以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
[第1実施形態]
<モータ>
図1は、本実施形態に係るモータ1を模式的に示す図である。本実施形態において、モータ1は、セグメント型スイッチトリラクタンスモータである。図1に示すように、モータ1は、ステータ2と、ロータ3とを備える。
ステータ2は、実質的に円筒状である。ステータ2の内周面とロータ3の外周面とは間隙を介して対向する。ロータ3は、回転軸AXを中心に回転する。ロータ3の回転軸AXとステータ2の中心軸とは実質的に一致する。
本実施形態においては、回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称し、回転軸AXの周囲を周回する方向を適宜、周方向、と称し、回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。
また、軸方向においてモータ1の中心から規定の方向に離れる方向又は位置を適宜、軸方向一方側、と称し、軸方向において軸方向一方側の反対側を適宜、軸方向他方側、と称する。また、周方向において規定の回転方向を適宜、周方向一方側、と称し、周方向において周方向一方側の反対側を適宜、周方向他方側、と称する。また、径方向において中心軸AXから離れる方向又は位置を適宜、径方向外側、と称し、径方向において径方向内側の反対側を適宜、径方向内側、と称する。
ステータ2は、ステータコア4と、ステータコア4に支持されるコイル5とを有する。ロータ3は、ステータコア4の内側に配置される。ロータ3は、ロータホルダ6と、ロータホルダ6に保持されるロータコアピース7とを有する。ロータホルダ6は、非磁性体である。ロータコアピース7は、磁性体である。ロータコアピース7は、ロータ3の極として機能する。
モータ1は、3相モータである。コイル5は、U相コイル5Uと、V相コイル5Vと、W相コイル5Wとを含む。
ロータ3は、シャフト8を介して対象物RSに接続される。対象物RSとして、建設機械の一種であるハイブリッドショベルに搭載されるエンジンが例示される。モータ1は、エンジンにより駆動される発電機として機能する。
<ステータ>
図2は、本実施形態に係るステータ2の一部を示す斜視図である。図2に示すように、ステータ2は、ステータコア4と、ステータコア4のスロット9に配置されるコイル5とを有する。
ステータコア4は、内周面4Sと、外周面4Tと、第1端面4Aと、第2端面4Bとを有する。内周面4Sは、径方向内側を向く。外周面4Tは、径方向外側を向く。第1端面4Aは、軸方向一方側を向く。第2端面4Bは、軸方向他方側を向く。第1端面4Aは、内周面4Sの軸方向一方側の端部と外周面4Tの軸方向一方側の端部とを結ぶ。第2端面4Bは、内周面4Sの軸方向他方側の端部と外周面4Tの軸方向他方側の端部とを結ぶ。
スロット9は、内周面4Sにおいて周方向に複数設けられる。スロット9は、内周面4Sから径方向外側に凹む。スロット9は、軸方向に延伸する。スロット9は、内周面4Sに設けられ径方向内側を向く開口部9Mと、第1端面4Aに設けられ軸方向一方側を向く開口部9Aと、第2端面4Bに設けられ軸方向他方側を向く開口部9Bとを有する。
また、ステータコア4は、周方向において隣り合うスロット9の間に配置されるティース10を有する。
ティース10は、コイル5を支持する。ティース10は、軸方向一方側を向く端面10Aと、軸方向他方側を向く端面10Bとを有する。第1端面4Aは、端面10Aを含む。第2端面4Bは、端面10Bを含む。
コイル5は、ティース10に支持される。コイル5は、開口11を有する。ティース10は、コイル5の開口11に挿入される。コイル5の一部は、スロット9の内側に配置される。コイル5の一部は、ステータコア4から軸方向に突出する。
以下の説明においては、コイル5のうちスロット9の内側に配置される部分を適宜、コイルセンター部51、と称し、コイル5のうちステータコア4から軸方向に突出する部分を適宜、コイルエンド部52、と称する。
コイル5は、コイルセンター部51を2つ有する。コイル5は、コイルエンド部52を2つ有する。一方のコイルセンター部51が所定のスロット9に配置された場合、他方のコイルセンター部は、一方のコイルセンター部51が配置されているスロット9とは別のスロット9に配置される。コイルエンド部52は、ステータコア4の第1端面4Aから軸方向一方側に突出する第1のコイルエンド部52と、ステータコア4の第2端面4Bから軸方向他方側に突出する第2のコイルエンド部52とを含む。
上述のように、コイル5は、U相コイル5Uと、V相コイル5Vと、W相コイル5Wとを含む。図2には、U相コイル5UとV相コイル5Vとが示されている。
図2に示すように、U相コイル5UとV相コイル5Vとは重ね合わせられる。U相コイル5Uの間にV相コイル5Vの一部が配置され、V相コイル5Vの間にU相コイル5Uの一部が配置されるように、U相コイル5UとV相コイル5Vとが重ね合わせられることにより、U相コイル5UとV相コイル5Vとのコイルセット31が形成される。
コイルセット31と同様に、V相コイル5Vの間にW相コイル5Wの一部が配置され、W相コイル5Wの間にV相コイル5Vの一部が配置されるように、V相コイル5VとW相コイル5Wとが重ね合わせられることにより、V相コイル5VとW相コイル5Wとのコイルセット32が形成される。W相コイル5Wの間にU相コイル5Uの一部が配置され、U相コイル5Uの間にW相コイル5Wの一部が配置されるように、W相コイル5WとU相コイル5Uとが重ね合わせられることにより、W相コイル5WとU相コイル5Uとのコイルセット33が形成される。ステータコア4は、コイルセット31、コイルセット32、及びコイルセット33のそれぞれを支持する(図3参照)。
コイル5は、2スロットピッチでティース10の周囲に配置される。すなわち、コイル5の一方のコイルセンター部51が所定のスロット9に配置された場合、他方のコイルセンター部51は、周方向において一方のコイルセンター部51が配置されているスロット9から2つ隣のスロット9に配置される。
図2に示す例において、スロット9は、第1スロット91と、第1スロット91の周方向一方側の隣に配置される第2スロット92と、第2スロット92の周方向一方側の隣に配置される第3スロット93と、第3スロット93の周方向一方側の隣に配置される第4スロット94を含む。
U相コイル5Uの他方のコイルセンター部51は、第1スロット91に配置される。V相コイル5Vの他方のコイルセンター部51は、第2スロット92に配置される。U相コイル5Uの一方のコイルセンター部51は、第3スロット93に配置される。V相コイル5Vの一方のコイルセンター部51は、第4スロット94に配置される。
コイルセット32のV相コイル5V及びW相コイル5Wと複数のスロット9との関係は、及びコイルセット33のW相コイル5W及びU相コイル5Uと複数のスロット9との関係は、コイルセット31のU相コイル5U及びV相コイル5Vと複数のスロット9との関係と同様である。
<極数とスロット数との関係>
図3は、本実施形態に係るステータ2及びロータ3を模式的に示す図である。図3は、半分に分割されたステータ2及びロータ3を示す。なお、図3に示す巻線の極性は一例である。巻線の極性は、図3に示す向きでも成立し、図3に示す向きとは逆向きでも成立する。
図3に示すように、U相コイル5UとV相コイル5Vとのコイルセット31、V相コイル5VとW相コイル5Wとのコイルセット32、及びW相コイル5WとU相コイル5Uとのコイルセット33のそれぞれが、ステータコア4に支持される。U相コイル5U、V相コイル5V、及びW相コイル5Wのそれぞれは、2スロットピッチでティース10の周囲に配置される。
ロータ3は、複数のロータコアピース7を有する。複数のロータコアピース7の形状及び寸法は同一である。複数のロータコアピース7は、周方向に等間隔で配置される。ロータコアピース7は、ロータ3の極として機能する。ロータ3の極数は、ロータコアピース7の数を意味する。
本実施形態において、ロータ3の極数をP、ステータコア4のスロット数をS、自然数をNとしたとき、モータ1は、以下の(1)式及び(2)式の条件を満足する。
P=7×N …(1)
S=12×N …(2)
すなわち、本実施形態に係るモータ1として、7極12スロットのモータ、14極24スロットのモータ、及び21極36スロットのモータが例示される。
本実施形態においては、ロータ3の回転において、U相コイル5U、V相コイル5V、及びW相コイル5Wの少なくとも2つのコイルセンター部51と、周方向において隣り合う2つのロータコアピース7とが対向するように、極数P及びスロット数Sが定められる。図3に示す例においては、V相コイル5Vの2つのコイルセンター部51と、周方向において隣り合う2つのロータコアピース7とが、同時に対向する。ロータ3が回転すると、U相コイル5Uの2つのコイルセンター部51と周方向において隣り合う2つのロータコアピース7とが同時に対向する状態が発生する。更に、ロータ3が回転すると、W相コイル5Wの2つのコイルセンター部51と周方向において隣り合う2つのロータコアピース7とが同時に対向する状態が発生する。
このように、本実施形態において、U相コイル5UのコイルピッチIc、V相コイル5VのコイルピッチIc、及びW相コイル5WのコイルピッチIcと、ロータ3の極ピッチIpとが実質的に等しくなるように、極数P及びスロット数Sが定められている。
本実施形態において、コイルピッチIcとは、回転軸AXを基準として1つのコイル5の一方のコイルセンター部51と他方のコイルセンター部51とがなす角度をいう。極ピッチIpとは、回転軸AXを基準として周方向に隣り合う2つのロータコアピース7がなす角度をいう。
図4は、本実施形態に係るティース10及びコイル5を模式的に示す図である。図4は、径方向内側からステータコア4を見た図に相当する。図3及び図4に示すように、ティース10は、コイルセット31のU相コイル5Uの開口11及びV相コイル5Vの開口11の両方に配置される第1ティース101と、U相コイル5Uの開口11及びV相コイル5Vの開口11の一方に配置される第2ティース102と、U相コイル5Uの開口11及びV相コイル5Vの開口11の両方に配置されない第3ティース103とを含む。
すなわち、第1ティース101は、2つのコイル5の開口11の内側に配置されるティース10である。第2ティース102は、1つのコイル5の開口11の内側に配置されるティース10である。第3ティース103は、コイル5の開口11の内側に配置されないティース10である。
第1ティース101は、コイルセット32のV相コイル5Vの開口11及びW相コイル5Wの開口11の両方に配置されるティース10と、コイルセット33のW相コイル5Wの開口11及びU相コイル5Uの開口11の両方に配置されるティース10とを含む。
第2ティース102は、コイルセット32のV相コイル5Vの開口11及びW相コイル5Wの開口11の一方に配置されるティース10と、コイルセット33のW相コイル5Wの開口11及びU相コイル5Uの開口11の一方に配置されるティース10とを含む。
第3ティース103は、コイルセット32のV相コイル5Vの開口11及びW相コイル5Wの開口11のいずれにも配置されないティース10と、コイルセット33のW相コイル5Wの開口11及びU相コイル5Uの開口11の両方に配置されないティース10とを含む。
換言すれば、第1ティース101は、端面10A及び端面10Bが2つのコイル5に対向するティース10である。第2ティース102は、端面10A及び端面10Bが1つのコイル5に対向するティース10である。第3ティース103は、端面10A及び端面10Bがコイル5に対向しないティース10である。
図4に示すように、周方向において、第1ティース101、第2ティース102、及び第3ティース103のうち、第1ティース101の寸法R1が最も小さく、第1ティース101に次いで第2ティース102の寸法R2が小さく、第3ティース103の寸法R3が最も大きい。
<コイル>
図5は、本実施形態に係るコイルセット31を示す斜視図である。図6は、本実施形態に係るコイルセット31を示す平面図である。コイルセット31は、U相コイル5U及びV相コイル5Vを含む。
本実施形態において、コイル5は、板状の第1コイル片41と、第1コイル片41に連結される板状の第2コイル片42とを備える。U相コイル5U及びV相コイル5Vのそれぞれが、第1コイル片41及び第2コイル片42により構成される。なお、図5及び図6には示されていないが、U相コイル5U及びV相コイル5Vと同様に、W相コイル5Wは、第1コイル片41及び第2コイル片42により構成される。
第1コイル片41は、螺旋状である。第2コイル片42は、螺旋状である。第1コイル片41と第2コイル片42とが連結されることにより、螺旋状のコイル5が形成される。第1コイル片41は、U相コイル5Uを構成する第1コイル片41Uと、V相コイル5Vを構成する第1コイル片41Vと、W相コイル5Wを構成する第1コイル片41Wとを含む。第2コイル片42は、U相コイル5Uを構成する第2コイル片42Uと、V相コイル5Vを構成する第2コイル片42Vと、W相コイル5Wを構成する第2コイル片42Wとを含む。
U相コイル5Uは、螺旋状の第1コイル片41U及び螺旋状の第2コイル片42Uにより構成される。V相コイル5Vは、螺旋状の第1コイル片41V及び螺旋状の第2コイル片42Vにより構成される。U相コイル5Uの一部の間に、V相コイル5Vの一部が配置される。U相コイル5Uの一部とV相コイル5Vの一部とは径方向に交互に配置される。U相コイル5Uの間にV相コイル5Vの一部が配置されることにより、U相コイル5UとV相コイル5Vとが重ね合わせられ、U相コイル5UとV相コイル5Vとのコイルセット31が形成される。
同様に、W相コイル5Wは、螺旋状の第1コイル片41W及び螺旋状の第2コイル片42Wにより構成される。V相コイル5Vの間にW相コイル5Wの一部が配置されることにより、V相コイル5VとW相コイル5Wとが重ね合わせられ、V相コイル5VとW相コイル5Wとのコイルセット32が形成される。W相コイル5Wの間にU相コイル5Uの一部が配置されることにより、W相コイル5WとU相コイル5Uとが重ね合わせられ、W相コイル5WとU相コイル5Uとのコイルセット33が形成される。ステータコア4は、コイルセット31、コイルセット32、及びコイルセット33のそれぞれを支持する。
<製造方法>
図7は、本実施形態に係るステータ2の製造方法を示すフローチャートである。図7に示すように、ステータ2は、コイルセットを製造する工程PR1と、コイルセットをスロット9に挿入する工程PR2と、複数のコイルセットを結線する工程PR3とを含む製造方法により製造される。
コイルセット31を製造する場合、まず、U相コイル5U及びV相コイル5Vのそれぞれが製造される。
図8、図9、図10、及び図11のそれぞれは、U相コイル5Uの製造方法を説明するための図である。U相コイル5Uは、螺旋状の第1コイル片41Uと螺旋状の第2コイル片42Uとを連結することにより製造される。V相コイル5Vは、螺旋状の第1コイル片41Vと螺旋状の第2コイル片42Vとを連結することにより製造される。図8は、本実施形態に係る第1コイル片41Uを示す斜視図である。図9は、本実施形態に係る第2コイル片42Uを示す斜視図である。図10は、本実施形態に係るU相コイル5Uを示す正面図である。図11は、本実施形態に係るU相コイル5Uを示す平面図である。
図8に示すように、第1コイル片41Uは、厚さD1の板状の部材である。厚さD1とは、第1コイル片41Uの径方向の寸法をいう。第1コイル片41Uの厚さD1は均一である。
第1コイル片41Uは、ステータコア4のスロット9に配置されるセンター部411と、ステータコア4から軸方向に突出するエンド部412とを有する。センター部411は、軸方向に延伸する。エンド部412は、周方向に延伸する。センター部411は、コイルセンター部51を形成する。エンド部412は、コイルエンド部52を形成する。
センター部411は、センター部411Aと、センター部411Aよりも周方向他方側の端部に配置されるセンター部411Bとを含む。
エンド部412は、センター部411Aの軸方向一方側の端部とセンター部411Bの軸方向一方側の端部とを接続するエンド部412Aと、センター部411Aの軸方向他方側の端部に接続されるエンド部412Bとを含む。
エンド部412は、第1部分4121と、第1部分4121の幅H1よりも小さい幅H2の第2部分4122とを含む。幅H1及び幅H2とは、エンド部412の軸方向の寸法をいう。第2部分4122は、第1部分4121よりも周方向一方側に配置される。エンド部412A及びエンド部412Bのそれぞれが、第1部分4121及び第2部分4122を有する。
第2部分4122は、第1部分4121の軸方向一方側の端部に直列又は並列で接続される。図8に示す例において、第2部分4122は、第1部分4121の軸方向中央部よりも軸方向一方側(上側)に直列に接続される。軸方向一方側の第1部分4121の端面と第2部分4122の端面とは同一面内に配置される。エンド部412の下部の一部に凹部413が設けられることにより、第2部分4122が形成される。
第1コイル片41Uは、エンド部412の第2部分4122とセンター部411Aとの間に径方向に曲がる曲折部414(第1曲折部)を有する。曲折部414は、センター部411Aの軸方向一方側の端部とエンド部412Aの第2部分4122との間に設けられる曲折部414Aと、センター部411Aの軸方向他方側の端部とエンド部412Bの第2部分4122との間に設けられる曲折部414Bとを含む。曲折部414は、径方向外側に曲がる。曲折部414Aにより、センター部411Aは、エンド部412Aよりも径方向外側に配置される。曲折部414Bにより、エンド部412Bは、センター部411Aよりも径方向外側に配置される。曲折部414A及び曲折部414Bにより、径方向において、エンド部412Aの位置と、センター部411Aの位置と、エンド部412B及びセンター部411Bの位置とが変更される。これにより、第1コイル片41Uは、螺旋状になる。
図9に示すように、第2コイル片42Uは、厚さD2の板状の部材である。厚さD2とは、第2コイル片42Uの径方向の寸法をいう。第2コイル片42Uの厚さD2は均一である。本実施形態において、第1コイル片41Uの厚さD1と第2コイル片42Uの厚さD2とは同一である。
第2コイル片42Uは、ステータコア4のスロット9に配置されるセンター部421と、ステータコア4から軸方向に突出するエンド部422とを有する。センター部421は、軸方向に延伸する。エンド部422は、周方向に延伸する。センター部421は、コイルセンター部51を形成する。エンド部422は、コイルエンド部52を形成する。
センター部421は、センター部421Aと、センター部421Aよりも周方向他方側の端部に配置されるセンター部421Bとを含む。
エンド部422は、センター部421Aの軸方向一方側の端部とセンター部421Bの軸方向一方側の端部とを接続するエンド部422Aと、センター部421Aの軸方向他方側の端部に接続されるエンド部422Bとを含む。
エンド部422は、第3部分4221と、第3部分4221の幅H3よりも小さい幅H4の第4部分4222とを含む。幅H3及び幅H4とは、エンド部422の軸方向の寸法をいう。第4部分4222は、第3部分4221よりも周方向一方側に配置される。エンド部422A及びエンド部422Bのそれぞれが、第3部分4221及び第4部分4222を有する。
第4部分4222は、第3部分4221の軸方向他方側の端部に直列又は並列で接続される。図9に示す例において、第4部分4222は、第3部分4221の軸方向中央部よりも軸方向他方側(下側)に直列で接続される。軸方向他方側の第3部分4221の端面と第4部分4222の端面とは同一面内に配置される。エンド部422の上部の一部に凹部423が設けられることにより、第2部分4122が形成される。
第2コイル片42Uは、エンド部422の第3部分4221と第4部分4222との間に径方向に曲がる曲折部424(第2曲折部)を有する。曲折部424は、エンド部422Aの第3部分4221と第4部分4222との間に設けられる曲折部424Aと、エンド部422Bの第3部分4221と第4部分4222との間に設けられる曲折部424Bとを含む。曲折部424は、径方向外側に曲がる。曲折部424Aにより、エンド部422Aの第3部分4221は、エンド部422Aの第4部分4222よりも径方向外側に配置される。曲折部424Bにより、エンド部422Bの第4部分4222は、エンド部422Bの第3部分4221よりも径方向外側に配置される。曲折部424A及び曲折部424Bにより、径方向において、センター部421A及びエンド部422Aの第4部分4222の位置と、エンド部422Aの第3部分4221、センター部421B、及びエンド部422Bの第3部分4221の位置と、エンド部422Bの第4部分4222の位置とが変更される。これにより、第2コイル片42Uは、螺旋状になる。
本実施形態において、第1コイル片41の第1部分4121の幅H1と第2コイル片42の第3部分4221の幅H3とは同一である。第1コイル片41の第2部分4122の幅H2と第2コイル片42の第4部分4222の幅H4とは同一である。幅H1及び幅H3は、幅H2及び幅H4よりも大きい。本実施形態において、幅H1及び幅H3は、幅H2及び幅H4の2倍である。
図10及び図11に示すように、第1コイル片41と第2コイル片42とが連結されることにより、U相コイル5Uが形成される。コイルエンド部52において、第1コイル片41のエンド部412と第2コイル片42のエンド部422の少なくとも一部とは、軸方向に配置される。本実施形態において、コイルエンド部52において、第1コイル片41の第2部分4122と第2コイル片42の第4部分4222とは、軸方向に配置される。第2部分4122と第4部分4222とは、径方向及び周方向のそれぞれにおいて重複する。第2部分4122の直下に第4部分4222が配置される。
前記配置方法の一例として、螺旋状の巻線を径方向に適切に引き伸ばした上で、片方の径方向一方側の巻き始め及びもう片方の径方向他方側の巻き終わりの位置を揃えた状態から、両者の巻き始め又は巻き終わりの径方向位置が揃うまで互いに逆向きに相対回転させていく。
図11に示すように、コイルエンド部52において、第2部分4122と第4部分4222とは、軸方向に配置された状態で、径方向に複数配置される。また、コイルエンド部52において、第1部分4121と第3部分4221とは、径方向に交互に配置される。
コイルセンター部51において、第1コイル片41と第2コイル片42とは、径方向に交互に配置される。すなわち、第1コイル片41のセンター部411Aと第2コイル片42のセンター部421Aとは、径方向に交互に配置される。第1コイル片41のセンター部411Bと第2コイル片42のセンター部421Bとは、径方向に交互に配置される。なお、第2コイル片42のセンター部421Aは、曲折部414Aの直下に配置され、センター部421Aとエンド部412Aの一部とは、径方向及び周方向のそれぞれにおいて重複する。エンド部412Aの直下にセンター部421Aが配置される。
図12は、本実施形態に係るV相コイル5Vを示す斜視図である。図13は、本実施形態に係るV相コイル5Vを示す平面図である。U相コイル5Uと同様、V相コイル5Vは、第1コイル片41Vと、第1コイル片41Vに連結される第2コイル片42Vとを備える。第1コイル片41Vは、ステータコア4のスロット9に配置されるセンター部411と、ステータコア4から軸方向に突出するエンド部412とを有する。第2コイル片42Vは、ステータコア4のスロット9に配置されるセンター部421と、ステータコア4から軸方向に突出するエンド部422とを有する。第1コイル片41のエンド部412は、第1部分4121と、第1部分4121の幅H1よりも小さい幅H2の第2部分4122とを含む。第2コイル片42のエンド部422は、第3部分4221と、第3部分4221の幅H3よりも小さい幅H4の第4部分4222とを含む。コイルエンド部52において、第1コイル片41の第2部分4122と第2コイル片42の第4部分4222とは、軸方向に配置される。V相コイル5Vの製造方法は、U相コイル5Uの製造方法と同様である。また、U相コイル5Uの第1コイル片41Uには曲折部414Bが設けられているのに対し、V相コイル5Vの第1コイル片41Vには曲折部414Bが設けられていない。曲折部414Bの有無においては、U相コイル5Uの構造とV相コイル5Vの構造とは異なるものの、U相コイル5Uの構造及び寸法と、V相コイル5Vの構造及び寸法とは、実質的に等しい。V相コイル5Vの製造方法の説明は省略する。
U相コイル5U及びV相コイル5Vのそれぞれが製造された後、螺旋状のU相コイル5Uの間に、V相コイル5Vの一部が配置される。図6に示すように、コイルエンド部52において、U相コイル5Uのエンド部を構成する第2部分4122及び第4部分4222と、V相コイル5Vのエンド部を構成する第2部分4122及び第4部分4222とは、径方向に交互に配置される。図6に示す例において、U相コイル5Uの第1部分4121及び第3部分4221は、U相コイル5Uの第2部分4122及び第4部分4222よりも周方向他方側に配置される。V相コイル5Vの第1部分4121及び第3部分4221は、V相コイル5Vの第2部分4122及び第4部分4222よりも周方向一方側に配置される。本実施形態において、U相コイル5Uの第2部分4122及び第4部分4222とV相コイル5Vの第2部分4122及び第4部分4222とは周方向に重複する。U相コイル5Uの第1部分4121及び第3部分4221とV相コイル5Vとは重複せず、V相コイル5Vの第1部分4121及び第4部分4222とU相コイル5Uとは重複しない。
前記配置方法の一例として、螺旋状の巻線を径方向に適切に引き伸ばした上で、異相のコイルエンド部が径方向に交互に重ね合わされるようにステータ形状を模擬した治具等で誘導しながら組み合わせる。その後に引き伸ばした巻線を径方向に圧縮し機械的または熱的な処理により形状固定する。
コイルエンド部52において、U相コイル5Uのエンド部を構成する第2部分4122及び第4部分4222とV相コイル5Vのエンド部を構成する第2部分4122及び第4部分4222とが径方向に交互に配置されるように、U相コイル5UとV相コイル5Vとが重ね合わせられることにより、U相コイル5UとV相コイル5Vとのコイルセット31が製造される。同様に、コイルエンド部52において、V相コイル5Vのエンド部を構成する第2部分4122及び第4部分4222とW相コイル5Wのエンド部を構成する第2部分4122及び第4部分4222とが径方向に交互に配置されるように、V相コイル5VとW相コイル5Wとが重ね合わせられることにより、V相コイル5VとW相コイル5Wとのコイルセット32が製造される。コイルエンド部52において、W相コイル5Wのエンド部を構成する第2部分4122及び第4部分4222とU相コイル5Uのエンド部を構成する第2部分4122及び第4部分4222とが径方向に交互に配置されるように、W相コイル5WとU相コイル5Uとが重ね合わせられることにより、W相コイル5WとU相コイル5Uとのコイルセット33が製造される(工程PR1)。
コイルセット31、コイルセット32、及びコイルセット33のそれぞれのコイルエンド部52が、第2部分4122及び第4部分4222を有する。コイルセット31、コイルセット32、及びコイルセット33が製造された後、コイルセット31、コイルセット32、及びコイルセット33のそれぞれが、径方向内側からスロット9に挿入される。第1コイル片41の第2部分4122及び第2コイル片42の第4部分4222がステータコア4から軸方向に突出するように、ステータコア4に、U相コイル5U、V相コイル5V、及びW相コイル5Wのそれぞれが装着される。
図3に示したように、コイルセット33はコイルセット32の周方向一方側に配置され、コイルセット32はコイルセット31の周方向一方側に配置される。複数のスロット9のそれぞれにコイルセンター部51が1つずつ配置される(工程PR2)。
コイルセット31、コイルセット32、及びコイルセット33のそれぞれがスロット9に挿入された後、複数のコイル5が結線部材により接続される(工程PR3)。
前記コイル製造工程における中途において、コイルとステータ間、同相または異相コイル間における適切な絶縁処理を行う。
以上により、ステータ2が製造される。
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、コイル5は、第1コイル片41と、第1コイル片41に連結される第2コイル片42とを備える。第1コイル片41のエンド部412は、第1部分4121と、第1部分4121の幅H1よりも小さい幅H2の第2部分4122とを含む。第2コイル片42のエンド部422は、第3部分4221と、第3部分4221の幅H3よりも小さい幅H4の第4部分4222とを含む。コイルエンド部52において、第1コイル片41の第2部分4122と第2コイル片42の第4部分4222とは、軸方向に配置される。これにより、コイルエンド部52の大きさを抑制することができる。
例えばコイル5のエンド部の軸方向の寸法が均一である場合、コイルエンド部52において複数のコイル5が重複すると、コイルエンド部52が大きくなってしまう。コイルエンド部52は、モータ1のトルクの発生に寄与しない。そのため、コイルエンド部52が大きくなると、モータ1が発生するトルクが大きくならないにもかかわらず、モータ1が大型化してしまう。その結果、モータ1のトルク密度が低下してしまう。トルク密度とは、モータ1が発生可能なトルクをモータ1の質量又は体積で除した値をいう。トルク密度は大きい方が好ましい。
本実施形態によれば、コイルエンド部52において、2つのコイル5の第2部分4122と第4部分4222とが軸方向に配置される。また、コイルエンド部52において、第1部分4121及び第3部分4221は、他のコイル5の軸方向に配置されない。そのため、コイルエンド部52が大きくなってしまうことが抑制される。したがって、モータ1の大型化が抑制される。
本実施形態において、第2部分4122は、第1部分4121の軸方向一方側の端部に直列又は並列で接続され、第4部分4222は、第3部分4221の軸方向他方側の端部に直列又は並列で接続される。また、本実施形態においては、軸方向一方側の第1部分4121の端面と第2部分4122の端面とは同一面内に配置され、軸方向他方側の第3部分4221の端面と第4部分4222の端面とは同一面内に配置される。そのため、第2部分4122は、第2コイル片42の凹部423に配置され、第4部分4222は、第1コイル片41の凹部413に配置される。第2部分4122は、第2コイル片42の凹部423に配置され、第4部分4222は、第1コイル片41の凹部413に配置されることにより、コイルエンド部52において軸方向に突出する部分が無くなるため、モータ1の大型化が抑制される。
第1コイル片41は、曲折部414を有する。曲折部414により、第1コイル片41のセンター部421Aは、径方向及び周方向のそれぞれにおいて第1コイル片41のエンド部412の少なくとも一部と重複する。これにより、コイルセンター部51において、第1コイル片41と第2コイル片42とが径方向に交互に配置された場合、占積率が向上する。
第2コイル片42は、曲折部424を有する。曲折部424により、第1コイル片41の第2部分4122と第2コイル片42の第4部分4222とは、径方向及び周方向のそれぞれにおいて重複する。これにより、コイルエンド部52の大きさが抑制される。
幅H1と幅H3とは同一であり、幅H2と幅H4とは同一であり、幅H1及び幅H3は、幅H2及び幅H4よりも大きい。本実施形態において、幅H1及び幅H3は、幅H2及び幅H4の2倍である。これにより、第2部分4122が第2コイル片42の凹部423に配置され、第4部分4222が第1コイル片41の凹部413に配置された状態で、コイルエンド部52において軸方向に突出する部分の発生が抑制される。
第1コイル片41の厚さD1は均一であり、第2コイル片42の厚さD2は均一である。そのため、第1コイル片41及び第2コイル片42は、効率良く製造される。
本実施形態において、モータ1は、(1)式及び(2)式の条件を満足する。7極12スロットのモータ1においては、2スロットピッチでコイル5を配置することができる。そのため、コイルエンド部52の大きさを抑制することができる。
例えば3スロットピッチでコイルが配置される場合、コイルエンド部において3つのコイルが重複することとなる。その結果、コイルエンド部が大きくなってしまう。本実施形態によれば、コイルエンド部52において重複するコイル5は2つである。そのため、コイルエンド部52が大きくなってしまうことが抑制される。したがって、モータ1の大型化が抑制される。
また、例えば1スロットピッチで配置されるコイルを有するモータよりも、2スロットピッチで配置されるコイル5を有するモータ1の方が、大きいトルクを発生できる。すなわち、2スロットピッチでコイルが配置されることにより、モータ1は十分なトルクを発生することができる。そのため、モータ1のトルク密度の低下が抑制される。
また、3スロットピッチのコイルピッチよりも2スロットピッチのコイルピッチIcの方が小さい。そのため、本実施形態によれば、3スロットピッチに比べて、コイル5の相抵抗が低減される。そのため、モータ1の性能の低下が抑制される。
また、本実施形態においては、7極12スロットが採用されることにより、2つのコイル5を組み合わせたコイルセットを成形した後、コイルセットを径方向内側からスロット9に挿入することができる。本実施形態によれば、例えば分割ステータコアを採用しなくても、ボビン状に巻かれた成形済のコイル5(コイルセット)をステータコア4のスロット9に挿入することができる。したがって、モータ1を容易に製造することができる。
本実施形態において、ティース10は、端面10A及び端面10Bが2つのコイル5に対向する第1ティース101と、端面10A及び端面10Bが1つのコイル5に対向する第2ティース102と、端面10A及び端面10Bがコイル5に対向しない第3ティース103とを含む。第1ティース101は、2つのコイル5の開口11の内側に配置される。第2ティース102は、1つのコイル5の開口11の内側に配置される。第3ティース103は、コイル5の開口11の内側に配置されない。周方向において、第1ティース101の寸法R1が最も小さく、第1ティース101に次いで第2ティース102の寸法R2が小さく、第3ティース103の寸法R3が最も大きい。本発明者は、第1ティース101と第2ティース102と第3ティース103とが[R1<R2<R3]の条件を満足することにより、モータ1が発生するトルクが向上することを見出した。これは、[R1<R2<R3]の条件を満足するようにステータ2を設計すると、漏れ磁束が少なくなり、磁束が適切に流通することができると考えられる。[R1<R2<R3]の条件を満足することにより、モータ1は、大きいトルクを発生することができる。
ロータ3の回転において、コイル5の2つのコイルセンター部51と、隣り合う2つのロータコアピース7とが対向するように、コイルピッチIcと極ピッチIpとが定められることにより、モータ1は適正にトルクを発生することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図14は、本実施形態に係るコイルセット31を示す斜視図である。図15は、本実施形態に係るコイルセット31を示す平面図である。コイルセット31は、U相コイル5U及びV相コイル5Vを含む。
上述の実施形態と同様、コイル5は、板状の第1コイル片41と、第1コイル片41に連結される板状の第2コイル片42とを備える。U相コイル5U及びV相コイル5Vのそれぞれが、第1コイル片41及び第2コイル片42により構成される。なお、図14及び図15には示されていないが、U相コイル5U及びV相コイル5Vと同様に、W相コイル5Wは、第1コイル片41及び第2コイル片42により構成される。
第1コイル片41は、螺旋状である。第2コイル片42は、螺旋状である。第1コイル片41と第2コイル片42とが連結されることにより、螺旋状のコイル5が形成される。第1コイル片41は、U相コイル5Uを構成する第1コイル片41Uと、V相コイル5Vを構成する第1コイル片41Vと、W相コイル5Wを構成する第1コイル片41Wとを含む。第2コイル片42は、U相コイル5Uを構成する第2コイル片42Uと、V相コイル5Vを構成する第2コイル片42Vと、W相コイル5Wを構成する第2コイル片42Wとを含む。
U相コイル5Uは、螺旋状の第1コイル片41U及び螺旋状の第2コイル片42Uにより構成される。V相コイル5Vは、螺旋状の第1コイル片41V及び螺旋状の第2コイル片42Vにより構成される。U相コイル5Uの一部の間に、V相コイル5Vの一部が配置される。U相コイル5Uの一部とV相コイル5Vの一部とは径方向に交互に配置される。U相コイル5Uの間にV相コイル5Vの一部が配置されることにより、U相コイル5UとV相コイル5Vとが連結され、U相コイル5UとV相コイル5Vとのコイルセット31が形成される。
同様に、W相コイル5Wは、螺旋状の第1コイル片41W及び螺旋状の第2コイル片42Wにより構成される。V相コイル5Vの間にW相コイル5Wの一部が配置されることにより、V相コイル5VとW相コイル5Wとが連結され、V相コイル5VとW相コイル5Wとのコイルセット32が形成される。W相コイル5Wの間にU相コイル5Uの一部が配置されることにより、W相コイル5WとU相コイル5Uとが連結され、W相コイル5WとU相コイル5Uとのコイルセット33が形成される。ステータコア4は、コイルセット31、コイルセット32、及びコイルセット33のそれぞれを支持する。
次に、コイルセット31の製造方法について説明する。コイルセット31を製造する場合、まず、U相コイル5U及びV相コイル5Vのそれぞれが製造される。
図16、図17、及び図18のそれぞれは、U相コイル5Uの製造方法を説明するための図である。U相コイル5Uは、螺旋状の第1コイル片41Uと螺旋状の第2コイル片42Uとを連結することにより製造される。V相コイル5Vは、螺旋状の第1コイル片41Vと螺旋状の第2コイル片42Vとを連結することにより製造される。図16は、本実施形態に係る第1コイル片41Uを示す斜視図である。図17は、本実施形態に係る第2コイル片42Uを示す斜視図である。図18は、本実施形態に係るU相コイル5Uを示す斜視図である。
図16に示すように、第1コイル片41Uは、厚さD1の板状の部材である。厚さD1とは、第1コイル片41Uの径方向の寸法をいう。第1コイル片41Uの厚さD1は均一である。
第1コイル片41Uは、ステータコア4のスロット9に配置されるセンター部411と、ステータコア4から軸方向に突出するエンド部412とを有する。センター部411は、軸方向に延伸する。エンド部412は、周方向に延伸する。センター部411は、コイルセンター部51を形成する。エンド部412は、コイルエンド部52を形成する。
センター部411は、センター部411Aと、センター部411Aよりも周方向他方側の端部に配置されるセンター部411Bとを含む。
エンド部412は、センター部411Aの軸方向一方側の端部とセンター部411Bの軸方向一方側の端部とを接続するエンド部412Aと、センター部411Aの軸方向他方側の端部とセンター部411Bの軸方向他方側の端部とを接続するエンド部412Bとを含む。
センター部411Bは、軸方向の中間部で分離する。センター部411Bは、センター部412Aに接続されるセンター上部411Baと、センター部412Bに接続されるセンター下部411Bbとを含む。
エンド部412の幅H1は、均一である。幅H1とは、エンド部412の軸方向の寸法をいう。
第1コイル片41Uは、曲折部414を有する。曲折部414は、センター部411Aの軸方向一方側の端部とエンド部412Aとの間に設けられる曲折部414Aと、センター部411Aの軸方向他方側の端部とエンド部412Bとの間に設けられる曲折部414Bと、エンド部412Aの周方向他方側の端部とセンター上部411Baとの間に設けられる曲折部414Cとを有する。
曲折部414Aにより、センター部411Aは、エンド部412Aよりも径方向外側に配置される。曲折部414Bにより、エンド部412Bは、センター部411Aよりも径方向内側に配置される。曲折部414Cにより、センター上部411Baは、エンド部412A、センター下部411Bb、及びエンド部412Bよりも径方向内側に配置される。
図17に示すように、第2コイル片42Uは、第1コイル片41Uと同等の形状である。第2コイル片42Uは、第1コイル片41Uを径方向に反転させたものである。第2コイル片42Uは、厚さD1の板状の部材である。
第2コイル片42Uは、ステータコア4のスロット9に配置されるセンター部421と、ステータコア4から軸方向に突出するエンド部422とを有する。センター部421は、軸方向に延伸する。エンド部422は、周方向に延伸する。センター部421は、コイルセンター部51を形成する。エンド部422は、コイルエンド部52を形成する。
センター部421は、センター部421Aと、センター部421Aよりも周方向他方側の端部に配置されるセンター部421Bとを含む。
エンド部422は、センター部421Aの軸方向一方側の端部とセンター部421Bの軸方向一方側の端部とを接続するエンド部422Aと、センター部421Aの軸方向他方側の端部とセンター部421Bの軸方向他方側の端部とを接続するエンド部422Bとを含む。
センター部421Bは、軸方向の中間部で分離する。センター部421Bは、センター部422Aに接続されるセンター上部421Baと、センター部422Bに接続されるセンター下部421Bbとを含む。
エンド部422の幅H1は、均一である。幅H1とは、エンド部422の軸方向の寸法をいう。
第2コイル片42Uは、曲折部424を有する。曲折部424は、センター部421Aの軸方向一方側の端部とエンド部422Aとの間に設けられる曲折部424Aと、センター部421Aの軸方向他方側の端部とエンド部422Bとの間に設けられる曲折部424Bと、エンド部422Bの周方向他方側の端部とセンター下部421Bbとの間に設けられる曲折部424Cとを有する。
曲折部424Aにより、センター部421Aは、エンド部422Aよりも径方向内側に配置される。曲折部424Bにより、エンド部422Bは、センター部421Aよりも径方向外側に配置される。曲折部424Cにより、センター下部421Bbは、エンド部422B、センター上部421Ba、及びエンド部422Aよりも径方向外側に配置される。
図18に示すように、第1コイル片41Uと第2コイル片42Uとが連結されることにより、U相コイル5Uが形成される。コイルエンド部52において、第1コイル片41Uのエンド部412と第2コイル片42Uのエンド部422の少なくとも一部とは、軸方向に配置される。コイルエンド部52において、第1コイル片41Uのエンド部412と第2コイル片42Uのコイルエンド部422とは、径方向及び周方向のそれぞれにおいて重複する。第1コイル片41Uのエンド部412の直下に第2コイル片42Uのエンド部422が配置される。
コイルエンド部52において、エンド部412とエンド部422とは、軸方向に配置された状態で、径方向に複数配置される。
コイルセンター部51において、第1コイル片41と第2コイル片42とは、径方向に交互に配置される。
第1コイル片41のセンター部411Aと第2コイル片42のセンター部421Aとは、径方向に交互に配置される。
第1コイル片41のセンター上部411Baと第2コイル片42のセンター上部421Baとは、径方向に交互に配置される。第1コイル片41のセンター下部411Bbと第2コイル片42のセンター下部421Bbとは、径方向に交互に配置される。
本実施形態において、第1コイル片41のセンター下部411Bbの端面と第2コイル片42のセンター上部421Baの端面とが接続され、第1コイル片41のセンター上部411Baの端面と第2コイル片42のセンター下部421Bbの端面とが接続される。これにより、U相コイル5Uは螺旋状に巻かれる。
U相コイル5Uと同様、V相コイル5Vは、第1コイル片41Vと、第1コイル片41Vに連結される第2コイル片42Vとを備えるV相コイル5Vの製造方法は、U相コイル5Uの製造方法と同様である。V相コイル5Vの製造方法の説明は省略する。
U相コイル5U及びV相コイル5Vのそれぞれが製造された後、螺旋状のU相コイル5Uの間に、V相コイル5Vの一部が配置される。図15に示すように、コイルエンド部52において、U相コイル5Uのエンド部を構成するエンド部412及びエンド部422と、V相コイル5Vのエンド部を構成するエンド部412及びエンド部422とは、径方向に交互に配置される。U相コイル5UとV相コイル5Vとが連結されることにより、U相コイル5UとV相コイル5Vとのコイルセット31が製造される。同様に、V相コイル5VとW相コイル5Wとのコイルセット32、及びW相コイル5WとU相コイル5Uとのコイルセット33が製造される。
以上により、ステータ2が製造される。
以上説明したように、本実施形態においても、第1コイル片41のエンド部412と第2コイル片42のエンド部422とが軸方向に配置される。これにより、コイルエンド部52の大きさを抑制することができる。
<変形例>
次に、本実施形態に係るコイルセット31の製造方法の変形例について説明する。図19、図20、及び図21のそれぞれは、U相コイル5Uの製造方法を説明するための図である。図19は、本実施形態の変形例に係る第1コイル片41Uを示す斜視図である。図20は、本実施形態の変形例に係る第2コイル片42Uを示す斜視図である。図21は、本実施形態の変形例に係るU相コイル5Uを示す斜視図である。
図19に示すように、第1コイル片41Uは、センター部411と、エンド部412とを有する。センター部411は、センター部411Aと、センター部411Aよりも周方向他方側の端部に配置されるセンター部411Bとを含む。エンド部412は、センター部411Aの軸方向一方側の端部とセンター部411Bの軸方向一方側の端部とを接続するエンド部412Aと、センター部411Aの軸方向他方側の端部とセンター部411Bの軸方向他方側の端部とを接続するエンド部412Bとを含む。
センター部411Bは、軸方向の中間部で分離する。センター部411Bは、センター部412Aに接続されるセンター上部411Baと、センター部412Bに接続されるセンター下部411Bbとを含む。
第1コイル片41Uの曲折部414は、センター部411Aの軸方向一方側の端部とエンド部412Aとの間に設けられる曲折部414Aと、センター部411Aの軸方向他方側の端部とエンド部412Bとの間に設けられる曲折部414Bと、エンド部412Aの周方向他方側の端部とセンター上部411Baとの間に設けられる曲折部414Cとを有する。
曲折部414Aにより、センター部411Aは、エンド部412Aよりも径方向内側に配置される。曲折部414Bにより、エンド部412Bは、センター部411Aよりも径方向外側に配置される。曲折部414Cにより、センター上部411Baは、エンド部412A、センター下部411Bb、及びエンド部412Bよりも径方向内側に配置される。
図21に示すように、第2コイル片42Uは、第1コイル片41Uと同等の形状である。第2コイル片42Uは、第1コイル片41Uを径方向に反転させたものである。
第2コイル片42Uは、センター部421と、エンド部422とを有する。センター部421は、センター部421Aと、センター部421Aよりも周方向他方側の端部に配置されるセンター部421Bとを含む。エンド部422は、センター部421Aの軸方向一方側の端部とセンター部421Bの軸方向一方側の端部とを接続するエンド部422Aと、センター部421Aの軸方向他方側の端部とセンター部421Bの軸方向他方側の端部とを接続するエンド部422Bとを含む。
センター部421Bは、軸方向の中間部で分離する。センター部421Bは、センター部422Aに接続されるセンター上部421Baと、センター部422Bに接続されるセンター下部421Bbとを含む。
第2コイル片42Uの曲折部424は、センター部421Aの軸方向一方側の端部とエンド部422Aとの間に設けられる曲折部424Aと、センター部421Aの軸方向他方側の端部とエンド部422Bとの間に設けられる曲折部424Bと、エンド部422Bの周方向他方側の端部とセンター下部421Bbとの間に設けられる曲折部424Cとを有する。
曲折部424Aにより、センター部421Aは、エンド部422Aよりも径方向外側に配置される。曲折部424Bにより、エンド部422Bは、センター部421Aよりも径方向内側に配置される。曲折部424Cにより、センター下部421Bbは、エンド部422B、センター上部421Ba、及びエンド部422Aよりも径方向外側に配置される。
図21に示すように、第1コイル片41Uと第2コイル片42Uとが連結されることにより、U相コイル5Uが形成される。コイルエンド部52において、第1コイル片41Uのエンド部412と第2コイル片42Uのエンド部422の少なくとも一部とは、軸方向に配置される。コイルエンド部52において、第1コイル片41Uのエンド部412と第2コイル片42Uのコイルエンド部422とは、径方向及び周方向のそれぞれにおいて重複する。第1コイル片41Uのエンド部412の直下に第2コイル片42Uのエンド部422が配置される。
コイルエンド部52において、エンド部412とエンド部422とは、軸方向に配置された状態で、径方向に複数配置される。
コイルセンター部51において、第1コイル片41と第2コイル片42とは、径方向に交互に配置される。
第1コイル片41のセンター部411Aと第2コイル片42のセンター部421Aとは、径方向に交互に配置される。
第1コイル片41のセンター上部411Baと第2コイル片42のセンター上部421Baとは、径方向に交互に配置される。第1コイル片41のセンター下部411Bbと第2コイル片42のセンター下部421Bbとは、径方向に交互に配置される。
本実施形態において、第1コイル片41のセンター下部411Bbの端面と第2コイル片42のセンター上部421Baの端面とが接続され、第1コイル片41のセンター上部411Baの端面と第2コイル片42のセンター下部421Bbの端面とが接続される。これにより、U相コイル5Uは螺旋状に巻かれる。
U相コイル5Uと同様、V相コイル5Vは、第1コイル片41Vと、第1コイル片41Vに連結される第2コイル片42Vとを備えるV相コイル5Vの製造方法は、U相コイル5Uの製造方法と同様である。V相コイル5Vの製造方法の説明は省略する。
[その他の実施形態]
図22は、本実施形態に係るスロット9を模式的に示す図である。図22に示すように、回転軸AXと直交する断面において、第1スロット91の内面91Aと第2スロット92の内面92Aと第3スロット93の内面93Aと第4スロット94の内面94Aとは平行に近い形状である。スロット9の内面とは、軸方向及び径方向のそれぞれに延伸し、コイル5の開口11の内周面と対向する面をいう。
上述のように、例えばスロット9にコイルセット31を挿入する場合、第1スロット91は、U相コイル5Uの他方のコイルセンター部51が配置され、第2スロット92には、V相コイル5Vの他方のコイルセンター部51が配置され、第3スロット93には、U相コイル5Uの一方のコイルセンター部51が配置され、第4スロットには、V相コイル5Vの一方のコイルセンター部51が配置される。第1スロット91の内面91Aと第2スロット92の内面92Aと第3スロット93の内面93Aと第4スロット94の内面94Aとが平行に近い形状のため、コイルセット31はスロット9に円滑に挿入される。
なお、上述の実施形態においては、モータ1がセグメント型スイッチトリラクタンスモータであることとした。モータ1は極歯が設けられたスイッチトリラクタンスモータ(Switched Reluctance Motor)でもよいし、シンクロナスリラクタンスモータ(Synchronous Reluctance Motor)でもよいし、フラックススイッチングモータ(Flux Switching Motor)でもよいし、永久磁石モータモータ(Permanent Magnet Motor)でもよいし、誘導モータ(Induction Motor)でもよいし、アキシャルギャップモータでもよいし、リニアアクチュエータでもよい。
上述の実施形態においては、モータ1は3相モータであることとした。モータ1は4相モータでもよい。その場合は、前記ロータの極数をP、前記ステータコアのスロット数をS、自然数をNとしたとき、
P=5×N、
S=8×N、
の条件を満足する。