JP7351219B2 - 単結晶製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、単結晶製造装置に関する。
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界が1桁大きく、バンドギャップが3倍大きく、熱伝導率が3倍程度高い等の特性を有する。炭化珪素はこれらの特性を有することから、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。
炭化珪素には、化学量論的には同じ組成でありながら、原子の積層の周期が(C軸方向にのみ)異なる多くの結晶多形(ポリタイプ)が存在する。代表的なポリタイプは、3C、4H、6Hなどであるが、特に4H-SiC単結晶はバンドギャップと飽和電子速度の特性が良いことなどから、光デバイスや電子デバイスの中心的な基板材料となっている。
SiC単結晶を製造する方法の一つとして、昇華法が広く知られている。昇華法では、黒鉛製の坩堝内に配置した台座にSiC単結晶からなる種結晶を配置する。その後、坩堝を加熱することで坩堝内の原料粉末から昇華した昇華ガスを種結晶に供給し、種結晶をより大きなSiC単結晶へ成長させる。昇華法では、高品質なSiC単結晶を、効率的に結晶成長させることが求められている。
例えば、特許文献1には、坩堝の台座に種結晶を貼付け、台座と対向する位置にSiC原料を配置し、SiC原料を昇華させることで、種結晶上にSiC単結晶を成長させる方法が記載されている。
特許文献2には、坩堝の上側に種結晶を設置し、坩堝の底面に棒状の熱伝導体を設置する炭化珪素単結晶成長装置容器が記載されている。特許文献2には、坩堝の底面に棒状の熱伝導体を設置することで、坩堝の中心部に熱が伝導されるので、坩堝の内側壁付近の原材料が昇華すると同時に、中心部にある原材料も昇華すると記載されている。
特許第4450118号公報 特開平5-58774号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、坩堝の外周を覆うように加熱手段が配置される。そのため、坩堝の壁付近が高温となりやすく、坩堝の中心部が低温の温度分布になりやすい。この温度分布により、高温に加熱される坩堝の壁付近で生じた昇華ガスが低温の中心部で結晶化してしまう場合がある。すなわち、特に坩堝の中心付近での原料の有効活用が困難だった。
また、特許文献2に記載の方法では、坩堝の内底部に設置された熱伝導体を介して、原料の熱が成長空間や坩堝に逃げてしまう。そのため、坩堝に収容された原料が低温になる場合があり、熱伝導体の付近に収容された原料に十分熱を伝えられない場合があった。特に、6インチ以上の大口径・長尺のSiC単結晶を成長するために使用する、大型の坩堝では、原料に十分に熱を伝えられない場合があった。そのため、昇華法において、坩堝に収容された原料の熱を逃がすことなく、坩堝の中心付近に収容された原料を効率的に加熱する方法が検討されている。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、坩堝に収容された原料を効率的に加熱することができる単結晶製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の第一の態様に係る単結晶製造装置は、内底部に原料を収容でき、蓋に種結晶を設置できる坩堝と、前記坩堝を囲む加熱手段と、を備え、前記坩堝は、前記内底部から前記種結晶に向って起立する均熱部材を有し、前記均熱部材は、芯棒と、前記芯棒を覆う外殻と、を備え、前記芯棒は、断熱材である。
(2)上記態様に係る単結晶製造装置において、前記均熱部材の外径は、前記坩堝の内径の0.2倍以上0.7倍以下であってもよい。
(3)上記態様に係る単結晶製造装置において、前記芯棒の外径は、前記均熱部材の外径の0.5倍以上0.95倍以下であってもよい。
(4)上記態様に係る単結晶製造装置において、前記外殻は黒鉛からなっていてもよい。
(5)上記態様に係る単結晶製造装置において、前記外殻の厚さは2.5mm以上であってもよい。
(6)上記態様に係る単結晶製造装置において、前記均熱部材は、前記内底部と平行で、径方向に広がる平行面を有し、前記均熱部材は、前記平行面を介して内底部に固定されてもよい。
本発明の単結晶製造装置によれば、坩堝に収容された原料を効率的に加熱することができる。
本発明の一実施形態に係る単結晶製造装置の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る単結晶製造装置の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る単結晶製造装置に用いられる均熱部材の変形例に係る断面模式図である。
以下、本発明について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、数、配置、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[単結晶製造装置]
図1は、第1実施形態にかかる単結晶製造装置100の構成を概略的に示す断面模式図である。単結晶製造装置100は、例えば坩堝1と、坩堝1を覆う断熱材4と、断熱材4を囲む加熱手段Hと、を備える。本実施形態に係る単結晶製造装置100は、加熱手段Hにより坩堝1を加熱し、昇華法によりSiC単結晶を成長する際に用いられる。図1では、単結晶製造装置100を用いてSiC単結晶Sを成長する様子を示している。図1では理解を容易にするために、原料M、種結晶SDを同時に図示している。
まず、方向について定義する。坩堝1において、内底部3から蓋2へ向かう方向をz方向(第1方向)とする。z方向に対して垂直で、坩堝1の中心から拡がる方向を径方向とする。
坩堝1は、例えば円柱形の部材である。坩堝1は、蓋2と内底部3とを有する。蓋2は、坩堝1から分離可能であってもよい。
蓋2は、種結晶SDを設置するための台座2aを有する。台座2aは、例えば円柱形の部材である。台座2aには、種結晶SDが設置される。種結晶SDは、SiC単結晶からなる。
内底部3は、坩堝1の底面である。蓋2と内底部3とは、対向する位置に配置されている。内底部3にはSiC単結晶Sを成長するための原料Mが収容される。内底部3には、均熱部材5が設置される。z方向から平面視して、原料Mと均熱部材5とは重ならないように配置されていることが好ましい。すなわち均熱部材5が原料Mよりz方向において高くなるように配置されていることが好ましい。
均熱部材5は、z方向に起立する。すなわち均熱部材5は、台座2aおよび種結晶SDに向けて起立する。均熱部材5は、例えば円柱形の部材である。均熱部材5は、芯棒51と外殻52とを備える。外殻52は、例えば黒鉛からなり、芯棒51を覆う。図1中には、説明の便宜上、芯棒51の外径w1、均熱部材5の外径w2、坩堝1の内径w3、外殻52の厚さTが示されている。
均熱部材5は、例えばねじ込みやかしめ等で内底部3に固定される。均熱部材5の高さは、例えば、坩堝1の高さの0.4倍である。均熱部材5の高さは、内底部3に収容する原料Mよりもz方向における高さが高いことが好ましい。すなわち、均熱部材5の一部は、原料Mの表面からz方向に突出することが好ましい。均熱部材の5の一部が、原料Mの表面から突出することで、均熱部材5が輻射を受けやすくなる。
均熱部材5の外径w2は、坩堝1の内径w3の例えば0.2倍以上0.7倍以下であり、好ましくは0.3倍以上0.6倍以下であり、より好ましくは0.35倍以上0.5倍以下である。均熱部材の外径w2が坩堝の内径w3の0.3倍以上であると、坩堝1の平面視中心付近に配置される原料Mの温度を一層向上でき、収容する原料Mを効率的に昇華できる。また、均熱部材の外径w2が坩堝の内径w3の0.7倍以下であると、長尺なSiC単結晶Sを成長するために十分な量の原料Mを収容できる。
芯棒51は、原料Mの熱を断熱する断熱材である。芯棒51は、例えば2000℃以上の高温で熱伝導率が1.0W/mK以下の断熱材を用いる。具体的には、芯棒51としては、黒鉛フェルトや黒鉛フェルトを固め成型した断熱材(成形断熱材)等を用いることができる。
外殻52の厚さTは、均熱部材5の外径w2の、例えば0.025倍以上0.25倍以下であり、0.05倍以上0.15倍以下であることがより好ましい。すなわち、芯棒の外径w1は、例えば均熱部材5の外径w2の0.5倍以上0.95倍以下であり、0.7倍以上0.9倍以下であることがより好ましい。芯棒51の外径w1が均熱部材5の外径w2の0.5倍以上であると、より断熱効果を向上することができ、収容する原料Mを効率的に昇華できる。また、芯棒51の外径w1が均熱部材5の外径w2の0.95倍以下であると、外殻52内に昇華ガスが浸透することによる断熱効果の低下を抑制し、原料Mを効率的に昇華できる。また、芯棒51の交換の頻度を減らすことができ、スループットが向上する。
さらに、外殻52の厚さTは、2.5mm以上が好ましく、4mm以上であることがより好ましい。外殻52の厚さTが2.5mm以上であると、外殻52内に昇華ガスが浸透することによる断熱効果の低下を抑制し、原料Mを効率的に昇華できる。また、外殻52の厚さTは、均熱部材5の外径w2の0.25倍以下であることが好ましい。
加熱手段Hは、例えば高周波コイルである。この場合、加熱手段Hに高周波電流を流すことにより磁界を発生させて電磁誘導によって坩堝1を発熱させることができる。加熱手段Hの構成は、これに限られず、坩堝1と断熱材4との間に発熱体を設け、間接加熱方式にて坩堝1を加熱する構成であってもよい。
断熱材4は、坩堝1を覆うように配置されている。断熱材4は、坩堝1に密接して配置されることが好ましい。断熱材は、坩堝1を安定的に高温状態に維持するために配置される。断熱材4は、坩堝1を必要な程度に安定的に高温状態に維持するよう、適宜、厚さや熱伝導率を調整した材料を用いることができ、例えば、黒鉛フェルト、成形断熱材などを用いることができる。また、単結晶製造装置100では、断熱材4および断熱材を備える芯棒51で挟まれる領域に原料Mが収容されるため、原料Mの熱は一層逃げにくい。
第1実施形態に係る単結晶製造装置100によれば、低温となりやすい坩堝1の中心付近には原料Mを収容しない。そのため、中心付近での原料の結晶化を抑制できる。また、坩堝1の中心付近には、断熱材を備える均熱部材5が配置されている。そのため、原料Mの熱が均熱部材5に伝わることを抑制できる。また、均熱部材5に伝わった熱が成長空間Rに逃げることを抑制できる。従って、原料Mに加えられた熱が原料Mの外へ伝わることを抑制し、坩堝1に収容された原料Mを効率的に加熱することができる。
均熱部材5は、例えば、坩堝1の平面視中心に配置される。図1では、均熱部材5が坩堝1の平面視中心に1つだけ配置されている例を示したが、本実施形態に係るSiC単結晶製造装置は、この例に限定されない。例えば、成長させるSiC単結晶の大きさに合わせて複数の均熱部材5を、坩堝1の平面視中心に対して対称に配置してもよい。
図1では、坩堝1の外側全体を1つの断熱材4を覆う構成を例示したが、本実施形態はこの例に限定されない。例えば、断熱材が蓋2を覆う部分と蓋2以外を覆う部分とに分離していてもよい。また、断熱材4の何れかの位置に開口が形成されていてもよい。断熱材4のいずれかの位置に開口が形成されることで、例えば放射温度計を用いて坩堝1の温度を計測できる。
<変形例1>
図2は、変形例1に係る単結晶製造装置の構成を概略的に示す断面模式図である。単結晶製造装置200は、均熱部材5の配置が単結晶製造装置100と異なる。本変形例において、単結晶製造装置100と同一の構成は同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本変形例において、均熱部材5は坩堝1に埋め込まれた埋め込み構造である。埋め込み構造は、例えば平面視中心に開口が形成された内底部3に均熱部材5が埋め込まれることで実現する。単結晶製造装置200では、芯棒51と断熱材4とが接触し、外殻52が内底部3に固定されている。
埋め込み構造は、上述の例に限定されず、芯棒51および外殻52の少なくとも一方が坩堝1の内底部3に埋め込まれることで実現する。均熱部材5は、例えばねじ込みや嵌め込みにより内底部3に埋め込まれても良い。また、芯棒51と断熱材4、および外殻52と坩堝1とがそれぞれ一体となるように配置されていても良い。均熱部材5の第1方向における位置は任意に選択される。
変形例1にかかる単結晶製造装置200を用いた場合であっても、第1実施形態に係る単結晶製造装置100と同様な効果を得ることができる。
<変形例2>
図3は、本実施形態に係る単結晶製造装置に用いられる均熱部材の変形例の一例である。本実施形態に係る均熱部材は、図1および図2に示すような形状に限定されず、図3に示すような形状であってもよい。尚、以下に例示する均熱部材は、上述した埋め込み構造を備えていてもよい。
図3(a)は、均熱部材5aの断面模式図である。均熱部材5aは、外殻52aの構造が均熱部材5と異なる。外殻52aは、内底部3と平行な平行面520を有する。平行面520は、径方向に広がる。均熱部材5と同一な構成は同一の符号を付し、説明を省略する。平行面520の大きさは、任意に選択することができる。例えば、z方向から平面視して坩堝1の内径w3と同じ長さになるようにしてもよい。均熱部材5aは、平行面520を介して内底部3に固定されてもよい。均熱部材5aにおいて、外径w2は均熱部材5のうち平行面520を含まない部分の外径である。
均熱部材5aを用いた場合であっても、均熱部材5を用いた場合と同様な効果を得ることができる。また、外殻52aが平行面520を有していると、原料Mによる昇華ガスが、均熱部材5の内部に入ることをさらに抑制できる。
図3(b)は、均熱部材5bの断面模式図である。均熱部材5bは、上端5b1における径方向の大きさおよび下端5b2における径方向の大きさよりも、中腹5b3における径方向の大きさの方が大きい。中腹5b3は、均熱部材5のz方向における大きさを二等分する部分である。均熱部材5bを用いた場合であっても、均熱部材5を用いた場合と同様な効果を得ることができる。また、均熱部材5bは、芯棒51bの坩堝1と接する面積が小さく、成長空間Rに面する面積も小さい。そのため、均熱部材5bを通じて熱が逃げることを、さらに効率的に抑制することができる。
[SiC単結晶の製造方法]
本実施形態に係るSiC単結晶の製造方法は、例えば単結晶製造装置100を用いてSiC単結晶Sを製造する。本実施形態に係るSiC単結晶の製造方法は、準備工程と加熱工程とを有する。
準備工程は、坩堝1の内底部3に原料Mを収容する。原料Mは、蓋2に垂直な方向からの平面視で、均熱部材5に重ならないように収容することが好ましい。原料Mに用いられるSiCは、例えば2H、3C、4H、6H、15Rのいずれかの結晶構造を含む結晶である。原料Mを構成する粉末粒子の平均粒径は、例えば1000μm以下である。
加熱工程は、加熱手段Hにより坩堝1を加熱し、原料Mを昇華する。加熱工程は、直接加熱により坩堝1を発熱させてもよく、間接加熱により坩堝1を加熱してもよい。
本実施形態のSiC単結晶の製造方法は、均熱部材5によって坩堝1内に収容された原料Mの熱が逃げることを抑制できる。すなわち、原料Mを高温に保つことができ、効率的に原料Mを加熱できる。
<実施例1>
図1に示す構成の単結晶製造装置100に、SiC原料Mを収容し、SiC単結晶Sを製造した際に、昇華したSiC原料の比率を求めた。実施例1は、以下の条件で行った。尚、以下の条件における符号は、図1の構成と実施例の条件についての対応の理解をわかりやすくするために便宜上記載されたものであり、本実施形態は以下の数値に限定されるものではない。
坩堝1の内径w3:200mm
均熱部材5の外径:60mm
芯棒51の外径:30mm
外殻52の厚さT:15mm
坩堝1の高さ:300mm
均熱部材5の高さ:110mm
収容した原料Mの高さ:100mm
上記の通り、実施例1では均熱部材5の外径w2が坩堝1の内径w3の0.3倍になるように設定し、芯棒51の外径w1が均熱部材5の外径w2の0.5倍になるように設定した。芯棒51としては、黒鉛フェルトを用いた。実施例1では、均熱部材5を配置せずにSiC原料を収容する場合と比較し、重量比率で91%のSiC原料が収容された。この単結晶製造装置を用いてSiC単結晶Sを製造し、製造後のSiC原料の重量を測定した。
その結果、充填したSiC原料に対して、昇華したSiC原料の重量比率は37%であった。すなわち、均熱部材5を設置しない場合に充填できるSiC原料の量が100gであったとすると、実施例1で収容できるSiC原料Mの重量は91gであり、昇華したSiC原料の重量は33.67gであった。
<実施例2~6、比較例1~4>
図1に示す構成において、均熱部材5の外径w2に対する芯棒51の外径w1の比(w1/w2)、坩堝1の内径w3に対する均熱部材5の外径w2の比(w2/w3)を表1に示す条件に変更してSiC単結晶Sを製造した。その他の条件は、実施例1と同様にした。比較例1は、均熱部材5を配置しない条件であり、比較例2~4は、均熱部材として黒鉛のみで形成された棒(黒鉛棒)を配置した条件である。
充填したSiC原料の重量比率とは、比較例1で充填したSiC原料の重量に対して、充填したSiC原料の重量の比率である。昇華したSiC原料の比率とは、充填したSiC原料の重量に対して、昇華したSiC原料の重量の比率である。昇華したSiC原料の量とは、比較例1で収容したSiC原料の重量を100gとしたとき、昇華したSiC原料の重量(g)である。
Figure 0007351219000001
表1に示す通り、芯棒および外殻のいずれも配置しない場合(比較例1)と比較し、黒鉛棒を配置した比較例2~4および均熱部材5を配置した実施例1~6では、昇華したSiC原料の比率を高めることができる。比較例1で残存するSiC原料を確認したところ、SiC原料が中心部付近で結晶化していることが確認された。
実施例1、2の均熱部材5の外径w2と比較例2の黒鉛棒の外径は、同一である。そのため、実施例1、2と比較例2とでは、充填したSiC原料の重量が同一である。実施例1、2と比較例2の結果を比較すると、実施例1、2の方が、比較例2よりも昇華したSiC原料の比率が高い。
同様に、実施例3、4の均熱部材5の外径w2と比較例3の黒鉛棒の外径、および実施例5、6の均熱部材5の外径w2と比較例4の黒鉛棒の外径は、それぞれ同一である。実施例3、4と比較例3の結果を比較すると、実施例3、4の方が、比較例3よりも昇華したSiC原料の比率が高く、実施例5、6の方が、比較例4よりも昇華したSiC原料の比率が高い。
従って、実施例1~6および比較例2~4に示すように、外殻52と芯棒51とを備える均熱部材5を配置することで、黒鉛棒を配置する場合と比べて、SiC原料の有効活用ができる。
上述の実施例が示す通り、均熱部材5の外径w2が、坩堝1の内径w3の0.3倍以上0.7倍以下であると、原料を効率的に加熱でき、均熱部材近傍の温度を高めることができる。また、芯棒の外径が均熱部材の外径の0.5倍以上0.95倍以下であると、原料を効率的に加熱でき、均熱部材近傍の温度を高めることができる。また、均熱部材は、外殻の内側に芯棒として断熱材を有することで、効率的に原料を加熱することができる。すなわち、SiC原料の有効活用と一度の成長での成長量の向上とを両立できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1:坩堝、2:蓋、2a台座、3:内底部、4:断熱材、5:均熱部材、51:芯棒、
52:外殻、100:単結晶製造装置、H:加熱手段、M:原料、S:SiC単結晶、
SD:種結晶、R:成長空間

Claims (6)

  1. 内底部に原料を収容でき、蓋に種結晶を設置できる坩堝と、
    前記坩堝を囲む加熱手段と、を備え、
    前記坩堝は、前記内底部の中心から前記種結晶に向って起立する均熱部材を有し、
    前記均熱部材の一部は前記原料の表面から突出し、
    前記均熱部材は、芯棒と、前記芯棒を覆う外殻と、を備え、
    前記芯棒は、断熱材である、単結晶製造装置。
  2. 前記均熱部材の外径は、前記坩堝の内径の0.2倍以上0.7倍以下である、請求項1に記載の単結晶製造装置。
  3. 前記芯棒の外径は、前記均熱部材の外径の0.5倍以上0.95倍以下である、請求項1または2に記載の単結晶製造装置。
  4. 前記外殻は黒鉛からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
  5. 前記外殻の厚さは2.5mm以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
  6. 前記均熱部材は、前記内底部と平行で、径方向に広がる平行面を有し、
    前記均熱部材は、前記平行面を介して前記内底部に固定される、請求項1~5のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
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