JP2000356018A - 護岸の階段用手摺装置 - Google Patents

護岸の階段用手摺装置

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JP2000356018A
JP2000356018A JP17043999A JP17043999A JP2000356018A JP 2000356018 A JP2000356018 A JP 2000356018A JP 17043999 A JP17043999 A JP 17043999A JP 17043999 A JP17043999 A JP 17043999A JP 2000356018 A JP2000356018 A JP 2000356018A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 護岸の階段部分が冠水しても流水を阻害する
等の支障がないように手摺を設けることができるように
する。 【手段】 護岸Gに設けられた階段Kの傾斜に沿って形
成された傾斜面Sに設けられるベース10と、階段Kの
傾斜に沿う手摺21及び該手摺21を支持する脚部材2
2を備えた手摺本体20と、手摺本体20を傾斜面Sに
対して起立した起立位置Aと傾斜面Sに対して平面的に
倒れる倒れ位置Bとの2位置に移動可能に脚部材22を
ベース10に対して支持する支持機構30と、起立位置
Aで脚部材22をロックするロック機構40とを設けて
構成し、手摺本体20を水勢の影響が少ない倒れ位置B
にすることにより、流水を阻害する等の支障がないよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、護岸の階段用手摺
装置に関し、詳しくは、護岸部分に設けられた階段に設
置される護岸の階段用手摺装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、海岸、河岸には水勢から保護する
ためコンクリート等の護岸が設けられている。この護岸
には、昇り降りするための階段が設けられている。とこ
ろで、一般に、護岸やこれに設けられた階段は傾斜がき
つくなっているところが多く、階段の昇り降りの際に
は、危険を伴い多大の注意を要する。そのため、階段に
手摺を設けて安全に通行したいという要望があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単に手
摺を階段に固定して設けた場合には、台風等による河の
増水や海の時化等で、護岸が冠水すると、護岸に設けた
階段も水没し流水に晒されるが、階段に設けられた手摺
は固定されて階段部分から突出しているため、例えば、
流木等が階段の手摺に引っ掛かり河の流れを阻害し、あ
るいは、流木等が階段の手摺に衝突して手摺や階段を破
損してしまう等、多大な被害が生じる虞があることか
ら、単に階段を設けるということができないのが実情で
あった。本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、護岸の階段部分が冠水しても流水を阻害する等の
支障がないように手摺を設けることができるようにした
護岸の階段用手摺装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、護岸に設けられた階段
の傾斜に沿って形成された傾斜面に設けられる護岸の階
段用手摺装置において、上記傾斜面に設けられるベース
と、上記階段の傾斜に沿う手摺及び該手摺を支持する脚
部材を備えた手摺本体と、上記手摺本体を上記傾斜面に
対して起立した起立位置と上記傾斜面に対して平面的に
倒れる倒れ位置との2位置に移動可能に上記脚部材をベ
ースに対して支持する支持機構と、上記起立位置で上記
脚部材をロックするロック機構とを備えた構成としてい
る。護岸箇所が冠水していない通常使用の場合には、手
摺本体を起立位置に位置させておく。この場合には、手
摺を使用できるので、階段の昇り降りが容易になり、階
段の歩行の安全が図られる。一方、護岸箇所が冠水する
ような場合には、手摺本体を倒れ位置に位置させる。こ
の状態で、河川の水が上昇して階段が水中に没してきて
も、手摺本体は倒されているので、流れに逆らう起立位
置のときに比べ水勢の影響を受けにくく、手摺に対する
水勢の影響を最小限に止めることができ、また、流木等
が流れて手摺本体に引っ掛かろうとしても引っ掛かかり
難くなり、手摺本体による流水阻害が生じにくくなる。
更に、このような倒れ位置にある手摺本体は、流木等が
接触しにくいので、手摺本体や装置の他の部分が破損さ
れる事態が極めて少なくなる。
【0005】また、必要に応じ、上記支持機構を複数設
けた構成としている。支持機構が複数あるので、傾斜面
に対して手摺本体の支点が増え、起立位置における手摺
本体の安定性が向上する。更に、必要に応じ、上記支持
機構を、ヒンジで構成している。詳しくは、上記ヒンジ
を、上記脚部材の下端に設けられる回動板と、上記ベー
スの上面に設けられ上記起立位置で上記回動板と略平行
に位置する回動支持板と、上記回動板と回動支持板とを
連結する回動軸とを備えた構成としている。この支持機
構は、手摺本体を起立位置と倒れ位置とに移動させる
が、ヒンジを利用することにより、回動板に連結した手
摺本体を回動するだけで容易に起立位置と倒れ位置とに
移動させることができる。更にまた、必要に応じ、上記
ロック機構を、上記回動板を上記回動支持板と平行に位
置させた状態で該回動板を押えるロック位置と該回動板
から離間するロック解除位置との2位置に移動可能な押
え部材と、該押え部材を上記ロック位置及びロック解除
位置に移動させる移動機構と、該押え部材を上記ロック
位置に位置決めする位置決め機構とを備えた構成として
いる。押え部材が手摺本体の起立位置を保持するように
押えて固定するので、起立位置における手摺本体の位置
安定性が向上する。また、押え部材が位置決め機構によ
り位置決めされるので、ロックが確実になる。
【0006】また、必要に応じ、上記移動機構を、上記
押え部材が固定され手摺の長手方向に沿って延びるシャ
フトと、上記べースに設けられ上記シャフトを軸方向に
移動可能にガイドするガイド部材と、上記シャフトの軸
回りの回転を規制する回り止め部と、上記シャフトを移
動させる操作部とを備えた構成としている。押え部材
は、シャフトの軸方向の移動によってロック位置とロッ
ク解除位置とに移動可能になる。また、回り止め部によ
り回転が規制されたシャフトに固定されている押え部材
は、シャフトと同様に回転が規制されるので、容易にロ
ック位置に位置決めできる。また、シャフトの移動で押
え部材をロック位置またはロック解除位置に移動でき
る。このようにして、ロック及びロック解除操作が容易
になる。更に、必要に応じ、上記操作部を、上記ベース
に対して回動可能に設けられるレバーと、上記ベースに
固定され上記レバーを回動軸を介して支持するレバー支
持部と、上記レバーに上記回動軸と偏心して設けられる
偏心軸と、上記シャフトに設けられ上記偏心軸が挿通さ
れる長孔を有し該偏心軸の上記回動軸に対する円周運動
を上記シャフトの直線運動に変換するための偏心軸受部
とを備えた構成としている。直接シャフト自体を引いた
り押したりして移動させるのではなく、レバーの回動運
動をシャフトの直線運動に変換して押え部材をロック位
置またはロック解除位置に移動させるので、てこの作用
により少ない労力でロック位置またはロック解除位置の
位置決めが可能になる。
【0007】また、必要に応じ、上記位置決め機構を、
上記べース上に設けられ上記ロック位置において上記押
え部材が係合する突起と、上記回動板に上記突起が貫通
するように設けられ該回動板の回動を許容する貫通孔と
を備えた構成としている。回動板が起立位置がわに回動
すると貫通孔が突起を貫通して回動支持板と略平行に位
置し、この状態で、押え部材をロック位置に位置させる
と、押え部材が突起に係止されるとともに回動板の上に
位置させられて回動板が押えられ、簡易な構造で手摺本
体の起立位置を保持することができるようになる。更
に、必要に応じ、上記ロック機構をロック位置で施錠可
能にした構成としている。施錠をしてロック位置を保持
できるので、不用意にロック解除される事態が防止さ
れ、安全性が確保される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態に係る護岸の階段用手摺装置を説明する。
図1乃至図8に示すように、護岸の階段用手摺装置T
は、河川の護岸Gに設けられる階段K用のものである。
階段Kはコンクリートで形成されており、その左右に
は、階段Kの傾斜に沿った傾斜面Sがコンクリートで階
段Kと一体に形成されている。そして、階段用手摺装置
Tは、上流側に位置する傾斜面Sの一方側に設けられて
いる。実施の形態に係る護岸の階段用手摺装置Tは、傾
斜面Sに設けられるベース10と、階段Kの傾斜に沿う
手摺21及び該手摺21を支持する脚部材22を備えた
手摺本体20と、手摺本体20を傾斜面Sに対して起立
した起立位置Aと傾斜面Sに対して平面的に倒れる倒れ
位置Bとの2位置に移動可能に脚部材22をベース10
に対して支持する支持機構30と、起立位置Aで脚部材
22をロックするロック機構40とを備えて構成されて
いる。これら構成物の材質は、特に限定されないがアル
ミ合金であることが好ましい。ここで、護岸の階段用手
摺装置Tの手摺本体20は、上流側の傾斜面Sから下流
側に倒れるように設置されている。
【0009】ベース10は、板状に形成され、脚部材2
2毎に対応するように複数用いられ、傾斜面Sに埋設し
たスタッドボルトb及びナットnにより固定されてい
る。この各ベース10上において、脚部材22は夫々支
持機構30を介して取付けられている。手摺本体20
は、パイプを用いて形成され、子供から大人の身長に対
応できるように手摺21を2段にして構成され、複数
(実施の形態では4本)の脚部材22を備えている。ま
た、手摺本体20の階段下り口側は、2段の手摺21を
接続してつかみ易いようにU字状に形成されている。支
持機構30は、ヒンジ31から構成され、このヒンジ3
1は脚部材22の下端22aに設けられる回動板32
と、ベース10の上面10aに設けられ起立位置Aで回
動板32と平行に位置する回動支持板33と、回動板3
2と回動支持板33とを連結する回動軸34とから構成
されている。回動板32は、脚部材22の下端22aが
固定された脚部固定部32aと、回動軸34に直接連結
し脚部固定部32aと対峙する連結部32bとからな
る。ここで、脚部固定部32aの底面32cの一対の縁
32dには、回動板32と回動支持板33とが平行にな
るように補助部材35が設けてある。この補助部材35
を用いることにより、回動軸34の回動箇所の影響を無
くして回動板32と回動支持板33とが平行になるよう
に位置させることができる。
【0010】ロック機構40は、回動板32を回動支持
板33と平行の位置にさせた状態で回動板32を押える
ロック位置Xと回動板32から離間するロック解除位置
Yとの2位置に移動可能な押え部材41と、押え部材4
1をロック位置X及びロック解除位置Yに移動させる移
動機構44と、押え部材41をロック位置Xに位置決め
する位置決め機構60とを備えて構成される。押え部材
41は、各脚部材22の回動板32に対応して複数設け
られており、平板で回動板32を押えて保持するのに十
分な大きさに形成されている。また、押え部材41に
は、後述の突起61に係合する係合孔41aが設けられ
ている。移動機構44は、押え部材41が溶接固定され
手摺21の長手方向に沿って延びるシャフト45と、べ
ース10に設けられシャフト45を軸方向に移動可能に
ガイドするガイド部材46と、シャフト45の軸回りの
回転を規制する回り止め部47と、シャフト45を移動
させる操作部50とを備えている。シャフト45は中空
の円筒形状とされ、各べース10に対応する所定の位置
に押え部材41が溶接して取付けられている。ガイド部
材46は、シャフト45を挿通する係合孔46aを有し
ている。ここでは、1つのべース10に対して2つのシ
ャフト支持部46が用いられているが用いる個数は制限
されるものではない。回り止め部47は、べース10上
に逆L字状に形成され、その長手部分が押え部材41が
シャフト45の軸回転で回転しないように押え部材41
上部に対面し、押え部材41がべース10と平行に移動
できるようにしている。
【0011】操作部50は、図6に示すように、ここで
は階段上部の傾斜面Sのベース10(図3に示す10
A)に設けられ、ベース10に対して回動可能に設けら
れるレバー51と、ベース10に固定されレバー51を
回動軸52aを介して支持するレバー支持部52と、レ
バー51に回動軸52aと偏心して設けられる偏心軸5
3と、シャフト45に設けられ偏心軸53が挿通される
長孔54を有し偏心軸53の回動軸52aに対する円周
運動をシャフト45の直線運動に変換するための偏心軸
受部55とから構成されている。即ち、図7に示すよう
に、レバー51は、左倒しすることによりロック位置X
を形成し、右倒しすることによりロック解除位置Yを形
成する。これは、レバー51の回動により生じた偏心軸
53の円周運動による最短移動距離がシャフト45の直
線移動距離に変換されるため、押え部材41がシャフト
45の軸に沿ってロック位置Xまたはロック解除位置Y
に変移することによる。ここでは、操作部50が一番上
のベース10Aに設けられているが、シャフト45のど
の部分に設けても構わない。
【0012】位置決め機構60は、べース10上に設け
られロック位置Xにおいて押え部材41に形成した係合
孔41aが係合する突起61と、回動板32に突起61
が貫通するように設けられ回動板32の回動を許容する
貫通孔62とを備えて構成されている。突起61は、円
柱状でその先端には押え部材41の突起61への係合と
ともに押え部材41の上面を係止する鍔61aが設けら
れている。貫通孔62は、回動板32が回動する際に突
起61が貫通して通過するように開放形成されている。
回動板32は、ロック位置Xにおいて、貫通孔62に突
起61を貫通して、回動板32の上から押え部材41が
突起61に係合及び係止するようにして押える。この状
態が起立位置Aを形成する。
【0013】また、ロック機構40は、ロック位置Xで
施錠可能になっている。詳しくは、レバー51の先端に
孔70を設け、シャフト支持部46の上部にロック位置
Xにおいて孔70に対応する対応孔72を有した施錠部
71を設け、孔70と対応孔72に所望の錠を連通する
ことによりシャフト45の移動を禁止し、ロック位置X
(起立位置A)を保持できるようにしている。
【0014】従って、この護岸の階段用手摺装置Tを使
用するには、階段Kが冠水していないとき、手摺本体2
0を起立位置Aにして利用する場合(以下、通常使用と
いう)と、河川の増水や洪水等により階段Kの冠水が懸
念されるとき、手摺本体20を倒れ位置Bにする場合
(以下、非常使用という)とがある。通常使用時、護岸
の階段用手摺装置Tは、押え部材41がロック位置Xに
て回動板32を押えて固定した状態になっている。即
ち、手摺本体20は起立位置Aにあり、手摺21本来の
機能を有するものとなる。この場合、ベース10が脚部
材22毎に複数設けられ、各脚部材22を夫々ヒンジ3
1を介して支持しているので、手摺本体20は安定して
設置されている。この状態のとき、手摺本体20は、階
段Kの昇り降りの際につかまれ階段Kの歩行を容易にす
るために用いられる。また、ロック機構40にて、手摺
本体20は、起立位置Aに固定されており、手摺21使
用の安全性が確保されている。更に、この状態では、ロ
ック機構40をロック位置Xで施錠することにより、ロ
ック位置Xがいたずらに解除されることはないので、安
全性が確保される。
【0015】非常使用時には、先ず、施錠を解除し、図
7に示すように、レバー51を回動できる状態にし、レ
バー51を引き反対側に倒す。この場合、レバー51の
回転により、偏心軸53が円周運動を行なう。この偏心
軸53は偏心軸受部55の長孔54に挿通されているの
で、偏心軸53により偏心軸受部45が動かされる。こ
れにより、レバー51の回転運動がシャフトの直線運動
に変換され、シャフト45が移動し、シャフト45に溶
接されている押え部材41がロック解除位置Yに移動す
る。押え部材41がロック解除位置Yに位置することに
より、回動板32は押え部材41による押えから解放さ
れて回動可能になる。次いで、手摺本体20を、起立位
置Aから倒れ位置Bに倒す。この場合、支持機構30は
ヒンジ31で構成されているので、回動板32に連結し
た手摺本体20を回動するだけで手摺本体20をすぐさ
ま倒れ位置Bに容易に移動させることができる。この手
摺本体20が倒された状態では、手摺本体20は下流側
に倒されて階段K上に覆い被さり、手摺本体20の機能
が無効になる。
【0016】この状態で、河川の水が上昇して階段Kが
水中に没してきたような場合には、手摺本体20は倒さ
れているので、流れに逆らう起立位置Aのときに比べ水
勢の影響を受けにくく、流木等が流れて手摺本体20に
引っ掛かろうとしても引っ掛かかり難くなり、手摺本体
20による流水阻害が生じにくくなる。また、このよう
な倒れ位置Bにある手摺本体20は、流木等が接触しに
くいので、手摺本体20や装置の他の部分が破損される
事態が極めて少なくなる。このように、手摺本体20を
倒れ位置Bにすれば、流水阻害及び手摺本体等の破損を
防止することができる。更に、手摺本体20は下流側に
倒されているので、流れに逆らわない方向を向いてお
り、この点でも、流水阻害や流木等の接触による装置の
破損が防止される。このように、レバー51を回転し、
手摺本体20を倒すだけで、手摺本体20を起立位置A
から倒れ位置Bに位置させることができるので、位置変
更操作性が容易となる。この位置変更操作性が容易であ
ることは、台風等により急遽手摺位置を変更する場合に
有効に作用する。
【0017】また、再び、通常使用にするときは、先
ず、手摺本体20を倒れ位置Bから起立位置Aに起こ
す。この場合、支持機構30がヒンジ31で構成されて
いるので、回動板32に連結した手摺本体20を回動す
るだけで手摺本体20をすぐさま起立位置Aに容易に移
動させることができる。次に、図7に示すように、ロッ
ク機構40の移動機構のレバー51を上記と逆に回動さ
せて押し倒す。これにより、シャフト45が移動して押
え部材41がロック解除位置Yからロック位置Xに移動
し、押え部材41が突起61に係合し、回動板32が押
え部材41によって押えられる。この場合、レバー51
の回転運動がシャフト45の直線運動に変換されるた
め、てこの作用により押え部材41をロック位置Xに容
易に移動することができる。最後に、ロック機構40を
ロック位置Xで施錠する。このようにして、護岸の階段
用手摺装置Tは、容易に通常使用の形態にすることがで
きる。
【0018】尚、上記実施の形態に係る護岸の階段用手
摺装置Tにおいて、護岸の階段用手摺装置Tを階段Kの
左側(上流側)の傾斜面Sに設けたが、右側(下流側)
の傾斜面Sに設けることもできる。また、傾斜面Sを分
割するように、複数の護岸の階段用手摺装置Tを設ける
こともできる。更に、護岸の階段用手摺装置Tには倒れ
位置Bを保持する機構を備えることもできる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の護岸の階
段用手摺装置によれば、傾斜面に設けられるベースと、
階段の傾斜に沿う手摺及び手摺を支持する脚部材を備え
た手摺本体と、手摺本体を傾斜面に対して起立した起立
位置と傾斜面に対して平面的に倒れる倒れ位置との2位
置に移動可能に脚部材をベースに対して支持する支持機
構と、起立位置で脚部材をロックするロック機構とを備
えたので、手摺本体が起立位置にある場合に護岸部分の
歩行を安全にし、手摺本体が倒れ位置にある場合に手摺
に対する水勢の影響を最小限に止めさせる。即ち、本発
明は、護岸の階段部分が冠水しても流水を阻害する等の
支障がないように手摺を設けることができる。また、支
持機構を複数設けた場合には、起立位置における手摺本
体の安定性を向上させる。また、支持機構を、ヒンジで
構成した場合には、詳しくは、ヒンジを、脚部材の下端
に設けられる回動板と、ベースの上面に設けられ起立位
置で回動板と平行に位置する回動支持板と、回動板と回
動支持板とを連結する回動軸とを備えた場合には、ヒン
ジを利用することにより、回動板に連結した手摺本体を
回動するだけで手摺本体をすぐさま起立位置または倒れ
位置に容易に移動させることができる。すなわち、予期
できない増水により階段部分が冠水する直前において
も、手摺本体は起立位置から倒れ位置に移動することが
できる。
【0020】また、ロック機構を、回動板を回動支持板
と平行に位置させた状態で回動板を押えるロック位置と
回動板から離間するロック解除位置との2位置に移動可
能な押え部材と、押え部材をロック位置及びロック解除
位置に移動させる移動機構と、押え部材をロック位置に
位置決めする位置決め機構とを備えた場合には、押え部
材を移動機構により移動させることができるとともに、
位置決め機構で押え部材を位置決めできるので、押え部
材を容易に導き固定することができる。また、押え部材
を位置決め機構で位置決めしておくことができ、ぐらつ
くことが抑制されるので、起立位置における手摺本体の
安定性を向上させることができる。また、移動機構を、
押え部材が固定され手摺の長手方向に沿って延びるシャ
フトと、べースに設けられシャフトを移動可能にガイド
するガイド部材と、シャフトの軸回りの回転を規制する
回り止め部と、シャフトを移動させる操作部とを備えた
場合には、シャフトの移動による簡易な機構で押え部材
をロック位置とロック解除位置とに移動可能にさせるこ
とができるので、ロック及びロック解除操作を容易にさ
せることができる。また、操作部を、ベースに対して回
動可能に設けられるレバーと、ベースに固定されレバー
を回動軸を介して支持するレバー支持部と、レバーに回
動軸と偏心して設けられる偏心軸と、シャフトに設けら
れ偏心軸が挿通される長孔を有し偏心軸の回動軸に対す
る円周運動をシャフトの直線運動に変換するための偏心
軸受部とで備えた場合には、レバーのてこ作用により少
ない労力でロック位置またはロック解除位置の位置決め
を可能にさせることができる。
【0021】また、位置決め機構を、べース上に設けら
れロック位置において押え部材が係合する突起と、回動
板に突起が貫通するように設けられ該回動板の回動を許
容する貫通孔とを備えて構成した場合には、ロック位置
において、回動板の上に押え部材が位置して係止される
ので、押え部材により確実に回動板を押えて固定するこ
とができ、そのため、起立位置に手摺本体を確実に位置
させることができるとともに、使用時のぐらつきを抑止
することができる。更に、ロック機構をロック位置で施
錠可能にした場合には、手摺本体の起立位置を保持する
ことになり、容易にロック位置が解除されないようにす
ることができるので、子供などがいたずらして、不用意
に操作してしまう事態を防止することができ、通常利用
する起立位置における安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る護岸の階段用手摺装
置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る護岸の階段用手摺装
置を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る護岸の階段用手摺装
置を示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る護岸の階段用手摺装
置の起立位置の一部を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る護岸の階段用手摺装
置の倒れ位置の一部を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る護岸の階段用手摺装
置の移動機構を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る護岸の階段用手摺装
置の移動機構の一部を示す側面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る護岸の階段用手摺装
置の移動機構の一部を示す図であり、(a)は部分平面
図、(b)はその部分側面図である。
【符号の説明】
A 起立位置 B 倒れ位置 G 護岸 K 階段 S 傾斜面 T 護岸の階段用手摺装置 X ロック位置 Y ロック解除位置 10 ベース 20 手摺本体 21 手摺 22 脚部材 30 支持機構 31 ヒンジ 32 回動板 33 回動支持板 34 回動軸 40 ロック機構 41 押え部材 44 移動機構 45 シャフト 46 ガイド部材 47 回り止め部 50 操作部 51 レバー 52 レバー支持部 53 偏心軸 54 偏心軸受部 60 位置決め機構 61 突起 62 貫通孔

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 護岸に設けられた階段の傾斜に沿って形
    成された傾斜面に設けられる護岸の階段用手摺装置にお
    いて、 上記傾斜面に設けられるベースと、上記階段の傾斜に沿
    う手摺及び該手摺を支持する脚部材を備えた手摺本体
    と、上記手摺本体を上記傾斜面に対して起立した起立位
    置と上記傾斜面に対して平面的に倒れる倒れ位置との2
    位置に移動可能に上記脚部材をベースに対して支持する
    支持機構と、上記起立位置で上記脚部材をロックするロ
    ック機構とを備えたことを特徴とする護岸の階段用手摺
    装置。
  2. 【請求項2】 上記支持機構を複数設けたことを特徴と
    する請求項1記載の護岸の階段用手摺装置。
  3. 【請求項3】 上記支持機構を、ヒンジで構成したこと
    を特徴とする請求項1または2記載の護岸の階段用手摺
    装置。
  4. 【請求項4】 上記ヒンジを、上記脚部材の下端に設け
    られる回動板と、上記ベースの上面に設けられ上記起立
    位置で上記回動板と略平行に位置する回動支持板と、上
    記回動板と回動支持板とを連結する回動軸とを備えて構
    成したことを特徴とする請求項3記載の護岸の階段用手
    摺装置。
  5. 【請求項5】 上記ロック機構を、上記回動板を上記回
    動支持板と平行に位置させた状態で該回動板を押えるロ
    ック位置と該回動板から離間するロック解除位置との2
    位置に移動可能な押え部材と、該押え部材を上記ロック
    位置及びロック解除位置に移動させる移動機構と、該押
    え部材を上記ロック位置に位置決めする位置決め機構と
    を備えて構成したことを特徴とする請求項4記載の護岸
    の階段用手摺装置。
  6. 【請求項6】 上記移動機構を、上記押え部材が固定さ
    れ手摺の長手方向に沿って延びるシャフトと、上記べー
    スに設けられ上記シャフトを軸方向に移動可能にガイド
    するガイド部材と、上記シャフトの軸回りの回転を規制
    する回り止め部と、上記シャフトを移動させる操作部と
    を備えて構成したことを特徴とする請求項5記載の護岸
    の階段用手摺装置。
  7. 【請求項7】 上記操作部を、上記ベースに対して回動
    可能に設けられるレバーと、上記ベースに固定され上記
    レバーを回動軸を介して支持するレバー支持部と、上記
    レバーに上記回動軸と偏心して設けられる偏心軸と、上
    記シャフトに設けられ上記偏心軸が挿通される長孔を有
    し該偏心軸の上記回動軸に対する円周運動を上記シャフ
    トの直線運動に変換するための偏心軸受部とを備えて構
    成したことを特徴とする請求項6記載の護岸の階段用手
    摺装置。
  8. 【請求項8】 上記位置決め機構を、上記べース上に設
    けられ上記ロック位置において上記押え部材が係合する
    突起と、上記回動板に上記突起が貫通するように設けら
    れ該回動板の回動を許容する貫通孔とを備えて構成した
    ことを特徴とする請求項6または7記載の護岸の階段用
    手摺装置。
  9. 【請求項9】 上記ロック機構をロック位置で施錠可能
    にしたことを特徴とする請求項5,6,7または8記載
    の護岸の階段用手摺装置。
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