JP7358008B2 - 車両後部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両後方にスロープ装置を備える車両後部構造に関する。
車椅子に座っている乗員を乗降する際等に利用されるスロープ装置を備える車両がある(例、特許文献1)。このスロープ装置は、代表的には、車両後方に設けられており、バックドアが開かれた状態で車両後方の開口部から車外に展開されて、上記開口部と地面との間に架け渡される。
特許文献1は、回動式のスロープ装置を開示する。スロープ装置とバックドアのロア部(装飾パネル)とは、主ヒンジ機構によって一体に回動される下開き構造である。このスロープ装置は、車室に収納された状態において、起立状態と、車室の内側に倒れた状態とに回動可能に設けられている。上記起立状態を維持する部分ロック機構は、スロープ装置における車幅方向の両側に位置するアーム状側板部に突設されている。
特開2013-141856号公報
上述の回動式のスロープ装置を備える車両において、スロープ装置に荷重が加わった場合に荷重を安定して支持できつつ、スロープ装置を回動する際の作業性に優れることが望まれる。
特許文献1に記載されるスロープ装置では、車椅子に座った乗員等といった荷重がスロープ装置に加わった際に、上記荷重がバックドアのロア部に実質的に加わらない。従って、上記荷重をスロープ装置単体によって受け止めるために、スロープ板を厚くする等、スロープ装置の剛性や強度を十分に高める必要がある。その結果、スロープ装置が重くなり易い。スロープ装置が重いことで、乗員がスロープ装置を回動させる際の負担が増大する。この点から、特許文献1に記載の従来技術は、回動作業性に劣る。
更に、上述のように部分ロック機構がスロープ装置の側方に突出して設けられていると、部分ロック機構とスロープ装置とを含めた幅W(車幅方向の長さ)がスロープ装置単体の幅に比較して大きくなる。上記幅Wを確保するために、例えば車両後方の開口部の幅やフロアの幅に応じてスロープ装置の幅を細くする、又は上記開口部の幅やフロアの幅を広げる必要がある。そのため、このような広幅な構造では、スロープ装置の配置位置等が制限されて、レイアウト性にも劣る。
そこで、本発明の目的の一つは、スロープ装置に加えられた荷重を安定して支持できる上に、スロープ装置の回動作業性に優れる車両後部構造を提供することにある。
本発明の一態様に係る車両後部構造は、
車両の後方に設けられた開口部を開閉するバックドアと、
前記バックドアが開かれた状態で、前記開口部と地面との間に架け渡される回動式のスロープ装置とを備える車両後部構造であって、
前記バックドアは、
前記開口部の上部を開閉するアッパー部と、
前記開口部の下部を開閉する下開き式のロア部とを備え、
前記ロア部は、
前記スロープ装置を回動自在に支持する回動部を備え、
前記ロア部及び前記スロープ装置は、
前記ロア部と前記スロープ装置の一部とが重なり合った状態において、相互に係合する固定部を備え、
前記固定部は、前記スロープ装置の側縁よりも車幅方向の内側に位置し、
前記ロア部側の前記固定部は、前記ロア部のフレームに設けられる。
上記の車両後部構造において、スロープ装置が車両後方の開口部と地面との間に架け渡された状態では、ロア部とスロープ装置の一部とが重なり合っている。そのため、ロア部とスロープ装置とが固定部によって相互に固定される。従って、荷重がスロープ装置に加えられると、この荷重は固定部を介してロア部、特に強度、剛性に優れるロア部のフレームに確実に伝達される。即ち、ロア部が上記荷重の一部を負担できる。このような上記の車両後部構造は、スロープ板を薄くしてスロープ装置を軽量にした場合でも、スロープ装置に加えられる荷重を安定して支持できる。
また、スロープ装置が軽量であれば、乗員がスロープ装置を回動させる際の負担が小さい。そのため、上記の車両後部構造は、スロープ装置の回動作業性にも優れる。
上記の車両後部構造において、スロープ装置が起立状態で収納された状態では、ロア部とスロープ装置の一部とが重なり合っている。そのため、固定部は、上記起立状態を維持するロック機構として機能する。上記の車両後部構造では、この固定部とスロープ装置とを含めた幅がスロープ装置単体の幅に相当し、上述の特許文献1の広幅な構造の幅Wよりも小さい。この点から、上記の車両後部構造は、スロープ装置の幅やフロアの幅等を変更することなくスロープ装置を配置できるため、レイアウト性にも優れる。
実施形態1に係る車両後部構造において、バックドアのアッパー部を開いた状態を示す概略斜視図である。 実施形態1に係る車両後部構造において、バックドアのロア部を開いた状態を示す概略斜視図である。 実施形態1に係る車両後部構造において、バックドアのロア部を開いた状態で、ロア部に対してスロープ装置を起立させた状態を示す説明図である。 実施形態1に係る車両後部構造において、スロープ装置の使用状態を示す概略側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の車両後部構造を具体的に説明する。
図中、同一符号は同一名称物を示す。
図中の「FR」は車両の前方、「RR」は車両の後方、「UP」は車両の上方、「LWR」は車両の下方、「RH」は車両の右方、「LH」は車両の左方を示す。以下、単に、前方、後方、上方、下方、右方、左方と呼ぶことがある。
[実施形態1]
図1~図4を参照して、実施形態1に係る車両後部構造1を説明する。
図3は、説明の便宜上、スロープ装置3を図2に示す配置状態からロア部22に対して起立させた状態を示す。
図4は、車両後部構造1を車幅方向の左方から見た側面図である。車幅方向は、車両100の左右方向である。
(概要)
実施形態1の車両後部構造1は、バックドア2と、回動式のスロープ装置3とを備える車両100に利用される(図1)。スロープ装置3は、バックドア2が開かれた状態で、車両100の後方に設けられた開口部101から車外に展開され、開口部101と地面Gとの間に架け渡される(図4)。スロープ装置3は、代表的には、車椅子に座っている乗員(図示せず)を着座状態で乗降する際等に利用される。このような車両100は、福祉車両と呼ばれている。
特に、実施形態1の車両後部構造1は、スロープ装置3が展開された使用時において、スロープ装置3に加えられた荷重を安定して支持可能な構成を備える。この構成の一つとして、バックドア2のロア部22及びスロープ装置3が相互に係合する固定部4を備える(図2~図4)。また、実施形態1の車両後部構造1は、固定部4を特定の位置に備える。
以下、車両100の概略、バックドア2、スロープ装置3、固定部4を順に説明する。
(車両)
本例の車両100は、ワンボックス車である。この車両100の車体の後方には、開口部101が設けられている。バックドア2は、この開口部101を開閉する。
車両100の車室102のうち、バックドア2に近い後方の領域は、収容・収納空間として利用される。具体的には、上記収容・収納空間には、不使用時のスロープ装置3(図4では二点鎖線参照)やその他の荷物(図示せず)等が収納されたり、車椅子に座った乗員(図示せず)が収容されたりする。
車室102のフロア103には、車幅方向に沿ってクロスメンバが設けられている。本例では、フロア103の後端に配置されるエンドクロスメンバ104に、バックドア2のロア部22を回動する部材(回動部23)が取り付けられる(図4)。
(バックドア)
バックドア2は、上下に分割された構造であり、アッパー部21と、ロア部22とを備える(図1)。
アッパー部21は、開口部101の上部を開閉する。本例のアッパー部21は、開口部101の大部分を開閉可能な大きさを有する上開き式のドアである。アッパー部21は横開き式のドアでもよい。横開き式のドアは、片開き型、両開き型のいずれでもよい。
ロア部22は、開口部101の下部を開閉する下開き式のドアである。本例では、車体における開口部101の下端側に位置するエンドクロスメンバ104に、ロア部22の回動部23が設けられている(図4)。回動部23は、公知のヒンジ機構等を利用できる。
ロア部22は、フレーム224(図2,図3)、アウタパネル、インナパネル等を備える。フレーム224は、ロア部22に強度や剛性を持たせるための構造部材である。アウタパネルは、フレーム224の車外側を覆うと共に、ロア部22の車外側の意匠面を構成する。インナパネルは、フレーム224の車室102側を覆うと共に、ロア部22の車室102側の面を構成する。
ロア部22には、ロック部及び解除部(いずれも詳細は図示せず)が設けられている。ロック部は、ロア部22の回動を規制して、ロア部22が開口部101の下部を閉じた状態を維持する。解除部は、ロック部を解除して、ロア部22の回動を可能にする。プル部25(図1等)は、解除部の一部である。プル部25を引っ張ることで、ロア部22の回動の規制(ロック状態)が解除される。
本例では、スロープ装置3が車外後方に向かって配置された状態(以下、前段状態と呼ぶ、図2)や、展開された使用状態(図4)では、ロア部22がスロープ装置3よりも下方に位置するように、ロア部22とスロープ装置3の一部とが重ね合わされる。そのため、ロア部22は、スロープ装置3の一部が載置される面(以下、載置面220と呼ぶ)を有する。
更に、ロア部22は、スロープ装置3を回動自在に支持する回動部33を備える(図3)。本例のロア部22は、二つの回動部33を備える。また、本例のロア部22は、上述の載置面220に両回動部33を備える。これら回動部33は、スロープ装置3がロア部22の載置面220に重ね合わされる状態と、載置面220に対して起立した状態とに変位することを可能にする。定量的には、回動部33は、載置面220とスロープ装置3とがなす角度が約ゼロ度から90度程度までの範囲でスロープ装置3の回動を可能にする。スロープ装置3におけるロア部22に対する回動動作の説明は後述する。各回動部33は、公知のヒンジ機構等を利用できる。回動部33の数は、二つに限定されず、一つ又は三つ以上でもよい。
本例では、両回動部33はスロープ装置3の側縁30よりも車幅方向の内側に位置する。本例の側縁30は、主として後述する固定板部31の側面によって構成される。
詳しくは、各回動部33は、載置面220における車幅方向に概ね直交する方向の中間位置であって、載置面220の車幅方向の二等分線を中心として、対称位置に配置されている。なお、上記車幅方向に概ね直交する方向は、ロア部22が車外後方に開いた状態では、車両100の前後方向に相当する。
回動部33は、ロア部22とスロープ装置3とを一体化する部材としても機能する。そのため、上述の回動部23によってロア部22を車外後方に向って開くと、ロア部22と共にスロープ装置3も車外後方に向かって変位する。特に、実施形態1の車両後部構造1は、後述する固定部4によってロア部22とスロープ装置3とが強固に一体化されるため、スロープ装置3を伴うロア部22の開動作が安定して行われる。
(スロープ装置)
スロープ装置3は、上述のように回動式である。スロープ装置3における車外後方に向かう回動動作は、上述のように回動部23によって行われる。
更に、スロープ装置3は、上述のように回動部33によって、ロア部22に対して回動可能に構成される。回動部33の一部は、スロープ装置3においてロア部22の載置面220と対向する面(ここでは後述する固定板部31の裏面310、図3)に取り付けられる。回動部33による回動動作は、スロープ装置3を車室102に収納する場合に利用される。この点は後述する。
本例のスロープ装置3は、スライド可能な構造である(図4)。具体的には、スロープ装置3は、二段式スロープであり、固定板部31と、可動板部32とを備える。固定板部31及び可動板部32は、スロープ本体を構成する。スロープ装置3の段数は、二段に限定されず、単段又は三段以上でもよい。
〈固定板部〉
本例では、固定板部31の一端側の領域は、前段状態(図2)や使用状態(図4)等において、ロア部22の載置面220に重ね合わされる領域である。前段状態や使用状態では、固定板部31は、ロア部22の上に位置する。
本例では、固定板部31の他端側の領域は、上述の前段状態や使用状態等において、ロア部22の載置面220から突出して配置される。
その他、本例のスロープ装置3は、固定板部31において、ロア部22と対向する側の面(裏面310)であってロア部22と重なり合わない位置に第一取っ手38(図1,図4)を備える。第一取っ手38は、スロープ装置3を伴ってロア部22を開く際や、スロープ装置3をロア部22に対して回動させる際等に利用される。
〈可動板部〉
可動板部32は、スロープ装置3を使用する際、固定板部31に対して車両100の前後方向にスライド可能に設けられる。図4に示すように、可動板部32の一端部は、固定板部31の上に重ね合わされて固定板部31に支持される。可動板部32の他端部は、地面Gに接触させて、地面Gに対する支持箇所として利用される。
その他、本例の可動板部32は、他端部に第二取っ手39を備える(図2)。第二取っ手39は、可動板部32を固定板部31から引き出す際、固定板部31に戻す際等に利用される。
〈フラッパ〉
本例のスロープ装置3は更にフラッパ34を備える。フラッパ34は、スロープ装置3の使用時において、車体とロア部22との間に生じる隙間を覆う(図4)。フラッパ34は、固定板部31に連結されている。本例のフラッパ34は、前後方向に移動可能であり、かつ一部が屈曲可能に設けられている。
なお、バックドア2、回動部23,33、スロープ装置3のスライド構造に関する基本的な構成、材料等は、公知の構成、材料等を参照することができる。
(固定部)
以下、主に図3を参照して固定部4を説明する。
固定部4は、バックドア2のロア部22とスロープ装置3の一部とが重なり合った状態において、ロア部22とスロープ装置3とを固定することに利用される。代表的には、スロープ装置3の使用時、即ちスロープ装置3が開口部101と地面Gとの間に架け渡された状態において、固定部4は、ロア部22とスロープ装置3とを固定する(図4の実線参照)。その他、後述するようにスロープ装置3が収納された状態においても、固定部4によって、ロア部22とスロープ装置3とを固定することができる(図4の二点鎖線参照)。
固定部4は、相互に係合する部材を備える。本例の固定部4は、ストライカ部43とロック部42とを備える。スロープ装置3側の固定部4であるストライカ部43は、スロープ装置3の固定板部31の裏面310に設けられている。ロア部22側の固定部4であるロック部42は、ロア部22のフレーム224に設けられている。載置面220には、ストライカ部43が挿入される開口部が設けられている。ストライカ部43及びロック部42の基本的な構成等は、公知の構成等を利用できる。
固定部4は、スロープ装置3の側縁30よりも車幅方向の内側に位置する。本例の車両後部構造1は、複数(ここでは二つ)の固定部4を備える。即ち、ストライカ部43及びロック部42の組が複数ある。そして、いずれの固定部4も側縁30より車幅方向の内側に位置する。
詳しくは、各ロック部42は、ロア部22のフレーム224において、スロープ装置3の側縁30よりも車幅方向の内側に位置し、かつ固定板部31の裏面310が重ね合わされる範囲から選択されて設けられる。本例では、各ロック部42は、載置面220において車幅方向の二等分線を中心として対称位置に設けられている。各ストライカ部43は、固定板部31の裏面310のうち、ロア部22と重なり合う範囲において、各ロック部42の開口部の位置に対応して設けられる。
本例の車両後部構造1は、更に、複数の固定部4を同時に係合させると共に、同時に係合を解除するロック及び解除機構27を備える。本例のロック及び解除機構27は、レバー部270とワイヤ271とを備え、以下のように構成される。
ワイヤ271の一端は、ロック部42に連結される。ワイヤ271の他端は、レバー部270に連結される。レバー部270を握ると、ワイヤ271が引っ張られることで、ロック部42がストライカ部43のフックを係止した状態が解除される。この状態では、スロープ装置3はロア部22に対して回動可能である。レバー部270を離すと、ワイヤ271の緊張が解かれて、ロック部42がストライカ部43のフックを係止した状態(ロック状態)が維持される。ロック状態では、スロープ装置3はロア部22に対して回動できず、スロープ装置3の一部とロア部22とが重なり合った状態が維持される。
次に、スロープ装置3の使用状態と、収納状態とを順に説明する。
(使用状態)
スロープ装置3を使用する場合、まず、バックドア2のうち、アッパー部21を開く(図1)。
次に、プル部25を引っ張って、バックドア2のロア部22を回動可能な状態にする。一方、レバー部270は握らず、固定部4をロック状態にしておく。
次に、回動部23によって、ロア部22を回動して、ロア部22を車外後方に開く(図2)。本例では、第一取っ手38を掴んで、スロープ装置3の自由端(図1では上端)を上方から下方に向かって倒す。固定部4がロック状態であり、かつロア部22が回動可能な状態であるため、上述のようにスロープ装置3を車外後方に向かって倒せば、ロア部22が開く。ロア部22が開いた状態では、固定板部31と可動板部32とはロア部22の上に重なり合って配置されている(図2)。
次に、可動板部32を所定の長さに引き出す。本例では、第二取っ手39を掴んで可動板部32を後方に引き出すとよい。
引き出した可動板部32の後端部を地面Gに接触させることで、車両後方の開口部101の下端から地面Gに向かって、フラッパ34、固定板部31、可動板部32が順に並んだスロープが設けられる(図4)。この状態においてスロープ装置3は、上述のように固定部4がロック状態であるため、ロア部22によって下方から支持される。
(収納状態)
スロープ装置3を車室102に収納する場合、固定板部31と可動板部32とは重ね合わされる。また、ロア部22は、開口部101の下部を閉じて、フロア103に対して起立した状態に配置される(図1,図4の二点鎖線参照)。この状態では、プル部25を引っ張らないことで、ロア部22の回動が規制され、ロア部22の起立状態が維持される。このロア部22の起立状態のもと、スロープ装置3の収納形態には、以下の起立型と前倒し型との二つがある。
〈起立型〉
起立型では、スロープ装置3は、フロア103に対して起立した状態で、車室102におけるバックドア2の近傍に収納される(図1,図4の二点鎖線参照)。即ち、ロア部22の載置面220と、スロープ装置3の固定板部31の裏面310とが平行するように、ロア部22とスロープ装置3とが重なり合って起立する。この状態においてレバー部270を握らないことで、ストライカ部43とロック部42とが係止された状態が維持される。固定部4がロック状態であるため、ロア部22とスロープ装置3とが重なり合った状態が安定して維持される。
〈前倒し型〉
前倒し型では、スロープ装置3は、フロア103に重なり合うように前倒しされた状態で車室102に収納される。即ち、固定板部31の裏面310がロア部22の載置面220から離れ、フロア103に平行するように配置される。このような前倒し型は、レバー部270を握ることで、固定部4のロック状態を解除し、スロープ装置3をロア部22の載置面220に対して起立するように回動させることで実施される。本例では、第一取っ手38を掴んでスロープ装置3を前倒しするとよい。
(主な作用)
スロープ装置3を使用する場合には、固定部4が相互に係止されているため、開口部101と地面Gとの間に架け渡されたスロープ装置3に加えられた荷重をスロープ装置3からロア部22、特にロア部22のフレーム224に確実に伝達できる。
スロープ装置3を起立型で収納する場合には、バックドア2のアッパー部21を開いた状態において、スロープ装置3によって、開口部101の下方領域を塞ぐことができる。
スロープ装置3を前倒し型で収納する場合には、バックドア2のアッパー部21を開いた状態において、開口部101を起立型よりも大きく開くことができる。
(主な効果)
実施形態1の車両後部構造1は、開口部101と地面Gとの間に架け渡されたスロープ装置3に荷重が加えられた際、強度、剛性に優れるロア部22のフレーム224に荷重を分担させられる。そのため、実施形態1の車両後部構造1は、固定板部31や可動板部32が薄く、軽量なスロープ装置3である場合でも、上記荷重を安定して支持できる。
本例の車両後部構造1では、固定部4の数が二つである。そのため、固定部4が一つの場合よりも、スロープ装置3に加えられた荷重がロア部22のフレーム224により確実に伝達される。また、各固定部4が車幅方向の対称位置に配置される。そのため、上記荷重は、ロア部22のフレーム224に均一的に伝達され易い。これらの点からも、車両後部構造1は、スロープ装置3が薄く、軽量であっても、上記荷重を安定して支持できる。
スロープ装置3が薄く、軽量であることで、乗員はスロープ装置3を車外後方に展開する際や前倒しする際等で回動操作を行い易い。このような実施形態1の車両後部構造1は、スロープ装置3の回動作業性にも優れる。
また、実施形態1の車両後部構造1では、固定部4がスロープ装置3の側縁30よりも車幅方向の内側に位置する。本例の車両後部構造1は、回動部33も、上記側縁30よりも車幅方向の内側に位置する。そのため、固定部4及び回動部33とスロープ装置3とを含めた幅がスロープ装置3単体の幅に相当し、上述した特許文献1の広幅構造の幅Wよりも小さい。この点から、車両後部構造1は、スロープ装置3の幅やフロア103の幅等を変更することなくスロープ装置3を配置できるため、レイアウト性にも優れる。
更に、スロープ装置3を起立型で収納する場合では、スロープ装置3は車室102から車外に収納物が落下することを防止する効果が期待できる。起立型では、固定部4がロック状態であるため、収納物がスロープ装置3に当たる等しても、スロープ装置3が前倒れすることがない。
スロープ装置3を前倒し型で収納する場合では、スロープ装置3の裏面310よりも上方の空間を荷物の収納空間に利用できる。この場合に、アッパー部21を開いた状態において、車室102に荷物を出し入れする際、スロープ装置3が邪魔にならない。そのため、乗員は荷物を出し入れし易い。なお、スロープ装置3の耐荷重の範囲内において、スロープ装置3の裏面310の上に荷物を載置してもよい。
その他、本例の車両後部構造1は、以下の効果も奏する。
(A)ロア部22の開閉に伴って、スロープ装置3も同時に車外後方に配置されたり、車室102に収納されたりする。この場合に固定部4がロック状態であるため、上述の開閉動作やスロープ装置3の配置、収納等の操作が安定して行われる。本例では複数の固定部4を備えるため、ロア部22とスロープ装置3とが強固に固定されることからも、上記操作が安定して行われる。
(B)ロック及び解除機構27によって、複数の固定部4のロック状態を同時に解除することができる。そのため、車両後部構造1は、スロープ装置3をロア部22に対して回動する際の作業性に優れる。また、固定部4の数に応じてロック及び解除機構27を備える場合に比較して、部品点数が少ない。
(C)ロック及び解除機構27と、プル部25とがロア部22の離れた位置(本例では車幅方向の右端部と左端部)に設けられているため、乗員の誤操作が防止され易い。
本発明は、これらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、実施形態1に対して、以下の変形が可能である。
(変形例1)固定部4の数が一つ又は三つ以上である。
この場合、各固定部4の配置位置は、ロア部22のフレーム224の形成箇所であって、スロープ装置3と重なり合って配置される箇所のうち、スロープ装置3の側縁30よりも車幅方向の内側の位置から選択する。
(変形例2)スロープ装置3は、固定板部31に対して1枚以上の可動板部32が折り畳まれる折り畳み式である。
(変形例3)回動部33は、ロア部22のフレーム224(図3では、フレーム224のうち、ロア部22の車幅方向の右方、左方に位置する部分)上に位置する。回動部33も強度、剛性に優れるフレーム224上に設けられることで、上述の荷重をより安定して支持できる。
1 車両後部構造
2 バックドア、21 アッパー部、22 ロア部、23 回動部
25 プル部、27 ロック及び解除機構、270 レバー部、271 ワイヤ
220 載置面、224 フレーム
3 スロープ装置、30 側縁、31 固定板部、32 可動板部、33 回動部
34 フラッパ、38 第一取っ手、39 第二取っ手、310 裏面
4 固定部、42 ロック部、43 ストライカ部
100 車両、101 開口部、102 車室、103 フロア
104 エンドクロスメンバ
G 地面

Claims (1)

  1. 車両の後方に設けられた開口部を開閉するバックドアと、
    前記バックドアが開かれた状態で、前記開口部と地面との間に架け渡される回動式のスロープ装置とを備える車両後部構造であって、
    前記バックドアは、
    前記開口部の上部を開閉するアッパー部と、
    前記開口部の下部を開閉する下開き式のロア部とを備え、
    前記ロア部は、
    枠状のフレームと、
    前記ロア部が車外後方に開かれた状態の前記フレームの前枠に設けられて、前記ロア部を車外後方に向かって開くロア部用回動部と、
    前記スロープ装置を回動自在に支持するスロープ装置用回動部を備え、
    前記ロア部及び前記スロープ装置は、
    前記ロア部と前記スロープ装置の一部とが重なり合った状態において、相互に係合する固定部を備え、
    前記固定部は、
    前記ロア部に設けられたロア部側固定部と、
    前記スロープ装置に設けられたスロープ装置側固定部とを備え、
    前記ロア部側固定部及び前記スロープ装置側固定部の双方は、
    前記スロープ装置が車外外方に展開された状態において、前記スロープ装置の側縁よりも車幅方向の内側における前記ロア部と前記スロープ装置の一部との重なり部分に位置し、
    前記ロア部側固定部は、前記ロア部が車外後方に開かれた状態の記フレームの後枠に設けられており、
    前記スロープ装置用回動部は、前記前枠前記後枠との間に位置し、
    記重なり部分は、前記スロープ装置における車幅方向の全長にわたって設けられている、
    車両後部構造。
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