JP7352944B2 - 除電体 - Google Patents

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Description

本発明は、除電体に関する。
直径0.1~180デニールの導電性繊維を含むシートからなる長手方向に延びるテープの1長辺に多数の凸部を形成するとともに、各凸部の先端部に少なくとも1本の導電性繊維を0.1~10mmの長さだけ飛び出させてなる除電具材料が知られている(特許文献1)。
不織布、又は織布から成る布の一側面に、電子伝導剤とイオン伝導剤と造膜剤とを含む溶液又は溶剤を塗布した第1導電層を設けた導電性除電布も知られている(特許文献2)。
特開2003-109793号公報 特開2003-225961号公報
本発明は、高い除電効果を維持しながら、導電性繊維の使用量を減らすことができる除電体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1記載の除電体は、
移動する被除電体に近接して配置され前記被除電体を近接放電により除電する除電体であって、
第1の方向に延在し導電糸と非導電糸の組からなる第1の組の糸、及び前記第1の方向とは交差する第2の方向に延在し非導電糸からなる第2の組の糸が織り込まれ、前記導電糸が前記除電体の表面において少なくとも16%以上にわたり露出する
ことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の除電体において、
前記第1の組の糸が1本の前記導電糸と2本の前記非導電糸の組からなり、前記第2の組の糸が前記非導電糸の組からなり、前記第1の組の糸と前記第2の組の糸が綾織りで織り込まれ、前記導電糸が前記除電体の表面において少なくとも23%以上にわたり露出する、
ことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1又は2に記載の除電体において、
前記非導電糸がポリエステル系フィラメント糸であり、前記第1の組の糸及び前記第2の組の糸は、前記被除電体と向かい合う表面が開繊処理されている、
ことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の除電体において、
前記被除電体と向かい合う表面と反対側の裏面に水溶性の導電性を有するエマルションを塗布して形成されたコーティング層が設けられている、
ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、高い除電効果を維持しながら、導電糸の使用量を減らすことができる。
請求項2に記載の発明によれば、高い除電効果を維持しながら、導電糸の使用量をより減らすことができ、また、平織りに比べ凹部が少ない構造となることで除電むらを小さくすることができる。
請求項に記載の発明によれば、非導電糸の起毛量を抑制して起毛された導電糸の除電作用をより高ることができる。
請求項に記載の発明によれば、除電体の幅方向及び長さ方向の全体に亘って導電性を付与することができる。
本実施形態に係る除電体の織組織状態を示す正面図である。 (a)は複数の経糸が導電糸のみで構成されている除電体を示す組織図であり、(b)は緯糸が導電糸のみ、経糸が非導電糸で構成されている除電体を示す組織図である。 (a)は経糸が2本が導電糸、2本が非導電糸の組からなり、緯糸が非導電糸からなる変形例1に係る除電体を示す組織図、(b)は経糸が1本が導電糸、2本が非導電糸の組からなり、緯糸が非導電糸からなる変形例1に係る除電体を示す組織図である。 変形例2に係る除電体の組織図を示し、(a)は経糸が1本が導電糸、2本が非導電糸の組からなり、緯糸が非導電糸からなる除電体を示す組織図、(b)は経糸が1本が導電糸、2本が非導電糸の組からなり、緯糸が非導電糸からなる除電体を示す組織図である。 起毛処理を説明するための模式図である。 コーティング層を有する除電体の断面模式図である。 (a)は被除電体に近接して配置された経糸が導電糸のみ、緯糸が非導電糸で構成されている除電体が被除電体に近接して配置された状態を示す模式図、(b)は綾織りされた導電糸及び非導電糸からなる除電体が被除電体に近接して配置された状態を示す模式図である。 本実施形態に係る除電体が用いられる一例としての画像形成装置の画像形成部を示す断面模式図である。
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
(1)除電体の構成
図1は本実施形態に係る除電体1の織組織状態を示す正面図、図2(a)は複数の経糸11が導電糸1aのみで構成されている除電体1を示す組織図であり、(b)は緯糸12が導電糸1aのみ、経糸11が非導電糸1bで構成されている除電体1を示す組織図、図3(a)は経糸11が2本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、緯糸12が非導電糸1bからなる変形例1に係る除電体1Aを示す組織図、(b)は経糸11が1本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、緯糸12が非導電糸1bからなる除電体1Aを示す組織図、図4(a)は経糸11が1本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、緯糸12が非導電糸1bからなる変形例2に係る除電体1Bを示す組織図、(b)は経糸11が1本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、緯糸12が非導電糸1bからなる除電体1Bを示す組織図である。
(1.1)除電体の全体構成
図1に示すように、除電体1は、第1の方向に延在する第1の組の糸の一例としての複数の経糸11と、第1の方向とは交差する第2の方向に延在する第2の組の糸の一例としての連続した一本の緯糸12とで製織された布状織物であって、ニードル織機、シャトル織機、又は、レピア織機等を用いて製織された平織りの織物である。
本実施形態においては、織り速度が速く織口が安定してほつれの発生の虞がない、ニードル織機を用いて製織した。
(1.2)導電糸の配置
複数の経糸11又は緯糸12は、少なくとも導電糸1aで構成されている。導電糸1aは導電性繊維を撚り加工して束ねることにより形成されている。導電性繊維としては炭素繊維の他に、ステンレス繊維等の金属繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維等の再生繊維に導電性を付与した繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維に導電性を付与した繊維等が挙げられる。
再生繊維、合成繊維等といった導電性を有していない繊維に導電性を付与する方法としては、原糸段階において導電性物質を練り込む方法と、紡糸後に導電性物質を含む加工液によって繊維表面を被覆する方法とがある。このような導電性物質としては、銀、銅、ニッケル等の金属、酸化亜鉛、酸化錫等の金属化合物、炭素等の微粒子が挙げられる。
本実施形態における導電性繊維には、その表面に銅を被覆した導電性のアクリル繊維(日本蚕毛染色(株)製の商品名サンダーロン)、炭素を練り込んだ導電性のアクリル繊維(東レ(株)製の商品名SA-7)、ステンレス繊維(日本精綿(株)製の商品名ナスロン)、炭素繊維(東邦レーヨン(株)製の商品名ベスファイト)が適宜選択され、比抵抗が10-2~10(Ωcm)の導電性を有する導電糸として使用される。
本実施形態においては、導電糸1aとして綿番手52/4のサンダーロン紡績糸を使用した。
本実施形態においては、複数の経糸11又は緯糸12が導電糸1aを含んで構成される場合、導電糸1aを含まない非導電糸1bとしての緯糸12又は経糸11は、耐久性、柔軟性が高い繊維により形成されている。このような条件を満たす繊維としては、レーヨン繊維、キュプラ繊維等の再生繊維、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル等から形成される合成繊維、綿等の天然繊維等が挙げられる。本実施形態においては、非導電糸1bとして、綿番手30/2又は20/2のポリエステル系紡績糸が用いられている。尚、非導電糸1bとしては、紡績糸に比べて毛羽の発生が少ない綿番手235T/48×2のポリエステル系フィラメント糸を用いてもよい。フィラメント糸とすることで、後述するように除電体1に起毛処理を施した際に、紡績糸に比べて非導電糸1bの起毛量を抑制して起毛された導電糸1aの除電作用をより高めることができる。
このように構成される除電体1の複数の経糸11又は緯糸12は、導電糸1aのみで構成されている。図2は複数の経糸11が導電糸1aのみで構成されている除電体1を組織図で示している。複数の経糸11が導電糸1aのみ、緯糸12が非導電糸1bで構成されている除電体1は、図2(a)に示すように、例えば除電体1の長手方向を経糸11の第1の方向とした場合、導電糸1aが除電体1の表面において50%にわたり露出する。これにより、除電体1の表面を被除電体Sと向き合う面として被除電体Sに対向させた場合、高い除電効果を得ることができる。
緯糸12が導電糸1aのみ、経糸11が非導電糸1bで構成されている除電体1は、図2(b)に示すように、例えば除電体1の長手方向を経糸11の第1の方向とした場合、導電糸1aが除電体1の表面において50%にわたり露出する。これにより、除電体1の表面を被除電体Sと向き合う面として被除電体Sに対向させた場合、高い除電効果を得ることができる。
「変形例1」
図3は変形例1に係る除電体1Aの組織図を示し、(a)は第1の組の糸としての経糸11が2本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、第2の組の糸としての緯糸12が非導電糸1bからなる除電体1Aを示す組織図、(b)は第1の組の糸としての経糸11が1本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、第2の組の糸としての緯糸12が非導電糸1bからなる除電体1Aを示す組織図である。
除電体1Aは、第1の組の糸、又は第2の組の糸が、平織りされた導電糸1a及び非導電糸1bからなり、導電糸1aの割合が30%以上である。具体的には、図3(a)に示すように、第1の組の糸としての経糸11が、2本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、第2の組の糸としての緯糸12が非導電糸1bからなる場合、経糸11における導電糸1aの比率は50%であり、導電糸1aが除電体1Aの表面において25%にわたり露出する。
これにより、除電体1Aの表面を被除電体Sと向き合う面として被除電体Sに対向させた場合、高い除電効果を維持しながら、導電糸1aの使用量を減らすことができる。
図3(b)に示すように、第1の組の糸としての経糸11が、1本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、第2の組の糸としての緯糸12が非導電糸1bからなる場合、経糸11における導電糸1aの比率は33%であり、導電糸1aが除電体1Aの表面において16%以上にわたり露出する。
これにより、除電体1Aの表面を被除電体Sと向き合う面として被除電体Sに対向させた場合、高い除電効果を維持しながら、導電糸1aの使用量を減らすことができる。
尚、除電体1Aは、導電糸1aの割合が30%以下であってもよい。その場合、導電糸1aの除電体1Aの表面における露出が少なくなり、除電効果は低下するものの材料コストを抑えることができる。
「変形例2」
図4は変形例2に係る除電体1Bの組織図を示し、(a)は第1の組の糸としての経糸11が1本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、第2の組の糸としての緯糸12が非導電糸1bからなる除電体1Bを示す組織図、(b)は第1の組の糸としての経糸11が1本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、第2の組の糸としての緯糸12が非導電糸1bからなる除電体1Bを示す組織図である。
除電体1Bは、第1の組の糸、又は第2の組の糸が、綾織りされた導電糸1a及び非導電糸1bからなり、導電糸1aの割合が30%以上である。具体的には、図4(a)に示すように、第1の組の糸としての経糸11が、1本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、第2の組の糸としての緯糸12が非導電糸1bからなる場合、経糸11における導電糸1aの比率は30%以上であり、2-1綾織りで導電糸1aが除電体1Bの表面において23%以上にわたり露出する。
これにより、除電体1Bの表面を被除電体Sと向き合う面として被除電体Sに対向させた場合、高い除電効果を維持しながら、導電糸1aの使用量を減らすことができる。
図4(b)に示すように、第1の組の糸としての経糸11が、1本が導電糸1a、2本が非導電糸1bの組からなり、第2の組の糸としての緯糸12が非導電糸1bからなる場合、経糸11における導電糸1aの比率は30%以上であり、3-1綾織りで導電糸1aが除電体1Aの表面において26%以上にわたり露出する。
これにより、除電体1Aの表面を被除電体Sと向き合う面として被除電体Sに対向させた場合、高い除電効果を維持しながら、導電糸1aの使用量を減らすことができる。
変形例2に係る除電体1Bは、綾織りとすることで導電糸1aが長い距離で表面に露出るようになり、除電体1Bの表面を被除電体Sと向き合う面として被除電体Sに対向させた場合、高い除電効果を維持しながら、平織りに比べて導電糸1aの使用量をより減らすことができる。また、平織りに比べ凹部が少ない構造となることで除電むらを小さくすることができる。
尚、除電体1Bは、導電糸1aの割合が30%以下であってもよい。その場合、導電糸1aの除電体1Bの表面における露出が少なくなり、除電効果は低下するものの材料コストを抑えることができる。
(1.3)起毛処理
図5は起毛処理を説明するための模式図である。
第1の方向に延在する複数の経糸11と、第1の方向とは交差する第2の方向に延在する連続した一本の緯糸12とで製織された除電体1の表面は、図5に示すような開繊装置30を使用することによって開繊処理が施され、経糸11及び緯糸12の表面がそれぞれ起毛される。
具体的には、開繊装置30は、略円柱状をなす支持体31と、支持体31の周面から立設された複数のパイル32aとから形成されたブラシローラ32を有している。
ブラシローラ32は、パイル32aがφ0.1~0.2mmのモノフィラメント糸からなり、パイル32aを除電体1の表面に摺接させながら回転することができるように配設されている(図5中 矢印R1参照)。
そして、このブラシローラ32が回転し、そのパイル32aで経糸11及び緯糸12を引っ掻くことにより、除電体1の表面は起毛される。
パイル32aで引っ掻かれ、表面の一部が切断された経糸11及び緯糸12は、切断された上端部で各繊維同士の間隔が広がることにより開繊されて除電体1の表面上に起毛された起毛糸22となる。
この除電体1の表面上に起毛された起毛糸22は、導電糸1aを含み、起毛された導電糸1aが被除電体Sと近接するように向かい合い、表面が起毛されていない構成に比べて、より高い除電効果を得ることができる。ここで、起毛処理により、導電糸1a及び非導電糸1bのいずれも起毛されるが、先述のように、非導電糸1bにポリエステル系フィラメント糸を使用することで、紡績糸に比べて非導電糸1bの起毛量を抑制することができる。これにより、除電体1の表面は非導電糸1bに比べて導電糸1aが起毛された状態となり、除電作用をより高めることができる。
(1.3)コーティング層
図6はコーティング層を有する除電体1の断面模式図である。
図6(a)に示すように、このように構成される除電体1の被除電体Sと向かい合う表面と反対側の裏面には、合成樹脂製のコーティング剤によって形成されたコーティング層13が設けられている。
コーティング層13を形成するコーティング剤としては、導電性を有するエマルジョンが用いられ、除電体1を構成する経糸11、緯糸12同士の間に含浸されることで、経糸11、緯糸12がほつれることを抑制するとともに、除電体1の幅方向及び長さ方向の全体に亘って導電性を付与している。
導電性を有するエマルジョンとしては、例えばアクリル樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョンなどの水溶性の合成樹脂材料が挙げられる。
除電体1の裏面にコーティング剤を塗布する方法は特に限定されるものでなく、例えば、ナイフコーティング法、ロールコーティング法、スプレーコーティング法などを挙げることができる。次いで、熱処理することにより、コーティング層13を形成することができる。
図6(b)に示すように、コーティング層13の裏面には両面テープ等からなる貼付層14が設けられており、この貼付層14により除電体1が被除電体Sに向かい合うように被取付体に取り付けられる。被取付体としては、例えば、後述する被除電体Sの一例としての記録媒体が用いられる画像形成装置が挙げられる。
(1.4)除電作用
図7(a)は被除電体Sに近接して配置された経糸11が導電糸1aのみ、緯糸12が非導電糸1bで構成されている除電体1が被除電体Sに近接して配置された状態を示す模式図、(b)は綾織りされた導電糸1a及び非導電糸1bからなる除電体1Bが被除電体Sに近接して配置された状態を示す模式図である。
図7(a)に示すように、除電体1は、近接又は接触して相対移動する被除電体Sの幅Wに合わせて長手方向Y、幅方向Xのシート状に形成されて、被除電体Sと近接して配置される。例えば、被除電体Sが画像形成装置において使用される記録媒体である用紙Sである場合、用紙Sは搬送によって帯電することが知られている。このように帯電して相対移動する用紙Sに所定の間隙Gを保持して除電体1を近接配置することで、用紙Sの電荷が除電体1の導電糸1aに向かって流れ(近接放電)用紙Sが除電される。
除電体1が起毛されている場合には、導電糸1aを含む起毛糸22が、用紙Sの移動面に接触することで、より高い除電効果を得ることができる。
図7(b)に示すように、除電体1Bが導電糸1aと非導電糸1bとが綾織りされている場合には、導電糸1aの使用量を抑制しながら、被除電体Sとしての用紙Sの幅方向において、導電糸1aが隙間無く露出しているために、用紙Sの幅方向において除電されない領域の出現を防止することができる。
(2)実施例
以下、本実施形態に係る除電体1の作用について画像形成装置100を利用例に説明する。図8は本実施形態に係る除電体1が用いられる一例としての画像形成装置100の画像形成部を示す断面模式図である。
(2.1)画像形成装置の概略構成と動作
画像形成装置100の画像形成部は、露光装置110、感光体ドラム120、現像装置130、転写ローラ140、用紙搬送装置150、定着装置160、を備えて構成され、画像処理部(不図示)から受け取った画像情報を、給紙装置170から送り込まれた被除電体Sの一例としての用紙S上にトナー画像として形成する。
感光体ドラム120は、露光装置110の下方に設けられ、感光体ドラム120の回転方向に沿って、帯電ローラ122、露光装置110、現像装置130、転写ローラ140、クリーニングブレード123、除電装置124が配置されている。
現像装置130には、感光体ドラム120に対向して配置された現像ローラ132と、現像ハウジング131内のトナーを現像ローラ132側へ供給する供給ローラ133が現像ローラ132に接触配置され、供給ローラ133から現像ローラ132へトナーが供給される。現像ローラ132には、トナーの層厚を規制する層規制ブレード136が接触して配置されている。
回転する感光体ドラム120の表面は、帯電ローラ122により帯電され、画像情報に従って露光装置110から出射する潜像形成光により静電潜像が形成される。感光体ドラム120上に形成された静電潜像は現像ローラ132によりトナー像として現像される。
感光体ドラム120に形成されたトナー像は、所定の転写電圧が印加された転写ローラ140により給紙装置170から送り込まれた用紙S上に転写され、用紙上にトナー像が形成される。
感光体ドラム120表面の残留トナーは、クリーニングブレード123により除去され、廃トナー収容部(不図示)に回収される。感光体ドラム120の表面は、除電装置124により除電された後、帯電ローラ122により再帯電される。
転写ローラ140においてトナー像が転写された用紙Sは、トナー像が未定着の状態で用紙搬送装置150を経由して定着装置160に搬送される。定着装置160に搬送された用紙Sは、圧着と加熱の作用でトナー像が定着される。
このように構成される画像形成装置100の画像形成部においては、本実施形態に係る除電体1が搬送される帯電した用紙Sの除電及び感光体ドラム120の除電に利用される。
以下、画像形成装置100の除電装置として利用される除電体1の作用について説明する。
(2.2)転写前用紙の除電
画像形成装置100においては、画像形成のタイミングに合わせて給紙装置170から1枚ずつ用紙Sが転写ニップ部TRに送り込まれる。用紙Sは、給紙装置170の送り出しローラ171aで送り出された後、搬送ローラ171bと分離ローラ171cによって捌かれて中継ローラ172に送り込まれ、この時点で帯電することがある。そして、案内部173に沿って中継ローラ172でレジストローラ対174に送り込まれるときに、更に案内部173で帯電することがある。
このように、用紙Sが転写ニップ部TRに送り込まれる際に帯電している場合、転写ニップ部TRに突入する前に、感光体ドラム120上のトナーが用紙S上に飛翔する(転写前飛び)ことがある。本実施例においては、案内部173の中継ローラ172とレジストローラ対174の間で除電体1を除電装置10Aとして搬送される用紙Sの裏面側と近接して配置することで、転写ニップ部TRに送り込まれる帯電した用紙Sの電荷を除去して除電することができる。これにより、転写前飛びを抑制することができる。
(2.3)転写後用紙の除電
画像形成装置100においては、転写ニップ部TRで用紙Sに感光体ドラム120上のトナー像を転写するために、用紙Sの裏面側から転写ローラ140で高圧の転写電圧が印加される。そして、トナー像が転写された用紙Sは、転写ローラ140の下流側において、除電針141で除電されるが、除電は完全には行われない場合がある。また、転写後の用紙Sは用紙搬送装置150を介して定着装置160へ搬送される際に帯電することがある。
このように、用紙Sが転写後、定着装置160へ搬送される際に帯電している場合、定着装置160の案内ガイド161に用紙Sが吸着しやすくなり、定着装置160への用紙進入に乱れが発生することがある。本実施例においては、用紙搬送装置150において定着装置160の案内ガイド161の上流側に除電体1を除電装置10Bとして搬送される用紙Sの裏面側と近接して配置することで、定着装置160へ搬送される帯電した用紙Sの電荷を除去して除電することができる。これにより、定着装置160への用紙進入の乱れを抑制することができる。
(2.4)感光体ドラムの除電
画像形成装置100においては、転写後の感光体ドラム120は、残留トナーがクリーニングブレード123により除去され、帯電ローラ122により再帯電されるが、転写ニップ部TRで転写ローラ140によりを感光体ドラム120の帯電極性と逆極性の転写電圧を受けている。
感光体ドラム120の逆極性の帯電は、光の作用では消去できないために、帯電ローラ122の上流側に除電体1を除電装置124として感光体ドラム120と近接して配置することで、帯電ローラ122で再帯電される前に感光体ドラム120の逆極性の電荷を除去して除電することができる。これにより、帯電ローラ122による感光体ドラム120の帯電をより均一に行うことができる。
以上、本発明に係る実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で種々の変更を行うことが可能である。除電体1は、第1の組の糸又は第2の組の糸が、綾織りされた導電糸1a及び非導電糸1bからなる構成に限らず、第1の組の糸又は第2の組の糸が、朱子織りされた導電糸1a及び非導電糸1bからなる構成であってもよい。朱子織りとすることで導電糸1aがより長い距離で表面に露出るようになり、高い除電効果を維持しながら、平織りに比べて導電糸1aの使用量をより減らすことができる。
1、1A、1B・・・除電体
1a・・・導電糸
1b・・・非導電糸
11・・・経糸
12・・・緯糸
13・・・コーティング層
14・・・貼付層
30・・・開繊装置
100・・・画像形成装置
110・・・露光装置
120・・・感光体ドラム
130・・・現像装置
140・・・転写装置
150・・・用紙搬送装置
160・・・定着装置
170・・・給紙装置
S・・・被除電体、用紙

Claims (4)

  1. 移動する被除電体に近接して配置され前記被除電体を近接放電により除電する除電体であって、
    第1の方向に延在し導電糸と非導電糸の組からなる第1の組の糸、及び前記第1の方向とは交差する第2の方向に延在し非導電糸からなる第2の組の糸が織り込まれ、前記導電糸が前記除電体の表面において少なくとも16%以上にわたり露出する
    ことを特徴とする除電体。
  2. 前記第1の組の糸が1本の前記導電糸と2本の前記非導電糸の組からなり、前記第2の組の糸が前記非導電糸の組からなり、前記第1の組の糸と前記第2の組の糸が綾織りで織り込まれ、前記導電糸が前記除電体の表面において少なくとも23%以上にわたり露出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の除電体。
  3. 前記非導電糸がポリエステル系フィラメント糸であり、前記第1の組の糸及び前記第2の組の糸は、前記被除電体と向かい合う表面が開繊処理されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の除電体。
  4. 前記被除電体と向かい合う表面と反対側の裏面に水溶性の導電性を有するエマルションを塗布して形成されたコーティング層が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の除電体。
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