JP2021058018A - モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルエンド部の軸方向の高さを抑制でき、トルク密度を向上可能なモータを提供すること。【解決手段】モータのコイルは、第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とを含むセグメントセット55とを含む。第1セグメント導体501は、第1スロット91,92では、第1コイル本体部511が、第2セグメント導体502の第1コイル本体部512より径方向内側であり、第2スロット93,94では、第2コイル本体部521が、第2セグメント導体502の第2コイル本体部522より径方向外側であり、第2セグメント導体502は、第1スロット91,92では、第1コイル本体部512が、第1セグメント導体501の第1コイル本体部511より径方向外側であり、第2スロット93,94では、第2コイル本体部522が、第1セグメント導体501の第2コイル本体部521より径方向内側である。【選択図】図6
Description
本開示は、モータに関する。
ステータコアとコイルとを含むステータと、ロータとを備えたモータについて、コイルエンド長を低減する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、インナーコイルは、コイルエンドがステータコアの端面から端面に垂直な軸線方向に延設される。アウターコイルは、コイルエンドがステータコアの端面から軸線方向に直交し、かつ、インナーコイルのコイルエンドを避ける方向に延設される。
例えば、2スロットピッチの全節巻でコイルをステータのスロットに配置する際に、異なる相のコイルのコイルエンド部が軸方向に重なる部分が生じる。これにより、コイルエンド部の軸方向の高さが高くなり、トルク密度が低下するおそれがある。
本開示は、コイルエンド部の軸方向の高さを抑制でき、トルク密度を向上可能なモータを提供することを目的とする。
本開示に従えば、ステータコアと、前記ステータコアの周方向に配置された複数のスロットと、前記スロットに2スロットピッチで配置されるコイルと、前記ステータコアに対向するロータと、を備え、前記スロットは、第1スロットと、第2スロットと、を含み、前記コイルは、セグメント導体である第1セグメント導体と第2セグメント導体とを含むセグメントセット、を有し、前記セグメント導体は、前記第1スロットに収容される第1コイル本体部と、第2スロットに収容される第2コイル本体部と、前記第1コイル本体部と前記第2コイル本体部とを接続するコイルエンド部と、を有し、前記セグメントセットにおいて、前記第1セグメント導体は、前記第1スロットにおいて、前記第1コイル本体部が、前記第2セグメント導体の前記第1コイル本体部より径方向内側に位置し、前記第2スロットにおいて、前記第2コイル本体部が、前記第2セグメント導体の前記第2コイル本体部より径方向外側に位置し、前記第2セグメント導体は、前記第1スロットにおいて、前記第1コイル本体部が、前記第1セグメント導体の前記第1コイル本体部より径方向外側に位置し、前記第2スロットにおいて、前記第2コイル本体部が、前記第1セグメント導体の前記第2コイル本体部より径方向内側に位置する、モータが提供される。
本開示によれば、コイルエンド部の軸方向の高さを抑制でき、トルク密度を向上可能なモータが提供される。
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
[実施形態]
<モータ>
図1は、本実施形態に係るモータ1を模式的に示す図である。本実施形態において、モータ1は、3相のセグメント型スイッチトリラクタンスモータである。モータ1は、円筒形状のステータ2と、ステータ2の内側に配置されたロータ3とを備える。ステータ2は、円筒形状のステータコア4と、ステータコア4に支持されるコイル5とを有する。ステータ2の内周面とロータ3の外周面とは間隔を空けて対向する。ロータ3は、ステータコア4に対向する。ロータ3は、回転軸AXを中心に回転する。ロータ3の回転軸AXとステータ2の中心軸とは同一である。ロータ3は、シャフト8を介して対象物Eに接続される。対象物Eは、例えば、建設機械の一種であるハイブリッドショベルに搭載されるエンジンである。モータ1は、エンジンによって駆動される発電機として機能する。
<モータ>
図1は、本実施形態に係るモータ1を模式的に示す図である。本実施形態において、モータ1は、3相のセグメント型スイッチトリラクタンスモータである。モータ1は、円筒形状のステータ2と、ステータ2の内側に配置されたロータ3とを備える。ステータ2は、円筒形状のステータコア4と、ステータコア4に支持されるコイル5とを有する。ステータ2の内周面とロータ3の外周面とは間隔を空けて対向する。ロータ3は、ステータコア4に対向する。ロータ3は、回転軸AXを中心に回転する。ロータ3の回転軸AXとステータ2の中心軸とは同一である。ロータ3は、シャフト8を介して対象物Eに接続される。対象物Eは、例えば、建設機械の一種であるハイブリッドショベルに搭載されるエンジンである。モータ1は、エンジンによって駆動される発電機として機能する。
以下の説明において、回転軸AXと平行な方向を軸方向という。軸方向における一方側を軸方向一方側といい、軸方向一方側の反対側を軸方向他方側という。また、回転軸AXの周囲を周回する方向を周方向という。周方向おける回転方向の一方側を周方向一方側といい、周方向一方側の反対側を周方向他方側という。さらに、回転軸AXの放射方向を径方向という。径方向において中心軸AXから離れる方向側を径方向外側といい、径方向外側の反対側を径方向内側という。
図2は、本実施形態に係るステータコア4を示す斜視図である。図2は、半分に分割されたステータコア4を示す。ステータコア4は、内周面4pと、外周面4qと、第1端面4rと、第2端面4sとを有する。内周面4pは、径方向内側に面する。内周面4pは、ロータ3と対向可能である。外周面4qは、径方向外側に面する。第1端面4rは、軸方向一方側に面する。第1端面4rは、内周面4pの軸方向一方側の端部と外周面4qの軸方向一方側の端部とを接続する。第2端面4sは、軸方向他方側に面する。第2端面4sは、内周面4pの軸方向他方側の端部と外周面4qの軸方向他方側の端部とを接続する。
図3は、本実施形態に係るステータ2及びロータ3を模式的に示す図である。図3は、半分に分割されたステータ2及びロータ3を示す。ロータ3は、ステータコア4と対向可能に配置される。ロータ3は、ロータホルダ6と、ロータホルダ6に保持されるロータコアピース7とを有する。ロータホルダ6は、非磁性体で形成される。ロータコアピース7は、磁性体で形成される。
複数のロータコアピース7は、ロータ3の周方向に等間隔で配置される。本実施形態では、ロータ3には、周方向に14個のロータコアピース7が配置され、図3には、そのうちの半周分のロータコアピース7が示されている。ロータコアピース7の形状及び寸法は同一である。本実施形態では、ロータコアピース7は、盃形状に形成されている。ロータコアピース7は、ロータ3の極として機能する。ロータ3の極数は、ロータコアピース7の数である。本実施形態では、ロータ3の極数は、14極である。
本実施形態では、ロータ3の極数は、7の自然数倍を取り得る。かつ、スロット9の数であるステータコア4のスロット数は、12の自然数倍を取り得る。例えば、モータ1は、図示した、14極24スロットのモータの他に、7極12スロットのモータ、及び21極36スロットのモータであってもよい。
ステータコア4は、コイル5を収容するスロット9を有する。スロット9は、内周面4pから径方向外側に凹んだ凹部である。スロット9は、ステータコア4の内周面4pにおいて周方向に複数配置される。本実施形態では、ステータコア4には、周方向に24個のスロット9が配置され、図2には、そのうちの半周分のスロット9が示されている。本実施形態では、ステータ2のスロット数は、24スロットである。スロット9は、軸方向に延在する。スロット9は、内周面4pに配置され、径方向内側を向く開口部9pと、第1端面4rに配置され、軸方向一方側を向く開口部9rと、第2端面4sに配置され、軸方向他方側を向く開口部9sとを有する。
本実施形態では、スロット9は、第1スロット91と、第1スロット91の周方向一方側の隣に配置される第1スロット92と、第1スロット92の周方向一方側の隣に配置される第2スロット93と、第2スロット93の周方向一方側の隣に配置される第2スロット94とを含む。第2スロット94の周方向一方側の隣には、第1スロット91が配置される。このように、周方向において、第1スロット91と第1スロット92と第2スロット93と第2スロット94とが繰り返し配置される。本実施形態では、各スロット9に収容可能なセグメント導体50の最大数は、6本とする。
ステータコア4は、周方向において隣接するスロット9の間に配置された、複数のティース10を有する。本実施形態では、ステータコア4には、周方向に24個のティース10が配置され、図2には、そのうちの半周分のティース10が示されている。ティース10は、コイル5を支持する。
図4は、本実施形態に係るスロット9、ティース10及びコイル5の一部を模式的に示す斜視図であり、第2コイルエンド部54を接続した状態を示す図である。図4は、ステータコア4を径方向内側の斜め上方から見た図である。図4では、ステータコア4を円筒形状ではなく模式的に平面状にして図示している。ティース10は、コイル5の開口5tに挿入される。ティース10は、軸方向一方側を向く第1端面10rと、軸方向他方側を向く第2端面10sとを有する。第1端面10rは、ステータコア4の第1端面4rの一部を構成する。第2端面10sは、ステータコア4の第2端面4sの一部を構成する。ティース10は、第1ティース101と、第2ティース102と、第3ティース103とを含む。
第1ティース101は、2つの相のコイル5が重なって配置されるティース10である。第1ティース101は、2つの相のコイル5の開口5tの内側に配置されるティース10である。第1ティース101は、第1端面10r及び第2端面10sが2つの相のコイル5に対向するティース10である。
第2ティース102は、1つの相のコイル5の開口5tの内側に配置されるティース10である。第2ティース102は、第1端面10r及び第2端面10sが1つの相のコイル5に対向するティース10である。
第3ティース103は、いずれの相のコイル5の開口5tの内側に配置されないティース10である。第3ティース103は、第1端面10r及び第2端面10sがコイル5に対向しないティース10である。
<コイル>
図5は、本実施形態に係るコイル5を模式的に示す分解斜視図である。図6は、本実施形態に係るスロット9、ティース10及びコイル5の一部を模式的に示す平面図である。図8は、本実施形態に係るスロット9、ティース10及びコイル5の一部を模式的に示す斜視図であり、第2コイルエンド部54を接続する前の状態を示す図である。図6では、ステータコア4を円筒形状ではなく模式的に平面状にして図示している。各図において、コイル5の形状を模式的に示している。コイル5は、例えば、松葉形状又はU字形状であ
る。
図5は、本実施形態に係るコイル5を模式的に示す分解斜視図である。図6は、本実施形態に係るスロット9、ティース10及びコイル5の一部を模式的に示す平面図である。図8は、本実施形態に係るスロット9、ティース10及びコイル5の一部を模式的に示す斜視図であり、第2コイルエンド部54を接続する前の状態を示す図である。図6では、ステータコア4を円筒形状ではなく模式的に平面状にして図示している。各図において、コイル5の形状を模式的に示している。コイル5は、例えば、松葉形状又はU字形状であ
る。
コイル5は、例えば、平角線、丸線、又は、板状のセグメント導体等の線状又は帯状の導体により構成される。
コイル5は、スロット9に2スロットピッチの全節巻で配置される。コイル5は、一部がスロット9に収容されて、ティース10によって支持される。コイル5は、開口5tを有する。コイル5の開口5tに、ティース10が挿入される。本実施形態では、コイル5は、2つのセグメント導体50を組み合わせたセグメントセット55が、径方向に積み重ねられて形成されている。
本実施形態では、2つのセグメント導体50である第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とを組み合わせて、セグメントセット551が形成される。本実施形態では、セグメントセット551とセグメントセット552とを径方向に積み重ねて接続することによってコイル5が形成される。複数のセグメント導体50及び、複数のセグメントセット55の区別を要しない場合、セグメント導体50、セグメントセット55と記載する。
セグメント導体50は、スロット9に収容される第1コイル本体部51及び第2コイル本体部52と、第1コイル本体部51と第2コイル本体部52とを接続する第1コイルエンド部53と、接続対象の他のセグメントセット55のセグメント導体50と接続する第2コイルエンド部54とを有する。第1コイル本体部51及び第2コイル本体部52は、直線形状である。第1コイル本体部51は、第1スロット91又は第1スロット92に収容される。第2コイル本体部52は、第2スロット93又は第2スロット94に収容される。第1コイルエンド部53及び第2コイルエンド部54は、ステータコア4から軸方向に突出する。本実施形態では、第2コイルエンド部54は、接続対象のセグメントセット55のセグメント導体50の第1コイル本体部51の先端側と、接続対象の他のセグメントセット55のセグメント導体50の第2コイル本体部52の先端側とを、互いに近づく方向に曲げて接続して形成される。接続対象のセグメントセット55のセグメント導体50の第1コイル本体部51の先端側と、接続対象の他のセグメントセット55のセグメント導体50の第2コイル本体部52の先端側とが互いに近づく方向とは、実質的に周方向である。接続とは、溶接でも圧接など他の方法でもよく、限定されない。
コイル5は、U相コイル(第1相コイル)5Uと、V相コイル(第2相コイル)5Vと、W相コイル(第3相コイル)5Wとを含む。U相コイル5UとV相コイル5VとW相コイル5Wとのうち、異なる2つの相のコイル5の一部を、径方向に重ねて、コイルセット31、コイルセット32、及びコイルセット33が形成される。
V相のセグメントセット551では、第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とが、軸方向において逆向きに配置される。本実施形態では、第1セグメント導体501は、軸方向一方側に向かって開口し、第2セグメント導体502は、軸方向他方側にむかって開口する。第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とは、軸方向視において、第1コイルエンド部531と第1コイルエンド部532とが交差して配置される。より詳しくは、図6に示すように、第1スロット92には、第1セグメント導体501の第1コイル本体部511と、第2セグメント導体502の第1コイル本体部512とが収容されている。第2スロット94には、第1セグメント導体501の第2コイル本体部521と、第2セグメント導体502の第2コイル本体部522とが収容されている。第1セグメント導体501は、第1スロット92において、第1コイル本体部511が、第2セグメント導体502の第1コイル本体部512より径方向内側に位置し、第2スロット94において、第2コイル本体部521が、第2セグメント導体502の第2コイル本体部522より径方向外側に位置する。第2セグメント導体502は、第1スロット92において、第1コイル本体部512が、第1セグメント導体501の第1コイル本体部511より径方向外側に位置し、第2スロット94において、第2コイル本体部522が、第1セグメント導体501の第2コイル本体部521より径方向内側に位置する。コイル5の第2コイルエンド部54は、軸方向において、第1コイルエンド部53と反対側に形成される。
V相のセグメントセット552は、V相のセグメントセット551と同様に構成される。V相のセグメントセット552は、V相のセグメントセット551の径方向外側に配置される。V相のセグメントセット551の第1セグメント導体501の第2コイル本体部521の先端側と、V相のセグメントセット552の第1セグメント導体501の第1コイル本体部511の先端側とを、互いに近づく方向に曲げて接続して、第2コイルエンド部54が形成される。V相のセグメントセット551の第2セグメント導体502の第1コイル本体部512の先端側と、V相のセグメントセット552の第2セグメント導体502の第2コイル本体部522の先端側とを、互いに近づく方向に曲げて接続して、第2コイルエンド部54が形成される。このように、V相のセグメントセット551とV相のセグメントセット552とによって、V相コイル5Vが形成される。
U相のセグメントセット551は、V相のセグメントセット551と同様に構成される。第1セグメント導体501は、第1スロット91において、第1コイル本体部511が、第2セグメント導体502の第1コイル本体部512より径方向内側に位置し、第2スロット93において、第2コイル本体部521が、第2セグメント導体502の第2コイル本体部522より径方向外側に位置する。第2セグメント導体502は、第1スロット91において、第1コイル本体部512が、第1セグメント導体501の第1コイル本体部511より径方向外側に位置し、第2スロット93において、第2コイル本体部522が、第1セグメント導体501の第2コイル本体部521より径方向内側に位置する。
U相のセグメントセット552は、U相のセグメントセット551と同様に構成される。U相のセグメントセット552は、U相のセグメントセット551の径方向外側に配置される。U相のセグメントセット551とU相のセグメントセット552とによって、U相コイル5Uが形成される。
図示しないW相のセグメントセット551は、V相のセグメントセット551と同様に構成される。W相のセグメントセット552は、W相のセグメントセット551と同様に構成される。W相のセグメントセット552は、W相のセグメントセット551の径方向外側に配置される。W相のセグメントセット551とW相のセグメントセット552とによって、W相コイル5Wが形成される。
U相コイル5Uの導体の間に、V相コイル5Vの導体の一部が配置される。より詳しくは、U相のセグメントセット551とU相のセグメントセット552との間に、V相のセグメントセット552の第1コイル本体部51が配置される。V相のセグメントセット551とV相のセグメントセット552との間に、U相のセグメントセット551の第2コイル本体部52が配置される。U相コイル5Uの導体とV相コイル5Vの導体とは径方向に交互に配置される。より詳しくは、V相のセグメントセット551とU相のセグメントセット551とV相のセグメントセット552とU相のセグメントセット552とが、径方向内側から順番に配置される。U相コイル5Uの第1コイルエンド部53とV相コイル5Vの第1コイルエンド部53とは径方向に重ねられて配置される。さらに、軸方向一方側において、V相のセグメントセット551の第1セグメント導体501と、V相のセグメントセット552の第1セグメント導体501とが、第2コイルエンド部54によって接続される。軸方向他方側において、V相のセグメントセット551の第2セグメント導体502と、V相のセグメントセット552の第2セグメント導体502とが、第2コイルエンド部54によって接続される。また、軸方向一方側において、U相のセグメントセット551の第1セグメント導体501と、U相のセグメントセット552の第1セグメント導体501とが、第2コイルエンド部54によって接続される。軸方向他方側において、U相のセグメントセット551の第2セグメント導体502と、U相のセグメントセット552の第2セグメント導体502とが、第2コイルエンド部54によって接続される。軸方向一方側及び軸方向他方側のそれぞれにおいて、U相コイル5U及びV相コイル5Vの第1コイルエンド部53は平行である。軸方向一方側及び軸方向他方側のそれぞれにおいて、U相コイル5U及びV相コイル5Vの第2コイルエンド部54は平行である。このようなU相コイル5UとV相コイル5Vとによって、コイルセット31が形成される。
コイルセット31と同様に、V相コイル5Vの導体の間にW相コイル5Wの導体の一部が配置され、V相コイル5VとW相コイル5Wとが重ねられる。このようなV相コイル5VとW相コイル5Wとによって、コイルセット32が形成される。
コイルセット31と同様に、W相コイル5Wの導体の間にU相コイル5Uの導体の一部が配置され、W相コイル5WとU相コイル5Uとが重ねられる。このようなW相コイル5WとU相コイル5Uとによって、コイルセット33が形成される。
コイルセット31、コイルセット32、及びコイルセット33は、ステータコア4にそれぞれ支持される。
U相コイル5Uの第1コイル本体部51は、第1スロット91に配置される。U相コイル5Uの第2コイル本体部52は、第2スロット93に配置される。V相コイル5Vの第1コイル本体部51は、第1スロット92に配置される。V相コイル5Vの第2コイル本体部52は、第2スロット94に配置される。
コイルセット32のV相コイル5V及びW相コイル5Wと複数のスロット9との関係、及びコイルセット33のW相コイル5W及びU相コイル5Uと複数のスロット9との関係は、コイルセット31のU相コイル5U及びV相コイル5Vと複数のスロット9との関係と同様である。
コイルセット31のU相コイル5Uの開口5t及びV相コイル5Vの開口5tに、第2ティース102がそれぞれ配置される。コイルセット31のU相コイル5Uの開口5t及びV相コイル5Vの開口5tの両方に第1ティース101が配置される。第3ティース103には、コイルセット31のU相コイル5Uの開口5t及びV相コイル5Vの開口5tのどちらも配置されない。
第1ティース101、第2ティース102及び第3ティース103と、コイルセット32のV相コイル5V及びW相コイル5W、及び、コイルセット33のW相コイル5W及びU相コイル5Uとの関係は、コイルセット31のU相コイル5U及びV相コイル5Vと第1ティース101、第2ティース102及び第3ティース103との関係と同様である。
図7は、本実施形態に係るスロット9に収容されたコイル5を説明する概略図である。図7では、ステータコア4を円筒形状ではなく模式的に平面状にして図示している。図6、図7に示すように、第1スロット91には、U相コイル5Uの4本のセグメント導体50が収容されている。第1スロット92には、V相コイル5Vの4本のセグメント導体50が収容されている。第2スロット93には、U相コイル5Uの4本のセグメント導体50が収容されている。第2スロット94には、V相コイル5Vの4本のセグメント導体50が収容されている。
<コイルの巻付け方法>
コイル5のステータコア4への巻付け方法の一例を説明する。まず、図5に示すように、第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とを、第1コイルエンド部531と第1コイルエンド部532とを交差させて組み合わせて、セグメントセット55を形成する。
コイル5のステータコア4への巻付け方法の一例を説明する。まず、図5に示すように、第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とを、第1コイルエンド部531と第1コイルエンド部532とを交差させて組み合わせて、セグメントセット55を形成する。
U相のセグメントセット552の第1コイル本体部51を第1スロット91に収容し、第2コイル本体部52を第2スロット93に収容し、U相のセグメントセット552をステータコア4に配置する。そして、U相のセグメントセット552の径方向内側に、V相のセグメントセット552の第1コイル本体部51を第1スロット92に収容し、第2コイル本体部52を第2スロット94に収容し、V相のセグメントセット552をステータコア4に配置する。そして、V相のセグメントセット552の径方向内側に、U相のセグメントセット551の第1コイル本体部51を第1スロット91に収容し、第2コイル本体部52を第2スロット93に収容し、U相のセグメントセット551をステータコア4に配置する。そして、U相のセグメントセット551の径方向内側に、V相のセグメントセット551の第1コイル本体部51を第1スロット92に収容し、第2コイル本体部52を第2スロット94に収容し、V相のセグメントセット551をステータコア4に配置する。このようにして、図8に示すように、U相コイル5U及びV相コイル5Vがステータコア4に配置される。図8は、U相コイル5U及びV相コイル5Vのそれぞれにおいて、第2コイルエンド部54が形成されていない状態である。
図8は、本実施形態に係るティース10、スロット9及びコイル5の一部の一例を模式的に示す斜視図である。図8では、コイル5の形状を模式的に示している。図8は、ステータコア4を径方向内側から見た図である。図8では、ステータコア4を円筒形状ではなく模式的に平面状にして図示している。図8に示すようにU相コイル5U及びV相コイル5Vをステータコア4に配置した後、軸方向一方側において、また、軸方向一方側において、U相のセグメントセット551の第1セグメント導体501の第2コイル本体部521の先端側と、U相のセグメントセット552の第1セグメント導体501の第1コイル本体部511の先端側とを、互いに近づく方向に曲げて接続して、第2コイルエンド部54を形成する。軸方向他方側において、U相のセグメントセット551の第2セグメント導体502の第1コイル本体部512の先端側と、U相のセグメントセット552の第2セグメント導体502の第2コイル本体部522の先端側とを、互いに近づく方向に曲げて接続して、第2コイルエンド部54を形成する。同様にして、V相のセグメントセット551と、V相のセグメントセット552とを接続する。コイルエンド部53の接続方法は、一例であり、これに限定されない。
<効果>
以上説明したように、本実施形態では、第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とを、軸方向視において、第1コイルエンド部531と第1コイルエンド部532とを交差させて組み合わせて、セグメントセット55を形成する。本実施形態では、U相のセグメントセット551とU相のセグメントセット552との間に、V相のセグメントセット552の第1コイル本体部51が配置される。V相のセグメントセット551とV相のセグメントセット552との間に、U相のセグメントセット551の第2コイル本体部52が配置される。本実施形態では、U相コイル5Uの導体とV相コイル5Vの導体とは径方向に交互に配置される。本実施形態によれば、スロット9には、最大で4本のセグメント導体50を収容することができる。
以上説明したように、本実施形態では、第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とを、軸方向視において、第1コイルエンド部531と第1コイルエンド部532とを交差させて組み合わせて、セグメントセット55を形成する。本実施形態では、U相のセグメントセット551とU相のセグメントセット552との間に、V相のセグメントセット552の第1コイル本体部51が配置される。V相のセグメントセット551とV相のセグメントセット552との間に、U相のセグメントセット551の第2コイル本体部52が配置される。本実施形態では、U相コイル5Uの導体とV相コイル5Vの導体とは径方向に交互に配置される。本実施形態によれば、スロット9には、最大で4本のセグメント導体50を収容することができる。
本実施形態では、セグメントセット55の第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とが、軸方向において逆向きに配置される。また、本実施形態では、第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とを、第1コイルエンド部531と第1コイルエンド部532とを交差させて組み合わせて、セグメントセット55を形成する。これにより、本実施形態によれば、軸方向において、第1セグメント導体501の第1コイルエンド部53及び第2コイルエンド部54と、第2セグメント導体502の第1コイルエンド部53及び第2コイルエンド部54とが、干渉することを抑制することができる。本実施形態によれば、コイル5の第1コイルエンド部53及び第2コイルエンド部54の高さが高くなることを抑制することができる。本実施形態によれば、モータ1の大型化を抑制することができる。
図11は、従来のステータ2の一部を示す斜視図である。図12は、従来のスロット9、ティース10及びコイル5の一部を模式的に示す斜視図である。図13は、従来のスロット9に収容されたコイル5を説明する概略図である。従来のステータ2は、スロット9に複数の相のコイル5を配置する際に、径方向にずらして配置する。このようにコイル5を配置した場合、第1スロット91及び第2スロット94には、収容可能なセグメント導体50の最大数6本に対して、3本しか収容することができない。
本実施形態では、スロット9に収容されるセグメント導体50が4本であるので、従来の3本に比べて、多くのセグメント導体50を収容することができる。本実施形態では、図11ないし図13に示す従来のモータに比べて、スロット9に収容する導体数を増加することができる。
このように、本実施形態によれば、第1コイルエンド部53及び第2コイルエンド部54の軸方向の高さを抑制でき、トルク密度を向上することができる。
<その他の実施形態>
図9は、コイル5の変形例を模式的に示す分解斜視図である。図10は、スロット9、ティース10及びコイル5の変形例を模式的に示す平面図である。セグメントセット55の第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とが、軸方向において同じ向きに配置されてもよい。図9、図10では、第1セグメント導体501及び第2セグメント導体502は、軸方向他方側が開口する。この場合も、第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とは、軸方向視において、第1コイルエンド部531と第1コイルエンド部532とが交差して配置される。
図9は、コイル5の変形例を模式的に示す分解斜視図である。図10は、スロット9、ティース10及びコイル5の変形例を模式的に示す平面図である。セグメントセット55の第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とが、軸方向において同じ向きに配置されてもよい。図9、図10では、第1セグメント導体501及び第2セグメント導体502は、軸方向他方側が開口する。この場合も、第1セグメント導体501と第2セグメント導体502とは、軸方向視において、第1コイルエンド部531と第1コイルエンド部532とが交差して配置される。
上述の実施形態において、ロータ3がステータコア4の内側(内周側)に配置され、モータ1がインナロータ側モータであることとした。ロータ3はステータコア4に対向する位置に配置されていればよい。モータ1は、ロータ3がステータコア4の外周側に配置されるアウタロータ型モータでもよいし、ロータ3がステータコア4の内周側及び外周側の両方に配置されるデュアルロータ型モータでもよいし、ロータ3がステータコア4の軸方向側に配置されるアキシャルギャップ型モータでもよい。
なお、上述の実施形態においては、モータ1がセグメント型スイッチトリラクタンスモータであることとした。モータ1は極歯が設けられたスイッチトリラクタンスモータ(Switched Reluctance Motor)でもよいし、シンクロナスリラクタンスモータ(Synchronous Reluctance Motor)でもよいし、フラックススイッチングモータ(Flux Switching Motor)でもよいし、永久磁石モータ(Permanent Magnet Motor)でもよいし、誘導モータ(Induction Motor)でもよいし、アキシャルギャップモータでもよいし、リニアアクチュエータでもよい。
1…モータ、2…ステータ、3…ロータ、4…ステータコア、4r…第1端面、4s…第2端面、4p…内周面、4q…外周面、5…コイル、5U…U相コイル(第1相コイル)、5V…V相コイル(第2相コイル)、5W…W相コイル(第3相コイル)、6…ロータホルダ、7…ロータコアピース、8…シャフト、9…スロット、9r…開口部、9s…開口部、9p…開口部、10…ティース、10r…第1端面、10s…第2端面、31…コイルセット、32…コイルセット、33…コイルセット、5t…開口、50…セグメント導体、51…第1コイル本体部、52…第2コイル本体部、53…第1コイルエンド部、54…第2コイルエンド部、55…セグメントセット、91…第1スロット、92…第1スロット、93…第2スロット、94…第2スロット、101…第1ティース、102…第2ティース、103…第3ティース、AX…回転軸、E…対象物。
Claims (5)
- ステータコアと、
前記ステータコアの周方向に配置された複数のスロットと、
前記スロットに2スロットピッチで配置されるコイルと、
前記ステータコアに対向するロータと、
を備え、
前記スロットは、第1スロットと、第2スロットと、を含み、
前記コイルは、セグメント導体である第1セグメント導体と第2セグメント導体とを含むセグメントセット、を有し、
前記セグメント導体は、前記第1スロットに収容される第1コイル本体部と、第2スロットに収容される第2コイル本体部と、前記第1コイル本体部と前記第2コイル本体部とを接続するコイルエンド部と、を有し、
前記セグメントセットにおいて、前記第1セグメント導体は、前記第1スロットにおいて、前記第1コイル本体部が、前記第2セグメント導体の前記第1コイル本体部より径方向内側に位置し、前記第2スロットにおいて、前記第2コイル本体部が、前記第2セグメント導体の前記第2コイル本体部より径方向外側に位置し、前記第2セグメント導体は、前記第1スロットにおいて、前記第1コイル本体部が、前記第1セグメント導体の前記第1コイル本体部より径方向外側に位置し、前記第2スロットにおいて、前記第2コイル本体部が、前記第1セグメント導体の前記第2コイル本体部より径方向内側に位置する、
モータ。 - ステータコアと、
前記ステータコアの周方向に配置された複数のスロットと、
前記スロットに2スロットピッチで配置されるコイルと、
前記ステータコアに対向するロータと、
を備え、
前記スロットは、第1スロットと、第2スロットと、を含み、
前記コイルは、セグメント導体である第1セグメント導体と第2セグメント導体とを含むセグメントセット、を有し、
前記セグメント導体は、前記第1スロットに収容される第1コイル本体部と、第2スロットに収容される第2コイル本体部と、前記第1コイル本体部と前記第2コイル本体部とを接続するコイルエンド部と、を有し、
前記第1セグメント導体の前記コイルエンド部と、前記第2セグメント導体の前記コイルエンド部とは、軸方向において交差して配置される、
モータ。 - 前記コイルは、第1相コイルと、第2相コイルと、第3相コイルと、を含み、
前記第1相コイルと前記第2相コイルと前記第3相コイルとのうち、異なる2つの相のコイルの一部を、前記ステータコアの径方向に重ねてコイルセットが形成され、
前記ステータコアは、前記コイルセットを支持する、
請求項1または2に記載のモータ。 - 前記セグメントセットにおいて、前記第1セグメント導体と前記第2セグメント導体とは、軸方向において逆向きに配置される、
請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ。 - 前記セグメントセットにおいて、前記第1セグメント導体と前記第2セグメント導体とは、軸方向において同じ向きに配置される、
請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ。
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JP2019180691A JP2021058018A (ja) | 2019-09-30 | 2019-09-30 | モータ |
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JP2023079746A (ja) * | 2021-11-29 | 2023-06-08 | 国立大学法人大阪大学 | モータ装置 |
-
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