JP7357810B1 - ドライブシステム及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
同期電動機2は、例えば界磁巻線24が設けられている励磁型同期電動機である。
同期電動機2の本体21内に回転子21R(図2)、固定子巻線(不図示)と、界磁巻線24とが設けられている。同期電動機2は、例えば、U相V相W相の3相交流電力によって駆動される。同期電動機2の本体21の詳細な説明を省略するが、一般的な構造の励磁型同期電動機を適用してよい。
図2は、実施形態の位置検出器22の配置を示す模式図である。図3Aは、実施形態の位置制御に用いる回転子位相と位置検出器22の出力信号の関係を示す図である。図3Bは、実施形態の位置制御に用いる回転子座標を示す図である。
回転子21Rの軸には、軸とともに回転する位置検出器22用の回転体22Rが設けられている。位置検出器22は、回転体22Rの位置を検出することで回転子21Rの位置(回転子位置という。)を検出する。なお、位置検出器22の検出精度は、1周を数等分に分けた角度領域を識別し得る精度を有していればよい。
なお、位置検出器22の位置の調整が適正でない場合、位置検出器22の位置の調整を行わない場合などに、その位置が符号22Zで示される位置になることがある。例えば、上記の位置検出器22の位置の調整が適正でない場合には、同期電動機2の軸周りの機械的位置に対して、位置検出器22をそれぞれ配置する位置が所定量ずれている場合が含まれる。このような場合には、検出された回転体22Rの位置(初期磁極位置)が、正しい位置から所定量ずれて検出されることが生じ得る。換言すれば、検出された回転体22Rの位置に、同期電動機2の機種又は個体により定まる所定量を超える誤差が含まれることがあった。なお、上記の事象は、各位置検出器22の位置のばらつきによるものではなく、各位置検出器22が軸の周方向に互いに120°隔てて配置されている状況でも生じることがある。
なお、図2に示したように位置検出器22の位置の調整が適正でない場合などに、位置検出器22が出力するPS1信号、PS2信号、及びPS3信号の各位相が、図3Aに示す破線のように位相がずれて検出されることがある。
インバータ3は、複数の半導体スイッチング素子を含む電力変換器である。インバータ3は、直流電力を3相交流電力に変換して、同期電動機2に供給する。インバータ3の構成に制限はなく、一般的な構成を適用してよい。
なお、制御部10は、例えば、CPUなどのプロセッサを含み、記憶部19に格納された所定のプログラムをプロセッサが実行することによって、第1位相推定部11と、第2位相推定部12と、駆動制御部13と、電圧積算部14と、状態判定部15と、シーケンス制御部16、オフセット角調整部17、入出力部18などの機能部の一部又は全部を実現してもよく、電気回路の組み合わせ(circuitry)によって上記を実現してもよい。制御部10は、記憶部19の記憶領域を利用して各データの転送処理、及び解析のための演算処理を、プロセッサによる所定のプログラムの実行によって実行してもよい。例えば、制御部10は、所謂コンピュータであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成されていてもよい。
例えば、入出力部18は、制御部10の制御のためのユーザの操作を促す表示を表示させる表示部と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部とを含めて構成してもよい。このような構成の入出力部18には、例えばタッチパネル型の液晶型表示部が含まれていてもよく、これに制限されない。入出力部18は、上記に代えて、又は上記に加えて、外部と通信する通信部を含めて構成されていてもよい。入出力部18は、外部の装置に、制御部10の制御のためのユーザの操作を促す表示を表示させるための情報を送信したり、外部の装置から通知される、ユーザの操作を受け付けたりしてもよい。入出力部18は、上記のように受け付けた又は取得した、制御部10の制御のための情報を、記憶部19に追加して、さらにシーケンス制御部16に通知する。入出力部18は、シーケンス制御部16から通知を受けて、シーケンス制御部16の制御状態を示す情報を取得して、表示部に表示させる。例えば、制御部10の制御のためのユーザの操作には、制御部10の初期化のための操作が含まれてよい。
状態判定部15は、同期電動機2の動作状態を判定する。例えば、状態判定部15は、電圧値V_fbk^absと、後述する速度ω_fbkとに基づいて同期電動機2の動作状態を判定するとよい。
例えば、オフセット角調整部17は、シーケンス制御部16からの初期化処理の要求に従って、回転子21Rの位相に対する初期磁極位置を調整して、これに係る初期磁極位置の位相誤差を削減させる。
図1Bに示すように、第2位相推定部12は、例えば、座標変換部121と、PI演算部122と、積分器123とを備える。
積分演算部112(積分)は、比例演算部111による比例演算の結果を積分して、位相Δθを生成する。位相Δθは、始動後に回転子21Rが回転した角度に相当する。比例演算部111と積分演算部112は、同期電動機2の速度指令に基づいた位相Δθを演算する演算処理部の一例である。
初期磁極位置推定部113は、界磁電圧フィードバックVdq_fbkに基づいて初期磁極位置θ_fbkを推定する。初期磁極位置推定部113は、次の式(1)を用いて初期磁極位置θ_fbkを演算する。
図4は、実施形態の起動段階の初期磁極位置検出に係るタイミングチャートである。
この信号のHレベルは、同期電動機2に対する運転を指定し、この信号のLレベルは、停止を指定する。例えば、この信号のLレベルからHレベルへの遷移は、運転開始(又は起動)を示す。
ところで、初期磁極位置をより正確に推定するには、位置検出器22によって初期磁極位置を正しく検出できることが望ましく、さらに、同期電動機2の起動時の位相として用いる初期磁極位置として検出された機械的なポジションが、実際のポジションに一致していることが望ましい。
比較例の場合には、この位相指令による初期磁極位置の適否によって、同期電動機2が正常に起動しないことがある。その一例は、同期電動機2の起動時の位相として用いる初期磁極位置として検出された機械的なポジションが、実際のポジションに所定の範囲内で一致していないことによるものである。
以下、この事例について説明する。
同期電動機2の起動段階とは、例えば前述の図4における時刻t4以降の期間であって、ゲート指令がHレベルに遷移した段階である。例えば、シーケンス制御部16がタイマーT4の期間が満了した後に、本実施形態の処理が実施されるとよい。
図9は、前述の図7と図8と同様の図である。図9に示す実線の矢印は、機械的ポジションを示し、破線の矢印は、実際のポジションを示す。この場合の実際のポジションが、実際のポジション番号の領域「1」と、その隣のポジション番号の領域「2」との境界の位相として検出されるべきところ、ポジション番号の領域「1」内で検出された状態を示す。この時の位相差は、Δθである。この位相差が、位相誤差として含まれる状態を示す。
例えば、シーケンス制御部16の制御により、同期電動機2を励磁して、ゲート指令をHレベルに遷移させて起動させた後に、初期位相指令生成部115は、位置検出器22の検出結果に基づいた初期磁極位置の初期値を保持して、これに基づく初期位相指令θ0を出力する。
実施形態の変形例について説明する。
上記の位相指令θに関わる初期位相の調整は、初期位相指令生成部115が位相θ0にオフセットを付与して調整してもよく、これに代えて、初期位相指令生成部115の指示により、積分演算部112が、その出力値である位相Δθの値を直接変更する調整方法でもよい。
Claims (5)
- 同期電動機の回転子の位相を検出可能に配置され、検出した位相を示す位相情報を出力する回転子位相検出部と、
前記同期電動機の速度指令に応じて変化する位相Δθを生成し、位相誤差を補正するための補正量と前記位相Δθとを用いて、前記同期電動機の回転子の位置を規定する初期位相指令を生成する位相推定部と、
前記位相情報によって規定されるタイミングにおける前記初期位相指令の位相誤差を用いて、前記同期電動機の初期磁極位置の位相誤差を調整するための前記補正量を生成する位相誤差調整部と、
前記位相誤差が調整された前記初期位相指令を用いて、前記同期電動機の駆動を制御する駆動制御部と、
を備えるドライブシステム。 - 前記位相情報によって規定されるタイミングは、
前記位相情報により示される位相領域が切り替わるタイミングである
請求項1記載のドライブシステム。 - 前記位相推定部は、
前記補正量と前記回転子の位相の推定結果とを用いて位相指令値を生成する初期磁極位置推定部と、
前記回転子位相検出部によって検出された前記回転子の位相に対応する検出位相を取得する初期位相指令生成部と、
前記同期電動機の速度指令に基づいて前記速度指令の積分値に対応する前記位相Δθを生成する演算処理部と
を備える請求項1記載のドライブシステム。 - 前記位相誤差調整部は、
予め定められた所定値よりも大きな位相誤差を小さくする調整量を演算する
請求項1記載のドライブシステム。 - 同期電動機の回転子の位相を検出可能に配置された回転子位相検出部によって検出した位相を示す位相情報が出力されて、
前記同期電動機の速度指令に応じて変化する位相Δθを生成し、位相誤差を補正するための補正量と前記位相Δθとを用いて、前記同期電動機の回転子の位置を規定する初期位相指令を生成するステップと、
前記位相情報によって規定されるタイミングにおける前記初期位相指令の位相誤差を用いて、前記同期電動機の初期磁極位置の位相誤差を調整するための前記補正量を生成するステップと、
前記位相誤差が調整された前記初期位相指令を用いて、前記同期電動機の駆動を制御するステップと、
を含む制御方法。
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