JP7350155B2 - 圧電同軸センサ及び圧電同軸センサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、出力特性の悪化が抑制される圧電同軸センサ及び圧電同軸センサの製造方法に関する。
同軸ケーブルの中心導体と外部導体との間に圧電素子が配置された圧電同軸センサが知られている。圧電同軸センサは、当該センサの外周面から力が加わる場合に生じる圧電素子の電圧を中心導体と外部導体とを介して検知することで、当該力を検出する。この性質を利用して、圧電同軸センサが設けられる被測定物の変形や被測定物に加わる力、振動等を検出する。このような圧電同軸センサの圧電素子には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)から成る高分子圧電体が用いられるものが知られている。
下記特許文献1には、このような圧電同軸センサが記載されている。この圧電同軸センサは、中心導体と、中心導体の外周面を被覆するPVDFから成る高分子圧電体層と、高分子圧電体層の外周面を囲う外部導体と、外部導体の外周面を被覆するジャケット層である絶縁層と、から構成される。このジャケット層は、押出成形で形成される。
特開2017-183570号公報
しかし、上記特許文献1に記載の圧電同軸センサは出力が小さい傾向にある。この原因は、ジャケット層を押出成形で形成する際に、PVDFの分極が低下するためと考えられる。このため、ジャケット層をテープ巻きにより形成したいとの要請がある。テープ巻きの場合、少なくとも外部に露出するジャケットを構成するテープが接着により固定される必要がある。接着性を有するテープを用いる場合、製造上の問題から熱可塑性樹脂から成る接着剤を用いたいという要請があるが、このような接着剤を用いると、加熱時においてPVDFの分極が低下することによる出力特性の悪化の懸念がある。
そこで、本発明は、出力特性の悪化が抑制される圧電同軸センサ及び圧電同軸センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の圧電同軸センサは、線状の中心導体、前記中心導体の外周面を被覆するポリフッ化ビニリデンを含む高分子圧電体層、及び前記高分子圧電体層の外周面を囲う第1外部導体を有するセンサ部と、前記センサ部の外周面を囲うように巻かれるテープ状のフィルムを有する少なくとも1つのジャケット層と、備え、前記ジャケット層のうち外部に露出する前記ジャケット層における前記フィルムは、120℃以下の融点の熱可塑性樹脂から成る接着層により当該接着層の接する部材に接着されていることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するため、本発明の圧電同軸センサの製造方法は、線状の中心導体と、前記中心導体の外周面を被覆するポリフッ化ビニリデンを含む高分子圧電体層と、前記高分子圧電体層の外周面を囲う第1外部導体と、を有するセンサ部を準備する準備工程と、前記センサ部の外周面を囲うように巻かれるテープ状のフィルムを有する少なくとも1つのジャケット層を形成するジャケット層形成工程と、を備え、前記ジャケット層形成工程は、前記ジャケット層のうち外部に露出する前記ジャケット層を形成する露出ジャケット形成工程を含み、前記露出ジャケット形成工程は、外部に露出する前記ジャケット層となる前記フィルムを前記センサ部の外周面を囲うように120℃以下の融点の熱可塑性樹脂から成る接着層を介して当該接着層が接する部材の外周面に巻く巻回工程と、外部に露出する前記ジャケット層となる前記フィルムが巻かれた前記センサ部を120℃以下で加熱して、前記接着層により当該フィルムを前記部材に接着する接着工程と、を含むことを特徴とするものである。
本発明者は、熱可塑性樹脂から成る接着層を接着剤として用いて、様々な温度でフィルムをセンサ部に固定した。その結果、圧電同軸センサの高分子圧電体層がPVDFを含む場合、120度以下で加熱すれば、出力特性の悪化が抑制されることを見出した。この原因は、このような条件の加熱であれば、PVDFの分極の低下が抑制されるためと考えられる。従って、本発明の圧電同軸センサでは、120℃以下の加熱により外部に露出するジャケット層を形成することができるため、PVDFの分極の低下を抑制し得る。従って、圧電同軸センサは、出力特性の悪化が抑制され得る。また、本発明の圧電同軸センサの製造方法は、120℃以下の加熱により外部に露出するジャケット層を形成するため、PVDFの分極の低下を抑制し得、出力特性の悪化が抑制される圧電同軸センサを製造することができる。
また、前記熱可塑性樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含んでもよい。
この場合、120度以下の融点の接着層とすることができる。
また、上記の圧電同軸センサは、1つ以上の前記ジャケット層を含み前記センサ部の外周面を被覆する第1ジャケット層と、前記第1ジャケット層の外周面を囲う第2外部導体と、1つ以上の前記ジャケット層を含み前記第2外部導体の外周面を被覆する第2ジャケット層と、を備え、前記第2ジャケット層の最も外側の前記ジャケット層は、外部に露出する前記ジャケット層であることが好ましい。
また、上記の圧電同軸センサの製造方法は、1つ以上の前記ジャケット層を含み前記センサ部の外周面を被覆する第1ジャケット層を形成する第1ジャケット層形成工程と、前記第1ジャケット層の外周面を囲う第2外部導体を形成する第2外部導体形成工程と、1つ以上の前記ジャケット層を含み前記第2外部導体の外周面を被覆する第2ジャケット層を形成する第2ジャケット層形成工程と、を備え、前記第2ジャケット層の最も外側の前記ジャケット層は、外部に露出する前記ジャケット層であることが好ましい。
このような圧電同軸センサ及び圧電同軸センサの製造方法では、第2外部導体がシールド層として作用し、外部の電磁場等の影響が中心導体や第1外部導体に届くことを抑制することができる。従って、外部の電磁場等により、中心導体や第1外部導体にノイズが重畳することを抑制することができる。このため、圧電同軸センサが優れた耐ノイズ特性を有することができる。なお、耐ノイズ特性は、外来ノイズを抑制する特性であり、耐ノイズ性が高い場合には、S/N比が高い。また、第2ジャケット層により、シールド層として作用する第2外部導体の外周面を外部と絶縁し得る。従って、第2外部導体を介して中心導体や第1外部導体にノイズが重畳することをより抑制することができる。
また、上記のように圧電同軸センサが第1ジャケット層と第2外部導体と第2ジャケット層とを備える場合において、前記第1ジャケット層は、前記センサ部の外周面を被覆し、前記フィルムが前記センサ部に非接着である内側第1ジャケット層と、前記内側第1ジャケット層の外周面を被覆し、前記接着層により前記フィルムが前記内側第1ジャケット層に接着される外側第1ジャケット層と、を有することが好ましい。
また、上記のように圧電同軸センサの製造方法が第1ジャケット層形成工程と第2外部導体形成工程と第2ジャケット層形成工程とを備える場合において、前記第1ジャケット層形成工程は、前記センサ部の外周面を被覆し、前記フィルムが前記センサ部に非接着である内側第1ジャケット層を形成する内側第1ジャケット層形成工程と、前記内側第1ジャケット層の外周面を被覆し、前記接着層により前記フィルムが前記内側第1ジャケット層に接着される外側第1ジャケット層を形成する外側第1ジャケット層形成工程と、を有し、前記外側第1ジャケット層形成工程は、前記外側第1ジャケット層となる前記フィルムを前記内側第1ジャケット層の外周面に前記接着層を介して巻く外側第1ジャケット層巻回工程と、前記外側第1ジャケット層巻回工程で前記外側第1ジャケット層となる前記フィルムが巻かれた前記内側第1ジャケット層及び前記センサ部を120℃以下で加熱して、前記接着層により前記外側第1ジャケット層となる前記フィルムを前記内側第1ジャケット層に接着する外側第1ジャケット層接着工程と、を含むことが好ましい。
このような圧電同軸センサ及び圧電同軸センサの製造方法によれば、内側第1ジャケット層がセンサ部に非接着であるため、センサ部を口出しすることが容易である。また、外側第1ジャケット層が内側第1ジャケット層に接着されるため、圧電同軸センサが屈曲される場合であっても第1ジャケット層が解けることが抑制される。また、このような圧電同軸センサによれば、120℃以下の加熱により第1ジャケット層を形成することができるため、PVDFの分極の低下を抑制し得、出力特性の悪化が抑制され得る。また、このような圧電同軸センサの製造方法によれば、120℃以下の加熱により第1ジャケット層を形成するため、PVDFの分極の低下を抑制し得る。
また、上記のように圧電同軸センサが第1ジャケット層と第2外部導体と第2ジャケット層とを備える場合において、前記第2ジャケット層は、前記第2外部導体の外周面を被覆し、前記フィルムが前記第2外部導体に非接着である内側第2ジャケット層と、前記第2ジャケット層の最も外側の前記ジャケット層であり、前記内側第2ジャケット層の外周面を被覆し、前記接着層により前記フィルムが前記内側第2ジャケット層に接着される外側第2ジャケット層と、を有することが好ましい。
また、上記のように圧電同軸センサの製造方法が第1ジャケット層形成工程と第2外部導体形成工程と第2ジャケット層形成工程とを備える場合において、前記第2ジャケット層形成工程は、前記第2外部導体の外周面を被覆し、前記フィルムが前記第2外部導体に非接着である内側第2ジャケット層を形成する内側第2ジャケット層形成工程と、前記第2ジャケット層の最も外側の前記ジャケット層であり、前記内側第2ジャケット層の外周面を被覆し、前記接着層により前記フィルムが前記内側第2ジャケット層に接着される外側第2ジャケット層を形成する外側第2ジャケット層形成工程と、を有し、前記外側第2ジャケット層形成工程は、前記露出ジャケット形成工程であることが好ましい。
このような圧電同軸センサ及び圧電同軸センサの製造方法によれば、内側第2ジャケット層が第2外部導体に非接着であるため、第2外部導体を口出しすることが容易である。また、外側第2ジャケット層が内側第2ジャケット層に接着されるため、圧電同軸センサが屈曲される場合であっても第2ジャケット層が解けることが抑制される。また、このような圧電同軸センサによれば、120℃以下の加熱により第2ジャケット層を形成することができるため、PVDFの分極の低下を抑制し得、出力特性の悪化が抑制され得る。また、このような圧電同軸センサの製造方法によれば、120℃以下の加熱により第2ジャケット層を形成するため、PVDFの分極の低下を抑制し得る。
以上のように、本発明によれば、出力特性の悪化が抑制される圧電同軸センサ及び圧電同軸センサの製造方法が提供される。
本発明の実施形態に係る圧電同軸センサを示す図である。 図1の圧電同軸センサの長手方向に垂直な断面における構造を示す図である。 図1の圧電同軸センサを製造する工程を示すフローチャートである。 準備工程後の様子を示す図である。 内側第1ジャケット層形成工程の様子を示す図である。 外側第1ジャケット層巻回工程の様子を示す図である。 外側第1ジャケット層接着工程の様子を示す図である。 第2外部導体形成工程後の様子を示す図である。 内側第2ジャケット層形成工程の様子を示す図である。 外側第2ジャケット層巻回工程の様子を示す図である。 加熱炉の設定温度と圧電同軸センサに生じる電圧の測定結果との関係を示す図である。
以下、本発明に係る圧電同軸センサを実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、本明細書では、理解を容易にするために、各部材の寸法が誇張して示されている場合がある。
図1は、本実施形態に係る圧電同軸センサを示す図である。図1に示すように、本実施形態の圧電同軸センサ1は、中心導体11と、高分子圧電体層12と、第1外部導体13と、第1ジャケット層14と、第2外部導体15と、第2ジャケット層16と、を備える。
中心導体11は、複数の導電性線材の撚り線から成る線状の導体である。この中心導体11としては、導体であれば特に制限されないが、例えば、銅、アルミニウム、錫めっき軟銅合金等から成る導体が挙げられる。なお、図1では、中心導体11が上述のように複数の導電性線材の撚り線から成る例が示されているが、中心導体11は、導電性の単線から成る線状の導体であっても良い。
高分子圧電体層12は、中心導体11の外周面を被覆する層である。本実施形態では、高分子圧電体層12は、中心導体11の外周面に接している。高分子圧電体層12は、圧電性を示し、PVDFを含む高分子から成る。高分子圧電体層12は、押し出し成形等により、断面の外形が略円形状に形成されている。なお、高分子圧電体層12は、PVDFを含む高分子圧電体から成るテープ状のフィルムが中心導体11に巻かれることで構成されてもよい。この場合、当該フィルムは、螺旋巻きで巻かれても縦沿え巻きで巻かれてもよい。
第1外部導体13は、高分子圧電体層12の外周面を囲う導体である。本実施形態では、第1外部導体13は、高分子圧電体層12の外周面に接している。第1外部導体13は、複数の導線が同一方向に螺旋状に巻かれた構成とされる。このような第1外部導体13は、導体から成れば特に制限されないが、例えば、中心導体11と同様の導体から成る。なお、図1では、第1外部導体13として複数の導線が螺旋状に巻かれた例が示されるが、第1外部導体13は、複数の導線が編まれた網線であってもよい。
以上の構成による中心導体11と、高分子圧電体層12と、第1外部導体13とにより、センサ部Sが構成されている。なお、上記のように、高分子圧電体層12は中心導体11の外周面に接し、第1外部導体13は高分子圧電体層12の外周面に接している。このため、センサ部Sでは、圧電同軸センサ1に加わる外力が高分子圧電体層12に伝達され当該高分子圧電体層12に誘導電荷が生じる場合に、中心導体11と第1外部導体13との間には高分子圧電体層12に生じる誘導電荷に基づいて電圧が生じる。このため、中心導体11と第1外部導体13との間の電圧を該圧電同軸センサ1の外側に誘引し計測することで、該圧電同軸センサ1に加わる力を計測することが可能となる。
図2は、図1の圧電同軸センサ1の長手方向に垂直な断面における構造を示す図である。第1ジャケット層14は、第1外部導体13の外周面を被覆する層である。従って、第1ジャケット層14は、センサ部Sの外周面を被覆する。図1、図2に示すように、本実施形態では、第1ジャケット層14は、内側第1ジャケット層14a及び外側第1ジャケット層14bの2つのジャケット層を有する。
内側第1ジャケット層14aは、樹脂から成るテープ状のフィルム14atから成り、フィルム14atは、第1外部導体13の外周面上に螺旋状に巻かれている。フィルム14atのいずれの面にも接着層が設けられておらず、内側第1ジャケット層14aは、第1外部導体13に非接着である。フィルム14atの材料としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド等の絶縁性の樹脂を挙げることができる。なお、フィルム14atの一方の面上に接着層が設けられてもよいが、この場合、第1外部導体13を口出しする際に、内側第1ジャケット層14aと第1外部導体13とが容易に剥離可能となる観点から、接着層は、内側第1ジャケット層14aの外側となるフィルム14atの面上に設けられることが好ましい。
外側第1ジャケット層14bは、図2に示すように、第1ジャケット層14の最も外側のジャケット層であり、樹脂から成るテープ状のフィルム14btと、フィルム14btの一方の面上に設けられる接着層14baとから成る。フィルム14btは、接着層14baが内側第1ジャケット層14a側を向き、内側第1ジャケット層14aの外周面上に螺旋状に巻かれている。従って、接着層14baは、内側第1ジャケット層14aに接しており、接着層14baによりフィルム14btが内側第1ジャケット層14aに接着されている。なお、図1の例では、外側第1ジャケット層14bのフィルム14btは、内側第1ジャケット層14aのフィルム14atと同一方向に巻かれているが、外側第1ジャケット層14bのフィルム14btと内側第1ジャケット層14aのフィルム14atとが逆方向に巻かれてもよい。また、フィルム14at及びフィルム14btの少なくとも一方が縦沿え巻きに巻かれてもよい。フィルム14btの材料としては、特に制限されないが、例えば、フィルム14atと同様の材料を挙げることができる。接着層14baに用いられる接着剤は、120℃以下の融点の熱可塑性樹脂から成る。このような樹脂としては、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を挙げることができる。EVAを含むことで、熱可塑性樹脂の融点を120℃以下にすることができる。
なお、上記のように、接着層が内側第1ジャケット層14aの外側となるフィルム14atの面上に設けられる場合には、内側第1ジャケット層14aの外周面には接着層が露出するため、フィルム14btのいずれの面にも接着層が設けられていなくてもよく、上記のようにフィルム14btの内側第1ジャケット層14a側の面に接着層14baが設けられていてもよい。また、上記のように、フィルム14atのいずれの面にも接着層が設けられていない場合であっても、接着層14baが設けられなくてもよいが、圧電同軸センサ1が繰り返し屈曲される場合におけるフィルム14btが解けること抑制する観点から、上記のように接着層14baが設けられることが好ましい。
また、内側第1ジャケット層14a及び外側第1ジャケット層14bのいずれか一方が省略され、第1ジャケット層14が内側第1ジャケット層14a及び外側第1ジャケット層14bの他方から構成されてもよい。ただし、第1ジャケット層14と第1外部導体13とが容易に剥離可能としつつ、第1ジャケット層14が解けることを抑制する観点から、第1ジャケット層14は、上記のように非接着の内側第1ジャケット層14aと、接着層14baを有する外側第1ジャケット層14bとから構成されることが好ましい。
第2外部導体15は、第1ジャケット層14の外周面を囲う導体である。第2外部導体15は、複数の導線が同一方向に螺旋状に巻かれた構成とされる。このような第2外部導体15は、導体から成れば特に制限されないが、例えば、第1外部導体13と同様の導体から成る。なお、図1では、第2外部導体15として複数の導線が螺旋状に巻かれた例が示されるが、第2外部導体15は、複数の導線が編まれた網線であってもよい。
第2ジャケット層16は、第2外部導体15の外周面を被覆する層である。本実施形態では、第2ジャケット層16は、内側第2ジャケット層16a及び外側第2ジャケット層16bの2つのジャケット層を有する。
内側第2ジャケット層16aは、樹脂から成るテープ状のフィルム16atから成り、フィルム16atは、第2外部導体15の外周面上に螺旋状に巻かれている。フィルム16atのいずれの面にも接着層が設けられておらず、内側第2ジャケット層16aは、第2外部導体15に非接着である。フィルム16atの材料としては、特に制限されないが、例えば、フィルム14atと同様の材料を挙げることができる。なお、フィルム16atの一方の面上に接着層が設けられてもよいが、この場合、第2外部導体15を口出しする際に、内側第2ジャケット層16aと第2外部導体15とが容易に剥離可能となる観点から、接着層は、内側第2ジャケット層16aの外側となるフィルム16atの面上に設けられることが好ましい。
図1、図2に示すように、外側第2ジャケット層16bは、第2ジャケット層16の最も外側のジャケット層であり、外部に露出するジャケット層である。外側第2ジャケット層16bは、樹脂から成るテープ状のフィルム16btと、フィルム16btの一方の面上に設けられる接着層16baとから成る。フィルム16btは、接着層16baが内側第2ジャケット層16a側を向き、内側第2ジャケット層16aの外周面上に螺旋状に巻かれている。従って、接着層16baは、内側第2ジャケット層16aに接しており、接着層16baによりフィルム16btが内側第2ジャケット層16aに接着されている。なお、図1の例では、外側第2ジャケット層16bのフィルム16btは、内側第2ジャケット層16aのフィルム16atと同一方向に巻かれているが、外側第2ジャケット層16bのフィルム16btと内側第2ジャケット層16aのフィルム16atとが逆方向に巻かれてもよい。また、フィルム16at及びフィルム16btの少なくとも一方が縦沿え巻きに巻かれてもよい。フィルム16btの材料としては、特に制限されないが、例えば、フィルム16atと同様の材料を挙げることができる。接着層16baに用いられる接着剤は、120℃以下の融点の熱可塑性樹脂から成る。従って、接着層16baに用いられる接着剤は、例えば、接着層14baに用いられる熱可塑性樹脂と同様の熱可塑性樹脂から成る。
なお、上記のように、接着層が内側第2ジャケット層16aの外側となるフィルム16atの面上に設けられる場合には、内側第2ジャケット層16aの外周面には接着層が露出するため、フィルム16btのいずれの面にも接着層が設けられていなくてもよく、上記のようにフィルム16btの内側第2ジャケット層16a側の面に接着層16baが設けられていてもよい。
また、内側第2ジャケット層16aが省略され、第2ジャケット層16が外側第2ジャケット層16bから構成されてもよい。ただし、第2ジャケット層16と第2外部導体15とが容易に剥離可能としつつ、第2ジャケット層16が解けることを抑制する観点から、第2ジャケット層16は、上記のように非接着の内側第2ジャケット層16aと、接着層16baを有する外側第2ジャケット層16bとから構成されることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態の圧電同軸センサ1は、線状の中心導体11、中心導体11の外周面を被覆するPVDFを含む高分子圧電体層12、及び高分子圧電体層12の外周面を囲う第1外部導体13を有するセンサ部Sと、センサ部Sの外周面を囲うように巻かれるテープ状のフィルムを有する少なくとも1つのジャケット層と、備え、ジャケット層のうち外部に露出する外側第2ジャケット層16bにおけるフィルム16btは、120℃以下の融点の熱可塑性樹脂から成る接着層16baにより接着層16baの接する内側第2ジャケット層16aに接着されている。
このような構成の圧電同軸センサ1では、120℃以下の加熱により外部に露出する外側第2ジャケット層16bを形成することができる。従って、PVDFの分極の低下を抑制し得る。従って、本実施形態の圧電同軸センサ1は、出力特性の悪化が抑制され得る。
また、接着層16baを構成する熱可塑性樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含んでいるため、接着層16baの融点を120℃以下にすることができる。
また、本実施形態の圧電同軸センサ1は、1つ以上のジャケット層を含みセンサ部Sの外周面を被覆する第1ジャケット層14と、第1ジャケット層14の外周面を囲う第2外部導体15と、1つ以上のジャケット層を含み第2外部導体15の外周面を被覆する第2ジャケット層16と、を備え、第2ジャケット層16の最も外側のジャケット層である外側第2ジャケット層16bは、外部に露出するジャケット層である。このような圧電同軸センサ1では、第2外部導体15がシールド層として作用し、外部の電磁場等の影響が中心導体11や第1外部導体13に届くことを抑制することができる。従って、外部の電磁場等により、中心導体11や第1外部導体13にノイズが重畳することを抑制することができる。このため、圧電同軸センサ1が優れた耐ノイズ特性を有することができる。また、第2ジャケット層16により、シールド層として作用する第2外部導体15の外周面を外部と絶縁し得る。従って、第2外部導体15を確実に接地することが出来るため第2外部導体15はシールド層として作用し、中心導体11や第1外部導体13にノイズが重畳することをより抑制することができる。
また、本実施形態の圧電同軸センサ1では、第1ジャケット層14は、センサ部Sの外周面を被覆し、フィルム14atがセンサ部Sに非接着である内側第1ジャケット層14aと、内側第1ジャケット層14aの外周面を被覆し、接着層14baによりフィルム14btが内側第1ジャケット層14aに接着される外側第1ジャケット層14bと、を有する。このような圧電同軸センサ1によれば、内側第1ジャケット層14aがセンサ部Sに非接着であるため、センサ部Sを口出しすることが容易である。従って、第1外部導体13を他の部材に容易に接続することができる。また、外側第1ジャケット層14bが内側第1ジャケット層14aに接着されるため、圧電同軸センサ1が屈曲される場合であっても第1ジャケット層14が解けることが抑制される。また、このような圧電同軸センサ1によれば、120℃以下の加熱により第1ジャケット層14を形成することができるため、PVDFの分極の低下を抑制し得るので、出力特性の悪化が抑制され得る。
また、本実施形態の圧電同軸センサ1では、第2ジャケット層16は、第2外部導体15の外周面を被覆し、フィルム16atが第2外部導体15に非接着である内側第2ジャケット層16aと、第2ジャケット層16の最も外側のジャケット層であり、内側第2ジャケット層16aの外周面を被覆し、接着層16baによりフィルム16btが内側第2ジャケット層16aに接着される外側第2ジャケット層16bと、を有する。このような圧電同軸センサ1によれば、内側第2ジャケット層16aが第2外部導体15に非接着であるため、第2外部導体15を口出しすることが容易である。従って、第2外部導体15をグランド等の他の部材に容易に接続することができる。また、外側第2ジャケット層16bが内側第2ジャケット層16aに接着されるため、圧電同軸センサ1が屈曲される場合であっても第2ジャケット層16が解けることが抑制される。また、このような圧電同軸センサ1によれば、120℃以下の加熱により第2ジャケット層16を形成することができるため、PVDFの分極の低下を抑制し得るので、出力特性の悪化が抑制され得る。
次に圧電同軸センサ1の製造方法について説明する。
図3は、図1の圧電同軸センサ1を製造する工程を示すフローチャートである。図3に示すように、本実施形態の圧電同軸センサ1の製造方法は、準備工程P1と、第1ジャケット層形成工程P2と、第2外部導体形成工程P3と、第2ジャケット層形成工程P4と、を備える。
<準備工程P1>
本工程は、センサ部Sを準備する工程である。上記のように、センサ部Sは、中心導体11と、高分子圧電体層12と、第1外部導体13と、を有する。従って、まず線状の中心導体11を準備する。そして、中心導体11の外周面上にPVDFを含む高分子圧電体層12を形成する。図1、図2に示す高分子圧電体層12であれば、高分子圧電体層12を押出成形により形成する。また、図1、図2と異なり、PVDFを含む高分子圧電体から成るテープ状のフィルムが中心導体11に巻かれることで高分子圧電体層12が構成される場合には、当該フィルムを中心導体11に螺旋巻きや縦沿え巻きで巻く。次に、中心導体11の周りに形成された高分子圧電体層12の外周面上に第1外部導体13を形成する。図1に示す第1外部導体13であれば、複数の導線を高分子圧電体層12の外周面上に螺旋状に巻く。或いは、第1外部導体13が複数の導線が編まれた網線である場合には、複数の導線を高分子圧電体層12の外周面上編み込んで網線とする。こうして、図4に示すセンサ部Sが準備される。
なお、センサ部Sは、上記工程以外の方法で準備されてもよい。例えば、センサ部Sを外部から購入することで、センサ部Sを準備してもよい。
<第1ジャケット層形成工程P2>
本工程は、第1ジャケット層14を形成する工程である。図3に示すように本工程は、内側第1ジャケット層形成工程P2aと外側第1ジャケット層形成工程P2bとを有する。
≪内側第1ジャケット層形成工程P2a≫
本工程は、センサ部Sの外周面を被覆し、フィルム14atがセンサ部Sに非接着である内側第1ジャケット層14aを形成する工程である。図5は、本工程の様子を示す図である。図5に示すように、本工程では、両面に接着層が非形成のフィルム14atを準備し、フィルム14atをセンサ部Sの外周面上に螺旋巻きで巻く。なお、図5と異なり、フィルム14atが縦沿え巻きで巻かれる場合には、フィルム14atをセンサ部Sの外周面上に縦沿え巻きで巻く。こうして、内側第1ジャケット層14aが形成される。
なお、上記のように、接着層がフィルム14atの面上に設けられる場合には、フィルム14atの接着層が設けられる面が外側となるように、フィルム14atをセンサ部Sの外周面上に巻く。この場合、フィルム14atは、接着層が接する部材である。
≪外側第1ジャケット層形成工程P2b≫
本工程は、内側第1ジャケット層14aの外周面を被覆し、接着層14baによりフィルム14btが内側第1ジャケット層14aに接着されることで、外側第1ジャケット層14bを形成する工程である。本工程は、外側第1ジャケット層巻回工程P2bwと外側第1ジャケット層接着工程P2baとを含む。
(外側第1ジャケット層巻回工程P2bw)
本工程は、外側第1ジャケット層14bとなるフィルム14btを内側第1ジャケット層14aの外周面に巻く工程である。図6は、本工程の様子を示す図である。図6に示すように、本工程では、接着層14baが設けられたフィルム14btを準備して、接着層14baが内側第1ジャケット層14aと接するように、フィルム14btを内側第1ジャケット層14aの外周面上に螺旋巻きで巻く。なお、図6と異なり、フィルム14btが縦沿え巻きで巻かれる場合には、接着層14baが内側第1ジャケット層14aと接するように、フィルム14btを内側第1ジャケット層14aの外周面上に縦沿え巻きで巻く。こうして、接着層14baが内側第1ジャケット層14aに接して、フィルム14btが内側第1ジャケット層14aの外周面上に巻かれた状態となる。なお、本工程により、フィルム14btは、内側第1ジャケット層14aを介して、センサ部Sの外周面を囲う。
なお、上記のように、接着層がフィルム14atの面上に設けられ、フィルム14atの接着層が設けられる面が外側となるように、フィルム14atがセンサ部Sの外周面上に巻かれる場合には、フィルム14at上の接着層を介して、接着層14baが設けられないフィルム14btを内側第1ジャケット層14aの外周面上に巻いてもよく、上記のように、接着層14baが設けられたフィルム14btを内側第1ジャケット層14aの外周面上に巻いてもよい。
こうして、外側第1ジャケット層14bとなるフィルム14btが内側第1ジャケット層14aの外周面に接着層を介して巻かれる。
なお、上記のように、第1ジャケット層形成工程P2では、フィルム14at及びフィルム14btのいずれの面にも接着層が設けられなくともよい。
(外側第1ジャケット層接着工程P2ba)
本工程は、接着層14baにより外側第1ジャケット層14bのフィルム14btを内側第1ジャケット層14aに接着する工程である。本工程では、フィルム14btが巻かれた内側第1ジャケット層14a及びセンサ部Sを120℃以下で加熱することで、接着層14baによりフィルム14btを内側第1ジャケット層14aに接着する。図7は、本工程の様子を示す図である。本実施形態の本工程では、上記のようにフィルム14btが巻かれた状態であり、フィルム14bt、内側第1ジャケット層14a、及びセンサ部Sから成る被加熱体1aを加熱炉H内に通すことで、被加熱体1aを加熱する。
このように加熱される被加熱体1aは、加熱炉H内に通される前においてリールR1に巻かれている。リールR1から送り出される被加熱体1aは、ガイドコロG1で向きが変えられて、加熱炉H内に通される。加熱炉H内の温度は、接着層14baの融点以上で120℃以下となるように調整される。上記のように接着層14baがEVAを含むのであれば、加熱炉H内の温度は、例えば、100℃以上120℃以下となるように調整される。なおEVAの融点は110℃である。加熱炉Hの長さは、例えば、1m以上2m以下とされる。また、被加熱体1aが移動する速度は、例えば、1m/min以上5m/min以下とされる。ただし、加熱炉H内の温度、加熱炉Hの長さ、及び被加熱体1aが移動する速度は、加熱炉H内において、接着層14baが融点以上120℃以下に加熱されれば、特に限定されない。加熱炉H内を通された被加熱体1aは、ガイドコロG2で向きが変えられて、リールR2に巻かれる。なお、加熱炉HからガイドコロG2までは、冷却区間である。冷却区間の長さは、接着層14baが凝固できる長さであれば特に限定されないが、例えば、3m以上とされる。
こうして、接着層14baにより外側第1ジャケット層14bのフィルム14btが内側第1ジャケット層14aに接着され、第1ジャケット層14が形成される。
なお、上記のように、接着層がフィルム14atの面上に設けられ、フィルム14bt上に接着層14baが設けられない場合には、フィルム14atに設けられる接着層により外側第1ジャケット層14bのフィルム14btが内側第1ジャケット層14aに接着される。また、接着層がフィルム14atの面上に設けられ、フィルム14bt上にも接着層14baが設けられる場合には、フィルム14atに設けられる接着層とフィルム14bt上に設けられる接着層14baとにより外側第1ジャケット層14bのフィルム14btが内側第1ジャケット層14aに接着される。
<第2外部導体形成工程P3>
本工程は、第1ジャケット層14の外周面を囲う第2外部導体15を形成する工程である。図1に示す第2外部導体15であれば、本工程において、複数の導線を第1ジャケット層14の外周面上に螺旋状に巻く。或いは、第2外部導体15が複数の導線が編まれた網線である場合には、複数の導線を第1ジャケット層14の外周面上編み込んで網線とする。こうして、図8に示すように第2外部導体15が形成された状態となる。
<第2ジャケット層形成工程P4>
本工程は、第2ジャケット層16を形成する工程である。図3に示すように本工程は、内側第2ジャケット層形成工程P4aと外側第2ジャケット層形成工程P4bとを有する。
≪内側第2ジャケット層形成工程P4a≫
本工程は、第2外部導体15の外周面を被覆し、フィルム16atが第2外部導体15に非接着である内側第2ジャケット層16aを形成する工程である。図9は、本工程の様子を示す図である。図9に示すように、本工程では、両面に接着層が非形成のフィルム16atを準備し、フィルム16atを第2外部導体15の外周面上に螺旋巻きで巻く。なお、図9と異なり、フィルム16atが縦沿え巻きで巻かれる場合には、フィルム16atを第2外部導体15の外周面上に縦沿え巻きで巻く。こうして、内側第2ジャケット層16aが形成される。
なお、上記のように、接着層が内側第2ジャケット層16aのフィルム16at上に設けられる場合には、フィルム16atの接着層が設けられる面が外側を向くようにフィルム16atを第2外部導体15の外周面上に巻く。この場合、フィルム16atは、接着層が接する部材である。
≪外側第2ジャケット層形成工程P4b≫
本工程は、内側第2ジャケット層16aの外周面を被覆し、接着層によりフィルム16btが内側第2ジャケット層16aに接着されることで、外側第2ジャケット層16bを形成する工程である。上記のように外側第2ジャケット層16bは、外部に露出するジャケット層であるため、本工程は、露出ジャケット形成工程と理解することができる。本工程は、外側第2ジャケット層巻回工程P4bwと外側第2ジャケット層接着工程P4baとを含む。
(外側第2ジャケット層巻回工程P4bw)
本工程は、接着層16baが設けられたフィルム16btを内側第2ジャケット層16aの外周面に巻く工程である。図10は、本工程の様子を示す図である。図10に示すように、本工程では、接着層16baが設けられたフィルム16btを準備して、接着層16baが内側第2ジャケット層16aと接するように、フィルム16btを内側第2ジャケット層16aの外周面上に螺旋巻きで巻く。なお、図10と異なり、フィルム16btが縦沿え巻きで巻かれる場合には、接着層16baが内側第2ジャケット層16aと接するように、フィルム16btを内側第2ジャケット層16aの外周面上に縦沿え巻きで巻く。こうして、接着層16baが内側第2ジャケット層16aに接して、フィルム16btが内側第2ジャケット層16aの外周面上に巻かれた状態となる。なお、本工程により、フィルム16btは、内側第2ジャケット層16a、第2外部導体15、第1ジャケット層14を介して、センサ部Sの外周面を囲う。
なお、上記のように、接着層がフィルム16atの面上に設けられ、フィルム16atの接着層が設けられる面が外側となるように、フィルム16atが第2外部導体15の外周面上に巻かれる場合には、フィルム16at上の接着層を介して、接着層16baが設けられないフィルム16btを内側第2ジャケット層16aの外周面上に巻いてもよく、上記のように、接着層16baが設けられたフィルム16btを内側第2ジャケット層16aの外周面上に巻いてもよい。
こうして、外側第2ジャケット層16bとなるフィルム16btが内側第2ジャケット層16aの外周面に接着層を介して巻かれる。
(外側第2ジャケット層接着工程P4ba)
本工程は、接着層16baにより外側第2ジャケット層16bのフィルム16btを内側第2ジャケット層16aに接着する工程である。本工程では、フィルム16btが巻かれた内側第2ジャケット層16a、第2外部導体15、第1ジャケット層14、及びセンサ部Sを120℃以下で加熱することで、接着層16baによりフィルム16btを内側第2ジャケット層16aに接着する。本実施形態の本工程は、図7に示す外側第1ジャケット層接着工程P2baを同様に行う。この場合、被加熱体1aは、フィルム16btが巻かれた内側第2ジャケット層16a、第2外部導体15、第1ジャケット層14、及びセンサ部Sから成る。この被加熱体1aが、加熱炉H内を通されることで、被加熱体1aが加熱され、加熱炉H内を通された後の接着層16baが凝固することで、フィルム16btは内側第2ジャケット層16aに接着される。
なお、本工程における加熱炉H内の温度、加熱炉Hの長さ、及び被加熱体1aが移動する速度は、加熱炉H内において、接着層16baが融点以上120℃以下に加熱されれば、特に限定されず、外側第1ジャケット層接着工程P2baにおける加熱炉H内の温度、加熱炉Hの長さ、及び被加熱体1aが移動する速度と異なってもよい。
こうして、接着層16baにより外側第2ジャケット層16bのフィルム16btが内側第2ジャケット層16aに接着され、図1、図2に示す圧電同軸センサ1が製造される。
なお、上記のように、接着層がフィルム16atの面上に設けられ、フィルム16bt上に接着層16baが設けられない場合には、フィルム16atに設けられる接着層により外側第2ジャケット層16bのフィルム16btが内側第2ジャケット層16aに接着される。また、接着層がフィルム16atの面上に設けられ、フィルム16bt上にも接着層16baが設けられる場合には、フィルム16atに設けられる接着層とフィルム16bt上に設けられる接着層16baとにより外側第2ジャケット層16bのフィルム16btが内側第2ジャケット層16aに接着される。
本製造方法は、複数のジャケット層を形成するジャケット層形成工程を備えている。すなわち、複数のジャケット層を形成するジャケット層形成工程は、内側第1ジャケット層形成工程P2a、外側第1ジャケット層形成工程P2b、内側第2ジャケット層形成工程P4a、及び外側第2ジャケット層形成工程P4bを含む。
以上説明したように、本実施形態の圧電同軸センサ1の製造方法は、センサ部Sを準備する準備工程P1と、センサ部Sの外周面を囲うように巻かれるテープ状のフィルムを有する少なくとも1つのジャケット層を形成するジャケット層形成工程と、を備える。このジャケット層形成工程は、ジャケット層のうち外部に露出するジャケット層を形成する露出ジャケット形成工程である外側第2ジャケット層形成工程P4bを含む。外側第2ジャケット層形成工程P4bは、120℃以下の融点の熱可塑性樹脂から成る接着層16baが設けられたフィルム16btをセンサ部Sの外周面を囲うように巻く外側第2ジャケット層巻回工程P4bwと、フィルム16btが巻かれたセンサ部Sを120℃以下で加熱して、接着層16baによりフィルム16btを接着層16baの接する部材である内側第2ジャケット層16aに接着する外側第2ジャケット層接着工程P4baと、を含む。
このような圧電同軸センサ1の製造方法によれば、120℃以下の加熱により外部に露出するジャケット層を形成するため、PVDFの分極の低下を抑制し得、出力特性の悪化が抑制される圧電同軸センサ1を製造することができる。
また、本実施形態の圧電同軸センサ1の製造方法では、接着層16baの熱可塑性樹脂がエチレン酢酸ビニル共重合体を含んでいるため、120度以下の融点の接着層とすることができる。
また、本実施形態の圧電同軸センサ1の製造方法は、複数のジャケット層を含みセンサ部Sの外周面を被覆する第1ジャケット層14を形成する第1ジャケット層形成工程P2と、第1ジャケット層14の外周面を囲う第2外部導体15を形成する第2外部導体形成工程P3と、複数のジャケット層を含み第2外部導体15の外周面を被覆する第2ジャケット層16を形成する第2ジャケット層形成工程P4と、を備えている。第2ジャケット層16の最も外側のジャケット層である外側第2ジャケット層16bは、外部に露出するジャケット層である。このような圧電同軸センサ1の製造方法では、第2外部導体15がシールド層として作用し、優れた耐ノイズ特性を有し、第2ジャケット層16により、シールド層として作用する第2外部導体15の外周面を外部と絶縁し得る圧電同軸センサ1を製造することができる。
また、本実施形態の圧電同軸センサ1の製造方法では、第1ジャケット層形成工程P2は、センサ部Sの外周面を被覆し、フィルム14atがセンサ部Sに非接着である内側第1ジャケット層14aを形成する内側第1ジャケット層形成工程P2aと、内側第1ジャケット層14aの外周面を被覆し、接着層14baによりフィルム14btが内側第1ジャケット層14aに接着される外側第1ジャケット層14bを形成する外側第1ジャケット層形成工程P2bと、を有し、外側第1ジャケット層形成工程P2bは、接着層14baが設けられたフィルム14btを内側第1ジャケット層14aの外周面に巻く外側第1ジャケット層巻回工程P2bwと、外側第1ジャケット層巻回工程P2bwでフィルム14btが巻かれた内側第1ジャケット層14a及びセンサ部Sを120℃以下で加熱して、接着層14baにより外側第1ジャケット層14bのフィルム14btを内側第1ジャケット層14aに接着する外側第1ジャケット層接着工程P2baと、を含む。このような圧電同軸センサ1の製造方法によれば、内側第1ジャケット層14aがセンサ部Sに非接着であるため、センサ部Sの口出しが容易であり、外側第1ジャケット層14bが内側第1ジャケット層14aに接着されるため、圧電同軸センサ1が屈曲される場合であっても第1ジャケット層14が解けることが抑制される圧電同軸センサ1を製造することができる。また、本実施形態の圧電同軸センサ1の製造方法によれば、120℃以下の加熱により第1ジャケット層14を形成するため、PVDFの分極の低下を抑制し得る。
また、本実施形態の圧電同軸センサの製造方法では、第2ジャケット層形成工程P4は、第2外部導体15の外周面を被覆し、フィルム16atが第2外部導体15に非接着である内側第2ジャケット層16aを形成する内側第2ジャケット層形成工程P4aと、第2ジャケット層16の最も外側のジャケット層であり、内側第2ジャケット層16aの外周面を被覆し、接着層16baによりフィルム16btが内側第2ジャケット層16aに接着される外側第2ジャケット層16bを形成する外側第2ジャケット層形成工程P4bと、を有する。このような圧電同軸センサ1の製造方法によれば、内側第2ジャケット層16aが第2外部導体15に非接着であるため、第2外部導体15を口出しすることが容易であり、外側第2ジャケット層16bが内側第2ジャケット層16aに接着されるため、圧電同軸センサ1が屈曲される場合であっても第2ジャケット層16が解けることが抑制される圧電同軸センサ1を製造することができる。また、上記のように、本実施形態の圧電同軸センサ1の製造方法によれば、120℃以下の加熱により第2ジャケット層16を形成するため、PVDFの分極の低下を抑制し得る。
以上、本実施形態について実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、第2外部導体15及び第2ジャケット層16は、必須の構成ではない。圧電同軸センサ1が第2外部導体15及び第2ジャケット層16を備えない場合、第1ジャケット層14の外側第1ジャケット層14bが外部に露出するジャケット層である。従って、この場合、外側第1ジャケット層14bは、接着層14baによりフィルム14btが、接着層14baが接する部材に接着される。フィルム14btは、接着層14baが接着層14baの融点以上120℃以下に加熱されて、接着層14baが接する部材に接着される。この部材は、上記例では、内側第1ジャケット層14aであるが、内側第1ジャケット層14aが省略される場合には、センサ部Sである。また、圧電同軸センサ1が第2外部導体15及び第2ジャケット層16を備えない場合、外側第1ジャケット層形成工程P2bが、外部に露出するジャケット層を形成する露出ジャケット形成工程となる。
また、第1ジャケット層14が内側第1ジャケット層14aを有さない場合、内側第1ジャケット層形成工程P2aは省略され、外側第1ジャケット層のフィルム14btは、接着層14baにより、センサ部Sに接着される。また、第1ジャケット層14が外側第1ジャケット層14bを有さない場合、外側第1ジャケット層形成工程P2bは省略される。なお、この場合は、第2ジャケット層16は必須の構成となる。
また、第2ジャケット層16が内側第2ジャケット層16aを有さない場合、内側第2ジャケット層形成工程P4aは省略され、外側第2ジャケット層のフィルム16btは、接着層16baにより、第2外部導体15に接着される。なお、圧電同軸センサ1が第2ジャケット層16を備える場合、外側第2ジャケット層16bは必須の構成である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは無い。
(実施例1)
図1、図2に示す圧電同軸センサ1と概ね同様の構成で長さが100cmの圧電同軸センサを製造した。まず、上記準備工程P1と概ね同様にしてセンサ部Sを準備した。中心導体11として、直径が概ね0.05mmの軟銅線7本から成り外径が概ね0.15mmである撚り線を用いた。高分子圧電体層12は、図1、図2と異なり、PVDFから成るテープ状のフィルムを中心導体11の外周面上に螺旋状に巻き付ける構成とした。この際、フィルムの一部が2重に重なるように当該フィルムを巻いた。高分子圧電体層12の外径は0.3mmであった。第1外部導体13は、直径が0.03mmの複数本の錫めっき軟銅合金線を高分子圧電体層12の外周面上に螺旋状に巻き付ける構成とした。第1外部導体13の外径は0.36mmであった。こうして、センサ部Sを準備した。
次に、上記第1ジャケット層形成工程P2と同様にして、第1ジャケット層14を内側第1ジャケット層14aと外側第1ジャケット層14bとで形成した。まず、内側第1ジャケット層形成工程P2aにおいて、内側第1ジャケット層14aを形成した。内側第1ジャケット層14aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)から成るフィルム14atを第1外部導体13の外周面上に螺旋状に巻き付けて形成した。この際、フィルム14atの一部が2重に重なるようにフィルム14atを巻いた。内側第1ジャケット層14aの外径は0.38mmであった。次に外側第1ジャケット層形成工程P2bと同様にして、外側第1ジャケット層14bを形成した。外側第1ジャケット層14bは、外側第1ジャケット層巻回工程P2bwと同様にして、一方の面に接着層14baが設けられ、PETから成るフィルム14btを内側第1ジャケット層14aの外周面上に螺旋状に巻き付けて形成した。この際、フィルム14btの一部が2重に重なるようにフィルム14btを巻いた。外側第1ジャケット層14bの外径は0.39mmであった。なお、接着層14baは、EVAを含む熱可塑性樹脂で構成した。その後、外側第1ジャケット層接着工程P2baと同様にして、接着層14baにより外側第1ジャケット層14bのフィルム14btを内側第1ジャケット層14aに接着した。このとき、加熱炉Hの設定温度を120℃として、加熱炉の長さを1.1mとし、被加熱体1aの線速を3m/minとした。
次に、第2外部導体形成工程P3により第2外部導体15を形成した。第2外部導体15は、直径が0.03mmの複数本の錫めっき軟銅合金線を第1ジャケット層14の外周面上に螺旋状に巻き付ける構成とした。第2外部導体15の外径は0.45mmであった。
次に、上記第2ジャケット層形成工程P4と同様にして、内側第2ジャケット層16aと外側第2ジャケット層16bとで形成した。まず、内側第2ジャケット層形成工程P4aにおいて、内側第2ジャケット層16aを形成した。内側第2ジャケット層16aは、PETから成るフィルム16atを第2外部導体15の外周面上に螺旋状に巻き付けて形成した。この際、フィルム16atの一部が2重に重なるようにフィルム16atを巻いた。内側第2ジャケット層16aの外径は0.47mmであった。次に外側第2ジャケット層形成工程P4bと同様にして、外側第2ジャケット層16bを形成した。外側第2ジャケット層16bは、外側第2ジャケット層巻回工程P4bwと同様にして、一方の面に接着層16baが設けられ、PETから成るフィルム16btを内側第2ジャケット層16aの外周面上に螺旋状に巻き付けて形成した。この際、フィルム16btの一部が2重に重なるようにフィルム16btを巻いた。外側第2ジャケット層16bの外径は0.54mmであった。なお、接着層16baは、EVAを含む熱可塑性樹脂で構成した。その後、外側第2ジャケット層接着工程P4baと同様にして、接着層16baにより外側第2ジャケット層16bのフィルム16btを内側第2ジャケット層16aに接着した。このとき、加熱炉Hの設定温度を120℃として、加熱炉の長さを1.1mとし、被加熱体1aの線速を3m/minとした。
(比較例1)
外側第1ジャケット層14bの接着層14ba及び外側第2ジャケット層16bの接着層16baをアクリル系の熱可塑性樹脂で構成したこと以外は、実施例1と同様にして、圧電同軸センサを製造した。この熱可塑性樹脂の融点は、130℃であった。
(比較例2)
外側第1ジャケット層14bの接着層14ba及び外側第2ジャケット層16bの接着層16baをポリエステル系の熱可塑性樹脂で構成し、外側第1ジャケット層接着工程P2ba及び外側第2ジャケット層接着工程P4baにおける加熱炉Hの設定温度を150℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、圧電同軸センサを製造した。この熱可塑性樹脂の融点は、140℃であった。
(比較例3)
外側第1ジャケット層14bの接着層14ba及び外側第2ジャケット層16bの接着層16baをポリアミド系の熱可塑性樹脂で構成し、外側第1ジャケット層接着工程P2ba及び外側第2ジャケット層接着工程P4baにおける加熱炉Hの設定温度を160℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、圧電同軸センサを製造した。この熱可塑性樹脂の融点は、150℃であった。
実施例1の外側第2ジャケット層16bは、十分な強度で接着され、外側第2ジャケット層16bを簡単に剥がすことはできなかった。
比較例1の外側第2ジャケット層16bは、十分な強度で接着されず、外側第2ジャケット層16bが簡単に剥がれてしまった。なお、比較例1の外側第1ジャケット層接着工程P2ba及び外側第2ジャケット層接着工程P4baにおける加熱炉Hの設定温度を170℃まで上げても同様の結果であった。
比較例2の外側第2ジャケット層16bは、十分な強度で接着され、外側第2ジャケット層16bを簡単に剥がすことはできなかった。なお、比較例2の外側第1ジャケット層接着工程P2ba及び外側第2ジャケット層接着工程P4baにおける加熱炉Hの設定温度を120℃とした場合、フィルム14bt,16btは接着されなかった。
比較例3の外側第2ジャケット層16bは、十分な強度で接着され、外側第2ジャケット層16bを簡単に剥がすことはできなかった。なお、比較例3の外側第1ジャケット層接着工程P2ba及び外側第2ジャケット層接着工程P4baにおける加熱炉Hの設定温度を120℃とした場合、フィルム14bt,16btは接着されなかった。
次に、実施例1、比較例1~3のそれぞれの圧電同軸センサに長さ10mmに亘って側面から押し圧10Nで外力を加えた。このとき中心導体11と第1外部導体13との間に生じた電圧を20倍に増幅して測定した。その結果、実施例1、比較例1~3の圧電同軸センサで生じる電圧は、実施例1、比較例1が180mVであり、比較例2が50mVであり、比較例3が10mVであった。
次に、外側第1ジャケット層接着工程P2ba及び外側第2ジャケット層接着工程P4baにおける加熱炉Hの設定温度を変えて、実施例1と同様の構成の圧電同軸センサを製造した。次に、製造されたそれぞれの圧電同軸センサに長さ10mmに亘って側面から押し圧10Nで外力を加えて、中心導体11と第1外部導体13との間に生じた電圧を20倍に増幅して測定した。その結果を図11に示す。
図11は、加熱炉Hの設定温度を100℃、110℃、120℃、130℃、140℃に変化させたときに圧電同軸センサに生じる電圧の測定結果との関係を示す図である。図11に示すように、加熱炉の設定温度が120℃以下であれば、十分に高い電圧となることが分かった。
以上より、本発明の圧電同軸センサの製造方法によれば、出力特性の悪化が抑制される圧電同軸センサを製造することができ、本発明の圧電同軸センサは120℃以下の加熱により製造することができるため、出力特性の悪化が抑制される圧電同軸センサとすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、出力特性の悪化が抑制される圧電同軸センサ及び圧電同軸センサの製造方法が提供され、機器の測定等の分野で利用することが期待される。

Claims (8)

  1. 線状の中心導体、前記中心導体の外周面を被覆するポリフッ化ビニリデンを含む高分子圧電体層、及び前記高分子圧電体層の外周面を囲う第1外部導体を有するセンサ部と、
    前記センサ部の外周面を囲うように巻かれるテープ状のフィルムを有する1つ以上のジャケット層を含み前記センサ部の外周面を被覆する第1ジャケット層と、
    前記第1ジャケット層の外周面を囲う第2外部導体と、
    1つ以上の前記ジャケット層を含み前記第2外部導体の外周面を被覆する第2ジャケット層と、
    備え、
    前記第2ジャケット層の最も外側の前記ジャケット層は、外部に露出する前記ジャケット層であり、当該ジャケット層における前記フィルムは、120℃以下の融点の熱可塑性樹脂から成る接着層により当該接着層の接する部材に接着されている
    ことを特徴とする圧電同軸センサ。
  2. 前記熱可塑性樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧電同軸センサ。
  3. 前記第1ジャケット層は、前記センサ部の外周面を被覆し、前記フィルムが前記センサ部に非接着である内側第1ジャケット層と、前記内側第1ジャケット層の外周面を被覆し、前記接着層により前記フィルムが前記内側第1ジャケット層に接着される外側第1ジャケット層と、を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧電同軸センサ。
  4. 前記第2ジャケット層は、前記第2外部導体の外周面を被覆し、前記フィルムが前記第2外部導体に非接着である内側第2ジャケット層と、前記第2ジャケット層の最も外側の前記ジャケット層であり、前記内側第2ジャケット層の外周面を被覆し、前記接着層により前記フィルムが前記内側第2ジャケット層に接着される外側第2ジャケット層と、を有する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の圧電同軸センサ。
  5. 線状の中心導体と、前記中心導体の外周面を被覆するポリフッ化ビニリデンを含む高分子圧電体層と、前記高分子圧電体層の外周面を囲う第1外部導体と、を有するセンサ部を準備する準備工程と、
    前記センサ部の外周面を囲うように巻かれるテープ状のフィルムを有する1つ以上のジャケット層を含み前記センサ部の外周面を被覆する第1ジャケット層を形成する第1ジャケット層形成工程と、
    前記第1ジャケット層の外周面を囲う第2外部導体を形成する第2外部導体形成工程と、
    1つ以上の前記ジャケット層を含み前記第2外部導体の外周面を被覆する第2ジャケット層を形成する第2ジャケット層形成工程と、
    を備え、
    前記第2ジャケット層の最も外側の前記ジャケット層は、外部に露出する前記ジャケット層であり、
    前記第2ジャケット層形成工程は、外部に露出する前記ジャケット層を形成する露出ジャケット形成工程を含み、
    前記露出ジャケット形成工程は、
    外部に露出する前記ジャケット層となる前記フィルムを前記センサ部の外周面を囲うように120℃以下の融点の熱可塑性樹脂から成る接着層を介して当該接着層が接する部材の外周面に巻く巻回工程と、
    外部に露出する前記ジャケット層となる前記フィルムが巻かれた前記センサ部を120℃以下で加熱して、前記接着層により当該フィルムを前記部材に接着する接着工程と、
    を含む
    ことを特徴とする圧電同軸センサの製造方法。
  6. 前記熱可塑性樹脂は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含む
    ことを特徴とする請求項に記載の圧電同軸センサの製造方法。
  7. 前記第1ジャケット層形成工程は、前記センサ部の外周面を被覆し、前記フィルムが前記センサ部に非接着である内側第1ジャケット層を形成する内側第1ジャケット層形成工程と、前記内側第1ジャケット層の外周面を被覆し、前記接着層により前記フィルムが前記内側第1ジャケット層に接着される外側第1ジャケット層を形成する外側第1ジャケット層形成工程と、を有し、
    前記外側第1ジャケット層形成工程は、
    前記外側第1ジャケット層となる前記フィルムを前記内側第1ジャケット層の外周面に前記接着層を介して巻く外側第1ジャケット層巻回工程と、
    前記外側第1ジャケット層巻回工程で前記外側第1ジャケット層となる前記フィルムが巻かれた前記内側第1ジャケット層及び前記センサ部を120℃以下で加熱して、前記接着層により前記外側第1ジャケット層となる前記フィルムを前記内側第1ジャケット層に接着する外側第1ジャケット層接着工程と、
    を含む
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の圧電同軸センサの製造方法。
  8. 前記第2ジャケット層形成工程は、前記第2外部導体の外周面を被覆し、前記フィルムが前記第2外部導体に非接着である内側第2ジャケット層を形成する内側第2ジャケット層形成工程と、前記第2ジャケット層の最も外側の前記ジャケット層であり、前記内側第2ジャケット層の外周面を被覆し、前記接着層により前記フィルムが前記内側第2ジャケット層に接着される外側第2ジャケット層を形成する外側第2ジャケット層形成工程と、を有し、
    前記外側第2ジャケット層形成工程は、前記露出ジャケット形成工程である
    ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の圧電同軸センサの製造方法。
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