JP7352850B2 - 繊維強化樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させた繊維強化樹脂に関する。
強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂(FRP)は、優れた力学特性、軽量化等の要求特性を満たすことから主に航空、宇宙、スポーツ用途に用いられてきた。これらの代表的な製造方法として、オートクレーブ成形法が知られている。かかる成形法では、強化繊維束群にマトリックス樹脂を予め含浸させたプリプレグを、成形型に積層してオートクレーブにて加熱・加圧し、FRPを成形する。プリプレグを用いると極めて信頼性の高いFRPが得られる利点があるが、製造に高いコストがかかる問題があった。
一方、FRPの生産性に優れる成形法としては、例えばレジン・トランスファー・モールディング成形法(RTM)等の注入成形が挙げられる。RTM成形法は、マトリックス樹脂を予備含浸していないドライな強化繊維束群で構成される強化繊維基材を、成形型に積層して、液状で低粘度のマトリックス樹脂を注入することにより、後からマトリックス樹脂を含浸・固化させてFRPを成形する成形法である。
注入成形法は、FRPの生産性には優れるが、マトリックス樹脂が低粘度である必要があるため、プリプレグに用いられる高粘度のマトリックス樹脂から成形されたFRPに比べて、力学特性を十分に発揮できない場合があった。
上記に対する解決手段として、例えば特許文献1や特許文献2に開示されるように、規定の目付を有する炭素繊維の一方向層と規定の厚みを有する熱可塑性繊維ウェブ(不織布)が合わされている中間材料が提案されている。しかしながら、これらの熱可塑性繊維ウェブを用いた場合、一定の力学特性を発揮することができると開示されているが、成形に用いるエポキシ樹脂の硬化特性によっては、十分な耐衝撃性を発現できないことがあった。
特表2012-506499号公報 特表2008-517812号公報
本発明は、かかる従来技術の課題を解決するものであり、耐衝撃性などの力学特性(特に衝撃後圧縮強度:CAI)に優れる繊維強化樹脂を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させ、加熱硬化することによって成形される繊維強化樹脂であって、
[1]前記強化繊維基材は、(a):強化繊維糸条、(b):強化繊維糸条を並行に引き揃えてなる強化繊維糸条群、(c):(a)または(b)で構成される強化繊維布帛、のうちいずれかより選ばれる強化繊維集合体の、少なくとも片面にポリアミド6、ポリアミド6-6、ポリアミド6-10、ポリアミド12、ポリアミド6-Iから選ばれる少なくとも2つのポリアミド成分を含む共重合ポリアミドからなるポーラス状樹脂材料が配置された強化繊維基材からなり、
[2]前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤からなり、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン[A]が、全エポキシ樹脂成分100質量部に対して70質量部以上100質量部以下含まれているとともに、4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)[B]が、全硬化剤成分100質量部に対して80質量部以上100質量部以下含まれ、かつ、30℃および80℃の樹脂粘度をη30、η80(単位:mPa・s)とするとき、200≦η30/η80≦500、かつ、 50≦ η80≦200を満たすエポキシ樹脂組成物からなることを特徴とする、繊維強化樹脂。
(2)前記ポーラス状樹脂材料を、強化繊維基材に対して1~20重量%の範囲で有している、(1)に記載の繊維強化樹脂。
(3)前記ポーラス状樹脂材料が、不織布形状であり、その繊維径が1~100μmである、(1)または(2)に記載の繊維強化樹脂。
(4)前記ポーラス状樹脂材料中の、ポリアミド12の組成比が5モル%以上99モル%未満の範囲内である、(1)~(3)のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
(5)前記強化繊維糸条群が、複数の強化繊維糸条が並行に引き揃えられたシート状のものである、(1)~(4)のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
(6)前記強化繊維糸条群が、オートメーテッドファイバープレイスメント装置により強化繊維糸状が並行に引き揃え配置されたシート状のものである、(1)~(4)のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
(7)前記強化繊維集合体が、強化繊維糸条を一方向に並行に引き揃えてなる強化繊維糸条群と、強化繊維糸条と交差する方向に延在する、繊度が強化繊維糸条の繊度の1/5以下である補助繊維糸条群とから構成される一方向性織物である、(1)~(4)のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
(8)前記強化繊維集合体が、一方向に配列された前記強化繊維糸条群と、異なる方向に一方向に配列された強化繊維糸条群とから構成される二方向性織物である、(1)~(4)のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
(9)前記強化繊維布帛が、一方向に配列された前記強化繊維糸条群と、異なる方向に一方向に配列された強化繊維糸条群との少なくとも2層以上が交差積層され、繊度が強化繊維糸条の1/5以下である補助繊維糸条群により縫合一体化されたステッチ布帛である、(1)~(4)のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
(10)強化繊維体積含有率が53~65%の範囲であり、SACMA-SRM-2R-94に記載されている衝撃付与後の常温圧縮強度が240MPa以上である、(1)~(9)のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
である。
本発明によれば、耐衝撃性などの力学特性に優れたFRPを得ることができる。
本発明における強化繊維基材の一態様を説明する概略断面図である。 本発明における強化繊維基材の製造装置の一態様を示す概略側面図である。 本発明における強化繊維糸条群の一態様を示す概略斜視図である。 本発明における強化繊維集合体としての一方向性織物の一態様を示す概略斜視図である。 本発明における強化繊維集合体としての二方向性織物の一態様を示す概略斜視図である。 本発明における強化繊維集合体としてのステッチ布帛の一態様を示す概略斜視図である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明における強化繊維基材11の一態様を説明する概略断面図である。この図に示す強化繊維基材11は、強化繊維集合体12の片面に樹脂材料13が配置された後、接着一体化されているものである。
強化繊維基材11は、強化繊維糸条、強化繊維糸条群、または強化繊維糸条もしくは強化繊維糸条群で構成される強化繊維布帛、のうちいずれかより選ばれる強化繊維集合体12の、少なくとも片側表面に樹脂材料13を有することが重要である。かかる樹脂材料13を少なくとも片側表面に存在させることにより、強化繊維基材11の幅や繊維配向などの形態安定性を向上させることができたり、強化繊維糸条群からなるシート状の強化繊維基材11の搬送時などの取扱性を向上させたりすることができる。
また、後述する強化繊維基材11または強化繊維集合体12を積層した積層体(プリフォーム)を得る際の強化繊維集合体12同士の接着性を付与させることができたり、プリフォームに適度な剛性を付与させることができたり、プリフォームの中の強化繊維の目ズレを防止する等の形態安定効果を付与させることができる等、プリフォームの取扱性の向上ができる。
特に、樹脂材料13は、強化繊維集合体12の層間に、後述するマトリックス樹脂を流動、拡散させるスペースを確保(マトリックス樹脂による強化繊維集合体12の層間の塑性変形能の付与)することができたり、樹脂材料13が強化繊維集合体12の層間に発生するクラックのストッパーとなる等、衝撃を受けた時に、強化繊維集合体12の層間の損傷を抑制することができ、特に優れた力学特性(特にCAI)を達成することができるという効果を発現する。その他にも、樹脂材料13がスペーサーとなって、強化繊維集合体12の層間にマトリックス樹脂の流路が確保され、注入成形に供した際にマトリックス樹脂の含浸が容易になるだけでなく、その含浸速度も速くなり、FRPの生産性により優れる、といった効果をも発現する。
かかる樹脂材料13は、強化繊維集合体12と接着し、少なくとも強化繊維集合体12の片側表面に存在していればよく、強化繊維集合体12の内部に存在(強化繊維糸条に浸透)していてもよい。好ましくは、前述の理由で強化繊維集合体12の表面にその50重量%以上、より好ましくは70重量%以上が偏在しているのが好ましい。また樹脂材料13と強化繊維束12とを接着する目的でバインダー成分を含んでいてもよく、例えば樹脂材料13より軟化点の低い熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることも可能である。
また、本発明における強化繊維基材11は、樹脂材料13の形態がポーラス状であるところが重要である。本発明において、「ポーラス状」とは平面上の厚み方向に孔が空いている形状のことをいい、かかる形態のものであれば、強化繊維基材11の厚み方向にマトリックス樹脂や空気の流路が確保できるだけでなく、平面方向の繋がりがあるため、強化繊維糸条を用いた場合の幅安定性の向上や、強化繊維糸条群からなるシート状の強化繊維基材11の搬送時などの取扱性や、また強化繊維糸条群や布帛を用いた場合の基材の形態安定性を向上させることができる。かかるポーラス状の樹脂材料13としては、例えば不織布状、マット状、ネット状、メッシュ状、織物状、編物状、短繊維群状、穿孔フィルム状、多孔フィルム状などが挙げられる。中でも不織布、マットまたはメッシュは安価に入手でき、且つ平面方向にもマトリックス樹脂や空気の流路が形成されているため、上記の効果が高く発現するため好ましい。樹脂材料13が不織布である場合、構成する繊維の形態としては長繊維や短繊維が挙げられ、メルトブロー、スパンボンド、エアレイド、カーディング、抄紙などの方法によって製造されるが、特に限定はされない。また副成分として繊維同士を結着させるためのバインダー成分を含んでいても良い。構成する繊維の繊維径は1μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上80μm未満がより好ましく、10μm以上60μm以下がさらに好ましい。繊維径が1μm未満であると樹脂材料の表面積が大きくなるため、後述する樹脂含浸工程において樹脂の流動が妨げられることがあるため好ましくない。また繊維径が100μmを超えるとFRPとしたときの強化繊維基材層間の厚みが大きくなり、繊維体積含有率(Vf)が低下するため好ましくない。
樹脂材料13は、ポリアミド6、ポリアミド6-6、ポリアミド6-10、ポリアミド12、ポリアミド6-Iから選ばれる少なくとも2つのポリアミド成分を含む共重合ポリアミドであることが重要である。かかる樹脂材料13は、FRP層間に靭性の高い層を形成することができ、力学特性(特にCAI)を高めることができる。
本発明で使用する樹脂材料13は、強化繊維基材11の1~20重量%であることが好ましい。好ましくは2~18重量%、より好ましくは3~16重量%である。樹脂材料13が、前記範囲で配置されていることにより、強化繊維基材11の形態安定性がもたらされ、取扱性に優れた強化繊維基材11を得ることが可能となる。1重量%未満であると強化繊維基材11の取扱性が低下するだけでなく、力学特性(特にCAI)の向上効果が小さくなるため好ましくない。また20重量%を超えると、FRPにしたときの強化繊維体積含有率が低くなりすぎたり、FRPの耐熱性、耐薬品性や圧縮強度が低下する場合があるので好ましくない。
さらに本発明で使用する樹脂材料13の軟化点は80~220℃であることが好ましい。より好ましくは100~200℃、さらに好ましくは120~180℃の範囲である。ここで本発明において軟化点とは、樹脂材料が結晶性ポリマーの場合は融点、非晶性ポリマーの場合はガラス転移温度を指し、示差走査熱量計(DSC)を用いて、JIS K7121(1987)にしたがい10℃/分の昇温速度で測定した値を指す。軟化点が80℃未満であると、FRPの耐熱性が低下するため好ましくない。また軟化点が220℃を超えるとマトリックス樹脂と樹脂材料13の接着性が低下し、FRPの力学特性(特にCAIやILSS[層間剪断強度])が低下する場合がある。すなわち、樹脂材料13の軟化点の上限は、FRP成形時の成形温度より低いことが望ましい。
ここで、前述した樹脂材料13を構成するポリアミド成分のうち、ポリアミド6-Iは非晶性ポリマーであることから、ポリアミド6-Iを含まないか、配合比率が低い場合には、共重合ポリアミドは結晶性ポリマーとなりやすく、逆にポリアミド6-Iが主成分となる場合は非晶性ポリマーとなりやすい。
また樹脂材料13としては、FRPの湿熱条件下での力学特性低下を抑える観点から、吸水率の低いポリアミド12を含有していることが好ましい。したがって樹脂材料13中のポリアミド12の割合は、5モル%以上、好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。ポリアミド12と共重合することのできる樹脂材料としては、ポリアミド6、ポリアミド6-6、ポリアミド4-6、ポリアミド6-10、ポリアミド6-12、ポリアミド6-T、ポリアミド6-I、ポリアミド6-6/6-T、ポリアミド6-6/6-I、ポリアミド6-6/6-T/6-Iなどが挙げられる。とりわけ好ましいものとしては、ポリアミド6、ポリアミド6-6、ポリアミド6-10、ポリアミド12、ポリアミド6-Iを挙げることができ、さらにこれらの樹脂材料を加工性、耐熱性、靭性などの必要特性に応じて混合物として用いることも好適である。
また樹脂材料13が成形時溶融したときに、FRPのマトリックス樹脂との相溶性が低いと、樹脂材料13とマトリックス樹脂との界面において剥離が発生し、力学特性の向上効果が満足に得ることができないことがある。したがって樹脂材料13とマトリックス樹脂との溶解度パラメータ差の絶対値は5以下、好ましくは3以下であることが好ましい。なお樹脂材料13の溶解度パラメータは下記(1)式によって求められる。当該方法は“福本修 編(1988)『ポリアミド樹脂ハンドブック』日刊工業新聞社”に記載されている。
Figure 0007352850000001
上記(1)式において、
M:分子量
ρ:密度
ΔH:アミド基間相互作用
T:温度。
またマトリックス樹脂の溶解度パラメータはフェダーズ(Fedors)の方法により決定される25℃の温度におけるポリマーの繰り返し単位の値により求められる。当該方法は、F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14(2),147(1974)に記載されている。
次に、本発明におけるエポキシ樹脂組成物について説明する。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン[A]が、全エポキシ樹脂成分100質量部に対して70質量部以上100質量部以下含まれているとともに、4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)[B]が、全硬化剤成分100質量部に対して80質量部以上100質量部以下含まれ、かつ、30℃および80℃の樹脂粘度をη30、η80(単位:mPa・s)とするとき、200≦η30/η80≦500、かつ、 50≦ η80≦200を満たすエポキシ樹脂組成物である。
かかる特徴をもつエポキシ樹脂組成物は、上記樹脂材料13との接着性が良好であることから、優れた耐衝撃特性(特にCAI)を発現することができる。
また、成分[A]、[B]が上記質量部含まれ、かつ上記の粘度範囲を満たす樹脂組成物により、従来技術では困難であった冷凍輸送時の取扱性の改善を実現し、かつ常温保持下でも長時間粘度の上昇が抑えられ安定であり、含浸性に優れ、180℃の高温で十分な高速硬化ができる。さらに、成形後の脱型工程の際、樹脂が十分硬化しており、高耐熱性が付与されることで、スムーズに脱型でき、得られるFRPの湿熱時の0°圧縮強度の向上も実現できる。
本発明における成分[A]は、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンであり、樹脂硬化物およびFRPに高い耐熱性や機械特性を与えるために必要な成分である。ここで成分[A]のテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンとは、N,N,N’,N’-テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、またはこれらの誘導体もしくは異性体を意味する。例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジイソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジ-t-ブチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジイソプロピル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジイソプロピル-5,5’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジ-t-ブチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジ-t-ブチル-5,5’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’,5,5’-テトラエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’,5,5’-テトライソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’,5,5’-テトラ-t-ブチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-3,3’-ジブロモ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、等を挙げることができる。また、成分[A]として、これらのテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンを2種類以上組み合わせて使用しても構わない。
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの市販品としては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学工業(株)製)、YH434L(新日鉄住金化学(株)製)、“jER(登録商標)”604(三菱化学(株)製)、“アラルダイト(登録商標)”MY720、“アラルダイト(登録商標)”MY721(以上、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ社製)等を使用することができる。
本発明における成分[A]は、全エポキシ樹脂成分100質量部に対して70質量部以上100質量部以下含まれていることが必要である。全エポキシ樹脂成分100質量部に対して、成分[A]が70質量部以上含まれる場合は、樹脂硬化物が高い耐熱性を発現し、かつFRPの湿熱時の0°圧縮強度が向上するため好ましい。かかる観点から、80質量部以上100質量部以下の範囲内であることがより好ましい。
また、成分[A]以外のエポキシ樹脂である、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、トリグリシジルアミン型エポキシ樹脂等から選択される1種以上のエポキシ樹脂が、全エポキシ樹脂成分100質量部に対して30質量部未満であれば含まれていてもよい。
成分[A]以外のエポキシ樹脂としては、より具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、2,2’,6,6’-テトラメチル-4,4’-ビフェノールジグリシジルエーテル、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル、トリス(p-ヒドロキシフェニル)メタンのトリグリシジルエーテル、テトラキス(p-ヒドロキシフェニル)エタンのテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル、フェノールとジシクロペンタジエンの縮合物のグリシジルエーテル、ビフェニルアラルキル樹脂のグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、5-エチル-1,3-ジグリシジル-5-メチルヒダントイン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリレンイソシアネートの付加により得られるオキサゾリドン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリグリシジルアミノフェノール等が挙げられる。その中でもビスフェノール型エポキシ樹脂は、樹脂硬化物の靭性、耐熱性のバランスに優れた寄与を与えるため好ましく用いられ、特に液状ビスフェノール型エポキシ樹脂は強化繊維への含浸性に優れた寄与を与えるため、成分[A]以外のエポキシ樹脂として、好ましく用いられる。なお、本発明において、「液状」とは、25℃における粘度が1000Pa・s以下であることを指し、「固体状」とは、25℃において流動性をもたない、もしくは極めて流動性が低く、具体的には25℃における粘度が1000Pa・sより大きいことを指す。ここで、粘度は、JIS Z8803(1991)における「円すい-平板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装着したE型粘度計(例えば、(株)トキメック製TVE-30H)を使用して測定する。
ここで、ビスフェノール型エポキシ樹脂とは、ビスフェノール化合物の2つのフェノール性水酸基がグリシジル化されたものであり、ビスフェノール型としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、もしくはこれらビスフェノールのハロゲン、アルキル置換体、水添品等が挙げられる。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、単量体に限らず、複数の繰り返し単位を有する高分子量体も好適に使用することができる。樹脂硬化物の靭性、耐熱性のバランスの観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含有させる場合、全エポキシ樹脂成分100質量部に対して30質量部未満が好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”825、“jER(登録商標)”826、“jER(登録商標)”827、“jER(登録商標)”828、“jER(登録商標)”834、“jER(登録商標)”1001、“jER(登録商標)”1002、“jER(登録商標)”1003、“jER(登録商標)”1004、“jER(登録商標)”1004AF、“jER(登録商標)”1007、“jER(登録商標)”1009(以上三菱化学(株)製)、“エピクロン(登録商標)”850(DIC(株)製)、“エポトート(登録商標)”YD-128(新日鐵住金化学(株)製)、“DER(登録商標)”-331、“DER(登録商標)”-332(ダウケミカル社製)などが挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては“jER(登録商標)”806、“jER(登録商標)”807、“jER(登録商標)”1750、“jER(登録商標)”4004P、“jER(登録商標)”4007P、“jER(登録商標)”4009P(以上三菱化学(株)製)、“エピクロン(登録商標)”830(DIC(株)製)、“エポトート(登録商標)”YDF-170、“エポトート(登録商標)”YDF2001、“エポトート(登録商標)”YDF2004(以上新日鐵住金化学(株))などが挙げられる。また、アルキル置換体であるテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、“エポトート(登録商標)”YSLV-80XY(新日鐵住金化学(株))などが挙げられる。
ビスフェノールS型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピクロン(登録商標)”EXA-1515(DIC(株)製)などが挙げられる。
本発明における[B]は、4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)であり、樹脂組成物の高速硬化を実現し、樹脂硬化物およびFRPに高い機械特性を与えるために必要な成分である。かかる4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)の市販品としては、“Lonzacure(登録商標)”M-MIPA(Lonza(株)製)などが挙げられる。
本発明における成分[B]は、全硬化剤成分100質量部に対して80質量部以上100質量部以下含まれていることが必要である。全硬化剤成分100質量部に対して、成分[B]が80質量部以上含まれる場合は、180℃での高温時の高速硬化性が発現し、また-20℃での低温粘度が高く、冷凍輸送時の取扱性が良好で、さらに25℃での常温粘度も高く、エポキシ及び硬化剤の分子運動が抑制され、硬化反応が抑制されるため、常温保持下でも長時間粘度の上昇が抑えられ安定となり、一方で80℃での樹脂含浸温度での粘度は十分低く、含浸性が良好で、さらにFRPの湿熱時の0°圧縮強度が向上するため好ましい。かかる観点から、90質量部以上100質量部以下の範囲内であることがより好ましい。
また、成分[B]以外の硬化剤として、エポキシ樹脂と反応しうる活性基を有する化合物で全硬化剤成分100質量部に対して20質量部未満であれば含まれていてもよい。エポキシ樹脂と反応しうる活性基としては例えばアミノ基、酸無水基を有するものを用いることができる。エポキシ樹脂組成物は保存安定性が高いほど好ましいが、液状硬化剤は反応性が高いため、室温で固形であることが好ましい。
成分[B]以外の硬化剤としては芳香族アミンであることが好ましく、耐熱性、および機械特性の観点から、分子内に1~4個のフェニル基を有することが好ましい。さらに、分子骨格の屈曲性を付与することで樹脂弾性率が向上し、機械特性向上に寄与できることから、エポキシ樹脂硬化剤の骨格に含まれる少なくとも1個のフェニル基がオルト位またはメタ位にアミノ基を有するフェニル基である芳香族ポリアミン化合物であることがさらに好ましい。芳香族ポリアミン類の具体例を挙げると、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタキシリレンジアミン、ジフェニル-p-ジアニリンやこれらのアルキル置換体などの各種誘導体やアミノ基の位置の異なる異性体などが挙げられる。これらの硬化剤は単独もしくは2種類以上を併用することができる。中でも、樹脂硬化物に高い耐熱性を与える面からジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンが望ましい。
芳香族ポリアミン硬化剤の市販品としては、セイカキュアS(和歌山精化工業(株)製)、MDA-220(三井化学(株)製)、“jERキュア(登録商標)”W(三菱化学(株)製)、および3,3’-DAS(三井化学(株)製)、“Lonzacure(登録商標)”M-DEA(Lonza(株)製)、“Lonzacure(登録商標)”M-DIPA(Lonza(株)製)、“Lonzacure(登録商標)”M-CDEA(Lonza(株)製)および“Lonzacure(登録商標)”DETDA 80(Lonza(株)製)などが挙げられる。
本発明において、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基総数(E)と硬化剤中に含まれるアミン化合物の活性水素総数(H)との比であるH/Eは1.1以上1.4以下であることが好ましく、1.2以上1.3以下であることがより好ましい。H/Eが1.1以上である場合は、良好な硬化性向上の効果および樹脂硬化物の塑性変形能力向上の効果が得られるために好ましく、1.4以下である場合は、高い耐熱性を発現するため好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、コアシェルゴム粒子を含んでいてもよい。コアシェルゴム粒子はFRPに高い靭性を与える点で優れている。ここでコアシェルゴム粒子とは、架橋ゴム等のポリマーを主成分とする粒子状のコア部分と、コア部分とは異なるポリマーをグラフト重合するなどの方法でコア表面の一部あるいは全体を被覆した粒子を意味する。
前記コアシェルゴム粒子のコア部分としては、共役ジエン系モノマー、アクリル酸エステル系モノマー、メタクリル酸エステル系モノマーより選ばれる1種または複数種から重合されたポリマー、またはシリコーン樹脂などを用いることができる。具体的には、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンが挙げることができ、これらを単独でもしくは複数種用いて構成される架橋したポリマーであることが好ましい。特に得られる重合体の性質が良好であり、重合が容易であることから、かかる共役ジエン系モノマーとしてブタジエンを用いること、すなわち、コア成分としてブタジエンを含むモノマーから重合されたポリマーであることが好ましい。
コアシェルゴム粒子を構成するシェル成分は、前記したコア成分にグラフト重合されており、コア成分を構成するポリマー粒子と化学結合していることが好ましい。かかるシェル成分を構成する成分としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物等から選ばれた1種または複数種から重合された重合体である。また、該シェル成分には分散状態を安定化させるために、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる成分、すなわちエポキシ樹脂またはその硬化剤成分と反応する官能基が導入されていることが好ましい。このような官能基が導入されている場合、エポキシ樹脂との親和性が向上し、また最終的にはエポキシ樹脂組成物と反応して硬化物に取り込まれることが可能であるため、良好な分散性が達成できる。この結果、少量の配合でも十分な靱性向上効果が得られ、Tg、弾性率を維持しつつの靱性向上が可能となる。かかる官能基としては、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基が挙げられる。このような官能基をシェル部分に導入する方法としては、このような官能基を含むアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等の一種類または複数の成分を、モノマーの一部成分としてコア表面にグラフト重合するなどの方法が挙げられる。
コアシェルゴム粒子は、体積平均粒子径が50nm以上300nm以下であることが好ましく、50nm以上150nm以下であることがより好ましい。なお、体積平均粒子径はナノトラック粒度分布測定装置(日機装(株)製、動的光散乱法)を用いて測定することができる。あるいは、マイクロトームで作成した硬化物の薄切片をTEM(透過型電子顕微鏡)観察し、得られたTEM像から画像処理ソフトを用いて体積平均粒子径を測定することもできる。この場合、少なくとも100個以上の粒子の平均値を用いることが必要である。体積平均粒子径が50nm以上の場合、コアシェルゴム粒子の比表面積が適度に小さくエネルギー的に有利になるため凝集が起きにくく、靱性向上効果が高い。一方、体積平均粒子径が300nm以下の場合、コアシェルゴム粒子間の距離が適度に小さくなり、靱性向上効果が高い。
コアシェルゴム粒子の製造方法については特に制限はなく、周知の方法で製造されたものを使用できる。コアシェルゴム粒子の市販品としては、例えば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物からなる“パラロイド(登録商標)”EXL-2655(Rohm&Haas社製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体からなる“スタフィロイド (登録商標)”AC-3355、TR-2122(ガンツ化成(株)製)、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合物からなる“パラロイド(PARALOID)(登録商標)”EXL-2611、EXL-3387(Rohm&Haas社製)等を使用することができる。また、スタフィロイドIM-601、IM-602(以上ガンツ化成(株)製)等の、ガラス転移温度が室温以上のガラス状ポリマーのコア層をTgの低いゴム状ポリマーの中間層で被い、さらにその周りをシェル層で被った、3層構造を有するコアシェルゴム粒子も使用することができる。通常、これらのコアシェルゴム粒子は塊状で取り出されたものを粉砕して粉体として取り扱われており、粉体状コアシェルゴムを再度熱硬化性樹脂組成物中に分散させることが多い。しかしながら、この方法では粒子を凝集のない状態、すなわち一次粒子の状態で安定に分散させることが難しいという問題がある。
この問題に対して、コアシェルゴム粒子の製造過程から一度も塊状で取り出すことなく、最終的には熱硬化性樹脂の一成分、例えばエポキシ樹脂中に一次粒子で分散したマスターバッチの状態で取り扱うことができるものを用いることで、好ましい分散状態を得ることができる。このようなマスターバッチの状態で取り扱えるコアシェルゴム粒子としては、例えば、特開2004-315572号公報に記載の方法で製造することができる。この製造方法では、まず、コアシェルゴムを乳化重合、分散重合、懸濁重合に代表される水媒体中で重合する方法を用いてコアシェルゴム粒子が分散した懸濁液を得る。次に、かかる懸濁液に水と部分溶解性を示す有機溶媒、例えばアセトンやメチルエチルケトンなどのケトン系溶媒や、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒を混合後、水溶性電解質、例えば塩化ナトリウムや塩化カリウムを接触させ、有機溶媒層と水層を相分離させ、水層を分離除去して得られたコアシェルゴム粒子が分散した有機溶媒を得る。その後、エポキシ樹脂を混合した後、有機溶媒を蒸発除去し、コアシェルゴム粒子がエポキシ樹脂中に一次粒子の状態で分散したマスターバッチを得る。かかる方法で製造されたコアシェルゴム粒子分散エポキシマスターバッチとしては、(株)カネカから市販されている“カネエース(登録商標)”を用いることができる。
コアシェルゴム粒子は、全エポキシ樹脂成分100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上8質量部以下であることがより好ましい。1質量部以上とした場合、高靱性の樹脂硬化物が得られため好ましく、10質量部以下とした場合、高弾性率の硬化物が得られ、さらに樹脂中のコアシェルゴム粒子の分散性も良好となるため好ましい。
エポキシ樹脂組成物にコアシェルゴム粒子を混合する方法としては、一般に用いられる分散方法を用いることが出来る。例えば三本ロール、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ホモジナイザー、自転・公転ミキサーなどを用いる方法が挙げられる。また、前述のコアシェルゴム粒子分散エポキシマスターバッチを混合する方法も好ましく用いることが出来る。ただし、一次粒子の状態で分散していても、必要以上の加熱や粘度の低下によって再凝集が起こることがある。したがって、コアシェルゴム粒子の分散・配合、および分散後に他成分と混合・混練する場合は、コアシェルゴム粒子の再凝集が起こらない温度・粘度の範囲で行うことが好ましい。具体的には、組成物により異なるが、例えば、150℃以上の温度で混練した場合、組成物の粘度が下がり凝集が起こる可能性があるので、それより低い温度で混練することが好ましい。ただし、硬化プロセス中で150℃以上に達する場合については、昇温時にゲル化が伴って再凝集が妨げられるから、150℃を超えることが出来る。
本発明においてエポキシ樹脂組成物のE型粘度計で測定した30℃および80℃の樹脂粘度をη30、η80(単位:mPa・s)とするとき、200≦η30/η80≦500、かつ、 50≦ η80≦200を満たす必要がある。200≦η30/η80≦500である場合は、-20℃での低温粘度が十分高く、冷凍輸送時の取扱性が良好で、さらに25℃での常温粘度も十分高く、エポキシ及び硬化剤の分子運動が抑制され、硬化反応が抑制される。そのため、各成分を混合し、1分間攪拌後の粘度をη25(T0)、25℃で1ヶ月間静置後の粘度をη25(T1)としたとき、25℃で1ヶ月間静置後の粘度上昇割合η25(T1)/η25(T0)が1.1以下となり、常温保持下でも長時間粘度の上昇が抑えられ安定となる。一方で、80℃での樹脂含浸温度での粘度は十分低く、含浸性が良好となり、粘度の温度依存性が高く、相反する特性を両立することが出来る。また、η80が50mPa・s以上である場合は、樹脂含浸温度での粘度が低くなりすぎず、強化繊維基材への注入時に空気を巻き込んで発生するピットによる未含浸を防ぐことができ、η80が200mPa・s以下である場合は、樹脂含浸温度における粘度が十分低いため、強化繊維基材への含浸性が良好で、未含浸を防ぐことが出来る。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物は、180℃で40分間硬化した樹脂硬化物のガラス転移温度Tgが180℃以上200℃以下であることが好ましい。FRPの耐熱性は、エポキシ樹脂組成物を硬化してなるエポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度に依存し、Tgを180℃以上とすることにより、樹脂硬化物の耐熱性が確保され、200℃以下とすることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化収縮が抑制され、しかも、エポキシ樹脂組成物と強化繊維との熱膨張の違いから生じるFRPの表面品位の悪化を防ぐことができる。また、耐熱性と表面品位の関係から、より好ましくは185℃以上200℃以下である。なお、上述のとおり、硬化時間は、エポキシ樹脂組成物を成形型に注入し始めた時から、脱型開始時までの時間を意味する。ここで、エポキシ樹脂組成物を硬化してなる樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定(DMA)装置を用いた測定により求められる。すなわち、樹脂硬化板から切り出した矩形の試験片を用いて、昇温下DMA測定を行い、得られた貯蔵弾性率G’の変曲点の温度をTgとする。測定条件は、実施例に記したとおりである。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物の硬化性は、成形温度、例えば樹脂組成物の180℃でのガラス化時間に依存しており、樹脂組成物の180℃でのガラス化時間が短時間であるほど硬化性が高く、FRPを形成するための硬化時間も短縮される。よって、生産性が重要視される航空機、自動車分野で特に用いられるRTM法においては、180℃におけるガラス化時間が40分未満であるエポキシ樹脂組成物であることが好ましく、短時間であればあるほど好ましい。ここで、ガラス化時間は次のようにして測定することができる。すなわち、ATD-1000(Alpha Technologies(株)製)等の熱硬化測定装置を用いて所定温度でのエポキシ樹脂組成物の動的粘弾性測定を行い、硬化反応進行に伴うトルク上昇から複素粘性率を求める。このとき、複素粘性率が1.0×107Pa・sに達するまでの時間をガラス化時間とする。
本発明における強化繊維糸条は、マルチフィラメント糸であってガラス繊維糸、有機(アラミド、PBO、PVA、PE等)繊維糸、炭素繊維(PAN系、ピッチ系等)糸等である。炭素繊維は比強度および比弾性率に優れ、殆ど吸水しないので、航空機構造材や自動車の強化繊維として好ましく用いられる。
本発明に使用する強化繊維糸条は3,000~50,000フィラメントであることが好ましく、取扱性の観点から12,000~24,000フィラメントであるのが特に好ましい。強化繊維糸条の形態は特に限定されないが、糸条の幅や厚みの安定性に優れる無撚糸であることが好ましく、さらに繊維配向に優れる開繊糸であることが好ましい。
ここで、本発明における強化繊維基材は[1]:強化繊維糸条、[2]:強化繊維糸条を並行に引き揃えてなる強化繊維糸条群、または[3]強化繊維糸条もしくは強化繊維糸条群で構成される強化繊維布帛、のうちいずれかより選ばれる強化繊維集合体からなることが重要である。
まず、[1]:強化繊維糸条からなる強化繊維基材21は、例えば図2に例示する装置を使用して作成される。詳しくは、ボビン20から引き出された強化繊維糸条22は、開繊ユニット201により開繊、幅規制ローラ202にて所望の幅に調整した後、あらかじめ所望の幅にスリットしたポーラス状樹脂材料23と重ね合わせ、ヒーター203により加熱、プレスロール204により圧着することにより作成される。開繊ユニット201は振動ローラなどにより構成され、強化繊維糸条22の進行方向に対して直行する鉛直方向や水平方向に振動を加える機構を備える。また開繊ユニット201は、強化繊維糸条22表面に付着したサイジング剤を軟化させるためのヒーター(図示せず)を備えていてもよい。このとき、ボビン20から引き出された強化繊維糸条22の糸幅をw0とすると、開繊後の強化繊維糸条22の幅はw1(w0<w1)に拡幅され、その後幅規制ローラ202によって幅w2(w1>w2)に調整される。w2は強化繊維基材21に求められる目付に応じて調整することが好ましい。また強化繊維基材21の幅精度を向上させるため、プレスロール204は溝付き構造とすることが好ましい。
かかる装置により作成された強化繊維基材21は、幅や目付の安定性が良く、また繊維配向にも優れるため、FRPの力学特性(特に圧縮強度)向上に寄与することができる。またポーラス状樹脂材料23は強化繊維糸条群の両面に配置すると、強化繊維基材21の形態安定性がさらに向上するため好ましい。
次に、[2]:強化繊維糸条群からなる強化繊維基材21は、強化繊維糸条22からなる強化繊維基材の作成方法と同様に、例えば図2に例示する装置に複数のボビン20を掛け、複数の強化繊維糸条22を並行に引き揃えながら引き出すことにより作成される。ここで、並行に引き揃えるとは、隣接する強化繊維糸条22同士が、実質的に交差または交錯しない様に引き揃えることをいい、好ましくは、隣接する2本の強化繊維糸条を100mmの長さの範囲で直線に近似したとき、近似した直線が形成する角度が5°以下、さらに好ましくは2°以下となるよう引き揃えることである。ここで、強化繊維糸条22を直線に近似するとは、100mmの起点と終点とを結んで直線を形成することをいう。また隣接する強化繊維糸条22同士は、求められる強化繊維基材21の目付に応じて一定の間隔を隔てていてもよく、重なり合っていても良い。一定の間隔を隔てる場合、間隔は強化繊維糸条22幅の200%以下であることが好ましく、重なり合っている場合は強化繊維糸条22幅の100%重なっていても良い。このように並行に引き揃えながら引き出された強化繊維糸条群は、開繊ユニットを通過することにより、幅方向の目付を均一に分布させることが好ましい。また、かかる強化繊維糸条群から作られた強化繊維基材21は、必要であればスリットを行い、任意の幅に制御することも可能である。
[3]強化繊維糸条もしくは強化繊維糸条群で構成される強化繊維布帛については後述する。
また、強化繊維糸条22および強化繊維糸条群を使用した強化繊維基材21は、オートメーテッドファイバープレイスメント(AFP)やオートメーテッドテープレイアップ(ATL)装置が好適に用いられる。かかる装置は強化繊維基材21の廃棄率削減や積層工程自動化を目的として使用されるが、配置後の幅や繊維配向などが厳しく求められるため、強化繊維基材21の形態安定性が重要になる。ここで本発明に用いるポーラス状樹脂材料23はポーラス状の形態をしているため、平面方向の繋がりにより幅安定性や形態安定性に優れるため、AFPやATLに好適に用いることができる。
さらに本発明における強化繊維糸条群の別の態様としては、AFPやATLにより並行に引き揃え配置されたシート状のものも挙げられる。図3は本発明に用いられる強化繊維糸条群の一態様を示すものであり、強化繊維糸条32はAFPヘッド300によって供給され、並行に引き揃え配置される。かかる強化繊維糸条群31に、ポーラス状樹脂材料(図示せず)を重ね合わせるように配置し、遠赤外ヒーターなどにより加熱接着することで、強化繊維基材を得ることができる。AFPやATLによって引き揃え配置されたシート状の強化繊維糸条群31は、繊維方向と交差する方向に拘束が無いため、搬送の際に強化繊維糸条群31の形態が崩れる問題がある。かかる問題に対し、ポーラス状樹脂材料を配置し接着することで、繊維方向と交差する方向の拘束力が生まれ、搬送の問題を解決することができる。また、AFPやATLによって強化繊維糸条32を引き揃え配置する際の強化繊維糸条32同士の間隔は0.5~2mmであることが好ましい。間隔が0.5mm未満の場合、RTM成形時の樹脂含浸性が十分でなくなることがある。また間隔が2mmを超えると、複数枚の強化繊維基材を積層した際に、上層の強化繊維が下層の強化繊維糸条32間に落ち込み、厚さ方向のうねりが発生し力学特性(特に圧縮強度)が低下することがある。
次に[3]強化繊維糸条もしくは強化繊維糸条群で構成される強化繊維布帛としては、織物(一方向性、二方向性、多軸)、編物、組物、一方向に引き揃えられたシート(一方向シート)、一方向シートを2層以上重ね合わせた多軸シート等が挙げられる。このような強化繊維集合体はステッチ糸、結節糸、粗布、バインダー等の樹脂等による各種接合手段により複数のものを一体化したものであってもよい。特に輸送機器(特に航空機)の構造(特に一次構造)部材として用いる場合には、一方向シート、一方向性織物、または多軸シート(特にステッチ接合したもの)であるのが好ましい。
図4は、本発明に用いる強化繊維布帛としての一方向性織物41の一態様を示す概略斜視図である。強化繊維糸条42および経補助糸43が強化繊維集合体41の長さ方向、つまりたて方向に配列し、よこ方向には強化繊維糸条42より細い緯補助糸44が配列し、経補助糸43と緯補助糸44が交錯し、図4に示す織組織を有する一方向性織物である。かかる補助糸43としては低収縮性のものであることが好ましく、例えば、ガラス繊維糸、アラミド繊維糸、炭素繊維糸等が挙げられ、補助糸の繊度(単位長さあたりの重量)は強化繊維糸条の1/5以下であるのが好ましい。1/5を超えると、補助糸が太くなるので、補助糸によって強化繊維糸条がクリンプし、FRPにした際に若干強化繊維の強度低下をもたらす。一方、強化繊維集合体の形態安定性、製造安定性の面から、補助糸の繊度は強化繊維糸条の0.05%以上であるのが好ましい。上記範囲の繊度であると、強度低下を最小限にし、かつ成形の際に経補助糸によって形成される強化繊維糸条42の間隙が樹脂流路となり、マトリックス樹脂の含浸が促進できるので好ましい。
図5は、本発明に用いる強化繊維布帛としての二方向性織物51の一態様を示す概略斜視図である。強化繊維糸条52が二方向性織物51の長さ方向、つまりたて方向に配列し、よこ方向に強化繊維糸条53が配列し、たて糸52とよこ糸53が交錯し、図5に示す織組織を有する二方向性織物である。
図6は、本発明に用いる強化繊維布帛としてのステッチ布帛61の一態様を示す概略斜視図である。ステッチ布帛61の下面から、まず長さ方向イに対して斜め方向に多数本の強化繊維糸条が並行に配列して+α°層62を構成し、次いで強化布帛の幅方向に多数本の強化繊維糸条が並行に配列して90°層63を構成し、次いで斜め方向に多数本の強化繊維糸条が並行に配列して-α°層64を構成し、次いで強化布帛の長さ方向に多数本の強化繊維糸条が並行に配列して0°層65を構成し、互いに配列方向が異なる4つの層が積層された状態で、ステッチ糸66でこれら4層が縫合一体化されている。縫合一体化にあたってのステッチ糸66が形成する縫い組織としては、例えば単環縫い、1/1のトリコット編みが挙げられる。ステッチ糸の材料としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ビニルアルコール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアラミド樹脂、それらの組成物等から選ぶことができる。中でも、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂であると好ましい。布帛の賦型性の観点からは、スパンデックス(ポリウレタン弾性繊維)、ポリアミド樹脂またはポリエステル樹脂の加工糸であることが好ましい。ステッチ糸の繊度は強化繊維糸条のクリンプを抑制するために強化繊維糸条の1/5以下であることが好ましい。また強化繊維集合体の形態安定性、製造安定性の面から10dtex以上、より好ましくは30dtex以上であることが好ましい。さらに、後述するプリフォーミング工程での賦形性の観点から、ステッチ糸は伸縮性を有することが好ましい。なお、図6で、断面形状が楕円状に示されている強化繊維の集合体が1糸条で、この強化繊維糸条間にステッチ糸66が配列しているかに見えるが、ステッチ糸66は強化繊維糸条に対してはランダムに挿入され、楕円状に示されている強化繊維の集合体はステッチ糸66の拘束によって形成されているのである。
ここで、図6に示した多軸ステッチ布帛61の強化繊維の構成は+α°層/90°層/-α°層/0°層の4層構成について説明したが、これに限定するものではない。たとえば0°層/90°層、+α°層/-α°層、0°層/+α°層などからなる2層、+α°層/0°層/-α°層、+α°層/-α°層/0°層などからなる3層、また、0°層/+α°層/0°層/-α°層/90°層/-α°層/0°層/+α°層/0°層のように、0°層が多く含まれるような、0°、+α°、-α°、90゜の4方向を含むものであってもよい。また、0°、+α°、-α°、90゜のいずれかを含むものであってもよい。なお、バイアス角α゜は、ステッチ布帛をFRPの長さ方向に積層し、強化繊維による剪断補強を効果的に行う観点から45゜が好ましい。
本発明における強化繊維基材の好ましい1層当たりの目付は50~800g/mの範囲内である。より好ましくは100~500g/m、更に好ましくは120~300g/mの範囲内である。50g/m未満であると所定のFRPの厚みを得るための積層枚数が増え、成形の作業性が悪く好ましくない。また、一層当たりの目付が小さいと、層内の強化繊維糸条と強化繊維糸条の間に隙間ができ、強化繊維体積率Vfが部分的に不均一となり、成形すると強化繊維体積率Vfが大きなところはFRPが厚くなり、また強化繊維体積率Vfが小さなところはFRPが薄くなり、表面が凸凹したFRPとなる。このような場合には、製織寸前やステッチ糸による一体化加工前に、または/および強化布帛加工後に強化繊維糸条を振動ローラやエアー・ジェット噴射で薄く拡げると、強化布帛の全面にわたり強化繊維の体積比が均一となり、表面が平滑なFRPが得られるので好ましい。また、800g/mを超えるとマトリックス樹脂の含浸性が悪くなるので好ましくない。
次に、本発明における強化繊維積層体について説明する。本発明における強化繊維基材はFRP成形に先立って、所望とする厚みに達するまで複数枚積層を行い、強化繊維積層体を形成する。本発明において、強化繊維積層体の取扱性や形態安定性を付与するために熱融着やステッチにより一体化されていることが好ましい。
また本発明における強化繊維積層体は、目的とする繊維強化樹脂成形体の形態に合わせて、前記強化繊維積層基材に対して賦形型や治具等を用いて立体形状を付与し、形状固着したプリフォームとすることもできる。特に、成形型が立体形状である場合において、このようにすることによって、型締め時、あるいは、樹脂注入・含浸時の繊維乱れやしわの発生を容易に抑制することができる。
次に、本発明のFRPについて説明する。本発明のFRPは、上述の強化繊維積層体にマトリックス樹脂が含浸したものである。かかるマトリックス樹脂は必要に応じて固化(硬化または重合)される。かかるマトリックス樹脂の好ましい例としては、例えば、熱硬化性樹脂、RIM(Reaction Injection Molding)用熱可塑性樹脂等が挙げられるが、中でも注入成形に好適であるエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂およびベンゾオキサジン樹脂から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましく、特に本発明では、特定のエポキシ樹脂組成物が用いられている。
また、本発明のFRPは優れた力学特性を有し、かつ軽量であるため、その用途が航空機、自動車、船舶の輸送機器のいずれかにおける一次構造部材、二次構造部材、外装部材または内装部材であることが好ましい。
次に、本発明における強化繊維基材を用いたFRPの成形方法について説明する。
本発明における強化繊維基材のうち、強化繊維糸条や強化繊維糸条群からなる強化繊維基材は、AFPやATL装置によって所望の形状に引き揃え配置される。
かかる配置工程は、2次元平面形状で行われても良いし、3次元形状で行われても良い。2次元平面形状の場合は、1層毎に強化繊維基材を配置した後、ポーラス状の樹脂材料を配置・接着することで、1層毎の搬送が容易なシート状の強化繊維基材を作成することができ、別で用意している賦形用金型に、引き揃え配置された状態の形状を崩さず搬送することが可能となる。このとき配置するポーラス状の樹脂材料に少なくとも部分的に切れ込みが入っていると、後述するプリフォーミング工程での賦形性がより良好になるため好ましい。また搬送手段としては、静電気や吸引、針刺しなどの方法による搬送手段を用いることができる。
また1層毎に作成したシート状の強化繊維基材は、更に取扱性を良くするため、複数の層を重ね合わせて熱融着もしくはステッチにより一体化した強化繊維積層体としても良い。このとき、2層目以降のn層目の強化繊維基材の配置方向を、n-1層目の配置方向とは異なる方向とすることにより、布帛と同様に扱うことができる複数層の強化繊維積層体とすることができる。かかる強化繊維基材の一体化工程は、強化繊維基材が重なり合っている全面に行われてもよいし、部分的に行われていてもよい。全面で一体化されていると強化繊維基材の形態安定性に優れる。一方、部分的に一体化されていると、後述するプリフォーミング工程において成形品形状への賦形の際に変形がしやすい(すなわち賦形性が良い)。よって成形品形状の複雑さによって、これらを任意に使い分けることが好ましい。
ここで、本発明における強化繊維基材は、(樹脂材料の付着していない)強化繊維糸条をAFPやATL装置によって所望の形状に引き揃え配置した強化繊維糸条群に、ポーラス状の樹脂材料を配置・接着したものも含むことができる。このことにより、耐衝撃性などの特性を有していない炭素繊維糸条に対しても耐衝撃性などの特性を付与することができる。
更に、1層目の強化繊維基材を配置した後、同じ平面上で2層目以降の配置を繰り返しても良い。かかる配置工程ではAFPやATL装置のヘッド部分にヒーターを設け、強化繊維基材表面の樹脂材料を溶融しながら2層目以降の強化繊維基材を配置することにより、強化繊維基材の配置工程と一体化工程の一括化ができる。このとき、2層目以降のn層目の強化繊維基材の配置方向を、n-1層目の配置方向とは異なる方向とすることにより、布帛と同様に扱うことができる複数層の強化繊維積層体とすることができる。
また本発明における強化繊維基材のうち、強化繊維集合体からなる強化繊維基材、および強化繊維糸条群の層間に樹脂材料を含む強化繊維積層体は、成形品形状に合わせて所望の形状にカットして用いられる。
このように作成した強化繊維基材もしくは強化繊維積層体は、1層ずつ、もしくは複数層を所望の角度構成で積層したのち、プリフォーミング工程を実施しプリフォームを作成する。プリフォーミング工程は樹脂材料の軟化点―30℃~軟化点+5℃の範囲で加熱するのが望ましい。加熱温度が低いと樹脂材料が充分に軟化せずプリフォームの形態固定が成されないことがある。また加熱温度が高いと樹脂材料が強化繊維基材に浸透し、マトリックス樹脂の含浸性が悪くなることがある。
本発明のFRPの成形は、所謂樹脂注入成形によって行われ、RTM(Resin Transfer Molding)成形やVaRTM(Vacuum assisted Resin Transfer Molding)成形が好ましく適用される。本発明における強化繊維基材の少なくとも片面に配置されたポーラス状の樹脂材料は、強化繊維基材内部の空気を排出する際の流路(エアパス)としての機能や、樹脂拡散媒体としての機能を発揮する。したがって成形品内部品質の向上や、樹脂注入工程の高速化が実現できる。また本発明における強化繊維基材の少なくとも片面に配置されたポーラス状の樹脂材料は平面方向の繋がりがあるため、高圧で樹脂を注入した際の強化繊維基材の変形を防ぐことができる。
本発明のFRPは、強化繊維体積含有率(Vf)が53~65%の範囲であり、SACMA-SRM-2R-94に記載されている衝撃付与後の常温圧縮強度が240MPa以上であることが好ましい。なお、Vf(単位はvol%)とは、繊維強化樹脂において強化繊維が占める体積比率のことを指し、具体的には次式によって定義され、ここで用いた記号は下記に示すとおりである。
Vf=(W×100)/(ρ×T)
W:強化繊維基材1cm当たりの強化繊維の重量(g/cm
ρ:強化繊維の密度(g/cm
T:繊維強化樹脂の厚さ(cm)
繊維強化樹脂のVfが53~65%の範囲であると、繊維強化樹脂の優れた力学特性を最大限に発現することができる。Vfが53%未満であると、軽量化効果に劣り、65%を超えると、上述の注入成形での成形が困難となるほか、力学特性(特に耐衝撃性)が低下する場合がある。すなわち、かかるVf範囲において、繊維強化樹脂のSACMA-SRM-2R-94に記載されている衝撃付与後の常温圧縮強度が240MPa以上であると、軽量化効果と力学特性とを共に満足する材料とすることができる。かかる要件を満たす繊維強化樹脂においては、その優れた力学特性と軽量化効果から、多岐の用途にわたって利用される。特に限定されないが、航空機、自動車、または、船舶等の輸送機器における一次構造部材、二次構造部材、外装部材、内装部材もしくはそれらの部品等に用いられ、その効果を最大限に発現する。
なお、SACMAとは、Suppliers of Advanced Composite Materials Associationの略であり、SACMA-SRM-2R-94とは、ここが定める試験法の規格である。衝撃付与後の常温圧縮強度とは、SACMA-SRM-2R-94に従って、Dry条件にて270インチポンドの衝撃エネルギーにおいて測定されたものである。
以下、実施例を用いて本発明を更に説明する。実施例および比較例に用いた原材料および成形方法は、次の通りである。なお、本発明はこれら実施例および比較例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<強化繊維糸条>
炭素繊維糸条として、PAN系炭素繊維、24,000フィラメント、引張強度:6.0GPa、引張弾性率:294GPaのものを用いた。
<樹脂材料>
ポリアミド6が20モル%、ポリアミド12が80モル%となるように調製し重合した。融点は150℃であった。
<ポーラス状樹脂材料>
上記樹脂材料をメルトブロー装置により不織布化した。目付は10g/mであった。
<マトリックス樹脂>
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型エポキシ(“アラルダイト(登録商標)”MY-721、ハンツマン・ジャパン(株)製)80重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(“エピクロン(登録商標)”830、DIC(株)製)20重量部、4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)(“Lonzacure(登録商標)”M-MIPA(Lonza(株)製)70重量部をそれぞれ計り取り、100℃で1時間攪拌して均一溶解させた。
<強化繊維基材>
図2に示す装置を使用して、幅1/4インチのテープ状強化繊維基材を作成した。強化繊維基材の目付は162g/mであった。
<強化繊維積層体>
かかる強化繊維基材はAFP装置で擬似等方積層[45/0/-45/90]3S(24層:ここで「3S」とは、[ ]内に示す配向角度順に積層したものと対称〔Symmetry〕配置となるように積層したものとを合わせて1組(4層×2=8層)とし、これを3組積層(8層×3=24層)した態様を示す。以下同じ。)の構成で平面状のプリフォーム型上に積層した後、バッグフィルムとシーラントにて密閉して真空に減圧した状態で、樹脂材料の融点と同温度のオーブンで1時間加熱した。その後、オーブンから取り出し、プリフォーム型を室温まで冷却した後に放圧して強化繊維積層体を得た。
<繊維強化樹脂>
得られた強化繊維積層体上に樹脂拡散媒体(アルミ金網)を積層し、平面状の成形金型とバッグ材とでシーラントを用いて密閉することによりキャビティを形成し、100℃のオーブン中に入れた。強化繊維積層体の温度が100℃に達した後に密閉したキャビティを真空に減圧して、マトリックス樹脂を100℃に保ちながら大気圧との差圧のみで注入した。樹脂が含浸した後、減圧を続けながら180℃に昇温し、2時間放置して硬化させて脱型し、FRP平板1を得た。得られたFRPのVfは62%、CAIは278MPaであった。
〔実施例2〕
樹脂材料の配合比を変え、ポリアミド6が20モル%、ポリアミド6-6が15モル%、ポリアミド6-10が15モル%、ポリアミド12が50モル%となるように調製し重合した以外は実施例1と同様にして、FRP平板2を作成した。得られた樹脂材料の融点は120℃、FRPのVfは63%、CAIは258MPaであった。
〔実施例3〕
ポーラス状樹脂材料が付着していない強化繊維糸条を、AFP装置を用いて2次元平面形状に引き揃えて強化繊維糸条群を作成し、その上にポーラス状樹脂材料を配置した後、遠赤外ヒーターで加熱して接着することにより、平面状強化繊維基材を作成した。強化繊維基材の目付は162g/mであった。
かかる強化繊維基材は1層ごとに搬送し、擬似等方積層[45/0/-45/90]3S(24層)の構成で平面状のプリフォーム型上に積層した以外は実施例1と同様にして、FRP平板3を作成した。得られたFRPのVfは61%、CAIは276MPaであった。
〔実施例4〕
強化繊維糸条と補助糸(“ECE225 1/0 1Z”、ユニチカ(株)製)を用いて図4に示すような一方向性織物を作成し、その片側表面にポーラス状樹脂材料を配置した後、遠赤外ヒーターで加熱して接着することにより、接着した強化繊維基材を作成した。強化繊維基材の目付は190g/mであった。
かかる強化繊維基材を擬似等方積層[45/0/-45/90]3S(24層)の構成で平面状のプリフォーム型上に積層した以外は実施例1と同様にして、FRP平板4を作成した。得られたFRPのVfは58%、CAIは262MPaであった。
〔実施例5〕
強化繊維糸条とステッチ糸(“Grilon(登録商標)K-140”75dtex、エムスケミー・ジャパン(株)製)を用いて、層間および最下層にポーラス状樹脂材料を配置した後、ステッチ糸で縫合することで[45/-45]の2層構成の強化繊維基材を作成した。強化繊維基材の目付は268g/mであった。
かかる強化繊維基材を擬似等方積層[45/-45/0/90]3S(24層)の構成で平面状のプリフォーム型上に積層した以外は実施例1と同様にして、FRP平板5を作成した。得られたFRPのVfは60%、CAIは259MPaであった。
〔実施例6〕
樹脂材料の配合比を変え、ポリアミド6が80モル%、ポリアミド6-6が20モル%となるように調製し重合した以外は実施例1と同様にして、FRP平板6を作成した。得られた樹脂材料の融点は195℃、FRPのVfは56%、CAIは245MPaであった。
〔比較例1〕
樹脂材料の形態を粉末状にした以外は実施例3と同様にして、強化繊維基材を作成したが、AFPで引き揃えたシート状の強化繊維糸条群が運搬の際にばらばらになり、成形品を得ることが出来なかった。
〔比較例2〕
樹脂材料として、ポリアミド6-6(単独成分)を用いた以外は実施例1と同様にして、FRP平板7を作成した。FRPのVfは53%、CAIは196MPaであった。
本発明のFRPは優れた力学特性を有し、かつ軽量であるため、その用途が航空機、自動車、船舶の輸送機器のいずれかにおける一次構造部材、二次構造部材、外装部材または内装部材に限らず、風車ブレード、ロボットアームやX線天板といった医療機器等の一般産業用途の部材にも好適である。
11:強化繊維基材
12:強化繊維集合体
13:樹脂材料
20:ボビン
21:強化繊維基材
22:強化繊維糸条
23:ポーラス状樹脂材料
201:開繊ユニット
202:幅規制ローラ
203:ヒーター
204:プレスロール
31:強化繊維糸条群
32:強化繊維糸条
300:AFPヘッド
41:一方向性織物
42:強化繊維糸条(経糸)
43:補助糸(経糸)
44:補助糸(緯糸)
51:二方向性織物
52:強化繊維糸条(経糸)
53:強化繊維糸条(緯糸)
61:ステッチ布帛
62:強化布帛を形成する+α°の強化繊維層
63:強化布帛を形成する90°の強化繊維層
64:強化布帛を形成する-α°の強化繊維層
65:強化布帛を形成する0°の強化繊維層
66:ステッチ糸

Claims (9)

  1. 強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させ、加熱硬化することによって成形される繊維強化樹脂であって、
    [1]前記強化繊維基材は、(a):強化繊維糸条、(b):強化繊維糸条を並行に引き揃えてなる強化繊維糸条群、(c):(a)または(b)で構成される強化繊維布帛、のうちいずれかより選ばれる強化繊維集合体の、少なくとも片面にポリアミド6、ポリアミド6-6、ポリアミド6-10、ポリアミド12、ポリアミド6-Iから選ばれる少なくとも2つのポリアミド成分を含む共重合ポリアミドからなるポーラス状樹脂材料が配置された強化繊維基材からなり、
    [2]前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤からなり、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン[A]が、全エポキシ樹脂成分100質量部に対して70質量部以上100質量部以下含まれているとともに、4,4’-メチレンビス(2-イソプロピル-6-メチルアニリン)[B]が、全硬化剤成分100質量部に対して80質量部以上100質量部以下含まれ、かつ、30℃および80℃の樹脂粘度をη30、η80(単位:mPa・s)とするとき、200≦η30/η80≦500、かつ、 50≦ η80≦200を満たすエポキシ樹脂組成物からなり、
    [3] 前記ポーラス状樹脂材料を、強化繊維基材に対して1~20重量%の範囲で有していることを特徴とする、繊維強化樹脂。
  2. 前記ポーラス状樹脂材料が、不織布形状であり、その繊維径が1~100μmである、請求項に記載の繊維強化樹脂。
  3. 前記ポーラス状樹脂材料中の、ポリアミド12の組成比が5モル%以上99モル%未満の範囲内である、請求項1または2に記載の繊維強化樹脂。
  4. 前記強化繊維糸条群が、複数の強化繊維糸条が並行に引き揃えられたシート状のものである、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
  5. 前記強化繊維糸条群が、オートメーテッドファイバープレイスメント装置により強化繊維糸状が並行に引き揃え配置されたシート状のものである、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
  6. 前記強化繊維集合体が、強化繊維糸条を一方向に並行に引き揃えてなる強化繊維糸条群と、強化繊維糸条と交差する方向に延在する、繊度が強化繊維糸条の繊度の1/5以下である補助繊維糸条群とから構成される一方向性織物である、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
  7. 前記強化繊維集合体が、一方向に配列された前記強化繊維糸条群と、異なる方向に一方向に配列された強化繊維糸条群とから構成される二方向性織物である、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
  8. 前記強化繊維布帛が、一方向に配列された前記強化繊維糸条群と、異なる方向に一方向に配列された強化繊維糸条群との少なくとも2層以上が交差積層され、繊度が強化繊維糸条の1/5以下である補助繊維糸条群により縫合一体化されたステッチ布帛である、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
  9. 強化繊維体積含有率が53~65%の範囲であり、SACMA-SRM-2R-94に記載されている衝撃付与後の常温圧縮強度が240MPa以上である、請求項1~のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
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