JP7349945B2 - 観測システム、通信衛星および地上設備 - Google Patents

観測システム、通信衛星および地上設備 Download PDF

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Description

本開示は、宇宙物体の観測に関するものである。
デブリの増加に伴い宇宙物体の衝突リスクが増加している。
静止軌道の近傍を飛行する人工衛星が静止軌道の近傍を飛行する宇宙物体を観測することは、衝突回避等のリスク対策に資する。
特許文献1は、太陽光が逆光になる空間でスペースデブリを観測するための方法を開示している。
特開2011-218834号公報
観測衛星によって宇宙物体を観測することが可能である。
しかし、宇宙物体が観測されたときに観測データを観測衛星から地上設備へ直接に伝送できるとは限らない。
そのため、観測データを即時に地上設備に伝送できず、リスク対策が遅れる、という可能性がある。
本開示は、観測データを即時に地上設備に伝送できるようにすることを目的とする。
本開示の観測システムは、
静止軌道に沿って飛翔して宇宙物体を観測して観測によって得られる観測データを送信するための観測衛星と、
前記観測衛星に対する制御コマンドを送信するための地上設備と、
前記地上設備の上空において静止軌道を飛翔し、前記観測衛星から前記観測データを受信して前記観測データを前記地上設備へ送信し、前記地上設備から前記制御コマンドを受信して前記制御コマンドを前記観測衛星へ送信するための通信衛星と、を備える。
本開示によれば、観測データを通信衛星経由で即時に地上設備に伝送することが可能となる。
実施の形態1における観測システム100の構成図。 実施の形態1における観測衛星110の構成図。 実施の形態1における通信衛星120の構成図。 実施の形態1における地上設備130の構成図。 実施の形態1における観測方法の説明図。 実施の形態1における観測方法の説明図。 実施の形態1における観測方法の説明図。 実施の形態1における観測方法の説明図。 実施の形態1における観測方法の補足図。 実施の形態2における観測方法の説明図。 実施の形態3における観測方法の説明図。 実施の形態4における観測方法の説明図。 実施の形態5における観測方法の説明図。 実施の形態7における観測方法の説明図。 実施の形態8における観測方法の説明図。 実施の形態9における観測方法の説明図。 実施の形態9における観測方法の説明図。 実施の形態10における観測方法の補足図。 実施の形態10における観測方法の補足図。 実施の形態10における観測方法の補足図。 実施の形態10における観測方法の補足図。 実施の形態11における通信衛星120の構成図。 実施の形態13における観測衛星110の構成図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。 実施の形態15における魚眼レンズ付きカメラのデータ処理の説明図。
実施の形態および図面において、同じ要素または対応する要素には同じ符号を付している。説明した要素と同じ符号が付された要素の説明は適宜に省略または簡略化する。
実施の形態1.
観測システム100について、図1から図9に基づいて説明する。
実施の形態1において、緯度、経度、時刻および距離などの値はおおよその値である。
***構成の説明***
図1に基づいて、観測システム100の構成を説明する。
観測システム100は、宇宙物体109を観測するためのシステムである。
宇宙物体109は、観測対象となる物体である。宇宙物体109具体例は、スペースデブリである。宇宙物体109は、静止軌道103または静止軌道103の近傍を飛翔する。
「観測」は「監視」または「撮影」といった概念を含む。
観測システム100は、観測衛星110と通信衛星120と地上設備130とを備える。
観測衛星110は、宇宙物体109を観測するための人工衛星である。
観測衛星110は、静止軌道103または静止軌道103と高度が異なる軌道(一点鎖線を参照)を飛翔して地球101を周回する。つまり、観測衛星110は、静止軌道103に沿って飛翔して地球101を周回する。
観測衛星110は、宇宙物体109の高度と異なる高度から宇宙物体109を観測する。
通信衛星120は、衛星通信用の静止衛星である。静止衛星は、地球101の自転周期と同じ周期で公転する人工衛星である。
通信衛星120は、地上設備130の上空に配置され、静止軌道103を飛翔して地球101を周回する。
通信衛星120は、観測衛星110から送信される観測データを受信し、観測データを地上設備130へ送信する。観測データは、観測によって得られるデータである。
通信衛星120は、地上設備130から送信される制御コマンドを受信し、制御コマンドを観測衛星110へ送信する。制御コマンドは、観測衛星110を制御するためのコマンドである。
地上設備130は、観測衛星110を利用して宇宙物体109を観測するための地上設備である。
地上設備130が設けられる地域を「対象地域」と称する。静止軌道103の周囲に付加されている各時刻は、対象地域の標準時である。対象地域の具体例は日本である。
図2に基づいて、観測衛星110の構成を説明する。
観測衛星110は、観測装置111と衛星制御装置112と通信装置113と推進装置114と姿勢制御装置115と電源装置116とを備える。
観測装置111は、宇宙物体109を観測するための装置である。具体的には、観測装置201は可視光学センサである。
観測装置111は、宇宙物体109を観測して観測データを生成する。観測データは、宇宙物体109が映った画像を表すデータに相当する。
衛星制御装置112は、観測衛星110の各装置を制御するためのコンピュータである。
衛星制御装置112は、既定の手順、または、地上設備130から送信される制御コマンドにしたがって、観測装置111と推進装置114と姿勢制御装置115とを制御する。
通信装置113は、トランスミッタおよびレシーバである。
通信装置113は、観測データを送信する。また、通信装置113は、制御コマンドを受信する。
推進装置114は、観測衛星110に推進力を与える装置であり、観測衛星110の速度を変化させる。
具体的には、推進装置114は、化学推進機または電気推進機である。例えば、推進装置114は、2液式スラスタ、イオンエンジンまたはホールスラスタである。
姿勢制御装置115は、観測衛星110の姿勢要素を制御するための装置である。
姿勢制御装置115は、観測衛星110の姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置115は、観測衛星110の姿勢要素を所望の方向に維持する。
具体的には、観測衛星110の姿勢要素は、観測衛星110の姿勢、観測衛星110の角速度、および、観測装置111の視線方向(Line Of Sight)である。
姿勢制御装置115は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタまたは磁気センサ等である。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールまたはコントロール・モーメント・ジャイロ等である。コントローラは、姿勢センサによって得られる計測データに基づいて、または、地上設備130からの制御コマンドにしたがって、制御プログラムを実行することによって、アクチュエータを制御する。
電源装置116は、太陽電池、バッテリおよび電力制御装置などを備え、観測衛星110の各装置に電力を供給する。
衛星制御装置112について補足する。
衛星制御装置112は処理回路を備える。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、衛星制御装置112の一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、衛星制御装置112の残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。
FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
観測衛星110のポインティング機能について補足する。
観測衛星110は、観測方向を宇宙物体109へ向けるためのポインティング機能を有する。
例えば、観測衛星110はリアクションホイールを備える。リアクションホイールは、観測衛星110の姿勢を制御するための装置である。リアクションホイールによって観測衛星110の姿勢が制御され、ボディポインティングが実現される。
例えば、観測装置111はポインティング機構を備える。ポインティング機構は、観測衛星110の視線方向を変えるための機構である。ポインティング機構には、例えば、駆動ミラー等が利用される。
観測装置111の観測機能について補足する。
観測装置111は、分解能可変機能およびオートフォーカス機能を有する。
分解能可変機能は、観測時の分解能を変える機能である。
オートフォーカス機能は、宇宙物体109に焦点を合わせる機能である。
図3に基づいて、通信衛星120の構成を説明する。
通信衛星120は、通信装置121と推進装置122と電源装置123とを備える。
通信装置121は、トランスミッタおよびレシーバである。
通信装置121は、観測衛星110から観測データを受信し、観測データを地上設備130へ送信する。
通信装置121は、地上設備130から制御コマンドを受信し、制御コマンドを観測衛星110へ送信する。
通信装置121は、第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wと無指向アンテナ121Nとを備える。
各アンテナによって通信することが可能な距離を「通信可能距離」と称する。
第1指向アンテナ121Eは、通信衛星120の進行方向を指向するアンテナである。つまり、第1指向アンテナ121Eは東側を指向する。
第1指向アンテナ121Eの通信可能距離は、無指向アンテナ121Nの通信可能距離より長い。
第1指向アンテナ121Eのようなアンテナは、固定型中距離通信アンテナともいう。
第2指向アンテナ121Wは、通信衛星120の進行方向と逆の方向を指向するアンテナである。つまり、第2指向アンテナ121Wは西側を指向する。
第2指向アンテナ121Wの通信可能距離は、無指向アンテナ121Nの通信可能距離より長い。
第2指向アンテナ121Wのようなアンテナは、固定型中距離通信アンテナともいう。
無指向アンテナ121Nは、指向性が無いアンテナである。
無指向アンテナ121Nの通信可能距離は、第1指向アンテナ121Eおよび第2指向アンテナ121Wの通信可能距離より短い。
無指向アンテナ121Nのようなアンテナは、短距離通信アンテナともいう。
図4に基づいて、地上設備130の構成を説明する。
地上設備130は、通信装置131と衛星管制装置132とを備える。
通信装置131は、トランスミッタおよびレシーバである。
通信装置131は、観測データを受信する。また、通信装置131は、制御コマンドを送信する。
衛星管制装置132は、観測衛星110を利用して宇宙物体109を観測するためのコンピュータである。
衛星管制装置132は、観測データを処理する。また、衛星管制装置132は、制御コマンドを生成する。
衛星管制装置132について補足する。
衛星管制装置132は処理回路を備える。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、衛星管制装置132の一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、衛星管制装置132の残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
***動作の説明***
観測システム100の動作の手順は観測方法に相当する。
図5から図8に基づいて、観測方法を説明する。
図5から図8において、黒い星は観測衛星110を表し、白い星は宇宙物体109を表す。
図5から図8において、各太線枠(191~194)は通信範囲を表している。
第1通信範囲191は、通信衛星120に備わる第1指向アンテナ121Eの通信範囲である。
第2通信範囲192は、通信衛星120に備わる第2指向アンテナ121Wの通信範囲である。
第3通信範囲193は、通信衛星120に備わる無指向アンテナ121Nの通信範囲である。
管制通信範囲194は、地上設備130に備わる通信装置131の通信範囲である。
各時刻において、観測衛星110は、第1通信範囲191と第2通信範囲192と第3通信範囲193との少なくともいずれかに存在する。
観測衛星110は、宇宙物体109を観測し、観測データを送信する。通信衛星120は、観測衛星110から観測データを受信し、観測データを地上設備130へ送信する。地上設備130は、観測データを受信し、観測データを処理する。
地上設備130は、制御コマンドを生成し、制御コマンドを送信する。通信衛星120は、地上設備130から制御コマンドを受信し、制御コマンドを観測衛星110へ送信する。観測衛星110は、制御コマンドを受信し、制御コマンドにしたがって動作する。
図5から図8のそれぞれに基づいて説明を行う。
地上設備130が日本に設けられていると仮定する。
地上設備130および通信衛星120は東経135度に配置される。
太陽102の光を「太陽光」と称する。
図5に基づいて、午前6時頃の観測について説明する。
午前6時より前において、宇宙物体109は、通信衛星120よりも西側に存在する。具体的には、宇宙物体109は、東経80度から135度の範囲に存在する。観測衛星110は、宇宙物体109の高度よりも低い高度を飛翔する。つまり、観測衛星110は、静止軌道103の高度よりも低い高度を飛翔する。そして、観測衛星110は、宇宙物体109を追い抜きながら宇宙物体109を観測する。このとき、太陽光が逆光にならずに太陽光が宇宙物体109に反射し、適切な条件で観測が行われる。
午前6時より後において、宇宙物体109は、通信衛星120よりも東側に存在する。つまり、宇宙物体109は、東経135度よりも東側に存在する。観測衛星110は、宇宙物体109の高度よりも高い高度を飛翔する。つまり、観測衛星110は、静止軌道103の高度よりも高い高度を飛翔する。そして、観測衛星110は、宇宙物体109に追い抜かれながら宇宙物体109を観測する。このとき、太陽光が逆光にならずに太陽光が宇宙物体109に反射し、適切な条件で観測が行われる。
図6に基づいて、午前12頃つまり昼の12時頃の観測について説明する。
観測衛星110は、宇宙物体109の高度よりも高い高度を飛翔する。つまり、観測衛星110は、静止軌道103の高度よりも高い高度を飛翔する。そして、観測衛星110は、宇宙物体109に追い抜かれながら宇宙物体109を観測する。このとき、太陽光が逆光にならずに太陽光が宇宙物体109に反射し、適切な条件で観測が行われる。
図7に基づいて、午後18時頃の観測について説明する。
午後18時より前において、宇宙物体109は、通信衛星120よりも西側に存在する。具体的には、宇宙物体109は、東経80度から135度の範囲に存在する。観測衛星110は、宇宙物体109の高度よりも高い高度を飛翔する。つまり、観測衛星110は、静止軌道103の高度よりも高い高度を飛翔する。そして、観測衛星110は、宇宙物体109に追い抜かれながら宇宙物体109を観測する。このとき、太陽光が逆光にならずに太陽光が宇宙物体109に反射し、適切な条件で観測が行われる。
午後18時より後において、宇宙物体109は、通信衛星120よりも東側に存在する。つまり、宇宙物体109は、東経135度よりも東側に存在する。観測衛星110は、宇宙物体109の高度よりも低い高度を飛翔する。つまり、観測衛星110は、静止軌道103の高度よりも低い高度を飛翔する。そして、観測衛星110は、宇宙物体109を追い抜きながら宇宙物体109を観測する。このとき、太陽光が逆光にならずに太陽光が宇宙物体109に反射し、適切な条件で観測が行われる。
図8に基づいて、午前0時頃つまり夜の0時頃の観測について説明する。
観測衛星110は、宇宙物体109の高度よりも低い高度を飛翔する。つまり、観測衛星110は、静止軌道103の高度よりも低い高度を飛翔する。そして、観測衛星110は、宇宙物体109を追い抜きながら宇宙物体109を観測する。このとき、太陽光が逆光にならずに太陽光が宇宙物体109に反射し、適切な条件で観測が行われる。
***実施の形態1の特徴***
観測衛星110は、静止軌道103の近傍を飛翔する宇宙物体109を観測する。静止軌道103の近傍の範囲は、東経135度を基準にしてプラス70度からマイナス70度までの範囲である。
通信衛星120は、静止軌道103を飛翔する。静止軌道103の範囲は、東経135度を基準にしてプラス50度からマイナス50度までの範囲である。
地上設備130は、観測衛星110に対する制御コマンドの送信と観測衛星110によって得られる観測データの受信を通信衛星120経由で実施する。
観測衛星110は、6時から18時の間に静止軌道103の高度よりも高い高度から宇宙物体109を観測し、18時から6時の間に静止軌道103の高度よりも低い高度から宇宙物体109を観測し、観測データを通信衛星120経由で地上設備130に伝送する。
***実施の形態1の補足***
図9に基づいて、観測衛星110の動作について補足する。通信衛星120および地上設備130については図示を省略する。
地球101のうち太陽光が当たる側を地球101の表側と称する。観測衛星110は、6時から18時まで地球101の表側を飛翔する。
地球101のうち太陽光が当たらない側を地球101の裏側と称する。観測衛星110は、18時から6時まで地球101の裏側を飛翔する。
(1)および(5)において、観測衛星110の推進装置114は、地球101の表側と地球101の裏側とのうちの一方の側を観測衛星110が周回し始めた後に、観測衛星110の飛翔速度を変化させる。これにより、観測衛星110の軌道高度が静止軌道103の高度から変化する。
(4)および(8)において、観測衛星110の推進装置114は、地球101の表側と地球101の裏側とのうちの他方の側を観測衛星110が周回し始める前に、観測衛星110の飛翔速度を変化させる。これにより、観測衛星200の軌道高度が静止軌道103の高度へ戻る。
(1)において、観測衛星110が地球101の表側を周回し始めた後に、推進装置114は、観測衛星110の飛翔速度を上げる。これにより、観測衛星110の軌道高度が静止軌道103の高度から上昇する。観測衛星110の軌道高度が静止軌道103の高度から上昇したことに伴い、観測衛星110の対地速度が落ちる。その結果、観測衛星110の対地速度が宇宙物体109の対地速度よりも遅くなる。
(2)において、観測装置111は、観測衛星110に追いついた宇宙物体109を観測する。
(3)において、観測装置111は、観測衛星110を追い抜いた位宇宙物体109を観測する。
(4)において、観測衛星110が地球101の裏側を周回し始める前に、推進装置114は、観測衛星110の飛翔速度を落とす。これにより、観測衛星110の軌道高度が静止軌道103の高度まで降下する。
(5)において、観測衛星110が地球101の裏側を周回し始めた後に、推進装置114は、観測衛星110の飛翔速度を落とす。これにより、観測衛星110の軌道高度が静止軌道103の高度から降下する。観測衛星110の軌道高度が静止軌道103の高度から降下したことに伴い、観測衛星110の対地速度が上がる。その結果、観測衛星110の対地速度が宇宙物体109の対地速度よりも速くなる。
(6)において、観測装置111は、観測衛星110に追いつかれた宇宙物体109を観測する。
(7)において、観測装置111は、観測衛星110に追い抜かれた宇宙物体109を観測する。
(8)において、観測衛星110が地球101の表側を周回し始める前に、推進装置114は、観測衛星110の飛翔速度を上げる。これにより、観測衛星110の軌道高度が静止軌道103の高度まで上昇する。
(1)、(4)、(5)または(8)のタイミングは、衛星制御装置112によって検出される。例えば、衛星制御装置112は、時刻を参照することによって各タイミングを検出する。
(1)または(8)において、衛星制御装置112は、推進装置114に増速を指示する。そして、推進装置114は、観測衛星110の飛翔速度を上げる。
(4)または(5)において、衛星制御装置112は、推進装置114に減速を指示する。そして、推進装置114は、観測衛星110の飛翔速度を下げる。
但し、観測衛星110が静止軌道103の高度よりも高い高度から観測を行う場合、観測衛星110の軌道高度の上昇と降下が1日の間に行われる必然性はない。つまり、観測衛星110の軌道高度が静止軌道103の高度よりも高い高度に維持されたまま長期間にわたって観測が行われてもよい。
また、観測衛星110が静止軌道103の高度よりも低い高度から観測を行う場合、観測衛星110の軌道高度の上昇と降下が1日の間に行われる必然性はない。つまり、観測衛星110の軌道高度が静止軌道103の高度よりも低い高度に維持されたまま長期間にわたって観測が行われてもよい。
さらに、実施の形態1について補足する。
光学観測機器による宇宙物体観測では、宇宙物体の太陽光反射が利用される。太陽と観測衛星と宇宙物体の幾何学関係は、観測に適するために時間相関性を持つ。
静止軌道の高度よりも高い高度を飛翔する観測衛星については、6時から18時までの幾何学配置が観測性に優れる。
静止軌道の高度よりも低い高度を飛翔する観測衛星については、18時から6時までの幾何学的配置が観測性に優れる。
静止軌道の高度と異なる高度を飛翔する観測衛星が宇宙物体を観測した後、観測データを地上に伝送できる軌道位置は、電波法によって予め認許された領域内に限られる。そのため、緊急性を要するデブリ接近等が発見された場合であっても、すぐに地上へのデータ伝送が行えるとは限らない。
そこで、観測データが静止軌道上の通信衛星経由で地上設備に伝送される。これにより、即応性の確保が可能となる。また、監視対象の撮影指示を追加するための制御コマンドなどについても同様であり、制御コマンドが静止軌道上の通信衛星経由で観測衛星に伝送される。通信衛星経由の伝送は、即応性確保の観点で合理的である。
日本用の静止衛星は概ね静止軌道上の日本上空付近を飛翔している。日本用の静止衛星近傍を飛来するデブリ等を観測するには、日本の地上設備と直接データ伝送できる軌道位置を飛翔する通信衛星が伝送に介在することが合理的である。
日本において整備が進んでいる準天頂測位衛星システムでは、東経90度付近および東経180度付近に静止衛星を配備する、という検討がなされた。そのため、通信衛星の配置範囲は東経135度を基準にしてプラス50度からマイナス50度までの範囲が合理的である。
日本用の静止衛星に接近する宇宙物体の監視範囲は、東経135度を基準にしてプラス70度からマイナス70度の範囲が妥当である。
観測衛星と通信衛星の間のデータ伝送では、電波または光による通信が実施される。但し、観測衛星と通信衛星の間の距離および相対角度が大きく変動するため、通信用アンテナの指向方向を変更する機能の有無という選択肢が存在し、また、通信距離に依存する通信性能の選択肢が多用に存在する。
そこで、通信衛星が、東側を指向する固定型中距離通信アンテナと、西側を指向する固定型中距離通信アンテナと、無指向性の短距離通信アンテナと、を具備する。これにより、観測衛星と通信衛星との間の通信範囲が網羅される。
***実施の形態1の効果***
日本上空を飛翔する静止衛星の近傍に衝突リスクがある宇宙物体が接近した場合に、観測衛星に制御コマンドを即座に送信して宇宙物体を観測することができる。また、観測データを地上設備に即座に伝送することができる。
実施の形態2.
観測システム100について、主に実施の形態1と異なる点を図10に基づいて説明する。
実施の形態2において、緯度、経度、時刻および距離などの値はおおよその値である。
観測システム100の構成は、実施の形態1における構成と同じである。
但し、通信衛星120は、実施の形態1で説明していない特徴を有する。
図10に基づいて、通信衛星120の特徴について説明する。図10において、黒い星は観測衛星110を表す。地上設備130および宇宙物体109の図示は省略する。一点鎖線は、静止軌道103よりも高度が低い軌道を示す。二点鎖線は、静止軌道103よりも高度が高い軌道を示す。
観測衛星110の観測範囲は、経度方向において90度から180度の範囲である。観測範囲は観測が行われる範囲である。つまり、観測衛星110は、観測範囲を飛翔しているときに観測を行う。
通信衛星120において、第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wは固定である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの視野範囲はアジマス方向において10度を基準にしてプラス20度からマイナス20度までの範囲である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの通信距離は25000キロメートル以内である。
通信衛星120において、無指向アンテナ121Nは固定である。無指向アンテナ121Nの視野範囲に指向性は無い。無指向アンテナ121Nの通信距離は8000キロメートル以内である。
***実施の形態2の効果***
衛星間通信アンテナは、広域中距離用であれば中規模のアンテナサイズで実現できる。また、衛星間通信アンテナは、固定アンテナであれば安価に実現できる。
観測衛星が通信衛星に近づいた場合は、無指向性アンテナによる通信が可能となる。
そこで、中距離用アンテナと短距離用アンテナが観測衛星との通信を分担する。これにより、固定アンテナだけで衛星間通信を実現することができる。
なお、観測衛星から地上設備へ直接に通信できる場合は、近距離用アンテナが通信衛星に搭載される必然性はない。その場合、近距離用アンテナを具備しないが中距離用アンテナを具備する通信衛星を用いて観測システムを構成することができる。
なお、東経135度を基準にしてプラス70度からマイナス70度までの範囲の静止軌道近傍に存在する全ての宇宙物体を観測することが可能な観測幅はない。しかし、互いに異なる経度を飛翔する複数の通信衛星が存在すれば、東経135度を基準にしてプラス70度からマイナス70度までの範囲の静止軌道近傍に存在する全ての宇宙物体を観測することが可能である。日本上空には、互いに異なる経度を飛翔する複数の通信衛星が存在している。
実施の形態3.
観測システム100について、主に実施の形態1と異なる点を図11に基づいて説明する。
実施の形態3において、緯度、経度、時刻および距離などの値はおおよその値である。
観測システム100の構成は、実施の形態1における構成と同じである。
但し、通信衛星120は、実施の形態1で説明していない特徴を有する。
図11に基づいて、通信衛星120の特徴について説明する。図11において、黒い星は観測衛星110を表す。地上設備130および宇宙物体109の図示は省略する。一点鎖線は、静止軌道103よりも高度が低い軌道を示す。二点鎖線は、静止軌道103よりも高度が高い軌道を示す。
観測衛星110の観測範囲は、経度方向において90度から180度の範囲である。観測範囲は観測が行われる範囲である。つまり、観測衛星110は、観測範囲を飛翔しているときに観測を行う。
通信衛星120において、第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wは可動である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの視野範囲は、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス5度からマイナス5度までの範囲である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの可動範囲は、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス15度からマイナス15度までの範囲である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの通信距離は、25000キロメートル以内である。
通信衛星120において、無指向アンテナ121Nは固定である。無指向アンテナ121Nの視野範囲に指向性は無い。無指向アンテナ121Nの通信距離は8000キロメートル以内である。
***実施の形態3の効果***
実施の形態3は、実施の形態2に記載した中距離用アンテナの視野範囲および通信距離を実現することが難しい場合の解決方策として有効である。実施の形態3では、中距離用アンテナがアジマス方向、即ち経度方向に駆動可能であることにより、中距離用アンテナの視野角が絞られ、ゲインが高まりやすくなる。
実施の形態4.
観測衛星110について、主に実施の形態1と異なる点を図12に基づいて説明する。
実施の形態4において、緯度、経度、時刻および距離などの値はおおよその値である。
観測システム100の構成は、実施の形態1における構成と同じである。
但し、通信衛星120は、実施の形態1で説明していない特徴を有する。
図12に基づいて、通信衛星120の特徴について説明する。図12において、黒い星は観測衛星110を表す。地上設備130および宇宙物体109の図示は省略する。一点鎖線は、静止軌道103よりも高度が低い軌道を示す。二点鎖線は、静止軌道103よりも高度が高い軌道を示す。
観測衛星110の観測範囲は、東経65度から西経155度(東経205度)である。観測範囲は観測が行われる範囲である。つまり、観測衛星110は、観測範囲を飛翔しているときに観測を行う。
通信衛星120において、第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wは固定である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの視野範囲はアジマス方向において15度を基準にしてプラス25度からマイナス25度の範囲である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの通信距離は36000キロメートル以内である。通信衛星120において、無指向アンテナ121Nは固定である。無指向アンテナ121Nの視野範囲に指向性は無い。無指向アンテナ121Nの通信距離は、8000キロメートル以内である。
***実施の形態4の効果***
日本用の静止衛星に接近する途中の宇宙物体を予め観測することが可能となる。そのため、緊急時の回避行動をとる余裕が生まれる。
指向性アンテナを用いずに固定アンテナを用いて通信装置を構成することができる。そのため、通信衛星の実装制約が少なく、多様な静止衛星を通信衛星として利用することができる。
実施の形態5.
観測システム100について、主に実施の形態1と異なる点を図13に基づいて説明する。
実施の形態5において、緯度、経度、時刻および距離などの値はおおよその値である。
観測システム100の構成は、実施の形態1における構成と同じである。
但し、通信衛星120は、実施の形態1で説明していない特徴を有する。
図13に基づいて、通信衛星120の特徴について説明する。図13において、黒い星は観測衛星110を表す。地上設備130および宇宙物体109の図示は省略する。一点鎖線は、静止軌道103よりも高度が低い軌道を示す。二点鎖線は、静止軌道103よりも高度が高い軌道を示す。
観測衛星110の観測範囲は、東経65度から東経205度までの範囲である。観測範囲は観測が行われる範囲である。つまり、観測衛星110は、観測範囲を飛翔しているときに観測を行う。
通信衛星120において、第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wは可動である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの視野範囲は、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス5度からマイナス5度までの範囲である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの可動範囲は、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス25度からマイナス25度までの範囲である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの通信距離は、36000キロメートル以内である。
通信衛星120において、無指向アンテナ121Nは固定である。無指向アンテナ121Nの視野範囲に指向性は無い。無指向アンテナ121Nの通信距離は8000キロメートル以内である。
***実施の形態5の効果***
実施の形態5は、実施の形態2と比較して、日本用の静止衛星に接近する途中の宇宙物体を予め観測することが可能となる、という点で優れている。そのため、実施の形態5は、実施の形態4と同様に、緊急時の回避行動をとる余裕が生まれる、という効果を奏する。
実施の形態4は、実施の形態2と比較して、中距離用アンテナの視野範囲が広くなり且つ中距離用アンテナの通信距離が遠距離になる。実施の形態5は、実施の形態4に記載した中距離用アンテナの視野範囲および通信距離を実現することが難しい場合の解決方策として有効である。実施の形態5では、中距離用アンテナがアジマス方向、即ち経度方向に駆動可能であることにより、中距離用アンテナの視野角が絞られ、ゲインが高まりやすくなる。
実施の形態6.
観測システム100について、主に実施の形態1と異なる点を説明する。
実施の形態6において、緯度、経度、時刻および距離などの値はおおよその値である。
観測システム100の構成は、実施の形態1における構成と同じである。
但し、通信衛星120は、実施の形態1で説明していない特徴を有する。
観測衛星110は、静止軌道103の近傍を飛翔する宇宙物体109を観測する。
通信衛星120は、静止軌道103を飛翔する。静止軌道103の範囲は、東経135度を基準にしてプラス50度からマイナス50度までの範囲である。
地上設備130は、観測衛星110に対する制御コマンドの送信と観測衛星110によって得られる観測データの受信を通信衛星120経由で実施する。
観測衛星110は、6時から18時の間に静止軌道103の高度よりも高い高度から宇宙物体109を観測し、18時から6時の間に静止軌道103の高度よりも低い高度から宇宙物体109を観測し、観測データを通信衛星120経由で地上設備130に伝送する。
***実施の形態6の効果***
観測データの取得範囲が静止軌道上の日本上空に限定されず、赤道上空のほぼ全周にわたって観測データの取得が可能となる。
実施の形態7.
観測システム100について、主に実施の形態1と異なる点を図14に基づいて説明する。
実施の形態7において、緯度、経度、時刻および距離などの値はおおよその値である。
観測システム100の構成は、実施の形態1における構成と同じである。
但し、通信衛星120は、実施の形態1で説明していない特徴を有する。
図14に基づいて、通信衛星120の特徴について説明する。図14において、黒い星は観測衛星110を表す。地上設備130および宇宙物体109の図示は省略する。一点鎖線は、静止軌道103よりも高度が低い軌道を示す。二点鎖線は、静止軌道103よりも高度が高い軌道を示す。
観測衛星110の観測範囲は全周である。観測範囲は観測が行われる範囲である。つまり、観測衛星110は、周回軌道の全周において観測を行う。
通信衛星120において、第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wは可動である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの視野範囲は赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス5度からマイナス5度までの範囲である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wの可動範囲は、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス40度からマイナス40度までの範囲である。第1指向アンテナ121Eと第2指向アンテナ121Wは、70000キロメートル以内である。
通信衛星120において、無指向アンテナ121Nは固定である。無指向アンテナ121Nの通信距離は、8000キロメートル以内である。
***実施の形態7の効果***
通信アンテナのビームを絞ることにより、遠距離通信が可能となる。通信衛星が指向方向変更装置を具備することにより、広い可動範囲を確保することができる。
赤道上空のほぼ全周にわたり、宇宙物体の観測データを即座に取得できる。
実施の形態8.
観測システム100について、主に実施の形態1と異なる点を図15に基づいて説明する。
実施の形態8において、緯度、経度、時刻および距離などの値はおおよその値である。
図15に基づいて、観測システム100の特徴について説明する。図15において、黒い星は観測衛星110を表し、白い星は宇宙物体109を表す。
観測衛星110は、静止軌道103の高度よりも高い高度または静止軌道103の高度よりも低い高度を飛翔して、静止軌道103の近傍を飛翔する宇宙物体109を観測する。例えば、観測衛星110は、18時から6時までの間、静止軌道103の高度よりも低い高度から宇宙物体109を観測する。
通信衛星120は、静止軌道103を飛翔する。
地上設備130は、観測衛星110に対する制御コマンドを通信衛星経由で送信する。また、地上設備130は、観測衛星110から観測衛星からの観測データを通信衛星経由で受信する。
観測衛星110と通信衛星120とのそれぞれは、互いの近傍を通過しながら相互にデータを授受するための近傍通信装置を備える。観測衛星110は、近傍通信装置である通信装置113を備える。通信衛星120は、近傍通信装置である通信装置121を備える。第1指向アンテナ121Eおよび第2指向アンテナ121Wは不要である。
***実施の形態8の効果***
観測衛星110が地上との通信を許可される経度帯が限定される場合であっても、観測衛星110は通信衛星120の近傍で送受信が可能になるので、デブリの異常接近などの緊急時の対応をすばやく実施することが可能となる。
国の基幹インフラ衛星などの重要な衛星が近傍通信装置を具備することにより、デブリの異常接近などの緊急時においてリアルタイムに状況を把握して回避行動をとることが可能となる。
実施の形態9.
観測システム100について、主に実施の形態8と異なる点を図16および図17に基づいて説明する。
実施の形態9において、緯度、経度、時刻および距離などの値はおおよその値である。
図16および図17に基づいて、観測システム100の特徴について説明する。図16および図17において、黒い星は観測衛星110を表し、白い星は宇宙物体109を表す。
観測システム100は、観測衛星110と複数の通信衛星120を備える。図16および図17において、観測システム100は、3機の通信衛星120を備えている。
観測衛星110は、静止軌道103の高度よりも高い高度または静止軌道103の高度よりも低い高度を飛翔して、静止軌道103の近傍を飛翔する宇宙物体109を観測する。例えば、観測衛星110は、18時から6時までの間、静止軌道103の高度よりも低い高度から宇宙物体109を観測する(図16を参照)。また、観測衛星110は、6時から18時までの間、静止軌道103の高度よりも高い高度から宇宙物体109を観測する(図17を参照)。
各通信衛星120は、観測衛星110の近傍を通過しながら観測衛星110と相互にデータを授受するための近傍通信装置を備える。
***実施の形態9***
観測衛星110が地上との通信を許可される経度帯が限定される場合であっても、データ送受信が常時可能になる。そのため、デブリの異常接近などの緊急時の対応をすばやく実施することが可能となる。
実施の形態10.
図18から図21に基づいて、実施の形態1から実施の形態9を補足する。具体的には、経度方向における観測衛星110の観測範囲と、通信衛星120の機数と、各通信装置(113、121、131)に備わるアンテナの視野範囲および通信距離と、静止軌道103との高度差と、について相関関係を補足する。
図18から図21において、黒い星は観測衛星110を表す。また、一点鎖線は低軌道を表し、二点鎖線は高軌道を表す。
低軌道は静止軌道103よりも高度が低い軌道であり、高軌道は静止軌道103よりも高度が高い軌道である。
図18に基づいて、観測システム100を補足する。
観測システム100は、1機の通信衛星120を備える。通信衛星120の通信装置121は、観測衛星110の観測範囲において観測衛星110と常時通信を可能とする視野範囲および通信距離を有する。
観測衛星110が低軌道を飛翔して観測範囲の最西端に位置すると仮定する。通信装置121の中距離アンテナ(121W)は、この観測衛星110までの距離が最大距離となる通信距離を有する。また、中距離アンテナは、この観測衛星110の位置が最右端となる視野範囲を有する。
観測衛星110が高軌道を飛翔する場合に、観測衛星110が短距離通信範囲に入り且つ中距離通信範囲に入り、両方の通信範囲の一部がオーバーラップする。そして、観測衛星110がオーバーラップ領域より遠い領域に位置する場合に中距離通信が実施され、観測衛星110がオーバーラップ領域より近い領域に位置する場合に短距離通信が実施される。これにより、観測衛星110が観測範囲内のいずれに位置する場合であっても、観測衛星110は1機の通信衛星120と常時通信することが可能である。
図19に基づいて、観測システム100を補足する。経度方向における観測衛星110の観測範囲は図18における観測範囲より狭い。
観測衛星110が低軌道を飛翔して観測範囲の最西端に位置すると仮定する。通信装置121の中距離アンテナ(121W)は、この観測衛星110までの距離が最大距離となる通信距離を有する。また、中距離アンテナは、この観測衛星110の位置が最右端となる視野範囲を有する。但し、中距離アンテナの通信距離は、図18における通信距離よりも短い。また、中距離アンテナの視野範囲は、図18における視野範囲よりも若干狭い。
視野範囲が狭くなるほど、また、通信距離が短くなるほど、中距離アンテナの実現が容易になり、コストが低減される。
図20に基づいて、観測システム100を補足する。低軌道と高軌道のそれぞれと静止軌道103との高度差は、図18における高度差よりも小さい。
観測衛星110が低軌道を飛翔して観測範囲の最西端に位置すると仮定する。通信装置121の中距離アンテナ(121W)は、この観測衛星110までの距離が最大距離となる通信距離を有する。また、中距離アンテナは、この観測衛星110の位置が最右端となる視野範囲を有する。但し、中距離アンテナの視野範囲は、図18における視野範囲よりも狭い。視野範囲が狭くなり通信距離が短くなるほど、中距離アンテナの実現が容易になり、コストが低減される。
観測衛星110が高軌道を飛翔する場合に、観測衛星110が短距離通信範囲に入り且つ中距離通信範囲に入り、両方の通信範囲の一部がオーバーラップする。但し、中距離アンテナの視野範囲は、図18における視野範囲よりも狭い。視野範囲が狭くなるほど、中距離アンテナの実現が容易になり、コストが低減される。
低軌道と高軌道のそれぞれと静止軌道103との高度差が小さくなると、観測衛星110と観測対象(109)との相対距離が小さくなり、高分解能な観測が可能になる。また、高度差が小さいほど、観測衛星110が静止軌道103から高度を変更するための推薬量が少なくなり、また、高度変更に要する時間が短縮される。一方、高度差が大きくなると、観測衛星110と観測対象との相対距離が大きくなり、広範囲の監視が可能になる。また、高度差が大きいほど、観測衛星110と観測対象の相対速度が大きくなり、観測範囲全域が短期間で網羅される。
図21に基づいて、観測衛星110を補足する。
観測衛星110が高軌道を飛翔して短距離通信範囲に入り且つ中距離通信範囲に入ると仮定する。両方の通信範囲の一部はオーバーラップする。通信装置121において、短距離アンテナ(121N)の通信距離が図18における通信距離よりも短くなると、中距離アンテナ(121W)の視野範囲が図18における視野範囲よりも広くなる。
短距離アンテナが無指向性アンテナである場合、短距離アンテナの通信距離が短いほど短距離アンテナの実現が容易になり、コストが低減される。
一方で、中距離アンテナの視野範囲が拡大すると、中距離アンテナの実現が難しくなり、コストが増加する。
そこで、技術的実現性およびコストなどを勘案して、通信距離および視野範囲が最適なバランスをとるように両方のアンテナを選択することが合理的である。
図18から図21に基づいて、1機の通信衛星120を利用して、観測衛星110が視野範囲全域において常時通信を行うことが可能な条件を説明した。
但し、複数の通信衛星120を利用すれば、図15における効果と同様の効果により、中距離アンテナの実現が容易になる。
また、図21と同様にして中距離アンテナと短距離アンテナとの最適バランスをとることにより、短距離アンテナの通信距離を短くすることが可能となる。
また、常時通信を諦めて間欠的な通信を許容すれば、中距離通信と短距離通信のオーバーラップの制約が緩和される。そのため、中距離アンテナの視野範囲を狭くすると共に短距離アンテナの通信距離を短くすることができる。
以下の全ての要素には相関関係がある。
経度方向における観測衛星110の観測範囲。
通信衛星120の機数。
通信装置121に備わるアンテナの視野範囲および通信距離。
低軌道と高軌道のそれぞれと静止軌道103との高度差。
観測装置111の性能。
高度変更に要する時間および推薬量。
観測範囲を網羅するために必要な時間。
監視ニーズと技術的実現性とコストを勘案して、最適なバランスでこれらの要素を選択することが合理的である。
各実施の形態において典型的な数値を提案しているが各要素の数値が提案した数値に限定されるわけではなく、多様な実現解が存在する。
実施の形態11.
観測システム100について、主に実施の形態1から実施の形態10と異なる点を図22に基づいて説明する。
***構成の説明***
図22に基づいて、通信衛星120の構成を説明する。
通信衛星120は、さらに、カメラ124を備える。
カメラ124は、第1指向アンテナ121Eまたは第2指向アンテナ121Wの指向方向と同じ方向を指向する広角カメラである。
***実施の形態11の効果***
通信衛星120によって、観測衛星110と、静止軌道103または静止軌道103の近傍の軌道を飛翔する他の宇宙物体と、を視覚的に捉えることができる。このため、通信衛星120の周囲が通信による干渉および雑音がない環境であることを視覚的に確認することができる。
他の宇宙物体は、観測衛星110によって観測される宇宙物体109とは別の宇宙物体である。
実施の形態12.
観測システム100について、主に実施の形態12と異なる点を説明する。
***構成の説明***
通信衛星120は、実施の形態11と同じく、カメラ124を備える。
但し、カメラ124は、魚眼レンズを有するカメラである。また、カメラ124は、通信衛星120から地球101への方向が視線ベクトルとなるように配置される。
***実施の形態12の効果***
魚眼レンズを具備したカメラ124によって、視線ベクトルを軸にする周囲360度の視野方向においてエレベーション方向の画像情報が得られる。
通信衛星120から地球101への方向が視線ベクトルとなるようにカメラ124が配置されることにより、観測衛星110と、静止軌道103または静止軌道103の近傍の軌道を飛翔する他の宇宙物体を視覚的に捉えることができる。さらに、軌道上の他の宇宙物体の位置を推定することが可能になる。このため、通信衛星120の周囲が通信による干渉および雑音がない環境であることを視覚的に確認することができる。
実施の形態13.
観測システム100について、主に実施の形態1から実施の形態12と異なる点を図23に基づいて説明する。
***構成の説明***
図23に基づいて、観測衛星110の構成を説明する。
観測衛星110は、さらに、カメラ117を備える。
カメラ117は、通信衛星120を指向する広角カメラである。
***実施の形態13の効果***
カメラ117により、通信衛星120と、静止軌道103または静止軌道103の近傍の軌道を飛翔する他の宇宙物体を視覚的に捉えることができる。このため、観測衛星110の周囲が通信によって干渉および雑音がない環境であることを視覚的に確認することができる。
実施の形態14.
観測システム100について、主に実施の形態13と異なる点を説明する。
***構成の説明***
観測衛星110は、実施の形態13と同じく、カメラ117を備える。
但し、カメラ117は、魚眼レンズを有するカメラである。また、カメラ117は、観測衛星110から通信衛星120への方向が視線ベクトルとなるように配置される。
***実施の形態14の効果***
魚眼レンズを具備したカメラ117によって、視線ベクトルに軸にする周囲360度の視野方向においてエレベーション方向の画像情報が得られる。
観測衛星110から通信衛星120への方向が視線ベクトルとなるようにカメラ117が配置されることにより、通信衛星120と、静止軌道103または静止軌道103の近傍の軌道を飛翔する他の宇宙物体を視覚的に捉えることができる。さらに、軌道上の他の宇宙物体の位置を推定することが可能となる。このため、観測衛星110の周囲が通信による干渉および雑音がない環境であることを視覚的に確認することができる。
実施の形態15.
魚眼レンズを有するカメラ117(実施の形態14を参照)のデータ処理について、図24から図37に基づいて説明する。
魚眼レンズを有するカメラ117を「魚眼レンズ付きカメラ」と称する。
各図の記載の意味は以下の通りである。
破線は、静止軌道を表す。一点鎖線は、観測衛星110の軌道を表す。
(Wn)は、通信衛星120の西方において静止軌道を飛翔する宇宙物体を表す。(En)は、通信衛星120の東方において静止軌道を飛翔する宇宙物体を表す。宇宙物体の具体例は人工衛星である。
観測衛星110を中心とする太枠は、魚眼レンズ付きカメラの視野範囲195を表す。
視野範囲195の中の枠は、観測衛星110に備わる通信装置113の通信範囲196を表す。
二点鎖線は、観測衛星110を中心とする等高線を表す。
弧状の矢印線は、方位角方向を表す。
図28などのグラフを除き、直線状の矢印線は距離方向を表す。
図28などのグラフにおいて、横軸は距離を表し、縦軸は方位角を表す。
図31などのグラフにおいて、双方向矢印は軌道傾斜角相当偏差を表す。
図24および図25に基づいて説明を始める。
軌道傾斜角が0度で複数の衛星が静止軌道上に整列し、観測衛星110が静止軌道上の通信衛星120を指向した場合(図24を参照)、魚眼レンズ付きカメラによって、図25に示すような画像が得られる。
図26および図27に基づいて説明を続ける。
観測衛星110の軌道高度と通信衛星120への指向方向が既知であれば、図26および図27に示すように、観測衛星110を中心にして等高線をプロットすることができる。
図27および図28に基づいて説明を続ける。
魚眼図(図27参照)の中心に通信衛星120がある。
観測衛星110からの指向の中心が通信衛星120である場合、図28のグラフにおいて、通信衛星120の東側に位置する衛星は方位角が0度であるラインに並び、通信衛星120の西側に位置する衛星は方位角が180度であるラインに並ぶ。
図29から図31に基づいて説明を続ける。
静止軌道の近傍を飛翔する衛星の軌道傾斜角は0度からずれる。この例を図29から図31に示す。
通信衛星120の東側の衛星(E1~E4)の中に軌道傾斜角が0度でない衛星(E2、E3)がある場合(図30を参照)、図31のグラフにおいて、衛星(E1~E4)は方位角が0度であるラインの付近で縦軸方向にばらつきを持ってプロットされる。
通信衛星120の西側の衛星(W1、W2)の中に軌道傾斜角が0度でない衛星(W1)がある場合(図30を参照)、図31のグラフにおいて、衛星(W1、W2)は方位角が180度であるラインの付近で縦軸方向にばらつきを持ってプロットされる。
図32から図34に基づいて説明を続ける。
観測衛星110の指向方向が維持されたまま時間が経過した後に魚眼図(図33を参照)が取得されると、通信衛星120の東側の衛星(E1~E5)が相対関係を概ね維持して接近することになる(図34を参照)。
したがって、静止軌道に沿って飛翔する衛星群については、相対関係が概ね維持されるという前提により、時間が経過した後に取得される魚眼図における位置を予測することが可能である。
図35から図37に基づいて説明を続ける。
これに対して、相対関係から逸脱して予測と異なる位置にある衛星(E3)があるとすれば(図36および図37を参照)、衛星(E3)が移動中の衛星であると推定することができる。
また一般に、人工衛星の面外位置の変更を短時間に実施することは難しい。そのため、方位角に大きな変動がある宇宙物体が存在する場合は、その宇宙物体は、人工衛星ではなく、静止軌道の近傍をたまたま横切った物体である、という可能性が高い。
なお、魚眼レンズ付きではない広角カメラが利用される場合であっても、同様のデータ処理は可能である。
***実施の形態の補足***
各実施の形態は、好ましい形態の例示であり、本開示の技術的範囲を制限することを意図するものではない。各実施の形態は、部分的に実施してもよいし、他の形態と組み合わせて実施してもよい。
100 観測システム、101 地球、102 太陽、103 静止軌道、109 宇宙物体、110 観測衛星、111 観測装置、112 衛星制御装置、113 通信装置、114 推進装置、115 姿勢制御装置、116 電源装置、120 通信衛星、121 通信装置、121E 第1指向アンテナ、121N 無指向アンテナ、121W 第2指向アンテナ、122 推進装置、123 電源装置、130 地上設備、131 通信装置、132 衛星管制装置、191 第1通信範囲、192 第2通信範囲、193 第3通信範囲、194 管制通信範囲、195 視野範囲、196 通信範囲。

Claims (14)

  1. 静止軌道に沿って飛翔して宇宙物体を観測して観測によって得られる観測データを送信するための観測衛星と、
    前記観測衛星に対する制御コマンドを送信するための地上設備と、
    前記地上設備の上空において静止軌道を飛翔し、前記観測衛星から前記観測データを受信して前記観測データを前記地上設備へ送信し、前記地上設備から前記制御コマンドを受信して前記制御コマンドを前記観測衛星へ送信するための通信衛星と、
    を備え
    前記観測衛星は、
    前記地上設備が設けられた地域である対象地域の標準時で6時から18時までの時間帯に静止軌道の高度よりも高い高度から前記観測衛星の高度よりも低い高度に存在する宇宙物体を観測し、
    前記対象地域の標準時で18時から6時までの時間帯に静止軌道の高度よりも低い高度から前記観測衛星の高度よりも高い高度に存在する宇宙物体を観測する
    観測システム。
  2. 地上設備の上空において静止軌道を飛翔しながら観測衛星と前記地上設備と通信するための通信衛星であって、
    前記観測衛星は、静止軌道に沿って飛翔して宇宙物体を観測して観測によって得られる観測データを送信するための人工衛星であり、
    前記地上設備は、前記観測衛星に対する制御コマンドを送信するための設備であり、
    前記通信衛星は、前記観測衛星から前記観測データを受信して前記観測データを前記地上設備へ送信し、前記地上設備から前記制御コマンドを受信して前記制御コマンドを前記観測衛星へ送信するための通信装置
    を備え
    前記通信装置は、
    前記通信衛星が前記観測衛星の近傍を通過するときに前記観測衛星と相互にデータを授受するために、
    東側を指向する第1指向固定アンテナと、
    西側を指向する第2指向固定アンテナと、
    指向性が無い無指向固定アンテナと、
    の少なくてもいずれかを有して近傍通信装置として機能する
    通信衛星。
  3. 前記観測衛星が、経度方向において90度から180度までの範囲で観測を行い、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの視野範囲が、アジマス方向において10度を基準にしてプラス20度からマイナス20度までの範囲であり、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの通信距離が、25000キロメートル以内であり、
    前記無指向固定アンテナの通信距離が、8000キロメートル以内である
    請求項に記載の通信衛星。
  4. 前記観測衛星が、経度方向において90度から180度までの範囲で観測を行い、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの視野範囲が、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス5度からマイナス5度までの範囲であり、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの可動範囲が、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス15度からマイナス15度までの範囲であり、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの通信距離が、25000キロメートル以内であり、
    前記無指向固定アンテナの通信距離が、8000キロメートル以内である
    請求項に記載の通信衛星。
  5. 前記観測衛星が、東経65度から東経205度までの範囲で観測を行い、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの視野範囲が、アジマス方向において15度を基準にしてプラス25度からマイナス25度までの範囲であり、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの通信距離が、36000キロメートル以内であり、
    前記無指向固定アンテナの通信距離が、8000キロメートル以内である
    請求項に記載の通信衛星。
  6. 前記観測衛星が、東経65度から東経205度までの範囲で観測を行い、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの視野範囲が、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス5度からマイナス5度までの範囲であり、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの可動範囲が、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス25度からマイナス25度までの範囲であり、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの通信距離が、36000キロメートル以内であり、
    前記無指向固定アンテナの通信距離が、8000キロメートル以内である
    請求項に記載の通信衛星。
  7. 前記観測衛星が、周回軌道の全周において観測を行い、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの視野範囲が、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス5度からマイナス5度までの範囲であり、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの可動範囲が、赤道上空軌道の接線方向を基準にして西向きでプラス40度からマイナス40度までの範囲であり、
    前記第1指向固定アンテナと前記第2指向固定アンテナの通信距離が、70000キロメートル以内であり、
    前記無指向固定アンテナの通信距離が、8000キロメートル以内である
    請求項に記載の通信衛星。
  8. 前記第1指向固定アンテナまたは前記第2指向固定アンテナの指向方向と同じ方向を指向する広角カメラを備える
    請求項に記載の通信衛星。
  9. 魚眼レンズを有するカメラを備える
    請求項に記載の通信衛星。
  10. 静止軌道を飛翔する通信衛星と、
    静止軌道の高度よりも高い高度または静止軌道の高度よりも低い高度を飛翔して静止軌道近傍を飛翔する宇宙物体を観測して観測によって得られる観測データを送信する観測衛星と、
    前記観測衛星に対する制御コマンドを前記通信衛星経由で送信し、前記観測衛星からの観測データを前記通信衛星経由で受信する地上設備と、
    を備え、
    前記通信衛星は、前記観測衛星と前記通信衛星が互いの近傍を通過しながら相互にデータを授受するための近傍通信装置を備え
    前記観測衛星は、前記地上設備が設けられた地域である対象地域の標準時で18時から6時までの時間帯に静止軌道の高度よりも低い高度から前記宇宙物体を観測する
    ことを特徴とする観測システム。
  11. 静止軌道を飛翔する通信衛星と、
    静止軌道の高度よりも高い高度または静止軌道の高度よりも低い高度を飛翔して静止軌道近傍を飛翔する宇宙物体を観測して観測によって得られる観測データを送信する観測衛星と、
    前記観測衛星に対する制御コマンドを前記通信衛星経由で送信し、前記観測衛星からの観測データを前記通信衛星経由で受信する地上設備と、
    を備え、
    前記通信衛星は、前記観測衛星と前記通信衛星が互いの近傍を通過しながら相互にデータを授受するための近傍通信装置を備え
    前記通信装置は、
    前記通信衛星が前記観測衛星の近傍を通過するときに前記観測衛星と相互にデータを授受するために、
    東側を指向する第1指向固定アンテナと、
    西側を指向する第2指向固定アンテナと、
    指向性が無い無指向固定アンテナと、
    の少なくてもいずれかを有して近傍通信装置として機能する
    ことを特徴とする観測システム。
  12. 複数の通信衛星を備え、
    各通信衛星が、前記近傍通信装置を備える
    請求項10または請求項11に記載の観測システム。
  13. 請求項1または請求項10または請求項11に記載の観測システムに用いられる通信衛星。
  14. 請求項1または請求項10または請求項11に記載の観測システムに用いられる地上設備。
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