JP7359611B2 - 非接触式眼圧計及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルから被検眼の角膜に対して流体を吹き付ける非接触式眼圧計及びその制御方法に関する。
従来、被検眼の角膜に向けてノズルから空気(流体)を吹き付けることで角膜を変形させてその変形状態を検出することにより、角膜に接触することなく被検眼の眼圧値を測定する非接触式眼圧計が知られている。この非接触式眼圧計は、ノズルによる角膜への空気の吹き付けに合せて角膜に標光を照射すると共に角膜にて反射された標光の反射光の光量を検出し、角膜の変形状態が扁平状態(圧平状態)になった場合の反射光の光量と空気の圧力とに基づき被検眼の眼圧値を演算する。
このような非接触式眼圧計では、角膜が扁平状態になるまでノズルから角膜に対して空気を吹き付ける必要があるので、角膜に大きな圧力がかかり、被検者に不快感を与えてしまう。
そこで、特許文献1には、角膜への空気の吹き付け開始時から角膜の変形開始に応じて反射光の光量が増加し始める時点までの時間tdと、空気の吹き付け開始時からこの空気の圧力が上昇し始める時点までの時間taとを計測し、時間tdと時間taとの時間差に基づき眼圧値を演算する非接触式眼圧計が開示されている。なお、時間tdは、角膜の変形量が一定量(例えば30μm)になる時点に設定されている。この非接触式眼圧計によれば、角膜が扁平状態になるまで空気を角膜に吹き付ける場合に比べて、角膜に吹き付ける空気の吹き付け量が減少される。
特開2007-330609号公報
ところで、特許文献1に記載の非接触式眼圧計では、角膜への空気の吹き付け開始時から角膜の変形開始に応じて反射光の光量が増加し始める時点までの時間tdを測定しているが、この時間tdは安定しておらずノイズ等によりばらつきが生じる。このため、時間td(既述の時間td及び時間taの時間差)と被検眼の眼圧値との相関関係を求めると、両者の相関係数は約0.8程度と低い値になる。このため、特許文献1に記載の非接触式眼圧計では、被検眼の眼圧値が正確に測定されないおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、被検者に与える不快感を軽減しつつ且つ被検眼の眼圧値を正確に測定することができる非接触式眼圧計及びその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するための非接触式眼圧計は、被検眼の角膜に対して流体を吹き付けるノズルと、ノズルから角膜に流体が吹き付けられている間、角膜に対して光束を投影する投影光学系と、角膜にて反射された光束の反射光を受光して、反射光の受光信号を出力する受光光学系と、受光光学系から出力される受光信号の微分値を演算して、微分値の時間変化を検出する時間変化検出部と、時間変化検出部による時間変化の検出結果に基づき、微分値がピークに達した場合に、ノズルによる角膜への流体の吹き付けが開始されてから微分値がピークに達するまでのピーク時間を測定するピーク時間測定部と、ピーク時間測定部の測定結果に基づき、被検眼の眼圧値を演算する眼圧値演算部と、を備える。
この非接触式眼圧計によれば、受光信号がピークに到達するよりも前に、微分値がピークに達するまでのピーク時間を測定し且つこの測定結果に基づき被検眼の眼圧値を測定することができるので、被検者に与える不快感を軽減しつつ且つ被検眼の眼圧値を正確に測定することができる。
本発明の他の態様に係る非接触式眼圧計において、ノズルから角膜に対して流体を吹き付ける吹付機構と、吹付機構の駆動を制御する吹付制御部であって、且つ眼圧値演算部による眼圧値の演算が完了した場合に吹付機構の駆動を停止させる吹付制御部と、を備える。これにより、被検者に与える不快感を軽減させることができる。
本発明の他の態様に係る非接触式眼圧計において、ピーク時間測定部が、ピーク時間として、ノズルから角膜への流体の吹き付けが開始されてから微分値がピークの最大ピーク位置に達するまでの時間を測定する。これにより、被検者に与える不快感を軽減しつつ且つ被検眼の眼圧値を正確に測定することができる。
本発明の他の態様に係る非接触式眼圧計において、ピーク時間測定部が、ピーク時間として、ノズルから角膜への流体の吹き付けが開始されてから微分値がピークの重心位置に達するまでの時間を測定する。これにより、被検者に与える不快感を軽減しつつ且つ被検眼の眼圧値を正確に測定することができる。
本発明の他の態様に係る非接触式眼圧計において、ピーク時間と眼圧値との対応関係を記憶する記憶部から対応関係を取得する対応関係取得部を備え、眼圧値演算部が、ピーク時間測定部の測定結果に基づき、対応関係取得部が取得した対応関係を参照して、眼圧値の演算を行う。これにより、ピーク時間から被検眼の眼圧値を簡単に演算することができる。
本発明の目的を達成するための非接触式眼圧計の制御方法は、被検眼の角膜に対して流体を吹き付けるノズルと、ノズルから角膜に流体が吹き付けられている間、角膜に対して光束を投影する投影光学系と、角膜にて反射された光束の反射光を受光して、反射光の受光信号を出力する受光光学系と、を備える非接触式眼圧計の制御方法において、受光光学系から出力される受光信号の微分値を演算して、微分値の時間変化を検出する時間変化検出ステップと、時間変化検出ステップでの時間変化の検出結果に基づき、微分値がピークに達した場合に、ノズルによる角膜への流体の吹き付けが開始されてから微分値がピークに達するまでのピーク時間を測定するピーク時間測定ステップと、ピーク時間測定ステップの測定結果に基づき、被検眼の眼圧値を演算する眼圧値演算ステップと、を有する。
本発明は、被検者に与える不快感を軽減しつつ且つ被検眼の眼圧値を正確に測定することができる。
非接触式眼圧計の側面図である。 装置本体内の複数種類の光学系を上方側から見た上面概略図である。 装置本体内の複数種類の光学系を側方側から見た側面概略図である。 制御装置の機能ブロック図である。 時間変化検出部による受光信号の微分波形の検出を説明するための説明図である。 ピーク時間測定部によるピーク時間の測定を説明するための説明図である。 対応関係情報を説明するための説明図である。 非接触式眼圧計による被検眼の眼圧値の測定処理の流れを示すフローチャートである。 他実施形態のピーク時間測定部によるピーク時間の測定を説明するための説明図である。 他実施形態のピーク時間測定部によるピーク時間の測定を説明するための説明図である。
[非接触式眼圧計の構成]
図1は、非接触式眼圧計10の側面図である。図1に示すように、非接触式眼圧計10は、被検眼Eの角膜Ec(図2参照)に向けて空気(本発明の流体に相当)を吹き付けて角膜Ecを変形(圧平)させながら、角膜Ecにて反射された指標光の反射光を受光することで、被検眼Eの眼圧値を測定する。
なお、図中のX軸は被検者を基準とした左右方向(被検眼Eの眼幅方向)であり、Y軸方向は上下方向である。また、X軸方向及びY軸方向の双方に直交するZ軸方向は、非接触式眼圧計10の主光軸に平行な方向、すなわち、被検者に近づく前方向と被検者から遠ざかる後方向とに平行な前後方向(作動距離方向)である。
非接触式眼圧計10は、ベース11と、顔支持部12と、駆動機構13と、装置本体14(測定ヘッドともいう)と、表示部15と、制御装置16と、を備えている。
ベース11上には、被検者側から検者側に向かって顔支持部12と駆動機構13とが設けられている。
顔支持部12は、被検者の顎を受ける顎受け部12aと、被検者の額が当接する額当て部12bとを備え、非接触式眼圧計10による眼圧測定時に被検者の顔を支持する。
駆動機構13は、ベース11に対して装置本体14をXYZ軸方向(左右、上下、前後の各方向)にそれぞれ移動自在に保持する。この駆動機構13は、Y軸駆動部13aとZ軸駆動部13bとX軸駆動部13cとを有する。
Y軸駆動部13aは、ベース11に設けられており、Z軸駆動部13b及びX軸駆動部13cを介して装置本体14をY軸方向に移動させる。Z軸駆動部13bは、Y軸駆動部13a上に設けられており、X軸駆動部13cを介して装置本体14をZ軸方向に移動させる。X軸駆動部13cは、Z軸駆動部13b上に設けられており、装置本体14をX軸方向に移動させる。
各軸駆動部13a,13b,13cは、それぞれ公知のアクチュエータ(例えばモータ及び駆動伝達機構)により構成されている。そして、後述の制御装置16の制御の下、各軸駆動部13a,13b,13cを駆動することにより、被検眼Eに対する装置本体14のXYZ軸方向のアライメント調整が可能になる。
装置本体14には、被検眼Eの眼圧測定に係る複数種類の光学系(後述の図2及び図3参照)と、制御装置16と、が設けられている。なお、制御装置16は、装置本体14の外部に設けられていてもよい。
表示部15は、装置本体14の検者に対向する背面側に取り付けられている。この表示部15は、例えばタッチパネル式モニタが用いられる。表示部15は、後述の制御装置16の制御の下、被検眼Eの前眼部の観察像を表示する。また、表示部15は、被検眼Eの眼圧測定の結果を表示する。さらに、表示部15は、被検眼Eの眼圧測定に係る各種操作を行うための操作メニュー画面と、装置本体14のXYZ軸方向の位置調整を行うための位置調整画面と、を表示する。なお、表示部15をタッチパネル式にする代わりに、各種操作を入力するための操作部を装置本体14等に設けてもよい。
制御装置16は、非接触式眼圧計10の動作を統括制御する。この制御装置16は、被検眼Eの観察像の取得及び表示と、被検眼Eに対する装置本体14のXYZ軸方向のオートアライメントと、被検眼Eの角膜Ec(図2参照)への空気の吹き付けと、角膜Ecへの指標光の出射及び角膜Ecからの反射光の受光と、被検眼Eの眼圧値の演算と、を含む各種動作を制御する。
[装置本体の光学的構成]
図2は、装置本体14内の複数種類の光学系を上方(Y軸方向)側から見た上面概略図であり、図3は、装置本体14内の複数種類の光学系を側方(X軸方向)側から見た側面概略図である。
図2及び図3に示すように、装置本体14は、前眼部観察光学系21と、XYアライメント指標投影光学系22と、固視標投影光学系23と、圧平検出光学系24と、Zアライメント指標投影光学系25と、Zアライメント検出光学系26と、を備える。
前眼部観察光学系21は、被検眼Eの前眼部の観察、及び被検眼Eに対する装置本体14のXY軸方向のXYアライメントに用いられる。この前眼部観察光学系21には、前眼部照明光源21a(図2参照)が設けられている。また、前眼部観察光学系21の光軸O1(非接触式眼圧計10の主光軸)上には、空気吹き付け用のノズル21bと、前眼部窓ガラス21c(図3参照)と、チャンバー窓ガラス21dと、ハーフミラー21eと、ハーフミラー21gと、対物レンズ21fと、撮像素子21iと、が設けられている。
前眼部照明光源21aは、前眼部窓ガラス21cの周囲位置に複数個設けられており、被検眼Eの前眼部を直接照明する。ノズル21bは、後述する吹付機構34のチャンバー34a(図3参照)に接続しており、被検眼Eの前眼部(角膜Ec)に空気を吹き付ける。
被検眼Eの前眼部の像(前眼部からの像光)は、ノズル21bの外側を通り、前眼部窓ガラス21c、後述のガラス板34b、チャンバー窓ガラス21d、ハーフミラー21g、及びハーフミラー21eを通過し、対物レンズ21fにより撮像素子21iの受光面上に結像される。
撮像素子21iは、例えばCCD(Charge Coupled Device)型又はCMOS(complementary metal oxide semiconductor)型のイメージセンサが用いられる。この撮像素子21iは、その受光面に入射した前眼部の像を撮像して撮像信号を生成し、生成した撮像信号を制御装置16へ出力する。これにより、制御装置16の制御の下、撮像素子21iから出力された撮像信号に基づく被検眼Eの前眼部の観察像が表示部15に表示される。
また、前眼部観察光学系21は、後述のXYアライメント指標投影光学系22により被検眼Eに投影されたXYアライメント指標光の角膜Ecによる反射光を、撮像素子21iの受光面へと導く。この反射光は、ノズル21b、チャンバー窓ガラス21d、ハーフミラー21g、及びハーフミラー21eを通過して、対物レンズ21fにより撮像素子21iの受光面上に結像される。これにより、撮像素子21iの受光面上には、装置本体14と角膜EcとのXY軸方向の位置関係に応じた位置に輝点像が形成される。
撮像素子21iは、その受光面上に形成された輝点像を撮像し、この輝点像の撮像信号を制御装置16へと出力する。これにより、制御装置16の制御の下、前眼部の観察像と、XYアライメント指標光の輝点像と、が表示部15に重畳表示される。なお、表示部15には、アライメント補助マークも表示される。
XYアライメント指標投影光学系22は、XYアライメント指標光を被検眼Eの角膜Ecに正面から投影する。このXYアライメント指標光は、被検眼Eの前眼部に対する装置本体14のXYアライメントに用いられる。また、XYアライメント指標光は、被検眼Eの眼圧値の測定にも用いられる。従って、XYアライメント指標投影光学系22は本発明の投影光学系に相当し、XYアライメント指標光は本発明の光束に相当し、角膜Ecで反射されたXYアライメント指標光の反射光は本発明の反射光に相当する。以下、角膜EcによるXYアライメント指標光の反射光を単に「XY標反射光」と略す。
XYアライメント指標投影光学系22は、XYアライメント用光源22aと、集光レンズ22bと、開口絞り22cと、ピンホール板22dと、ダイクロイックミラー22eと、コリメータレンズ22fと、を有する(図3参照)。なお、XYアライメント指標投影光学系22は、ハーフミラー21eを前眼部観察光学系21と共用している。
XYアライメント用光源22aは赤外光を出射する。コリメータレンズ22fは、その焦点がピンホール板22dに一致するように、XYアライメント指標投影光学系22の光路上に配置されている。このXYアライメント指標投影光学系22では、XYアライメント用光源22aから出射された赤外光が、集光レンズ22bにより集束されつつ開口絞り22cを通過して、ピンホール板22dの穴部へと導かれる。
ピンホール板22dの穴部を通過した赤外光は、ダイクロイックミラー22eにより反射されてコリメータレンズ22fへと導かれ、さらにコリメータレンズ22fで平行光とされた後、コリメータレンズ22fからハーフミラー21eへ出射される。この赤外光の平行光は、ハーフミラー21eで反射された後、前眼部観察光学系21の光軸O1に沿って進行する。これにより、赤外光の平行光は、ハーフミラー21g及びチャンバー窓ガラス21dを透過した後、ノズル21bの内部を通過することでXYアライメント指標光として被検眼Eに入射する。
被検眼Eに入射したXYアライメント指標光は、図示は省略するが、角膜Ec表面で反射し輝点像を形成する。なお、開口絞り22cは、コリメータレンズ22fに関して角膜Ecの角膜頂点Epと共役な位置に設けられている。
固視標投影光学系23は、被検眼Eに固視標を投影する。この固視標投影光学系23は、固視標用光源23aとピンホール板23bとを有する(図3参照)。また、固視標投影光学系23は、ダイクロイックミラー22e及びコリメータレンズ22fをXYアライメント指標投影光学系22と共用すると共に、ハーフミラー21eを前眼部観察光学系21と共用している。
固視標用光源23aは、可視光を固視標光として出射する。この固視標光は、ピンホール板23bの穴部へと導かれ、ピンホール板23bの穴部及びダイクロイックミラー22eを透過した後、コリメータレンズ22fへ出射される。そして、固視標光は、コリメータレンズ22fにより略平行光とされてハーフミラー21eに向けて出射され、ハーフミラー21eで反射されることで前眼部観察光学系21の光軸O1に沿って進行する。これにより、固視標光は、ハーフミラー21g及びチャンバー窓ガラス21dを透過した後、ノズル21bの内部を通過して被検眼Eに至る。この固視標を被検者に固視目標として注視させることにより、被検者の視線を固定することができる。
圧平検出光学系24(図3参照)は本発明の受光光学系に相当する。圧平検出光学系24は、XY標反射光を受光して、このXY標反射光の光量を示す受光信号を出力する。圧平検出光学系24は、レンズ24aとピンホール板24bと受光センサ24cとを有すると共に、ハーフミラー21gを前眼部観察光学系21と共用している。
レンズ24aは、角膜Ecの表面が平面とされた場合に、XY標反射光を、ピンホール板24bの開口に集光させる。ピンホール板24bの開口は、レンズ24aの焦点位置に設けられている。
受光センサ24cは、例えば受光したXY標反射光の光量に応じた受光信号を出力するフォトダイオードである。この受光センサ24cは受光信号を制御装置16へ出力する。
XY標反射光は、ノズル21bの内部を通り、チャンバー窓ガラス21dを透過してハーフミラー21gに至る。そして、XY標反射光の一部は、ハーフミラー21gで反射された後、レンズ24aを経てピンホール板24bに入射する。
圧平検出光学系24は、ノズル21bからの空気の吹き付けにより角膜Ecの表面が平らな扁平状態(圧平状態)になった場合に、圧平検出光学系24に進行してきたXY標反射光の全体を、ピンホール板24bを通して受光センサ24cに到達させる。また、圧平検出光学系24は、角膜Ecが扁平状態以外の状態ではXY標反射光をピンホール板24bで部分的に遮りつつ受光センサ24cに到達させる。従って、圧平検出光学系24から出力されるXY標反射光の受光信号の信号強度は、角膜Ecの表面が凸状態から扁平状態に変化するのに従って次第に増加し、さらに扁平状態から凹状態に変化するのに従って次第に減少する。
Zアライメント指標投影光学系25(図2参照)は、被検眼Eの角膜Ecに対して、斜め方向からZ軸方向のZアライメント用のZアライメント指標光を投影する。このZアライメント指標投影光学系25は、光軸O2上に沿って、Zアライメント用光源25aと、集光レンズ25bと、開口絞り25cと、ピンホール板25dと、コリメータレンズ25eと、を備える。
Zアライメント用光源25aは、赤外光(例えば波長860nm)を出射する。開口絞り25cは、コリメータレンズ25eに関して角膜頂点Epと共役な位置に設けられている。コリメータレンズ25eは、ピンホール板25dの穴部に焦点を一致させるように配置されている。
Zアライメント用光源25aから出射された赤外光は、集光レンズ25bにより集光されつつ開口絞り25cを通過してピンホール板25dへと進行する。そして、ピンホール板25dの穴部を通過した赤外光は、コリメータレンズ25eで平行光とされた後に、Zアライメント指標光として被検眼Eに入射して、角膜Ecで反射されることにより被検眼Eに輝点像を形成する。
Zアライメント検出光学系26は、Zアライメント指標光の角膜Ecによる反射光(以下、Z標反射光と略す)を受光して、装置本体14と角膜EcとのZ軸方向の位置関係を検出する。このZアライメント検出光学系26は、光軸O3上に沿って、結像レンズ26aと、シリンドリカルレンズ26bと、受光センサ26cと、を有している。
シリンドリカルレンズ26bは、Y軸方向にパワーを有するものが用いられる。受光センサ26cは、その受光面におけるZ標反射光の受光位置を検出可能なセンサであり、例えばラインセンサ又はPSD(Position Sensitive Detector)が用いられる。
標反射光は、結像レンズ26aで集束した後にシリンドリカルレンズ26bへと進行し、このシリンドリカルレンズ26bによりY軸方向に集光されることで受光センサ26c上に輝点像を形成する。
受光センサ26cは、XZ平面内においては結像レンズ26aに関して、Zアライメント指標投影光学系25により被検眼Eに形成された前述の輝点像と共役な位置関係にある。また、受光センサ26cは、YZ平面内においては結像レンズ26a及びシリンドリカルレンズ26bに関して、角膜頂点Epと共役な位置関係にある。すなわち、受光センサ26cは開口絞り25cと共役関係にあるので、Y軸方向に角膜Ecがずれたとしても角膜Ecの表面におけるZ標反射光は効率良く受光センサ26cに入射する。そして、受光センサ26cは、シリンドリカルレンズ26bにより集光された輝点像の受光信号を制御装置16へと出力する。
吹付機構34(図3参照)は、チャンバー34aと、シリンダ34dと、連通管34eと、ピストン34fと、空気圧縮駆動部34gと、を有する。
チャンバー34aには、透明なガラス板34bを介してノズル21bが取り付けられている。また、チャンバー34a内には、ノズル21bと対向する位置にチャンバー窓ガラス21dが設けられている。さらに、チャンバー34a内には、圧力センサ34cが設けられている。この圧力センサ34cは、チャンバー34aの内部の圧力を示す圧力検出信号を制御装置16へ出力する。
シリンダ34dは、連通管34eを介してチャンバー34aに接続している。これにより、シリンダ34dの内部とチャンバー34aの内部とが連通管34eを介して連通する。また、シリンダ34dの内部にはピストン34fが移動自在に設けられている。これらシリンダ34d及びピストン34fにより空気の圧縮室が構成される。
空気圧縮駆動部34gは、シリンダ34d内でピストン34fを移動させるソレノイドなどの公知の移動機構(アクチュエータ)である。この空気圧縮駆動部34gは、制御装置16の制御下、ピストン34fを移動させてシリンダ34d内の空気を圧縮する。これにより、連通管34e及びチャンバー34aを介して、ノズル21bから被検眼Eの角膜Ecに向けて空気を吹き付ける。ここで連通管34e及びチャンバー34aは、本発明の流体経路に相当する。
なお、吹付機構34では、圧力センサ34cによりチャンバー34a内の圧力を検出することにより、ノズル21bから角膜Ecに空気を吹き付けた際の空気の圧力を取得することができる。
[制御装置]
図4は、制御装置16の機能ブロック図である。図4に示すように、制御装置16は、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、制御装置16の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
制御装置16には、既述の表示部15、駆動機構13、各種光学系21~26、及び吹付機構34の他に、操作部40と記憶部42とが接続されている。
操作部40は、非接触式眼圧計10の電源のオンオフ操作、装置本体14のアライメント実行操作、及び眼圧値の測定開始操作を含む非接触式眼圧計10の各種の操作の入力を受け付ける。この操作部40には、既述のタッチパネル式の表示部15の表示面(表示パネル)、及び装置本体14に設けられたハードウェアキー(ボタン及びスイッチ等)が含まれる。
記憶部42には、非接触式眼圧計10の制御プログラム及び被検眼Eの眼圧値の測定結果の他に、詳しくは後述するが、眼圧値演算部64による被検眼Eの眼圧値の演算に用いられる対応関係情報44が記憶されている。
制御装置16は、記憶部42内の制御プログラムを読み出して実行することにより、観察制御部50、アライメント制御部52、固視制御部54、吹付制御部56、測定制御部58、時間変化検出部60、ピーク時間測定部62、及び眼圧値演算部64として機能する。なお、制御装置16の「~部」として説明するものは「~回路」、「~装置」、又は「~機器」であってもよい。すなわち、「~部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、及びハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで構成されていてもよい。
観察制御部50は、例えば操作部40にて非接触式眼圧計10の電源のオン操作が入力された場合に作動する。この観察制御部50は、前眼部観察光学系21を制御して、前眼部照明光源21aの点灯と、撮像素子21iによる被検眼Eの前眼部の観察像(動画像)の撮像及び撮像信号の出力と、を実行させる。また、観察制御部50は、撮像素子21iから出力される撮像信号に基づき、表示部15に観察像を表示させる。
アライメント制御部52は、例えば操作部40にて装置本体14のアライメント実行操作が入力された場合に作動する。このアライメント制御部52は、前眼部観察光学系21及びXYアライメント指標投影光学系22を制御して、XYアライメント用光源22aの点灯と、撮像素子21iによる被検眼Eの前眼部像及び輝点像の撮像と、撮像素子21iによる撮像信号の出力と、を実行させる。そして、アライメント制御部52は、撮像素子21iから出力される撮像信号に基づき、被検眼Eと装置本体14とのXY軸方向の位置関係を演算する。次いで、アライメント制御部52は、このXY軸方向の位置関係の演算結果に基づき、既述の駆動機構13を駆動して、被検眼Eに対する装置本体14のXYアライメント(オートアライメント)を行う。
また、アライメント制御部52は、Zアライメント指標投影光学系25及びZアライメント検出光学系26を制御して、Zアライメント用光源25aの点灯と、受光センサ26cによる輝点像の受光及び受光信号の出力と、を実行させる。そして、アライメント制御部52は、受光センサ26cから出力される受光信号に基づき、被検眼Eと装置本体14とのZ軸方向の位置関係を演算する。次いで、アライメント制御部52は、このZ軸方向の位置関係の演算結果に基づき、既述の駆動機構13を駆動して、被検眼Eに対する装置本体14のZアライメント(オートアライメント)を行う。
なお、被検眼Eに対する装置本体14のXYZアライメントとして、検者が操作部40に入力した位置調整操作に基づきアライメント制御部52が駆動機構13を駆動して行う手動のXYZアライメントを実行してもよい。
固視制御部54は、例えば被検眼Eに対する装置本体14のオートアライメントが完了した場合、或いは操作部40にて眼圧値の測定開始操作が入力された場合に作動する。この固視制御部54は、固視標投影光学系23を制御して固視標用光源23aを点灯させることで、被検眼Eに対して固視標の光束を投影して被検者の視線を固定する。
吹付制御部56は、例えば被検眼Eに対する装置本体14のオートアライメント及び被検眼Eの固視が完了した場合、或いは操作部40にて眼圧値の測定開始操作が入力された場合に作動する。この吹付制御部56は、吹付機構34の空気圧縮駆動部34gを駆動して、シリンダ34d内でピストン34fを移動させる。これにより、ピストン34fによってチャンバー34a内の空気が圧縮されて、ノズル21bから角膜Ecに空気が吹き付けられる。
また、吹付制御部56は、後述の眼圧値演算部64による被検眼Eの眼圧値の演算が完了した場合(後述のピーク時間測定部62によるピーク時間Tの測定が完了した場合でも可)には、吹付機構34の駆動を停止させる。これにより、ノズル21bから角膜Ecに対する空気の吹き付けが停止される。
測定制御部58は、吹付制御部56の作動前或いはその作動に合せて作動する。この測定制御部58は、少なくともノズル21bから角膜Ecに空気が吹き付けられている間、XYアライメント指標投影光学系22及び圧平検出光学系24を制御して、XYアライメント用光源22aの点灯と、受光センサ24cによるXY指標反射光の受光と、を実行させる。これにより、ノズル21bから角膜Ecに空気が吹き付けられている間、XYアライメント指標投影光学系22から角膜Ecに対してXYアライメント指標光が連続的に投影される。また同時に、受光センサ24cがXY指標反射光を連続的に受光して、このXY指標反射光の受光信号を連続的に時間変化検出部60へ出力する。
図5は、時間変化検出部60による受光信号の微分波形W2の検出を説明するための説明図である。なお、図5中の各グラフの横軸は時間軸であり、1目盛りが約2.6μsecに相当する。また、図5中の符号5Aのグラフの縦軸は、受光信号(圧平波形W1)の信号強度、すなわちXY指標反射光の光量を示す。また、図5中の符号5Bのグラフの縦軸は、受光信号の微分値(1回微分値)を示す。
図5及び既述の図4に示すように、時間変化検出部60は、測定制御部58の作動に合せて作動する。時間変化検出部60は、受光センサ24cから連続的に出力されるXY指標反射光の受光信号を連続的に取得、すなわちXY指標反射光の光量の時間変化を示す信号波形である圧平波形W1(図5の符号5A参照)を取得する。また同時に時間変化検出部60は、受光センサ24cから連続的に取得される受光信号の微分値を連続的に演算することで、微分値の時間変化を連続的に検出する。これにより、微分値の時間変化を示す微分波形W2(図5の符号5B参照)が生成される。なお、微分波形W2は、ノズル21bからの空気の吹き付けに応じて変形する角膜Ecの変形の時間変化を示す。
図6は、ピーク時間測定部62によるピーク時間Tの測定を説明するための説明図である。図6及び既述の図4に示すように、ピーク時間測定部62は、時間変化検出部60の作動に合せて作動する。このピーク時間測定部62は、時間変化検出部60により新たな受光信号の微分値が演算されるごとに、微分波形W2がそのピークP2の最大ピーク位置P2mに到達(通過)した否かを判定する。
ここでいう最大ピーク位置P2mとは、角膜Ecの変形状態が凸状態から扁平状態に変形するまでの間の角膜Ecの変形速度が最大値となる位置である。また、ピークP2とは微分波形W2の中で角膜Ecの変形速度が最大値(最大ピーク位置P2m)となる前後の領域に亘るピークである。なお、図中の符号P1は、圧平波形W1の中で角膜Ecの変形状態が最初に扁平状態となる前後の領域に亘るピークであり、符号P1gはピークP1の重心位置であるピーク重心位置である。
ピーク時間測定部62は、例えば、微分波形W2が一定時間以上連続して増加した後で一定時間以上連続して減少を始めた場合に、微分波形W2が最大ピーク位置P2mに到達(通過)したと判定する。なお、微分波形W2が最大ピーク位置P2mに到達した否かを判定する方法は特に限定されず、公知の波形解析を用いて判定を行ってもよい。
ピーク時間測定部62は、微分波形W2が最大ピーク位置P2mに到達した場合には、ノズル21bによる角膜Ecへの空気の吹き付けが開始されてから微分値が最大ピーク位置P2mに達するまでのピーク時間Tを測定する。ここで、微分波形W2は、圧平波形W1がピーク重心位置P1gに到達する時間(ここでは2.20msec)よりも時間差Δtだけ前の時間(ここでは1.77msec)において、最大ピーク位置P2mに到達する。従って、ピーク時間測定部62は、圧平波形W1がピーク重心位置P1gに到達するよりも前に、ピーク時間Tの測定を完了してその測定結果を眼圧値演算部64へ出力する。
図4に戻って、眼圧値演算部64は、ピーク時間測定部62から入力されたピーク時間Tの測定結果に基づき、記憶部42内の対応関係情報44を参照することで、被検眼Eの眼圧値を演算する。
図7は、対応関係情報44を説明するための説明図である。図7に示すように、多数の被検眼Eごとのピーク時間Tと眼圧値とを測定してグラフ化することで、ピーク時間Tと眼圧値との間に強い正の相関関係があることが確認された。この場合のピーク時間Tと眼圧値との相関係数は約0.987であり、この相関係数は上記特許文献1の方法を用いた場合の相関係数(約0.8)よりも高くなる。従って、図7に示したグラフにおける回帰直線Rを最小二乗法等により求めることで、この回帰直線Rに基づきピーク時間Tから眼圧値を正確に演算することができる。
例えば本実施形態では、非接触式眼圧計10の製造メーカにて回帰直線Rに対応する数式(ここでは眼圧値=12.002×ピーク時間-5.3614)或いはテーブルデータを予め求めておき、この数式等を対応関係情報44として記憶部42に記憶させている。これにより、眼圧値演算部64は、記憶部42内の対応関係情報44を取得し且つこの対応関係情報44を参照することで、ピーク時間Tから被検眼Eの眼圧値を正確に演算することができる。従って、眼圧値演算部64は、本発明の対応関係取得部としても機能する。なお、対応関係情報44は必ずしも非接触式眼圧計10の内部に記憶されている必要はなく、インターネット上のサーバ或いはメモリカード等の記憶媒体等の外部の記憶部に記憶されていてもよい。
眼圧値演算部64は、被検眼Eの眼圧値の演算結果を、眼圧値の測定結果として記憶部42に記憶させると共に表示部15に表示させる。
[非接触式眼圧計の作用]
図8は、本発明の眼科装置の制御方法に相当するものであり、上記構成の非接触式眼圧計10による被検眼Eの眼圧値の測定処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように、顔支持部12による被検者の顔の支持、被検眼Eに対する装置本体14のアライメント、及び被検眼Eの固視が完了すると、自動的に或いは操作部40に対する測定開始操作の入力に応じて、被検眼Eの眼圧値の測定が開始される(ステップS1)。
吹付制御部56は、吹付機構34の駆動を開始して、シリンダ34d内でピストン34fを移動させる。これにより、ピストン34fによりシリンダ34d内の空気が圧縮されることで、ノズル21bから角膜Ecへの空気の吹き付けが開始される(ステップS2)。
また、ステップS2が実行されている間、測定制御部58が、XYアライメント指標投影光学系22及び圧平検出光学系24を制御して、XYアライメント指標投影光学系22から角膜Ecに対するXYアライメント指標光の投影と、受光センサ24cによるXY標反射光の受光及び受光信号の出力と、連続的に実行させる(ステップS3)。
さらに、ステップS2,S3が実行されている間、時間変化検出部60が、受光センサ24cから出力される受光信号の取得と、受光信号の微分値の演算と、を連続的に実行する。これにより、時間変化検出部60により微分値の時間変化が連続的に検出されることで、既述の図5に示した微分波形W2が生成される(ステップS4、本発明の時間変化検出ステップに相当)。
さらにまた、ステップS2~S4が実行されている間、ピーク時間測定部62が、時間変化検出部60による微分波形W2の検出結果に基づき、微分波形W2(微分値)がそのピークP2の最大ピーク位置P2mに到達した否かを繰り返し判定する(ステップS5)。以下、ピーク時間測定部62により微分波形W2が最大ピーク位置P2mに到達したと判定されるまで、既述のステップS3からステップS5の処理が繰り返し実行される(ステップS5でNO)。
ピーク時間測定部62は、微分波形W2が最大ピーク位置P2mに到達したと判定すると(ステップS5でYES)、既述の図6に示したようにピーク時間Tの測定を実行し、その測定結果を眼圧値演算部64へ出力する(ステップS6、本発明のピーク時間測定ステップに相当)。これにより、圧平波形W1がピーク重心位置P1gに到達するよりも前に、ピーク時間Tの測定結果が眼圧値演算部64へ出力される。また、微分波形W2のピークP2は微分波形W2の中で特徴的な形状を有し、且つ最大ピーク位置P2mはピークP2の中で最も特徴的な特徴点であるので、ピーク時間測定部62はピーク時間Tを容易かつ正確に測定することができる。
ピーク時間Tの測定結果の入力を受けた眼圧値演算部64は、その測定結果に基づき、記憶部42から対応関係情報44を取得して参照することで、被検眼Eの眼圧値を演算する(ステップS7,S8、本発明の眼圧値演算ステップに相当)。ピーク時間測定部62によるピーク時間Tの測定完了から眼圧値演算部64による眼圧値の演算完了までの間のタイムラグは、既述の図6に示した時間差Δtよりも短いので、眼圧値演算部64は、圧平波形W1がピーク重心位置P1g(図6参照)に到達するよりも前に眼圧値の演算を完了させることができる。
そして、眼圧値演算部64は、被検眼Eの眼圧値の演算結果を、眼圧値の測定結果として記憶部42に記憶させると共に表示部15に表示させる。
また、眼圧値演算部64による被検眼Eの眼圧値の演算が完了すると、吹付制御部56は、吹付機構34の駆動を停止させることで、ノズル21bから角膜Ecに対する空気の吹き付けを停止させる(ステップS9)。これにより、圧平波形W1がピーク重心位置P1g(図6参照)に到達するよりも前に空気の吹き付けを停止させることができるので、角膜Ecに吹き付けられる空気の吹き付け量が減少する。その結果、被検者に与える不快感を軽減させることができる。
[本実施形態の効果]
以上のように本実施形態では、ノズル21bから被検眼Eへの空気の吹き付けが開始されてから圧平波形W1の微分波形W2のピークP2が最大ピーク位置P2mに到達するまでのピーク時間Tに基づき、被検眼Eの眼圧値を測定することができる。このピーク時間Tは、既述の通り被検眼Eの眼圧値との相関が強い(相関係数が高い)ため、ピーク時間Tに基づき眼圧値を正確に測定することができる。また、圧平波形W1がピーク重心位置P1gに到達するよりも前に測定を完了させることができる。その結果、被検者に与える不快感を軽減しつつ且つ被検眼Eの眼圧値を正確に測定することができる。
[他実施形態のピーク時間測定部]
図9及び図10は、他実施形態のピーク時間測定部62によるピーク時間Tの測定を説明するための説明図である。上記実施形態のピーク時間測定部62は、角膜Ecへの空気の吹き付けが開始されてから微分値が最大ピーク位置P2mに達するまでのピーク時間Tを測定している(図6参照)。この場合には、例えばピークP2に複数のピーク位置(図10参照)が含まれていたり、或いはピークP2の形状が崩れていたりすると、ピークP2のどの位置を最大ピーク位置P2mとして決定するのかが問題となる。
そこで、図9及び図10に示すように、他実施形態のピーク時間測定部62では、角膜Ecへの空気の吹き付けが開始されてから微分値がピークP2の重心位置P2gに達するまでのピーク時間Tを測定する。
具体的にはピーク時間測定部62は、微分波形W2が一定時間以上連続して増加した後で一定時間以上連続して減少を始めた場合に、微分波形W2がピークP2を通過したと判定し、微分波形W2におけるピークP2の位置及び範囲(幅)を決定する。次いで、ピーク時間測定部62は、ピークP2の重心位置P2gを演算する。例えばピーク時間測定部62は、重心位置P2gとして、ピークP2の幅の中心位置を演算したり、ピークP2の面積が半分となる位置を演算したりする。また、ピークP2の最大ピーク位置P2mを検出した後、「最大ピーク位置P2m周りの信号波形の1次モーメント/最大ピーク位置P2m周りの信号波形の面積」に基づき、ピークP2の重心位置P2gを演算してもよい。さらに、他の公知の重心演算法を用いてピークP2の重心位置P2gを演算してもよい。
このように他実施形態のピーク時間測定部62では、ピークP2の重心位置P2gに基づきピーク時間Tの測定を行うため、例えば図10に示すようにピークP2に複数のピーク位置が含まれていたり、或いはピークP2の形状が崩れていたりする場合でもピーク時間Tの測定を容易に行うことができる。
[その他]
上記実施形態では、被検眼Eの角膜Ecに向けて空気を吹き付けているが、空気以外の各種流体を吹き付けてもよい。
上記各実施形態では、シリンダ34d及びピストン34fを有する吹付機構34を用いてノズル21bから角膜Ecに対して空気の吹き付けを行っているが、他の空気圧縮機構を有する吹付機構34を用いる場合にも本発明を適用可能である。
非接触式眼圧計10の制御装置16以外の構成については、図1から図3に示したものには特に限定されず、公知の非接触式眼圧計で採用されている構成を適宜用いてもよい。
10…非接触式眼圧計
14…装置本体
16…制御装置
21b…ノズル
22…XYアライメント指標投影光学系
22a…XYアライメント用光源
24…圧平検出光学系
24c…受光センサ
34…吹付機構
34a…チャンバー
34f…ピストン
34g…空気圧縮駆動部
44…対応関係情報
56…吹付制御部
58…測定制御部
60…時間変化検出部
62…ピーク時間測定部
64…眼圧値演算部
P1,P2…ピーク
P1g,P2g…ピーク重心位置
P2m…最大ピーク位置
T…ピーク時間
W1…圧平波形
W2…微分波形

Claims (6)

  1. 被検眼の角膜に対して流体を吹き付けるノズルと、
    前記ノズルから前記角膜に前記流体が吹き付けられている間、前記角膜に対して光束を投影する投影光学系と、
    前記角膜にて反射された前記光束の反射光を受光して、前記反射光の受光信号を出力する受光光学系と、
    前記受光光学系から出力される前記受光信号の微分値を演算して、前記角膜の変形速度を示す前記微分値の時間変化を検出する時間変化検出部と、
    前記時間変化検出部による前記時間変化の検出結果に基づき、前記微分値がピークに達した場合に、前記ノズルによる前記角膜への前記流体の吹き付けが開始されてから前記微分値がピークに達するまでのピーク時間を測定するピーク時間測定部と、
    前記ピーク時間測定部の測定結果に基づき、前記被検眼の眼圧値を演算する眼圧値演算部と、
    を備える非接触式眼圧計。
  2. 前記ノズルから前記角膜に対して前記流体を吹き付ける吹付機構と、
    前記吹付機構の駆動を制御する吹付制御部であって、且つ前記眼圧値演算部による前記眼圧値の演算が完了した場合に前記吹付機構の駆動を停止させる吹付制御部と、
    を備える請求項1に記載の非接触式眼圧計。
  3. 前記ピーク時間測定部が、前記ピーク時間として、前記ノズルから前記角膜への前記流体の吹き付けが開始されてから前記微分値が前記ピークの最大ピーク位置に達するまでの時間を測定する請求項1又は2に記載の非接触式眼圧計。
  4. 前記ピーク時間測定部が、前記ピーク時間として、前記ノズルから前記角膜への前記流体の吹き付けが開始されてから前記微分値が前記ピークの重心位置に達するまでの時間を測定する請求項1又は2に記載の非接触式眼圧計。
  5. 前記ピーク時間と前記眼圧値との対応関係を記憶する記憶部から前記対応関係を取得する対応関係取得部を備え、
    前記眼圧値演算部が、前記ピーク時間測定部の測定結果に基づき、前記対応関係取得部が取得した前記対応関係を参照して、前記眼圧値の演算を行う請求項1から4のいずれか1項に記載の非接触式眼圧計。
  6. 被検眼の角膜に対して流体を吹き付けるノズルと、
    前記ノズルから前記角膜に前記流体が吹き付けられている間、前記角膜に対して光束を投影する投影光学系と、
    前記角膜にて反射された前記光束の反射光を受光して、前記反射光の受光信号を出力する受光光学系と、
    を備える非接触式眼圧計の制御方法において、
    前記受光光学系から出力される前記受光信号の微分値を演算して、前記角膜の変形速度を示す前記微分値の時間変化を検出する時間変化検出ステップと、
    前記時間変化検出ステップでの前記時間変化の検出結果に基づき、前記微分値がピークに達した場合に、前記ノズルによる前記角膜への前記流体の吹き付けが開始されてから前記微分値がピークに達するまでのピーク時間を測定するピーク時間測定ステップと、
    前記ピーク時間測定ステップの測定結果に基づき、前記被検眼の眼圧値を演算する眼圧値演算ステップと、
    を有する非接触式眼圧計の制御方法。
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