JP7359911B1 - 前駆体及びリチウム二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

前駆体及びリチウム二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初回放電容量及び初回効率が高いリチウム二次電池が得られる、リチウム二次電池用正極活物質の前駆体、及び前記前駆体を用いたリチウム二次電池用正極活物質の製造方法の提供。【解決手段】リチウム二次電池用正極活物質の前駆体であって、前記前駆体は、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む金属複合化合物を含み、下記要件(1)~(3)をすべて満たす前駆体。(1)平均粒子強度が、10MPa以上45MPa未満である。(2)平均粒子径D50が、4μm超20μm以下である。(3)前記前駆体の総質量に対する水分の含有量及び硫酸根の含有量がいずれも1質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、前駆体及びリチウム二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
リチウム二次電池用正極活物質の製造方法としては、例えば、リチウム化合物と、Li以外の金属元素を含む金属複合化合物とを混合して焼成する方法がある。
リチウム二次電池の性能向上を目的として、前記金属複合化合物の検討が行われている。例えば、特許文献1には、リチウムイオン二次電池用正極活物質の前駆体であって、複数の板状一次粒子および前記板状一次粒子よりも小さな微細一次粒子が凝集して形成された二次粒子からなる、ニッケルマンガンコバルト含有複合水酸化物が開示されている。前記ニッケルマンガンコバルト含有複合水酸化物を前駆体とするリチウムイオン二次電池用正極活物質を用いて製造されたリチウムイオン二次電池は、耐久性が高く、出力特性に優れることが開示されている。
JP-A-2020-177860
リチウム二次電池の応用分野が進む中、リチウム二次電池には、さらなる初回放電容量及び初回効率の向上が求められる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、初回放電容量及び初回効率が高いリチウム二次電池が得られる、リチウム二次電池用正極活物質の前駆体、及び前記前駆体を用いたリチウム二次電池用正極活物質の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、下記[1]~[6]である。
[1] リチウム二次電池用正極活物質の前駆体であって、前記前駆体は、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む金属複合化合物を含み、下記要件(1)~(3)をすべて満たす前駆体。
(1)平均粒子強度が、10MPa以上45MPa未満である。
(2)平均粒子径D50が、4μm超20μm以下である。
(3)前記前駆体の総質量に対する水分の含有量及び硫酸根の含有量がいずれも1質量%以下である。
[2] 前記金属複合化合物は、下記組成式(I)で表される金属複合化合物である、[1]に記載の前駆体。
Ni(1-x-y-w)CoMn(OH)2-α ・・・式(I)
(前記組成式(I)中は、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0≦w≦0.5、0≦x+y+w<1、0≦z≦3、-0.5≦α≦2、及びα-z<2を満たし、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、Zn、Sn、Zr、Nb、Ga、W、Mo、B、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)
[3] 粒子強度の標準偏差が1以上9以下である、[1]又は[2]に記載の前駆体。
[4] BET比表面積が2m/g以上50m/g以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の前駆体。
[5] タップ密度が1.0g/cm以上3.5g/cm以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の前駆体。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の前駆体と、リチウム化合物と、を混合する混合工程と、得られた混合物を酸素含有雰囲気下、500℃以上1000℃以下の温度で焼成する焼成工程を有する、リチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
本発明によれば、初回放電容量及び初回効率が高いリチウム二次電池が得られる、リチウム二次電池用正極活物質の前駆体、及び前記前駆体を用いたリチウム二次電池用正極活物質の製造方法を提供することができる。
リチウム二次電池の一例を示す概略構成図である。 全固体リチウム二次電池の全体構成を示す模式図である。
本明細書における用語の定義は以下の通りである。
金属複合化合物(Metal Composite Compound)を以下「MCC」ともいう。
リチウム金属複合酸化物(Lithium Metal Composite Oxide)を以下「LiMO」ともいう。
リチウム二次電池用正極活物質(Cathode Active Material
for lithium secondary batteries)を以下「CAM」ともいう。
「Ni」とは、ニッケル金属単体ではなく、Ni元素であることを示す。Co、Mn等の他の元素の表記も同様である。
「一次粒子」とは、走査型電子顕微鏡などを用いて5000倍以上30000倍以下の視野にて観察した際に、外観上に粒界が存在しない粒子を意味する。
「二次粒子」とは、前記一次粒子が凝集している粒子である。即ち、二次粒子は一次粒子の凝集体である。
数値範囲が例えば「1~10MPa」と記載されている場合、1MPaから10MPaまでの範囲を意味し、下限値である1MPaと上限値である10MPaを含む数値範囲を意味する。
本明細書における前駆体及びMCCの各パラメータの測定方法は以下の通りである。
(平均粒子強度)
前駆体の平均粒子強度(単位:MPa)は、以下のように測定及び算出することができる。まず、前駆体から無作為に20個の二次粒子を選択する。微小圧縮試験機(例えば島津製作所社製、MCT-510)を用いて、選択された二次粒子それぞれについて粒子径及び粒子強度を測定する。ここで、粒子強度Cs(単位:MPa)は、下記式(A)により求められる。下記式(A)中、Pは試験力(単位:N)であり、dは粒子径(単位:mm)である。Pは、試験圧力を徐々にあげて行った際、試験圧力がほぼ一定のまま変位量が最大となる圧力値である。dは、微小圧縮試験機の観察画像におけるX方向とY方向の径を測定し、その平均値を算出した値)である。
Cs=2.8P/πd・・・(A)
得られた20個の二次粒子のCsの平均値が平均粒子強度である。
粒子強度は、粒子径で規格化されているため、各粒子の構造が同じであれば粒子径が異なる粒子であっても同等(平均粒子強度±5%)の粒子強度となる。一方で、粒子間で粒子強度が異なれば、それぞれの粒子の構造が異なるといえる。
(粒子強度の標準偏差)
前駆体の粒子強度の標準偏差は、上記(平均粒子強度)で求めた平均粒子強度及び20個の二次粒子のCsにより算出することができる。
(平均粒子径D50
前駆体の平均粒子径D50(単位:μm)は、レーザー回折散乱法によって測定される前駆体の粒度分布から求めることができる。具体的には、測定対象、例えば前駆体の粉末0.1gを、0.2質量%ヘキサメタりん酸ナトリウム水溶液50mLに投入し、前記粉末を分散させた分散液を得る。次に、得られた分散液についてレーザー回折散乱粒度分布測定装置(例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製、マイクロトラックMT3300EXII)を用いて、粒度分布を測定し、体積基準の累積粒度分布曲線を得る。得られた累積粒度分布曲線において、微小粒子側から50%累積時の粒子径の値が50%累積体積粒度であり、本明細書における平均粒子径(以下、D50と記載することがある)である。
(水分の含有量)
前駆体に含まれる水分の含有量は(単位:質量%)、水分計を用いて測定できる。水分計としては、例えば、電量法カールフィッシャー水分計(831 Coulometer、Metrohm社製)を用いることができる。
(硫酸根の含有量)
前駆体に含まれる硫酸根(SO 2-)の含有量(単位:質量%)は、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP)により測定することができる。例えば、前駆体を塩酸に溶解させた後、誘導結合プラズマ発光分析装置(例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、SPS3000)を用いて硫黄原子量の測定を行うことができる。得られた硫黄原子量を硫酸根に換算することにより、硫酸根の含有量とすることができる。
(組成)
MCCの各元素の組成は、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP)により測定することができる。例えば、前駆体を塩酸に溶解させた後、誘導結合プラズマ発光分析装置(例えば、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、SPS3000)を用いて、各元素量の測定を行うことができる。
(BET比表面積)
前駆体のBET比表面積(単位:m/g)は、BET(Brunauer,Emmett,Teller)法によって測定することができる。BET比表面積の測定では、吸着ガスとして窒素ガスを用いる。例えば、前駆体粉末1gを窒素雰囲気中、105℃で30分間乾燥させた後、BET比表面積計(例えば、マウンテック社製、Macsorb(登録商標))を用いて測定することができる。
(タップ密度)
前駆体のタップ密度(単位:g/cm)は、JIS R 1628-1997に準拠して測定することができる。
(XRDパターン)
前駆体のXRDパターンは、CuKαを線源とし、かつ回折角2θの測定範囲を10°以上90°以下とする粉末X線回折測定により得ることができる。例えば、粉末状の前駆体について、X線回折装置(例えば、株式会社リガク製、Ultima IV)を用いて、XRDパターンを得ることができる。得られたXRDパターンの解析は、解析ソフトウェア(例えば、株式会社リガク製、統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL2)を用いて行うことができる。
本明細書におけるCAMの評価方法は以下の通りである。
(初回放電容量及び初回効率)
<リチウム二次電池用正極の作製>
CAMと導電材(アセチレンブラック)とバインダー(PVdF)とを、CAM:導電材:バインダー=92:5:3(質量比)の組成となるように加えて混練することにより、ペースト状の正極合剤を調製する。正極合剤の調製時には、N-メチル-2-ピロリドンを有機溶媒として用いる。
得られた正極合剤を、集電体となる厚さ40μmのAl箔に塗布して150℃で8時間真空乾燥を行い、リチウム二次電池用正極を得る。このリチウム二次電池用正極の電極面積は1.65cmとする。
<リチウム二次電池(コイン型ハーフセル)の作製>
以下の操作を、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で行う。
上述のリチウム二次電池用正極を、コイン型電池R2032用のパーツ(宝泉株式会社製)の下蓋にアルミ箔面を下に向けて置き、その上にポリエチレン製多孔質フィルムの上に耐熱多孔層を積層した積層フィルムセパレータ(厚み16μm)を置く。ここに電解液を300μl注入する。電解液は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートを30:35:35(体積比)で混合した混合液にLiPFを1mol/lとなるように溶解した液体を用いる。
次に、負極として金属リチウムを用いて、セパレータの上側に置き、ガスケットを介して上蓋をし、かしめ機でかしめてリチウム二次電池を作製する。
上述のリチウム二次電池を用いて以下の方法で初回効率試験を実施し、初回放電容量、初回効率を算出する。
・初回効率試験
リチウム二次電池を25℃で12時間静置することでセパレータ及び正極合剤層に充分電解液を含浸させる。
次に、試験温度25℃において、充電及び放電ともに電流設定値0.2CAとし、それぞれ定電流定電圧充電と定電流放電を行う。充電最大電圧は、4.3V、放電最小電圧は2.5Vとする。充電時間は6時間、放電時間は5時間とする。充電容量を測定し、得られた値を「初回充電容量」(mAh/g)とする。さらに放電容量を測定し、得られた値を「初回放電容量」(mAh/g)とする。
初回放電容量の値と、初回充電容量の値を用い、下記の式で初回効率を算出する。
初回効率(%)=初回放電容量(mAh/g)/初回充電容量(mAh/g)×100
≪金属複合化合物≫
前駆体は、CAMの前駆体である。前駆体は、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含むMCCを含む。前駆体は、下記要件(1)~(3)をすべて満たす。
(1)平均粒子強度が、10MPa以上45MPa未満である。
(2)平均粒子径D50が、4μm超20μm以下である。
(3)前記前駆体の総質量に対する水分の含有量及び硫酸根の含有量がいずれも1質量%以下である。
前駆体は、複数の粒子の集合体である。言い換えれば、前駆体は、粉末状である。本実施形態において、複数の粒子の集合体は、二次粒子のみを含んでいてもよく、一次粒子と二次粒子の混合物であってもよい。
前駆体の総質量に対する、MCCの含有量は、97~99.9質量%であることが好ましく、97.5~99.8質量%であることが好ましく、98~99.7質量%であることがより好ましい。前駆体に含まれ得るMCC、水分、及び硫酸根以外の物質としては、製造の際の原料由来の不純物が挙げられる。
<要件(1)>
前駆体の平均粒子強度は、10MPa以上45MPa未満であり、15~44MPaであることが好ましく、20~42MPaであることがより好ましい。平均粒子強度が前記範囲内であると、得られるリチウム二次電池用正極が好適な電極構造を作りやすく、その結果、得られるリチウム二次電池の初回放電容量及び初回効率が向上する。
要件(1)を充足する前駆体は、粒子強度が低い前駆体である。粒子強度は、二次粒子中の一次粒子の密度、一次粒子同士の配向、一次粒子間の接触面積、一次粒子間の接着の強さ等の一次粒子の凝集状態に関する複数の因子により決定されると考えられる。また、前記因子は、一次粒子の大きさ、形状等の一次粒子由来の特性にも影響される。例えば、二次粒子中の一次粒子の密度が低い前駆体でも、前記その他の因子によっては、前駆体の平均粒子強度は45MPa以上となり、前記要件(1)を充足しなくなると考えられる。
要件(1)を充足する前駆体の二次粒子を構成する一次粒子、及び二次粒子中の一次粒子の凝集状態の好ましい一例を以下に説明する。
一次粒子としては、充分に成長した異方性の形状を有する一次粒子が好ましい。「異方性の形状」とは、一次粒子の短軸に対する長軸の比であるアスペクト比が1.5以上である形状を意味する。異方性の形状としては例えば、棒状の形状や板状の形状が挙げられる。一次粒子が充分に成長すると、一次粒子が比較的大きくなる。大きい一次粒子は、小さい一次粒子に比べ、単位体積当たりの外表面積が小さくなる。したがって、大きい一次粒子は小さい一次粒子に比べ、一次粒子が凝集する際に、一次粒子同士の接触面積が小さくなりやすいと考えられる。また、一次粒子が異方性の形状を有すると、等方性の形状を有する一次粒子と比較し、二次粒子中の一次粒子の密度が低くなると考えられる。「等方性の形状」とは、一次粒子のアスペクト比が1.5未満である形状を意味する。等方性の形状としては例えば、正多角面体状や球状、略球状形状が挙げられる。
二次粒子から無作為に100個の一次粒子を走査型電子顕微鏡により観察したときに、アスペクト比が1.5以上である一次粒子の個数の割合は、50%~100%であることが好ましく、70%~100%であることがより好ましく、85%~100%であることがさらに好ましい。
また、無作為に抽出した100個の二次粒子のうち、上記のようなアスペクト比の高い一次粒子の割合を持つ二次粒子の個数が、50%~100%であることが好ましく、70%~100%であることがより好ましく、85%~100%であることがさらに好ましい。
二次粒子中の一次粒子の平均粒子径は、50~2000nmであることが好ましく、200~1500nmであることが好ましく、300~1000nmであることがさらに好ましい。一次粒子の粒子径は、一次粒子を走査型電子顕微鏡で観察したときの一次粒子の短軸と長軸の平均を意味する。一つの二次粒子の中から無作為に選択した20個の一次粒子の粒子径の平均を一次粒子の平均粒子径とすることができる。
二次粒子中の一次粒子の凝集状態としては、一次粒子の密度が低く、一次粒子間の接触面積が小さく、一次粒子間の接着の強さが小さいことが好ましい。このような二次粒子は、粒子強度が低くなりやすく、前記要件(1)を充足しやすい。
また、二次粒子中の一次粒子の凝集状態としては、一次粒子同士の配向がそろっていることが好ましい。このような場合、隣り合う一次粒子同士が滑ることにより、二次粒子の割れが生じやすいため、このような二次粒子は、粒子強度が低くなりやすく、前記要件(1)を充足しやすい。
一次粒子、及び二次粒子中の一次粒子の凝集状態は、走査型電子顕微鏡による観察により確認することができる。
<要件(2)>
前駆体のD50は、4μm超20μm以下であり、5~17μmであることが好ましく、6~16μmであることがより好ましい。D50が前記範囲の下限値以上であると、初回放電容量が向上する。D50が前記範囲の上限値以下であると、高い電流レートにおける放電容量が向上する。
<要件(3)>
前駆体の総質量に対する水分の含有量及び硫酸根の含有量は、いずれも1質量%以下である。
前駆体の総質量に対する水分の含有量は、0.95質量%以下であることが好ましく、0.90質量%以下であることがより好ましい。水分の含有量は、0.20質量%以上であってもよく、0.30質量%以上であってもよく、0.40質量%以上であってもよい
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
組み合わせの例としては、水分の含有量は、0.20~1質量%であることが好ましく、0.30~0.95質量%であることがより好ましく、0.40~0.90質量%であることがさらに好ましい。
前駆体の総質量に対する硫酸根の含有量は、0.85質量%以下であることが好ましく、0.75質量%以下であることがより好ましい。硫酸根の含有量は、0.10質量%以上であってもよく、0.13質量%以上であってもよく、0.15質量%以上であってもよい。
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
組み合わせの例としては、硫酸根の含有量は、0.10~1質量%であることが好ましく、0.13~0.85質量%であることがより好ましく、0.15~0.75質量%であることがさらに好ましい。
前駆体に含まれるMCCは、層状構造を有する化合物である。前駆体に水分や硫酸根が多く含まれると、MCCの層状構造の層間に水分や硫酸根が侵入し、層間を広げることが知られている。層間が広がると、重なり合う層同士の面がずれやすく、粒子強度が低下しやすいと考えられる。一方、前駆体は、水分の含有量及び硫酸根の含有量が少ないため、水分及び硫酸根による粒子強度の低下の影響を受けにくい。すなわち、前駆体は、実質的に上述した一次粒子の凝集状態に関する複数の因子のみに依存して前記要件(1)を充足していると考えられる。
前駆体は、前記要件(1)~(3)の他、以下の物性を満たすことが好ましい。
前駆体の粒子強度の標準偏差は1~9であることが好ましく、3~8.95であることがより好ましく、5~8.90であることがさらに好ましい。粒子強度の標準偏差が前記範囲の下限値以上であると、粒子同士の接触による粒子割れが生じにくくハンドリング性が高くなる。粒子強度の標準偏差が前記範囲の上限値以下であると、前駆体の均一性が高くなり、得られるCAMを用いた電池のサイクル特性が高くなりやすい。
前駆体のBET比表面積は、2~50m/gであることが好ましく、5~48m/gであることがより好ましく、10~46m/gであることがさらに好ましい。BET比表面積が前記範囲内であると、得られるCAMを用いて電極を作製する際のペースト粘度が調整しやすい。
前駆体のタップ密度は、1.0~3.5g/cmであることが好ましく、1.01~3.3g/cmであることがより好ましく、1.02~3.1g/cmであることがさらに好ましい。タップ密度が前記範囲の下限値以上であると、CAMを製造する際の製造効率が高まりやすい。タップ密度が前記範囲の上限値以下であると、CAMを製造する際の熱分布が均一になり、得られるCAMを用いた電池のサイクル特性が高くなりやすい。
本実施形態において、MCCの結晶構造は、LiMOを製造する際に反応が容易に進行する観点から、層状構造を有し、六方晶、斜方晶、単斜晶のいずれかの結晶系に属することが好ましく、六方晶に属することが特に好ましい。
前駆体に含まれるMCCは結晶度が高く、異方性を有することが好ましい。CuKα線を使用した粉末X線回折測定において、回折角2θ=19.2±1゜の範囲に存在するピークA1における結晶子サイズα1(nm)と、2θ=38.5±1°の範囲に存在するピークB1における結晶子サイズβ1(nm)との和(α1+β1)が10nm以上80nm以下であり、比(α1/β1)が0.85以上であることが好ましい。
(α1、β1の求め方)
本実施形態のMCCのピークA1における結晶子サイズα1およびピークB1における結晶子サイズβ1は、以下のようにして求めることができる。
まず、本実施形態のMCCについて、上述の(XRDパターン)に記載の方法により、ピークA1およびピークB1に対応するピークを決定する。さらに、決定したそれぞれのピークの半値幅を算出し、Scherrer式:D=Kλ/Bcosθ(D:結晶子サイズ、K:Scherrer定数、B:ピーク半値幅)を用いることで結晶子サイズを算出することが出来る。前記式により、結晶子サイズを算出することは従来から使用されている手法である(例えば「X線構造解析-原子の配列を決める-」2002年4月30日第3版発行、早稲田嘉夫、松原栄一郎著、参照)。
<組成>
前駆体に含まれるMCCは、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む。MCCはNiを含むことが好ましく、Ni及びCoを含むことがより好ましい。MCCは、Liを実質的に含まない。Liを実質的に含まないとは、MCCのNi、Co、及びMnの合計のモル数に対するLiのモル数の比が0.1以下であることを意味する。
≪組成式≫
MCCは、下記組成式(I)で表される化合物であることが好ましい。
Ni(1-x-y-w)CoMn(OH)2-α ・・・式(I)
前記組成式(I)中、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0≦w≦0.5、0≦x+y+w<1、0≦z≦3、-0.5≦α≦2、及びα-z<2を満たし、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、Zn、Sn、Zr、Nb、Ga、W、Mo、B、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素である。
MCCは、下記組成式(I)-1で表される水酸化物であることが好ましい。
Ni(1-x-y-w)CoMn(OH)2-α ・・・式(I)-1
前記組成式(I)-1中、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0≦w≦0.5、0≦x+y+w<1、及び-0.5≦α<2を満たし、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、Zn、Sn、Zr、Nb、Ga、W、Mo、B、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素である。
wが0超の場合、得られるCAMを用いた電池のサイクル特性が高くなりやすい観点からMはTi、Mg、Al、Zr、Nb、W、Mo、B、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素であることが好ましく、Al、Zr、Nb、及びWからなる群より選ばれる1種以上の元素であることがより好ましい。
xは、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上が特に好ましい。
またxは、0.44以下が好ましく、0.42以下がより好ましく、0.40以下が特に好ましい。また、本発明の一実施形態としては、xが0であることが好ましい。
また、MがAl、Zr、Nb、W、およびBからなる群より選ばれる1種以上の元素であり、wが0を超える場合は、xが0又はyが0であっても得られるCAMを用いた電池のサイクル特性が高くなりやすいため好ましい。
xの上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1は0.01≦x≦0.44を満たすことが好ましく、0.02≦x≦0.42を満たすことがより好ましく、0.03≦x≦0.40を満たすことが特に好ましい。
yは、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上が特に好ましい。
またyは、0.44以下が好ましく、0.42以下がより好ましく、0.40以下が特に好ましい。また、本発明の一実施形態としては、yが0であることが好ましい。
yの上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1は、0.01≦y≦0.44を満たすことが好ましく、0.02≦y≦0.42を満たすことがより好ましく、0.03≦y≦0.40を満たすことが特に好ましい。
wは、0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.03以上が特に好ましい。
またwは、0.44以下が好ましく、0.42以下がより好ましく、0.40以下が特に好ましい。また、本発明の一実施形態としては、wが0であることが好ましい。
wの上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1は、0.01≦w≦0.44を満たすことが好ましく、0.02≦w≦0.42を満たすことがより好ましく、0.03≦w≦0.40を満たすことが特に好ましい。
x+y+wは、0.03以上が好ましく、0.04以上がより好ましく、0.05以上が特に好ましい。
また、x+y+wは、0.3以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.1以下が特に好ましい。
x+y+wの上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1は、0.03≦x+y+w≦0.3を満たすことが好ましく、0.04≦x+y+w≦0.2を満たすことがより好ましく、0.05≦x+y+w≦0.1を満たすことが特に好ましい。
zは、0.02以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上が特に好ましい。
zは、2.8以下が好ましく、2.6以下がより好ましく、2.4以下が特に好ましい。また、本発明の一実施形態としては、zが0であることが好ましい。
上記上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
上記組成式(I)は0≦z≦2.8を満たすことが好ましく、0.02≦z≦2.8を満たすことがより好ましく、0.03≦z≦2.6を満たすことがさらに好ましく、0.05≦z≦2.4を満たすことが特に好ましい。
本発明の一つの側面としては、組成式(I)は0≦z≦0.5を満たすことが好ましく、0.02≦z≦0.3を満たすことがより好ましく、0.03≦z≦0.2を満たすことがさらに好ましく、0.05≦z≦0.15を満たすことが特に好ましい。
αは、-0.45以上が好ましく、-0.40以上がより好ましく、-0.35以上が特に好ましい。
αは、1.8以下が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.4以下が特に好ましい。上記上限値及び下限値は任意に組みわせることができる。
上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1は-0.45≦α≦1.8を満たすことが好ましく、-0.40≦α≦1.6を満たすことがより好ましく、-0.35≦α≦1.4を満たすことが特に好ましい。
本実施形態において、上記組成式(I)又は上記組成式(I)-1において、0.01≦x≦0.44、0.01≦y≦0.44、0.01≦w≦0.44、0.03≦x+y+w≦0.3、及び-0.45≦α≦1.8を満たすことが好ましく、上記組成式(I)において、0≦z≦2.8を満たすことが好ましい。
<前駆体の製造方法>
前駆体の製造方法は、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属塩の溶液と、錯化剤と、アルカリ溶液と、を反応させることを含む。この場合、得られる前駆体に含まれるMCCは、金属複合水酸化物となる。金属複合水酸化物は、公知のバッチ式共沈殿法又は連続式共沈殿法により製造することが可能である。前駆体に含まれるMCCとして、金属複合酸化物を製造する場合、前記金属複合水酸化物を酸化すればよい。
以下、Ni、Co、及びMnを含むMCCを含む前駆体の製造方法を一例として説明する。具体的には、JP-A-2002-201028に記載された連続式共沈殿法により、ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、マンガン塩溶液、及び錯化剤を反応させ、Ni(1-x’-y’)Cox’Mny’(OH)で表される金属複合水酸化物を製造する。例えば、前記組成式(I)及び前記組成式(I)-1で表されるMCCを製造する場合、x’、y’は前記組成式(I)及び前記組成式(I)-1におけるx、yにそれぞれ対応させる。
ニッケル塩溶液の溶質であるニッケル塩としては、特に限定されないが、例えば硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル及び酢酸ニッケルのうちの少なくとも1種を使用することができる。
コバルト塩溶液の溶質であるコバルト塩としては、例えば硫酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト及び酢酸コバルトのうちの少なくとも1種を使用することができる。
マンガン塩溶液の溶質であるマンガン塩としては、例えば硫酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マンガン及び酢酸マンガンのうちの少なくとも1種を使用することができる。
なお、Ni、Co、及びMn以外の金属元素を含むMCCを含む前駆体を製造する場合も、前記金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、又は酢酸塩を溶質として使用することができる。
以上の金属塩は、前記Ni(1-x’-y’)Cox’Mny’(OH)の組成比に対応する割合で用いられる。すなわち、上記金属塩を含む混合溶液中におけるNi、Co及びMnのモル比が、前記組成式の(1-x’-y’):x’:y’と対応するように各金属塩の量を規定する。また、溶媒として水が使用される。
錯化剤としては、水溶液中で、ニッケルイオン、コバルトイオン、及びマンガンイオンと錯体を形成可能なものであり、例えば、水酸化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、又は弗化アンモニウム等のアンモニウムイオン供給体、ヒドラジン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸及びウラシル二酢酸及びグリシンが挙げられ、アンモニウムイオン供給体が好ましい。
ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、マンガン塩溶液、及び錯化剤を含む混合液に含まれる錯化剤の量は、例えば金属塩(ニッケル塩、コバルト塩、及びマンガン塩)のモル数の合計に対するモル比が0より大きく2.0以下である。
錯化剤として、アンモニウムイオン供給体を使用する場合、反応槽内の溶液の総体積に対するアンモニア濃度は、1~15g/Lであることが好ましく、2~12g/Lであることがより好ましく、3~10g/Lであることがさらに好ましい。アンモニア濃度が前記範囲の下限値以上であると、錯化剤によるMCCの粒子成長が起こりやすく、前記要件(2)のD50の下限値超となりやすい。加えて、前記要件(1)を充足する前駆体が得られやすい。アンモニア濃度が前記範囲の上限値以下であると、MCCの粒子の過剰な成長が抑制され、前記要件(2)のD50の上限値以下となりやすい。上述した傾向は、アンモニア濃度以外の製造条件が同等の前駆体において確認しやすい。
共沈殿法に際しては、ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、マンガン塩溶液、及び錯化剤を含む混合液のpH値を調整するため、混合液のpHがアルカリ性から中性になる前に、混合液にアルカリ溶液を添加する。アルカリ溶液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物の水溶液が例として挙げられる。また、アルカリ金属水酸化物とは、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが例として挙げられる。
なお、本明細書におけるpHの値は、混合液の温度が40℃の時に測定された値であると定義する。混合液のpHは、反応槽からサンプリングした混合液の温度が、40℃になったときに測定する。サンプリングした混合液が40℃未満である場合には、混合液を40℃まで加温してpHを測定する。サンプリングした混合液が40℃を超える場合には、混合液を40℃まで冷却してpHを測定する。
上記ニッケル塩溶液、コバルト塩溶液、及びマンガン塩溶液のほか、錯化剤を反応槽に連続して供給すると、Ni、Co及びMnが反応し、Ni(1-x’-y’)Cox’Mny’(OH)が生成する。
反応温度は、40~80℃であることが好ましく、55~77℃であることがより好ましく、60~75℃であることがさらに好ましい。反応温度が前記範囲内であると、前記要件(1)を充足する前駆体が得られやすい。特に、反応温度が前記範囲の下限値以上であると、得られる前駆体の平均粒子強度が45MPa未満となりやすい。
反応槽内のpH値は、例えばpH9~12.8であることが好ましく、pH10~12であることがより好ましい。pH値が前記範囲内であると、前記要件(1)を充足する前駆体が得られやすい。
反応槽内で形成された反応沈殿物を撹拌しながら中和する。反応沈殿物の中和の時間は、例えば1~20時間である。
撹拌は、撹拌翼を有する撹拌機を回転させながら行うことが好ましい。撹拌を行うことにより、反応槽内の物質が適切に撹拌され、反応槽内の混合状態を適切に保つことで、上記のように調整した反応条件が前駆体の物性に反映されやすくなる。
撹拌回転数に対する反応槽内の溶液の体積の比である、反応槽内の溶液の体積/撹拌回転数は0.1L/rpm以上であることが好ましく、0.2L/rpm以上であることがより好ましく、0.3L/rpm以上であることがさらに好ましい。前記比は、2.0L/rpm以下であってもよく、1.5L/rpm以下であってもよく、1.0L/rpm以下であってもよい
前記下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
組み合わせの例としては、前記比は、0.1~2L/rpmであることが好ましく、0.2~1.5L/rpmであることがより好ましく、0.3~1.0L/rpmであることがさらに好ましい。
前記比が前記範囲の下限値以上であると、前記要件(1)を充足する前駆体が得られやすい。特に、前記比が前記範囲の下限値以上であると、得られる前駆体の平均粒子強度が45MPa未満となりやすい。
連続式共沈殿法で用いる反応槽は、形成された反応沈殿物を分離するためオーバーフローさせるタイプの反応槽を用いることができる。
バッチ式共沈殿法により金属複合水酸化物を製造する場合、反応槽としては、オーバーフローパイプを備えない反応槽、及びオーバーフローパイプに連結された濃縮槽を備え、オーバーフローした反応沈殿物を濃縮槽で濃縮し、再び反応槽へ循環させる機構を有する装置等が挙げられる。
各種気体、例えば、窒素、アルゴン又は二酸化炭素等の不活性ガス、空気又は酸素等の酸化性ガス、又はそれらの混合ガスを反応槽内に供給してもよい。気体以外に酸化状態を促すものとして、過酸化水素などの過酸化物、過マンガン酸塩などの過酸化物塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、硝酸、ハロゲン、オゾンなどを使用することができる。還元状態を促すものとして、シュウ酸、ギ酸などの有機酸、亜硫酸塩、ヒドラジンなどを使用することができる。反応槽内における酸化状態は得られる前駆体の水分および硫酸根含有量に影響を及ぼす。傾向としては、酸化状態を促すと、水分および硫酸根をのちの洗浄工程で除去しにくくなるため、適切に調整することが好ましい。
本実施形態においては、不活性ガスを反応槽内に供給することが好ましい。不活性ガスを反応槽内に供給することによって、前記要件(3)を充足しやすくなる。
上述した反応槽内の温度やpH、反応槽内の溶液中のアンモニア濃度、反応槽内の撹拌状態は、得られる前駆体の粒子強度、粒子径に大きく影響する。このため、前記要件(1)及び(2)を充足するために、各種条件を適宜調整することが好ましい。
本実施形態においては、反応温度を40~80℃とし、反応槽内の溶液の体積に対するアンモニア濃度を1~15g/Lとし、反応槽の体積/撹拌回転数を0.1~2L/rpmとすることが好ましく、反応温度を55~77℃とし、反応槽内の溶液の体積に対するアンモニア濃度を2~12g/Lとし、反応槽の体積/撹拌回転数を0.2~1.5L/rpmとすることがより好ましく、反応温度を60~75℃とし、反応槽内の溶液の体積に対するアンモニア濃度を3~10g/Lとし、反応槽の体積/撹拌回転数を0.3~1.0L/rpmとすることがさらに好ましい。
このような反応条件とすることで、前記要件(1)及び(2)を充足する前駆体が得られやすくなる。
以上の反応後、中和された反応沈殿物を水で洗浄した後に、単離する。単離には、例えば反応沈殿物を含むスラリー(つまり、共沈物スラリー)を遠心分離や吸引ろ過などで脱水する方法が用いられる。
単離された反応沈殿物を洗浄、脱水、乾燥及び篩別し、Ni、Co及びMnを含む金属複合水酸化物が得られる。
反応沈殿物の洗浄は、水、弱酸水、アルカリ性洗浄液で行うことが好ましい。本実施形態においては、アルカリ性洗浄液で洗浄することが好ましく、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液で洗浄することがより好ましい。
反応沈殿物の質量に対して10倍以上の質量の水、弱酸水、アルカリ性洗浄液で洗浄することが好ましい。また、使用する水、弱酸水、アルカリ性洗浄液の温度は30℃以上とすることが好ましい。さらに、洗浄は回分式であれば2回以上行うことが好ましい。
なお、水以外の溶液で洗浄を行った後は、さらに水で洗浄を行い、前記溶液由来の化合物が反応沈殿物に残存しないようにすることが好ましい。上記条件で洗浄を行うことにより、前記要件(3)における硫酸根の含有量が1質量%以下になりやすい。
乾燥温度は、80~250℃であることが好ましく、90~230℃であることがより好ましい。乾燥時間は0.5~24時間であることが好ましく、1~10時間であることが好ましい。乾燥圧力は、常圧、減圧でもよい。このような条件で乾燥を行うことにより、前記要件(3)における水分の含有量が1質量%以下になりやすい。
MCCとして金属複合酸化物を製造する場合、金属複合水酸化物を加熱して金属複合酸化物とすればよい。具体的には、金属複合水酸化物を400~700℃で加熱する。必要ならば複数の加熱工程を実施してもよい。本明細書における加熱温度とは、加熱装置の設定温度を意味する。複数の加熱工程を有する場合、各加熱工程のうち、最高保持温度で加熱した際の温度を意味する。
加熱温度は、400~700℃であることが好ましく、450~680℃であることがより好ましい。加熱温度が400~700℃であると、金属複合水酸化物が十分に酸化され、かつ適切な範囲のBET比表面積を有する金属複合酸化物が得られる。加熱温度が前記範囲の下限値以上であると、金属複合水酸化物が充分に酸化される。加熱温度が前記範囲の上限値以下であると、金属複合水酸化物の過剰な酸化が抑制され、金属複合酸化物のBET比表面積の低下が抑制される。
前記加熱温度で保持する時間は、0.1~20時間が挙げられ、0.5~10時間が好ましい。前記加熱温度までの昇温速度は、例えば、50~400℃/時間である。また、加熱雰囲気としては、大気、酸素、窒素、アルゴン又はこれらの混合ガスを用いることができる。
加熱装置内は、適度な酸素含有雰囲気であってもよい。酸素含有雰囲気は、不活性ガスと酸化性ガスとの混合ガス雰囲気であってもよく、不活性ガス雰囲気下で酸化剤を存在させた状態であってもよい。加熱装置内が適度な酸素含有雰囲気であることにより、金属複合水酸化物に含まれる遷移金属が適度に酸化され、金属複合酸化物の形態を制御しやすくなる。
酸素含有雰囲気中の酸素や酸化剤は、遷移金属を酸化させるために十分な酸素原子が存在すればよい。
酸素含有雰囲気が不活性ガスと酸化性ガスとの混合ガス雰囲気である場合、加熱装置内の雰囲気の制御は、加熱装置内に酸化性ガスを通気させる又は混合液に酸化性ガスをバブリングするなどの方法で行うことができる。
酸化剤として、過酸化水素などの過酸化物、過マンガン酸塩などの過酸化物塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、硝酸、ハロゲン又はオゾンなどを使用できる。
以上の工程により、前駆体を製造することができる。
≪リチウム二次電池用正極活物質の製造方法≫
CAMの製造方法は、前駆体と、リチウム化合物と、を混合する混合工程と、得られた混合物を酸素含有雰囲気下、500℃以上1000℃以下の温度で焼成する焼成工程を有する。前記方法によってLiMOを含むCAMを製造することができる。
CAMの製造方法には、上述した前駆体を用いる。
[混合工程]
前駆体と、リチウム化合物と、を混合する。
本実施形態に用いるリチウム化合物は、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム(水和物を含む)、酸化リチウム、塩化リチウム及びフッ化リチウムの少なくとも何れか一つを使用することができる。これらの中では、水酸化リチウム及び炭酸リチウムのいずれか一方又はその混合物が好ましい。また、水酸化リチウムを含む原料(試薬等)が炭酸リチウムを含む場合には、水酸化リチウム中の炭酸リチウムの含有量は、5質量%以下であることが好ましい。
リチウム化合物と前駆体とを、最終目的物の組成比を勘案して混合し、リチウム化合物と前駆体との混合物を得る。前駆体に含まれる金属の合計量1に対するLiの量(モル比)は、0.98~1.20が好ましく、1.01~1.10がより好ましく、1.03~1.10が特に好ましい。
[焼成工程]
得られた混合物を酸素含有雰囲気下、500℃以上1000℃以下の焼成温度で焼成する。混合物を焼成することにより、LiMOの結晶が成長する。
本明細書における焼成温度とは、焼成炉内の雰囲気の温度であって、保持温度の最高温度(最高保持温度)を意味する。
焼成工程が、複数の焼成段階を有する場合、焼成温度とは、各焼成段階のうち最高保持温度で加熱した際の温度を意味する。
焼成温度は、例えば600~900℃であることが好ましく、650~850℃であることがより好ましく、680℃~820℃であることが特に好ましい。焼成温度が前記範囲の下限値以上であると、強固な結晶構造を有するCAMを得ることができる。また、焼成温度が前記範囲の上限値以下であると、CAMの粒子表面のリチウムイオンの揮発を低減できる。
焼成における保持時間は、1~50時間が好ましく、2~20時間がより好ましい。焼成における保持時間が前記範囲の上限値以下であると、リチウムイオンの揮発が抑制され、電池性能の低下が抑制される。焼成における保持時間が前記範囲の下限値以上であると、結晶の発達が促進され、電池性能の低下が抑制される。
本実施形態において、最高保持温度に達する焼成工程の昇温速度は80℃/時間以上が好ましく、100℃/時間以上がより好ましく、150℃/時間以上が特に好ましい。最高保持温度に達する加熱工程の昇温速度は、焼成装置において、昇温を開始した時間から保持温度に到達するまでの時間から算出される。
焼成工程は、焼成温度が異なる複数の焼成段階を有することが好ましい。例えば、第1の焼成段階と、第1の焼成段階よりも高温で焼成する第2の焼成段階を有することが好ましい。さらに焼成温度及び焼成時間が異なる焼成段階を有していてもよい。
焼成雰囲気として、所望の組成に応じて大気、酸素、窒素、アルゴン又はこれらの混合ガス等が用いられ、必要ならば複数の焼成工程が実施される。焼成雰囲気は、酸素含有雰囲気が好ましい。
前駆体とリチウム化合物との混合物は、不活性溶融剤の存在下で焼成されてもよい。不活性溶融剤は、CAMを使用した電池の初期容量が損なわれない程度に添加され、焼成物に残留してもよい。不活性溶融剤としては、例えばWO2019/177032A1に記載の不活性溶融剤を使用することができる。
焼成時に用いる焼成装置は、特に限定されず、例えば、連続焼成炉又は流動式焼成炉の何れを用いて行ってもよい。連続焼成炉としては、トンネル炉又はローラーハースキルンが挙げられる。流動式焼成炉としては、ロータリーキルンを用いてもよい。
以上のように前駆体とリチウム化合物との混合物を焼成することによりCAMが得られる。
<リチウム二次電池>
本実施形態の前駆体から製造したLiMOをCAMとして用いる場合に好適なリチウム二次電池用正極について説明する。以下、リチウム二次電池用正極を正極と称することがある。
さらに、正極の用途として好適なリチウム二次電池について説明する。
本実施形態の前駆体から製造したLiMOをCAMとして用いる場合の好適なリチウム二次電池の一例は、正極及び負極、正極と負極との間に挟持されるセパレータ、正極と負極との間に配置される電解液を有する。
図1は、リチウム二次電池の一例を示す模式図である。例えば円筒型のリチウム二次電池10は、次のようにして製造する。
まず、図1の部分拡大図に示すように、帯状を呈する一対のセパレータ1、一端に正極リード21を有する帯状の正極2、及び一端に負極リード31を有する帯状の負極3を、セパレータ1、正極2、セパレータ1、負極3の順に積層し、巻回することにより電極群4とする。
正極2は、一例として、CAMを含む正極活物質層2aと、正極活物質層2aが一面に形成された正極集電体2bとを有する。このような正極2は、まずCAM、導電材及びバインダーを含む正極合剤を調製し、正極合剤を正極集電体2bの一面に担持させて正極活物質層2aを形成することで製造できる。
負極3は、一例として、不図示の負極活物質を含む負極合剤が負極集電体に担持されてなる電極、及び負極活物質単独からなる電極を挙げることができ、正極2と同様の方法で製造できる。
次いで、電池缶5に電極群4及び不図示のインシュレーターを収容した後、缶底を封止し、電極群4に電解液6を含浸させ、正極2と負極3との間に電解質を配置する。さらに、電池缶5の上部をトップインシュレーター7及び封口体8で封止することで、リチウム二次電池10を製造することができる。
電極群4の形状としては、例えば、電極群4を巻回の軸に対して垂直方向に切断したときの断面形状が、円、楕円、長方形又は角を丸めた長方形となるような柱状の形状を挙げることができる。
また、このような電極群4を有するリチウム二次電池の形状としては、国際電気標準会議(IEC)が定めた電池に対する規格であるIEC60086、又はJIS C 8500で定められる形状を採用することができる。例えば、円筒型又は角型などの形状を挙げることができる。
さらに、リチウム二次電池は、上記巻回型の構成に限らず、正極、セパレータ、負極、セパレータの積層構造を繰り返し重ねた積層型の構成であってもよい。積層型のリチウム二次電池としては、いわゆるコイン型電池、ボタン型電池、又はペーパー型(又はシート型)電池を例示することができる。
リチウム二次電池を構成する正極、セパレータ、負極及び電解液については、例えば、WO2022/113904A1の[0113]~[0140]に記載の構成、材料及び製造方法を用いることが出来る。
<全固体リチウム二次電池>
本実施形態の前駆体から製造したLiMOは、全固体リチウム二次電池のCAMとして用いることができる。
図2は、全固体リチウム二次電池の一例を示す模式図である。図2に示す全固体リチウム二次電池1000は、正極110と、負極120と、固体電解質層130とを有する積層体100と、積層体100を収容する外装体200と、を有する。また、全固体リチウム二次電池1000は、集電体の両側にCAMと負極活物質とを配置したバイポーラ構造であってもよい。バイポーラ構造の具体例として、例えば、JP-A-2004-95400に記載される構造が挙げられる。
正極110は、正極活物質層111と正極集電体112とを有している。正極活物質層111は、上述したCAM及び固体電解質を含む。また、正極活物質層111は、導電材及びバインダーを含んでいてもよい。
負極120は、負極活物質層121と負極集電体122とを有している。負極活物質層121は、負極活物質を含む。また、負極活物質層121は、固体電解質及び導電材を含んでいてもよい。
積層体100は、正極集電体112に接続される外部端子113と、負極集電体122に接続される外部端子123と、を有していてもよい。その他、全固体リチウム二次電池1000は、正極110と負極120との間にセパレータを有していてもよい。
全固体リチウム二次電池1000は、さらに積層体100と外装体200とを絶縁する不図示のインシュレーター及び外装体200の開口部200aを封止する不図示の封止体を有する。
外装体200は、アルミニウム、ステンレス鋼又はニッケルメッキ鋼などの耐食性の高い金属材料を成形した容器を用いることができる。また、外装体200として、少なくとも一方の面に耐食加工を施したラミネートフィルムを袋状に加工した容器を用いることもできる。
全固体リチウム二次電池1000の形状としては、例えば、コイン型、ボタン型、ペーパー型(またはシート型)、円筒型、角型、又はラミネート型(パウチ型)などの形状を挙げることができる。
全固体リチウム二次電池1000は、一例として積層体100を1つ有する形態が図示されているが、本実施形態はこれに限らない。全固体リチウム二次電池1000は、積層体100を単位セルとし、外装体200の内部に複数の単位セル(積層体100)を封じた構成であってもよい。
全固体リチウム二次電池については、例えば、WO2022/113904A1の[0151]~[0181]に記載の構成、材料及び製造方法を用いることができる。
また、本発明のもう一つの側面は、以下の態様を包含する。
[11] CAMの前駆体であって、前記前駆体は、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含むMCCを含み、下記要件(1)~(3)をすべて満たす前駆体。
(1)平均粒子強度が、20~42MPaである。
(2)平均粒子径D50が、6~16μmである。
(3)前記前駆体の総質量に対する水分の含有量が0.40~0.90質量%であり、硫酸根の含有量が0.15~0.75質量%である。
[12] 前記MCCは、上記組成式(I)で表されるMCCである、[11]に記載の前駆体。
[13] 前記MCCは、上記組成式(I)-1で表されるMCCである、[11]又は[12]に記載の前駆体。
[14] 粒子強度の標準偏差が5~8.90である、[11]~[13]のいずれか一項に記載の前駆体。
[15] BET比表面積が10~46m/gである、[11]~[14]のいずれか一項に記載の前駆体。
[16] タップ密度が1.02~3.1g/cmである、[11]~[15]のいずれか一項に記載の前駆体。
[17] [11]~[16]のいずれか一項に記載の前駆体と、リチウム化合物と、を混合する混合工程と、得られた混合物を酸素含有雰囲気下、500℃以上1000℃以下の温度で焼成する焼成工程を有する、CAMの製造方法。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<前駆体及びMCCの各種パラメータの測定>
後述の方法で製造される前駆体及びMCCの各種パラメータの測定は、上述の(平均粒子強度)、(粒子強度の標準偏差)、(平均粒子径D50)、(水分の含有量)、(硫酸根の含有量)、(組成)、(BET比表面積)、(タップ密度)、(XRDパターン)、(α1、β1の求め方)で説明した測定方法等により行った。
<初回放電容量及び初回効率の測定>
リチウム二次電池の初回放電容量及び初回効率は、上述の(初回放電容量及び初回効率)で説明した作製方法及び測定方法等により行った。初回放電容量が190mAh/g以上の場合、初回放電容量が高いと評価する。初回効率が84%以上の場合、初回効率が高いと評価する。
[実施例1]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を70℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、及び硫酸アルミニウム水溶液をNi:Co:Alのモル比が0.88:0.09:0.03になるように混合して、混合原料液1を調製した。
窒素流通下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液1及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが12.06(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニア濃度が8.2g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物1を得た。なお、反応槽内の溶液の体積/撹拌回転数は0.625L/rpmとした。
反応沈殿物1の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物1の洗浄を行った。洗浄後、遠心分離機で脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、及びAlを含む金属複合水酸化物である前駆体1を得た。前駆体1の各種パラメータについて表1に示す(以下、実施例2、3、比較例1~5も同様に示す。)。なお、表1の組成の1-x-y-w、x、y、wは前記組成式(I)-1に対応する値である。
前駆体1に含まれるNi、Co及びAlの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.04となるように水酸化リチウム一水和物を秤量した。前駆体1と水酸化リチウム一水和物を混合して混合物1を得た。
次いで、得られた混合物1を、酸素雰囲気下、720℃、6時間で焼成し、LiMO粉末1を得た。得られたLiMO粉末1と液温を5℃に調整した純水とを、全体量に対して上記LiMO粉末1の質量の割合が0.3になるように混合し作製したスラリーを20分間撹拌させた後、脱水し、さらに上記LiMO粉末1の2倍の質量の液温を5℃に調整した純水でリンス後、単離し、150℃で乾燥することでCAM1を得た。
得られたCAM1を用いて、リチウム二次電池を作製し、初回放電容量及び初回効率の測定を行った。結果を表1に示す(以下、実施例2、3、比較例1~5も同様に示す。)。
[実施例2]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を70℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、及び硫酸マンガン水溶液をNi:Co:Mnのモル比が0.88:0.09:0.03になるように混合して、混合原料液2を調製した。
窒素流通下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液2及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが10.44(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニア濃度が3.3g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物2を得た。なお、反応槽内の溶液の体積/撹拌回転数は0.625L/rpmとした。
反応沈殿物2の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物2の洗浄を行った。洗浄後、遠心分離機で脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、及びMnを含む金属複合水酸化物である前駆体2を得た。
前駆体2に含まれるNi、Co及びMnの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.04となるように水酸化リチウム一水和物を秤量した。前駆体2と水酸化リチウム一水和物を混合して混合物2を得た。
次いで、得られた混合物2を、酸素雰囲気下、740℃、6時間で焼成し、LiMO粉末2を得た。得られたLiMO粉末2と液温を5℃に調整した純水とを、全体量に対して上記LiMO粉末2の質量の割合が0.3になるように混合し作製したスラリーを20分間撹拌させた後、脱水し、さらに上記LiMO粉末2の2倍の質量の液温を5℃に調整した純水でリンス後、単離し、150℃で乾燥することでCAM2を得た。
得られたCAM2を用いて、リチウム二次電池を作製し、初回放電容量及び初回効率の測定を行った。
[実施例3]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を70℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、硫酸マンガン水溶液、及び硫酸ジルコニウム水溶液をNi:Co:Mn:Zrのモル比が0.60:0.20:0.19:0.01になるように混合して、混合原料液3を調製した。
窒素流通下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液3及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが10.57(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニア濃度が3.3g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物3を得た。なお、反応槽内の溶液の体積/撹拌回転数は0.375L/rpmとした。
反応沈殿物3の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物3の洗浄を行った。洗浄後、遠心分離機で脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、Mn、Zrを含む金属複合水酸化物である前駆体3を得た。
前駆体3に含まれるNi、Co、Mn、及びZrの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.08となるように水酸化リチウム一水和物を秤量した。前駆体3と水酸化リチウム一水和物を混合して混合物3を得た。
次いで、得られた混合物3を、酸素雰囲気下、850℃、10時間で焼成し、LiMO粉末3を得た。得られたLiMO粉末3をCAM3とした。
得られたCAM3を用いて、リチウム二次電池を作製し、初回放電容量及び初回効率の測定を行った。
[比較例1]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を50℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、及び硫酸アルミニウム水溶液をNi:Co:Alのモル比が0.88:0.09:0.03になるように混合して、混合原料液4を調製した。
窒素流通下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液4及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが11.63(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニア濃度が7.6g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物4を得た。なお、反応槽内の溶液の体積/撹拌回転数は0.625L/rpmとした。
反応沈殿物4の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物4の洗浄を行った。洗浄後、遠心分離機で脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、及びAlを含む金属複合水酸化物である前駆体4を得た。
前駆体4に含まれるNi、Co及びAlの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.04となるように水酸化リチウム一水和物を秤量した。前駆体4と水酸化リチウム一水和物を混合して混合物4を得た。
次いで、得られた混合物4を、酸素雰囲気下、720℃、6時間で焼成し、LiMO粉末4を得た。得られたLiMO粉末4と液温を5℃に調整した純水とを、全体量に対して上記LiMO粉末4の質量の割合が0.3になるように混合し作製したスラリーを20分間撹拌させた後、脱水し、さらに上記LiMO粉末4の2倍の質量の液温を5℃に調整した純水でリンス後、単離し、150℃で乾燥することでCAM4を得た。
得られたCAM4を用いて、リチウム二次電池を作製し、初回放電容量及び初回効率の測定を行った。
[比較例2]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を70℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、及び硫酸マンガン水溶液をNi:Co:Mnのモル比が0.83:0.12:0.05になるように混合して、混合原料液5を調製した。
窒素流通下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液5及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが11.20(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニア濃度が2.0g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物5を得た。なお、反応槽内の溶液の体積/撹拌回転数は0.375L/rpmとした。
反応沈殿物5の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物5の洗浄を行った。洗浄後、遠心分離機で脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、及びMnを含む金属複合水酸化物である前駆体5を得た。
前駆体5に含まれるNi、Co及びMnの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.04となるように水酸化リチウム一水和物を秤量した。前駆体5と水酸化リチウム一水和物を混合して混合物5を得た。
次いで、得られた混合物5を、酸素雰囲気下、780℃、6時間で焼成し、LiMO粉末5を得た。得られたLiMO粉末5と液温を5℃に調整した純水とを、全体量に対して上記LiMO粉末5の質量の割合が0.3になるように混合し作製したスラリーを20分間撹拌させた後、脱水し、さらに上記LiMO粉末5の2倍の質量の液温を5℃に調整した純水でリンス後、単離し、150℃で乾燥することでCAM5を得た。
得られたCAM5を用いて、リチウム二次電池を作製し、初回放電容量及び初回効率の測定を行った。
[比較例3]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を70℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、及び硫酸マンガン水溶液をNi:Co:Mnのモル比が0.88:0.09:0.03になるように混合して、混合原料液6を調製した。
窒素流通下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液6を連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが10.41(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、反応沈殿物6を得た。なお、反応槽内の溶液の体積/撹拌回転数は0.167L/rpmとした。
反応沈殿物6の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物6の洗浄を行った。洗浄後、遠心分離機で脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、及びMnを含む金属複合水酸化物である前駆体6を得た。
前駆体6に含まれるNi、Co及びMnの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.04となるように水酸化リチウム一水和物を秤量した。前駆体6と水酸化リチウム一水和物を混合して混合物6を得た。
次いで、得られた混合物6を、酸素雰囲気下、780℃、8時間で焼成し、LiMO粉末6を得た。得られたLiMO粉末6をCAM6とした。
得られたCAM6を用いて、リチウム二次電池を作製し、初回放電容量及び初回効率の測定を行った。
[比較例4]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を40℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、及び硫酸マンガン水溶液をNi:Co:Mnのモル比が0.60:0.20:0.20になるように混合して、混合原料液7を調製した。
窒素流通下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液7及び硫酸アンモニウム水溶液を錯化剤として連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが11.90(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、槽内アンモニア濃度が12.0g/Lとなるように硫酸アンモニウム水溶液の滴下速度を調整し、反応沈殿物7を得た。なお、反応槽内の溶液の体積/撹拌回転数は0.007L/rpmとした。
反応沈殿物7を、遠心分離機で脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、及びMnを含む金属複合水酸化物である前駆体7を得た。
前駆体7に含まれるNi、Co及びMnの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.08となるように水酸化リチウム一水和物を秤量した。前駆体7と水酸化リチウム一水和物を混合して混合物7を得た。
次いで、得られた混合物7を、酸素雰囲気下、850℃、10時間で焼成し、LiMO粉末7を得た。得られたLiMO粉末7をCAM7とした。
得られたCAM7を用いて、リチウム二次電池を作製し、初回放電容量及び初回効率の測定を行った。
[比較例5]
撹拌翼を有する回転型の撹拌装置及びオーバーフローパイプを備えた反応槽内に水を入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、液温を70℃(反応温度)に保持した。
硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液、硫酸マンガン水溶液、及び硫酸ジルコニウム水溶液をNi:Co:Mn:Zrのモル比が0.60:0.20:0.19:0.01になるように混合して、混合原料液8を調製した。
窒素流通下、反応槽内に、撹拌下、混合原料液8を連続的に添加した。反応槽内の溶液のpHが10.53(測定温度:40℃)になるように水酸化ナトリウム水溶液を適時滴下し、反応沈殿物8を得た。なお、反応槽内の溶液の体積/撹拌回転数は0.375L/rpmとした。
反応沈殿物8の質量に対して、20倍の質量の水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度:5質量%)を用いて、反応沈殿物8の洗浄を行った。洗浄後、遠心分離機で脱水し、水で洗浄、脱水、単離して、105℃で20時間乾燥することにより、Ni、Co、Mn、及びZrを含む金属複合水酸化物である前駆体8を得た。
前駆体8に含まれるNi、Co、Mn、及びZrの合計量1に対するLiの量(モル比)が1.10となるように水酸化リチウム一水和物を秤量した。前駆体8と水酸化リチウム一水和物を混合して混合物8を得た。
次いで、得られた混合物8を、酸素雰囲気下、850℃、10時間で焼成し、LiMO粉末8を得た。得られたLiMO粉末8をCAM8とした。
得られたCAM8を用いて、リチウム二次電池を作製し、初回放電容量及び初回効率の測定を行った。
Figure 0007359911000001
要件(1)~(3)を充足する実施例1~3の前駆体を用いて製造されたリチウム二次電池では、初回放電容量及び初回効率の両方が高くなることがわかった。
1…セパレータ、2…正極、2a…正極活物質層、2b…正極集電体、3…負極、4…電極群、5…電池缶、6…電解液、7…トップインシュレーター、8…封口体、10…リチウム二次電池、21…正極リード、31…負極リード、100…積層体、110…正極、111…正極活物質層、112…正極集電体、113…外部端子、120…負極、121…負極活物質層、122…負極集電体、123…外部端子、130…固体電解質層、200…外装体、200a…開口部、1000…全固体リチウム二次電池

Claims (6)

  1. リチウム二次電池用正極活物質の前駆体であって、前記前駆体は、Ni、Co、及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む金属複合水酸化物を含み、下記要件(1)~(3)をすべて満たす前駆体。
    (1)平均粒子強度が、10MPa以上45MPa未満である。
    (2)平均粒子径D50が、4μm超20μm以下である。
    (3)前記前駆体の総質量に対する水分の含有量及び硫酸根の含有量がいずれも1質量%以下である。
  2. 前記金属複合水酸化物は、下記組成式(I)で表される金属複合水酸化物である、請求項1に記載の前駆体。
    Ni(1-x-y-w)CoMn(OH)2-α ・・・式(I)
    (前記組成式(I)は、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0≦w≦0.5、0≦x+y+w<1、0≦z≦3、-0.5≦α2、及びα-z<2を満たし、MはFe、Cu、Ti、Mg、Al、Zn、Sn、Zr、Nb、Ga、W、Mo、B、及びSiからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)
  3. 粒子強度の標準偏差が1MPa以上9MPa以下である、請求項1又は2に記載の前駆体。
  4. BET比表面積が2m/g以上50m/g以下である、請求項1又は2に記載の前駆体。
  5. タップ密度が1.0g/cm以上3.5g/cm以下である、請求項1又は2に記載の前駆体。
  6. 請求項1又は2に記載の前駆体と、リチウム化合物と、を混合する混合工程と、得られた混合物を酸素含有雰囲気下、500℃以上1000℃以下の温度で焼成する焼成工程を有する、リチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
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