JP7353943B2 - 遮蔽扉取付部材、排熱分離装置及び電算機室空調システム - Google Patents

遮蔽扉取付部材、排熱分離装置及び電算機室空調システム Download PDF

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Description

本発明は、遮蔽扉取付部材、排熱分離装置及び電算機室空調システムに関する。
従来、電算機室において、情報処理機器を収容した収容ラックの吸気面から冷却空気を収容ラック内に導入し、収容ラック内の情報処理機器を冷却した後の温熱空気を収容ラックの上面や背面に設けた排気出口から排出する電算機室空調システムが知られている。電算機室内では、例えば、複数の収容ラックを並べて配置した一対の架列が通路を挟んで吸気面を対向させるようにして配置され、空気調和装置から吹き出された冷却空気が通路を通って各収容ラックに供給されている。
この種の電算機室空調システムにおいて、吸気面側への温熱空気の回り込みを招くことなく収容ラック内の情報処理機器を効率良く冷却するために、通路を遮蔽する排熱分離装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この排熱分離装置においては、架列の端部に遮蔽扉を設置することで通路を遮蔽している。
特開2017-187231号公報
電算機室空調システムでは、情報処理機器の増減や収容ラックの更改などの理由により、排熱分離装置における架列の構成を変更することがある。上記排熱分離装置において遮蔽扉を設置する場合、一対の架列における端部同士の位置を揃える必要がある。しかしながら、上述のように架列の構成を変更したことで、一対の架列における端部同士の位置にずれが生じてしまうことがある。また、遮蔽扉は架列の端部に位置する収容ラックに対して、例えばねじ止めで取り付けられるが、上述のように架列の構成を変更したことで架列の端部に位置する収容ラックにおける扉取付け用のねじ穴の位置にずれが生じてしまうことがある。このように排熱分離装置において架列の構成を変更した場合、遮蔽扉の取り付けに手間が掛かる。
本発明は上記事情に鑑みて、架列の構成を変更した場合でも遮蔽扉を容易に取り付けできる、遮蔽扉取付部材、排熱分離装置及び電算機室空調システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係る遮蔽扉取付部材は、情報処理機器を収容する複数の収容ラックを第1方向に沿って配置するとともに互いに対向配置される一対の架列と、前記一対の架列の間に設けられる通路と、前記通路の前記第1方向の端部を覆う遮蔽扉と、を備える排熱分離装置に、前記遮蔽扉を取り付ける遮蔽扉取付部材であって、前記一対の架列の一方の第1架列における第1方向一方側の第1架列端部に取り付けられ、前記第1方向及び上下方向における前記遮蔽扉の支持位置を変更する第1部材と、前記第1架列端部に取り付けられ、前記第1架列端部及び前記遮蔽扉の隙間を覆う第2部材と、を有し、前記第1部材は、前記第1部材と前記第1架列端部とを連結する連結金具と、前記連結金具の位置を調整可能な位置調整機構と、を含むことを特徴とする。
上記態様の遮蔽扉取付部材によれば、例えば、第1架列及び第2架列の構成を変更した際、第1架列端部及び第2架列端部の位置にずれが生じた場合でも、遮蔽扉を容易に取り付けることができる。また、上記架列の構成を変更に伴って、第1収容ラックのねじ穴の位置が変化した場合でも、第1部材の位置調整機構を用いることで、第1部材を第1収容ラックに取り付けることができる。
上記態様において、前記第1架列の前記第1架列端部に位置する第1収容ラックの上、又は、前記第2架における前記第1方向一方側の第2架列端部に位置する第2収容ラックの上に取り付けられ、前記第1架列端部及び前記第2架列端部の高さを揃える第3部材を有するのが好ましい。
この構成によれば、第3部材によって第1架列端部及び第2架列端部の高さを揃えることができる。
上記態様において、前記第1部材の前記第1方向における幅は、前記第1の架列又は前記第2の架列を構成する前記複数の収容ラックにおける前記第1方向の最小幅よりも狭いのが好ましい。
この場合、第1部材及び第2部材は収容ラックよりも薄い部材、すなわち収容ラックとは別の構造物で構成される。
上記態様において、前記第1部材は、前記通路の上面を覆う遮蔽パネルを支持するパネル支持部を有するのが好ましい。
この構成によれば、第1部材は、第2収容ラックの横幅に対応した遮蔽パネルを支持することができる。
上記態様において、前記金具位置調整機構は、前記第1方向に直交する前記通路の幅方向に沿って前記連結金具を移動可能に保持するレール部を有するのが好ましい。
この構成によれば、レール部に沿って連結金具を移動させることで、第1収容ラックに対する連結金具の位置を調整できる。
上記態様において、前記レール部は、上下方向に沿って並んで配置された複数のレールを含むのが好ましい。
この構成によれば、連結金具を取り付けるレールの高さを変更することでレール部aの高さを調整することができる。
上記態様において、前記遮蔽扉は前記通路の前記第1方向に交差する方向に沿ってスライドするスライド扉であり、前記第2部材は、前記遮蔽扉のスライド動作をガイドするガイド部材を有しているのが好ましい。
この構成によれば、遮蔽扉に生じる第1方向の振れを抑制することができる。
本発明の第二態様に係る排熱分離装置は、情報処理機器を収容する複数の収容ラックを第1方向に沿って配置するとともに互いに対向配置される第1架列及び第2架列と、前記第1架列及び第2架列の間に設けられる通路と、前記通路の前記第1方向の端部を覆う遮蔽扉と、上記第一態様の遮蔽扉取付部材と、を備えることを特徴とする。
上記態様の排熱分離装置によれば、例えば、第1架列及び第2架列の構成を変更した際、第1架列端部及び第2架列端部の位置にずれが生じた場合でも、遮蔽扉を容易に取り付けることができる。
本発明の第三態様に係る電算機室空調システムは、上記第二態様の排熱分離装置と、前記情報処理機器を冷却するための冷却空気を前記排熱分離装置に供給する空気調和装置と、を備えることを特徴とする。
上記態様の電算機室空調システムによれば、第1架列及び第2架列の構成を変更した場合に遮蔽扉を容易に取り付けできる排熱分離装置を備えるので、架列の構成変更に容易に対応可能な汎用性に優れた付加価値の高いシステムを提供できる。
この発明によれば、架列の構成を変更した場合でも遮蔽扉を容易に取り付けできる。
第1実施形態に係る電算機室空調システムの全体構成を示す図である。 電算機室空調システムの模式的な断面を示す図である。 遮蔽扉の構成を示す図である。 第2遮蔽扉の架列に対する取り付け部分を拡大した図である。 遮蔽扉取付部材の概略構成を示す図である。 第1部材の連結部の構成を示す要部拡大図である。 第2実施形態の排熱分離装置における架列の前側端部の拡大図である。 変形例に係る遮蔽扉取付部材の構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。説明で使用する図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系においてZ軸方向は、+Z側を「上側」とし、-Z側を「下側」とする上下方向(鉛直方向)である。また、X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって、複数の収容ラックを配置する方向(第1方向)であって、+X側を「前側」とし、-X側を「後側」とする前後方向(第1方向)である。また、Y軸方向は、X軸方向及びZ軸方向と直交する方向であって、一対の架列が互いに向き合う方向であって、+Y側を「右側」とし、-Y側を「左側」とする左右方向である。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る電算機室空調システム100の全体構成を示す図であり、図2は、電算機室空調システム100の模式的な断面を示す図である。
図1、図2に示すように、電算機室空調システム100は、例えば略箱状に形成された電算機室101内において利用されるものである。電算機室空調システム100は、排熱分離装置10と、排熱分離装置10に冷却空気を供給する空気調和装置11と、を備える。電算機室101は、床1と図示しない壁と天井とで囲まれており、床1から上方に離間して二重床2が設けられている。
排熱分離装置10は、一対の架列Rと、通路4と、複数の遮蔽パネル20と、一対の遮蔽扉30と、遮蔽扉取付部材40と、を備えている。
一対の架列Rは第1架列R1と第2架列R2とを含む。第1架列R1及び第2架列R2は二重床2上において互いが対向するように設置されている。第1架列R1及び第2架列R2は、X軸方向に沿って並べて配置した複数の収容ラック3で構成される。収容ラック3における横幅(X軸方向の幅)は、例えば、600~900mm程度に設定される。
通路4は、第1架列R1及び第2架列R2の間に設けられた二重床2上に形成されている。第1架列R1はX軸方向に沿って延びる通路4の左側に位置し、第2架列R2はX軸方向に沿って延びる通路4の右側に位置する。二重床2の下には内部空間5が設けられ、内部空間5に各収容ラック3の電気配線などが収容されている。
また、通路4上には多数の吹き出し孔8が形成されていている。床下の内部空間5と通路4とは、これら複数の吹き出し孔8を介して通気可能に連通している。
複数の遮蔽パネル20は、通路4を挟んで対向して配列された収容ラック3の上面間に跨るように設けられている。各遮蔽パネル20は、通路4内の冷却空気の流通部を、収容ラック3よりも上方側の温熱空気の流通部と分離する。
各遮蔽パネル20は、一端側(例えば、右端側)が収容ラック3の上面に固定端として取り付けられるとともに、他端側(例えば、左端側)が収容ラック3の上面に固定されない自由端として設置される。
本実施形態の電算機室空調システム100においては、遮蔽パネル20の一端側を固定構造物(収容ラック3)に連結する固定端とし、遮蔽パネル20の他端側を固定構造物(収容ラック3)に連結しない自由端として配置している。そのため、例えば、地震の発生時には、遮蔽パネル20が自由端側で振れることで収容ラック間の変位に追随し、遮蔽パネル20の損傷を防止できる。
一対の遮蔽扉30は通路4の前後方向(Y軸方向)の両端部を覆うように設けられる。一対の遮蔽扉30は、第1遮蔽扉30Aと第2遮蔽扉30Bとを含む。
本実施形態において、第1遮蔽扉30Aは、通路4の前側(第1方向一方側)を覆い、第2遮蔽扉30Bは、通路4の後側(第1方向他方側)を覆う。
第1遮蔽扉30A及び第2遮蔽扉30Bは、通路4内の冷却空気の流通部を、通路4の外側の温熱空間の流通部と分離する。本実施形態においては、通路4は、二重床2上において、第1架列R1及び第2架列R2と複数の遮蔽パネル20と第1遮蔽扉30A及び第2遮蔽扉30Bとに囲まれた閉鎖空間Sで構成される。
空気調和装置11は、通路4の外側の二重床2上に設置されている。空気調和装置11は、収容ラック3から排気された温熱空気を吸込口11aから吸い込んで冷却し、空気調和装置11内で冷却された空気(冷却空気)を底面の吹出口11bから内部空間5内に送り出す。
空気調和装置11から内部空間5に供給された冷却空気は吹き出し孔8を通して通路4内に給気される。各収容ラック3は箱状に形成され、内部に電子計算機や通信機器等の情報処理機器7が収容されている。各収容ラック3は、表面側に吸気面3bが設けられ、背面側に排気面3cが設けられている。収容ラック3に収容された情報処理機器7は内蔵された排気ファンによって通路4側から冷却空気を吸気し、その冷却空気によって情報処理機器7を冷却する。情報処理機器7を冷却した冷却空気は温熱空気となって排気面3cから外部に排出される。
続いて、第1遮蔽扉30A及び第2遮蔽扉30Bの構成について説明する。第1遮蔽扉30A及び第2遮蔽扉30Bの構成は同一である。以下、第1遮蔽扉30A及び第2遮蔽扉30Bを特に区別しない場合、これらを単に遮蔽扉30と呼ぶ。
図3は遮蔽扉30の構成を示す図である。図3に示すように、本実施形態の遮蔽扉30は通路4の端部を覆い、前後方向に直交する左右方向(第2方向)に沿ってスライドするスライド扉である。遮蔽扉30は、一対のレール部30aと、一対の扉部30bと、カバー部材33と、を備える。
レール部30aは対応する扉部30bをスライド可能に支持する。扉部30bは、例えば、その上端部に取り付けられたローラー部をレール部30a内で回転させることでレール部30aに沿ってスライド可能である。レール部30aに対する扉部30bのスライド動作は電動操作又は手動操作のいずれで行ってもよい。カバー部材33は、一対のレール部30aの端部を覆う部材である。
ここで、例えば、第2遮蔽扉30Bを例に挙げて、第1架列R1及び第2架列R2に対する取付構造を説明する。以下、第1架列R1及び第2架列R2を総称して、架列R1,R2と称す場合もある。
図4は第2遮蔽扉30Bの架列R1,R2に対する取り付け部分を拡大した図である。
第2遮蔽扉30Bは架列R1,R2の後側端部(第1方向他方側)R1b,R2bに取り付けられる。架列R1,R2の後側端部R1b,R2bに位置する収容ラック3は同一形状を有しているため、架列R1,R2の後側端部R1b,R2bにおける前後方向の位置は一致している。
第2遮蔽扉30Bを構成するレール部30aの一方は、取付金具32を介して第1架列R1の後側端部R1bに位置する収容ラック3に取り付けられる。第2遮蔽扉30Bを構成するレール部30aの他方は、取付金具32を介して第2架列R2の後側端部R2bに位置する収容ラック3に取り付けられる。
具体的に、各レール部30aは、取付金具32を介して対応する収容ラック3の上面3aに固定される。レール部30aは、取付金具32に挿入したねじ部材15を収容ラック3の上面3aに形成されたねじ穴(不図示)に締め込むことで収容ラック3に取り付けられる。各レール部30aに支持された各扉部30bはレール部30aに沿ってスライドすることで通路4の半分をそれぞれ遮蔽する。
後側端部R1b,R2bに位置する収容ラック3の下端には一対のガイド部材44が設けられている。一対のガイド部材44は各扉部30bのスライド移動をそれぞれガイドする。各ガイド部材44は上下方向に延びるピン部材を有し、例えば、ピン部材を対応する扉部30bの下面に形成された溝(不図示)にピン部材を嵌合させることで、各扉部30bのスライド移動をガイドする。このようにして、各ガイド部材44は対応する扉部30bの下端に生じる前後方向(X軸方向)の振れを抑制する。
本実施形態において、第2遮蔽扉30Bを取り付ける架列R1,R2の後側端部R1b,R2bの位置は前後方向で揃っている。そのため、後側端部R1b,R2bに取り付けた一対のレール部30aに支持された各扉部30bは、互いの端部同士を突き合わせた状態で通路4を遮蔽する第2遮蔽扉30Bを構成する。したがって、第2遮蔽扉30Bは通路4の後側を隙間なく遮蔽できる。
ところで、電算機室空調システム100では、情報処理機器の増減や収容ラックの更改などの理由により、排熱分離装置10における架列R1,R2の構成を変更することがある。例えば、用途に応じて排熱分離装置110内に収容する情報処理機器7の種類、大きさ又は数量を変更するために、架列R1,R2の構成が変更される。
本実施形態の電算機室空調システム100では、架列R1,R2の構成を変更したことで、架列R1,R2の前側(第1方向一方側)の端部に設置された収容ラック3の種類が異なっている。以下、第1架列R1の前側端部(第1方向一方側の第1架列端部)に位置する収容ラック3を第1収容ラック51と称し、第2架列R2の前側端部(第1方向一方側の第2架列端部)に位置する収容ラック3を第2収容ラック52と称する。
図5は架列R1,R2の前側端部R1a,R2aを拡大して示す図である。
図5に示すように、本実施形態の排熱分離装置110において、第1収容ラック51の横幅(X方向の幅)は、第2収容ラック52の横幅よりも小さい。また、第1収容ラック51の奥行幅(Y方向の幅)は、第2収容ラック52の奥行幅に等しい。
本実施形態の排熱分離装置10では、架列R1,R2の前側端部R1a,R2aにおける位置が前後方向で揃っておらず、前側端部R1aが前側端部R2aの後側に位置している。
架列R1,R2の後側端部R1b,R2bは前後方向における位置が揃っていたため、第2遮蔽扉30Bを後側端部R1b,R2bに直接取り付けることができる。これに対し、第1遮蔽扉30Aを取り付ける架列R1,R2の前側端部R1a,R2aは前後方向における位置が揃っていないため、第1遮蔽扉30Aを前側端部R1a,R2aに直接取り付けることはできない。
本実施形態の排熱分離装置10においては、遮蔽扉取付部材40を用いて第1遮蔽扉30Aを架列R1,R2の前側端部R1a,R2aに取り付けている。遮蔽扉取付部材40としては、架列R1,R2の前側端部R1a,R2aの位置ずれ量に対応した幅の部材が用いられる。
具体的に、第1遮蔽扉30Aを構成するレール部30aの一方は、遮蔽扉取付部材40を介して第1架列R1の前側端部R1a(第1収容ラック51)に取り付けられる。第1遮蔽扉30Aを構成するレール部30aの他方は、第2架列R2の前側端部R2a(第2収容ラック52)に直接取り付けられている。
遮蔽扉取付部材40は、第1部材41と、第2部材42とを有する。第1部材41及び第2部材42は略L字状に配置されている。
第1部材41は第1架列R1の前側端部R1aに位置する第1収容ラック51に取り付けられる。第1部材41は前後方向及び上下方向における第1遮蔽扉30Aの支持位置を規定する角柱状の部材である。第1部材41における奥行幅(Y方向の幅)は例えば600mm以上に設定される。第1部材41は、前側端部R1aとの連結に用いられる連結部45を有している。
第1部材41は所定の剛性を有する例えば金属等で構成される。第1部材41は、その上面41aに、第1遮蔽扉30Aを構成するレール部30aの一方を取り付けるためのレール取付用ねじ穴41a1を有している。レール取付用ねじ穴41a1はレール部30aの取付金具32に対応した位置に形成されている。取付金具32はねじ部材14を介してレール部30aに取り付けられる。
レール部30aは、取付金具32に挿入したねじ部材16をレール取付用ねじ穴41a1に締め込むことで、第1部材41に取り付けられる。第1部材41は、前側端部R1aに位置する第1収容ラック51の側面51bに接触した状態で取り付けられる。
第1部材41の横幅(前後方向の幅)は、架列R1,R2の前側端部R1a,R2aの前後方向における位置のずれ量と同じ値に設定される。第1部材41の横幅は、架列R1,R2を構成する複数の収容ラック3の最小幅(600mm)よりも狭く、例えば50~300mmに設定される。本実施形態において、第1部材41は収容ラック3よりも薄い部材、すなわち、収容ラック3とは別の構造物で構成された部材で構成されている。
具体的に、第1部材41は、レール取付用ねじ穴41a1の前後方向における位置と、前側端部R2aに位置する第2収容ラック52の上面52aに形成されたレール部取付用ねじ穴52a1の前後方向における位置と、を一致させる。これにより、第1部材41に取り付けられるレール部31aの前後方向における位置が、第2収容ラック52に取り付けられるレール部31aの前後方向における位置に一致する。よって、第1遮蔽扉30Aを構成する一対のレール部30aの位置が前後方向で一致するので、一対のレール部30aに支持された扉部30bは互いの端部同士を突き合わせて通路4を覆うスライド扉を構成することができる。
本実施形態の排熱分離装置10においては、第1収容ラック51及び第2収容ラック52の上面51a,52a間に跨るように遮蔽パネル20が設けられている。
第1収容ラック51の上面51aと第1部材41の上面41aとを合わせた横幅(X軸方向の幅)は、第2収容ラック52の上面52aの横幅に一致している。そのため、本実施形態の排熱分離装置10においては、第1収容ラック51及び第2収容ラック52の上面51a,52a間を跨ぐ遮蔽パネル20として、第2収容ラック52の横幅に対応した遮蔽パネル20を兼用できる。第1部材41は、遮蔽パネル20を支持するパネル支持部60を有する。そのため、第1部材41は、第2収容ラック52の横幅に対応した遮蔽パネル20を支持することができる。
図6は第1部材41の連結部45の構成を示す要部拡大図である。
図6に示すように、連結部45は、連結金具46と、位置調整機構47と、を含む。連結金具46は略L字状断面を有する板金部材で構成される。連結金具46は、第1部材41と架列R1の前側端部R1aとを連結する。具体的に、連結金具46は第1収容ラック51の上面51aに形成されたレール部取付用ねじ穴51a1にねじ部材17により固定される(図5参照)。位置調整機構47は、連結金具46の取付位置を調整可能な機構である。
位置調整機構47は、通路4の幅方向に沿って連結金具46を移動可能に保持するレール部48を有する。レール部48は、上下方向に沿って並んで配置された複数のレール48aを含む。連結金具46は、例えば、レール48aに移動可能に設けられたコマ部材48bにねじ部材18を締め込むことでレール48aの長さ方向における位置が固定される。
例えば、第1部材41を介してレール部30aの一方を取り付ける第1収容ラック51の奥行幅が、レール部30aの他方を直接取り付ける第2収容ラック52の奥行幅と異なる場合も考えられる。この場合、第1収容ラック51の上面51aに形成されたレール部取付用ねじ穴51a1の間隔は、第2収容ラック52の上面52aに形成されたレール部取付用ねじ穴52a1の間隔と異なる。
本実施形態の第1部材41によれば、仮に第1収容ラック51の奥行幅と第2収容ラック52の奥行幅とが異なる場合でも、位置調整機構47のレール48aに沿って連結金具46の位置を移動させることで、第1収容ラック51の上面51aに形成されたレール部取付用ねじ穴51a1に連結金具46の位置を調整することができる。
したがって、第1部材41は第1収容ラック51の上面51aに形成されるレール部取付用ねじ穴51a1の位置が変化する場合でも、連結金具46の位置を上記位置調整機構47で調整することで、第1架列R1の前側端部R1aに第1部材41(連結金具46)を確実に取り付けできる。
また、位置調整機構47は、連結金具46を取り付けるレール48aの高さを変更することで、第1収容ラック51の上面51aに対するレール部48の高さを調整可能である。すなわち、レール部48は、高さの調整によって、第1収容ラック51の上面51aよりも上側あるいは下側に位置するようになる。
位置調整機構47によれば、第1収容ラック51の上面51aに対するレール部48の高さを調整することで、レール部30aを取り付ける第1部材41の上面41aの高さを第1収容ラック51の上面51aに対して調整することができる。すなわち、位置調整機構47はレール部30aを支持する高さを調整できる。
第1部材41に取り付けられた扉部30bは第1収容ラック51の側面51bから離れた位置に設けられる。そのため、第1収容ラック51の側面51bと扉31bとの間に隙間が生じる。本実施形態の遮蔽扉取付部材40は、第1収容ラック51の側面51bと扉31bとの隙間を覆う第2部材42を有している。第2部材42は隙間により外部に連通する通路4を覆う。
第2部材42は断面が略L字型または角柱状の部材である。第2部材42の横幅は第1部材41の横幅と同一に設定されており、架列R1,R2を構成する複数の収容ラック3の最小幅よりも狭い。本実施形態において、第2部材42は収容ラック3よりも薄い部材、すなわち、収容ラック3とは別の構造物で構成された部材で構成されている。第2部材42は上下方向に延びるように前側端部R1aに取り付けられている。なお、第2部材42は、第1部材41と一体に構成されてもよいし、第1部材41と別体で構成されてもよい。第2部材42の下部は、収容ラック3と同様、床1に対してボルト(不図示)で固定される。
第2部材42と第1部材41とは当接している。なお、第2部材42と第1部材41との間にスポンジ部材を挟んでもよい。これにより、第1部材41と第2部材42との間に生じる隙間を無くすことができる。
第2部材42の下端には、ガイド部材44(図5参照)が設けられている。ガイド部材44は、第1遮蔽扉30Aを構成する一方の扉部30bの下端部に生じる前後方向の振れを抑制する。
遮蔽扉取付部材40を用いて第1架列R1の前側端部R1aに取り付けられたレール部31aに支持された扉31bは、通路4の前側の左半分を隙間なく覆うことができる。
また、上述のように第1遮蔽扉30Aを構成する他方(右側)の扉部30bを支持するレール部30aは架列R2の前側端部R2aに直接取り付けられている。すなわち、レール部30aの取付金具31b1は、架列R2の前側端部R2aに位置する第2収容ラック52の上面52aに形成されたレール部取付用ねじ穴52a1にねじ部材17を介して固定される。よって、後側端部R2bに取り付けられたレール部30aに支持される扉部30bは通路4の前側の右半分を隙間なく覆うことができる。
なお、第2収容ラック52の下端には、ガイド部材44が設けられている。ガイド部材44は、第1遮蔽扉30Aを構成する他方の扉部30bの下端部に生じる前後方向の振れを抑制する。
以上のように本実施形態の遮蔽扉取付部材40によれば、架列R1,R2の端部(前側端部R1a,R2a)の位置に前後方向(第1方向)のずれが生じた場合でも、遮蔽扉30を容易に取り付けることができる。
よって、本実施形態の排熱分離装置10によれば、用途に応じて架列R1,R2の構成を変更した際に前側端部R1a,R2aの位置にずれが生じた場合でも、遮蔽扉取付部材40を用いることで遮蔽扉30を容易に取り付けできる。
また、本実施形態の排熱分離装置10においては、第1遮蔽扉30A及び第2遮蔽扉30Bにより通路4の前後方向の両端を隙間なく覆うので、通路4内の冷却空気の流通部と通路4の外側の温熱空間の流通部とを良好に分離することができる。
したがって、本実施形態の電算機室空調システム100によれば、架列R1,R2の構成を変更した場合に遮蔽扉30を容易に取り付けできる排熱分離装置10を備えている。そのため、本実施形態の電算機室空調システム100によれば、架列R1,R2の構成変更に容易に対応可能な汎用性に優れた付加価値の高いシステムを提供できる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係る排熱分離装置の構成について説明する。第1実施形態と本実施形態との違いは遮蔽扉取付部材の構成である。そのため、以下の説明では第1実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、詳細な説明については省略する。
図7は本実施形態の排熱分離装置210における架列R1,R2の前側端部を拡大して示した図である。図7では図を見やすくするため、架列R1,R2の前側端部R1a,R2aに取り付けられる第1遮蔽扉30Aの図示を省略している。
第1実施形態の排熱分離装置10では、架列R1の前側端部R1aが架列R2の前側端部R2aよりも後側に位置し、前側端部R1a,R2aの高さが揃っていた。これに対して、本実施形態の排熱分離装置210では、図7に示すように、前側端部R1a,R2aの前後方向の位置がずれるとともに、前側端部R1a,R2aの高さもずれている。具体的に、前側端部R1aは前側端部R2aよりも上側に配置されている。すなわち、本実施形態の排熱分離装置210においては、架列R2の前側端部R2aに位置する第2収容ラック52として第1実施形態の第2収容ラック52よりも高さの低いラックを用いている。
本実施形態の排熱分離装置210では、遮蔽扉取付部材140を用いて第1遮蔽扉30Aを架列R1,R2の前側端部R1a,R2aに取り付けている。本実施形態の遮蔽扉取付部材140は、第1部材41と、第2部材42と、第3部材43とを有する。
第1遮蔽扉30Aを構成する一方(左側)のレール部30aは、第1実施形態と同様、第1部材41を介して架列R1の前側端部R1aに取り付けられている。
本実施形態の排熱分離装置210では、架列R2の前側端部R2aに位置する第2収容ラック52の上面(第2上面)52aに第3部材43が取り付けられている。第3部材43は、第1収容ラック51の上面51aと第2収容ラック52の上面52aとの高さを揃える部材である。
第3部材43は、枠状の上板部143aと、枠状の下板部143bと、上板部143a及び下板部143bの外周部同士を接続する側板部143cとを有する。上板部143aの上面144には、レール部31aを取り付けるためのレール取付用穴144aが形成されている。
下板部143bには複数の貫通孔145が形成されている。貫通孔145は、第2収容ラック52の上面52aに設けられたねじ穴(不図示)に対応する位置に形成されている。上板部143aは枠状であるため、第3部材43を第2収容ラック52上に設置した状態においても、上板部143aの開口146を介して下板部143bの貫通孔145に容易にアクセスできる。そのため、第2収容ラック52に対して第3部材43をねじ部材147で容易に固定可能である。また、第3部材43は、上板部143a及び下板部143bを枠状とすることで軽量化が図られる。
本実施形態の遮蔽扉取付部材140においては、第3部材43における上板部143aの上面144に遮蔽パネル20の一端が取り付けられる。
本実施形態において、第1遮蔽扉30Aを構成する他方(右側)の扉部30bを支持するレール部30aは架列R2の前側端部R2aに位置する第2収容ラック52の上面52aに固定された第3部材43に取り付けられる。レール部30aの取付金具31b1は、第3部材43の上板部143aに形成されたレール取付用穴144aにねじ部材16を介して固定可能である。
本実施形態の遮蔽扉取付部材140によれば、第2収容ラック52の上面52aに第3部材43を取り付けることで、架列R1の前側端部R1a及び架列R2の前側端部R2aの高さを揃えることができる。よって、第3部材43に取り付けられたレール部30aに支持された扉部30bは、第1部材41に取り付けられたレール部30aに支持された扉部30bに当接するので、通路4の前側を隙間なく覆う第1遮蔽扉30Aを構成できる。
以上のように本実施形態の遮蔽扉取付部材140によれば、架列R1,R2の端部(前側端部R1a,R2a)の位置及び高さにずれが生じた場合でも、第1遮蔽扉30Aを容易に取り付けることができる。
また、本実施形態の排熱分離装置210によれば、用途に応じて架列R1,R2の構成の変更を行った際に架列R1,R2の前側端部R1a,R2aの位置及び高さにずれが生じた場合でも、遮蔽扉取付部材140を用いることで遮蔽扉30を容易に取り付けできる。
上記第2実施形態においては、第1収容ラック51の上面51aよりも第2収容ラック52の上面52aが低い場合を例に挙げたが、第1収容ラック51の上面51aよりも第2収容ラック52の上面52aが高くてもよい。
この場合、第1収容ラック51の上面51aに取り付けた第3部材43によって架列R1,R2の前側端部R1a,R2aの高さを揃え、第1部材41を第3部材43に取り付けてもよい。例えば、上面51a及び上面52aの高さの差が第1部材41の連結部45(位置調整機構47)における高さ調整幅よりも小さい場合、第3部材43の代わりに連結部45の高さ調整機能を用いてもよい。
図8は変形例に係る遮蔽扉取付部材240の要部構成を示す断面図である。図8に示す遮蔽扉取付部材340は第2実施形態の遮蔽扉取付部材140の変形例である。
図8に示すように、遮蔽扉取付部材240は、第3部材43に設けられたファン61と、制御部62とをさらに備える。第3部材43の側板部143cには、通路4に面する部分に開口149が形成されている。ファン61は開口149に取り付けられる。なお、通路4の前後方向に沿って開口149を複数形成し、各開口149にファン61を配置してもよい。
制御部62は、通路4内に設置した不図示の圧力センサーの出力結果に基づいてファン61の駆動を制御する。具体的に、制御部62は、通路4の内外の圧力差を無くすようにファン61の回転を制御する。本変形例の遮蔽扉取付部材230によれば、ファン61の回転を制御することで通路4の内外の圧力差を小さくできる。
なお、通路4に面する第2部材42の側面に開口を形成し、開口内にファン61を設置することで通路4の内外の圧力差を無くすようにしてもよい。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、遮蔽扉30として一対の扉部30bの端部同士を突き合わせるスライド扉を例に挙げたが、1枚の扉部30bを左右方向に移動させるスライド扉を採用してもよい。1枚の扉部30bのみを移動させる場合、扉部30bを支持するレール部30aは第1部材41のみに取り付けられる。
また、上記実施形態においては、空気調和装置11から吹き出された冷却空気を二重床2の下方の内部空間5を介して通路4内に導入する場合を例に挙げたが、空気調和装置11からの冷却空気を排熱分離装置10の外部(電算機室101内)に供給し、収容ラック3から排気された温熱空気を通路4内に導入してもよい。
また、上記実施形態の電算機室空調システム100においては、情報処理機器7を冷却した温熱空気を収容ラック3の背面に設けた排気面3cから排出する背面排気方式を例に挙げたが、収容ラック3の上面に排気面3cを設ける上面排気方式を採用してもよい。
また、上記実施形態の電算機室空調システム100においては、第1架列R1の前側端部R1aに遮蔽扉取付部材40を用いて第1遮蔽扉30Aを構成する一方の扉部30bを取り付ける場合を例に挙げたが、第2架列R2の前側端部R2aが第1架列R1の前側端部R1aよりも後側に位置する場合、前側端部R2aに遮蔽扉取付部材40を用いて第1遮蔽扉30Aを構成する他方の扉部30bを取り付けてもよい。また、第1遮蔽扉30Aを構成する一対の扉部30bの両方の取り付けに遮蔽扉取付部材を用いてもよい。
3…収容ラック、3a,41a,51a,52a,144…上面、4…通路、6,11…空気調和装置、7…情報処理機器、10,110,210…排熱分離装置、20…遮蔽パネル、30…遮蔽扉、30a,31a,48…レール部、31b…扉、40,140,230,240,340…遮蔽扉取付部材、41…第1部材、42…第2部材、43…第3部材、44…ガイド部材、46…連結金具、47…位置調整機構、48a…レール、51…第1収容ラック、52…第2収容ラック、60…パネル支持部、100…電算機室空調システム、101…電算機室、R,R1,R2…架列、R1…第1架列、R2…第2架列。

Claims (9)

  1. 情報処理機器を収容する複数の収容ラックを第1方向に沿って配置するとともに互いに対向配置される第1架列及び第2架列と、前記第1架列及び第2架列の間に設けられる通路と、前記通路の前記第1方向の端部を覆う遮蔽扉と、を備える排熱分離装置に、前記遮蔽扉を取り付ける遮蔽扉取付部材であって、
    前記第1架列における第1方向一方側の第1架列端部に取り付けられ、前記第1方向及び上下方向における前記遮蔽扉の支持位置を規定する第1部材と、
    前記第1架列端部に取り付けられ、前記第1架列端部と前記遮蔽扉との隙間を覆う第2部材と、を有し、
    前記第1部材は、前記第1部材と前記第1架列端部とを連結する連結金具と、前記連結金具の位置を調整可能な位置調整機構と、を含む
    ことを特徴とする遮蔽扉取付部材。
  2. 前記第1架列の前記第1架列端部に位置する第1収容ラックの上面、又は、前記第2架列における前記第1方向一方側の第2架列端部に位置する第2収容ラックの上面、に取り付けられ、前記第1架列端部及び前記第2架列端部の高さを揃える第3部材を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮蔽扉取付部材。
  3. 前記第1部材及び前記第2部材の前記第1方向の幅は、前記複数の収容ラックの前記第1方向における最小幅よりも狭い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遮蔽扉取付部材。
  4. 前記第1部材は、前記通路の上面を覆う遮蔽パネルを支持するパネル支持部を有する
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の遮蔽扉取付部材。
  5. 前記位置調整機構は、前記第1方向に直交する第2方向における前記連結金具の位置を調整可能に保持するレール部を有する
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の遮蔽扉取付部材。
  6. 前記レール部は、上下方向に沿って並んで配置された複数のレールを含む
    ことを特徴とする請求項5に記載の遮蔽扉取付部材。
  7. 前記遮蔽扉は前記第1方向に直交する第2方向に沿ってスライド移動するスライド扉であり、
    前記第2部材は、前記遮蔽扉のスライド移動をガイドするガイド部材を有している
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の遮蔽扉取付部材。
  8. 情報処理機器を収容する複数の収容ラックを第1方向に沿って配置するとともに互いに対向配置される第1架列及び第2架列と、
    前記第1架列及び第2架列の間に設けられる通路と、
    前記通路の前記第1方向の端部を覆う遮蔽扉と、
    請求項1~7のいずれか一項に記載の遮蔽扉取付部材と、を備える
    ことを特徴とする排熱分離装置。
  9. 請求項8に記載の排熱分離装置と、
    前記情報処理機器を冷却するための冷却空気を前記排熱分離装置に供給する空気調和装置と、を備える
    ことを特徴とする電算機室空調システム。
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