。
〔階段側桁の補修、及び補強工法〕
図3は階段側桁の補強後の階段全体の構成を示す側面図、図4は階段側桁に設けた側桁貫通孔を説明するための図、図5は階段側桁に補強桁を取り付けた状態を説明するための図、図6は補強後の階段の階段踏面長手方向の断面を示す図であって、中心線より右側は補強ロッド部断面図、中心線より左側は補強桁接手部断面図である。また図7は補強桁の繋ぎ部を示す図、図8は他の補強桁の繋ぎ部分を示す図、図9は補強後の階段踏面の周辺を示す説明図である。
まず、図4に示すように、階段側桁(側桁)13の外面に補強桁31を配置するため、階段側桁13の所望の箇所に階段側桁13を水平方向に貫通する側桁貫通孔23を設ける。この際、崩落した階段側桁13a(以下、「崩落側桁」という。)も崩落前の元の位置に戻し、崩落側桁13aの部分も含め側桁貫通孔23を施工する。
側桁貫通孔23は孔の内周縁下側が階段の踏面11よりも上方に位置し、かつ、孔全体が踏面11からの立ち上がり部分に被らない位置(露出状態)とすることで、後述する補強ロッドを用いて補強桁を固定した際、当該補強ロッドの大半が階段踏面11の立ち上がり部分に近接した位置に露出配置されるため、作業員の靴、運搬している物品等が接触することがなく、歩行、運搬を妨げない。
なお、崩落側桁13aはその付近の地盤2が洗堀により空洞化し、躯体の基礎が欠損している場合もある(図10参照)。そのような場合には崩落側桁13aの基礎に相当する部分に載置台等の図示しない仮の基礎を配置し、崩落側桁13aと崩落を免れている階段側桁13とを位置合わせし、側桁貫通孔23を設けるか、あるいは、崩落側桁13aが復元された状態で適切な位置となるよう側桁貫通孔23の位置を定める必要がある。
一方、階段側桁13を補強するための補強桁31にも各側桁貫通孔23に対応する位置に補強桁貫通孔35を設け、その後、補強桁31を階段側桁13の外面にあてがい、補強桁31、及び階段側桁13を跨る鋼製の補強ロッド37を補強桁貫通孔35、及び側桁貫通孔23に挿入、貫通させ、さらに、補強ロッド37の両端に設けられたねじ山部分37aにナット39を螺着し、締め込むことで各補強桁31を各側桁13の外面に固定すると共に、階段側桁13を階段1の幅方向に圧縮し、コンクリート製構造物の躯体に密着させる。
補強桁31としては例えば鋼製の溝形鋼を利用することができる。また、補強桁31は階段側桁13の長手方向であって、階段側桁13の補修、補強が必要な補強範囲全体にわたり固定するのが好ましく、その全長にわたって1本の溝形鋼を利用することもできる。ただし、本発明にかかる補修工法が用いられる階段等のコンクリート製構造物はダム湖等に設置されているので、施工現場まで長尺な鋼材を搬送するのが一般的には困難である。そのため、図3、及び図7に示すように小割した運搬に適したサイズの溝形鋼の補強桁31をガセットプレート33により連結し、一体化して用いるのが好ましい。
例えば、図6の左側、及び図7に示したように、補強桁31の連結部分であって、かつ、補強桁31を構成している溝形鋼の溝内(凹所内)に配置可能な幅のガセットプレート33を配置し、ガセットプレート33と補強桁31とを共にアンカボルト43により階段側桁13に固定することで小割した補強桁31を連結する。この補強桁連結の工程ではアンカボルト43を利用しているので、アンカボルトを挿入する穴41は階段側桁13を水平方向に貫通せず止まり穴の構造となっている。ただし、止まり穴構造、及びアンカボルトに代えて、貫通孔、及び補強ロッドを用いてガセットプレート33を階段側桁13に固定しても良い。またアンカボルト43としては打ち込み式のものやケミカルアンカーを利用することができる。
ガセットプレート33による補強桁31の連結は小割された補強桁31を直線状に連結する場合や、例えば、階段の傾斜が変わり、直線状の補強桁をそのまま用いることができない場合などにも利用できる。
図8は階段の傾斜が変わる場所でガセットプレート33により補強桁31を連結した際の側面を示した図であり、連結される隣り合う補強桁31の端部同士が接するよう補強桁31の端面32を整形加工し、さらにガセットプレート33も補強桁31の連結角度に応じた外形を有するものを用いることで、階段1の傾斜が変わる場所においても階段側桁13を補強桁31により補強することができる。
図9は階段側桁13を補強桁31、及び補強ロッド37を用いて補強した後の階段踏面11周辺を示す説明図であり、前述したように側桁貫通孔23を適切に配置することで、施工後の補強ロッド37は階段踏面11の立ち上がり部分に近接した位置に配置され、階段を利用する作業員等の歩行を妨げることがない。なお、図9において補強ロッド37は階段踏面11の一段おきに配置しているが、図4、図5に示したように階段1の各階段踏面に配置しても良いし、あるいは複数段おきに配置しても良く、階段側桁13を左右から圧縮するために適度な力が得られるよう設ければ良い。
上述したように、補強桁31、ガセットプレート33、補強ロッド37を用いることで、図3に示すように崩落側桁13aを復元し、かつ階段側桁13を階段上部から階段下部まで全体にわたって補強することができる。また、補強ロッド37を用いることで階段の側面方向への引張応力を高め、さらに補強桁31、及びガセットプレート33を用いることで階段の上下方向への引張応力を高める。そのため、補修後にコンクリート製構造物の基礎部分が再び洗堀等により弱くなっても、洗堀等の影響を受けにくいコンクリート製構造物の上部に階段部分がぶら下がり、ぶら下がる荷重を補強桁31、及びガセットプレート33が受け止めるので無筋のコンクリート製構造物であっても躯体が破壊されにくい。
なお、上記説明では補強桁31として鋼製の溝形鋼を例に挙げて説明したが、素材がステンレスのものや強化プラスチックのものを用いてもよく、あるいは高伸度繊維シートやアラミド繊維シートを階段側桁の側部に樹脂含侵等により貼り付け、引張応力に弱いコンクリートを補強しても良い。
〔コンクリート基礎洗堀部空洞の補強、補修工法〕
次に、地盤が洗堀され空洞化したコンクリート基礎部分の補強、補修工法について説明する。
図10はコンクリート製構造物の基礎に洗堀が生じた状況を示す図、図11はコンクリート製構造物の洗堀された基礎に段切形成を行った際の説明図、図12は基礎を段切形成し、基礎の空所にコンクリートを打設した状態を示す断面図である。なお図12において、階段側桁の補強に用いる部材については記載を省略している。
本発明は、地盤面にコンクリート直打ちにより設置され、踏面11を有した通路部と、通路部の両側面に配置された側桁13と、を有したコンクリート製構造物の補修工法であって、各側桁の外側面に夫々補強桁31を配置すると共に、各補強桁及び各側桁に跨がり、かつ、踏面上を通過するように一本の補強ロッド36を貫通させて各補強桁を各側桁の外側面に夫々固定する第1の工程と、コンクリート製構造物の下方に位置する地盤面を段切形成することによりコンクリート製構造物の下方に空所(空洞)5を形成する第2の工程と、両側桁の外側面に沿って型枠板を配置することにより空所の両側方を覆う第3の工程と、通路部に踏面を貫通する貫通孔49を形成する第4の工程と、貫通孔を介して空所内に間詰めコンクリートCを充填する第5の工程と、貫通孔内に杭部材45を上方から挿入し、段切形成された地盤の略水平面部分に杭部材を打ち込む第6の工程と、間詰めコンクリートが固化した後、型枠板を撤去する第7の工程と、からなることが特徴的である。
コンクリート製構造物の下方に図10に示した如き空洞部3が既に形成されている場合には、第2の工程では、この空洞部を利用して空所(空洞)5を形成しつつ段切形成する。
なお、第5の工程と第6の工程の実施順序は入れ替え可能である。
まず、補修前の状況は、図10に示したように、コンクリート製構造物1の基礎の一部分において洗堀が生じ、コンクリート製構造物1の躯体の下面と地盤2との間に空洞部3が生じている。なお、13aは崩落した階段側桁である。
このような状況において、前述したように崩落側桁、階段側桁を補修し、その後、図11に示したようにコンクリート製構造物1の下方に形成された空所5底面の地盤2を段切形成する。なお、段切形成された地盤2の断面を理解しやすくするため、図11においては段切形成の断面を破線で表している。地盤2の段切形成は補修後の基礎部分の支持力を高めるために行うもので、例えば、空所5の側面からスコップ等の道具を用いて行う。なお、成形される地盤2は、コンクリートが打設できるよう階段1の幅方向より水平方向に広い範囲とするのが好ましい。
段切形成することにより施工後にコンクリート製構造物1の鉛直方向荷重を段切形成された地盤2の水平面2aで受け、強度を上げることができる。なお、水平面とは厳密な意味での水平面である必要はなく、単管パイプ等の杭部材45を打ち込むことにより鉛直方向荷重を効果的に受けることができる状態であれば多少傾斜した面や非平面であってもよい。
コンクリート打設前に、重力により流動、流出して正規の位置から横方向、その他の方向へずれようとする生コンクリートのずれ防止と、ずれによる上方部の空洞化防止を図る目的で、異形鉄筋(D25)から成るコンクリート留め金具47を、階段側部から段切形成した地盤2の水平面2aの近傍適所に配置する。コンクリート留め金具の配置場所としては、例えば後から打ち込む単管パイプの先端と干渉しない水平面2aの表面、或いは内部などを選定する。単管パイプの打ち込み位置を回避した水平面の適所(複数箇所)にコンクリート留め金具を配置(埋設)することにより、コンクリート留め機能を発揮させつつ、単管パイプを水平面に深く打ち込むことができる。
コンクリート留め金具としては、異形鉄筋同士を結束したものでもよいし、地面に短い鉄筋を打ち込んだり、或いは鉄筋自体をU型に加工して高さ方向の位置取りをしながら配置してもよい。コンクリート留め金具47は鉄筋でなくても生コンクリートの流動、ずれを防止できる手段であればどのような物であってもよい。
なお、コンクリート打設後の階段側仕上がり面に鉄筋が露呈しないよう被り厚さ(60mm程度)分鉄筋長さを控える。
コンクリート留め金具により流下、流動してずれようとする生コンクリートを位置決め保持し、ずれによる上方部の空洞化防止を図ることができる。コンクリートの固化後はコンクリート構造物とコンクリート留め金具47、及び単管パイプ45が一体化して自重や上載荷重による滑落方向荷重に抵抗することができる。コンクリート留め金具47は、単管パイプと接触してもコンクリートの流下防止をする機能に問題は少ないが、単管パイプと干渉しない位置を選定して打ち込むことにより、単管パイプをより深く段切面に打ち込むことが可能となる。
その後、階段側桁13の両側面に空所5を遮蔽するよう、型枠用合板等を配置し、型枠用合板の外側に鋼管や木材等の杭を打ち立て型枠用合板を固定する。
次に空所の上方に位置する階段踏面11をコアドリル等を用いて穿孔し、階段踏面11から空所5に至る踏面貫通孔49を複数形成し、踏面貫通孔49を介して間詰用のコンクリートCを打設することでコンクリート製構造物の下方に形成された空所5をもコンクリートCで充填する。踏面貫通孔49は同じ階段踏面に複数個設けても良いし、あるいは一つの階段踏面に一つまたは複数とし、複数の階段踏面に形成しても良い。このように踏面貫通孔を複数形成することで、コンクリートの打設に伴い、空所5内の空気を抜くための空気抜きとしての機能を付与することができる。また、空所5が階段の長手方向に長く形成されている場合には、複数個所に設けられた踏面貫通孔49からコンクリートを打設することで、コンクリートが空所5内に十分行きわたり、強固な基礎を形成することができる。
その後、打設したコンクリートCが硬化する前に踏面貫通孔49の上部から杭部材である単管パイプ45を打ち込む。
単管パイプを打ち込む際には単管パイプ45を階段貫通孔49の上方から挿入し、段切形成された地盤2の略水平部分2aに単管パイプ45を直接打ち込むような構造とする。さらに、単管パイプ45に代えて鉄筋杭を階段貫通孔49の上方から挿入し、段切形成された地盤2の略水平部分2aに打ち込む構造としても良い。
単管パイプや鉄筋等の杭部材45を地盤に直接打ち込む場合、これら杭部材の全長は地盤に対して十分な打ち込み量を得た状態で階段貫通孔49から突出しない長さとするのが好ましい。
なお、コンクリート留め金具47に単管パイプ45の下端部を意図的に当接させるようにしてもよい。このようにすることにより、空所5に充填されたコンクリートが硬化し、既設のコンクリート製構造物1と一体化した際、硬化したコンクリート内に埋設された単管パイプ45がコンクリート留め金具47を介して地盤の水平面2aにコンクリート製構造物1の鉛直方向荷重を伝えるので、より一層、コンクリート製構造物を強固に支持することができる。
この場合には、型枠用合板を配置・固定する前にコアドリル等による階段踏面11の穿孔を行い、踏面貫通孔49に挿入される単管パイプ45と地盤2の段切形成部に配置されるコンクリート留め金具47との位置合わせを行い、その後、型枠用合板を配置・固定し、踏面貫通孔49からコンクリートを打設する。
この場合の単管パイプ45の全長は、コンクリート留め金具47にその下端部が当接した状態で上端が踏面貫通孔49より突出しない長さとし、単管パイプ45の上端から階段踏面11までの踏面貫通孔49の内部にコンクリートを充填するのが好ましい。
その後、打設した間詰めコンクリートが硬化するのを待ち、間詰めコンクリートが固化した後、型枠用合板を撤去することでコンクリート製構造物の補修が完了する。
なお、上記実施の形態ではまず崩落した階段側桁を補強桁、及びガセットプレート等を用いて補修し、その後、階段と地盤面との間に形成された空所をコンクリートで間詰めした手順としたが、階段側桁の補修、及び補強を行う前にコンクリート基礎洗堀部空洞の補強を行い、コンクリート製構造物の基礎部分を固めた後に階段側桁の補修、及び補強を行っても良い。
また、本発明に係る補修工法のうち、階段側桁を補強する工法は水位塔導水用の河川内導水路や小規模発電所の放水口等、無筋コンクリート製構造物であって水密性が不要で、かつ、圧縮応力がかからない設備が老朽化した場合にも適用可能である。
以上のように本発明に係る補修工法によれば、既設のコンクリート製構造物を利用しつつ、洗堀により空洞化したコンクリート製構造物の基礎、及び階段等の側桁を補修することができる。即ち、従来工法によった場合に発生していた既設構造物の近傍に新たなコンクリート製構造物を建築することによる費用の増大、及び工期の長期化という問題を解決することができる。また、破断や崩落の危険性がある既設構造物を撤去する必要をなくし、且つ撤去を行えない場合に既設構造部への立ち入りを禁止するなどの対応を不要にすることができる。
1…コンクリート製構造物(階段)、1a…階段上部、1b…階段下部、1c…破断箇所、2…地盤、2a…地盤水平面、3…空洞部、11…階段踏面、13…階段側桁、13a…崩落側桁、23…側桁貫通孔、31…補強桁、32…補強桁端面、33…ガセットプレート、35…補強桁貫通孔、37…補強ロッド、39…ナット、41…アンカボルト挿入穴、43…アンカボルト・ナット、45…単管パイプ(杭部材)、47…コンクリート留め金具、49…踏面貫通孔

Claims (4)

  1. 地盤面にコンクリート直打ちにより設置され、踏面を有した通路部と、該通路部の両側面に配置された側桁と、を有したコンクリート製構造物の補修工法であって、
    前記各側桁の外側面に夫々補強桁を配置すると共に、該各補強桁、及び各側桁に跨がり、かつ、前記踏面上を通過するように補強ロッドを貫通させて前記各補強桁を前記各側桁の外側面に夫々固定する第1の工程と、
    前記コンクリート製構造物の下方に位置する地盤面を段切形成することにより該コンクリート製構造物の下方に空所を形成する第2の工程と、
    前記両側桁の外側面に沿って型枠板を配置することにより前記空所の両側方を覆う第3の工程と、
    前記通路部に前記踏面を貫通する貫通孔を形成する第4の工程と、
    前記貫通孔を介して前記空所内に間詰めコンクリートを充填する第5の工程と、
    前記貫通孔内に杭部材を上方から挿入し、前記段切形成された地盤の略水平面部分に杭部材を打ち込む第6の工程と、
    前記間詰めコンクリートが固化した後、前記型枠板を撤去する第7の工程と、
    を含むことを特徴とするコンクリート構造物の補修工法。
  2. 前記第5の工程と前記第6の工程の実施順序は入れ替え可能であることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物の補修工法。
  3. 前記コンクリート製構造物が階段であることを特徴とする請求項1、又は2に記載のコンクリート構造物の補修工法。
  4. 前記補強桁はガセットプレートを介して連結し、該ガセットプレートは前記側桁にアンカボルトにより固定されたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のコンクリート構造物の補修工法。
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